JP2001096704A - 化粧材 - Google Patents

化粧材

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JP2001096704A JP28099799A JP28099799A JP2001096704A JP 2001096704 A JP2001096704 A JP 2001096704A JP 28099799 A JP28099799 A JP 28099799A JP 28099799 A JP28099799 A JP 28099799A JP 2001096704 A JP2001096704 A JP 2001096704A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 撥液性模様上にトップコートを行なって凹部
を形成する際に、塗料の浸透を制御する目的でマット剤
を含有するアンカー層を形成したために、艶が消えて凹
凸感を損なう結果となった点を解消し、トップコートの
下層への浸透を適度に抑制しつつも、トップコート層の
塗布により、艶が上がり、艶差による凹凸感を向上させ
ることを課題とする。 【解決手段】 基材2、模様層3、体質顔料を分散させ
た浸透制御層4、撥液性模様5、および透明樹脂保護層
6を順に積層形成したもので、層4自身はマットなが
ら、電離放射線硬化型塗料の浸透で体質顔料が濡れ色に
なり、高い艶を呈するので、撥液性模様5上で塗料がは
じかれて生じた凹部7が、凹部7と周囲の艶差により凹
凸感が強調された化粧材を提供することができた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、化粧材の表面に電
離放射線硬化性組成物の架橋硬化した皮膜を有したもの
であって、下層にある撥液性模様により電離放射線硬化
性組成物がはじかれて凹部を形成した、いわゆる「はじ
き凹凸を有する化粧材」に関するものである。本発明の
ような「はじき凹凸を有する化粧材」は、紙基材の化粧
材である化粧紙に適用されることが比較的多いが、紙に
限ることなく、他の基材にも適用可能である。
【0002】
【従来の技術】化粧材は、対象となる建築物、建具、家
具、その他の物品に貼って装飾を施す目的で用いられる
ため、自身の装飾性が高いことが必要なことに加え、化
粧材の持つ装飾機能が長期間にわたって維持される必要
性が高く、用途にもよるが、例えば、耐摩耗性等の表面
の耐久性が高いことが必要である。ところで、「はじき
凹凸を有する化粧材」としては、シリコーン等の撥液剤
を含有するインキを用いて、紙等に木目の導管模様を印
刷し、その上に、アミノアルキッド樹脂等の塗料を塗布
することにより、木目の導管模様上の塗料がはじかれ、
導管模様に沿って凹部が形成されたものが比較的古くか
ら知られている。「はじき凹凸を有する化粧材」の表面
には、最初は木工製品に利用されていたラッカーと同様
な、アミノアルキッド樹脂等の塗料が塗布されていた
が、次第に表面の耐久性の要求度が高まるにつれ、ポリ
ウレタン等のより耐久性のある塗料が使用されるように
なってきた。
【0003】近年、化粧材の耐摩耗性等の表面の耐久性
を、さらに向上させるために、表面の塗装用に電子線硬
化型や紫外線硬化型等の電離放射線硬化型塗料、とりわ
け、電子線硬化型塗料が多用されるようになっており、
従来からあった「はじき凹凸を有する化粧材」の表面塗
装を電離放射線硬化型塗料で行なう試みがなされてい
る。例えば、特開平8−174770号公報には、基材
シート上に下地絵柄層、アンカー層、撥液性を付与した
模様層(=撥液性模様)、および電子線硬化型のトップ
コート層、およびトップコート層に形成された、模様層
に同調した凹凸模様を有する化粧紙、およびその製造方
法が記載されており、また、アンカー層を電子線硬化型
としてトップコート樹脂と一体化して硬化させること
や、撥液性を付与した模様層を電子線硬化型としてアン
カー層と一体化して硬化させることが記載されている。
そして、アンカー層としては、電子線により硬化する常
温で固体状の樹脂を水溶化して、熱乾燥により水を蒸発
させることによってタック切れするようにマット剤を配
合した水性タイプのものを使用している。
【0004】電子線硬化型のトップコート層の形成時
に、塗布量を上げて化粧材の耐摩耗性等を向上させよう
とすると、塗料が高粘度となるため流動性が乏しくなっ
て、凹凸が生じにくくなり、逆に希釈して粘度を下げる
と、凹凸は生じやすくなるものの、十分な耐摩耗性等を
得るだけの塗布量を確保することが難しくなる。この特
開平8−174770号公報においては、これらの欠点
をアンカー層を形成して解消するものとしてあり、アン
カー層が下地絵柄層を保護・強化し、また、撥液性模様
形成時や表面塗装時に、下地の絵柄層や紙層へ浸透する
度合いを制御するものとしている。
【0005】しかし、上記の公報には、アンカー層を構
成する樹脂についての簡単な説明を除くと、具体的記述
が乏しく、直接の追試が困難であった。発明者の検討に
よれば、確かに凹凸そのものについては改善される可能
性はあるが、マット剤を含有するアンカー上に電離放射
線硬化型塗料を塗布すると、マット感が完全には解消し
ないので、化粧紙全体がマットに仕上がる。このため、
