JPH11233117A - アルカリ蓄電池用芯体及びそれを用いた電池 - Google Patents

アルカリ蓄電池用芯体及びそれを用いた電池

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JPH11233117A
JPH11233117A JP10341992A JP34199298A JPH11233117A JP H11233117 A JPH11233117 A JP H11233117A JP 10341992 A JP10341992 A JP 10341992A JP 34199298 A JP34199298 A JP 34199298A JP H11233117 A JPH11233117 A JP H11233117A
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啓二 山根
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裕司 山崎
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 薄い鋼板を使って、多くの活物質を付着させ
ることができるアルカリ蓄電池用芯体及びそれを用いた
電池の提供。 【解決手段】 薄い鋼板に硬質層を形成した後、所定の
圧下率で冷間圧延することによって、クラックを硬質層
に生ぜしめ、クラックの裂け目部分に活物質層の一部を
侵入させることによって活物質の脱落を防止する。パン
チングや発泡金属によらない芯体処理方法のために、複
雑な製造工程を必要としない安価な畜電池用芯体を提供
することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はアルカリ蓄電池等の
電池用芯体に関し、特に電池の正極板又は負極板に使用
する芯体に関する。
【0002】
【従来の技術】各種電源としてなる二次電池としてアル
カリ畜電池があるがこれは長期間経済的に繰り返して使
用でき、かつ小型軽量のために広く使用されている。こ
のアルカリ畜電池はニッケル正極板と水素吸蔵合金負極
板とをセパレータを介してケースに密閉した構造をして
いる。アルカリ畜電池の負極には鋼板に機械的穴加工を
施したパンチングメタルにNiめっきをして水素吸蔵合
金を塗布したものであり、また正極には水酸化ニッケル
を塗布した発泡ニッケルが専ら用いられてきた。発泡ニ
ッケルの製造方法としてはたとえば発泡状樹脂にニッケ
ルめっきをした後に、これを酸素含有ガス中で高温熱処
理をして樹脂分を揮発除去して高多孔質の支持体とした
ものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このようなパンチング
処理鋼板を使用する場合には鋼板に一定限度の厚みが必
要で、その限度以下の厚さの鋼板では穴あけ処理がスム
ーズにできないという問題点がある。穴あけ処理をスム
ーズにするために厚さの厚い鋼板を使用する方法も考え
られるが、かかる鋼板を電池芯板に使用することは電池
内部での巻き回数が減少することになるため、かえって
電池性能を低下させてしまうことになる。また発泡ニッ
ケル体を製造するためには原料の精選に加えてその後の
製造工程が極めて複雑であり、さらに電池芯板に使用す
るためには厳密な製造条件管理の下に製造することが必
要なために、高価になりやすいという問題がある。
【0004】かかる問題を解決し、より低コストかつ高
性能の電池用芯板を提供するために、本発明者等は鋭意
検討した結果、極板としての芯板には活物質が付着かつ
脱落することがないようなクラックが存在していれば十
分その目的が達せられることができるという結論に達し
た。かかる電池用芯板は芯板表面に極めて微細なクラッ
クを多数有するもので、かかるクラックの存在によって
活物質を強固に保持することができ、そのために極めて
薄い鋼板を使用することが可能となり、その結果、電池
芯板として電池内部における巻き回し回数が増大させる
ことができるようになるために電池性能を従来より飛躍
的に増大させることができることが判明した。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の電池用芯体は、
