JPH11236546A - エポキシ系微粒子状接着剤 - Google Patents

エポキシ系微粒子状接着剤

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JPH11236546A
JPH11236546A JP5414198A JP5414198A JPH11236546A JP H11236546 A JPH11236546 A JP H11236546A JP 5414198 A JP5414198 A JP 5414198A JP 5414198 A JP5414198 A JP 5414198A JP H11236546 A JPH11236546 A JP H11236546A
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JP
Japan
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epoxy
core material
particles
liquid crystal
adhesive
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Application number
JP5414198A
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English (en)
Inventor
Yoshitaka Narisei
善孝 成清
Kunihiro Fukumoto
邦宏 福本
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Kyoritsu Chemical and Co Ltd
Original Assignee
Kyoritsu Chemical and Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 液晶表示素子の画像表示部分の熱圧着の際、
コア材が熱溶融してもこのコア材は外部への流出が防止
されて液晶に対して高信頼性を呈し、狭いギャップ内に
延展されてギャップ性が良好であり、接着硬化物の接着
面積を小さくして液晶表示部分を広く保持する。 【解決手段】 コア材11と、その表面に形成されたシエ
ル材12との二重構造からなり、コア材をエポキシ樹脂
と、潜在性硬化剤と、ゴム粒子とを主成分とした弾性を
呈する材料とし、シエル材をエポキシ樹脂と、変性アミ
ン系硬化剤またはヒドラジド系硬化剤とを主成分とした
延展性材料とする。熱圧着の際、コア材が熱溶融して
も、シエル材によって阻まれて外部への流出が防止さ
れ、このため液晶に対する高信頼性を呈し、かつシエル
材の延展性により二重構造にもかかわらずギャップ性が
良好である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は液晶表示素子の画像
表示部分(面内部)の接着に適用され、弾性を呈するコ
ア材と、このコア材の表面に形成される外殻としての延
展性シエル材との二重構造からなる熱圧着により硬化さ
れる熱硬化性のエポキシ系微粒子状接着剤にかかり、特
に、熱圧着の際、コア材が熱溶融してもこのコア材は外
殻のシエル材によって包まれているため外部への流出が
防止されて液晶に対して高信頼性を呈し、かつシエル材
の延展性により二重構造にもかかわらず、狭いギャップ
内に延展されてギャップ性が良好であり、さらに、接着
硬化物の接着面積を小さくして液晶表示部分を広く保持
し得るエポキシ系微粒子状接着剤に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、液晶表示素子はパソコンのディス
プレイや壁掛けテレビ等に利用されて広く開発されてい
る。この液晶表示素子は従来、液晶外周部の接着により
構成されているが、近年では、液体表示素子の表示品位
の向上を図るためには、あるいは大画面化に対応するた
めには、液晶外周部の接着のみでは不充分であって、液
晶の画面表示部分(面内部)の接着も必要とされてい
る。
【0003】この種の接着剤として、従来、エポキシ樹
脂からなる球状粒子状接着剤であって、粒子内に潜在型
硬化剤を含み、かつ水溶性アミン系硬化剤で部分硬化さ
れたものが知られている。(特公平4−2637号公
報)
【0004】さらに、エポキシ樹脂からなる球状粒子状
接着剤として、エポキシ樹脂と有機ポリマーの相溶体を
乳化の後、相分離して得られる海島状の相分離構造を持
つ球状微粒子(特公平4−32097号公報)、およ
び、エポキシ樹脂とゴム成分とから構成され、球形状を
有し、平均粒子径が1〜100μmの範囲にあり、かつ
粒子径変動率が30%以内である接着剤(特公平6−7
8511号公報)が知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらの球状
粒子状接着剤はいずれも、主成分としてエポキシ樹脂を
用いるものの、球状粒子が単一層からなり、コア材と、
