JPH11235775A - 無機質模様付き化粧板、およびその製造方法 - Google Patents

無機質模様付き化粧板、およびその製造方法

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JPH11235775A
JPH11235775A JP22061098A JP22061098A JPH11235775A JP H11235775 A JPH11235775 A JP H11235775A JP 22061098 A JP22061098 A JP 22061098A JP 22061098 A JP22061098 A JP 22061098A JP H11235775 A JPH11235775 A JP H11235775A
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JP
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colored
coating film
film
paint
concave
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JP22061098A
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English (en)
Inventor
Kohei Mine
航 平 峯
Toshio Kagatsume
俊 雄 加賀爪
Seiji Kobayashi
林 誠 二 小
Koji Nakagawa
川 好 治 中
Kenji Miyagawa
川 健 二 宮
Koji Morimoto
本 耕 二 森
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Chugoku Marine Paints Ltd
Original Assignee
Chugoku Marine Paints Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】立体感のある凹凸模様を有し、しかも該模様に
高級感があるような天然石目調等の無機質模様付き化粧
板の提供。 【解決手段】凹凸状面と目地部とを有する被塗物基材
(a)と、該基材(a)の表面に沿ってその全面に形成され
た、凹凸状面と目地部とを有する下地乾燥塗膜(b)と、
該塗膜(b)の表面に沿ってその全面に点状に散在して形
成された、凹凸状面と目地部とを有する第1着色乾燥塗
膜(c-3)と、該塗膜(c-3)の凹凸状面凹部および目地部に
形成された凹部・目地部着色塗膜(c-1-a)と、を有する
無機質模様付き化粧板およびこれらの製法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、模様付き化粧板およびそ
の製造方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、立体
感のある凹凸模様を有し、しかも該模様に高級感がある
ような天然石目調等の無機質模様付き化粧板、およびこ
のような化粧板が簡単かつ低コストで量産できるような
模様付き化粧板、特に無機質模様付き化粧板の製造方法
に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】従来、例えばタイル調凹凸部を有
し、凹部と凸部の色調が異なる模様付き化粧板の製造方
法としては、リシンガン等による吹付塗装法などが知ら
れている。この吹付塗装法は通常、砂、着色無機顔料等
が配合されたセメントリシン塗料を被塗物に吹き付けて
模様付き塗装を行う方法であり、被塗物の凹凸部全面に
同じ塗料が付着してしまい、凸部のみに塗料を塗布し、
凹部には塗布しないようにすることは不可能である。
【0003】これに対して特開平8-259860号公
報には、図15に示すように、窯業建材板1の全面を目
地色用塗料2で塗装する工程、窯業建材板の非目地部の
みにロールコーターを用いて下塗り塗料3を塗装する工
程、さらに窯業建材板の非目地部3のみにロールコータ
ーを用いて、2種の着色骨材と光透過性骨材と被覆形成
性樹脂とを含有する石材調被覆組成物4をその乾燥膜厚
が10〜100μmになるように塗装する工程を順次施
す石材調模様の形成方法が開示されている。
【0004】該公報では、上記石材調被覆塗料組成物を
調製する際には該組成物調製用の上記各成分を所定割合
で配合し、均一に混合してエマルジョン塗料を得て、こ
のエマルジョン塗料(石材調被覆塗料組成物4)をロー
ルコーターにて窯業建材板1の非目地部下塗り塗膜3の
表面にのみ塗布している。
【0005】しかしながら、この公報に記載の方法にて
石材調模様を窯業建材板の表面に形成しても、優れた天
然石材調模様の窯業建材板は得られない。このため、工
場等でのライン生産に適応可能であり、より簡易な工程
で立体感のある凹凸模様を有し、しかもこの模様に高級
感もあるような天然石目調の無機質模様付き化粧板を低
コストで製造できるような模様付き化粧板、特に無機質
模様付き化粧板の製造方法の開発が望まれていた。
【0006】
【発明の目的】本発明は、上記のような従来技術に伴う
問題点を解決しようとするものであって、工場等でのラ
イン生産に適応可能であり、より少ない工程で、立体感
のある凹凸模様を有し、しかもこの模様に高級感もある
ような天然石目調等の無機質模様付き化粧板を提供する
ことを目的としている。
【0007】また本発明は、このような無機質模様付き
化粧板を低コストでライン生産できるような化粧板の製
造方法を提供することを目的としている。
【0008】
【発明の概要】本発明に係る第1の無機質模様付き化粧
板は、凹凸状面を有する被塗物基材(a)と、該被塗物基
材(a)の表面に沿ってその全面に形成された、凹凸部を
有する下地乾燥塗膜(b)と、該下地乾燥塗膜(b)の凹部に
形成された凹部着色塗膜(c-1)と、を有することを特徴
としている。
【0009】本発明に係る第2の無機質模様付き化粧板
は、凹凸状面と目地部とを有する被塗物基材(a)と、該
被塗物基材(a)の表面に沿ってその全面に形成された、
凹凸状面と目地部とを有する下地乾燥塗膜(b)と、該下
地乾燥塗膜(b)の凹凸状面凹部に形成された凹部着色塗
膜(c-1)と、を有することを特徴としている。
【0010】本発明に係る第3の無機質模様付き化粧板
は、凹凸状面と目地部とを有する被塗物基材(a)と、該
被塗物基材(a)の表面に沿ってその全面に形成された、
凹凸状面と目地部とを有する下地乾燥塗膜(b)と、該下
地乾燥塗膜(b)の表面に沿ってその全面に点状(ドット
状)に散在して形成された、凹凸状面と目地部とを有す
る第1着色乾燥塗膜(c-3)と、該第1着色乾燥塗膜(c-3)
の凹凸状面凹部および目地部に形成された凹部・目地部
着色塗膜(c-1-a)と、を有することを特徴としている。
【0011】上記第1〜第2の化粧板においては上記下
地乾燥塗膜(b)の凸部に、また上記第3の化粧板におい
ては上記第1着色乾燥塗膜(c-3)の凸部に、上記凹部着
色塗膜(c-1)あるいは上記凹部・目地部着色塗膜(c-1-a)
の色調と異なる色調の凸部着色塗膜(c-2)が形成されて
いても良い。
【0012】本発明においては、目地部を除き、上記凹
部着色塗膜(c-1)表面、凹部・目地部着色塗膜(c-1-a)表
面を含む上記化粧板の全面に、さらにクリヤ塗膜が形成
されていてもよく、また目地部をも含めて上記化粧板の
全面にクリヤ塗膜が形成されていても良い。
【0013】本発明においては、上記クリヤ塗膜中に
は、着色または無着色の骨材が分散して含有され、ある
いはこれら骨材が膜面と平行な層状に含有されていても
良く、またこれら骨材が膜面と平行な層状に含有されて
いても良い。
【0014】本発明に係る無機質模様付き化粧板の第1
の製造方法は、凹凸状面を有する被塗物基材(a)の表面
に沿ってその全面に下地塗料を塗布硬化して下地乾燥塗
膜(b)を形成し、その下地乾燥塗膜(b)の表面に沿ってそ
の全面に一旦着色塗料を塗布して凹凸状着色塗膜を形成
した後、該凹凸状着色塗膜が粘着状態のうちにそのうち
の凸部着色塗膜(c-i)を除去すると共に、凹部着色塗膜
(c-ii)を残すことにより下地乾燥塗膜(b)の凹部に凹部
着色塗膜(c)を形成することを特徴としている。
【0015】本発明に係る無機質模様付き化粧板の第2
の製造方法は、凹凸状面と目地部とを有する被塗物基材
(a)の表面に沿ってその全面に下地塗料を塗布硬化して
下地乾燥塗膜(b)を形成し、その下地乾燥塗膜(b)の凹凸
状面に沿って該凹凸状面に一旦着色塗料を塗布して凹凸
状着色塗膜を形成した後、該凹凸状着色塗膜が粘着状態
のうちにそのうちの凸部着色塗膜(c-i)を除去すると共
に、凹部着色塗膜(c-ii)を残すことにより下地乾燥塗膜
(b)の凹部に凹部着色塗膜(c)を形成することを特徴とし
ている。
【0016】本発明においては、上記のように凹凸状面
の凹部に凹部着色塗膜(c)を形成した後、前記凸部塗膜
(c-i)の除去部表面に、新たに、上記凹部着色塗膜の色
調と異なる色調の凸部着色塗料を塗布硬化して凸部着色
塗膜(d)を形成しても良い。
【0017】本発明に係る無機質模様付き化粧板の第3
の製造方法は、凹凸状面と目地部とを有する被塗物基材
(a)の表面に沿ってその全面に下地塗料を塗布硬化して
下地乾燥塗膜(b)を形成し、さらにその下地乾燥塗膜(b)
の表面に沿ってその全面に点状に散在するように(不連
続に)第1着色塗料を塗布して凹凸状面と目地部とを有
する第1着色乾燥塗膜(c-3)を形成し、次いで、該第1
着色乾燥塗膜(c-3)の凹凸状面および目地部に沿ってそ
の全面に第1着色塗膜の色調と異なる色調の第2着色塗
料を塗布して第2着色塗膜を形成した後、該第2着色塗
膜が粘着状態のうちにそのうちの凸部着色塗膜(c-i)を
除去すると共に、凹部着色塗膜(c-ii)および目地部着色
塗膜を残すことにより第1着色乾燥塗膜(c-3)の凹凸状
面凹部および目地部に凹部・目地部着色塗膜(c-1-a)を
形成することを特徴としている。
【0018】本発明においては、上記凹部着色塗膜(c)
表面、第1着色乾燥塗膜(c-3)の凹凸状面凹部表面を含
む上記化粧板の全面に、さらにクリヤ塗料を塗布硬化し
てクリヤ塗膜を形成しても良い。
【0019】本発明においては、上記のように凸部着色
塗膜(d)を形成した後、上記凹部着色塗膜(c)表面および
凸部着色塗膜(d)表面を含む上記化粧板の全面に、さら
にクリヤ塗料を塗布硬化してクリヤ塗膜を形成しても良
い。上記クリヤ塗料の塗布は、噴霧塗装またはスポンジ
ロールコーター塗装にて行うことが好ましい。
【0020】本発明においては、上記下地塗料の塗布
を、目地部がある場合には噴霧塗装にて、目地部が無い
