JPH1167194A - 水素吸蔵合金電極およびその製造方法 - Google Patents

水素吸蔵合金電極およびその製造方法

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JPH1167194A
JPH1167194A JP9227578A JP22757897A JPH1167194A JP H1167194 A JPH1167194 A JP H1167194A JP 9227578 A JP9227578 A JP 9227578A JP 22757897 A JP22757897 A JP 22757897A JP H1167194 A JPH1167194 A JP H1167194A
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JP
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hydrogen storage
storage alloy
metal
silver
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Application number
JP9227578A
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English (en)
Inventor
Hitoshi Kato
人士 加藤
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Furukawa Battery Co Ltd
Original Assignee
Furukawa Battery Co Ltd
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Abstract

(57)【要約】 【課題】 放電容量、電池内圧および高率放電特性に優
れ、サイクル寿命特性にも優れた水素吸蔵合金電極およ
びその製造方法を提供する。 【解決手段】 水素吸蔵合金粉末と、スカンジウム、イ
ットリウム、ランタノイドおよびこれらの酸化物、水酸
化物の中から選ばれる少なくとも1種の粉末の表面に導
電性金属を平均被覆厚1μm以下でポーラスに被覆した
金属被覆粉末とを混合して水素吸蔵合金電極とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はニッケル−水素二次
電池等の負極として組み込まれる水素吸蔵合金電極およ
びその製造方法に関し、さらに詳しくは、放電電流、容
量回復率が高く、電池内圧の低い電池を提供し得る水素
吸蔵合金電極およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】水素吸蔵合金電極において、水素吸蔵合
金粉末の粒子表面にニッケルや銅をめっきして多孔性の
金属層を形成する技術が、特に耐酸化性、利用率、成形
性を改善することが知られている(特開平2−2018
70号)。また、水素吸蔵合金電極表面にコバルト粉末
あるいは水素吸蔵合金粉末を分散したニッケルめっきを
行い、あるいはさらにこの電極を高温のアルカリ中に浸
漬して高活性、高容量、長寿命な水素吸蔵合金電極を得
ることも知られている(特開平7−85866号)。
【0003】他方、水素吸蔵合金粉末をスカンジジウ
ム、イットリウム等のアルカリ易溶性の金属で被覆し、
水素吸蔵合金電極の酸化防止を図る技術が提案されてい
る(特開平8−32933号、同9−31501号)。
【0004】しかしながら、上記従来のいずれの技術に
おいても、充放電サイクルの充放電特性、内圧および高
率充放電特性が十分満足し得る程度のものでなく、急速
充放電の要求にあったさらなる電池性能、寿命、および
安定性の向上、特に活物質の充電容量、容量回復率を高
め、低い電池内圧維持を図った、サイクル寿命特性に優
れた電池が要望されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事情に鑑