このコア材の表面にコア材を包むように形成されるシエ
ル材(外殻)との二重構造からなるものではない。
【0006】ところで、最近における液晶の応答速度の
向上や、駆動電圧の低減にともなって、液晶や配向膜、
あるいは駆動方式に変化が起こり、これらは特に、接着
剤粒子から発生する汚染物質の影響を受けやすくなって
いる。
【0007】このような状況のもとに、二重構造を有し
ない単一層からなる従来の接着剤球状粒子を液晶表示素
子の基板間に熱圧着し、接着剤として使用すると、熱圧
着の間に粒子中のエポキシ樹脂蒸気が基板の配向膜(例
えばポリイミド膜)に付着し、この付着物が液晶中に溶
け込んでしまう。さらに、接着硬化物との接触面からも
直接エポキシ樹脂が液晶中に溶け込んでしまう。このた
め、上述の単一層からなる接着剤球状粒子は液晶に対し
て悪影響を与え、信頼性を有するものとは言い難い。
【0008】さらに、従来の単一層からなる接着剤球状
粒子は基板間に所望の厚さまで熱圧着すると、形成され
る接着硬化物の拡がり面積(接着面積)が大きくなる。
これを図5を用いて説明すると、1は接着剤球状粒子が
基板2、2間にスペーサ3の厚さまで熱圧着されて形成
された接着硬化物であって、この接着硬化物1は端面4
がU字形状に喰い込んだ形状を有している。
【0009】接着硬化物1の端面が図5のようにU字形
状に喰い込んだ形状の場合、接着硬化物1の実質上の拡
がり面積はU字形状の底部を通るa、a線間のXの幅に
過ぎないにもかかわらず、見かけ上の拡がり面積がU字
形状の先端を通るb、b間のYの幅となり、接着硬化物
の拡がり面積が大きくなる。このような拡がり面積が大
きくなると、液晶表示部分が狭くなるという欠点を生じ
る。
【0010】そこで、本発明の目的は液晶表示素子の画
像表面部分(面内部)の接着に適用され、弾性を呈する
コア材と、このコア材の表面に形成される外殻としての
延展性シエル材との二重構造からなり、接着すべき面内
部間に熱圧着されてコア材が熱溶融しても、外殻のシエ
ル材に阻まれ、外部への流出が防止されて液晶に対して
高信頼性を呈し、かつ、シエル材の延展性により二重構
造にもかかわらず面内部間の狭いギャップ内に延展され
てギャップ性が良好であり、さらに、接着硬化物の接着
面積を小さくして液晶表示部分を広く保持し、上述の公
知技術に存する欠点を改良したエポキシ系微粒子状接着
剤を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
め、本発明によれば、液晶表示素子の面内部の接着に適
用され、熱圧着により硬化される熱硬化性のエポキシ系
微粒子状接着剤であって、コア材と、このコア材の表面
に形成されたシエル材との二重構造からなり、前記コア
材がエポキシ樹脂と、潜在性硬化剤と、ゴム粒子とを主
成分とした弾性を呈する材料であり、前記シエル材がエ
ポキシ樹脂と、変性アミン系硬化剤またはヒドラジド系
硬化剤とを主成分とした延展性材料であり、熱圧着の
際、コア材が熱溶融しても、シエル材によって阻まれて
外部への流出が防止され、このため、液晶に対する高信
頼性を呈し、かつシエル材の延展性により二重構造にも
かかわらずギャップ性が良好であることを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明を添付図面を用いて
具体的に詳述する。
【0013】図1は本発明にかかる微粒子状接着剤粒子
の模型図である。このような本発明にかかる接着剤粒子
10は、特に液晶表示素子の面内部、すなわち、図2のよ
うに基板13、13間の接着に適したものであって、コア材
11と、このコア材11の表面に形成されたシエル材12との
二重構造からなる微粒子であり、例えば、直径7〜10
μの大きさを有するものである。
【0014】コア材11は弾性を呈する材料であって、エ
ポキシ樹脂と、潜在性硬化剤と、ゴム粒子とを主成分と
して構成される。
【0015】エポキシ樹脂は分子中にエポキシ基を2個
以上有する化合物であって、具体的には、例えば、ビス
フエノールA、ビスフエノールF、カテコール、レゾル
シノール等の多価フエノール、あるいはグリセリンやポ
リエチレングリコールのような多価アルコールとエピク
ロルヒドリンを反応させて得られるポリグリシジルエー
テル、P−オキシ安息香酸、β−オキシナフトエ酸のよ
うなヒドロキシカルボン酸とエピクロルヒドリンを反応
させて得られるグリシジルエーテルエステル、フタル
酸、テレフタル酸のようなポリカルボン酸から得られる
ポリグリシジルエステル、4,4′−ジアミノジフエニル
メタンやm−アミノフエノール等から得られるグリシジ
ルアミン化合物、さらにはエポキシ化ノボラックやエポ
キシ化ポリオレフイン等が挙げられる。これらは、一種
または二種以上使用してもよい。
【0016】また、潜在性硬化剤は一液型エポキシ樹脂
接着剤に用いられる硬化剤であって、具体的にはフエノ
ール化合物であり、例えばフエノール、クレーゾール等
のフエノール類、ビスフエノール類、これらの縮合物あ
るいは誘導体、フエノールノボラック類、ポリビニルフ
