JP2020167163A - アルカリ二次電池用表面処理板およびその製造方法 - Google Patents

アルカリ二次電池用表面処理板およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 ガス発生抑制効果を有すると同時に、アルカリ電解液への耐性を有するアルカリ二次電池用表面処理板の提供。【解決手段】基材10と、前記基材10の少なくとも片面に形成される金属層20を有するアルカリ二次電池用表面処理板100であって、前記金属層20が、Ni及びZnを有する合金層20Mを含み、前記合金層は、NiとZnの合計量に対するNiの割合が60〜85%である第1領域20Aを含み、前記第1領域20Aの厚さが0.15μm以上であることを特徴とする、アルカリ二次電池用表面処理板。【選択図】 図1

Description

本発明は、アルカリ二次電池用表面処理板およびその製造方法に関する。
電解液がアルカリ水溶液からなる、いわゆるアルカリ電池の二次電池の種類としては、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池などが実用化され、広く知られている。また、アルカリ二次電池において、空気電池や、正極に水酸化ニッケル等、負極活物質に亜鉛を用い、電解液にアルカリ水溶液を用いるニッケル亜鉛電池は、次世代の電池として鋭意開発が行われている。
ニッケル亜鉛電池の利点としては、水系電池としては高い起電力を有しエネルギー密度が大きいこと、亜鉛が安価であること、レアメタルレスであること、ニッケルと亜鉛が共にリサイクル可能な金属であること、水系電解液を使用しているためリチウムイオン電池よりも安全性に優れていること、等が挙げられる。
一方で、二次電池としての空気亜鉛電池やニッケル亜鉛電池の実用化への課題の一つとして、充放電時(自然放電含む)における水素ガス発生の問題があった。水素ガス発生が生じ、その発生量が多くなりすぎると、電池性能の低下や、内圧上昇に寄与して電池の漏液につながるおそれがある。 特に電池反応に亜鉛が関与する電池において、これらの問題は特に顕著に生じうる。
上述のような水素ガス発生の問題は、負極集電体に水素過電圧の高い材料を適用することにより解決可能であることは、従来知られている。
例えば、特許文献1や特許文献2には、負極の集電体の材料として銅とスズの合金を用いることにより水素過電圧を高くして、上記のような水素ガス発生の問題を解決しようとしている。
特開平2−75160号公報 特開平3−4449号公報
しかしながら、上記した特許文献に記載の技術は、実用的なアルカリ二次電池に用いる場合、耐食性(耐電解液性)が不十分であった。すなわち、アルカリ二次電池として十分な電池性能を発揮するためには、電解液中の水酸化カリウムの濃度が20wt%以上が好ましく、より高性能とするためには25〜40wt%とする必要がある。
特許文献1や2に記載のような銅と錫の合金では、銅単体に比べれば耐食性は改善するものの、上記したような高濃度の電解液環境下では溶解することには変わりなく、また、放電反応時にはさらに溶解が促進されてしまうため、実用には耐えない。
一方で、一般的に耐アルカリ性に優れるとされるニッケルを用いた場合には、アルカリ電解液への溶解は抑制できるが、ニッケルは水素過電圧が小さく、水素ガスが発生しやすいという問題が生じる。特に電池反応に亜鉛が関与する場合には、亜鉛とのアルカリ電解液中における電位差も大きく、顕著に水素ガスが発生しやすくなってしまう。
上記課題に鑑み、本発明者らは、アルカリ二次電池の充放電時におけるガス発生を抑制し、かつ、電解液への溶解を抑制可能な、負極の集電体材料、電池タブ・リード材料や電池外装材料となる二次電池用表面処理板を開発すべく、鋭意検討した。
その結果、表面処理板を、特定の構成とすることにより、上記した複数の課題を両立させることが可能であることを見出し、本発明に想到したものである。
なお本発明においては、電解液に対する溶解耐性を、「耐食性」、「耐溶解性」、「耐電解液性」等とも称するものとする。
上記課題を解決するため、本発明の一実施形態にかかるアルカリ二次電池用表面処理板は、(1)基材と、前記基材の少なくとも片面に形成される金属層を有するアルカリ二次電池用表面処理板であって、前記金属層が、Ni及びZnを有する合金層を含み、前記合金層は、NiとZnの合計量に対するNiの割合が60〜85%である第1領域を含み、前記第1領域の厚さが0.15μm以上であることを特徴とする。
なお、上記した(1)に記載のアルカリ二次電池用表面処理板においては、(2)前記合金層がCo又はFeをさらに含んでいてもよい。
また、上記した(1)又は(2)に記載のアルカリ二次電池用表面処理板においては、(3)前記第1領域が前記金属層中における最表面に位置していてもよい。
また、上記した(1)又は(2)に記載のアルカリ二次電池用表面処理板においては、(4)前記金属層において、前記第1領域より表面側に、NiとZnの合計量に対するNiの割合が0〜60%未満である第2領域がさらに含まれていてもよい。
また、上記した(4)に記載のアルカリ二次電池用表面処理板においては、(5)前記第2領域の厚さが0.0μm超〜4.0μm以下であることが好ましい。
また、上記した(1)〜(5)のいずれかに記載のアルカリ二次電池用表面処理板においては、(6)前記基材と前記第1領域との間に、NiとZnの合計量に対するNiの割合が85%超〜100%である第3領域がさらに含まれることが好ましい。
また、上記した(6)に記載のアルカリ二次電池用表面処理板においては、(7)前記第3領域の厚さが0.2μm〜5.0μmであることが好ましい。
本発明の一実施形態にかかるアルカリ二次電池は、(8)上記(1)〜(7)のいずれかに記載のアルカリ二次電池用表面処理板を用いたアルカリ二次電池であることを特徴とする。
また、本発明の一実施形態にかかるアルカリ二次電池用表面処理板の製造方法は、(9)基材の少なくとも片面上に電解めっきによりNiめっき層を形成するNiめっき層形成工程と、前記Niめっき層上に電解めっきによりZnめっき層を形成するZnめっき層形成工程と、前記Niめっき層及び前記Znめっき層に対して熱処理を行う熱処理工程と、を有し、前記熱処理工程が、Ni及びZnを熱拡散させて合金層を形成する合金層形成工程と、NiとZnの合計量に対するNiの割合が60%〜85%である第1領域を0.15μm以上の厚さで前記合金層中に形成する、第1領域形成工程と、を含むことを特徴とする。
上記した(9)に記載のアルカリ二次電池用表面処理板の製造方法においては、(10)前記Znめっき層におけるZn付着量が0.5g/m〜22.0g/mであることが好ましい。
上記した(9)又は(10)に記載のアルカリ二次電池用表面処理板の製造方法においては、(11)前記Niめっき層におけるNi付着量が1.7g/m〜45.0g/mであることが好ましい。
本発明によれば、電池充放電時におけるガス発生抑制と、電解液への溶解の抑制を高度に両立させることが可能となる。
本実施形態にかかるアルカリ二次電池用表面処理板を模式的に示した断面図である。 本実施形態にかかるアルカリ二次電池用表面処理板を模式的に示した断面図である。 本実施形態にかかるアルカリ二次電池用表面処理板を模式的に示した断面図である。 本実施形態にかかるアルカリ二次電池用表面処理板を模式的に示した断面図である。 本実施形態にかかるアルカリ二次電池用表面処理板を模式的に示した断面図である。 本実施形態にかかるアルカリ二次電池用表面処理板を使用した電池を模式的に示した図である。 グロー放電発光表面分析(GDS)において、調整用サンプルのNi及びZnの強度補正データを示す図である。 本実施形態の一例において、第1領域の厚みを求めるためのグラフである。
<アルカリ二次電池用表面処理板>
≪第1実施形態≫
以下、本発明を実施するための実施形態について説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
なお、本発明のアルカリ二次電池用表面処理板は、アルカリ二次電池の集電体、タブ・リードや外装に好適に用いられ、さらには、アルカリ二次電池の負極の集電体材料として好適に用いられる。