場合には、噴霧塗装またはスポンジロールコーター塗装
にて行うことが好ましい。
【0021】上記第1あるいは第2の本発明において
は、上記下地乾燥塗膜(b)上への着色塗料の塗布を、目
地部に塗布しないようにスポンジロールコーター塗装に
て行うことが好ましい。また、第3の本発明において
は、上記下地乾燥塗膜(b)上への着色塗料(第1着色塗
料)の塗布を、スパッタガン、ベル型静電塗装機等のス
パッタ塗装にて行い、続く第2着色塗料は目地部も含め
て塗布するため噴霧塗装が好ましい。本発明において
は、上記粘着状態の凸部(c-i)着色塗膜の除去を、ロー
ルコーター、ワイピングコーターにて行うことが好まし
い。
【0022】本発明においては、上記粘着状態の凸部着
色塗膜(c-i)を除去した後に行う、凸部(c-i)表面への凸
部着色塗料の塗布を、ロールコーターにて行うことが好
ましい。
【0023】本発明においては、上記クリヤ塗膜が粘着
状態のうちに、その塗膜表面に着色または無着色の骨材
を散布した後、必要に応じてさらにこの骨材上にクリヤ
塗料を塗布硬化させても良い。
【0024】本発明によれば、立体感のある凹凸模様を
有し、しかも該模様に高級感があるような天然石目調等
の無機質模様付き化粧板が提供される。また本発明によ
れば、このような化粧板が簡単かつ低コストで量産でき
る。
【0025】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係る模様付き化粧
板、特に無機質模様付き化粧板、およびその製造方法に
ついて本発明の好ましい実施態様を添付図面に基づいて
具体的に説明する。
【0026】図1は、本発明に係る第2の無機質模様付
き化粧板の第1の実施態様を示す縦断面図である。図2
は、図1に示す無機質模様付き化粧板のA部拡大図であ
る。図3(a)〜(d)および図4(e)〜(h)は、図1に示す無
機質模様付き化粧板の製造方法の説明図である。図5、
図6、図7、図8、図9、図12、図13、図14、
は、それぞれ本発明に係る無機質模様付き化粧板の他の
実施態様を示す縦断面図である。図15は、従来例であ
る。各図において、同一部材には、同一符号を付してい
る。
【0027】[無機質模様付き化粧板]まず、図1に示
す無機質模様付き化粧板10は、凹凸状面25および目
地部26を有する被塗物基材20と、該被塗物基材20
の表面28に沿ってその全面に形成された、凹凸部を有
する下地乾燥塗膜40と、該下地乾燥塗膜40の凹部4
4に形成された凹部着色塗膜50と、上記凹部着色塗膜
50の色調と異なる色調で、該下地乾燥塗膜40の凸部
42に形成された凸部着色塗膜60と、目地部260を
除いて、該凹部着色塗膜50の表面53および凸部着色
塗膜60の表面63を被覆するように上記各種塗膜が塗
設された被塗物基材20の凹凸部の全面に形成された、
骨材70を含有するクリヤ塗膜80とから形成されてい
る。
【0028】なお、図1では、上記下地乾燥塗膜40
は、目地部260を含めて被塗物基材20の全表面28
に塗設される第1下地乾燥塗膜30と、目地部260を
除く第1下地乾燥塗膜30の凹凸状面36に塗設される
第2下地乾燥塗膜35とから構成されている。
【0029】以下、このような無機質模様付き化粧板1
0を構成する各層について順次説明する。 <被塗物基材>被塗物基材20としては、その表面に凹
状面24と凸状面22とを有する凹凸状面25を有し、
さらに必要により目地部26(260)を有する限りそ
の材質は特に限定されず、例えば、樹脂、木材、金属、
スレート、ケイ酸カルシウム板、木片セメント板等が挙
げられ、その外観形状は、概略板状、シート状、不織布
状、立体など特に限定されない。また、その寸法も特に
限定されないが、工場生産性、取扱いの利便性等の点か
ら、通常、縦1〜3m×横0.3〜1m×厚さ0.01
〜0.05m程度であることが多い。また、その被塗物
基材20の表面28は、必要により、シーラー処理など
が施されていても良い。
【0030】なお、凹凸状面25は、目地部26ほど大
きな凹凸を有せず、例えば、スポンジロールコーターを
用いることより、凹凸状面25の全面にロールコーター
をほぼ接触させて、後述するような第1下地塗料などを
塗布し塗膜を形成させることができる。一方、目地部2
6は、スポンジロールコーターを接触させて塗料を塗布
することができず、スプレー塗装、刷毛塗りなどが必要
な部位である。
【0031】ここで、スポンジロールコーターは、多孔
質のゴムあるいはスポンジにて形成され、弾性変形量が
大きく、塗装時には、目地部26ほどの大きな凹凸で
は、塗装困難であっても、相手材の凹凸状面25ではそ
の凹凸表面に密着させて塗装可能である。なお、ゴムロ
ールコーターに比して、スポンジロールコーターは、塗
料を多量に含ませて一度に多量(厚膜)に塗装でき、ま
たゴムロールコーターでは困難な多少の凹凸状面25の
塗装も可能である。
【0032】<下地乾燥塗膜>図1においては、上記被
塗物基材20の全表面28に、下地乾燥塗膜40が塗設
されており、この下地乾燥塗膜40は、上記被塗物基材
20の全表面に密着して塗設された第1下地乾燥塗膜3
0と、その第1下地乾燥塗膜30の目地部260を除い
て凹凸状面25に密着して塗設された第2下地乾燥塗膜
35とから構成されている。このような第1下地乾燥塗
膜30の色調と第2下地乾燥塗膜35の色調とは、互い
に別異となるように彩色(ツートンカラー)されている
ことがより立体感のある模様付き化粧板が得られるため
好ましい。
【0033】なお、被塗物基材20の表面28に第1下
地乾燥塗膜30と第2下地乾燥塗膜35からなる下地乾
燥塗膜40が設けられていると、該下地乾燥塗膜40の
凸部表面42に設けられる凸部着色塗膜60および該下
地乾燥塗膜40の凹部表面44に設けられる凹部着色塗
膜50は、下地乾燥塗膜40を介して被塗物基材20の
表面28と堅固に固着あるいは密着し、しかも基材20
の表面28はその全体が下地乾燥塗膜40にて隠蔽され
るため、意匠的にもいっそう優れる傾向がある。
【0034】このような下地塗膜40材すなわち下地塗
料としては、従来より公知のものが使用され、アクリル
樹脂、アクリル-ウレタン樹脂、アクリルシリコーン樹
脂等、後述する凸部塗膜60材、凹部塗膜50材と同様
の樹脂分を含有しており、さらに顔料例えば、着色顔
料、体質顔料を含有するものが好ましい。このような下
地塗膜40は、該基材20に密着し、その表面を隠蔽被
覆し、耐候性に優れる傾向がある。
【0035】第1下地乾燥塗膜30と第2下地乾燥塗膜
35とが積層している部分、すなわち下地乾燥塗膜40
の凹凸状面部45の厚さは、その表面に図1に示すよう
な凹状面44と凸状面42とを有する凹凸状面45、お
よび目地部26が現れる限り特に限定されないが、例え
ば、10〜200μm厚、好ましくは20〜80μm厚
程度である。
【0036】<凹部着色塗膜および凸部着色塗膜>凹部
着色塗膜50および凸部着色塗膜60(これらをまとめ
て凹凸部着色塗膜ともいう)は、それぞれ透明であって
も、不透明であっても良いが、何れも不透明であるもの
が好ましく、また凹部着色塗膜の色調と凸部着色塗膜の
色調とは互いに異なる色調であることがより立体的で深
みがあり意匠性に優れた天然石目調の無機質模様付き化
粧板が得られるため好ましい。
【0037】凹凸部着色塗膜形成材としては、アクリル
樹脂系、アクリル-ウレタン樹脂系、アクリルシリコー
ン樹脂系、酢酸ビニル樹脂系、ウレタン樹脂系、エポキ
シ樹脂系、アルキッド樹脂系など、従来より公知の樹脂
分が含まれている。このような凹凸部着色塗膜形成材に
は、これら樹脂と共に、着色顔料、体質顔料、充填剤、
殺菌剤、防腐剤、防黴剤、耐候安定剤、シリカ等の艶消
し材等が含有されていても良い。特に本発明の好ましい
態様においては、上記樹脂分と、着色顔料等を含有する
不透明塗膜であることが、製造時に該塗膜膜厚などを把
握する上で好ましい。
【0038】このような凹凸部着色塗膜50、60の乾
燥膜厚は、特に限定されないが、通常、5〜100μm
厚、好ましくは10〜30μm厚程度である。 <クリヤ塗膜(クリヤ塗料層)>上記凹凸部着色塗膜5
0、60の表面および第2下地塗膜35の表面を完全に
被覆するように塗設された図1に示すクリヤ塗膜(クリ
ヤ塗料層)80は、骨材70を含有している。
【0039】上記凹凸部着色塗膜50、60表面に塗設
されたクリヤ塗料層80の乾燥膜厚は、特に限定されな
いが、通常、5〜200μm厚、好ましくは10〜10
0μm厚程度である。
【0040】このようなクリヤ塗料層80が凹凸部着色
塗膜50、60の表面に形成されていると、凹凸部着色
塗膜50、60の剥離を防止でき、美観も向上する。こ
のようなクリヤ塗料層80は、凹部着色塗膜50および
凸部着色塗膜60と同様の樹脂分を含んでいる透明なク
リヤ塗膜であることが好ましい。またこのようなクリヤ
塗料層80には、艶消し剤等が含まれていても良い。こ
のようなクリヤ塗料にてクリヤ塗料層80が形成されて
いると、該クリヤ塗膜80中に含まれる骨材の質感が良
好に無機質模様付き化粧板10の表面に現れ、優れた意
匠性が発揮される。
【0041】また、このような無機質模様付き化粧板1
0では、クリヤ塗料層80の凸部表面と凹部との差(溝
の深さ)、換言すれば、被塗物基材20の凸状面22と
凹状面24との差h1は、特に限定されないが、例え
ば、1.5mm以上、好ましくは2.0〜5.0mm程
度であることが鮮明な模様が現れるため望ましい。
【0042】<骨材>このクリヤ塗膜80中に含まれる
上記骨材としては、着色されていてもよく、無着色であ
っても良い。また、この骨材70は、図1に示すように
クリヤ塗膜表面近傍に偏在していてもよく、クリヤ塗膜
80中に一様に分散していてもよく(図示せず)、また
膜面に平行に層状となって均一分散されていても良い
(図示せず)。また、この骨材70の分散状態は、粗、
密の何れでも良いが、図1に示すように、凹部着色塗膜
50、凸部着色塗膜60、下地乾燥塗膜40が骨材の間
から透けて見えるように散布されていることが意匠的に
好ましい。
【0043】このようにクリヤ塗膜表面から骨材を透か
して凹凸部着色塗膜50、60、さらには下地乾燥塗膜
40が見えるような量で骨材が散布される場合、このよ
うな骨材量は、層に平行な面で測定した場合に、通常、
1〜100g/m2、好ましくは5〜50g/m2である
ことが望ましい。なお、この骨材量あるいは骨材付着量
は、クリヤ塗膜面全体に散布した骨材量(X)gから、
吸引除去、エアーブローなどの方法で除去した骨材量
(Y)gを差引き、残った骨材量(X−Y)gを粘着状
クリヤ塗膜の表面に被着した骨材量とし、この粘着状塗
膜80の面積(Z)m2で除して求めたものである
{[(X−Y)/Z]g/m2}。
【0044】また、該骨材の平均粒径φは、通常、0.