みてなされたもので、その目的は、急速充放電の要求に
あったさらなる電池性能、寿命、および安定性の向上、
特に活物質の充電容量、容量回復率を高め、低い内圧維
持を図った、サイクル寿命特性に優れた電池を提供する
ことにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記課題を解
決すべく鋭意研究を重ねた結果、水素吸蔵合金粉末に、
特定の元素やその酸化物、水酸化物の表面の少なくとも
一部を特定の導電性金属で被覆処理をした金属処理粉末
を添加して混合し、この混合物を用いて電極を製造する
ことにより、活物質の充電容量、容量回復率、および内
圧の向上を図った電池が得られることを見出し、本発明
を完成するに至った。
【0007】すなわち本発明は、水素吸蔵合金粉末と、
スカンジウム、イットリウム、ランタノイドおよびこれ
らの酸化物、水酸化物の中から選ばれる少なくとも1種
の粉末の表面に導電性金属を平均被覆厚1μm以下でポ
ーラスに被覆した金属被覆粉末とを混合してなる、水素
吸蔵合金電極に関する。
【0008】また本発明は、スカンジウム、イットリウ
ム、ランタノイドおよびこれらの酸化物、水酸化物の中
から選ばれる少なくとも1種の粉末を、銀、銅、ニッケ
ル、コバルト、ロジウム、イリジウム、パラジウム、白
金、金およびこれら各金属の合金の中から選択される少
なくとも1種の金属を含有する水溶液と接触させて上記
粉末の表面に導電性金属を平均被覆厚1μm以下でポー
ラスに被覆した後、水素吸蔵合金粉末と混合することを
特徴とする水素吸蔵合金電極の製造方法に関する。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳述する。
【0010】本発明の水素吸蔵合金電極は、水素吸蔵合
金粉末と、スカンジウム、イットリウム、ランタノイド
およびこれらの酸化物、水酸化物の中から選ばれる少な
くとも1種の粉末の表面に導電性金属を平均被覆厚1μ
m以下でポーラスに被覆した金属被覆粉末とを混合して
なる。
【0011】本発明に用いられる水素吸蔵合金粉末とし
ては、Mm−Ni5系(ただし、Mmはミッシュメタル
(軽希土類元素の混合物)を表す。例えばMmNi3.4
Co0.8Al0.3Mn0.4等)、La−Ni5系(例えばL
0.7Nd0.2Ti0.1Ni2.5Co2.4Al0.1等)、Ti
−Ni系(例えばTi0.5Zr0.5Ni1.0等)、Zr−
Ni2系(例えばZrMn0.6Cr0.2Ni1.2等)、Zr
−V2系(Ti17Zr1622Ni39Cr7等)など、一般
に用いられているものが任意に用いられる。これらの中
でもMm−Ni5系の水素吸蔵合金粉末が好ましく用い
られる。
【0012】水素吸蔵合金粉末は、粒径1〜200μm
程度のものが好ましく、特には1〜100μm程度であ
る。
【0013】本発明では、上記水素吸蔵合金粉末は、後
述する金属被覆粉末との混合のために、あらかじめ高温
のアルカリ水溶液中に浸漬処理するのが好ましく、具体
的には60℃程度以上のアルカル水溶液に1分間程度浸
漬処理するのが好ましい。アルカリ水溶液としては、具
体的には水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶
液、水酸化リチウム水溶液等が挙げられる。このように
水素吸蔵合金粉末をアルカリ浸漬処理することにより、
水素吸蔵合金中の溶解しやすい構成元素がアルカリ水溶
液に溶出して除去され、水素吸蔵合金のアルカリ電解液
中における耐久性が向上する。また、構成元素の溶出に
より合金粉末表面に凹凸が生成されるが、後述のように
金属被覆時、該凹凸部に被覆金属粉末が入り込み、被覆
をより強固なものとすることができ、これにより、より
効果的に、合金粒子間の接触抵抗を下げ、電池の放電特
性の低下を抑えることができる。
【0014】本発明で用いられる金属被覆粉末は、核と
なるスカンジウム、イットリウム、ランタノイドおよび
これら元素の酸化物、水酸化物の中から選ばれる少なく
とも1種の粉末表面に、導電性金属を平均被覆厚1μm
以下でポーラスに被覆してなる。ランタノイドの中でも