エノール類等である。
【0017】さらに、ゴム粒子は、具体的には好ましく
は、アクリルエステル系、シリコーン系、および共役ジ
エン系重合体を好ましい例として挙げることができる
が、この他にオレフイン系、ポリエステル系、ウレタン
系等の重合体も用いられる。
【0018】このようなゴム粒子は粒径0.1〜5μであ
って、表面架橋されたいわゆるコアシエル構造を有し、
あるいは全体架橋されたものであり、溶剤不溶である。
これらゴム粒子は使用に際して単独でコア中に分散さ
れ、あるいはエポキシ樹脂中に分散されて使用に供され
る。具体的な商品としては、アクリルエステル系重合体
ではスタフイロイド(武田薬品工業(株)製)、シリコ
ーン系重合体ではトレフイル(東レダウ社製)、共役ジ
エン系重合体ではパウダーラバー(日本合成ゴム(株)
製)等が好ましい例として挙げられる。
【0019】なお、本発明に用いられる上述ゴム粒子は
エポキシ樹脂マトリックスとの親和性を付与するため
に、表面にビニル基、エポキシ基、カルボキシル基、ア
ミノ基等の極性基を化学結合させることにより表面改質
することが好ましい。
【0020】本発明はこのようなゴム粒子をコア材1中
に含有することにより、熱硬化性の剛直なエポキシ樹脂
マトリックス中に柔軟なゴムドメインが形成されて接着
硬化物に応力緩和性が付与され、かつ接着力の向上をも
来す。さらに、液晶表示素子が−30℃〜−20℃の低
温に曝されたとき、面内部、すなわち対向する基板間の
液晶は体積収縮して空隙(真空泡)をつくろうとする
が、対向する基板が液晶の体積収縮に追従して互いに引
き寄せられ、空隙の形成を阻止するように働く。このと
き、基板間の接着硬化物はコア材のゴム粒子による応力
緩和性、ならびにシエル材の延展性により、対向する基
板同志が互いに引き寄せられてもこれに順応して変形
し、引き寄せを阻害することはない。
【0021】上述のコア材1におけるゴム粒子の配合量
はエポキシ樹脂重量に対して1〜10重量部である。ゴ
ム粒子が10重量部を越えると、接着剤中のゴムドメイ
ンが多くなって弾性率が低下し、液晶表示素子に加わる
衝撃により接着硬化物の接着破壊を起こしてしまう。ま
た、1重量部以下では応力緩和性が付与されない。すな
わち、ゴム粒子の配合量はエポキシ樹脂量に対して1〜
10重量%の範囲が好ましく、この範囲内で接着硬化物
は耐衝撃性を損なうことなく、応力緩和性が充分に付与
される。
【0022】シエル材2は延展性材料であって、エポキ
シ樹脂と、変性アミン系硬化剤またはヒドラジド系硬化
剤とを主成分として構成される。
【0023】ここで用いられるエポキシ樹脂としては、
コア材1で用いられるものと同じであり、上述に示すと
おりである。
【0024】変性アミン系硬化剤はエポキシ樹脂と、過
剰のポリアミンとの反応によって得られる残留アミノ基
の活性水素を有するアミンであって、好ましくは非水溶
性変性アミンである。
【0025】ここで用いられるポリアミンとしては、エ
チレンジアミン、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジア
ミン等の脂肪族アミン類、ピペラジン、N−アミノエチ
ルピペラジン、ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘ
キシル)メタン、ジアミノメチルシクロヘキサン、メン
センジアミン、イソフオロンジアミン等の脂環族ポリア
ミン類、m−キシリレンジアミン等の脂肪芳香族アミン
類、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチル
イミダゾール等の複素環アミン類、等が挙げられる。
【0026】本発明シエル材において、硬化剤として上
述の変性アミンを用いることにより、エポキシ樹脂との
相溶性を良くして硬化反応を均一、かつ完全に行い、ま
た、空気中の炭酸ガスとの反応性を小さくして加熱硬化
時の発泡を防止し、さらに、未反応アミンの液晶中への
溶出を防止する。
【0027】ヒドラジド系硬化剤としては、サリチル酸
ヒドラジド、p−オキシ安息香酸ヒドラジド、フエニル
アミノプロピオン酸ヒドラジド等の一塩基酸ヒドラジド
化合物、コハク酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジ
ド、イソフタル酸ジヒドラジド、ドデカン酸ジヒドラジ
ド、セバチン酸ジヒドラジド、1,3−ビス(ヒドラジノ
カルボエチル)−5−イソプロピルヒダントイン7、11
−オクタデカジエン−1,18−ジカルボヒドラジド、エイ
コサン二酸ジヒドラジド等の二塩基酸ジヒドラジド化合
物等から選ばれた一種または二種以上のものが用いられ
る。本発明ではこの中で特に、二塩基酸ジヒドラジド化
合物が適している。
【0028】本発明にかかるコア材と、シエル材との二
重構造の接着微粒子は次のようにして形成される。
【0029】コア材の造粒 まず、コア材を次の方法で造粒する。
【0030】噴霧乾燥法(スプレードライ法) コア材の各成分をトルエン等の溶剤に分散して粘度の低