図1は、本実施形態に係るアルカリ二次電池用表面処理板100を模式的に示した断面図である。
図1に示すように、本実施形態に係るアルカリ二次電池用表面処理板100は、基材10と、基材10の少なくとも片面に形成される金属層20を有する。
ここで金属層20は、Ni及びZnを有する合金層20Mを含む。さらに、合金層20M中には、NiとZnの合計量に対するNiの割合が60〜85%である第1領域20Aを、合金層20Mの厚み方向に一定の厚さで含むことを特徴とする。以下、各構成要素について詳細に説明する。
本実施形態における基材10としては、表面処理板の基材として一般的に用いられる金属板を適用することができる。なお本実施形態において金属板としては、一般的に「金属箔」と称される厚みのものも含むこととする。
例えば、鋼板、アルミニウム板、アルミニウム合金板、銅板、銅合金板、鉄板、鉄合金板、ステンレス鋼板、ニッケル板、ニッケル合金板などをあげることができる。なお、これらの基材には公知の表面処理がなされていてもよい。
上記の基材の中でも、コスト、機械特性、調達性、めっき処理のしやすさの観点から鋼板が好ましく用いられる。また、より耐食性を求める場合にはステンレス鋼板、ニッケル板、ニッケル合金板が好ましく用いられる。
鋼板の種類としては具体的には、低炭素アルミキルド鋼(炭素量0.01〜0.15重量%)、炭素量が0.01重量%未満の極低炭素鋼、または極低炭素鋼にTiやNbなどを添加してなる非時効性極低炭素鋼が好適に用いられる。
本実施形態における基材10の厚さとしては、特に限定はされず、用いる部材に適した厚みであればよく、0.01〜2.0mmの範囲が好適である。タブ・リード部材や集電体として用いる場合は、強度の観点、及び、望まれる電池容量の観点、等より、より好ましくは0.025〜0.8mm、さらに好ましくは0.025〜0.3mmである。
なお、基材10まで含めて積層電解箔として製造してもよい。
次に、基材10の少なくとも片面に形成される金属層20と合金層20Mについて説明する。本実施形態においては図1に示されるように、金属層20中は、Ni及びZnを有する合金層20Mを含む。
なお図1に示されるように、本実施形態においては、金属層20に含まれるが、合金層20Mには含まれない領域(合金化されていない金属の領域)が存在していてもよい。すなわち、金属層20中には、Ni層やZn層が存在していてもよい。
そして合金層20Mは具体的には、NiとZnが含まれる合金層である。この合金層が実質的にNiおよびZnのみからなる場合、Ni−Zn合金層となる。
また、本実施形態において合金層20M中のNi−Zn合金の組成としては、固溶体、共析・共晶、化合物(金属間化合物)のいずれであってもよいし、それらが共存していてもよい。
本実施形態において合金層20M中に含まれる金属元素としては、上記したNiとZnに制限されず、本発明の課題を解決し得る限り、他の金属元素を含んでいてもよい。例えば、合金層20M中には、Co、Fe、Mo等の金属元素が含まれていてもよい。なお、合金層20M中のNiとZn以外の金属元素の割合は20wt%以下が好ましく、より好ましくは5wt%以下が好ましく、さらに好ましくは1wt%以下、特に好ましくは0.5wt%以下が好ましい。
本実施形態における合金層20Mの形成方法としては、めっきまたはめっきおよび熱処理による方法が好ましく、めっきとしては、例えば電解めっき、無電解めっき、溶融めっき、乾式めっき等の方法が挙げられる。このうち、コストや膜厚制御等の観点より特に電解めっきによる方法が好ましい。
例えば、基材10の少なくとも片面に、電解めっき等の方法により順次Niめっき層及びZnめっき層を形成し、その後熱拡散処理等によりNi及びZnを拡散させて合金化する方法等が挙げられる。
この場合、図1に示されるように、金属層20の全域が合金化される必要はなく、金属層20における厚み方向の一部分に合金層20Mが形成され、さらにその一部に第1領域20Aが形成されていればよい。すなわち、Niめっき層中におけるNiや、Znめっき層中におけるZnは、一部合金化されずにNi層又はZn層として残存していてもよい。
上記Niめっき層は、純Niめっき層であってもよいし、Co、Fe、W、Mo、P、Bを含むNiを主とするNi合金めっき層(Ni−Co合金めっきやNi−Fe合金めっき等)であってもよい。Ni合金めっき層の場合には、Co、Feを含有する場合はコストやアルカリ電解液への耐食性の観点から、蛍光X線分析法にて求めたNi付着量の重量割合が全金属元素の付着量に対して50wt%以上が好ましく、より好ましくは60wt%以上である。W、Mo、P、Bを含有する場合は生産性の観点から、蛍光X線分析法にて求めたNi付着量の重量割合が全金属元素の付着量に対して90wt%以上であることが好ましく、より好ましくは95wt%以上、さらに好ましくは98wt%以上である。また、C、Sなどの有機物を含んでいてもよく、これらの重量割合は0〜0.5%が好ましい。
同様にZnめっき層は、純Znめっき層であってもよいし、Zn以外にCo、Mo等の金属またはその化合物を含むZnを主とするめっき層(合金めっきや複合めっきなど)であってもよい。Zn以外の金属元素を含むめっき層の場合には、蛍光X線分析法にて求めたZn付着量の重量割合が全金属元素の付着量に対して95wt%以上であることが好ましく、より好ましくは98wt%以上、さらに好ましくは99wt%以上である。また、C、Sなどの有機物を含んでいてもよく、これらの重量割合は0〜0.5%が好ましい。
あるいは合金層20Mは、Ni−Zn二元合金めっき、Ni−Zn系合金めっき(例えば、Ni−Zn−Co合金めっき)等によりを形成してもよく、この場合は熱拡散処理工程を施してもよいが、施さなくてもよい。
なお、これらの金属層20及び合金層20Mの製造方法について、詳細は後述する。
本実施形態における合金層20M中においては、NiとZnの合計量に対するNiの割合が60〜85%である第1領域20Aを含むこと、且つ、前記第1領域20Aの厚さが0.15μm以上であること、を特徴とする。
これらの構成を有することにより、本発明の課題である、ガス発生の抑制、及び耐電解液性を両立させることが可能となる。
本発明の上記構成は、以下の理由によるものである。
すなわち上述したように、アルカリ二次電池の実用化への課題の一つとして、水素ガス発生の問題がある。水素ガスは例えば、電池の内部において異種金属間で局部電池が形成されることに起因して、電池反応以外の化学反応(自己放電)が起こる条件において、水素ガス発生の反応条件が満たされた場合に生じる。例えばニッケル亜鉛電池においては、充電時には亜鉛または酸化亜鉛の状態で亜鉛が析出し、放電時には当該亜鉛が溶解するが、亜鉛は水系電池に使用される金属の中でも電位が最も低い金属の一つであるため、電池に使用される他の金属との間で局部電池状態となったときの放電量が多く、水素ガス発生条件を満たしやすい。
水素ガス発生が多く生じた場合、電池性能の低下や、漏液の問題に繋がる。具体的には、自己放電により水素ガス発生が起こった場合には、電池反応に寄与すべき電子が水素ガス発生により消費されてしまうため電池性能の低下につながる。そして、水素ガスの生成量が多くなるほど、電池性能としてはより低下してしまう。また、漏液は内圧上昇に起因して生じるおそれがあり、安全性の低下につながる。なお、ここでいう自己放電とは、充電・放電時の副反応(水素ガス発生プロセスを含む化学反応)および、充放電時以外、つまり自然放置状態で起こる化学反応の両方を含む。
このような電池性能の低下や漏液の問題を回避するため、水素ガス発生量は極力抑制する必要がある(必要特性A:ガス発生抑制)。特に集電体材料は、その表面に、電解液中の亜鉛等が析出し直接接触することとなるため水素ガスがより発生しやすい部材であり、また自己放電が起こりやすい部材である。
このようなガス発生は、水素過電圧の高い材料を適用することにより解決され、水素過電圧の高い材料として亜鉛や、銅−錫合金が知られている。
一方で、電池用部材はアルカリ電解液への耐性が必要とされ(必要特性B:耐電解液性)、特に集電体材料は直接電解液に接触するため高い耐電解液性が必須となるが、集電体材料として亜鉛を用いた場合にはアルカリ電解液への耐性が低く、銅−錫合金を用いたとしても、電解液中の水酸化カリウムの濃度が20wt%以上の電解液においてはアルカリ電解液への耐食性が不十分で集電体部材そのものが溶解してしまうという問題があることが分かった。
