JP2005152788A - 模様付き軽量気泡コンクリートパネルの塗装方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 凹凸から成る意匠部と化粧溝を有するALCパネルの素材感、彫りの深さを生かしつつ、自然で温かみのある多彩・多色風ALCパネルを得るための塗装方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 凹凸から成る意匠部と化粧溝を有する軽量気泡コンクリートパネルにおいて、該パネル全面に着色塗料より成る下塗り塗膜を形成させた後、意匠部に粘度10,000〜150,000mPa・sに調整した該下塗り塗膜と色調の異なる上塗り塗料を加圧力0.1〜50N/cm2でローラー塗装し、幅1〜10mmの自然ゆらぎ調形状の模様塗膜を1層形成させることを特徴とする軽量気泡コンクリートパネルの塗装方法とする。
【選択図】 図1
Description
本発明は、模様付き軽量気泡コンクリート(以下、ALCと呼ぶ)パネルの塗装方法に関する。
ALCパネルは、補強鉄筋等を内在させて補強した軽量な既製パネルであり、例えば幅60センチ、長さ数メートルの大きなパネルとして知られている。このALCパネルは、経済性、軽量性、耐火断熱性、加工性に優れているという特性を有しており、建築業界において個人住宅、店舗付住宅、ビルディングの屋根、床、外壁及び間仕切り材等として多用されている。
しかし、ALCパネルはこのように諸性質の優れた材料であるが、生産効率上、一般にフラットな平面を持ったパネルとして生産される為、外壁材として使用した場合、意匠性に乏しいという欠点がある。
しかし、ALCパネルはこのように諸性質の優れた材料であるが、生産効率上、一般にフラットな平面を持ったパネルとして生産される為、外壁材として使用した場合、意匠性に乏しいという欠点がある。
そこで従来からこの課題を克服するために、ALCパネル表面に、ストライプや格子状の化粧溝を形成する方法、化粧溝及び化粧溝間に剥離帯を形成させて岩肌調のパネルを得る方法、さらに、ALC製造プロセスの成型段階において押圧により任意の化粧層を付与する方法、等が提案されている。
建築物の躯体にALCパネルを取付けて外壁を構成する場合は、鉄骨躯体または木製躯体に専用の金具やビスを用いて取り付け、その後、隣接する各ALCパネルの目地部にシーリング材を充填し、該ビス穴等をモルタル等で補修した後、ALCパネル表面に塗装等して仕上げている。ALCパネルの塗装は、主に外壁の美装、防水、耐酸等を目的としており、これらの目的に適合した種類の塗料が選定されているのが一般的である。
建築物の躯体にALCパネルを取付けて外壁を構成する場合は、鉄骨躯体または木製躯体に専用の金具やビスを用いて取り付け、その後、隣接する各ALCパネルの目地部にシーリング材を充填し、該ビス穴等をモルタル等で補修した後、ALCパネル表面に塗装等して仕上げている。ALCパネルの塗装は、主に外壁の美装、防水、耐酸等を目的としており、これらの目的に適合した種類の塗料が選定されているのが一般的である。
しかしALCパネルの塗装は、施工現場で行われるのが一般的であるため、作業性、工期等から単色塗装による仕上げが採用され易い。また、外壁にALCパネル表面にストライプや格子状の化粧溝を有するパネル、化粧溝と化粧溝の間に剥離帯を形成させた岩肌調パネル、押圧により任意の化粧層が付与されたパネル、等の化粧パネルを使用しても、単色塗装による仕上げ方法では高級感のある意匠性は得られにくい。
これらの課題を解決するべく、例えば、パネル表面全面に第1被覆層を塗装した後、化粧溝を除いた部分の第1被覆層にこれと色調の異なる第2被覆層を設けた化粧パネル(特許文献1:特開平07−127229号公報)が提案されているが、該化粧パネルを製造する場合は、化粧溝をマスキング材等で覆って塗装する必要があるため作業性が悪い、マスキング材の端部の形状が塗膜形状として反映されるため、得られる模様が直線的、幾何学的となる、等の課題を抱えている。