減された分散液を調製し、この分散液を熱風の通る蒸発
管中へノズルから噴霧し、瞬時に溶剤を揮発させて球状
の粒子を造粒する。
【0031】液中乾燥法 コア材の各成分をトルエン等の溶剤に分散して粘度の低
減された分散液を調製し、この分散液中に界面活性剤を
添加し、乳化分散してエマルジョンを作製し、このエマ
ルジョンを分散液の沸点以下の温度で脱溶剤して球状の
粒子を造粒する。
【0032】二重構造の形成 上述方法によって造粒されたコア材の表面にシエル層を
形成して二重構造とする。この形成方法として例えば次
のカプセル化方法が用いられる。
【0033】気中懸濁被覆法 流動コーテイング法として知られている。Wurster 法と
も呼ばれている。芯物質となるコア材粒子を流動層中に
分散、浮遊させ、芯物質に壁膜物質(シエル材の各成
分)を溶解したコーテイング液をスプレーして、芯物質
表面に微細な液滴を付着し、乾燥の後、カプセル化す
る。
【0034】液中乾燥法 芯物質であるコア粒子を壁膜物質となるシエル成分を溶
解した溶液に分散し、その分散状態を保ったまま分散液
の連続層が混和しない液中に入れて複合エマルジョンを
形成する。複合エマルジョンは粉体を芯とする場合はS
/W/OまたはS/O/W型エマルジョンである。そし
て壁膜物質であるシエル成分を溶解している媒質を取り
除くと、シエル物質が最内層のコア粒子表面に沈着して
カプセル化し、造粒が完了する。
【0035】噴霧乾燥法(スプレードライ法) シエル成分を溶解した溶液中にコア粒子を分散させ、得
られた分散液を噴霧し、瞬時に乾燥させて複合粒子を造
粒する。
【0036】噴霧凝固法 シエル成分を溶解した溶液中にコア粒子を分散させ、得
られた分散液を貧溶媒中に噴霧してシエル成分を析出さ
せ、分別乾燥して複合粒子を造粒する。
【0037】コアセルベーション法 シエル成分を溶解した溶液中にコア粒子を分散させ、得
られた分散液中に貧溶媒を添加して、コア粒子の表面に
シエル成分を析出させ、分別乾燥して複合粒子を造粒す
る。
【0038】上述のようにして得られた本発明にかかる
エポキシ系微粒子状接着剤は図1に示されるように接着
剤粒子10のとおりであり、コア材11と、シエル材12から
なる二重構造からなるものである。
【0039】このような接着剤粒子10は液晶の面内部間
の接着剤として次のように使用される。まず、図2に示
されるように、接着剤粒子10を液晶表示素子の基板13、
13間に、すなわち、液晶の画面表示部分(面内部)に配
置する。このときの温度は室温であり、また、液晶は未
だ基板13、13間に挿入されていない。14はスペーサであ
って、例えばガラス球からなるものである。
【0040】次いで、図3に示されるように、基板13、
13間を加熱しながら徐々に圧着すると、接着剤粒子10は
圧縮されて楕円形に変形するが、この状態では基板13、
13はまだスペーサ14に達していない。このときの加熱温
度は約90℃である。
【0041】さらに、熱圧着を続けると、図4に示され
るように、やがて基板13、13はスペーサ14に達して圧着
が停止する。すなわち、基板13、13間のギャップ幅はス
ペーサ14の径の幅となる。そして、接着剤粒子10もま
た、スペーサ14の径の幅まで圧着されて一層の楕円形に
変形されるが、接着剤粒子10はこのような変形にもかか
わらず、シエル材12の良好な延展性により、コア材11を
完全に包んだ状態を維持する。このときの加熱温度は1
20〜160℃であって、この温度に約2時間あるいは
それ以上の時間保持して接着剤粒子10を硬化し、接着硬
化物を形成して基板13、13間を接着する。
【0042】上述の接着操作において、温度を常温から
160℃に上昇して接着剤粒子10を硬化するまでの期間
中、コア材11は熱溶融するが、シエル材12によって包ま
れているため、外部への流出が防止される。すなわち、
コア材11は加熱温度によって相当に軟化してエポキシ樹
脂の蒸気を発生するが、シエル材12に包まれているため
この流出が防止され、したがって、接着剤粒子10は液晶
を汚染することがなく、液晶に対する信頼性が高い。
【0043】もし、接着剤粒子10がシエル材12を有せ
ず、単一層の場合には、発生したエポキシ樹脂の蒸気は
基板13、13表面の配向膜(ポリイミド膜)に付着してし
まい、基板13、13間に液晶を挿入したときに、この付着
物が液晶中に溶出して液晶を汚染し、液晶に対する信頼
性が失われる。
【0044】さらに、本発明にかかる接着剤粒子10は硬
化後に液晶と直接接触しても、二重構造のため、コア材
11が液晶と接触することがなく、したがって、接着剤粒
子10中のエポキシ樹脂が液晶に溶出することがなく、こ
の点からも液晶に対する信頼性が高いものである。
【0045】さらに、本発明にかかる接着剤粒子10は図
4に示されるように、基板13、13間にスペーサ14の径の
厚さまで熱圧着しても、端面15はほとんど垂直の形状を
有しており、図5のように端面がU字形状には変形され
ない。したがって、本発明の接着剤粒子10では、図5の