05〜3.0mm、好ましくは0.2〜1.0mmであ
ることが意匠性に優れ、かつ後述する無機質模様付き化
粧板の製造時における骨材散布作業性に優れる点から望
ましい。
【0045】骨材としては、マイカ、硅砂、ガラスビー
ズ、ガラス破砕物、ガラス粉体およびこれらの着色物が
挙げられる。これらの骨材は、1種または2種以上組合
わせて用いられる。
【0046】本発明においては、これら骨材のうちで
は、化粧板の意匠性を向上させるためには着色マイカお
よび/または着色硅砂を含有するものが好ましい。な
お、本発明においては、このような骨材と共に、従来よ
り公知の「他の着色材」を併用しても良い。このような
着色材としては、弁柄、黄、グレーなどの種々の色調の
顔料あるいは染料等が挙げられる。弁柄などの他の着色
材は、上記骨材100重量部に対して、通常、1〜50
重量部、好ましくは5〜20重量部の量で用いられても
良い。
【0047】このような各種塗膜あるいは塗料層を有す
る無機質模様付き化粧板10は、工場等でより簡易な工
程でライン生産でき、立体感のある凹凸模様を有し、目
地には骨材が存在せず自然で高級感があり、天然石目
調、タイル調等の意匠性に著しく富んでいる。
【0048】[無機質模様付き化粧板の製法]以下、図
1に示す無機質模様付き化粧板の好ましい製法について
図3、図4を参照しつつ、工程(a)〜(h)の順に説
明する。
【0049】<下地乾燥塗膜用塗料の塗布> <(a)>図1に示す無機質模様付き化粧板10を製造
するには、まず、図3(a)に示すように、被塗物基材
20の凹部24および凸部22からなる凹凸状面25お
よび目地部26の全表面28に、スプレー、刷毛等にて
第1下地乾燥塗膜30材としての第1下地塗料30を塗
布する。
【0050】このような第1下地塗料を基材表面に塗布
し、熱風などで乾燥すると、得られる第1下地乾燥塗膜
30は、該基材に密着し、該基材表面を隠蔽被覆し、耐
候性に優れた無機質模様付き化粧板が得られる傾向があ
る。
【0051】第1下地塗料としては、従来より公知のの
ものが使用され、溶剤系、水系、無溶剤系の何れであっ
てもよく、また顔料が配合された不透明のエナメル塗
料、あるいは顔料が配合された半透明のカラークリヤ塗
料であってもよく、顔料を含有しないクリヤ塗料あるい
は顔料を含有しない溶剤系のワニスであっても良いが、
本実施態様では、被塗物基材20に密着し、該基材表面
を隠蔽でき、耐候性に優れ、しかも被塗物基材20表面
への塗料の塗布状況を把握しやすい等の点を考慮する
と、上記不透明エナメル塗料が好ましい。なお、硬化方
法は、UV硬化、熱硬化、常温硬化の何れでも良い。
【0052】なお、上記溶剤系塗料としては、熱硬化
性、熱可塑性など従来より公知の何れのタイプのもので
あっても良い。また、上記塗料中に含まれる塗膜形成成
分としては、特に限定されず、合成樹脂系、天然樹脂
系、ゴム系の何れであっても良い。この合成樹脂系の塗
膜形成成分としては、アクリル樹脂系、アクリルウレタ
ン樹脂系、アクリルシリコン樹脂系、酢酸ビニル樹脂
系、ウレタン樹脂系、エポキシ樹脂系、アルキッド樹脂
系、炭化水素樹脂系、ビニルブチラール樹脂系、フェノ
ール樹脂系のものが挙げられ、これらの塗膜形成成分の
うちでは、アクリル樹脂系、アクリルウレタン樹脂系、
アクリルシリコン樹脂系のものが好ましい。
【0053】溶剤あるいはシンナーとしては、脂肪族系
あるいは芳香族系炭化水素、アルコール、ケトン、エー
テル、エステル等が挙げられる。なお、後述する図4<
f>の上塗クリヤ塗料では、キシレン、PGM−AC
(正式名称:Propylene glycolmethylether acetate)
等のように、揮発スピードの遅いものが散布された砂等
の骨材と良好に密着するため望ましい。なお、後述する
水系塗料における分散・希釈媒体の水も揮発スピードが
遅く、上記キシレンなどと同様の効果が得られるため好
ましい。
【0054】このような塗膜形成成分を含む溶剤系塗料
のうちで、熱硬化性タイプの塗料としては、二液型アク
リルウレタン樹脂塗料、2-ヒドロキシエチル(メタ)
アクリレート等の水酸基含有エチレン性不飽和モノマー
の(共)重合物、メラミン樹脂及びポリイソシアネート
などが配合された熱硬化性アクリル樹脂塗料が挙げら
れ、熱可塑性タイプの塗料としては、アクリルラッカー
等が挙げられる。
【0055】またこのような塗料には、さらに必要に応
じて着色顔料、体質顔料、増粘剤、分散剤、消泡剤、成
膜助剤、防腐剤等の各種添加剤が配合されていても良
い。本発明では、上述したように、塗膜形成成分の他に
着色顔料を含有し、さらには体質顔料等をも必要により
含有する着色塗料である不透明エナメル塗料が好まし
い。
【0056】水系塗料は、水または、水と少量の有機溶
媒とで分散・希釈可能な塗料であって、塗料のバインダ
ーとして用いられる疎水性の樹脂が、エマルジョン、デ
ィスパージョン、水溶液、粉体懸濁(スラリー)あるい
はこれらの複合タイプなどの形態で、好ましくはエマル
ジョンの形態で塗料中に水性化されている、アクリルエ
マルジョン塗料、酢酸ビニルエマルジョン塗料等が挙げ
られる。
【0057】水系塗料用の分散・希釈媒としては、水も
しくは、水と小量例えば、水100重量部に対して20
重量部以下の量の有機溶剤等からなる分散媒が挙げられ
る。このような水系塗料用のアクリル樹脂は、例えば、
界面活性剤の存在下に水中でアクリルモノマー、あるい
はアクリルモノマーと少量の下記共重合モノマーとをエ
マルジョン重合して得られ、例えば0.1〜数μm程度
の粒子径を有し、重合液中にアクリル樹脂が水性分散し
ている。なお、上記共重合モノマーとしては、例えば、
酢酸ビニル、マレイン酸エステル、アクリル酸エステル
などが挙げられる。
【0058】また水系塗料用の酢酸ビニル樹脂は、例え
ば、モノマーとして酢酸ビニルを、あるいは酢酸ビニル
と下記二重結合含有共重合性モノマーとを、保護コロイ
ドが配合された水溶液中で、触媒の存在下に乳化重合し
て得られる。なお、上記二重結合含有共重合性モノマー
としては、アクリル酸エチル、マレイン酸ジブチル、ビ
ニルアルコールエステル、エチレンなどが挙げられ、保
護コロイドとしては、ポリビニルアルコール、ヒドロキ
シメチルセルロース等が挙げられる。
【0059】なお、エナメル塗料には、通常、顔料と、
溶剤としての有機溶剤とが含まれるが、本明細書では、
特にその趣旨に反しない限り有機溶剤に代えて水を溶剤
として含むものもエナメル塗料に包含する。
【0060】このような下地塗料としては、さらに具体
的には、下記のようなものが挙げられる。 (i)二液型アクリルウレタンエナメル塗料:「EPコー
トNo.300-30H」(中国塗料(株)製)を構成
する主剤と硬化剤にシンナーを、主剤100重量部に対
して硬化剤を6〜15重量部、シンナーを30〜100
重量部で混合したもの、 (ii)アクリル樹脂エマルジョン:「プライマールE−3
57」(ローム&ハース社製)または「モビニール74
9J」(ヘキスト合成社製)60〜90部、成膜助剤
(ブチルセロソルブ)2〜15部、水1〜10部(全成
分合計100部)からなるものなど。
【0061】このような下地塗料30を被塗物基材20
の表面全体に塗布するには、リシンガン、スプレー、刷
毛塗り、浸漬など従来公知の方法を採用できる。また、
乾燥方法としては、加熱硬化、常温硬化、紫外線硬化な
ど塗料の種類に応じて適宜選択される。
【0062】なお、この際用いられる下地塗料の塗布量
は、通常、一回当たり、5〜300g/m2、好ましく
は50〜200g/m2の量で塗布することが望まし
い。
【0063】このような下地乾燥塗膜30上に、図1あ
るいは以下に示すように第2下地乾燥塗膜35、凹部着
色塗膜50、凸部着色塗膜60、骨材70が散布され被
着されたクリヤ塗膜80などを形成すると、下地乾燥塗
膜30は、被塗物基材20に密着し、その下地乾燥塗膜
30表面凸部に設けられる各層も互いに堅固に密着し、
塗膜全体が被塗物基材20から剥離しにくくなり、しか
も基材表面は隠蔽されるため意匠的に優れた無機質模様
付き化粧板10が得られる。
【0064】上記のような第1下地塗料を塗布硬化して
なる第1下地乾燥塗膜30の厚さは、得られる無機質模
様付き化粧板の表面に図1あるいは後記図4(h)に示
すような凹凸面85が現れる限り特に限定されないが、
第1下地乾燥塗膜30の膜厚は、例えば、5〜100μ
m厚、好ましくは10〜40μm厚程度である。
【0065】<(b)>次いで、本実施態様に示すよう
な目地部260を有する被塗物基材20では、図1ある
いは図3(b)に示すように、第1乾燥塗膜30の凹凸
部面45に、上記第1乾燥塗膜30用塗料と同様な樹脂