耐アルカリ性に優れる金属材料として、ニッケルがあるが、上述したように、二次電池においては負極集電体からの水素ガス発生の問題(必要特性A:ガス発生抑制)を解決する必要があるところ、集電体材料としてのニッケルは水素過電圧が低く、水素ガス発生の問題を実用化に十分なレベルでは解決できない。
上記のような問題に鑑みて本発明者らは試行錯誤して実験を行った。その結果、ニッケル亜鉛電池の負極集電体の材料として、基材である金属板に合金層を形成すると共に、その合金層中にNiとZnの合計量に対するNiの割合が60〜85%である領域(本実施形態における第1領域20A)を一定の厚さで形成することにより、上記AおよびBの課題を、実用化に適したレベルで同時に解決できることを見出し、本発明に至ったものである。
ここでまず、本発明者らが見出した、第1領域20A中のNiとZnの合計量に対するNiの割合の下限を60%、上限を85%とすべき理由を述べる。
試行錯誤の実験の結果、Niの割合が60%未満である状態では、ガス発生は抑制できるがアルカリ電解液への耐性が低下し、基材上の合金層が溶解することが分かった。合金層が溶解した結果、合金層の下層や基材に電解液が到達してしまい、基材が鋼板などの場合には基材が溶解するおそれがある。
また、下層や基材がニッケルやSUS鋼板などの場合には、基材は溶解しないものの、水素ガス発生が生じるおそれや電池性能への悪影響を及ぼすおそれがある。そのため基材上にはNiの割合が60%以上であり、アルカリ電解液へ溶解しない領域を含む合金層が必須であることを見出した。
一方で、NiとZnの合計量に対するNiの割合が85%を超える状態においては、アルカリ電解液への耐性はあるが水素ガス発生量が著しく多くなることが分かった。したがって、二次電池集電体として使用した場合に最表面が85%を超えた状態となるとガス発生の問題を解決できない可能性があり、実用化に際して好ましくない。
以上の理由により、電解液耐性およびガス発生抑制の両立を可能とするためにはNiの割合が60〜85%の第1領域20Aを有する必要があることを見出したものである。
次に、上記特定の割合の第1領域20Aの厚みについては、本実施形態において前記第1領域20Aの厚さが0.15μm未満である場合には、本実施形態における表面処理板をアルカリ二次電池用部材として用いた場合、電解液に対する耐性として実用化可能なレベルを得ることができず、また、第1領域が最表面となった際の水素ガス発生抑制効果も得られないおそれがあるため、好ましくない。したがって第1領域は0.15μm以上とする必要がある。
好ましくは0.15μm〜5.0μmであり、より安定的な効果を得るためには下限は好ましくは0.2μm以上である。上限については特に限界はないが、第1領域を厚くするためには、亜鉛めっきの付着量を増やす、熱処理条件の温度を高くするまたは時間を長くするなどの必要があり、後述する亜鉛蒸散抑制の観点から5μm以下が好ましい。
より好ましくは0.2〜3.0μmであり、さらに好ましくは0.2〜2.0μmである。
なお、本実施形態(第1領域20Aを有する場合)においては、さらに以下の特筆すべき効果を有する。
本実施形態に示すように第1領域20Aを有する場合は、電解液からの亜鉛の析出を均一に析出させることが可能であり、また、析出した亜鉛の密着性も良い。
すなわち具体的には、本実施形態においては、ガス発生が抑制可能であり、そのため、電極板表面において反応ムラが少ないため、亜鉛を電極表面全体に均一に析出させることが可能である。
電極板表面においてガスが発生した場合、ガスが発生している箇所では析出反応が起こりにくくなる(反応ムラ)。電極板の表面で亜鉛が析出している箇所と析出していない箇所が生じると、その箇所で局部電池となり自己放電が生じ、結果、電池性能の低下につながる可能性があるため好ましくない。また、亜鉛が析出しやすい箇所としにくい箇所とが生じると、亜鉛が析出した箇所に優先的に析出し続けてデンドライトを形成しやすくなる。デンドライトが形成されると、電極間の短絡やデンドライトの脱落による電池性能の低下につながるため好ましくない。
本実施形態によれば上記のような問題点を解決することができ、電池性能を向上させることが可能となる。
なお本実施形態においては、図1に示されるように、第1領域20Aは合金層20Mの全域でなくても問題ない。すなわち、合金層20Mの厚さ方向の一部に第1領域20Aが形成されていれば問題ない。また、第1領域内のNiの割合は60〜85%の範囲内であれば領域の厚み方向に均一な割合である必要はなく、拡散で形成される場合のように組成が傾斜していてもよい。
なお、第1領域20Aと基材10の間にはNiの割合が多い領域が存在していてもよいが、詳細は後述する。また、ニッケル亜鉛電池など、Znが電解液に含まれる場合の集電体用途で表面の亜鉛が溶解してもよい場合や、犠牲防食が必要な場合などは、第1領域20Aの表面(電解液に近い側)には、Niの割合が少ない領域が含まれていてもよいが、詳細は後述する。なお、表面処理板から亜鉛が溶解しない方が好ましい場合には、第1領域20Aが表面処理板100の最表面に位置することが好ましい。
なお本実施形態において、合金層20M中におけるNiとZnの合計量に対するNiの割合を得る方法としては、GDS(グロー放電発光表面分析法)を用いることができる。GDSはめっきや熱処理などの各種表面処理が施された試料の深さ方向元素分析を行う分析手法であり、スパッタリングによる破壊分析である。同様に、スパッタリングを併用して深さ方向元素分析(Depth profile)が可能な分析機器としては、AES(Auger electron spectroscopy)やESCA(Electron Spectroscopy for Chemical Analysis)も同様に適用可能であるが、エッチング深さの観点から、GDSが好ましい。
GDSを用いてNi割合を得る方法としては、例えば、以下のような方法により行うことが可能であるが、以下に限定されるものではない。
まず、付着量が分かっている純Niめっき層と純Znめっき層を用いて、GDSによるスパッタリング深さとスパッタリング時間との関係(エッチングレート(μm/秒))を求める。次に、合金層においてNiとZnの合計量に対するNiの割合が50%の場合のエッチングレートを、先ほど求めた純Niめっき層のエッチングレートと、純Znめっき層のエッチングレートの平均値として求め、このエッチングレートを、第1領域のエッチングレートとする。合金層の表面から表面処理鋼板の深さ方向に向かってスパッタリングし、Niの割合が60〜85%の合金層範囲のエッチング時間より、その領域の厚さを算
出することができる。
すなわち、得られた測定結果におけるNi、Zn等の強度は、当業者が通常行う方法により係数補正を行うことが可能である。補正後のデータのNi、Zn等の最大強度の例えば1/10となる点を各領域の境界点と定め、Zn層の深さのスパッタリング時間、及びNi層の深さのスパッタリング時間を得ることができる。そして例えば、Ni割合が60%〜85%のスパッタリング時間の範囲(単位:秒)から、Ni割合が60%〜85%の厚さ(単位:μm)を算出することが可能となる。
なお本実施形態においては、上記のようにして前記第1領域の厚さを求めることができるが、後述する第2領域の厚さを求める際のエッチングレートは純Znめっき層のエッチングレートと同じとし、第3領域の厚さを求める際のエッチングレートは純Niめっき層のエッチングレートと同じとすることで、同様にして第2領域及び第3領域の厚さを求めることも可能である。
なお図2に示されるように、本実施形態におけるアルカリ二次電池用表面処理板100は、第1領域20Aが金属層20の最表面に位置していてもよい。なおここで最表面とは、表面処理板100において基材10から最も遠い表面と定義するものとする。すなわち例えば本実施形態におけるアルカリ二次電池用表面処理板を集電体として用いるときは、電解液に接触する位置を最表面とする。