撥液性模様の部分との艶の差が縮まってしまい、凹凸感
が減少する欠点が避けられない欠点を有している。この
種の「はじき凹凸を有する化粧材」においてはトップコ
ート層の厚みにもよるが、凹凸は数μm程度であるの
で、凹部を艶消しにし、周囲をそれよりも艶を上げるよ
うにして、艶差によっても、凹凸感が生じるのを助ける
必要があるからである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来技術におい
ては、アンカー層を用いながらも、単にマット剤を含有
するアンカー層を形成したために、却って凹凸感を損な
う結果となった点を解消し、電離放射線硬化型塗料の下
層への浸透を適度に抑制しつつも、むしろ、トップコー
ト層の塗布により、艶が上がり、艶差による凹凸感向上
を実現することを課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】課題の解決のため、体質
顔料を分散させた塗料を用いて、上層形成時の浸透性を
制御する層を形成することにより、その層自身の表面は
マットでありながら、上に電離放射線硬化型塗料を塗布
すると、浸透により、体質顔料が濡れ色となって、高い
艶を呈するようになることが判明した。また、撥液性模
様に被覆された部分では、体質顔料に由来する凹凸状態
が撥液性模様の表面にまで影響し、撥液性模様によって
塗料がはじかれることによる凹凸に加えて、艶差による
凹凸感向上効果が加わったことによる、優れた凹凸効果
が生じることが判明し、本発明に至ったものである。
【0008】第1の発明は、基材上に、絵柄層を介して
最上層に電離放射線硬化性組成物が架橋硬化した透明樹
脂保護層を有しており、前記絵柄層と前記透明樹脂保護
層との間には、前記絵柄層側から、透明樹脂保護層形成
用組成物の浸透性を制御する層であって樹脂中に体質顔
料を分散してある浸透制御層、および、前記浸透制御層
上に前記透明樹脂保護層形成用組成物をはじく性質のあ
る撥液性模様が積層されており、前記撥液性模様上には
透明樹脂保護層が無いかもしくは周囲にくらべて薄いこ
とを特徴とする化粧材に関するものである。第2の発明
は、基材上に電離放射線硬化性組成物が架橋硬化した透
明樹脂保護層を有しており、前記基材と前記透明樹脂保
護層との間には、前記基材側から、透明樹脂保護層形成
用組成物の浸透性を制御する層であって樹脂中に体質顔
料を分散してある浸透制御層、および、前記浸透制御層
上に前記透明樹脂保護層形成用組成物をはじく性質のあ
る撥液性模様が積層されており、前記撥液性模様上には
透明樹脂保護層が無いかもしくは周囲にくらべて薄いこ
とを特徴とする化粧材に関するものである。第3の発明
は、第1または第2の発明において、体質顔料がシリ
カ、硫酸バリウム、もしくは炭酸カルシウムから選ばれ
たものであることを特徴とする化粧材に関するものであ
る。第4の発明は、第1〜第3いずれかの発明におい
て、浸透制御層を構成する樹脂が熱硬化型か、もしくは
電離放射線硬化性であることを特徴とする化粧材に関す
るものである。第5の発明は、第1〜第4いずれかの発
明において、透明樹脂保護層に硬質の球状粒子が分散さ
れていることを特徴とする化粧材に関するものである。
第6の発明は、第1〜第4いずれかの発明において、透
明樹脂保護層に硬質の不定形粒子が分散されていること
を特徴とする化粧材に関するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】図面を用いながら、本発明を具体
的に説明する。図1および図2は、いずれも本発明の実
施例の化粧材を示す断面図である。図1に示すように、
本発明の化粧材1は、基材2上に均一着色層3a、およ
び絵柄層3bからなる模様層3が積層され、模様層3上
には体質顔料を分散してある浸透制御層4が一面に積層
され、浸透制御層4上には、模様層3に同調して撥液性
模様5が部分的に積層され、撥液性模様5上を含む浸透
制御層4の全面に、電離放射線硬化性組成物が架橋硬化
した透明樹脂保護層6が積層されたものであって、さら
に、撥液性模様5上の透明樹脂保護層6は無いかもしく
は周囲にくらべて薄くなって凹部7を形成しているもの
である。均一着色層3a、および絵柄層3bからなる模
様層3は省く場合もあり、図2は基材2上に直接に、浸
透制御層4が積層され、その他は図1に示すものと同じ
化粧材を示している。なお、図示しないが、均一着色層
3a、もしくは絵柄層3bのいずれかが基材上に積層し
てあり、その上に浸透制御層4が積層されていてもよ
い。以上の各層については、以降に詳しく説明する。
【0010】基材2としては、通常、化粧材に用いられ
ている素材であれば、いずれも使用可能であり、大別す
れば、各種の紙類、プラスチックフィルム又はプラスチ
ックシート、金属箔、金属シート、又は金属板、木材な
どの木質系の板、各種の窯業系素材等の各群である。こ
れら各群に含まれる素材は単独で使用してもよいが、紙
同士の複合体や紙とプラチスチックフィルムの複合体
等、これら素材の任意の組合わせによる積層体も利用で
きる。これらの基体は、色彩を整える意味で塗装を施さ
れていたり、デザイン的な観点で通常の模様が予め形成
されていてもよい。塗装や通常の模様形成に先立って表