分を含有し、第1乾燥塗膜30と色相の異なる、顔料な
どを含有する第2下地乾燥塗膜35用の塗料(第2下地
塗料)35を塗布することが好ましい。
【0066】この場合、第2下地塗料35は、図3
(b)に示すように、第1乾燥塗膜30の目地部260
を除く、凹凸状面36にのみ塗布する。このように目地
部260を除く、凹凸状面36にのみ第2下地乾燥塗膜
35を塗設すると、少なくとも目地部26と基材凹凸部
上とで色調が異なる多彩模様付き化粧板となり、より深
みのある天然石目調等の意匠性に優れた無機質模様付き
化粧板を得ることができる。
【0067】このように目地部260を除く、凹凸状面
36にのみ第2下地乾燥塗膜35を塗設するには、スポ
ンジロールコーター等により、第1乾燥塗膜30の目地
部260を除く凹凸状面45にのみ第2下地塗料35を
被着させるようにし、次いで、例えば、熱風乾燥、紫外
線硬化等すれば良い。
【0068】このようにロールコーター等にて、目地部
260を有し、第1下地塗料が塗設された被塗物基材2
0上に第2下地塗料を塗装すると、ロルコーターに被着
した塗料は、被塗物基材20上の凹凸状面36にのみ転
着し、目地部260にはロールコーターは接触せず塗料
が転着しないため、第2下地乾燥塗膜35は、第1乾燥
塗膜30の凹凸状面36上にのみ形成される。
【0069】なお、この際用いられる第2下地塗料35
の粘度、塗布量は、スポンジロールコーター塗装を行っ
た際に、目地部260に塗料が垂れたり付着したりしな
い限り特に限定されず、被塗物基材の目地部260の深
さや幅にもより異なり一概に決定されないが、通常、4
0〜90ku、好ましくは50〜80kuであることが
好ましい。この粘度が30ku未満では、目地部260
を含む全面に第2下地塗料35が流延して全体が同一色
になってしまい、2色以上の模様付き基材が得られなく
なる傾向があり、100kuを超えると、流動性が低下
し、塗装効率が低下する傾向がある。
【0070】またその塗布量は、通常、一回当たり、5
〜200g/m2、望ましくは30〜100g/m2の量
で塗布することが好ましい。またこのように塗料組成物
を1回〜数回繰り返して塗布してなる乾燥硬化塗膜の膜
厚は、特に限定されないが、通常、5〜200μm厚、
好ましくは10〜100μm厚程度である。
【0071】<(c)、(d)>次いで、図3(c)に
示すように、第2下地乾燥塗膜35表面全体に凹部着色
塗膜50用の凹部着色塗料50aを塗布し、この塗布さ
れた凹部着色塗料50aが粘着状体あるいは非乾燥状態
のうちに、図3(d)に示すように、凹部着色塗膜50
aの凹部54を残して凸部52に塗布されている粘着状
凹部用着色塗膜50aを速やかに除去し、粘着状凹部用
着色塗膜表面の高さが、露出した凸部42の表面の高さ
より低くなるようにする。次いで、第2下地乾燥塗膜3
5の凹部44に被着している凹部着色塗膜50を熱風等
で乾燥する。なお、このように粘着状凹部用着色塗膜5
0aの凹部54を残して凸部52を除去するには、リバ
ースロールコーター、ナチュラルロールコーター等のロ
ールコーター、あるいはワイピングコーター等を用いる
ことができる。
【0072】また、この凹部用着色塗料50aとして
は、前記第1あるいは第2下地塗料と同様の樹脂分(造
膜成分)と、少なくとも第2下地塗料用着色顔料、好ま
しくは第1および第2下地塗料用着色顔料の何れとも色
相の異なる着色顔料とを含有し、さらに必要により造膜
助剤などを含有するエナメル塗料が用いられる。なお、
このエナメル塗料は、上記下地塗料と同様に、溶剤系、
水性エマルジョン系等の何れでも良いが、水性もしくは
水溶性塗料が好ましい。
【0073】このようにして塗設された凹部着色塗膜5
0の膜厚は、該凹部着色塗膜の表面位置が第2下地乾燥
塗膜35の凸部42よりも低位置すなわち、前記図1の
h1より小さくなり、後述するようにナチュラルゴムロ
ール等を用いて該凸部42の表面のみに凸部塗膜60を
形成し得る限り特に限定されないが、通常、その厚肉部
で1〜50μm厚、好ましくは2〜10μm程度であ
る。
【0074】<(e)>次いで、凹部着色塗膜50が塗
設された下地塗膜35の凸部42に、好ましくは図4
(e)に示すように、凸部着色塗膜60用の凸部着色塗
料60を塗布し、熱風乾燥等すれば、凸部着色塗膜60
が形成される。
【0075】このように、凹部着色塗膜50が塗設され
た下地塗膜35の凸部42のみに、凸部着色塗料60を
塗布するには、ナチュラルゴムロール等を用いることが
できる。このゴムロールコーターは、通常、ゴム硬度4
0程度のゴムにて形成され、その表面に付着した塗料を
相手材表面に転写するもので、相手材表面に凹凸がある
場合、その凹凸の深さ、塗料の付着量などにも依るが、
ゴムロールコーター塗装した場合、相手材表面の凸部に
のみ塗装可能である。
【0076】このようにして塗設された凸部着色塗膜6
0の膜厚は特に限定されないが、通常、その厚肉部で1
〜50μm厚、好ましくは2〜10μm程度である。ま
た、凸部着色塗膜60用の凸部着色塗料としては、上記
凹部着色塗膜50と同様の樹脂分と、着色顔料とを含有
し、さらに必要により造膜助剤などを含有し、得られる
凸部着色塗膜60の色相が凹部着色塗膜50の色相と相
異なるようなエナメル塗料が用いられる。なお、このエ
ナメル塗料は、溶剤系、水性エマルジョン系の何れでも
良い。
【0077】<(f)>次いで、凹部着色塗膜50およ
び凸部着色塗膜60が塗設された下地塗膜40(35)
の目地部260以外の表面全体に、図4(f)に示すよ
うに、クリヤ塗膜80用のクリヤ塗料80を塗布する。
このように目地部260を除き、凹部着色塗膜50表面
および凸部着色塗膜60表面を含む全表面にクリヤ塗料
80を塗布すると天然石材のような質感が増し、深みの
ある天然石目調等の材質感を有する無機質模様付き化粧
板が得られるが、このようなクリヤ塗料を塗布するに
は、スポンジロールコーター、噴霧塗装機(スプレー)
等を用いれば良い。
【0078】なお、上記クリヤ塗料の塗布を、噴霧塗装
にて行うと目地部260を含む全表面にクリヤ塗膜80
が形成され(図示せず)、またスポンジロールコーター
塗装にて行うと図1または図4(h)に示されるよう
に、目地部260を除き、凹部着色塗膜50表面および
凸部着色塗膜60表面にのみクリヤ塗膜80が形成され
る。従って、図1に示すような目地部260を有する被
塗物基材20では、後述する図4(g)に示すように、
粘着状クリヤ塗膜表面に骨材70を散布する場合には、
クリヤ塗装は、スポンジロールコーターにて塗装するこ
とが好ましい。このようにスポンジロールコーター塗装
を行うと、図4(g)付番70で示すように、目地部2
60に粘着状クリヤ塗膜が塗設されず目地部260に骨
材70が落下しても被着することがないため、後で目地
部260に落下している骨材70を飛散、除去させるこ
とができる。
【0079】次いで、このように塗布されたクリヤ塗料
80が粘着状態、換言すれば指触非乾燥状態のうちに、
好ましくは、前述したように、平均粒径0.05〜3m
m、好ましくは0.1〜1.0mmで着色あるいは無着
色の骨材を図4(g)に示すように、通常、1〜100
g/m2、好ましくは5〜50g/m2の量で、このクリ
ヤ塗膜80の表面全体に散布し、クリヤ塗膜表面に被着
させ、あるいはクリヤ塗膜表面近傍に浸入させ、次いで
塗料の種類に応じて加熱乾燥、UV硬化等の方法で乾燥
・硬化させれば、本発明の1実施態様に係る無機質模様
付き化粧板10が得られる。
【0080】詳説すれば、まず上記方法で、このような
量の骨材70を散布した場合には、粘着状すなわち指触
非乾燥状態のクリヤ塗膜80の表面にのみ骨材70は付
着し、被塗物基材20の目地部260には実質上被着し
ない。このため本実施態様では、このように粘着状クリ
ヤ塗膜80が設けられた被塗物基材20の目地部260
および粘着状クリヤ塗膜80の表面全体に骨材を散布し
て、この粘着状クリヤ塗膜表面にのみ該骨材を被着させ
た後、クリヤ塗膜80を乾燥させる。次いで、目地部2
60に散布されあるいは落下した骨材、および粘着状ク
リヤ塗膜表面上に散布された骨材のうち、乾燥硬化後の
クリヤ塗膜に被着していない余分な骨材および目地部2
60に落下した骨材70を除去する。このようにする
と、作業効率等の点で好ましい。なお、被塗物基材20
表面の単位面積当たりの凸部と凹部の数が少なく、矩
形、三角形等の定形の凹凸状面を有する場合には、骨材
を粘着状クリヤ塗膜80表面にのみ散布し被着させるよ
うにすることも可能であるが、一般的には、石目調等の
天然物のような意匠性を発揮させるべく、被塗物基材2