本実施形態において第1領域20Aは、上述するようにアルカリ電解液に対する好ましい耐性を有しているため、電極(集電体)材料の溶解を回避することができる。また、本実施形態において第1領域20Aは上述したようなガス発生抑制の特性も兼ね備えている。
その結果、本実施形態の表面処理板を二次電池に使用した場合には、充放電サイクルを繰り返しても好ましい電池性能を維持することが可能となる。
なお、本実施形態の表面処理板を、両面に電解液が接触する電池構成の集電体用として用いる場合には、表面処理板の両面に第1領域を所定の厚さで有することが好ましい。
≪第2実施形態≫
次に、本発明を実施するための第2実施形態について説明する。なお、上述した第1実施形態と共通する箇所については説明を省略し、主として相違する点について説明する。
本実施形態におけるアルカリ二次電池用表面処理板は、図3に示すように、第1領域20Aの上層(基材10から遠い側)に、第1領域20AよりもNi割合が低い領域(第2領域20B)が存在する。そしてこの第2領域20Bは、NiとZnの合計量に対するNiの割合が0〜60%未満であることが好ましい。
すなわち上述したように、本実施形態において合金層20Mは電解めっきによるNiめっき層及びZnめっき層の形成、及びその後の熱拡散処理により形成し得る。その場合、熱拡散処理の時間や温度によって、NiのZnめっき層への拡散の深さが異なる。
ここで第2領域20Bは第1領域20AよりもNi割合が低いため、アルカリ電解液に対する耐性は低い。よって、実際の電池に実装した場合には、この第2領域20Bは電解液により溶解する可能性が高い。
しかしながら、本実施形態では合金層20M中にNiの割合が60〜85%である第1領域20Aが存在するため、第2領域20Bは電解液で溶解したとしても、第1領域20Aにより電極(集電体)全体としては、充分な耐電解液性を保持することが可能である。
したがって本実施形態のように、合金層20Mの製造条件により、第1領域20Aよりも電解液に近い表面にNi割合が低い第2領域20Bが存在したとしても、実用化に際しては差し支えない。そしてNi割合が低く、Zn割合が高い第2領域20Bを表面側に有することにより、耐塩害性に優れ、一次防錆機能に優れた表面処理板を得ることができる。
なお本実施形態において、第2領域20Bの厚さは0.0μm超〜4.0μm以下であることが好ましい。一次防錆向上の観点からは0.06μm超〜4.0μm以下が好ましい。
なお第2領域20Bが厚すぎると、溶解可能な亜鉛が多くなりすぎることによる電池性能の不安定性やガス発生に繋がるおそれがあるため4.0μm以下が好ましい。また、厚めの第2領域を形成するためにZnめっきの厚みを厚くした場合、第1領域20Aを形成する際の熱処理の温度条件によっては、Znの蒸散量が多くなり、熱処理装置の汚染につながるおそれがある。溶解量を抑制するという観点からは、より好ましくは0.0μm超〜0.3μm以下、また、犠牲防食による一次防錆向上、および、蒸散量抑制の、2つの効果の両立の観点からはより好ましくは0.3μm超〜3.0μm以下であり、さらに好ましくは0.3μm超〜1.5μm以下であり、特に好ましくは0.3μm超〜1.1μm以下である。
なお、本実施形態の場合、第2領域20Bの最表層は、図3(a)に示すように、合金層20Mの最表層と一致していなくともよいし、図3(b)に示すように、合金層20Mの最表層と一致していてもよい。
≪第3実施形態≫
次に、本発明を実施するための第3実施形態について説明する。なお、上述した第1実施形態と共通する箇所については説明を省略し、主として相違する点について説明する。
本実施形態におけるアルカリ二次電池用表面処理板は、図4(a)に示すように、基材10と第1領域20Aとの間に、NiとZnの合計量に対するNiの割合が85%超〜100%である第3領域20Cがさらに含まれる。
本実施形態のように、基材10と第1領域20Aとの間にNiの割合が高い領域を形成することによる効果は以下のとおりである。
すなわち、NiとZnの合計量に対するNiの割合が85%を超える第3領域20Cの場合、上述したようにアルカリ電解液の耐性が高いため好ましい。また、Niの割合が高い場合、一般的にいえばガス発生抑制の観点からは好ましくないが、本実施形態においては、第3領域20Cの上(電解液に近い側)にガス発生抑制の効果を有する第1領域20Aが存在する。そのため本実施形態の表面処理鋼板は、ガス発生抑制の観点からも、実用化に際して問題はないといえる。
なお、第3領域20Cの厚さは0.2μm〜5.0μmであることが、耐電解液性の観点からは好ましい。一方で第3領域20Cが5.0μmを超えた場合、耐電解液性の効果は飽和しコスト的に不利になるため、また、限られた電池内部のスペースの占有割合が多くなる結果、全体の電池特性が低下するおそれがあるため好ましくない。
耐電解液性をより向上させるという観点で、より好ましくは0.5μm〜5.0μmであり、さらに好ましくは0.8μm〜5.0μmである。
なお、本実施形態の場合、第3領域20Cの最下層(最も基材10に近い側)は、図4(a)に示すように、合金層20Mの最下層と一致していなくともよいし、図4(b)に示すように、合金層20Mの最下層と一致していてもよい。
≪第4実施形態≫
本実施形態におけるアルカリ二次電池用表面処理板は、図5(a)に示すように、基材10の少なくとも片面に金属層20が存在し、金属層20中において、基材10から順に、第3領域20C、第1領域20A、第2領域20Bが存在していてもよい。なおこの場合は上述のように、第2領域20Bは電池に実装されてアルカリ性の電解液に接触した場合には溶解する可能性が高いが、その場合でも第1領域20Aが耐電解液性を有するため、集電体全体の溶解は回避可能である。
本実施形態において、図5(a)に示すように金属層20と合金層20Mが一致していてもよいし、図5(b)に示すように、金属層20の厚みよりも合金層20Mの厚みが小さい形態であってもよい。
図5に示した形態の場合は上述のように、第2領域20Bは電池に実装されてアルカリ性の電解液に接触した場合には溶解する可能性が高い。その場合でも第1領域20Aが耐電解液性を有するため、集電体全体の溶解は回避可能である。また、第2領域20Bの存在により、耐塩害性に優れ、一次防錆機能に優れた表面処理板を実現することができる。
<アルカリ二次電池>
次に、本発明におけるアルカリ二次電池の一例として、図6及び以下の実施形態を用いて説明する。
本実施形態のアルカリ二次電池BAは、例えばニッケル亜鉛電池等を挙げることができ、正極PE、負極NE、及び電解質EL(電解液ES含む)を含む。正極PEとしては、ニッケルや水酸化ニッケルを挙げることができる。電解液ESはアルカリ性であり、電解液ES中に含まれる負極活物質としては酸化亜鉛や亜鉛が好ましい。そして例えば図6に示すような構成、負極NEの集電体材料として、本発明におけるアルカリ二次電池用表面処理板を用いることを特徴とするが、セパレータを適用するなど電池構成はこれに限定されない。
なお、正極PE、電解液ESの詳細や、アルカリ二次電池BAの全体構造等については、公知の構成を適宜適用することが可能であるため、詳細な説明は省略する。
本実施形態のアルカリ二次電池BAは、本発明におけるアルカリ二次電池用表面処理板を負極の集電体材料として用いる。そのため、耐電解液性および充放電時のガス発生抑制を実用可能レベルで両立でき好ましく、さらに亜鉛の析出均一性、析出亜鉛の電極への密着性をも両立できる。また、本発明におけるアルカリ二次電池用表面処理板は耐電解液性に優れるため、集電体だけでなく、タブ・リードや電池外装などの電池部材としても適用可能である。
<アルカリ二次電池用表面処理板の製造方法>
次に、本発明におけるアルカリ二次電池用表面処理板の製造方法について、以下の実施形態により説明する。しかしながら本発明のアルカリ二次電池用表面処理板の製造方法は、下記の実施形態に制限されるものではない。
本実施形態におけるアルカリ二次電池用表面処理板の製造方法は、(1)基材10の少なくとも片面上に電解めっきによりNiめっき層を形成するNiめっき層形成工程と、(2)前記Niめっき層上に電解めっきによりZnめっき層を形成するZnめっき層形成工程と、を含む。
なお本実施形態におけるアルカリ二次電池用表面処理板の製造方法において、Niめっき層とZnめっき層は、基材10の両面にそれぞれ形成されてもよい。