これらの課題を解決するべく、例えば、パネル表面全面に第1被覆層を塗装した後、化粧溝を除いた部分の第1被覆層にこれと色調の異なる第2被覆層を設けた化粧パネル(特許文献1:特開平07−127229号公報)が提案されているが、該化粧パネルを製造する場合は、化粧溝をマスキング材等で覆って塗装する必要があるため作業性が悪い、マスキング材の端部の形状が塗膜形状として反映されるため、得られる模様が直線的、幾何学的となる、等の課題を抱えている。
さらに、パネル表面に任意な形状を有する下塗り塗膜を形成した後、該下塗り塗膜上に、該下塗り塗膜の形状を識別できる程度に上塗り塗装することにより、陰影感のある模様塗膜を形成させる方法(特許文献2:特開2002−263561号公報)が提案されているが、該上塗り塗料の膜厚管理が重要となるため、人手による塗装の場合は塗装ムラが懸念される、機械塗装による場合は逆に膜厚が比較的一定となるため、画一的な意匠性になり易い、等の課題を抱えている。
また、パネル表面に色調の異なる2色以上の着色エマルション塗料を、順次塗り重ね、該塗装塗膜が流動状態の内に塗膜表面を押圧することで、下層の塗装塗膜の色調と上層の塗装塗膜の色調とが混ざり合う模様塗膜を形成させる方法(特許文献3:特開2002−263563号公報)が提案されているが、2色以上の塗装塗膜を流動状態の内に押圧しているため色調の制御が難しい、塗装用ローラーやパターンローラーを使用した場合、ローラーに付着する塗料が均一な混合色となりやすくローラーを連続使用するのが難しい、等の課題を抱えている。
また、パネル表面に色調の異なる2色以上の着色エマルション塗料を、順次塗り重ね、該塗装塗膜が流動状態の内に塗膜表面を押圧することで、下層の塗装塗膜の色調と上層の塗装塗膜の色調とが混ざり合う模様塗膜を形成させる方法(特許文献3:特開2002−263563号公報)が提案されているが、2色以上の塗装塗膜を流動状態の内に押圧しているため色調の制御が難しい、塗装用ローラーやパターンローラーを使用した場合、ローラーに付着する塗料が均一な混合色となりやすくローラーを連続使用するのが難しい、等の課題を抱えている。
本発明は上記の課題を解決する為に創案されたもので、凹凸から成る意匠部と化粧溝を有するALCパネルの素材感、彫りの深さを生かしつつ、自然で温かみのある多彩・多色風ALCパネルを得るための塗装方法を提供することを目的とする。
即ち、本発明は上記の課題を達成したものであり、それは次の通りである。
(1) 凹凸から成る意匠部と化粧溝を有する軽量気泡コンクリートパネルにおいて、該パネル全面に着色塗料より成る下塗り塗膜を形成させた後、該意匠部に、粘度10,000〜150,000mPa・sに調整した該下塗り塗膜と色調の異なる上塗り塗料を、加圧力0.1〜50N/cm2でローラー塗装し、幅1〜10mmの自然ゆらぎ調形状の模様塗膜を1層形成させることを特徴とする軽量気泡コンクリートパネルの塗装方法。
(2)(1)記載の軽量気泡コンクリートパネルの塗装方法において、該意匠部の凸部に、さらに、粘度10,000〜150,000mPa・sに調整した色調の異なる上塗り塗料を、加圧力0.1〜5N/cm2でローラー塗装し、幅1〜10mmの自然ゆらぎ調形状の模様塗膜2層形成させることを特徴とする軽量気泡コンクリートパネルの塗装方法。
(1) 凹凸から成る意匠部と化粧溝を有する軽量気泡コンクリートパネルにおいて、該パネル全面に着色塗料より成る下塗り塗膜を形成させた後、該意匠部に、粘度10,000〜150,000mPa・sに調整した該下塗り塗膜と色調の異なる上塗り塗料を、加圧力0.1〜50N/cm2でローラー塗装し、幅1〜10mmの自然ゆらぎ調形状の模様塗膜を1層形成させることを特徴とする軽量気泡コンクリートパネルの塗装方法。
(2)(1)記載の軽量気泡コンクリートパネルの塗装方法において、該意匠部の凸部に、さらに、粘度10,000〜150,000mPa・sに調整した色調の異なる上塗り塗料を、加圧力0.1〜5N/cm2でローラー塗装し、幅1〜10mmの自然ゆらぎ調形状の模様塗膜2層形成させることを特徴とする軽量気泡コンクリートパネルの塗装方法。
以下、本発明について詳細に説明する。
まず、本発明の例を図1〜図5に示す。