面が平滑化されていたり、模様の密着度を上げるため
に、必要に応じて、接着性を向上させるために、コロナ
放電処理等の物理的な処理のほか、プライマー層を形成
する等の処理を行なってもよい。塗装や通常の模様形成
後にも、後の加工を容易にするための接着性改善処理を
施して差し支えない。
【0011】各種の紙類としては、以下のものが代表的
なものとして例示される。即ち、薄葉紙、クラフト紙、
チタン紙、予め紙間の強化の目的で樹脂やラテックスを
含侵してある樹脂含浸紙やラテックス含浸紙も使用でき
る。これらの他、リンター紙、板紙、石膏ボード用原
紙、又は紙の表面に塩化ビニル樹脂層を設けたビニル壁
紙原反等、建材分野で使われることの多い原反が挙げら
れる。更には、事務分野や通常の印刷、包装などに用い
られる次の紙類も使用可能である。即ち、コート紙、ア
ート紙、硫酸紙、グラシン紙、パーチメント紙、パラフ
ィン紙、又は和紙等である。又、これらの紙とは区別さ
れるが、紙に似た外観と性状を持つ次のような各種繊維
の織布や不織布も基材2として使用できる。各種繊維と
は即ち、ガラス繊維、石綿繊維、チタン酸カリウム繊
維、アルミナ繊維、シリカ繊維、若しくは炭素繊維等の
無機質繊維、又はポリエステル繊維、若しくはビニロン
繊維などの合成繊維である。
【0012】プラスチックフィルム又はプラスチックシ
ートとしては、次に例示するような各種の合成樹脂から
なるものが挙げられる。各種の合成樹脂とは、ポリエチ
レン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリメチルペンテン樹
脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポ
リビニルアルコール樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重
合樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン−
ビニルアルコール共重合樹脂、ポリエチレンテレフタレ
ート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチ
レンナフタレート−イソフタレート共重合樹脂、ポリメ
タクリル酸メチル樹脂、ポリメタクリル酸エチル樹脂、
ポリアクリル酸ブチル樹脂、ナイロン6又はナイロン6
6等で代表されるポリアミド樹脂、三酢酸セルロース樹
脂、セロファン、ポリスチレン樹脂、ポリカーボネート
樹脂、ポリアリレート樹脂、又はポリイミド樹脂等であ
る。
【0013】金属箔、金属シート、又は金属板としては
次に例示するような金属からなるものである。即ち、ア
ルミニウム、鉄、ステンレス鋼、又は銅等である。しば
しばめっき等を施して使用することがある。各種の木質
系の板としては、木材の板、合板、パーチクルボード、
又はMDFと呼ばれる中密度繊維板等が挙げられる。窯
業系素材としては、石膏ボード、珪酸カルシウム板、木
片セメント板などの窯業系建材、陶磁器、ガラス、ホウ
ロウ、焼成タイル等が例示される。これらの他、繊維強
化プラスチックの板、ペーパーハニカムの両面に鉄板を
貼ったもの、2枚のアルミニウム板でポリエチレン樹脂
をサンドウィッチしたもの等、各種の素材の複合体も基
材2として使用できる。なお、上記した各種の素材やそ
の複合体を基材とした化粧材は、用途によっては、さら
に別の基材と貼り合わせて使用することができる。化粧
材を貼る対象としての基材は、板状等の厚みのあるもの
が選ばれることも多いが、これらに限られない。
【0014】均一着色層3a、および絵柄層3bとから
なる模様層3は基材2に装飾性を付与するものである。
均一着色層3aは、基材2上の表面の色を整える役割を
果たすもので、基材2自身が着色していたり、色ムラが
あるときに形成して、基材2の表面に意図した色彩を与
えるものである。不透明色で形成してあることが多い
が、着色した透明色で形成し、下地が持っている模様を
活かす場合もある。一般の印刷では印刷対象は紙である
ことが多く、印刷濃度の薄い部分では、白色の下地が見
えて、ハイライト部を形成するので、均一着色層3aを
形成しないのが普通である。化粧材の印刷では、黄色、
赤色、青色、および黒色のプロセスカラーを使用するよ
りも、特色(=調整した特別な色の意味)インキの重ね
刷りを行なうことが多く、ハイライト色を均一着色層3
aで形成する習慣がある。ただし、化粧材においても、
基材2の素材の色を活かす場合や、基材2自身が適切に
着色されているか、または自身がもともと着色してい
て、その色を使う場合等には、均一着色層3aの形成は
省略できる。
【0015】絵柄層3bは基材2に装飾性を与える主要
な手段であり、通常は、種々の模様をインキと印刷機を
使用して印刷することにより形成されたものである。模
様としては、木目模様、大理石模様等の岩石の表面を模
した模様、布目や布上の模様を模した布地模様、もしく
はタイル模様等があり、これらを単位模様として複合し
た寄木、パッチワーク等の模様もある。絵柄層3bの模
様は、既に存在するものをベースとすることがあるが、
かなり自由な発想により作り変えたものである。あるい
は、人為的にデザインされた模様も使用できる。更に
は、上記した模様から出発して、これを素材として、拡