なおここで、Niめっき層は純Niめっき層であってもよいし、Co、Fe、W、Mo、P、Bを含むNiを主とするNi合金めっき層(Ni−Co合金めっきやNi−Fe合金めっき等)であってもよい。なお、Niめっき層については上述したアルカリ二次電池用表面処理板における記載と同様であり、ここでは詳細は省略する。
また同様にZnめっき層は、純Znめっき層であってもよいし、Zn以外にCo、Mo等の金属またはその化合物を含むZnを主とするめっき層(合金めっきや複合めっきなど)であってもよい。なお、Znめっき層についても上述したアルカリ二次電池用表面処理板における記載と同様であり、ここでは詳細は省略する。
本実施形態の製造方法において、電解めっきによるNiめっき層形成やZnめっき層形成の際のめっき条件等は、公知の条件を適用することができる。以下に、公知のNiめっきやZnめっきの条件の例を示す。
[Niめっき浴及びめっき条件の一例]
浴組成:公知のワット浴
硫酸ニッケル六水和物:200〜300g/L
塩化ニッケル六水和物:20〜60g/L
ほう酸:10〜50g/L
浴温:40〜70℃
pH:3.0〜5.0
撹拌:空気撹拌又は噴流撹拌
電流密度:5〜30A/dm
なお、浴組成については、上記のワット浴の他、公知のスルファミン酸ニッケル浴やクエン酸浴を用いてもよい。また、合金層20M内において第1領域20Aが形成される限りにおいて、さらに公知の光沢剤などの添加物をめっき浴に添加して、光沢ニッケルめっき又は半光沢ニッケルめっきとしてもよい。
[Ni−Co合金めっき浴及びめっき条件の一例]
<ニッケル−コバルト合金めっき>
めっき浴の浴組成:硫酸ニッケル、塩化ニッケル、硫酸コバルトおよびホウ酸を、コバルト/ニッケルのモル比0.1〜1.0で含有
(硫酸ニッケル:10〜300g/L、塩化ニッケル:20〜60g/L、硫酸コバルト:10〜250g/L、ほう酸:10〜40g/Lの範囲で、コバルト/ニッケル比が上記範囲となるように、各成分を適宜調整してなるめっき浴を用いることができる。塩化コバルトを用いてもよい)
pH:1.5〜5.0
浴温:40〜80℃
電流密度:1〜40A/dm
[Znめっき浴及びめっき条件の一例]
硫酸亜鉛七水和物:100〜400g/L
硫酸ナトリウム:10〜100g/L
浴温:30〜70℃
pH:0.5〜5.0
撹拌:空気撹拌又は噴流撹拌
電流密度:10〜60A/dm
上記のように、Znめっきに用いるめっき浴としては、Znイオンの供給源として硫酸塩を用い、これにめっき液の導電性を高めるため硫酸アンモニウム、硫酸などの導電補助塩を適宜添加した浴を用いることができる。さらに公知の光沢剤などの添加物をめっき浴に添加して、光沢Znめっき又は半光沢Znめっきとしてもよい。
[Zn−Co合金めっき浴及びめっき条件の一例]
硫酸亜鉛七水和物 :100〜400g/L
硫酸コバルト七水和物: 10〜100g/L
硫酸アンモニウム : 0〜100g/L
硫酸ナトリウム : 0〜100g/L
浴温 :30〜60℃
pH :0.5〜5.0
撹拌 :空気撹拌又は噴流撹拌
電流密度 :10〜60A/dm
なお本実施形態において、Znめっきにより形成させるZn層におけるZn付着量は、0.5g/m〜22.0g/mであることが好ましい。
付着量が22.0g/mを超える場合には、電解めっきの操業性が低下するためコストが大幅に増大する観点、あるいは後の熱処理工程によりZnが蒸散し、製造ラインが汚染される可能性がある観点から好ましくない。付着量の上限は、より好ましくは11.0g/m以下であり、さらに好ましくは5.5g/m以下である。
一方で付着量が0.5g/m未満である場合には、その後の熱処理工程によっても充分な拡散層が得られず第1領域20Aが形成されないあるいは十分な厚みが得られない可能性があり、その結果、ガス発生抑制効果が得られない可能性があるため好ましくない。付着量の下限は、より好ましくは0.8g/m以上であり、さらに好ましくは1.0g/m以上であり、特に好ましくは1.3g/m以上である。
また本実施形態において、Niめっきにより鋼板上に形成させるNiめっき層におけるNi付着量は、1.7g/m〜45.0g/mであることが好ましい。付着量が45.0g/mを超える場合には、電解めっきの操業性が低下するためコストが大幅に増大する。一方で付着量が1.7g/m未満である場合には、拡散層における充分な耐電解液性が得られない可能性があるため好ましくない。
コスト、耐電解液性の観点で、より好ましくは3.4g/m〜27.0g/mであり、さらに好ましくは5.1g/m〜22.5g/mである。
本実施形態の製造方法においては、上記(1)(2)の工程に加えて、さらにNiめっき層及びZnめっき層に対して熱処理を行う(3)熱処理工程を経ることにより、基材10の少なくとも片面にNi及びZnを含む合金層20Mを形成することが可能である。
そして上記の熱処理工程において、熱処理の温度と時間を所定の条件とすることにより、上記の合金層20Mの形成と同時に、合金層20M中に、NiとZnの合計量に対するNiの割合が60%〜85%であり厚さが0.15μm以上の第1領域20Aを形成することが可能となる。
すなわち、本実施形態においては、(3)熱処理工程の中に、(3−1)Ni及びZnを熱拡散させて合金層を形成する合金層形成工程と、(3−2)NiとZnの合計量に対するNiの割合が60%〜85%であり厚さが0.15μm以上の第1領域を、前記合金層中に形成する、第1領域形成工程と、を含む。
本実施形態における熱処理工程の条件としては、以下のような条件を挙げることができる。すなわち本実施形態の熱処理は、連続焼鈍でもよいしバッチ焼鈍(箱型焼鈍)であってもよい。
連続焼鈍処理の場合、低温連続焼鈍の場合は、温度は250℃〜400℃で、3秒〜300秒あるいは、高温連続焼鈍の場合は400℃超え、800℃以下で1秒〜60秒の範囲内で行うことが好ましい。これより低温又は短時間の場合、充分な合金層20M又は第1領域20Aを得られない可能性があり好ましくない。
一方で、高温連続焼鈍の上記熱処理範囲より高温又は長時間の場合、目的とする第1領域20Aが得られないこと、合金層20M中のZnが蒸散してしまい熱処理ラインが汚染される可能性があること、あるいはコスト的な観点から、好ましくない。
バッチ焼鈍(箱型焼鈍)の場合、均熱工程の条件は、温度は250℃〜450℃の範囲で、1〜15時間の範囲内で行うことが好ましい。これより低温又は短時間の場合、充分な合金層20M又は第1領域20Aを得られない可能性があり好ましくない。
一方で、上記熱処理範囲より高温又は長時間の場合、目的とする第1領域20Aが得られないこと、合金層20M中のZnが蒸散してしまい熱処理ラインが汚染される可能性があること、あるいはコスト的な観点から、好ましくない。なお、昇温工程および冷却工程を含めたトータルの熱処理時間は、5〜90時間が好ましい。
なお本実施形態においては、上記(3−1)の工程と(3−2)の工程とは、実質的に同時に行われるものであるが、これに制限されるものではなく、別々に行われるものであってもよい。
なお、実施形態1〜4に記載の表面処理板の金属層中におけるZnの付着量は、上述のZnめっき付着量に基づき、0.5g/m〜22.0g/mが好ましい。上限値はより好ましくは11.0g/m以下であり、さらに好ましくは5.0g/m以下である。なお、Znめっき後の熱処理によってZnが蒸散することでZnめっき付着量に対しZn付着量が減少することがあるが、その減少率は30%以内であることが好ましく、より好ましくは25%以内、さらに好ましくは18%以内が好ましく、特に10%以内であれば、ほぼ蒸散していないとみなせる。また、実施形態1〜4に記載の表面処理板の金属層中におけるNiの付着量は、上述のNiめっき付着量に基づき、1.7g/m〜45.0g/mが好ましい。
本実施形態の製造方法によれば、例えばアルカリ二次電池の負極の集電体材料として好適に用いられる表面処理板を製造することができる。得られた表面処理板は、合金層20M中にNiとZnの合計量に対するNiの割合が60〜85%である第1領域20Aを有する。そのため、例えばニッケル亜鉛電池の二次電池で求められるガス発生抑制と耐電解液性とを両立することが可能となる。
≪実施例≫
