JP2001072955A - 粉末状接着剤 - Google Patents

粉末状接着剤

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JP2001072955A
JP2001072955A JP25229399A JP25229399A JP2001072955A JP 2001072955 A JP2001072955 A JP 2001072955A JP 25229399 A JP25229399 A JP 25229399A JP 25229399 A JP25229399 A JP 25229399A JP 2001072955 A JP2001072955 A JP 2001072955A
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adhesive
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Takahiro Ito
隆浩 伊藤
Hirokane Taguchi
裕務 田口
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Toagosei Co Ltd
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Toagosei Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ゴム成分を表面処理しなくてもゴム成分に由
来するバラツキがなく、安定した性能を発揮し、液晶表
示パネルの点接着に用いても、低温保管時に真空泡を発
生することがない新規な粉末状接着剤およびこれを用い
た液晶表示パネルの提供。 【解決手段】 (1)1分子内にエポキシ基を2個以上
有するエポキシ樹脂、(2)エポキシ樹脂用潜在型硬化
剤および(3)架橋ゴム微粒子からなり、前記(1)、
(2)および(3)の成分の合計重量を基準にして前記
成分(3)の架橋ゴム微粒子を30〜70重量%含有す
る粉末状接着剤であって、かつその平均粒子径が0.3
〜500μmであることを特徴とする粉末状接着剤およ
びこれを用いた液晶表示パネル。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ネマチック液晶、
強誘電液晶等の液晶材料を2枚のガラス基板の間隙に封
入してなる液晶表示セル、より詳しくは2枚のガラス基
板の間隙をμmオーダーで均一に保ってなる液晶表示パ
ネル、およびその表示部位の点接着に用いる直径0.3
〜500μmのエポキシ系粉末状接着剤に関する。
【0002】
【従来の技術】潜在型硬化剤を含有するエポキシ樹脂を
主成分とする液晶表示パネル用粉末状接着剤が、特開平
7−301809号公報に開示されている。
【0003】エポキシ樹脂と潜在型硬化剤を溶液中で相
溶的に混合し、これを噴霧乾燥して製造するこの粉末状
接着剤は、液晶表示セルの表示部位の点接着において強
力な接着力を示し、さらに、接着剤硬化物周辺の液晶の
配向を乱さない特徴がある。
【0004】液晶表示パネルは、移送中や使用中に低い
温度にさらされることがあり、−30℃における保存安
定性や、−20℃における正常な表示性能が要求され
る。液晶表示パネルを構成する材料のうち、液晶の線膨
張係数がおよそ10−3/℃のオーダーであるのに対
し、表示部位の接着に用いる粉末状接着剤の硬化物は、
ガラス転移点以下の温度範囲ではおよそ10−5/℃の
オーダーである。このため液晶表示パネルが常温付近か
ら低温へ冷却される過程で、液晶の収縮が接着剤硬化物
より大きいことから、液晶内の広い範囲に真空の泡が発
生する。真空の泡が発生すると、この部位の光の透過性
が変化し、正常な表示ができなくなる。特に、液晶材料
として強誘電液晶を用いた液晶表示セルの場合は、真空
の泡が発生するとその部位の液晶の配列が破壊されるの
で、常温に戻しても表示の異常が回復せず重大な問題と
なる。
【0005】冷却時の真空の泡の発生を防止する目的
で、特公平6−78511号公報では、エポキシ樹脂成
分40〜90wt%、ゴム成分10〜60wt%の配合
とすることで、接着剤の線膨張係数を10−4/℃オー
ダーまで高め、さらに、硬化物の弾性率を低くすること
で、液晶の収縮に追随して接着剤硬化物が圧縮されるよ
うに改良した粉末状接着剤が提案されている。この提案