本発明の下地に用いるALCパネル1とは、次のような製造方法によって得られたものをいう。
例えば、石灰質原料、珪酸質原料に水、発泡剤等が加えられたモルタルスラリーを補強鉄筋が多数配置された型枠に注入し、気泡を含む型枠状の大きなブロックを、硬化途中の半硬化状態でピアノ線を用いて切断し、オートクレーブ養生したものである。
本発明に用いる凹凸から成る意匠部と化粧溝を有するALCパネル1とは、該ALCパネル表面に、ルーター加工等によりストライプや格子状の化粧溝2を形成した後、はつり用具を用いて化粧溝と化粧溝の間に剥離帯を形成させた岩肌調のもの、または、ALC製造プロセスの成型段階において押圧により砂岩調、岩肌調、古煉瓦調、等の任意の形状を付与したもの、等である。
まず、本発明の例を図1〜図5に示す。
本発明の下地に用いるALCパネル1とは、次のような製造方法によって得られたものをいう。
例えば、石灰質原料、珪酸質原料に水、発泡剤等が加えられたモルタルスラリーを補強鉄筋が多数配置された型枠に注入し、気泡を含む型枠状の大きなブロックを、硬化途中の半硬化状態でピアノ線を用いて切断し、オートクレーブ養生したものである。
本発明に用いる凹凸から成る意匠部と化粧溝を有するALCパネル1とは、該ALCパネル表面に、ルーター加工等によりストライプや格子状の化粧溝2を形成した後、はつり用具を用いて化粧溝と化粧溝の間に剥離帯を形成させた岩肌調のもの、または、ALC製造プロセスの成型段階において押圧により砂岩調、岩肌調、古煉瓦調、等の任意の形状を付与したもの、等である。
該ALCパネルは素地のままのパネルを使用しても良く、また、防水性能を確保するために予めALCパネル表面にシーラー処理等を実施したものでも良い。シーラー処理の有無は後述する着色塗料の性能、外壁の使用条件、経済性等から決定される。
また本発明に用いる下塗り用の着色塗料4、意匠部塗布用の上塗り塗料5、及び凸部塗布用の上塗り塗料14とは、例えば、アクリル樹脂、スチレン・アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、アクリル・シリコーン樹脂、等の塗料用バインダーを、水に分散してエマルションとした樹脂溶液に、二酸化チタン、黒色酸化鉄、ベンガラ、クロムグリーン、カーボンブラック、銅フタロシアニン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、タルク、クレー、等の無機もしくは有機顔料、及び分散剤、消泡剤、レべリング剤、増粘剤、成膜助剤、防カビ剤、等の添加剤を必要量添加し、混合及び分散させたものをいう。
また本発明に用いる下塗り用の着色塗料4、意匠部塗布用の上塗り塗料5、及び凸部塗布用の上塗り塗料14とは、例えば、アクリル樹脂、スチレン・アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、アクリル・シリコーン樹脂、等の塗料用バインダーを、水に分散してエマルションとした樹脂溶液に、二酸化チタン、黒色酸化鉄、ベンガラ、クロムグリーン、カーボンブラック、銅フタロシアニン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、タルク、クレー、等の無機もしくは有機顔料、及び分散剤、消泡剤、レべリング剤、増粘剤、成膜助剤、防カビ剤、等の添加剤を必要量添加し、混合及び分散させたものをいう。
ALCパネル上に下塗り塗膜を形成させる場合は、一般的な塗装方法を採用することができる。例えば、刷毛塗り、スプレー塗装、ローラー塗装、ロールコーターによる塗装等があげられ、該パネルの防水性能を十分確保できるように、該ALCパネルの全面に塗装するのが良い。
次に、意匠部3に上塗り塗料5を塗装する場合は、該ALCパネルを水平に置いた状態とし、下塗り塗膜にマスキング材等を貼付しないで直接意匠部にローラーにより塗装を行う。この時の塗料粘度は、10,000〜150,000mPa・sにするのが良く、好ましくは50,000〜120,000mPa・sの範囲が良い。これは、塗料粘度が50,000mPa・s未満だと、上塗り塗料が化粧溝2の底部に垂れやすく、また、120,000mPa・sを超えると粘度が高すぎて塗装性が悪化するためである。