以下に、実施例を挙げて本発明について、より具体的に説明する。
<実施例1>
[表面処理板の製造]
まず基材10として下記に示す化学組成を有する低炭素アルミキルド鋼の冷間圧延板(厚さ250μm)を準備した。
C:0.04重量%、Mn:0.32重量%、Si:0.01重量%、P:0.012重量%、S:0.014重量%、残部:Feおよび不可避的不純物
次に、準備した基材について、電解脱脂、硫酸浸漬の酸洗を行った後、下記条件にてNiめっきを行ってNi付着量30.81g/mのNiめっき層を形成した。Niめっき層における厚さは、3.46μmとした。
なお、Niめっきの条件は、以下の通りとした。
(Niめっきの条件)
浴組成:ワット浴
硫酸ニッケル六水和物:250g/L
塩化ニッケル六水和物:45g/L
ほう酸:30g/L
浴温:60℃
pH:4.0〜5.0
撹拌:空気撹拌又は噴流撹拌
電流密度:10A/dm
Niめっき層が形成された基材に対し、次いでZnめっきを行ってZn付着量2.25g/mのZnめっき層を形成した。Znめっき層における厚さは、0.32μmとした。
なお、Znめっきの条件は、以下の通りとした。
(Znめっきの条件)
浴組成 硫酸亜鉛七水和物:220g/L
硫酸ナトリウム:50g/L
浴温 :40℃
pH:1.0〜2.0
撹拌:空気撹拌又は噴流撹拌
電流密度 :10 A/dm
(蛍光X線(XRF)測定)
得られたNiめっき層とZnめっき層の付着量を蛍光X線(XRF)測定により得た。蛍光X線装置は、リガク社製、ZSX100eを用いた。また、蛍光X線測定においては表面処理板の表面処理層に含まれる金属元素の検量線法による定量が可能であり、実施例8、12、13、14においてはCoがZnに対して0.1〜5wt%の割合で含有されていることを確認した。
次いで、上記で形成したNiめっき層及びZnめっき層を有する鋼板に対して、連続焼鈍により、熱処理温度250℃、熱処理時間25秒、還元雰囲気の条件で熱処理を行った。この熱処理により、Ni及びZnを含む合金層を片面に有する表面処理板を得た。その結果を表2に示す。なお、耐電解液性試験および腐食電流密度測定試験の際には、評価面以外はマスキングを行ったため試験結果には影響ない。
[測定・評価]
得られた表面処理鋼板に対して、NiとZnの合計量に対するNiの割合が60%〜85%である領域の有無、及びその厚さをグロー放電発光表面分析(GDS)により得た。
また、表面処理板をアルカリ溶液中に浸漬させた上で電気化学測定システムを用いて通電させることで反応させ、反応前後の表面処理板の表面におけるNi及びZnの割合を走査型オージェ電子分光分析(AES)により得て、耐電解液性について評価した。
さらに、腐食電流測定を測定することにより、ガス発生抑制効果の有無について評価した。各々の測定・評価は以下のように行った。
[グロー放電発光表面分析(GDS)]
表面処理鋼板の合金層における、NiとZnの合計量に対するNiの割合が60%〜85%である領域(第1領域)の有無、及びその厚さの測定は、グロー放電発光表面分析(GDS)によって行った。
同様に、NiとZnの合計量に対するNiの割合が0%〜60%未満である領域(第2領域)と、NiとZnの合計量に対するNiの割合が85%超〜100%である領域(第3領域)についても、同様に厚さの測定を行った。
なおGDS測定は、下記の条件において実施したものである。
・装置:高周波グロー放電発光分光分析装置(堀場製作所製 GD−Profiler2)
・検出機能:HDDモード
・アノード径:4mm
・励起モード:ノーマル
・光源圧力:600Pa
・光源出力:35W
・検出波長:Ni=352nm、Zn=481nm、Fe=371nm
なお実施例1ではCo及びMoは含まれていなかった。
具体的な厚さの算出方法とは、以下のとおりとした。
まず、上記実施例1と同様のめっき条件および厚さのNiめっき層及びZnめっき層を形成した後、熱拡散前の鋼板(調整用サンプルと称する)に対してサンプル表面において、GDSでスパッタリングでエッチングを行いながら、厚み方向のNi、Zn、Feそれぞれの強度を測定した。
得られたNi、Zn、Feのそれぞれの補正係数をA、B、Cとし、以下の式を満たすように補正係数を算出した。
Max(Ni)×A(Ni)=Max(Zn)×B(Zn)=Max(Fe)×C(Fe)
なお、「Max(Ni)」はNiの最大強度、「Max(Zn)」はZnの最大強度、「Max(Fe)」はFeの最大強度を示す。
また、得られた補正係数をNi、Zn、Feそれぞれの強度に掛けて補正データ(図7参照)を得た。
この補正データのNi、Zn、Feの最大強度の1/10となる点を各領域の境界点と定め、Zn層の深さのスパッタリング時間、及びNi層の深さのスパッタリング時間を得た。すなわち、Znの最大強度の1/10となる点を第2領域と第1領域の境界と定め、また、Feの最大強度の1/10となる点を第1領域と第3領域の境界と定めた。
表2に示す蛍光X線によるNi層とZn層の厚さ実測値(単位:μm)を用い、上記各層をスパッタリング時間で除することによりで、各層のエッチングレート(単位:μm/秒)を以下の表1のように算出した。
また、得られたエッチングレートにより、Ni:Zn=1:1の場合のエッチングレートをNiのエッチングレートとZnのエッチングレートの平均値とし、これをNi−Zn合金のエッチングレートと規定した。
次に、実施例1において得られた熱処理後の表面処理板に対してスパッタリングを行い、合金層20MにおけるNi及びZnの強度を測定した。上記の調整用サンプルで算出した補正係数により、補正データ(図8(a))を得た後、その補正データに基づいて、以下の式を用いて合金層20M中に含まれるNi割合を示すグラフ(図8(b))を得た)。なお、本発明におけるNi割合は、GDSによって測定される強度に対し、上述の補正係数をかけた強度から下記式によって求められる強度比であり、重量パーセント(wt%)および原子パーセント(at%)とは異なる。
Ni割合 = (Ni強度)/{(Ni強度)+(Zn強度)}×100
Ni割合が60%〜85%の範囲(図8(b)参照)より、Ni割合が60%〜85%のスパッタリング時間の範囲(単位:秒、図8(b)参照)を求めた。
上記で得られたNi−Zn合金のエッチングレート(Ni:Zn=1:1)を用いて、Ni割合が60%〜85%のスパッタリング時間の範囲(単位:秒)から、つまり、Ni−Zn合金のエッチングレート(Ni:Zn=1:1)と第1領域のスパッタリング時間とを積算することにより、Ni割合が60%〜85%の厚さ(単位:μm)を算出した。
上記のように得られた、第1領域、第2領域、第3領域の各々の厚さを表2に示す。
なお、第1領域(Ni割合が60〜85%)は、上述のようにNi:Zn=1:1の場合のエッチングレートを用いて算出したが、第2領域(Ni割合が0〜60%未満)は表1におけるZnのエッチングレートを用いて厚さを算出した。
また、第3領域(Ni割合が85%超〜100%)は表1におけるNiのエッチングレートを用いて厚さを算出した。
なお表2において、GDSによる拡散層厚さが「0」となっている欄は、測定上又は算出上「0」となるものを含む。またGDSにより測定不能な極薄の拡散層が形成されている場合をも含む。また、本実験において、GDS測定開始から0.2秒間(強度立ち上がり)の測定結果は、厚さを算出する時間には含めないこととした。この理由としては、ニッケルと亜鉛のエッチングレートの差が大きいことにより初期の立ち上がりが不安定で、ニッケルと亜鉛の割合が正確に測定できていない可能性があるためである。
[腐食電流密度測定によるガス発生抑制評価]
得られた表面処理板について、アルカリ溶液に浸漬した場合の腐食電流密度を測定することにより、ガス発生抑制効果について評価した。
具体的には、析出Znとの局部電池を模す試験として、対極にZn板を用い、アルカリ溶液に浸漬して30秒経過時点での腐食電流密度を測定することにより、ガス発生のしやすさおよびガス発生量の多さの目安とした。
腐食電流密度測定は下記の条件において実施し、30wt%水酸化カリウム溶液での下記試験極と対極間で発生する腐食電流密度(単位mA/cm)を測定した。
・装置:北斗電工製 HZ5000
・試験極:測定サンプル(測定径φ6mm)