により冷却時の真空泡は防止でき、液晶表示パネルの表
示欠陥を防ぐことができる。
【0006】しかし、エポキシ樹脂に配合するゴム成分
として、エポキシ樹脂と相溶可能なゴムを用いた粉末状
接着剤は、真空泡の防止には優れているものの、ゴム成
分がエポキシ樹脂のガラス転移点を低下させ、配合物同
士の付着性を増大させるため、接着剤粒子の凝集性が強
くこのままでは粉末状接着剤として使用することができ
ない。そのため、接着剤粒子の表面をアミン系硬化剤等
で部分硬化させたり、シリカゾルを付着させたり、他の
方法でマイクロカプセル化させたりする必要が生じる。
しかしながら、このような粉末状接着剤に施される表面
処理は、製造工程的に不利である上に、接着強度の低下
を招いたり、接着剤硬化物周辺の液晶の配向を乱す等の
影響を示すことがある。
【0007】また、ゴム成分をエポキシ樹脂に相溶的に
混合し、硬化の過程でゴム成分を析出させ、いわゆる海
島構造をとらせるゴム配合エポキシ樹脂の場合、一般的
に硬化条件によってゴムの分散状態や、ゴム相の大き
さ、さらに、低分子量ゴム成分のエポキシ樹脂中への残
存率等が変化するといわれている。ミクロな粒子として
液晶表示セルの点接着に用いる粉末状接着剤において、
このようなゴム成分に由来するバラツキは、接着不良、
硬化物物性のバラツキの他に、液晶の配向乱れ等の重大
な欠陥を引き起こす。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ゴム
成分を表面処理しなくてもゴム成分に由来するバラツキ
がなく、安定した性能を発揮し、液晶表示パネルの点接
着に用いても、低温保管時に真空泡を発生することがな
い新規な粉末状接着剤およびこれを用いた液晶表示パネ
ルを提供する点にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の課
題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、エポキシ樹脂に
架橋ゴムの微粒子を配合することにより前記の課題を解
決できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0010】すなわち、本発明の第一は、(1)1分子
内にエポキシ基を2個以上有するエポキシ樹脂、(2)
エポキシ樹脂用潜在型硬化剤および(3)架橋ゴム微粒
子からなり、前記(1)、(2)および(3)の成分の
合計重量を基準にして前記成分(3)の架橋ゴム微粒子
を30〜70重量%含有する粉末状接着剤であって、か
つその平均粒子径が0.3〜500μmであることを特
徴とする粉末状接着剤に関する。
【0011】本発明の第二は、対向配置されている2枚
の基板の間隙に、スペーサーと請求項1〜3いずれか記
載の粉末状接着剤とが挿入されており、前記粉末状接着
剤の加熱硬化により2枚の基板が接着されていることを
特徴とする液晶表示パネルに関する。
【0012】本発明で使用するエポキシ樹脂は、1分子
中にエポキシ基を2個以上有する化合物であり、この例
としては、ビスフェノールA、ビスフェノールF、フェ
ノールノボラック樹脂またはクレゾールノボラック樹脂
とエピクロルヒドリンとの重縮合物であるビスフェノー
ルA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹
脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂またはクレゾ
ールノボラック型エポキシ樹脂、(ポリ)エチレングリ
コールまたはグリセリン等の多価アルコールあるいはア
ニリンまたはジアミノジフェニルメタン等のアミン化合
物とエピクロルヒドリンとの重縮合物が挙げられ、これ
らは複数種を混合して使用してもよい。
【0013】これらのエポキシ樹脂の中では、液晶表示
パネルの接着性の点で環球法による軟化点〔JIS−K
−7234に基づくRB軟化点(以下「RB軟化点」と
称する。)〕が60〜120℃のものが好ましく、より
好ましくはRB軟化点が75〜100℃のエポキシ樹脂
である。
【0014】RB軟化点60℃未満の場合には、乾燥し
た半硬化状エポキシ樹脂粒子が融着しやすく、後述の噴
霧乾燥において安定した球状粒子を得ることが難しく、
120℃を越える場合は、液晶表示パネルを組み立てる
工程において半硬化状エポキシ樹脂を溶融させ、所定の