板状集電体をなす芯体に活物質を付着せしめて正極板と
負極板とを形成し、これら両極板をセパレータを介して
ケース内に密閉するようにしたアルカリ畜電池におい
て、極めて薄い鋼板に硬質めっきを施した後に、所定の
圧下率で冷間圧延処理してめっき層等の硬質層部分だけ
にクラックを多数生ぜしめ、かつそのクラック面積率が
5〜60%という一定範囲にあることを特徴とする。
【0006】即ち、本発明の電池用芯体は板状集電体を
なす芯体に活物質を付着せしめて正極板と負極板とを形
成し、これら両極板をセパレータを介してケース内に密
閉するようにした両極板の芯体において、極めて薄い鋼
板に硬質めっきを施したものを冷間圧延してめっき層に
のみクラックを、クラック面積率として5〜60%にな
るように生ぜしめ、かかるクラックの硬質層表面に存在
する裂け目部分に活物質層の一部が侵入することによっ
て、全体として活物質の脱落を防止するものである。な
おこの芯体となる鋼板は硬質層にクラックを形成した
後、必要に応じて錆止め用の表面処理層を形成させるの
が好ましい。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明は軟鋼板を準備した後、そ
の軟鋼板にめっきをして硬質層を形成させ、所定の圧下
率の圧下力で冷間圧延して硬質層にのみ一定のクラック
面積率を有するクラックを形成させ、その後さらに必要
に応じてクラックを生ぜしめた硬質層上に錆止めのため
の後処理をし、鋼板上に水酸化ニッケルスラリーを塗布
して正極板を形成させ、又は鋼板上に水素吸蔵合金を含
有するスラリーを塗布して負極板を形成させる。以下、
これらについて詳しく説明する。
【0008】(a)鋼板の準備 本発明の電池用芯板を作製するためには、まず電池用極
板に使用する軟鋼板を準備する。軟鋼板の材質としては
冷延低炭素Alギルド鋼が好ましいが、炭素分が0.0
03重量%以下の極低炭素鋼、さらにこれにニオブ、チ
タン等を添加した非時効鋼から作られた冷延鋼板、ある
いは3〜18重量%のニッケルを含んだニッケル含有鋼
又はステンレス鋼板も効果的に使用される。炭素分を
0.003重量%と限定する理由は、炭素分の少ない鋼
材が軟質なために、鋼板上に硬質膜を形成させた後に適
正な圧下力で圧延したときに、硬質層上にのみクラック
が1〜50%という面積率の範囲で生じやすくするため
である。
【0009】(b)硬質層の形成 前記鋼板上に硬質層を形成させる方法として、硬質めっ
きを0.5〜約10.0μmの厚さに施す。硬質層の厚
さが0.5μm未満ではクラックの深さが浅いために活
物質との密着性が不十分になるとともに、クラックが鋼
板層にも出現する可能性があるためであり、一方10μ
mを越えるのは経済的に不利だからである。
【0010】硬質めっきとして電気Ni−Pめっきを行
う場合において、ニッケル−りん浴にあってはたとえば
硫酸ニッケル(7水塩):240g/l、塩化ニッケル
(6水塩):45g/l、ホウ酸:30g/l、亜リン
酸:20g/lの配合処方で、浴温:60℃、pH:
1.0〜1.5,電流密度は低いほどリンの含有率が高
くなるが生産性を考慮して適宜調整する。なおめっき後
にめっき膜部分を湿式分析法で化学分析し、リン分が1
0重量%前後含有されていることが好ましい。
【0011】また無電解Ni−Pめっきの場合にはたと
えば、塩化ニッケル:50g/l,次亜リン酸ソーダ:
10g/l,クエン酸ソーダ:10g/lでpHを4.
0〜6.0として約90℃で行う。
【0012】Ni−Sn合金めっきの場合にはめっき浴
の組成としてたとえば、塩化ニッケル(6水塩):25
0g/l,塩化第一すず(2水塩):50g/l、二フ
ッ化水素アンモニウム:50g/l、32%塩酸:8g
/lの配合処方で、pH:2.5とし、浴温65℃で、
電流密度:2.7A/dmの条件で行う。なおこのN
i−Sn合金めっきの場合にはNi/Sn比を50/5
0又は67/33としめっき膜形成後に化学分析を行
い、膜中のSn分が所定のものであることを確認する。
【0013】さらにNi−Co合金めっきの場合にはた
とえば、硫酸ニッケル:280g/l,塩化ニッケル:
45g/l,ホウ酸:35g/l、硫酸コバルト:15
g/l、ぎ酸ニッケル:45g/l,ホルマリン:2.