・対極:Zn板(20×20mm、厚み0.5mm)
・測定方法:クロノクーロメトリ
この試験において測定される、腐食電流密度が大きいほど、ガス発生しやすく、また、ガス発生量が大きい。つまり、腐食電流密度が小さいほど、ガス発生抑制効果が高い材料であるといえるため、腐食電流密度が10.0以下を○、10.0を超えるものを×とした。
[耐電解液性評価]
次に、得られた表面処理板について、表面処理板表面のNiとZnの割合を、アルカリ溶液(30wt%水酸化カリウム溶液)を用いたアノード反応試験の前後で測定することにより、耐電解液性を評価した。
具体的には、溶解反応が進行しやすい放電時の負極集電板のアノード反応を想定し、放電時のアルカリ溶液中における耐溶解性(耐電解液性)を評価するために、電気化学測定法を用いて通電しアノード反応試験を行った。また、表面処理板のNiとZnの割合は、走査型オージェ電子分光分析(AES)により得た。得られた数値を表2に示す。
ここで、走査型オージェ電子分光分析におけるNiとZnの割合(at%)は、たとえば、次の方法により求めることができる。すなわち、まず、金属層20の表面について、走査型オージェ電子分光分析装置(AES)を用いて10nmエッチング後に測定を行い、金属層20の表面のNiとZnの割合(at%)を算出する。なお、本発明においては、走査型オージェ電子分光分析装置を用いた測定により得られたピークのうち、830〜860eVのピークをNiのピークとし、980〜1010eVのピークをZnのピークとし、Ni,Znの合計を100原子%として、NiおよびZnの割合(at%)を測定する。
アノード反応試験は、下記の条件において実施したものである。
・電気化学測定器:北斗電工製 HZ5000
・試験極:測定サンプル(20mm×20mm)
・対極:Cu板
・参照極:Ag/AgCl(KCl飽和)
・電解液:30wt%水酸化カリウム溶液
・電流密度:50mA/cm
・測定方法:クロノポテンショメトリ
・電気量:21C/cm
腐食電流密度測定の結果およびアルカリ溶液反応前のAESによる表面割合測定の結果から、後述する比較例7のように第1領域を有さず表面のNi割合が85%を超えた場合は腐食電流密度が顕著に大きくなり、ガス発生が生じやすくなると考えられる。
したがって、アルカリ溶液に表面が溶解し表面の組成割合が変わった結果Ni割合が85%を超えてしまうような材料は、初期のガス発生は見られずとも溶解後にガス発生が生じやすくなってしまうため適さないとして、×とした。
以上の結果、実施例1は耐電解液性及びガス発生抑制効果共に優れ、実用可能と判断できた。
<実施例2>
Niめっき層とZnめっき層の付着量、厚さを表2のとおりとし、熱処理の温度と時間を表2のとおりとした以外は実施例1と同様に行った。結果を表2に示した。
<実施例3>
Niめっき層とZnめっき層の付着量、厚さを表2のとおりとし、熱処理の温度と時間を表2のとおりとした以外は実施例1と同様に行った。結果を表2に示した。
<実施例4>
Niめっき層とZnめっき層の付着量、厚さを表2のとおりとし、熱処理の温度と時間を表2のとおりとした以外は実施例1と同様に行った。結果を表2に示した。
<実施例5>
Niめっき層とZnめっき層の付着量、厚さを表2のとおりとし、熱処理の温度と時間を表2のとおりとした以外は実施例1と同様に行った。結果を表2に示した。
<実施例6>
Niめっき層とZnめっき層の付着量、厚さを表2のとおりとし、熱処理の温度と時間を表2のとおりとした以外は実施例1と同様に行った。結果を表2に示した。
[Zn蒸散による減少率]
実施例6と同様の処理条件のサンプルを作成し、サンプル作成工程におけるNiめっき後、Znめっき後かつ熱処理前のサンプル、及び、熱処理後のサンプルにおいて、Zn付着量の測定を行った。測定は、島津製作所社製ICP発光分光分析装置ICPE−9000を用いて求めた。
熱処理前後でのZnの減少率、つまり熱処理前と熱処理後のZn付着量の差の、熱処理前のZn付着量に対する比率を算出したところ、減少率は8%であった。すなわち、Zn付着量の8%が熱処理により蒸散していると判断される。この結果は、Zn蒸散による熱処理ラインの汚染の問題や、コスト的な観点から見て、問題ないと判断できる。
<実施例7>
Niめっき層とZnめっき層の付着量、厚さを表2のとおりとし、熱処理の温度と時間を表2のとおりとした以外は実施例1と同様に行った。結果を表2に示した。
<実施例8>
実施例1のZnめっき層に替えて、Zn−Coめっき層を形成した。めっき条件は下記のとおりとした。
(Zn−Coめっきの条件)
浴組成 硫酸亜鉛七水和物:230g/L
硫酸コバルト七水和物: 30g/L
硫酸アンモニウム : 30g/L
浴温 :40℃
pH :2.5〜4.0
撹拌:噴流撹拌
電流密度 :20 A/dm
Niめっき層の付着量、厚さを表2のとおりとし、熱処理の温度と時間を表2のとおりとした。それ以外は実施例1と同様に行った。結果を表2に示した。
<実施例9>
Niめっき層とZnめっき層の付着量、厚さを表2のとおりとした。熱処理をバッチ焼鈍(箱型焼鈍)とし、熱処理の温度と時間を表2のとおりとした以外は実施例1と同様に行った。結果を表2に示した。
また、実施例9と同様の処理条件のサンプルを作成し、サンプル作成工程におけるNiめっき後、Znめっき後かつ熱処理前のサンプル、及び、熱処理後のサンプルにおいて、Zn付着量の測定を行った。測定は、島津製作所社製ICP発光分光分析装置ICPE−9000を用いて求めた。
熱処理前後でのZnの減少率、つまり熱処理前と熱処理後のZn付着量の差の、熱処理前のZn付着量に対する比率を算出したところ、減少率は3%であった。
<実施例10>
Niめっき層とZnめっき層の付着量、厚さを表2のとおりとした。熱処理をバッチ焼鈍(箱型焼鈍)とし、熱処理の温度と時間を表2のとおりとした以外は実施例1と同様に行った。結果を表2に示した。
<実施例11>
Niめっき層とZnめっき層の付着量、厚さを表2のとおりとした。熱処理をバッチ焼鈍(箱型焼鈍)とし、熱処理の温度と時間を表2のとおりとした以外は実施例1と同様に行った。結果を表2に示した。
<実施例12>
電流密度を10A/dmに変えた以外は実施例8と同様の条件でZnめっき層に替えてZn−Coめっき層を形成した。厚さは表2のとおりとした。またNiめっき層の付着量、厚さは表2のとおりとした。熱処理をバッチ焼鈍(箱型焼鈍)とし、熱処理の温度と時間を表2のとおりとした以外は実施例1と同様に行った。結果を表2に示した。
<実施例13>
Niめっき層とZn−Coめっき層の付着量、厚さを表2のとおりとした。熱処理をバッチ焼鈍(箱型焼鈍)とし、熱処理の温度と時間を表2のとおりとした以外は実施例8と同様に行った。結果を表2に示した。
<実施例14>
実施例8により得られた表面処理鋼板に対して、さらに表2に示す条件で連続焼鈍の後バッチ焼鈍(箱型焼鈍)を施した。結果を表2に示した。
<実施例15>
Niめっき層とZnめっき層の付着量、厚さを表2のとおりとした。熱処理をバッチ焼鈍(箱型焼鈍)とし、熱処理の温度と時間を表2のとおりとした以外は実施例1と同様に行った。結果を表2に示した。
<実施例16>
Niめっき層とZnめっき層の付着量、厚さを表2のとおりとした。熱処理をバッチ焼鈍(箱型焼鈍)とし、熱処理の温度と時間を表2のとおりとした以外は実施例1と同様に行った。結果を表2に示した。
<実施例17>
Niめっき層とZnめっき層の付着量、厚さを表2のとおりとした。熱処理をバッチ焼鈍(箱型焼鈍)とし、熱処理の温度と時間を表2のとおりとした以外は実施例1と同様に行った。結果を表2に示した。
また、実施例17と同様の処理条件のサンプルを作成し、サンプル作成工程におけるNiめっき後、Znめっき後かつ熱処理前のサンプル、及び、熱処理後のサンプルにおいて、Zn付着量の測定を行った。測定は、島津製作所社製ICP発光分光分析装置ICPE−9000を用いて求めた。
熱処理前後でのZnの減少率、つまり熱処理前と熱処理後のZn付着量の差の、熱処理前のZn付着量に対する比率を算出したところ、減少率は20%であった。すなわち、Zn付着量の20%が熱処理により蒸散していると判断される。この結果は、Zn蒸散による熱処理ラインの汚染の問題や、コスト的な観点から見て、問題ないと判断できるが、実施例9と比較して、Zn付着量が増えることによって、蒸散量が増えることが確認された。