次に、意匠部3に上塗り塗料5を塗装する場合は、該ALCパネルを水平に置いた状態とし、下塗り塗膜にマスキング材等を貼付しないで直接意匠部にローラーにより塗装を行う。この時の塗料粘度は、10,000〜150,000mPa・sにするのが良く、好ましくは50,000〜120,000mPa・sの範囲が良い。これは、塗料粘度が50,000mPa・s未満だと、上塗り塗料が化粧溝2の底部に垂れやすく、また、120,000mPa・sを超えると粘度が高すぎて塗装性が悪化するためである。
塗装に使用するローラーは、例えば、人手による塗装の場合はローラーブラシ、機械塗装の場合はロールコーター等が良い。
ローラーブラシは、カバーの材質が、例えば、天然の子羊の毛皮・羊毛、兎毛、山羊毛、これらの毛を織った布、合成繊維、天然毛と合成繊維を混毛したもの、これら繊維とは別にウレタンや酢酸ビニル樹脂を発泡させて多孔性に加工したもの等で良く、コア内径10〜40mm、コア幅50〜700mm、パイル長さ3〜10mmの寸法範囲に入っていれば使用可能であるが、使用する上塗り塗料の種類や粘度、ALCパネルの表面形状等により決定される。該ローラーブラシは人手による塗装が一般的なため、コア幅30〜300mm、パイル長さ4〜6mmのものが作業性に優れている。
ローラーブラシは、カバーの材質が、例えば、天然の子羊の毛皮・羊毛、兎毛、山羊毛、これらの毛を織った布、合成繊維、天然毛と合成繊維を混毛したもの、これら繊維とは別にウレタンや酢酸ビニル樹脂を発泡させて多孔性に加工したもの等で良く、コア内径10〜40mm、コア幅50〜700mm、パイル長さ3〜10mmの寸法範囲に入っていれば使用可能であるが、使用する上塗り塗料の種類や粘度、ALCパネルの表面形状等により決定される。該ローラーブラシは人手による塗装が一般的なため、コア幅30〜300mm、パイル長さ4〜6mmのものが作業性に優れている。
またロールコーターは、種類がボトムフィード型、トップフィード型等で、コアの材質はスポンジ、天然ゴム、合成ゴム等が良く、コア幅300〜650mm程度のものが生産効率上優れているが、使用する上塗り塗料の種類や粘度、ALCパネルの寸法や表面形状、等により決定される。
本発明でいう「自然ゆらぎ調形状」とは、後述する塗装方法で、意匠部または凸部の端面に蛇行状に上塗り塗料が塗布されることにより得られる形状である。自然ゆらぎ調形状の幅17とは、図5に示すように、該上塗り塗料が該化粧溝のエッジ部16または凸部のエッジ部16を基準として該ALCパネルの厚さ方向に垂れている距離をいう。
本発明でいう「自然ゆらぎ調形状」とは、後述する塗装方法で、意匠部または凸部の端面に蛇行状に上塗り塗料が塗布されることにより得られる形状である。自然ゆらぎ調形状の幅17とは、図5に示すように、該上塗り塗料が該化粧溝のエッジ部16または凸部のエッジ部16を基準として該ALCパネルの厚さ方向に垂れている距離をいう。
上塗り塗料5を意匠部3に塗装する場合は、該ALCパネルを水平に置いた状態で、該ALCパネルに対して垂直方向に0.1〜50N/cm2の範囲の加圧力でローラー塗装するのが良い。該意匠部3の塗装面積は、特に限定されるものでなく、該ALCパネル意匠部3の凹凸深さ、得ようとする意匠性、等から決定される。この時、加圧力が0.1N/cm2未満だと、十分な幅の自然ゆらぎ調形状が得られ難いばかりではなく、上塗り塗料の塗着量が少なく塗装作業に手間を要する。また、加圧力が50N/cm2を超えると、上塗り塗料は化粧溝の底部に付着し易くなるため、適正な自然ゆらぎ調形状が得られ難く、加えて上塗り塗料の塗装面積が著しく大きくなり過ぎると目標とする意匠性は得られない。
また上塗り塗料13を意匠部の凸部12に塗装する場合は、該ALCパネルを水平に置いた状態で、該ALCパネルに対して垂直方向に0.1〜5N/cm2の範囲の加圧力でローラー塗装するのが良い。この時、加圧力が0.1N/cm2未満だと、十分な幅の自然ゆらぎ調形状が得られ難いばかりではなく、上塗り塗料の塗着量が少なく塗装作業に手間を要する。また、加圧力が5N/cm2を超えると、上塗り塗料は意匠部及び化粧溝の底部に付着し易くなるため、適正な自然ゆらぎ調形状が得られ難く、加えて上塗り塗料の塗装面積が著しく大きくなり過ぎると目標とする意匠性は得られない。