ランタン、ネオジウム、ユウロビウム、エルビウム、イ
ッテルビウム等が好ましく用いられる。
【0015】導電性金属としては銀、銅、ニッケル、コ
バルト、ロジウム、イリジウム、パラジウム、白金、金
およびこれら金属の各合金の中から選択される少なくと
も1種が好ましく用いられる。中でも銀およびその合金
の中から選択される少なくとも1種が特に好ましく用い
られる。銀合金としては、具体的には銀−銅、銀−ニッ
ケル、銀−パラジウム、銀−アンチモン、銀−コバル
ト、銀−インジウム等が挙げられる。
【0016】導電性金属の被覆の方法としては、核とな
る上記元素およびその酸化物または水酸化物の中から選
ばれる少なくとも1種(以下、「元素等」と略記)を、
上記導電性金属を含有する水溶液と接触させることによ
り行われるが、具体的には、上記各導電性金属をイオン
の形で含有する水溶液中に浸漬する無電解めっき処理
や、電解めっき処理等の方法が好ましく用いられる。こ
れら無電解めっき、電解めっき処理は一般に行われてい
る浸漬方法など、常法により行うことができ、電解めっ
きの場合はバレルめっき方式で行えばよい。
【0017】これら処理液である導電性金属を含有する
水溶液としては、以下のものが例示される。
【0018】銀、銀合金を含む処理液としては、シアン
化銀浴(AgCN:5g/l、KCN:60g/l、K
2CO3:15g/l)、硝酸銀浴(AgNO3:5g/
l、NaCN:45g/l、Na2CO3:45g/
l)、硫酸銀浴(Ag2SO4:10g/l、KI:20
0g/l、NH4OH:30g/l、Na427:25
g/l)、塩化銀浴(AgCl:10g/l、K4Fe
(CN)6・3H2O:50g/l、Na2CO3:20g
/l)等が挙げられる。
【0019】あるいは無電解銀浴(シアノ銀ナトリウム
0.05mol/l、シアン化ナトリウム0.1mol
/l、水酸化ナトリウム0.4mol/l、ホウ水素化
カリウム0.01mol/l)等が挙げられる。
【0020】さらに、Ag−Ni浴(AgCl:25g
/l、NiCl2・6H2O:300g/l、Na22
3:150g/l、電流密度7.5A/dm2、浴温20
℃)、Ag−Cu浴(KAg(CN)2:17g/l、
KCu(CN)2:125g/l、KCN:50g/
l、K2CO3:20g/l、NaOH:12g/l、電
流密度0.5A/dm2、浴温20℃)、Ag−Pd浴
(KAg(CN)2:26g/l、PdCl2・4H
2O:12g/l、KCN:25g/l、K2CO3:2
0g/l、1A/dm2、浴温20℃)等が挙げられ
る。
【0021】銅の処理液としては、シアン化銅浴(Cu
CN:70g/l、NaCN:80g/l、遊離NaC
N:8g/l、NaOH:20g/l)、硫酸銅浴(C
uSO4・5H2O:200g/l、H2SO4:60g/
l)、ピロリン酸銅浴(CuSO4・5H2O:40g/
l、Na427:140g/l、Na2HPO4・12
2O:95g/l)等が挙げられる。
【0022】無電解銅浴としては、(CuSO4・5H2
O:15g/l、EDTA・2Na:45g/l、パラ
ホルムアルデヒド:15g/l、pH12〜13、添加
剤:α、α’−ジピリジル10mg/l、シアン化ニッ
ケルカリウム15mg/l、浴温60℃、析出速度8〜
10μm/h)等が挙げられる。
【0023】ニッケル処理液としては、硫酸浴(硫酸ニ
ッケル・7H2O:150g/l、塩化アンモニウム:
15g/l、ホウ酸:15g/l、電流密度:1A/d
2、pH5.5〜6.5、浴温30℃)、スルファミ
ン酸浴(スルファミン酸ニッケル:350g/l、ホウ
酸:30g/l、塩化ニッケル:25g/l、電流密
度:2A/dm2、pH3〜4、浴温30℃)、無電解
ニッケルめっき浴(硫酸ニッケル・6H2O:30g/
l、酢酸ナトリウム:10g/l、次亜リン酸ナトリウ
ム:10g/l、pH4〜6、浴温90℃)、無電解ニ
ッケル−コバルトめっき浴(硫酸コバルト・7H2O:
17.5g/l、硫酸ニッケル・6H2O:250g/
l、クエン酸ナトリウム:80g/l、硫酸アンモニウ