ような見かけ上の拡がり面積Yはほとんど存在せず、実
質上の拡がり面積の幅Xがすべてである。したがって、
拡がり面積は図5のものと比較して小さく、このため液
晶表示部分が広くなる。
【0046】
【発明の実施例】以下、本発明を実施例によって具体的
に詳述する。
【0047】実施例1 コア粒子の造粒 ビスフエノールAグリシジルエーテルである2種のエポ
キシ樹脂、すなわち、エピクロン4050(大日本イン
キ、エポキシ当量:950)60部およびエピクロン1
050(大日本インキ、470)60部とフエノール系
潜在型硬化剤レジトップPS6865(群栄化学、フエ
ノール価:122)18部と、カルボキシル基変性アク
リロニトリル・ブタジエン系共重合体ゴム粒子XER−
91(JSR)12部との各成分の混合物にトルエンを
加えて固形分30重量%の半透明溶液を調製した。この
溶液は、ゴム粒子が均一に浮遊した液体である。
【0048】次いで、これとは別に、ポリビニルアルコ
ール#500(和光純薬)5重量%およびノニオン型界
面活性剤NS−230(日本油脂)0.5重量%の水溶液
750mlを調製し、この水溶液中に上述の半透明溶液を
ホモジナイザーで7,000rpm で攪拌しながら少しずつ
連続して添加しながら強制乳化を行った。添加終了後、
5分間攪拌をつづけ乳化を完了した。
【0049】得られた乳化液を加熱ジャケット付きの減
圧脱溶剤装置に入れ、減圧度100mmHg、ジャケット温
度80℃に加熱しながら約150分かけてトルエンを系
外へ減圧留去した。この場合、共沸する水を補充するこ
とが好ましく、また、トルエンが沸騰しない速度で留去
することが重要である。揮発中は60rpm 程度の攪拌を
行い、乳化液からトルエン臭がしなくなる時点を脱溶剤
の終点とする。
【0050】乳化液をJIS規格濾紙No.2で濾過して分
取した後、水ヒ法で5μ以下と15μ以上の粒子を除去
して中心粒径10μ、CV値18%のコア粒子を得た。
【0051】シエル材の調製 まず、シエル層となるシエル材成分を調製する。ビスフ
エノールAグリシジルエーテルであるエポキシ樹脂、エ
ピクロン850S(大日本インキ、エポキシ当量:18
7)187部と無水ピペラジン(アミン当量:43)8
6部との付加反応物(変性アミン化合物)を製造する。
この変性アミン化合物は、アミン当量270程度の非水
溶性アミンである。ビスフエノールAグリシジルエーテ
ルであるエポキシ樹脂、エピクロン1050(大日本イ
ンキ、470)50部、フエノール系潜在型硬化剤レジ
トップPS6865(群栄化学、フエノール価:12
2)6部および前述の変性アミン化合物15部をMEK
に溶解し、固形分30重量%の透明溶液(シエル材成
分)を作液した。
【0052】本発明にかかる接着剤粒子の製造 上述で得られたコア粒子50gをフロリナートFC−
40(住友3M)1,000mlに分散し、800回転で攪
拌しながらで得られたシエル材成分溶液50gを30
分かけて連続で滴下し、コア粒子表面にシエル材成分を
付着した。その後、攪拌速度を60rpm まで落とし、1
00mmHgの減圧下、40℃に加熱して、MEKを完全に
減圧留去した。そのまま、40℃で6時間反応を続け、
温度を60℃上げて、さらに2時間加熱して反応を完結
させた。粒子をJIS規格濾紙No.2で濾過して分取し、
ヘキサンおよびメタノールで洗浄し、乾燥させた後、水
ヒ法で分級し、微小粒子を除いて平均粒子径10.8μ、
CV値17%の分級粒子のスラリーを得た。その後、シ
リカゾル スノーテックスN(日産化学工業)を粒子に
対して、0.5重量%加え、30分攪拌して粒子にシリカ
ゾルを吸着させた。最後に粒子を濾過し、真空乾燥し
て、二重構造の球状粒子を得た。
【0053】このようにして得た二重構造の球状粒子1
mgを液晶表示素子に通常使用されるガラス板(コーニン
グ#7059)から切り出した15mm×35mmの長方形
ガラス片に挟み込み、クリップで固定(加圧力:2kg)
し、160℃の熱風乾燥機にいれて2時間加熱硬化し
た。この試験片について接着強度を測定したところ2kg
/mm でガラス材破であった。また、加熱硬化後のガラス
転移温度は108℃で圧縮弾性率は28mg/mμ2 であっ
た。
【0054】さらに、一片が50mm、厚さ1.1mmのIT
Oおよびポリイミド配向膜付きのガラス基板をラビング
処理し、片方のガラス基板に液晶シール剤としてスペー
サ材(平均粒径:4.2μ)を1wt%添加したWR780
BB(協立化学産業製)をスクリーン印刷で塗布し、他
方のガラス基板に上述によって得られた0.4mgの球状粒
子(0.016mg/cm2) と0.2mgのスペーサ粒子(ミクロ
パールSP、平均粒径:4.0μ、積水フアインケミカル
製)を均一に分散した。両ガラス基板の位置合わせを行
い、貼り合わせて、プレス圧1kg/cm2で120℃、1時
間、その後、160℃、2時間加熱硬化を行った。組み
上がった液晶セルを液晶注入装置に入れ、0.01mmHg以
下まで減圧し、シール部の開口端(封口部)をTN液晶