5g/lの配合処方で、pH:3.7〜4.2、浴温6
0℃で、電流密度:6A/dmで行う。NiーCoめ
っきの場合にはNi/Co比は原則として50/50で
あるが、これと異なる場合はその都度、Ni−5%Co
のように明記する。
【0014】また、Zn/Ni複層めっきの場合にはた
とえば、硫酸ニッケル(7水塩):250g/l、塩化
ニッケル(6水塩):45g/l,ホウ酸:30g/l
の配合処方でpH:4.0、温度45℃、電流密度:1
0A/dmの条件でNiめっきを行う。次に硫酸亜
鉛(7水塩):250g/l,硫酸アンモニウム:30
g/lの配合処方で、pH:3.0、浴温45℃で電流
密度:20A/dmの条件でZnめっきを行い、その
後500℃で8時間熱処理する。Niめっきの厚みとZ
nめっきの厚みの割合、すなわち(Niめっきの厚み)
/(Znめっきの厚み)は2以上にすることが好まし
い。
【0015】Ni(80%)−Fe(20%)めっき
(いわゆるパーマロイ)の場合にはたとえば、硫酸ニッ
ケル(7水塩):200g/l,塩化ニッケル(6水
塩):5g/l,硫酸第一鉄(7水塩):8g/l,ホ
ウ酸:25g/l,サッカリン:3g/lの配合処方の浴
で、pH:2.3,浴温21℃、電流密度:0.8A/
dmで行う。
【0016】(c)圧延によるクラック形成 めっきによって鋼板表面に0.5〜10.0μmの硬質
層を形成させた後に、2本の平面ロールの間に一定の速
度で前記硬質膜を形成せしめた鋼板を連続的に供給し、
圧下率10〜80%、好ましくは30〜75%で冷間圧
延する。鋼板は一定間隔のロールの間を通過する間に衝
撃を受けて、硬質層にクラックを生じる。圧下率を10
〜80%としたのは、10%未満の圧下率ではクラック
の形成が少なく、その後の活物質保持性が不十分なため
であり、一方80%以上ではクラックが鋼板内部にまで
深く進行してしまって、鋼板の強度を劣化させることに
なるからである。クラック面積率を5〜60%の範囲に
することとした理由はこの範囲では、クラックはほとん
ど硬質層のみに形成されるとともに、活物質の保持性能
が良好だからである。なお、「クラック面積率」とは、
単位面積の鋼板硬質層表面に存在するクラックの裂け目
の占める全面積の割合をいい、クラックの裂け目の面積
は画像解析等の方法で算出する。
【0017】(d)後処理 クラック形成の終了した鋼板は錆止めのための表面処理
を行う。錆止め処理は鋼板の最初の硬質層形成方法と同
じくめっきで行う。この後処理はクラックが鋼板上の硬
質層部分に止まっている限りは必要ないが、鋼板及び硬
質層の厚さ又は圧下率の変動によって、クラックが鋼板
部分にまで達する場合があるからである。後処理のめっ
き条件は、最初の硬質層の形成条件と同じ条件で行う
が、最初の硬質層と全く同じめっき質又は全く同じ膜厚
とする必要はない。まためっき厚も、単なる錆止めが目
的であるため、0.1〜2.0μmの厚さで十分であ
る。
【0018】なお、後処理のめっきをワット浴で行う場
合にはたとえば、硫酸ニッケル(7水塩):300g/
l,塩化ニッケル(6水塩):45g/l,ホウ酸:3
0g/lの配合処方で、浴温:50℃,pH:4.0〜
4.5、電流密度:10A/dmで処理し、スルファ
ミン酸浴の場合にはたとえば、スルファミン酸ニッケ
ル:400g/l,塩化ニッケル(6水塩):40g/
l,ホウ酸:30g/l,ラウリル硫酸ソーダ:0.5
g/lの配合処方で、pH:4.0,浴温50℃、電流
密度:10A/dmで処理する。Niめっきの場合に
はたとえば、塩化ニッケル(6水塩):240g/l、
塩酸(比重:1.18):125ml/lで電流密度は
5〜10A/dmとする。
【0019】(e)活物質の塗布 正極の場合は、芯板にたとえば4%カルボキシメチルセ
ルロース水溶液50重量部、水酸化亜鉛(Zn(OH)
)及び水酸化コバルト(Co(OH))を、それぞ
れ亜鉛及びコバルトとして、1.6%を含んだ水酸化ニ
ッケル100重量部、Co粉末(ニューメタルス製EX
TRA FINE)20重量部、アクリル・スチレン共
重合樹脂5重量部からなる活物質をアプリケーターを使
用して30分、80℃で乾燥後の厚さが片面300μm
(両面で600μm)になるように塗布する。
【0020】負極の場合は芯板にたとえばカルボキシメ
チルセルロース水溶液50重量部、粒径200メッシュ
以下の水素吸蔵合金LiNi4.0Co0.4Mn
0.4Al0.5の100重量部、Ni粉末(Inco
社製255)10重量部、アクリル・スチレン共重合樹
脂5重量部からなる活物質を、80℃、30分の乾燥後