下塗りまたは上塗り塗料の乾燥は、自然乾燥、強制乾燥のどちらを選択しても良い。生産性を重視する場合は、熱風循環式乾燥機、赤外線ランプ、ジェットゾーン乾燥機、等を選択するのが良いが、使用する塗料の種類、水希釈率、粘度、塗布量等に適した乾燥条件(乾燥温度・湿度、風速、乾燥時間)にするのが良い。また自然乾燥の場合は、室温10〜30℃程度の乾燥室で生産するのが一般的であるが、生産条件(生産量、塗装室の面積)または、使用する塗料の種類、水希釈率、粘度、塗布量等に適した乾燥条件(乾燥温度・湿度、風速、乾燥時間)にするのが望ましい。
下塗りまたは上塗り塗料の乾燥は、自然乾燥、強制乾燥のどちらを選択しても良い。生産性を重視する場合は、熱風循環式乾燥機、赤外線ランプ、ジェットゾーン乾燥機、等を選択するのが良いが、使用する塗料の種類、水希釈率、粘度、塗布量等に適した乾燥条件(乾燥温度・湿度、風速、乾燥時間)にするのが良い。また自然乾燥の場合は、室温10〜30℃程度の乾燥室で生産するのが一般的であるが、生産条件(生産量、塗装室の面積)または、使用する塗料の種類、水希釈率、粘度、塗布量等に適した乾燥条件(乾燥温度・湿度、風速、乾燥時間)にするのが望ましい。
本発明によれば、凹凸から成る意匠部と化粧溝を有するALCパネルの化粧溝と意匠部にそれぞれ色調の異なる塗膜が複数層形成され、かつ、該意匠部及び該凸部の端面に幅1〜10mmの自然ゆらぎ調形状の模様塗膜が形成されているため、ALCパネルの素材感、彫りの深さを生かしつつ、自然で温かみのある多彩・多色風ALCパネルを得るための塗装方法を提供することが可能である。
次に、実施例によって本発明をさらに詳細に説明する。なお、実施例1〜2及比較例1において使用したALCパネルのサイズ及び性能評価方法は以下に示す通りである。
・ ALCパネルのサイズ
厚さ3.7cm、幅60.6cm、長さ182cm
・ 意匠性評価方法
上記ALCパネルを基材として、本発明のALCパネルを作製し、目視による意匠性評価を行った。
・ ALCパネルのサイズ
厚さ3.7cm、幅60.6cm、長さ182cm
・ 意匠性評価方法
上記ALCパネルを基材として、本発明のALCパネルを作製し、目視による意匠性評価を行った。
図1に示すような化粧溝と化粧溝の間に剥離帯を形成させた岩肌調のALCパネル1の全面に、アクリル・シリコーン樹脂を主成分とする下塗り用の着色塗料4を0.2kg/m2塗布し、20℃の室温で約1.5時間自然乾燥させた。次いで、意匠部3にアクリル・シリコーン樹脂を主成分とする粘度90,000mPa・sの上塗り塗料5を、内径38mm、コア幅153mm、パイル長さ6mmの短毛ウールローラー6を用いて加圧力6.0N/cm2で0.25kg/m2塗布した後、20℃の室温で約1時間自然乾燥させたところ、意匠部3の端面9に幅3〜6mmの自然ゆらぎ調形状の模様塗膜10が形成された図2に示すようなALCパネル11を得た。
次に、作製したALCパネル11の意匠性を評価した結果、自然で温かみのある多色風の外観を有していることを確認した。
次に、作製したALCパネル11の意匠性を評価した結果、自然で温かみのある多色風の外観を有していることを確認した。
図3に示すような古煉瓦調の化粧溝2と意匠部3を有するALCパネル1の全面に、アクリル・シリコーン樹脂を主成分とする下塗り用の着色塗料4を0.2kg/m2塗布し、20℃の室温で約1.5時間自然乾燥させた。次いで、意匠部3にアクリル・シリコーン樹脂を主成分とする粘度100,000mPa・sの上塗り塗料5を、内径38mm、コア幅153mm、パイル長さ6mmの短毛ウールローラー6を用いて加圧力2.0N/cm2で0.25kg/m2塗布した後、20℃の室温で約1時間自然乾燥させた。さらに、該意匠部3の凸部12にアクリル・シリコーン樹脂を主成分とする粘度90,000mPa・sの上塗り塗料14を、内径38mm、コア幅153mm、パイル長さ6mmの短毛ウールローラー6を用いて加圧力0.5N/cm2で0.05kg/m2塗布した後、20℃の室温で約1時間自然乾燥させたところ、該意匠部3の端面9に幅6〜8mmの自然ゆらぎ調形状の模様塗膜10、及び該凸部12の端面13に幅2〜3mmの自然ゆらぎ調形状の模様塗膜15が形成された図4に示すようなALCパネル16を得た。