(ZLI−4792、メルクジャパン製)に浸漬し、徐
々に減圧を解除して大気圧まで戻して、液晶をセル内に
注入した。最後に、封口部をUV系接着剤で封止し、液
晶のNI点以上の温度(105℃)で1時間エージング
を行い、液晶表示素子を完成させた。この液晶表示素子
を−30℃の低温槽中に5日間放置しても低温真空泡の
発生は見られなかった。
【0055】実施例2 コア粒子の造粒 ビスフエノールAグリシジルエーテルであるエポキシ樹
脂、エピクロン4050(大日本インキ、エポキシ当
量:950)80部、プロピレンオキシド変性エポキシ
樹脂、アデカレジンEP−4005(旭電化、エポキシ
当量:530)50部、フエノール系潜在型硬化剤レジ
トップPS6865(群栄化学、フエノール価:12
2)18部、カルボキシル基変性アクリル酸エステル系
コアシエル粒子AC−3867(武田薬品工業)8部お
よび触媒としてトリフエニルホスフイン0.1部の混合物
にトルエンを加えて固形分50重量%の溶液とし、これ
を110℃で約8時間反応してBステージ化を行い、固
形分の軟化温度を80℃〜85℃になるように調整し
た。次いで、室温まで冷却してMEKで8wt%に希釈し
た。最終的に得られたこの溶液はコアシエル粒子が均一
に浮遊した液体である。上記溶液を遠心デイスク方式噴
霧乾燥機を用いて熱風温度80℃、出口温度40℃、デ
イスク回転数8,000rpm の条件で噴霧乾燥し、造粒を
行い、直径が1〜25μのほぼ球状の固形樹脂を得た。
これを純水中に浸漬し、超音波分散を行って凝集粒子を
ほぐしたのち、水ヒ法で10μ以下と20μ以上の粒子
を除去して中心粒径14.9μ、CV値20%のコア粒子
を得た。
【0056】接着剤粒子の製造 実施例1の方法で中心粒径16.0μ、CV値24%の2
重構造の球状粒子を得た。さらに、実施例1と同様の方
法でその特性を評価した。接着強度:1.5kg/mm 、圧縮
弾性率:30mg/mμ2 、ガラス転移温度:90℃であっ
た。散布密度を0.4mgの球状粒子(0.016mg/cm2) と
0.2mgのスペーサ粒子(ミクロパールSP、平均粒径:
5.3μ、積水フアインケミカル製)として液晶表示素子
を作製し、評価を行ったが、低温真空泡の発生は見られ
なかった。
【0057】実施例3 コア粒子の造粒 ビスフエノールAグリシジルエーテルであるエポキシ樹
脂、エピクロン4050(大日本インキ、エポキシ当
量:950)30部、ウレタン変性エポキシ樹脂、アデ
カレジンEPU−11(旭電化、エポキシ当量:31
0)30部、エポセットBPA328(日本触媒工業、
アクリルゴム微粒子20%含有、エポキシ当量:23
0)60部、フエノール系潜在型硬化剤レジトップPS
6865(群栄化学、フエノール価:122)20部お
よび触媒としてトリフエニルホスフイン0.1部の混合物
にトルエンを加えて固形分50重量%の溶液とし、これ
を110℃で約8時間反応してBステージ化を行い、固
形分の軟化温度を80℃〜85℃になるように調整し
た。次いで、室温まで冷却してトルエンで30wt%に希
釈した。この溶液は、ゴム粒子が均一に浮遊した液体で
ある。上記溶液全量を実施例1と同様の方法で乳化分散
し、平均粒径12.1μ、CV値18%のコア粒子を得
た。
【0058】接着剤粒子の製造 実施例1の方法で中心粒径12.9μ、CV値18%の2
重構造の球状粒子を得た。さらに、実施例1と同様の方
法でその特性を評価した。接着強度:1.7kg/mm 、圧縮
弾性率:30mg/mμ2 、ガラス転移温度:90℃であっ
た。散布密度を0.4mgの球状粒子(0.016mg/cm2) と
0.2mgのスペーサ粒子(ミクロパールSP、平均粒径:
4.0μ、積水フアインケミカル製)として液晶表示素子
を作製し、評価を行ったが、低温真空泡の発生は見られ
なかった。
【0059】実施例4 コア粒子の調製 実施例3の方法で中心粒径5.8μ、CV値17%のコア
粒子を得た。
【0060】シエル層の形成 まず、シエル層となる成分を調製する。ビスフエノール
Aグリシジルエーテルであるエポキシ樹脂、エピクロン
1050(大日本インキ、エポキシ当量:470)30
部とエピクロン4050(大日本インキ、エポキシ当
量:940)30部、二塩基酸ジヒドラジド化合物であ
るアミキュアVDH(味の素、活性水素当量:78.5)
3.5部をメタノールに溶解し、固形分30重量%の透明
溶液を作液した。
【0061】次いで、上記で得られたコア粒子50g
を流動パラフイン(関東化学)1,000mlに分散し、8
00回転で攪拌しながらシエル層成分溶液50gを30
分かけて連続で滴下し、コア粒子表面にシエル層成分を
付着させる。
【0062】その後、攪拌速度を60rpm まで落とし、
150mmHgの減圧下、40℃に加熱して、メタノールを
完全に減圧留去した。そのまま、40℃で6時間反応を
続け、温度を60℃に上げて、さらに2時間加熱して反
応を完結させた。粒子をJIS規格濾紙No.2で濾過して
分取し、ヘキサンおよびメタノールで洗浄し、乾燥させ
た後、水ヒ法で分級し、微小粒子を除いて平均粒子径6.