大・縮小、回転、切り抜き、繰り返し、合成、特徴点の
抽出もしくは間引き、またはデフォルメ等を単独または
組み合わせて使用し、新たな模様を創出して使用するこ
ともできる。これらの模様は通常の黄色、赤色、青色、
および黒色のプロセスカラーによる多色印刷によって形
成される他、模様を構成する個々の色の版を用意して行
なう特色による多色印刷等によっても形成される。
【0016】均一着色層3aおよび絵柄層3は、いずれ
も、ほぼ同様の塗料組成物またはインキ組成物を使用し
て形成することができる。使用する塗料組成物またはイ
ンキ組成物中の樹脂成分としては、熱可塑性樹脂、熱硬
化性または電離放射線硬化性のもののいずれも使用して
よいが、熱可塑性樹脂のバインダーを使用して作成した
化粧材でも、通常の使用であれば十分な物性を発揮する
ことができる。熱可塑性樹脂としては、ロジン変成マレ
イン酸樹脂、ニトロセルロース、酢酸セルロース、酪酢
酸セルロース、エチルセルロース、ポリアミド樹脂、塩
化ゴム、環化ゴム、ポリアミド樹脂、ポリ塩化ビニル樹
脂、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン/酢
酸ビニル共重合樹脂、塩素化ポリプロピレン、アクリル
樹脂、ポリウレタン樹脂、もしくはスチレンマレイン樹
脂等が使用できる。熱硬化性樹脂としては、種々のもの
があり、原則的にいずれも使用できるが、本発明の大半
を占めるシート状の化粧材においては、シートのフレキ
シビリティーを維持する意味で、熱硬化性樹脂として
も、フレキシビリティーを有するものが望ましく、不飽
和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂等、特にポリウ
レタン樹脂が好ましい。上記の樹脂成分には、着色剤と
して顔料や染料、その他の添加剤、溶剤、希釈剤等を添
加し、混練して塗料組成物またはインキ組成物を調製す
る。均一着色層3aまたは絵柄層3bの形成は、上記の
塗料組成物またはインキ組成物を使用して、公知の塗装
方法ないし印刷方法により行なう。例えば、ロールコー
ティング、グラビアコーティング、スプレイコーティン
グ等の塗装方法、グラビア印刷、オフセット印刷、グラ
ビアオフセット印刷、インキジェット方式、凸版印刷、
またはスクリーン印刷等が利用できる。乾燥はこれらの
手法を実施する際に使用する機械に付属しているものを
使用して行なえばよいが、熱硬化性の樹脂成分を使用す
るときは、加熱、比較的低い温度での長時間加温、また
は常温での放置により硬化させる。電離放射線硬化性組
成物を使用したときは、紫外線もしくは電子線を照射し
て架橋硬化させる。電離放射線硬化性組成物を使用する
際の、電離放射線硬化性化合物については後述する。
【0017】浸透制御層4は、透明樹脂保護層6を構成
するための電離放射線硬化性組成物が層4中および下層
に浸透するのを制御、特に抑制する機能を有している。
浸透制御層4が無いと、透明樹脂保護層6を形成するた
めの電離放射線硬化性組成物を塗工した際に、下層の絵
柄層3b中に、均一着色層3aがある場合には均一着色
層3a中にも、あるいは基材2が浸透性を有していれ
ば、基材2中に、塗工された組成物のかなりの部分が浸
透し、透明樹脂保護層6の厚みが減るために、必要な表
面性能を得ることが出来なくなるからである。また、浸
透制御層4は、基材2上に均一着色層3a、絵柄層3b
等がある場合には、それらに接着して表面をならし、保
護し、かつ透明樹脂保護層6との接着性を確保する役割
をも有している。
【0018】浸透制御層4を形成するには、熱可塑性樹
脂の塗料組成物ないしインキ組成物も使用してよいが、
浸透を抑制する機能が高い点で、熱硬化性樹脂または電
離放射線硬化性組成物(=電離放射線硬化性化合物の塗
料組成物ないしインキ組成物)を用いることが、より好
ましい。これら組成物の樹脂成分は、前記した均一着色
層3aおよび絵柄層3b形成用の塗料組成物またはイン
キ組成物の説明において挙げたものと同様である。一例
として、ポリビニルブチラール樹脂、アクリルポリオー
ル、ポリエステルエラストマー等のように、OH基を有
しているものを浸透制御層4の素材として使用し、イソ
シアネート化合物で架橋させると共に、OH基を利用し
て、上層の透明樹脂保護層6形成用の電離放射線硬化性
組成物との間で反応を起こさせると、密着強度の改善が
でき、好ましい。浸透制御層4を形成するバインダーと
しては、さらに、ポリエステルポリオール、およびイソ
シアネートからなるポリウレタン形成用成分と電離放射
線硬化性化合物であるトリメチロールプロパントリアク
リレート等の多官能モノマーとをほぼ1/1に配合した
ものは、熱硬化性を有しながらも、透明樹脂保護層6を
紫外線又は電子線の照射により硬化させる際に、透明樹
脂保護層6との間で架橋が生じるため、化粧材の耐久
性、特に耐溶剤性を、より一層向上させることができて
好ましい。
【0019】浸透制御層4を形成するのに使用する電離
放射線硬化性組成物の樹脂成分としては、分子中に重合
性不飽和結合または、エポキシ基を有するプレポリマ
ー、オリゴマー、及び/又はモノマーを適宜に混合した
ものを用いる。電離放射線硬化性組成物中のプレポリマ
ー、オリゴマーの例としては、不飽和ジカルボン酸と多