0表面に、複雑に入り組んで凹凸部が存在している場合
には、上記のような骨材の全面散布が効率的である。
【0081】また、骨材散布量が上記範囲にあると、凹
部着色塗膜50、凸部着色塗膜60、下地塗膜40等が
無機質模様付き化粧板の表面から透けて見え、深みが増
し、意匠性に優れる傾向がある。
【0082】骨材の散布方法としては、特に限定され
ず、従来公知の方法を採用でき、具体的には、手、篩い
あるいは砂撒き機での散布、エアーガンでの噴射等が挙
げられる。
【0083】また、クリヤ塗膜80用のクリヤ塗料とし
ては、上記凹部着色塗膜50、凹部着色塗料50a等と
同様の樹脂分を含有し、さらに必要により造膜助剤など
を含有し、顔料を含有しない透明塗料、あるいは顔料等
をも含有する着色透明塗料が用いられる。なお、該クリ
ヤ塗料には、シリカなどの艶消し剤の他、前述したよう
な各種添加剤が配合されても良い。また、このクリヤ塗
料は、上記凹部着色塗料50aと同様に、溶剤系、水性
エマルジョン系の何れでも良い。
【0084】このようにクリヤ塗膜80の表面全体に砂
等の骨材70を散布してクリヤ塗膜表面に被着させ、あ
るいはクリヤ塗膜表面近傍に浸入させた後、本実施態様
では、次いで塗料の種類に応じて加熱乾燥、UV硬化等
の方法で乾燥・硬化させる。
【0085】このように塗設された骨材含有クリヤ塗膜
80の乾燥膜厚は特に限定されないが、通常、5〜20
0μm厚、好ましくは10〜100μm程度である。 <(h)>このように塗設されたクリヤ塗膜80を乾燥
・硬化させた後、目地部260に落下している骨材7
0、クリヤ塗膜に被着していない余分な骨材70を、吸
引除去、エヤーブロー等の方法で除去すると、図4
(h)に示すような、無機質模様付き化粧板10が得ら
れる。
【0086】このような方法で無機質模様付き化粧板を
製造すると、2色以上の多彩模様を有する化粧板が工業
的に連続的に簡単に得られる。しかもこのようにして得
られた無機質模様付き化粧板は、深みのある天然石目調
等の質感を充分に備えている。
【0087】<第2クリヤ塗膜>図5は、本発明に係る
第2の無機質模様付き化粧板の第2の実施態様、および
その製法の説明図である。
【0088】この図5に示す第2の無機質模様付き化粧
板10aは、図1に示す無機質模様付き化粧板10にお
いて、骨材70が散布されたクリヤ塗膜80の表面およ
び目地部260に、さらに第2クリヤ塗膜80aが塗設
されている点を除いて図1に示す無機質模様付き化粧板
10と同様な構成となっている。
【0089】なお、上記第1の無機質模様付き化粧板1
0の説明では、骨材70が散布されたクリヤ塗料層80
を乾燥硬化させ、次いで余分な骨材を飛散・除去して無
機質模様付き化粧板10を製造しているが、本実施態様
においては、図5に示す無機質模様付き化粧板10aの
ように、必要により、このように骨材70が散布された
粘着状クリヤ塗膜(第1クリヤ塗膜)80を乾燥させた
後、目地部260の骨材やクリヤ塗膜状の余分な骨材を
飛散・吸引等の方法で除去し、次いで、骨材が配合され
ていないクリヤ塗料(第2クリヤ塗料)を、第1クリヤ
塗膜全面および目地部260にも塗設している。なお、
目地部260には第2クリヤ塗膜を塗設しなくとも良い
(図示せず)。
【0090】ここで、第2クリヤ塗料の塗装法としてス
プレー(噴霧機)、刷毛塗り、塗料液への浸漬等の方法
を採用すれば、図5に示すように、第1クリヤ塗膜全面
および目地部260にも第2クリヤ塗膜80aを形成で
き、またロールコーター等によれば骨材が散布された第
1クリヤ塗膜の表面のみに第2クリヤ塗料を塗布硬化さ
せることができる(図示せず)。
【0091】このように第2クリヤ塗膜を塗設すると、
第1クリヤ塗膜上の砂等の骨材70がクリヤ塗膜(上塗
塗膜)80aにより被覆固定されるため、第1クリヤ塗
膜80面に散布された砂等の骨材の飛散、脱落を防止で
き、しかも無機質模様付き化粧板の耐候性を向上させる
ことができるため好ましい。
【0092】この際、用いられる第2クリヤ塗料の塗布
量は、通常、一回当たり、5〜300g/m2、好まし
くは50〜200g/m2の量で塗布することが望まし
い。またこのように塗料組成物を1回〜数回繰り返して
塗布してなる第2クリヤ塗料層の乾燥膜厚は、通常、5
〜200μm厚、好ましくは10〜100μm厚である
ことが望ましい。
【0093】なお、該クリヤ塗膜(上塗塗料塗膜)の乾
燥方法としては、熱風乾燥など前記粘着状クリヤ塗膜
(第1クリヤ塗料)80の乾燥方法と同様の方法を採用
できる。なお、粘着状クリヤ塗膜80の乾燥と、第2ク
リヤ塗料層の乾燥を同時に行えば、より効率的である。
【0094】また第2クリヤ塗料としては、上記粘着状
クリヤ塗膜80用塗料(第1クリヤ塗料)と同様のもの
を用いることができるが、第2クリヤ塗料としては、特
に上記粘着状クリヤ塗膜80用塗料と同様の樹脂分およ
び有機溶剤または水などを含有する塗料であって、透明
な塗料を用いることが好ましく、該透明塗料には上記樹
脂分、溶剤等をそれぞれ含有する樹脂ワニス、クリヤ塗
料、透明カラークリヤ塗料等が挙げられる。このような
透明塗料を用いると散布された骨材の質感を損なわない
ため好ましい。なお、該上塗塗料には、シリカなどの艶
消し剤の他、前述したような各種添加剤が配合されても
良い。
【0095】上記本願実施態様のように基材20の凹凸
状面25上すなわち凹部着色塗膜50、凸部着色塗膜6
0が形成された第2下地乾燥塗膜35上に粘着状クリヤ
塗膜80を形成し、その表面に骨材70を散布してクリ
ヤ塗膜を乾燥硬化させ、さらにその上面に骨材が配合さ
れていない第2クリヤ塗料を塗布し硬化させると、被着
した骨材は飛散しにくくなり、無機質模様付き化粧板の
耐候性も増し、優れた意匠性を長期間保持できる。
【0096】なお、塗設された凸部の粘着状クリヤ塗膜
80および第2クリヤ塗料層は、何れも最終的には硬化
されるが、その硬化方法は、用いられる塗料の種類など
により異なり一概に決定されず、加熱硬化、常温硬化、
UV硬化などの方法が挙げられる。
【0097】また、上記のように第2クリヤ塗膜を設け
る場合には、骨材が散布された粘着状第1クリヤ塗膜が
乾燥硬化しない状態で、余分な骨材を飛散・吸引等の方
法で除去し、次いで第2クリヤ塗膜を塗設し、第1と第
2の両方のクリヤ塗膜を一度に乾燥硬化させるようにし
ても良い。
【0098】図6は、本発明に係る第2の無機質模様付
き化粧板の第3の実施態様、およびその製法の説明図で
ある。この図6に示す無機質模様付き化粧板10bは、
図1に示す無機質模様付き化粧板10において、骨材7
0が散布されたクリヤ塗膜80が存在しない点を除いて
図1に示す無機質模様付き化粧板10と同様な構成とな
っている。
【0099】骨材70が散布されたクリヤ塗膜80を有
しないこのような無機質模様付き化粧板10bを製造す
るには、図3〜図4において、骨材70が散布されたク
リヤ塗膜80を設ける工程を省略する点以外は、上記無
機質模様付き化粧板10の製法に準ずれば良い。
【0100】次に図7は、本発明に係る第1の無機質模
様付き化粧板の第1の実施態様、およびその製法の説明
図である。この図7に示す無機質模様付き化粧板10c
は、図1に示す無機質模様付き化粧板10において、目
地部26および第2下地乾燥塗膜35が存在しない点を
除いて図1に示す無機質模様付き化粧板10と同様な構
成となっている。
【0101】目地部26を有しないこのような無機質模
様付き化粧板10cを製造するには、基本的には、上記
無機質模様付き化粧板10の製法に準ずれば良い。
【0102】製法上の主な相違点は、図1における目地
部260が存在しないため、凹部着色塗膜50、クリヤ
塗膜80を塗設する際の塗装手段として、スポンジロー
ルコーター等に限定されず、スプレー塗装などによる全
面塗装が可能な点にある。また、この際の凹部着色塗膜
50用塗料およびクリヤ塗膜80用塗料の各粘度は、第
1乾燥塗膜30用塗料と同様であれば良い。
【0103】図8は、本発明に係る第1の無機質模様付
き化粧板の第2の実施態様、およびその製法の説明図で
ある。この図8に示す無機質模様付き化粧板10dは、
図7に示す無機質模様付き化粧板10cにおいて、骨材
70が散布されたクリヤ塗膜80が存在しない点を除い
て図7に示す無機質模様付き化粧板10cと同様な構成
となっている。
【0104】骨材70が散布されたクリヤ塗膜80を有
しないこのような無機質模様付き化粧板10dを製造す
るには、図7において、骨材70が散布されたクリヤ塗
膜80を設ける工程を省略する点以外は、上記無機質模
様付き化粧板10cの製法に準ずれば良い。
【0105】次に図9は、本発明に係る第3の無機質模