<実施例18>
Niめっき層とZnめっき層の付着量、厚さを表2のとおりとした。熱処理をバッチ焼鈍(箱型焼鈍)とし、330℃で1.5時間焼鈍した後、連続的に390℃で1時間焼鈍を行った。なお温度変更時には、炉の解放・冷却は行わなかった。それ以外は実施例1と同様に行った。結果を表2に示した。
<実施例19>
Niめっき層とZnめっき層の付着量、厚さを表2のとおりとした。熱処理をバッチ焼鈍(箱型焼鈍)とし、熱処理の温度と時間を表2のとおりとした以外は実施例1と同様に行った。結果を表2に示した。
<実施例20>
Niめっき層とZnめっき層の付着量、厚さを表2のとおりとした。熱処理をバッチ焼鈍(箱型焼鈍)とし、熱処理の温度と時間を表2のとおりとした以外は実施例1と同様に行った。結果を表2に示した。
<比較例1>
Niめっき層とZnめっき層の付着量、厚さを表2のとおりとした。熱処理は行わなかった。それ以外は実施例1と同様に行った。結果を表2に示した。
<比較例2>
Niめっき層とZnめっき層の付着量、厚さを表2のとおりとし、熱処理の温度と時間を表2のとおりとした以外は実施例1と同様に行った。結果を表2に示した。
<比較例3>
Niめっき層とZnめっき層の付着量、厚さを表2のとおりとし、熱処理の温度と時間を表2のとおりとした以外は実施例1と同様に行った。結果を表2に示した。
なお、比較例3のサンプルにおける熱処理前後でのZnの減少率の測定は行っていないが、アノード反応試験前のAESによる測定において、比較例5(ニッケル板)と同程度の割合であったため、90%以上の減少率であると考えられる。すなわち850℃という高温での処理ではZnが大量に蒸散してしまうため、Zn蒸散による熱処理ラインの汚染の可能性や、コスト的な観点から、好ましくないと判断できる。
<比較例4>
Niめっき層とZnめっき層の付着量、厚さを表2のとおりとした。熱処理をバッチ焼鈍(箱型焼鈍)とし、熱処理の温度と時間を表2のとおりとした以外は実施例1と同様に行った。結果を表2に示した。
また、比較例4と同様の処理条件のサンプルを作成し、サンプル作成工程におけるNiめっき後、Znめっき後かつ熱処理前のサンプル、及び、熱処理後のサンプルにおいて、Zn付着量の測定を行った。測定は、島津製作所社製ICP発光分光分析装置ICPE−9000を用いて求めた。
熱処理前後でのZnの減少率、つまり熱処理前と熱処理後のZn付着量の差の、熱処理前のZn付着量に対する比率を算出したところ、減少率は45%であった。すなわち、Zn付着量の45%が熱処理により蒸散していると判断される。やや高温である500℃で8時間という長時間の熱処理では、Znが多く蒸散しやすいため、Zn蒸散による熱処理ラインの汚染や、コスト的な観点から、好ましくないと判断できる。
<比較例5>
Ni板を用いて腐食電流密度測定によるガス発生抑制評価を行った。
<比較例6>
Zn板を用いて腐食電流密度測定によるガス発生抑制評価を行った。
<比較例7>
Niめっき層とZnめっき層の付着量、厚さを表2のとおりとした。熱処理をバッチ焼鈍(箱型焼鈍)とし、熱処理の温度と時間を表2のとおりとした以外は実施例1と同様に行った。結果を表2に示した。
各実施例は、実用可能な耐電解液とガス発生抑制効果を備えていることが確認された。一方で比較例においては、いずれかの特性を備えるものではないことが確認された。
より詳細には、実施例6,7,9,10,12,19においてはガス発生抑制効果として腐食電流密度が10.0以下で十分であり、また、アノード反応試験前後でNiとZnの組成割合がいずれも60〜85%でほぼ変化なく、優れた耐電解液性をも有していることが確認された。
実施例1〜5,8,11,13〜18,20においては、ガス発生抑制効果として腐食電流密度が5.0以下で十分であった。アノード反応試験前後のNiとZnの組成割合変化としては、反応前と比較して反応後のNi割合が多くなっている。つまり表面の第2領域は溶解しているものの、第1領域を十分な厚さで有しているため、反応後のNi割合が60〜85%となっており、実用可能な耐電解液性を有していることが確認された。
一方で比較例においては、第1領域を有していない、あるいは十分な厚みを有していないため、腐食電流密度が大きくガス発生のおそれがある、あるいは、耐電解液性が低く、アルカリ溶液反応によって表面が溶解し、Ni割合が85%を超えてしまうことが確認された。
なお上記した実施形態と各実施例は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
また、上記した実施形態と実施例は主としてニッケル亜鉛電池用途を前提として説明したが、本発明はニッケル亜鉛電池用途に限られずその他の電池の用途にも適用が可能である。
以上説明したように、本発明の表面処理板は、アルカリ二次電池の集電体材料やタブ・リード材料、外装用材料として好適に用いられる。また、本発明の表面処理板を用いたアルカリ二次電池は、定置用や車載用等の幅広い分野の産業への適用が可能である。
1 表面処理板
10 基材
20 金属層
20M 合金層
20A 第1領域
20B 第2領域
20C 第3領域

Claims (12)

  1. 基材と、前記基材の少なくとも片面に形成される金属層を有するアルカリ二次電池用表面処理板であって、
    前記基材が金属板であり、
    前記金属層が、Ni及びZnを有する合金層を含み、
    前記合金層は、NiとZnの合計量に対するNiの割合が60〜85%である第1領域を含み、
    前記第1領域の厚さが0.15μm以上であることを特徴とする、
    アルカリ二次電池用表面処理板。
  2. 前記金属層がCo又はFeをさらに含む、請求項1に記載のアルカリ二次電池用表面処理板。
  3. 前記第1領域が前記金属層中における最表面に位置する、請求項1又は2に記載のアルカリ二次電池用表面処理板。
  4. 前記金属層において、前記第1領域より表面側に、NiとZnの合計量に対するNiの割合が0〜60%未満である第2領域がさらに含まれる、請求項1又は請求項2に記載のアルカリ二次電池用表面処理板。
  5. 前記第2領域の厚さが0.0μm超〜4.0μm以下である、請求項4に記載のアルカリ二次電池用表面処理板。
  6. 前記基材と前記第1領域との間に、NiとZnの合計量に対するNiの割合が85%超〜100%である第3領域がさらに含まれる、請求項1〜5のいずれか一項に記載のアルカリ二次電池用表面処理板。
  7. 前記第3領域の厚さが0.2μm〜5.0μmである、請求項6に記載のアルカリ二次電池用表面処理板。
  8. 前記基材が鋼板、アルミニウム板、アルミニウム合金板、銅板、銅合金板、鉄板、鉄合金板、ステンレス鋼板、ニッケル板、ニッケル合金板のいずれかである、請求項1〜7のいずれか一項に記載のアルカリ二次電池用表面処理板。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載のアルカリ二次電池用表面処理板を用いた、アルカリ二次電池。
  10. 基材の少なくとも片面上に電解めっきによりNiめっき層を形成するNiめっき層形成工程と、
    前記Niめっき層上に電解めっきによりZnめっき層を形成するZnめっき層形成工程と、
    前記Niめっき層及び前記Znめっき層に対して熱処理を行う熱処理工程と、を有し、
    前記熱処理工程が、
    Ni及びZnを熱拡散させて合金層を形成する合金層形成工程と、
    NiとZnの合計量に対するNiの割合が60%〜85%である第1領域を0.15μm以上の厚さで前記合金層中に形成する、第1領域形成工程と、を含むことを特徴とする、
    アルカリ二次電池用表面処理板の製造方法。
  11. 前記Znめっき層におけるZn付着量が0.5g/m〜22.0g/mである、請求項9に記載のアルカリ二次電池用表面処理板の製造方法。
  12. 前記Niめっき層におけるNi付着量が1.7g/m〜45.0g/mである、請求項9又は請求項10に記載のアルカリ二次電池用表面処理板の製造方法。
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