価アルコールの縮合物等の不飽和ポリエステル類、ポリ
エステルメタクリレート、ポリエーテルメタクリレー
ト、ポリオールメタクリレート、メラミンメタクリレー
ト等のメタクリレート類、ポリエステルアクリレート、
エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエ
ーテルアクリレート、ポリオールアクリレート、メラミ
ンアクリレート等のアクリレート、カチオン重合型エポ
キシ化合物が挙げられる。電離放射線硬化性組成物中の
モノマーの例としては、スチレン、α−メチルスチレン
等のスチレン系モノマー、アクリル酸メチル、アクリル
酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸メトキシエチル、
アクリル酸ブトキシエチル、アクリル酸ブチル、アクリ
ル酸メトキシブチル、アクリル酸フェニル等のアクリル
酸エステル類、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチ
ル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸メトキシエチ
ル、メタクリル酸エトキシメチル、メタクリル酸フェニ
ル、メタクリル酸ラウリル等のメタクリル酸エステル
類、アクリル酸−2−(N,N−ジエチルアミノ)エチ
ル、アクリル酸−2−(N,N−ジメチルアミノ)エチ
ル、アクリル酸−2−(N,N−ジベンジルアミノ)メ
チル、アクリル酸−2−(N,N−ジエチルアミノ)プ
ロピル等の不飽和置換の置換アミノアルコールエステル
類、アクリルアミド、メタクリルアミド等の不飽和カル
ボン酸アミド、エチレングリコールジアクリレート、プ
ロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリ
コールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジア
クリレート、トリエチレングリコールジアクリレート等
の化合物、ジプロピレングリコールジアクリレート、エ
チレングリコールジアクリレート、プロピレングリコー
ルジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリ
レート等の多官能性化合物、及び/又は分子中に2個以
上のチオール基を有するポリチオール化合物、例えばト
リメチロールプロパントリチオグリコレート、ジエチレ
ングリコールジメタクリレート等の多官能性化合物、及
び/又は分子中に2個以上のチオール基を有するポリチ
オール化合物、例えばトリメチロールプロパントリチオ
グリコレート、トリメチロールプロパントリチオプロピ
レート、ペンタエリスリトールテトラチオグリコレート
等が挙げられる。
【0020】通常、電離放射線硬化性組成物中のモノマ
ーとしては、以上の化合物を必要に応じて1種若しくは
2種以上を混合して用いるが、電離放射線硬化性組成物
に通常の塗布適性を与えるために、前記のプレポリマー
又はオリゴマーを5重量%以上、前記モノマー及び/又
はポリチオール化合物を95重量%以下とするのが好ま
しい。電離放射線硬化性組成物を塗布し、硬化させたと
きのフレキシビリティーが要求されるときは、モノマー
量を減らすか、官能基の数が1又は2のアクリレートモ
ノマーを使用するとよい。電離放射線硬化性組成物を塗
布し、硬化させたときの耐摩耗性、耐熱性、耐溶剤性が
要求されるときは、官能基の数が3つ以上のアクリレー
トモノマーを使う等、電離放射線硬化性組成物の設計が
可能である。ここで、官能基が1のものとして、2−ヒ
ドロキシアクリレート、2−ヘキシルアクリレート、フ
ェノキシエチルアクリレートが挙げられる。官能基が2
のものとして、エチレングリコールジアクリレート、
1,6−ヘキサンジオールジアクリレートが挙げられ
る。官能基が3以上のものとして、トリメチロールプロ
パントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアク
リレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、
ジペンタエリスリトールヘキサアクレリート等が挙げら
れる。電離放射線硬化性組成物を塗布し、硬化させたと
きのフレキシビリティーや表面硬度等の物性を調整する
ため、電離放射線硬化性組成物と、電離放射線照射では
硬化しない樹脂を併用することもできる。具体的な樹脂
の例としては次のものがある。ポリウレタン樹脂、セル
ロース樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエステル
樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビ
ニル等の熱可塑性樹脂である。中でも、ポリウレタン樹
脂、セルロース樹脂、ポリビニルブチラール樹脂等と併
用がフレキシビリティーの向上の点で好ましい。電離放
射線硬化性組成物の塗布後の硬化が紫外線照射により行
われるときは、光重合開始剤や光重合促進剤を添加す
る。光重合開始剤としては、ラジカル重合性不飽和基を
有する樹脂系の場合は、アセトフェノン類、ベンゾフェ
ノン類、チオキサントン類、ベンゾイン、ベンゾインメ