基板間隔に圧着することが困難になる。
【0015】この範囲の軟化点を有するエポキシ樹脂と
しては、例えば、エポキシ当量200〜900で分子量
(重量平均分子量。以下同じ。)800〜2000程度
のビスフェノールA型エポキシ樹脂またはビスフェノー
ルF型エポキシ樹脂、あるいはエポキシ当量170〜2
30で分子量600〜1800程度のフェノールノボラ
ック型またはクレゾールノボラック型のエポキシ樹脂等
が挙げられる。
【0016】これら一般的なエポキシ樹脂以外にも、例
えばポリエチレングリコールまたはポリプロピレングリ
コールのジグリシジルエーテルや、高級脂肪酸のグリシ
ジルエステル、あるいはグリシジルアミン型エポキシ等
の特殊エポキシ樹脂を、硬化後の耐熱性や柔軟性を付与
する目的で添加してもよい。
【0017】本発明の潜在型硬化剤としては、ジシアン
ジアミド、イミダゾール化合物、イミダゾール化合物と
エポキシ樹脂とのアダクト体、ルイス酸複合体、フェノ
ール樹脂、フェノールノボラック樹脂、ポリビニルフェ
ノール樹脂、酸無水物、酸性ポリエステル、スチレンマ
レイン酸共重合体等、カルボキシル基含有ポリマー、ポ
リアミンおよび変性ポリアミン等がある。
【0018】本発明に好ましいのは、ジシアンジアミ
ド、イミダゾール化合物、およびイミダゾール化合物と
エポキシ樹脂とのアダクト体である。
【0019】ジシアンジアミド等の潜在型硬化剤は、ジ
メチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドまたはN−
メチルピロリドン等の極性の高い溶剤が好ましいのに対
し、エポキシ樹脂は、エステル系またはケトン系の溶剤
が好まれ、エポキシ樹脂および潜在型硬化剤の両方を溶
解する溶剤は少ない。本発明においては、あらかじめエ
ポキシ樹脂と潜在型硬化剤とを加熱により予備的に反応
させた反応物(半硬化状エポキシ樹脂)の溶液を用いる
ことで、両者が相溶的に溶解した溶液を得ることができ
る。
【0020】本発明のエポキシ樹脂とジシアンジアミド
とを予備的に反応させることにより相溶化する方法およ
び条件について以下に説明する。エポキシ樹脂はあらか
じめ溶剤に溶解して固形分濃度30〜50%程度の溶液
としておくことが好ましい。該溶剤としては沸点と溶解
性の点でメチルエチルケトンが最適である。一方、ジシ
アンジアミドは、前述のとおりジメチルホルムアミド、
ジメチルアセトアミドまたはN−メチルピロリドン等の
極性の高い溶剤でなければ溶解が困難であり、これらの
溶剤に溶解させて好ましくは固形分濃度20〜40%程
度の溶液とする。
【0021】さらに本発明では、エポキシ樹脂と硬化剤
に加えて、それらを加熱して硬化させる際の温度を下げ
る目的で、硬化促進剤を使用するのが好ましい。硬化促
進剤としては、とくに制限はないが、たとえば三級アミ
ン系またはホスフィン系などが挙げられる。本発明で
は、溶液の保存安定性と硬化促進効果の点でアミン系の
イミダゾール化合物が最も好ましい。具体的には1−メ
チルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチ
ル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチ
ルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−C1
1イミダゾール(C11は炭素数11のアルキル基)お
よび1−フェニルイミダゾールが挙げられる。これらイ
ミダゾール化合物は、メチルエチルケトンまたはイソプ
ロピルアルコールに容易に溶解し、固形分濃度30〜5
0%程度の溶液として使用することが好ましい。
【0022】本発明においては、上記のエポキシ樹脂、
硬化剤および必要に応じて加える硬化促進剤を混合する
ために、それぞれの溶液を混合するが、硬化剤のジシア
ンジアミドはメチルエチルケトンが主体の溶剤中で析出
しやすいため、本発明では、この混合溶液を加熱してエ
ポキシ樹脂のエポキシ基にジシアンジアミドを付加させ
て、半硬化状エポキシ樹脂とする(所謂Bステージ
化)。その反応条件は、常圧下、70〜90℃でコンデ
ンサを設けて環流しながら反応時間2〜10時間が適当
である。なお、メチルエチルケトンを溶剤として用いる
場合、その沸点は約79℃であるが、溶液は沸点上昇に
より、常圧下でも約90℃まで加熱可能である。
【0023】本発明の架橋ゴムの微粒子としては、とく