様付き化粧板の第1の実施態様、およびその製法の説明
図である。この図9に示す無機質模様付き化粧板10e
は、図1に示す無機質模様付き化粧板10において、第
1下地乾燥塗膜30の凹凸状面36に塗設される第2下
地乾燥塗膜35に代えて、第1下地乾燥塗膜30の凹凸
状面36および目地部260すなわち、第1下地乾燥塗
膜30の全面に第1着色塗料を点状(ドット状)に散在
(分散)するように不連続に塗布して凹凸状面と目地部
とを有する第1着色乾燥塗膜37を形成する点と、凹部
着色塗料を噴霧塗装等により、スパッタ塗装された凹凸
状面のみならず目地部260をも含む全面に塗装する点
を除き、図1に示す無機質模様付き化粧板10と同様な
構成となっている。なお、第1着色塗料としては、前記
凹部着色塗料、凸部着色塗料などと同様な樹脂分、溶
剤、顔料等を含むものが1種または2種以上適宜組み合
わせて用いられる。
【0106】このような無機質模様付き化粧板10eを
製造するには、図3〜4において、第2下地乾燥塗膜3
5を設ける工程を省略し、その代わりに図10〜11に
示すように、第1着色塗料を、第1下地乾燥塗膜30の
全面、すなわち凹凸状面36および目地部260の全面
に点状に塗設し第1乾燥塗膜37を設ける点、および凹
部着色塗料50を目地部を含む全面に塗布する点以外
は、上記無機質模様付き化粧板10の製法に準ずれば良
い。このように第1着色塗料を、第1下地乾燥塗膜30
の表面に設けるには、スパッタ塗装等の方法で任意の色
相の塗料を塗布すれば良い。上記スパッタ塗装は1色で
も良く、また2色以上の多彩色でも良い。
【0107】また、本発明においては、図12に示す無
機質模様付き化粧板10fのように、図9に示す無機質
模様付き化粧板10eの全表面にクリヤ塗膜80aを設
けても良い。また、本発明においては、図13に示す無
機質模様付き化粧板10gのように、図9に示す無機質
模様付き化粧板10eにおいて、骨材70が散布された
クリヤ塗膜80が存在しない点以外は、図9に示す無機
質模様付き化粧板10eと同様な構成となっていても良
い。また、本発明においては、図14に示す無機質模様
付き化粧板10hのように、図13に示す無機質模様付
き化粧板10gにおいて、凸部着色塗膜60が存在しな
い点以外は、図13に示す無機質模様付き化粧板10g
と同様な構成となっていても良い。上記図9、図12〜
図14に示す無機質模様付き化粧板10e〜10hで
は、目地部260に、例えばスパッタリングにて塗設さ
れた第1着色乾燥塗膜は、その目地部表面にさらに模様
付けとして塗設される前記凹部着色塗膜(凹部・目地部
着色塗膜)50にて被覆・隠蔽されるため、スパッタ塗
装される第1着色塗料の色相は特に制限されず、第1着
色塗料には任意の色相のものを用いることができるとい
う効果を有する。
【0108】以上詳述したような本発明に係る無機質模
様付き化粧板は、工場等でのライン生産に適応可能であ
り、このような方法によれば、より簡易な工程で、上記
のような無機質模様付き化粧板を製造できる。
【0109】このようにして製造された無機質模様付き
化粧板10、10a、10b、10c、10d、10
e、10f、10hは、裏面側に接着剤等を塗布しある
いは釘などで打付けて、木材、合板、金属板、合成樹脂
板、ラス(金網)、あるいはコンクリート(建造物)の
表面など、任意の基材表面に貼設することができる。
【0110】以下に、図1に示すような、本発明で好ま
しい(イ)被塗物基材/(ロ)第1下塗塗料/(ハ)第2下塗塗
料/(ニ)凹部着色塗料/(ホ)凸部着色塗料/(ヘ)骨材散布
−クリヤ塗料の組み合わ せを例示する。 (イ)外壁用サイディングボード/(ロ)骨材非含有二液型
アクリルウレタンエナメル塗料/(ハ)骨材非含有二液型
アクリルウレタンエナメル塗料/(ニ)骨材非含有水性エ
ナメル塗料/(ホ)骨材非含有水性エナメル塗料/(ヘ)骨材
(着色硅砂)−二液型アクリルウレタンクリヤ塗料、 (イ)外壁用サイディングボード/(ロ)骨材非含有二液型
アクリルウレタンエナメル塗料/(ハ)骨材非含有二液型
アクリルウレタンエナメル塗料/(ニ)骨材非含有水性エ
ナメル塗料/(ホ)骨材非含有水性エナメル塗料/(ヘ)骨材
(ガラスビーズ)−二液型アクリルウレタンクリヤ塗
料。
【0111】また図9に示すような本発明で好ましい
(イ)被塗物基材/(ロ)第1下塗塗料/(ニ)凹部・目地部着
色塗料/(ホ)凸部着色塗料/(ヘ)骨材散布−クリヤ塗料の
組み合わせは、上記、において、(ハ)の第2下地塗
料を用いない点を除き上記に同じである。なお、上記の
(ニ)凹部着色塗料と同様のものを、この第3の発明では
(ニ)凹部・目地部着色塗料として用いることが望まし
い。
【0112】
【発明の効果】本発明に係る無機質模様付き化粧板は、
被塗物基材の凹部と凸部とで相異なる色調の彩色が施さ
れて立体感のある2色以上の凹凸多彩模様となってお
り、深みがあり、高級感のある天然石目調、タイル調、
モザイク柄など、自然物のような実在感が溢れ、著しく
意匠性に優れている。特に骨材が散布被着されたクリヤ
塗膜付き無機質模様付き化粧板では、深みがあり、高級
感があり、その骨材の質感が全くといって良いほど損な
われず、天然石目調、タイル調、モザイク柄など、自然
物のような実在感が溢れ、著しく意匠性に優れている。
【0113】また、本発明に係る無機質模様付き化粧板
が特に目地部を有する場合には、被塗物基材の凹凸状面
にのみ砂等の骨材が存在し、目地部には骨材が存在しな
いため凹凸面の骨材の質感が全くといって良いほど損な
われず、しかも被塗物基材の目地部には、骨材が存在し
ないため、目地部は自然な目地仕上げとなり、天然石目
調、タイル調、モザイク柄など、自然物のような実在感
が溢れ、著しく意匠性に優れている。また、表面にクリ
ヤ塗膜が設けられている場合には、特に深みが増しその
効果が著しい。
【0114】特に本発明において図9、図12〜図14
に示すような目地部を有する第3の無機質模様付き化粧
板では、目地部に入ったスパッタ塗料(第1着色塗料)
は、第2着色塗料(模様付塗料)で被覆・隠蔽されるた
め、スパッタ塗料としては特に色相の限定がなくなり、
任意の色相の塗料を用いることができるという効果を有
する。
【0115】本発明に係る無機質模様付き化粧板の製造
方法によれば、上記のような天然物に近い無機質模様付
き化粧板が少ない工程で簡単に得られる。しかも、この
方法では、長時間にわたり工場等で製造ラインを運転し
てこの様付き化粧板を製造しても、模様の安定性を維持
でき、生産性の向上、コストダウンを図ることができ
る。
【0116】
【実施例】以下、本発明について実施例によりさらに具
体的に説明するが、本発明は、このような実施例により
何等制限されるものではない。
【0117】
【実施例1】図7に示すような凹凸のある被塗物基材2
0(外壁サイディングボード)の表面に、下記要領にて
塗装を行った。
【0118】(イ)工程−1:下塗−1塗装(図7の付番
30) 二液型アクリルウレタンエナメル塗料(製品名:EPコ
ートNo.300-30H、中国塗料(株)製、灰色)
を構成する主剤と硬化剤に専用シンナーを、主剤:硬化
剤:専用シンナー=8:1:8(重量比)で混合したも
のをエアースプレーにて80〜90g/m2(平均:8
5g/m2)の量で塗装した後、100℃熱風で15分
間乾燥させた。
【0119】(ロ)工程−2:模様付け−1塗装(図7の
付番50) 水性エナメル塗料[商品名:水性ステインW、中国塗料
(株)製、濃灰色](水希釈100%品、すなわち塗料
100部に対して水100部添加して希釈したもの)
(岩田カップ8秒)をスポンジロールコーターにて20
〜60g/m2(平均:40g/m2)の量で全面塗装し
た。
【0120】次いで、直ちにゴム製リバースロールにて
凸部のみ掻きとった後、100℃熱風にて1分間乾燥さ
せた。 (ハ)工程−3:模様付け−2(図7の付番60) 水性エナメル塗料[商品名:水性ステインW、中国塗料
(株)製、ベージュ色](水希釈10%品、すなわち塗
料100部に対して水10部添加して希釈したもの)
(粘度:47ku、岩田カップ12秒)をナチュラルゴ
ムロールコーターにて5〜20g/m2(平均:10g
/m2)の量で凸部のみ塗装した。
【0121】次いで100℃熱風にて1分間乾燥させ
た。 (ニ)工程−4:上塗/砂散布(図7の付番80,70) 二液型アクリルウレタンクリヤ塗料[商品名:EPコー
トNo.300-70H、中国塗料(株)製]を構成す
る主剤と硬化剤に専用シンナーを、主剤:硬化剤:専用
シンナー=8:1:8(重量比)で混合したもの(粘
度:岩田カップ10秒)をエアースプレーで170〜2