チルエーテル等を単独又は混合して用いる。また、カチ
オン重合性官能基を有する樹脂系の場合は、光重合開始
剤として、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族スルホニウム
塩、芳香族ヨードニウム塩、メタセロン化合物、ベンゾ
インスルホン酸エステル等を単独又は混合物として用い
る。光重合開始剤の添加量は、電離放射線硬化性組成物
100重量部に対し、0.1〜10重量部である。
【0021】浸透制御層4には、体質顔料を配合するこ
とによって、電離放射線硬化性組成物の適度な浸透性を
付与することが、接着性の点で好ましい。体質顔料とし
ては、シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、硫酸バリウ
ム等の無機質粒子、プラスチックのビーズの細かいも
の、等が使用できる。中でもシリカ、特にポーラスな
(=多孔性の)シリカが好ましく、シリカとしては処理
シリカであっても未処理シリカであってもよい。使用す
る体質顔料の粒径と配合量の例としては、粒径が5〜1
5μmであり、また浸透制御層4形成用の塗料組成物な
いしインキ組成物中の配合量は、多くても20重量%程
度が限界である。体質顔料の配合量が多いほど、浸透制
御層4単独での艶が消え、透明保護樹脂層6形成時に艶
が出ると言う艶の変化が大きくなるが、反面、体質顔料
の配合量が多いほど、製品が白色味を帯びるため、体質
顔料の過度の配合は好ましくない。5〜8重量部程度で
ある。これらの体質顔料を添加してあるため、浸透制御
層4を形成した状態で眺めると浸透制御層4の表面は艶
が非常に消えた状態となっているが、後述するように、
上層の形成により、艶が逆に出て来るものである。な
お、体質顔料としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂ま
たは電離放射線硬化性化合物の光の屈折率と近いものを
使用すると塗膜が白色化せず、好ましい。浸透制御層4
の厚みは、体質顔料の添加量によっても多少異なるが、
1〜5μm程度であり、均一性が要求されるときは、塗
布手段または印刷手段を2回使用して連続的に2回形成
するのがよい。浸透制御層4を形成する際の乾燥、硬化
は前に述べた均一着色層3a、絵柄層3bの形成の際と
同様であるが、電離放射線硬化性組成物を使用するとき
は、紫外線もしくは電子線を照射して架橋硬化させる。
【0022】撥液性模様5は、浸透制御層4上に形成さ
れるもので、上層の透明樹脂保護層を形成する際に用い
る電離放射線硬化性組成物をはじいて、架橋硬化した際
に凹部7を生じさせる機能を有する。生じる凹部7は、
化粧材1が持つ装飾機能を向上させる。このように、凹
部7を伴なう化粧材1は、単に、基材2上に模様層3、
および透明樹脂保護層6を形成しただけでは得られない
複雑な外観を有するものとなるが、撥液性模様5として
は、下層の模様層3、特に絵柄層3bの模様と調和した
ものであることがより好ましい。一例として、模様層3
の模様が木目模様であれば、木目の導管模様を撥液性模
様5とすることが好ましいし、織物を模した模様であれ
ば、織物の織目の凹凸を模したものが好ましい。大理石
模様等の岩石を磨いた表面を模した模様に関してであれ
ば、表面に発生するひび割れ模様、タイルを模したもの
であれば、模様の凹凸や目地部分等、任意に選択でき
る。凹部7と模様層3の模様の特定部分と一致していた
方が好ましいが、必ずしも同調していなくても、同調し
ているときと同程度の大きさや頻度を有していれば十分
効果がある場合がある。
【0023】撥液性模様5は、下層の浸透制御層4、上
層の透明樹脂保護層との接着性を考慮して選択したイン
キ組成物ないし塗料組成物中に、シリコーン樹脂、シリ
コーンオイル、ワックス等の撥液性物質を含有させたも
のを使用し、好ましくは、下層の模様層3形成時と同じ
印刷手段を用い、できれば、模様層3形成と同時に形成
するとよい。使用するインキ組成物ないし塗料組成物中
の樹脂成分としては、熱可塑性樹脂も使用してよいが、
撥液性模様5上の透明樹脂保護層は薄いか、もしくは無
い場合もあるため、最表面もしくはその直下の耐久性を
確保する意味で、熱硬化性樹脂または電離放射線硬化性
化合物を用いることが、より好ましい。これら組成物の
樹脂成分は、既に、他の層を形成する素材として挙げた
ものと同様である。
【0024】本発明においては、透明樹脂保護層6に生
じる凹部7の深さに由来する凹部感に加えて、凹部7の
周囲を凹部7よりも艶を上げて向上させることを狙いと
しているが、凹部7を周囲にくらべて艶消しとし、艶差
を拡大して凹部感をより一層向上させることは差し支え
なく、撥液性模様5形成用のインキ組成物ないし塗料組
成物中にマット剤を適宜に添加して用いるとよい。た
だ、本発明においては、浸透制御層4の表面は、内部に
体質顔料が分散してあるために凹凸を有しており、その
凹凸の影響は上にある撥液性模様5にも及ぶから、撥液
性模様5は艶消し傾向にあるので、必ずしも、マット剤
を添加しなくてもよい。なお、絵柄層3、および撥液性
模様5を同調させて形成する場合には、同一の多色印刷
機上で一時に形成するとよく、絵柄層3、浸透制御層
4、および撥液性模様5は、いずれも乾燥性の良い非水
性組成物を用いて行なうとよい。