に制限はないが、例えば乳化重合法、懸濁重合法、溶液
重合法等で得られるシリコーンゴム、MBSゴム、NB
Rゴム、アクリルゴム等の架橋した微粒子が挙げられ
る。十分な真空泡の防止効果を得るためには架橋ゴム微
粒子を、エポキシ樹脂、潜在型硬化剤および架橋ゴム微
粒子の合計重量を基準にして30〜70重量%、好まし
くは40〜60重量%の範囲で配合する。30重量%未
満では真空泡の防止効果が得られず、また、70%を越
えると、接着剤硬化物の凝集力が低下して十分な接着強
度を得ることができない。
【0024】シリコーンゴムは、ジメチルシリコーン生
ゴム、メチルビニルシリコーン生ゴム、メチルフェニル
ビニルシリコーン生ゴム、フロロシリコーン生ゴムなど
の生ゴム(必要に応じて充填剤、湿潤剤、加硫促進剤な
どの添加剤を含む)を含む生ゴム組成物を有機過酸化
物、脂肪酸アゾ化合物、硫黄、放射線などの加硫剤によ
り架橋したものである(1990年8月31日 日刊工
業新聞社発行、伊藤邦雄編、「シリコーンハンドブッ
ク」第276〜464頁参照)。
【0025】MBSゴムは、ブタジエンゴムラテックス
またはブタジエン−スチレン共重合体ゴムラテックスの
存在下にスチレンとメチルメタクリレートをグラフト重
合させたグラフト共重合体型ゴムであり、グラフト重合
させるスチレンおよび/またはメチルメタクリレートが
幹ポリマー同士を架橋するので、通常は別途加硫する必
要はないが、必要に応じて前記添加剤と共に加硫剤や加
硫促進剤を併用することもできる。
【0026】NBRゴムは、アクリロニトリル−ブタジ
エン共重合体ゴムあるいはこの共重合体の末端をカルボ
キシル基やアミノ基で変性したものなどであり、必要に
応じて前記添加剤とともに、硫黄、過酸化物、エポキシ
化合物などを用いて加硫したものである(昭和42年1
1月30日 株式会社朝倉書店発行、神原周外3名編、
合成ゴムハンドブック第226〜237頁参照)。
【0027】アクリルゴムは、(メタ)アクリル酸エス
テルの重合体、共重合体を主成分とする弾性体であり、
代表的なものとしてはアクリル酸ブチル−アクリロニト
リル共重合体ゴムを挙げることができる(前記「合成ゴ
ムハンドブック第321〜337頁参照」)。架橋型ア
クリルゴムを得るには、たとえばジビニルベンゼンなど
の架橋性モノマーを(メタ)アクリル酸エステルなどと
共重合させればよい。
【0028】ゴム微粒子の平均粒子径は粉末状接着剤の
平均粒子径の30%以下で、かつ10nm以上であるこ
とが望まれ、これより粒子径の大きなゴムは、各接着剤
粒子におけるゴム含有率のバラツキが大きくなり、十分
な真空泡の防止効果が得られない。また、これより小さ
な粒子径の微粒子状ゴムでは、ゴム微粒子による粘度上
昇が大きくなり、他の樹脂成分と配合できなくなる。
【0029】さらに、架橋したゴム微粒子の表面に、カ
ルボキシル基が存在すると、加熱硬化時にカルボキシル
基とエポキシ基との反応が起こり、ゴム微粒子とエポキ
シ樹脂との密着性の上昇による接着強度の向上が期待で
きる。
【0030】架橋ゴム微粒子は、前記エポキシ樹脂と潜
在型硬化剤の反応物(半硬化状エポキシ樹脂)を溶解さ
せた溶液に分散させることが好ましい。分散方法として
は、前記架橋ゴム微粒子をあらかじめメチルエチルケト
ン等の溶剤中に加えてホモミキサー等により分散した
後、前記半硬化状エポキシ樹脂を混合する方法や、架橋
ゴム微粒子と前記半硬化状エポキシ樹脂溶液を混合した
後、さらに、ホモミキサー、三本ロール、ボールミル等
を用いて分散して、微粒子の分散状態を高める方法が用
いられる。架橋ゴムの微粒子が十分ほぐされないまま使
用するとゴムの含有量が接着剤粒子間でばらつき、真空
泡の防止効果や接着強度のバラツキ、液晶表示セルのギ
ャップ間隔の異常につながるので、ゴム粒子の分散には
十分注意する必要がある。
【0031】前記分散液から本発明の粉末状接着剤を得
る代表的な方法としては噴霧乾燥法が挙げられる。噴霧
乾燥法は、ノズルから溶液と空気を連続的に吐出させる
ことによって、成分溶液を液滴状に散布し、空中で溶剤
を揮散させることにより球状の粒子として回収する方法
である。本発明の粉末状接着剤の平均粒子径は0.3〜
500μmであるがより好ましい平均粒子径は1〜50
μmであり、また、好ましい粒径変動率は40%以下、
とくに好ましくは25%以下である。
【0032】本発明の液晶表示ハネルを得るには、2枚
の基板の間隙を一定に保持するためのスペーサーを本発