4μ、CV値18%の分級粒子のスラリーを得た。この
液に、シリカゾル スノーテックスN(日産化学工業)
を粒子に対して、0.5重量%加え、30分攪拌してシリ
カゾルを吸着させた。最後に粒子を濾過し、真空乾燥し
て、二重構造の球状粒子を得た。
【0063】上述のようにして得られた球状粒子を用い
て次のようにして液晶表示素子を形成した。
【0064】まず、ポリイミド配向膜の塗布された厚さ
1.1mm、大きさA4版サイズのガラス基板を二枚用意す
る。この一方のガラス基板に、スペーサ材(平均粒径:
1.2μ)を1重量%を含むWR780BB(協立化学産
業製)をスクリーン印刷により塗布した。さらに、他方
のガラス基板に球状粒子0.2mg(0.008mg/cm2)およ
びスペーサ粒子(シーホスターKE、平均粒径:1.1
μ、日本触媒製)0.2mgを均一に分散した。
【0065】次いで、これら両基板を位置合わせして貼
り合わせ、プレス圧1Kg/cm2 、温度100℃で1時間熱
圧着し、その後160℃の温度で2時間加熱硬化を行
い、液晶セルを形成した。この液晶セルを加熱可能な液
晶注入装置に入れ、封口部より強誘電性液晶を加熱注入
した。
【0066】その後、封口部をUV系接着剤で封止し、
105℃の温度でエージングを行って液晶表示素子を完
成させた。この液晶表示素子のガラス基板間のギャップ
幅を測定したところ、1.0〜1.1μの範囲であった。
【0067】さらに、この液晶表示素子のガラス基板間
の接着硬化物について顕微鏡観察したところ、液晶セル
の一画素(−ドット)中、表示されない部分が少なく、
開孔率が高いことがわかった。このことは接着硬化物の
図4に示されるXの幅、すなわち、接着面積が小さく、
液晶表示部分が広く保持されることを意味する。
【0068】このことを液晶表示部分のコントラストで
説明すると、このコントラストは黒表示のときの輝度と
白表示のときの輝度から計算される。すなわち、 「コントラスト=(白表示のときの輝度)/(黒表示の
ときの輝度)」 である。すなわち、コントラストが大きいということは
分母である黒表示のときの輝度が小さいか、分子である
白表示のときの輝度が大きいことであり、また、コント
ラストが小さいということはその逆である。
【0069】そこで、黒表示の場合、接着硬化物の部分
とスペーサの部分は黒くならずにバックライトの光が漏
れてしまうのであるが、接着硬化物の面積が減少すれ
ば、輝度の数値が小さくなり、結果としてコントラスト
が向上する。また、白表示の場合、接着硬化物は液晶表
示領域よりも光透過率が劣るのであるが、接着硬化物の
面積が減少すれば輝度の数値が大きくなり、結果として
コントラストが向上する。本発明では、上述のとおり、
接着硬化物の接着面積が小さく、すなわち、図4のXの
幅が小さいのであるから、液晶表示部分のコントラスト
が全体として向上し、その結果、表示品位が向上する。
【0070】実施例5 実施例1〜3で作製した液晶表示素子について電圧保持
率を測定し、本発明の接着微粒子が液晶の配向に及ぼす
影響を検証した。各液晶表示素子には、9個のセル電極
が形成されており、セル部の電圧保持率を測定できる構
造となっている。また、本発明の接着微粒子を散布せず
にミクロパールのみで作製したブランクについて電圧保
持率を測定し、本発明にかかる電圧保持率と比較した。
試験は、液晶表示素子を85℃の恒温試験槽に指定時間
放置して、室温に冷却後、25℃と75℃での電圧保持
率を測定することにより行い、結果を表1および表2に
示した。表1は85℃高温放置試験(電圧保持率測定2
5℃)の測定結果であり、表2は85℃高温放置試験
(電圧保持率測定75℃)の測定結果である。
【0071】電圧保持率の測定は次のようにして行っ
た。すなわち、液晶パネルの対向する電極間に所定の矩
形パルスを印加し、電圧除去後電極をオープン状態にす
ると、液晶材料および配向膜からのリークによってパネ
ルの電極間の電圧が低下する。この電圧低下の程度を測
定することにより行った。
【0072】測定装置は、 (1)パルス電圧発生器 (2)ゲート回路 (3)アクティブプローブ付きオシロスコープ の各装置を用いた。
【0073】測定方法は次のとおりである。所定周期の
パルス電圧を液晶表示パネルに印加し、アクティブプロ
ーブ付きのオシロスコープによって液晶表示パネルの電
極間電圧波形を観測する。パルス電圧が印加されないオ
ープン状態の時の電圧の低下量ΔVを測定し、次式によ
り電圧低下率を求める。
【0074】
【数1】
【0075】なお、液晶パネルに印加するパルス電圧の
パルス幅は、液晶への充電電圧が完全に飽和する時間以
上に設定する。
【0076】
【表1】
【0077】
【表2】
【0078】表1および表2から明らかなように、各実
施例の数値と、ブランクの数値との間に大きな変化がな
く、両者はほとんど変わっていない。