【0025】透明樹脂保護層6は、電離放射線硬化性組
成物が架橋硬化したものであるが、本発明においては、
透明樹脂保護層6は一様ではなく、下層の撥液性模様5
のある部分の上では、透明樹脂保護層6は周囲より薄い
か、あるいは、理想的には無い状態になっている。透明
樹脂保護層6の形成に用いる電離放射線硬化性組成物と
しては、希釈剤として、溶剤もしくはモノマー、好まし
くはモノマーを用いて、凹部を形成し得る粘度に調整す
る。電離放射線硬化性組成物は、下層の浸透制御層4中
の体質顔料の配合量を増やせば、浸透制御層4中に浸透
しやすくなるが、表面に形成される透明樹脂保護層6が
薄くなるので、本発明においては、電離放射線硬化性組
成物の浸透により浸透制御層4の艶が出れば足りる。
【0026】透明樹脂保護層6の厚みは、表面保護の目
的から厚い方がよいが、要求される性能や、経済性、基
材がシート状である場合に必要なフレキシビリティー等
の観点と、凹部の形成性の観点から、2〜10μmが厚
みとして好ましい。透明樹脂保護層6を形成する手法、
乾燥、硬化等に関しても、前に述べた均一着色層3a、
絵柄層3b、もしくは浸透制御層4の形成の際と同様で
ある。
【0027】上記の透明樹脂保護層6には、耐摩耗性を
向上させる意味で、特開平8−183147号(特許第
274093号)に記載されているような、層6の平均
膜厚t(mm)と球状粒子の径d(mm)との関係が
0.3t≦d≦2.0tである硬質の球状粒子を含んで
いてよい。この硬質の球状粒子は、有機質又は無機質、
好ましくは無機質であって、架橋硬化した樹脂よりも高
硬度なものであることが望ましく、高高度の球状粒子を
添加すると、一層の表面強化が実現される。なお球状粒
子とは、表面が滑らかであれば真球でないものも使用で
き、そのようなものをも含むものとする。硬質の球状粒
子の役割は、層6の表面からその一部が突出して、摩耗
の原因となる外力を微状子が受け止め、粒子自身が次第
に摩耗することによって、下層の摩滅を防止する事であ
る。硬質の球状粒子としてはα−アルミナ、シリカ、酸
化クロム、酸化鉄、ダイアモンド、黒鉛等があるが、中
でも、硬度が高く、球形のものが多い点から、球形のα
−アルミナ(昭和電工株式会社の球状アルミナAS−1
0からAS50)が推奨できる。硬質の球状粒子の粒径
は、平均粒径で5〜100μmが好ましい。無機質の硬
質の球状粒子を表面保護層に用いる際に、表面保護層を
構成する樹脂中での密着性を上げる意味で、予めシラン
カップリング剤等で処理するとよい。
【0028】さらにまた、硬質の不定形な粒子も使用で
き、特に15〜25μm程度の長径を持つ素材としては
上記の球状粒子の場合と同様なものが適しており、やは
りα−アルミナが好ましい。この硬質の不定形な粒子
は、性能的には、球状のものに匹敵し、しかも、透明樹
脂保護層6形成用の電離放射線硬化性組成物中で沈降し
にくい特性を持っており、生産上、非常に好ましいもの
である。粒子の沈降速度は粒子径の2乗に比例するた
め、不定形粒子は長径が重力方向を向いて分散する結
果、沈降が遅く、しかも長径が大きいために、耐摩耗性
が出るものと考えられる。
【0029】
【実施例】(実施例1)基材として、60g/m2 のア
クリル樹脂ラテックス含浸紙((株)興人製、GF60
1)を使用し、アクリル樹脂とニトロセルロースとをビ
ヒクル成分とするグラビアインキを用い、グラビア印刷
法にて、着色ベタ層(=均一着色層)と木目絵柄層とを
形成して印刷紙を得た。得られた印刷紙上に、ポリエス
テルポリオールとトリレンジンソシアネートからなるポ
リウレタン樹脂形成成分、およびポリビルニブチラール
樹脂とをビヒクル成分とし、体質顔料としてシリカ20
重量%を含む塗料組成物を使用して、浸透制御層を形成
した。続いて、尿素メラミンアルキッド樹脂とニトロセ
ルロースとをビヒクル成分とし、インキ中にシリコーン
オイルを10重量%含む撥液性インキを使用して、グラ
ビア印刷により、先に形成した木目模様層に同調した導
管模様を印刷し、印刷後、170〜180℃の温度で3
0秒間加熱乾燥した。最後に下記の組成の電離放射線硬
化性組成物Aを使用し、グラビアロールコーティングに
より塗布して、25g/m2 の透明樹脂保護層塗膜を形
成し、電子線照射装置を用い、加速電圧175KV、照
射線量5Mradの条件で電子線を照射して、塗膜を硬
化させて、透明樹脂保護層とし、化粧材を得た。 〔電離放射線硬化性化合物A〕 ・ビスフェノールAエチレンオキサイド 変成ジアクリレート 50重量部 ・トリメチロールプロパンエチレンオキサイド 変成トリアクリレート 20重量部 ・疎水シリカ(平均粒径5μm) 9重量部 ・球状アルミナ(平均粒径25μm) 20重量部 ・シリコーンオイル 1重量部 得られた化粧材は、導管模様上の透明樹脂保護層が凹部
を形成しており、しかも凹部の底が周囲とくらべて艶消
しとなっており、また、導管模様を有する部分以外が艶
が出た化粧材となっていて、凹部感が優れた化粧材が得
られた。また、JAS(=日本農林規格)の摩耗A試験
に準じた方法で絵柄が取られ始めるときの回転数(=イ
ニシャルポイント)を求めたところ、400回であり、
実用上、良好な値を示した。
【0030】(実施例2)下記の組成の電離放射線硬化