明の粉末状接着剤とともに使用する。スペーサーは粉末
状接着剤と混合しておいてもよいし、別々に使用しても
よい。前記スペーサーとしては、ガラス繊維粉砕物、球
状シリカ、球状架橋ポリスチレン等を挙げることができ
る。なお、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂などの他
の樹脂成分や顔料、酸化防止剤,紫外線安定剤などの他
の添加剤を本粉末状接着剤の性能を損なわない程度で本
発明の粉末状接着剤に含有させることができる。
【0033】
【実施例】以下に実施例と比較例を挙げて本発明を説明
するが、本発明はこれにより何等限定されるものではな
い。
【0034】実施例1 (架橋ゴム分散液の調製)架橋ゴム〔カルボキシル基含
有NBR、平均粒子径70nm:日本合成ゴム(株)製
XER−91〕2.0kgを8.0kgのメチルエチ
ルケトンに投入し、室温で攪拌してMEK分散液を調製
した(以下、ゴム分散液)。
【0035】(半硬化エポキシ樹脂溶液の調製)エポキ
シ樹脂としてクレゾールノボラック型エポキシ樹脂〔日
本化薬(株)製EOCN−103S(RB軟化点:80
℃、エポキシ当量:220g/eq)〕を200g、ビ
スフェノールA型エポキシ樹脂〔ダウケミカル日本
(株)製DER−661(RB軟化点:80℃、エポキ
シ当量:530g/eq)〕を800gの合計1.0k
gを2.0kgのメチルエチルケトンに溶解した(A
液)。また、硬化剤としてジシアンジアミド40gを1
20gのジメチルホルムアミドに溶解した(B液)。次
に硬化促進剤として2−エチル−4−メチルイミダゾー
ル3.0gを6.0gのメチルエチルケトンに溶解した
(C液)。A液、B液およびC液のそれぞれ全量を混合
し、反応釜で環流下83℃に加温し、3時間反応させた
後、室温まで冷却し、25μmフィルターで濾過して半
硬化エポキシ樹脂のメチルエチルケトン溶液を得た(以
下、これを樹脂液という)。
【0036】(噴霧乾燥用溶液の調製)前記樹脂液31
6.9g(エポキシ樹脂含有量100g)に200gの
メチルエチルケトンを加えて希釈し、これにゴム分散液
225g(ゴム分45g)を加えて高速攪拌機で十分に
混合した。
【0037】(噴霧乾燥)上記で得られた液を噴霧乾燥
機により、熱風温度70℃で噴霧乾燥して平均粒子径1
5μm、粒径変動率55%(粒径変動率とは、平均粒子
径に対する標準偏差の割合である。)の粉末を得た。
【0038】(気流分級)粉末を気流式分級機〔日清エ
ンジニアリング(株)製ターボクラッシファイア〕で分
級し、平均粒子径12.2μm、粒径変動率20%の粉
末状接着剤を得た。
【0039】(粒子径の測定)堀場製作所製、LA−9
10を用いて測定した。
【0040】(ゴムの分散状態)150℃オーブン中で
硬化させた粉末状接着剤をオスミウムで染色(架橋ゴム
微粒子のみが染色される)し、透過型電子顕微鏡を用い
て観察した。架橋ゴム微粒子が一次粒子までほぐれ、均
一に分散していれば、○。ゴム微粒子の凝集があれば、
× とした。
【0041】実施例2(液晶表示パネルの製造) ITOおよびポリイミド配向膜を施した一辺が50m
m、厚さ0.7mmのガラス板2枚を用意し、そのうち
の一枚のガラス板の周辺に約100μmの膜厚でエポキ
シ系シール剤を開口部を残して塗布し、もう一方のガラ
ス板上にスペーサー0.05mgおよび実施例1で得た
粉末状接着剤0.05mgを均一に散布した。2枚のガ
ラス板を密着させ、プレスした状態で150℃で2時間
加熱硬化させた。真空下で液晶表示セル中の空気を追い
出し、開口部をTN型液晶に浸漬した状態で徐々に常圧
にもどしてセル中に液晶を注入した。続いて光硬化型の
封口剤で液晶表示セルの開口部を封止した。2枚の偏光
フィルムで液晶表示セルを挟み、接着剤硬化物の周辺を
顕微鏡観察した。接着剤硬化物の周辺に液晶の配向異常
がなければ、○。配向異常が見られれば、× とした。
【0042】(真空泡の確認)液晶を注入して封口した
液晶表示セルを−30℃に5時間保管して真空泡の発生
を観察した。真空泡が発生しなければ、○。発生した
ら、× とした。
【0043】実施例3 実施例1の製造方法において、樹脂液316.9g(エ
ポキシ樹脂含有量100g)に200gのメチルエチル
ケトンを加えて希釈し、これにゴム分散液520g(ゴ
ム分104g)を加えて高速攪拌機で十分に混合した。