次に、作製したALCパネル16の意匠性を評価した結果、自然で温かみのある多彩・多色風の外観を有していることを確認した。
次に、作製したALCパネル16の意匠性を評価した結果、自然で温かみのある多彩・多色風の外観を有していることを確認した。
[比較例1]
図1に示すような化粧溝と化粧溝の間に剥離帯を形成させた岩肌調のALCパネル1の全面に、アクリル・シリコーン樹脂を主成分とする下塗り用の着色塗料4を0.2kg/m2塗布し、20℃の室温で約1.5時間自然乾燥させた。次いで、意匠部3に一般的にローラー仕上げに用いられるアクリル・シリコーン樹脂を主成分とする上塗り塗料5を、内径38mm、コア幅153mm、パイル長さ6mmの短毛ウールローラー6を用いて0.25kg/m2塗布した後、20℃の室温で約1時間自然乾燥させた。
次に、作製したALCパネル11の意匠性を評価した結果、化粧溝2の底部に該上塗り塗料5が付着し、適正な自然ゆらぎ調形状は得られなかった。
図1に示すような化粧溝と化粧溝の間に剥離帯を形成させた岩肌調のALCパネル1の全面に、アクリル・シリコーン樹脂を主成分とする下塗り用の着色塗料4を0.2kg/m2塗布し、20℃の室温で約1.5時間自然乾燥させた。次いで、意匠部3に一般的にローラー仕上げに用いられるアクリル・シリコーン樹脂を主成分とする上塗り塗料5を、内径38mm、コア幅153mm、パイル長さ6mmの短毛ウールローラー6を用いて0.25kg/m2塗布した後、20℃の室温で約1時間自然乾燥させた。
次に、作製したALCパネル11の意匠性を評価した結果、化粧溝2の底部に該上塗り塗料5が付着し、適正な自然ゆらぎ調形状は得られなかった。
本発明の塗装方法は、軽量気泡コンクリートパネルの塗装方法において好適に利用できる。
1 ALCパネル
2 化粧溝
3 意匠部
4 下塗り用の着色塗料
5 意匠部塗布用の上塗り塗料
6 ウールローラー
7 ローラーの加圧力
8 ローラーの進行方向
9 意匠部3の端面
10 意匠部端面に形成された自然ゆらぎ調形状の模様塗膜
11 本発明によるALCパネル
12 意匠部の凸部
13 凸部12の端面
14 凸部塗布用の上塗り塗料
15 凸部端面に形成された自然ゆらぎ調形状の模様塗膜形状の模様塗膜
16 本発明によるALCパネル
17 エッジ部
18 自然ゆらぎ調形状の幅
2 化粧溝
3 意匠部
4 下塗り用の着色塗料
5 意匠部塗布用の上塗り塗料
6 ウールローラー
7 ローラーの加圧力
8 ローラーの進行方向
9 意匠部3の端面
10 意匠部端面に形成された自然ゆらぎ調形状の模様塗膜
11 本発明によるALCパネル
12 意匠部の凸部
13 凸部12の端面
14 凸部塗布用の上塗り塗料
15 凸部端面に形成された自然ゆらぎ調形状の模様塗膜形状の模様塗膜
16 本発明によるALCパネル
17 エッジ部
18 自然ゆらぎ調形状の幅
Claims (2)
- 凹凸から成る意匠部と化粧溝を有する軽量気泡コンクリートパネルにおいて、該パネル全面に着色塗料より成る下塗り塗膜を形成させた後、該意匠部に、粘度10,000〜150,000mPa・sに調整した該下塗り塗膜と色調の異なる上塗り塗料を、加圧力0.1〜50N/cm2でローラー塗装し、幅1〜10mmの自然ゆらぎ調形状の模様塗膜を1層形成させることを特徴とする軽量気泡コンクリートパネルの塗装方法。
- 請求項1記載の軽量気泡コンクリートパネルの塗装方法において、該意匠部の凸部に、さらに、粘度10,000〜150,000mPa・sに調整した色調の異なる上塗り塗料を、加圧力0.1〜5N/cm2でローラー塗装し、幅1〜10mmの自然ゆらぎ調形状の模様塗膜2層形成させることを特徴とする軽量気泡コンクリートパネルの塗装方法。
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