の厚さが片面300μm(両面で600μm)となるよ
うにアプリケーターを使用して塗布する。なお活物質の
塗布に使用する鋼板は硬質層に一定のクラック面積率を
有するクラックを形成させたものでありさえすれば、そ
の後の表面保護層の有無は問わない。
【0021】以下、実施例について説明する。実施例と
しては、表1から表4に芯体の作製条件の例を記載す
る。まず0.05〜0.30mmの種々の厚さの鋼板を
用意し硬質層を形成させる。硬質層形成方法としては、
実施例1乃至6はNi−Pめっき(Pの含有率を変化)
を行い、実施例7乃至10は無電解Ni−Pめっきを行
い、実施例11乃至14はNiめっきを行い、実施例1
5乃至18はNi−Sn合金めっきを行い、実施例19
乃至22はNi−Coめっきを行い、実施例23乃至2
5はZn/Ni複層めっきを行った後、熱処理による拡
散処理を行った場合、実施例26乃至30はNi−Fe
合金めっきを形成させた場合である。
【0022】これらの処理においては硬質層の厚さが
0.5〜10.0μmになるように処理条件を設定す
る。このように処理した鋼板の圧下率は10〜80%の
範囲内の所定の圧下率で行う。なお、比較例1〜6は好
ましくない場合の例を挙げたもので、比較例1、3、5
は圧下率が10%に達していないためにクラックがあま
り発生せず活物質の保持性が不十分な場合を、一方比較
例2、4、6は圧下率が80%を越えて、クラックの成
長が大きくなりすぎてしまった場合で、この場合は活物
質の脱落がかえって多くなってしまう例である。防錆の
ための表面にめっきを行った鋼板は、表面に活物質を塗
布し、活物質の保持性能と充放電特性を測定し、その結
果を表5に示した。
【0023】
【表1】
【0024】
【表2】
【0025】
【表3】
【0026】
【表4】
【0027】
【表5】
【0028】(1)硬質層のクラック面積率 処理鋼板の表面顕微鏡写真を撮影し、1mm中に存在する
クラックの裂け目を平面的に観察して得られる面積を画
像処理で計測して面積率を計算し、これを「クラック面
積率」とする。圧下率と面積率の関係はめっきの種類、
めっきの厚さによって異なり一様ではないが、一例を挙
げると、圧下処理によって発生するクラック数に相当す
る面積率は35%の圧下率でクラック面積率は約7%
で、その後、圧下率に比例して増加し、圧下率70%で
クラック面積率は約33%に達する。
【0029】しかし圧下率が80%を越えると、それま
でに発生したクラックが互いに連接してより大きなクラ
ックに成長していくためにクラック面積率は圧下率とは
無関係に急激に増大する。実施例と比較例においてはク
ラック面積率をA,B,C,D,Eの5段階の評価点で
表示した。評価点Bはクラック面積率で概ね35〜60
%前後、評価点Cはクラック面積率で概ね25〜50%
前後、評価点Dはクラック面積率で概ね5〜30%前
後、評価点Eはクラック面積率で概ね0〜4%である。
なお、評価点Aはクラックが最良の状態を通り過ぎてそ
れまでに生じたクラックが成長し始めた状態及び成長が
かなり進んだ状態で、クラック面積率としては55%以
上である。なお、参考のために処理鋼板のクラック発生
状況を示す表面顕微鏡写真の代表例を図1に示した。図
1は、鋼板表面を上から見た状態を示し、圧延方向に対
しそれとほぼ直角方向に多数のクラック発生部1が形成
されていることがわかる。
【0030】(2)活物質の保持性の試験方法 4%カルボキシメチルセルロース水溶液50重量部、水
酸化ニッケル100重量部、アクリル・スチレン共重合
樹脂5重量部からなる活物質をアプリケーターを使用し
て、80℃、30分の乾燥後の厚さが約300μmにな
るように芯板表面に塗布する。このようにして活物質を
塗布した芯板を6.3モルKOH水溶液中に、60℃で
10日間、浸漬して活物質の保持性を目視評価した。活
物質の脱落が10%未満の場合をで、活物質の脱落が1
0%を越え20%未満の場合を△で、また脱落が20%
を超える場合を×で表示した。
【0031】(3)充放電特性の試験方法 正極の場合は、芯板に4%カルボキシメチルセルロース
水溶液50重量部、水酸化亜鉛(Zn(OH))及び
水酸化コバルト(Co(OH))を、それぞれ亜鉛及
びコバルトとして、1.6%を含んだ水酸化ニッケル1
00重量部、Co粉末10重量部(ニューメタルス製E
XTRA FINE)10重量部、アクリル・スチレン
共重合樹脂5重量部、からなる活物質をアプリケーター
を使用して30分、80℃で乾燥後の厚さが片面300
μm(両面で600μm)になるように塗布した。
【0032】負極の場合は芯板にカルボキシメチルセル