【0079】このことは本発明の接着剤粒子は実施例1
〜3のいずれも液晶に異物としての悪影響を与えていな
いことを意味する。すなわち、実施例1〜3によって得
られた接着剤粒子はいずれも、液晶表示素子の画像表示
部分(面内部)の接着用微粒子として優れた性能を発揮
し、液晶に対して高信頼性を呈していることが表1およ
び表2からわかる。
【0080】
【発明の効果】以上のとおり、本発明にかかるエポキシ
系微粒子状接着剤は液晶表示素子の画像表面部分(面内
部)の接着に適用され、弾性を呈するコア材と、このコ
ア材の表面に形成される外殻としての延展性シエル材と
の二重構造からなり、接着すべき面内部間に熱圧着され
てコア材が熱溶融しても、外殻のシエル材に阻まれ、外
部への流出が防止されて液晶に対して高信頼性を呈し、
かつ、シエル材の延展性により二重構造にもかかわらず
面内部間の狭いギャップ内に延展されてギャップ性が良
好であり、さらに、接着硬化物の接着面積を小さくして
液晶表示部分を広く保持し、実用上有用な発明である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる接着剤粒子の一具体例の断面図
である。
【図2】本発明にかかる接着剤粒子を液晶表示素子の基
板間に配置した状態の断面図である。
【図3】図2の状態から基板間の熱圧着を開始した状態
の断面図である。
【図4】図2の状態から熱圧着を終了した状態の断面図
である。
【図5】従来の接着剤粒子による接着硬化物を表した断
面図である。
【符号の説明】
10 接着剤粒子 11 コア材 12 シエル材 13 基板 14 スペーサ 15 端面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G09F 9/35 302 G09F 9/35 302

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液晶表示素子の面内部の接着に適用さ
    れ、熱圧着により硬化される熱硬化性のエポキシ系微粒
    子状接着剤であって、コア材と、このコア材の表面に形
    成されたシエル材との二重構造からなり、前記コア材が
    エポキシ樹脂と、潜在性硬化剤と、ゴム粒子とを主成分
    とした弾性を呈する材料であり、前記シエル材がエポキ
    シ樹脂と、変性アミン系硬化剤またはヒドラジド系硬化
    剤とを主成分とした延展性材料であり、熱圧着の際、コ
    ア材が熱溶融しても、シエル材によって阻まれて外部へ
    の流出が防止され、このため液晶に対する高信頼性を呈
    し、かつシエル材の延展性により二重構造にもかかわら
    ずギャップ性が良好であることを特徴とするエポキシ系
    微粒子状接着剤。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記エポキシ樹脂が
    分子中にエポキシ基を2個以上有する化合物である請求
    項1に記載されるエポキシ系微粒子状接着剤。
  3. 【請求項3】 請求項1において、前記コア材の潜在性
    硬化剤がフエノール化合物である請求項1に記載される
    エポキシ系微粒子状接着剤。
  4. 【請求項4】 請求項1において、前記コア材のゴム粒
    子がアクリルエステル系、シリコン系、または共役ジエ
    ン系重合体であって、表面架橋または全体架橋された粒
    径0.1〜5μを有するゴム粒子である請求項1に記載さ
    れるエポキシ系微粒子状接着剤。
  5. 【請求項5】 請求項1において、前記ゴム粒子が表面
    に極性基を化学結合させることにより表面改質されたも
    のである請求項1に記載されるエポキシ系微粒子状接着
    剤。
  6. 【請求項6】 請求項1において、前記コア材における
    ゴム粒子の配合量がエポキシ樹脂量に対して1〜10重
    量部である請求項1に記載されるエポキシ系微粒子状接
    着剤。
  7. 【請求項7】 請求項1において、前記シエル材におけ
    る変性アミン系硬化剤がエポキシ樹脂と、過剰のポリア
    ミンとの反応によって得られる残留アミノ基の活性水素
    を有する変性アミンである請求項1に記載されるエポキ
    シ系微粒子状接着剤。
  8. 【請求項8】 請求項1において、変性アミン系硬化剤
    が非水溶性変性アミン系硬化剤である請求項1に記載さ
    れるエポキシ系微粒子状接着剤。
  9. 【請求項9】 請求項1において、前記シエル材におけ
    るヒドラジド系硬化剤が一塩基酸ヒドラジド化合物また
    は二塩基酸ヒドラジド化合物である請求項1に記載され
    るエポキシ系微粒子状接着剤。
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