00g/m2(平均:180g/m2)塗装した。
【0122】上記二液型アクリルウレタンクリヤ塗料
(上塗塗料)の塗装後、直ちに、市販の着色硅砂[商品
名:シントーカラーサンド、新東陶料(株)製、8-ブ
ラック:8-レッド:8-ホワイト:8-バフ=40:
1:20:5(重量比)の混合物]を工程−2の粘着状
二液型アクリルウレタンクリヤ塗膜表面に10〜20g
/m2(平均:15g/m2)の量で散布した後、100
℃の熱風にて、20分間乾燥させて、無機質模様付き化
粧板10cを得た。
【0123】(ホ)意匠性の判定 次いで、得られた無機質模様付き化粧板の硅砂を除く彩
色数、意匠性を目視にて調べ、その外観より塗膜の意匠
性を判定した。
【0124】該塗膜では、彩色数は3色であり、1m離
れた位置から目視にて無機質模様付き化粧板の石材調彩
色模様を観察したところ、意匠性は良好(○)であっ
た。結果を併せて表1に示す。
【0125】
【実施例2】図1に示す凹凸状面と目地部とを有する被
塗物基材(外壁サイディングボード)の表面に、下記要
領にて塗装を行った。
【0126】(イ)工程−1:下塗塗装(図1の付番3
0) 実施例1の工程−1と同様に行った。但し、色相は、黒
を使用した。 (ロ)工程−2:下塗−2塗装(図1の付番35) 実施例1の工程−1と同様に二液型アクリルウレタンエ
ナメル塗料(製品名:EPコートNo.300-30
H、中国塗料(株)製、色相:グレー)を構成する主剤
と硬化剤に専用シンナーを、主剤:硬化剤:専用シンナ
ー=8:1:3(重量比)で混合したもの(粘度:51
ku、岩田カップ20秒)をスポンジロールコーターに
て50〜60g/m2(平均:55g/m2)の量で平部
にのみ塗装した後、100℃熱風で15分間乾燥させ
た。
【0127】(ハ)工程−3:模様付け−1(図1の付番
50) 実施例1の工程−2と同様に行った。 (ニ)工程−4:模様付け−2(図1の付番60) 実施例1の工程−3と同様に行った。
【0128】(ホ)工程−5:上塗/砂散布(図1の付番
80,70) UV硬化型クリヤ塗料[商品名:オーレックスNo.2
80、中国塗料(株)製、(粘度:86ku)]を、ス
ポンジロールコーターにて50〜60g/m2(平均:
55g/m2)の量で平部のみ塗装した後、実施例1の
工程−4で使用した着色硅砂混合物を10〜20g/m
2(平均:15g/m2)の量で散布した。
【0129】その後、「80w/cm2、5m/分×2
灯」のUV照射を行い、塗膜を硬化させた。塗膜硬化
後、目地部の着色硅砂をエアブローにて除去し、無機質
模様付き化粧板10を得た。
【0130】(ヘ)意匠性の判定 次いで、得られた無機質模様付き化粧板の硅砂を除く彩
色数、意匠性を目視にて調べ、その外観より塗膜の意匠
性を判定した。
【0131】該塗膜では、彩色数は4色であり、1m離
れた位置から目視にて無機質模様付き化粧板の石材調彩
色模様を観察したところ、意匠性は良好(○)であっ
た。結果を併せて表1に示す。
【0132】
【比較例1】実施例1において、工程−2、工程−3を
行わず、工程−1と工程−4のみを行った以外は、実施
例1と同様にして無機質模様付き化粧板を得た。
【0133】次いで、得られた無機質模様付き化粧板の
硅砂を除く彩色数、意匠性を目視にて調べ、その外観よ
り塗膜の意匠性を判定した。該塗膜では、彩色数は1色
であり、1m離れた位置から目視にて無機質模様付き化
粧板を観察したところ、石材調模様になっておらず、意
匠性は不良(×)であった。
【0134】結果を併せて表1に示す。
【0135】
【比較例2】実施例2において、工程−3、工程−4を
行わず、工程−1と工程−2と工程−5のみを行った以
外は、実施例2と同様にして無機質模様付き化粧板を得
た。
【0136】次いで、得られた無機質模様付き化粧板の
硅砂を除く彩色数、意匠性を目視にて調べ、その外観よ
り塗膜の意匠性を判定した。該塗膜では、彩色数は2色
であり、1m離れた位置から目視にて無機質模様付き化
粧板を観察したところ、石材調模様になっておらず、意
匠性は不良(×)であった。
【0137】結果を併せて表1に示す。
【0138】
【表1】
【0139】
【実施例3】図9に示す凹凸状面と目地部とを有する被
塗物基材(外壁サイディングボード)の表面に、下記要
領にて塗装を行った(但し、骨材70の散布なし)。
【0140】(イ)工程−1:下塗塗装(図9、図10
(a)の付番30) 実施例1の工程−1と同様に行った。 (ロ)工程−2:模様付け−1(図9、図10(b)の付
番37) 実施例2の工程−2と同様の塗料(但し色相はグレーと
白の2色)にて全面スパッタ塗装を行った後、100℃
熱風で15分間乾燥させた。 (ハ)工程−3:模様付け−2(図10(c)の付番50
a、50c) 実施例1の工程−2と同様の塗料をエアースプレーにて
30〜70g/m2(平均50g/m2)の量で全面塗装
した。次いで、直ちにゴム製リバースロールにて凸部の
み掻き取った後、100℃熱風にて1分間乾燥させた。
(図10(d)の付番50) (ニ)工程−4:上塗り(図10(d)の付番80、但し
砂70散布なし。) 実施例−1の工程−4の塗料を塗装した後、砂散布する
ことなく、100℃熱風で20分間乾燥させた。該塗膜
では、1m離れた位置から目視にて無機質模様付き化粧
板の石材調彩色模様を観察したところ、目地部にスパッ
タ部が認められず、意匠性は良好(○)であった。結果
を併せて表2に示す。
【0141】
【比較例3】実施例3において、(イ)、(ロ)、(ニ)の工程
のみ実施し、工程(ハ)は行わなかった以外は、実施例3
と同様にした。
【0142】該塗膜では、1m離れた位置から目視にて
無機質模様付き化粧板の石材調彩色模様を観察したとこ
ろ、目地部にスパッタ部があり、意匠性は不良(×)で
あった。結果を併せて表2に示す。
【0143】
【表2】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係る第2の無機質模様付き化
粧板の断面を模式的に示す説明図であり、またこの無機
質模様付き化粧板の製法の説明図である。
【図2】図2は、本発明に係る第2の無機質模様付き化
粧板のA部を拡大して示す説明図であり、またこの無機
質模様付き化粧板の製法の説明図である。
【図3】図3は、本発明に係る第2の無機質模様付き化
粧板の第1の実施態様およびその製法を段階的に示す説
明図である。
【図4】図4は、本発明に係る第2の無機質模様付き化
粧板の第1の実施態様、およびその製法を段階的に示す
説明図である。
【図5】図5は、本発明に係る第2の無機質模様付き化
粧板の第2の実施態様、およびその製法の説明図であ
る。
【図6】図6は、本発明に係る第2の無機質模様付き化
粧板の第3の実施態様、およびその製法の説明図であ
る。
【図7】図7は、本発明に係る第1の無機質模様付き化
粧板の第1の実施態様、およびその製法の説明図であ
る。
【図8】図8は、本発明に係る第1の無機質模様付き化
粧板の第2の実施態様、およびその製法の説明図であ
る。
【図9】図9は、本発明に係る第3の無機質模様付き化
粧板の断面を模式的に示す説明図であり、またこの無機
質模様付き化粧板の製法の説明図である。
【図10】図10は、本発明に係る第3の無機質模様付
き化粧板の製法を段階的に示す説明図である。
【図11】図11は、本発明に係る第3の無機質模様付
き化粧板の製法を段階的に示す説明図である。
【図12】図12は、本発明に係る第3の無機質模様付
き化粧板の第2の実施態様、およびその製法の説明図で
ある。
【図13】図13は、本発明に係る第3の無機質模様付
き化粧板の第3の実施態様、およびその製法の説明図で
ある。
【図14】図14は、本発明に係る第3の無機質模様付
き化粧板の第4の実施態様、およびその製法の説明図で
ある。
【図15】図15は、従来例に係る無機質模様付き化粧
板の説明図である。
【符号の説明】 10、10a、10b、10c、10d、10e、10
f、10g、10h・・・・本発明の実施態様に係る無
機質模様付き化粧板、 20・・・・被塗物基材(外壁サイディングボードな
ど)、 22・・・・被塗物基材の凸部、凸状面、 24・・・・被塗物基材の凹部、凹状面、 25・・・・被塗物基材の凹凸状面(凹凸状平面)、 26、260・・・・目地部、 28・・・・被塗物基材の全表面、 30・・・・第1下地乾燥塗膜、第1下地塗料、 35・・・・第2下地乾燥塗膜、第2下地塗料、 36・・・・第1下地乾燥塗膜の凹凸状面、 37・・・・点状の第1着色塗膜、第1着色塗料、 40・・・・下地塗膜、下地塗料、 45・・・・第2下地乾燥塗膜あるいは下地塗膜の凹凸
状面、 50・・・・凹部着色塗膜、凹部・目地部着色塗膜、凹