ロース水溶液50重量部、粒径200メッシュ以下の水
素吸蔵合金LmNi4.0Co0.4Mn0.4Al
0.5の100重量部、Ni粉末(Inco社製25
5)10重量部、アクリル・スチレン共重合樹脂5重量
部からなる活物質を、80℃、30分の乾燥後の厚さが
片面300μm(両面で600μm)となるようにアプ
リケーターを使用して塗布した。乾燥後ローラープレス
で正極及び負極を厚み400μmにした。
【0033】その後、正極となる芯板を幅38mm、長
さ60mmに切断し、また負極となる芯板を幅40m
m、長さ90mmにそれぞれ切断し、正極と負極のそれ
ぞれの芯板の間にナイロン系不織布を置いて、これらを
6モルKOHと1モルLiOHを含んだ水溶液に浸漬し
て、300mAの定電流で1時間充電した後、100m
Aの定電流で放電して、充放電特性を調査する。なお、
放電時のカットオフ値を1.0Vとし、サイクル試験で
10サイクル目の充放電効率で評価し、80%未満の場
合を△で、80%以上の充放電効率のものを印で表示し
た。
【0034】この結果をみると、軟質鋼板表面に所定の
硬質層を形成し、その後、適正な圧下処理によって表面
硬質層にクラックを生じさせ、一定のクラック面積率を
生じさせた電池芯板は、活物質の保持性及び充放電特性
において優れていることがわかる。
【0035】
【発明の効果】本発明は従来のようなパンチング処理を
必要としないために、極めて薄い鋼板を使用することが
できるために、電池内での巻き回数を増加することがで
き電池性能の向上に寄与する。また発泡ニッケル体と相
違し、簡単な工程で容易に得られるため製造費用も低コ
ストの電池用芯板を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】処理鋼板のクラック発生状況を示す表面顕微鏡
写真である。
【符号の説明】
1・・・クラック発生部

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 板状集電体をなす芯体に活物質を付着せ
    しめて正極板と負極板とを形成し、これら両板をケース
    内に密閉するようにした電池における前記芯体におい
    て、薄い鋼板にNi又はNi合金硬質層を形成せしめた
    ことを特徴とするアルカリ蓄電池用芯体。
  2. 【請求項2】 前記Ni合金硬質層がNi−Pである請
    求項1の芯体。
  3. 【請求項3】 前記硬質層がNi−Sn合金層である請
    求項1記載の芯体。
  4. 【請求項4】 前記硬質層がNi−Coめっきによって
    形成された硬質層である請求項1記載の芯体。
  5. 【請求項5】 前記硬質層がZn/Ni複層めっき後、
    拡散処理によって形成された硬質層である請求項1記載
    の芯体。
  6. 【請求項6】 前記硬質層がNi−Fe合金めっきによ
    って形成された硬質層である請求項1記載の芯体。
  7. 【請求項7】 前記硬質層の厚さが0.5〜30μmで
    ある請求項1〜6のいずれか記載の芯体。
  8. 【請求項8】 前記硬質層を形成せしめた鋼板を所定の
    率で塑性変形して硬質層にクラックを生ぜしめた請求項
    1〜7のいずれか記載の芯体。
  9. 【請求項9】 前記塑性変形が冷間圧延法を用いた変形
    である請求項8記載の芯体。
  10. 【請求項10】 前記硬質層に形成せしめたクラックの
    面積率が5〜60%である請求項8又は9記載の芯体。
  11. 【請求項11】 前記クラックを生ぜしめた硬質層上に
    さらに表面保護層を形成させた請求項8〜10のいずれ
    かに記載の芯体。
  12. 【請求項12】 前記薄い鋼板が炭素分0.003重量
    %以下の極低炭素鋼であるAlキルド鋼又は非時効鋼か
    らなる請求項1〜11のいずれかの芯体。
  13. 【請求項13】 前記Ni又はNi合金硬質層を形成せ
    しめた表層に、さらにニッケル粉を含有するスラリーを
    塗布した層を形成した請求項1〜12いずれか記載の正
    極板用芯板。
  14. 【請求項14】 前記Ni又はNi合金硬質層を形成せ
    しめた表層に、さらに水素吸蔵合金粉を含有するスラリ
    ーを塗布した層を形成した請求項1〜12いずれか記載
    の負極板用芯板。
  15. 【請求項15】 請求項1〜14のいずれかの芯体又は
    芯板を組込んだ電池。
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