以下、実施例1と同様に操作して粉末状接着剤を製造
し、得られた粉末状接着剤について実施例1および2と
同様な評価を行った。
【0044】実施例4 実施例1の製造方法において、樹脂液316.9g(エ
ポキシ樹脂含有量100g)に200gのメチルエチル
ケトンを加えて希釈し、これにゴム分散液1215g
(ゴム分243g)を加えて高速攪拌機で十分に混合し
た。以下、実施例1と同様に操作して粉末状接着剤を製
造し、得られた粉末状接着剤について実施例1および2
と同様な評価を行った。
【0045】比較例1 実施例1の製造方法において、樹脂液316.9g(エ
ポキシ樹脂含有量100g)に200gのメチルエチル
ケトンを加えて希釈し、これにゴム分散液60g(ゴム
分12g)を加えて高速攪拌機で十分に混合した。以
下、実施例1と同様に操作して粉末状接着剤を製造し、
得られた粉末状接着剤について実施例1および2と同様
な評価を行った。
【0046】比較例2 実施例1の製造方法において、樹脂液316.9g(エ
ポキシ樹脂含有量100g)に200gのメチルエチル
ケトンを加えて希釈し、これにゴム分散液4674g
(ゴム分934.8g)を加えて高速攪拌機で十分に混
合した。以下、実施例1と同様に操作して粉末状接着剤
を製造し、得られた粉末状接着剤について実施例1およ
び2と同様な評価を行った。
【0047】比較例3 実施例1の製造方法において、樹脂液316.9g(エ
ポキシ樹脂含有量100g)に379gのメチルエチル
ケトンを加えて希釈し、これにカルボキシル基末端液状
ゴム〔宇部興産(株)製CTBN1300×8〕45g
を加えて高速攪拌機で十分に混合した。以下、実施例1
と同様に操作して粉末状接着剤を製造し、得られた粉末
状接着剤について実施例1および2と同様な評価を行っ
た。
【0048】結果を表1に示した。
【表1】 * : 2−エチル−4−メチルイミダゾール ゴムの分散状態:凝集はなかった−○、あった−× 液晶への影響:配向異常があった−×、なかった−○ 真空泡の確認:真空泡は発生しなかった−○、発生した
−×
【0049】
【発明の効果】本発明により、ゴム粒子を表面処理しな
くても、ゴム成分に由来するバラツキがなく、安定した
性能を発揮し、本発明の粉末状接着剤を液晶表示パネル
の点接着に用いれば、低温保管時に真空泡が発生するこ
とがなく、かつ高強度の液晶表示パネルの製造が可能と
なった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H089 LA07 LA08 MA03Y NA25 NA37 NA45 PA08 QA14 QA15 RA05 RA13 TA01 TA06 TA15 4J040 CA072 DB042 DB092 DF042 DF052 DF082 DG042 DL142 EB052 EC031 EC061 EC071 EC081 EC121 ED002 EH012 EK032 EK072 EK082 GA07 GA08 HB22 HC01 HC16 HC17 HC24 JA07 JB02 KA03 KA16 LA03 LA06 LA08 LA11 NA19

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)1分子内にエポキシ基を2個以上
    有するエポキシ樹脂、(2)エポキシ樹脂用潜在型硬化
    剤および(3)架橋ゴム微粒子からなり、前記(1)、
    (2)および(3)の成分の合計重量を基準にして前記
    成分(3)の架橋ゴム微粒子を30〜70重量%含有す
    る粉末状接着剤であって、かつその平均粒子径が0.3
    〜500μmであることを特徴とする粉末状接着剤。
  2. 【請求項2】 架橋ゴムがカルボキシル基を含有するも
    のである請求項1記載の粉末状接着剤。
  3. 【請求項3】 架橋ゴム微粒子の平均粒子径が、粉末状
    接着剤の平均粒子径の30%以下でかつ10nm以上で
    ある請求項1または2記載の粉末状接着剤。
  4. 【請求項4】 対向配置されている2枚の基板の間隙
    に、スペーサーと請求項1〜3いずれか記載の粉末状接
    着剤とが挿入されており、前記粉末状接着剤の加熱硬化
    により2枚の基板が接着されていることを特徴とする液
    晶表示パネル。
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