部着色塗料、凹部・目地部着色塗料、第2着色塗膜、第
2着色塗料、 60・・・・凸部着色塗膜、凸部着色塗料、 70・・・・骨材、骨材層、 80・・・・クリヤ塗膜、クリヤ塗料、第1クリヤ塗
料、第1クリヤ塗膜、 80a・・・・第2クリヤ塗膜、第2クリヤ塗料、 82・・・・第1クリヤ塗膜の凸部表面、 84・・・・第1クリヤ塗膜の凹部表面、 85・・・・第1クリヤ塗膜の凹凸状表面、 h1・・・・被塗物基材の凹凸状面の高さの差(深
さ)、 h2・・・・被塗物基材の目地部の深さ、 w1・・・・凹凸状面の凹部幅、 w2・・・・目地部の幅。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小 林 誠 二 大阪府大阪市西区西本町1丁目8番14号M ICビル5階 株式会社シーエムピーデザ インセンター内 (72)発明者 中 川 好 治 滋賀県野洲郡野洲町字三上2306番地の7 中国塗料株式会社内 (72)発明者 宮 川 健 二 滋賀県野洲郡野洲町字三上2306番地の7 中国塗料株式会社内 (72)発明者 森 本 耕 二 滋賀県野洲郡野洲町字三上2306番地の7 中国塗料株式会社内

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】凹凸状面を有する被塗物基材(a)と、 該被塗物基材(a)の表面に沿ってその全面に形成され
    た、凹凸部を有する下地乾燥塗膜(b)と、 該下地乾燥塗膜(b)の凹部に形成された凹部着色塗膜(c-
    1)と、 を有することを特徴とする無機質模様付き化粧板。
  2. 【請求項2】凹凸状面と目地部とを有する被塗物基材
    (a)と、 該被塗物基材(a)の表面に沿ってその全面に形成され
    た、凹凸状面と目地部とを有する下地乾燥塗膜(b)と、 該下地乾燥塗膜(b)の凹凸状面凹部に形成された凹部着
    色塗膜(c-1)と、 を有することを特徴とする無機質模様付き化粧板。
  3. 【請求項3】上記下地乾燥塗膜(b)の凸部には、上記凹
    部着色塗膜(c-1)の色調と異なる色調にて、さらに凸部
    着色塗膜(c-2)が形成されていることを特徴とする請求
    項1〜2の何れかに記載の無機質模様付き化粧板。
  4. 【請求項4】上記凹部着色塗膜(c-1)表面および凸部着
    色塗膜(c-2)表面を含む上記化粧板の全面に、さらにク
    リヤ塗膜が形成されていることを特徴とする請求項1〜
    3の何れかに記載の化粧板。
  5. 【請求項5】凹凸状面と目地部とを有する被塗物基材
    (a)と、 該被塗物基材(a)の表面に沿ってその全面に形成され
    た、凹凸状面と目地部とを有する下地乾燥塗膜(b)と、 該下地乾燥塗膜(b)の表面に沿ってその全面に点状に散
    在して形成された、凹凸状面と目地部とを有する第1着
    色乾燥塗膜(c-3)と、 該第1着色乾燥塗膜(c-3)の凹凸状面凹部および目地部
    に形成された凹部・目地部着色塗膜(c-1-a)と、 を有することを特徴とする無機質模様付き化粧板。
  6. 【請求項6】上記凹部・目地部着色塗膜(c-1-a)表面お
    よび第1着色乾燥塗膜(c-3)の凸部を含む上記化粧板の
    全面に、さらにクリヤ塗膜が形成されていることを特徴
    とする請求項5に記載の化粧板。
  7. 【請求項7】上記クリヤ塗膜中には、着色または無着色
    の骨材が分散して含有され、あるいはこれら骨材が膜面
    と平行な層状に含有されていることを特徴とする請求項
    4または6に記載の化粧板。
  8. 【請求項8】凹凸状面を有する被塗物基材(a)の表面に
    沿ってその全面に下地塗料を塗布硬化して下地乾燥塗膜
    (b)を形成し、 その下地乾燥塗膜(b)の表面に沿ってその全面に一旦着
    色塗料を塗布して凹凸状着色塗膜を形成した後、該凹凸
    状着色塗膜が粘着状態のうちにそのうちの凸部着色塗膜
    (c-i)を除去すると共に、凹部着色塗膜(c-ii)を残すこ
    とにより下地乾燥塗膜(b)の凹部に凹部着色塗膜(c)を形
    成することを特徴とする無機質模様付き化粧板の製造方
    法。
  9. 【請求項9】凹凸状面と目地部とを有する被塗物基材
    (a)の表面に沿ってその全面に下地塗料を塗布硬化して
    下地乾燥塗膜(b)を形成し、 その下地乾燥塗膜(b)の凹凸状面に沿って該凹凸状面に
    一旦着色塗料を塗布して凹凸状着色塗膜を形成した後、
    該凹凸状着色塗膜が粘着状態のうちにそのうちの凸部着
    色塗膜(c-i)を除去すると共に、凹部着色塗膜(c-ii)を
    残すことにより下地乾燥塗膜(b)の凹凸状面凹部に凹部
    着色塗膜(c)を形成することを特徴とする無機質模様付
    き化粧板の製造方法。
  10. 【請求項10】上記凹凸状面凹部に凹部着色塗膜(c)を
    形成した後、 前記凸部塗膜(c-i)の除去部表面に、新たに、上記凹部
    着色塗膜の色調と異なる色調の凸部着色塗料を塗布硬化
    して凸部着色塗膜(d)を形成することを特徴とする請求
    項8〜9の何れかに記載の無機質模様付き化粧板の製造
    方法。
  11. 【請求項11】上記凸部着色塗膜(d)を形成した後、 上記凹部着色塗膜(c)表面および凸部着色塗膜(d)表面を
    含む上記化粧板の全面に、さらにクリヤ塗料を塗布硬化
    してクリヤ塗膜を形成することを特徴とする請求項8〜
    10の何れかに記載の無機質模様付き化粧板の製造方
    法。
  12. 【請求項12】凹凸状面と目地部とを有する被塗物基材
    (a)の表面に沿ってその全面に下地塗料を塗布硬化して
    下地乾燥塗膜(b)を形成し、さらにその下地乾燥塗膜(b)
    の表面に沿ってその全面に第1着色塗料を点状に散在す
    るように塗布して凹凸状面と目地部とを有する第1着色
    乾燥塗膜(c-3)を形成し、 次いで、該第1着色乾燥塗膜(c-3)の凹凸状面および目
    地部に沿ってその全面に第1着色塗膜の色調と異なる色
    調の第2着色塗料を塗布して第2着色塗膜を形成した
    後、 該第2着色塗膜が粘着状態のうちにそのうちの凸部着色
    塗膜(c-i)を除去すると共に、凹部着色塗膜(c-ii)およ
    び目地部着色塗膜を残すことにより第1着色乾燥塗膜(c
    -3)の凹凸状面凹部および目地部に凹部・目地部着色塗
    膜(c-1-a)を形成することを特徴とする無機質模様付き
    化粧板の製造方法。
  13. 【請求項13】上記化粧板の全面に、さらにクリヤ塗料
    を塗布硬化してクリヤ塗膜を形成することを特徴とする
    請求項12に記載の無機質模様付き化粧板の製造方法。
  14. 【請求項14】上記クリヤ塗料の塗布を、噴霧塗装また
    はスポンジロールコーター塗装にて行うことを特徴とす
    る請求項11または13に記載の無機質模様付き化粧板
    の製造方法。
  15. 【請求項15】上記下地塗料の塗布を、噴霧塗装または
    スポンジロールコーター塗装にて行うことを特徴とする
    請求項9〜14の何れかに記載の無機質模様付き化粧板
    の製造方法。
  16. 【請求項16】上記請求項8〜11の下地乾燥塗膜(b)
    上または、上記請求項12〜15の第1着色乾燥塗膜(c
    -3)上への着色塗料の塗布を、噴霧塗装またはロールコ
    ーター塗装にて行うことを特徴とする請求項8〜15の
    何れかに記載の無機質模様付き化粧板の製造方法。
  17. 【請求項17】上記粘着状態の凸部着色塗膜(c-i)の除
    去を、ロールコーターまたはワイピングコーターにて行
    うことを特徴とする請求項9〜16の何れかに記載の無
    機質模様付き化粧板の製造方法。
  18. 【請求項18】上記粘着状態の凸部着色塗膜(c-i)を除
    去した後に行う、該凸部表面への凸部着色塗料の塗布
    を、ロールコーターにて行うことを特徴とする請求項1
    0〜11および請求項14〜17の何れかに記載の無機
    質模様付き化粧板の製造方法。
  19. 【請求項19】上記クリヤ塗膜が粘着状態のうちにその
    塗膜表面に、着色または無着色の骨材を散布した後、必
    要に応じてさらにこの骨材上にクリヤ塗料を塗布硬化さ
    せることを特徴とする請求項11および請求項13〜1
    8の何れかに記載の無機質模様付き化粧板の製造方法。
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