性組成物Bを使用した以外は、実施例1と同様にして透
明樹脂保護層を形成し、化粧材を得た。 〔電離放射線硬化性化合物B〕 ・ビスフェノールAエチレンオキサイド 変成ジアクリレート 60重量部 ・トリメチロールプロパンエチレンオキサイド 変成トリアクリレート 20重量部 ・鱗片状および不定形アルミナ粒子(長径;約20μm) 20重量部 得られた化粧材は、実施例1で得られたものと同様に凹
部感が優れており、また、実施例1の化粧材の評価と同
様にして測定したイニシャルポイントは400回であ
り、同様に良好な値を示した。
【0031】
【発明の効果】請求項1または請求項2の発明によれ
ば、体質顔料を分散してある浸透制御層を有しているの
で、上層の電離放射線硬化性組成物の浸透を適度に制御
することができる上、電離放射線硬化性組成物が浸透制
御層に浸透した部分の艶が高くなる結果、撥液性模様に
より生じた凹部が、周囲との艶さにより、凹部感が強調
された、すぐれた凹部感を有する化粧材を提供できる。
また、請求項1の発明によれば、模様層を有しているの
で、一層の装飾効果のある化粧材を提供できる。請求項
3の発明によれば、請求項1または2の発明の効果に加
え、使用しやすく、浸透性の制御、艶の調整がしやすい
体質顔料を特定した化粧材を提供できる。請求項4の発
明によれば、請求項1〜3いずれかの発明の効果に加
え、熱硬化型か、もしくは電離放射線硬化性の樹脂で浸
透制御層を形成してあるので、樹脂分による浸透抑制す
る効果がより確実な浸透制御層を有する化粧材を提供で
きる。請求項5の発明によれば、請求項1〜4いずれか
の発明の効果に加え、硬質の球状粒子が分散されている
ので、特に、耐摩耗性が優れた化粧材を提供できる。請
求項6の発明によれば、請求項1〜4いずれかの発明の
効果に加え、硬質の不定形粒子が分散されているので、
特に、耐摩耗性が優れ、かつ、製造の際に、透明樹脂保
護層形成用の組成物が長時間安定に使用できるので、製
品の耐摩耗性が一定した化粧材を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の化粧シートの構造を示す断面図であ
る。
【図2】本発明の化粧シートの別の構造を示す断面図で
ある。
【符号の説明】
1 化粧材 2 基材 3 絵柄層(3a;均一着色層、3b;模様層) 4 浸透制御層 5 撥液性模様 6 透明樹脂保護層 7 凹部
フロントページの続き Fターム(参考) 2H113 AA06 BA03 BB08 BC09 CA06 CA46 DA15 DA43 DA52 DA53 DA57 DA64 FA10 FA36 4F100 AA07D AA08D AA20D AJ06 AK01C AK23 AK25 AK36 AK52 AK54 AL05C AR00B AR00D AR00E AT00A BA05 BA07 BA10A BA10C BA41 CA13D DD01 DE04C DE10C DG10 EJ02C GB08 GB48 GB81 GB90 HB00B HB00E HB01 HB31 JB06E JB12C JB14C JD20D JK09 JK12C JN01C

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材上に、絵柄層を介して最上層に電離
    放射線硬化性組成物が架橋硬化した透明樹脂保護層を有
    しており、前記絵柄層と前記透明樹脂保護層との間に
    は、前記絵柄層側から、透明樹脂保護層形成用組成物の
    浸透性を制御する層であって樹脂中に体質顔料を分散し
    てある浸透制御層、および、前記浸透制御層上に前記透
    明樹脂保護層形成用組成物をはじく性質のある撥液性模
    様が積層されており、前記撥液性模様上には透明樹脂保
    護層が無いかもしくは周囲にくらべて薄いことを特徴と
    する化粧材。
  2. 【請求項2】 基材上に電離放射線硬化性組成物が架橋
    硬化した透明樹脂保護層を有しており、前記基材と前記
    透明樹脂保護層との間には、前記基材側から、透明樹脂
    保護層形成用組成物の浸透性を制御する層であって樹脂
    中に体質顔料を分散してある浸透制御層、および、前記
    浸透制御層上に前記透明樹脂保護層形成用組成物をはじ
    く性質のある撥液性模様が積層されており、前記撥液性
    模様上には透明樹脂保護層が無いかもしくは周囲にくら
    べて薄いことを特徴とする化粧材。
  3. 【請求項3】 体質顔料がシリカ、硫酸バリウム、もし
    くは炭酸カルシウムから選ばれたものであることを特徴
    とする請求項1または2記載の化粧材。
  4. 【請求項4】 浸透制御層を構成する樹脂が熱硬化型
    か、もしくは電離放射線硬化性であることを特徴とする
    請求項1〜3いずれか記載の化粧材。
  5. 【請求項5】 透明樹脂保護層に硬質の球状粒子が分散
    されていることを特徴とする請求項1〜第4いずれか記
    載の化粧材。
  6. 【請求項6】 透明樹脂保護層に硬質の不定形粒子が分
    散されていることを特徴とする請求項1〜第4いずれか
    記載の化粧材。
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