ム:40g/l、次亜リン酸ナトリウム:18.8g/
l、pH8、浴温75〜95℃)等が挙げられる。
【0024】コバルト処理液としては、(CoSO4
7H2O:0.5g/l、NaCl:15g/l、H3
3:45g/l、電流密度3A/dm2、浴温20℃)
等が挙げられる。
【0025】無電解金めっき浴としては、(シアノ金
(I)カリウム:2g/l、塩化アンモニウム:75g
/l、クエン酸ナトリウム:50g/l、次亜リン酸ナ
トリウム:10g/l、pH7〜7.5、液温92〜9
4℃)等が挙げられる。
【0026】ロジウム処理液としては、(水酸化ロジウ
ム:5.5g/l、硫酸:80g/l、硫酸アンモニウ
ム:30g/l、電流密度1A/dm2)等が挙げられ
る。
【0027】イリジウム処理液としては、((NH42
IrCl6:8g/l、H2SO4:0.8g/l、電流
密度1A/dm2、浴温20℃)等が挙げられる。
【0028】パラジウム処理液としては、(NaPd
(NO24:0.3g/l、NaCl:0.5g/l、
電流密度0.5A/dm2、浴温50℃)、パラジウム
−ニッケル(PdCl2・4H2O:7g/l、NiCl
2・6H2O:120g/l、(NH42SO4:100
g/l、NH4Cl:50g/l、NaNO2:50g/
l、NH4OH(25%):pH調整用、pH7.5〜
8.8、Ni含有量:7〜10%Ni)等が挙げられ
る。
【0029】白金処理液としては、白金めっき浴((N
42PtCl6:8.5g/l、Na2HPO4・12
2O:120g/l、電流密度40A/dm2、浴温6
0℃)等が挙げられる。
【0030】なお、金属被覆膜は、上記核となる元素お
よびその酸化物、水酸化物の表面にポーラスに被覆され
ている。ここで「ポーラス」とは、核となる元素類と水
素吸蔵合金粉末との混合(後述)において、元素類が少
なくともその金属被覆部において水素吸蔵合金粉末と接
触し、非接触部は金属被覆がされていず元素類が露出し
た状態にあるような態様が好ましい被覆の例として挙げ
られる。このようにポーラスな金属被覆とすることによ
り、水素吸蔵合金粉末と金属被覆粉末との間の接触抵抗
を下げることができる一方、元素類の本来の役割である
水素吸蔵合金に含まれるアルミニウム、マンガン等の溶
出を防ぎ、腐食の防止を図ることができる。
【0031】このようなポーラスな金属被覆とするため
に、本発明では平均金属被覆厚は1μm以下とするが、
好ましくは0.01〜0.1μm程度である。
【0032】なお、上記金属被覆処理に先立ち、核とな
る元素等を、アルカリ水溶液と接触させる等の方法によ
り、あらかじめアルカリ処理しておくのが好ましい。ア
ルカリ水溶液との接触の態様としては、アルカリ水溶液
中に浸漬させる、アルカリ水溶液を噴霧する、等、任意
の態様を採り得るが、本発明ではアルカリ水溶液中に浸
漬させる方法が最も好ましい。アルカリ水溶液として
は、具体的には水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウ
ム水溶液、水酸化リチウム水溶液等が挙げられる。この
ように核となる元素等をアルカリ処理することにより、
表面が粗化されて表面積が増え、物理的に一層効果的な
密着が図られることとなる。
【0033】このようにして得られた金属被覆粉末を水
素吸蔵合金粉末と混合する。混合割合は金属被覆粉末:
水素吸蔵合金粉末=1:10000〜1:100(重量
比)程度が好ましく、より好ましくは1:1000〜
1:300程度である。
【0034】また、上記の混合は、電池の電解液として
アルカリ水溶液を用いる点から、アルカリ溶液中、特に
水酸化カリウム水溶液、水酸化ナトリウム水溶液、水酸
化リチウム水溶液、あるいはこれらの混合液の中で行う
のが好ましい。
【0035】水素吸蔵合金粉末と金属被覆粉末との混合
により、特に水素吸蔵合金粉末をあらかじめ高温のアル
カリ水溶液に浸漬処理し表面に凹凸部を形成した場合に
おいては、この水素吸蔵合金粉末表面の凹部に金属被覆
粉末の粒子が入り込み、金属被覆がより強固なものとな
り、より効果的に、合金粒子間の接触抵抗を下げ、電池
の放電特性の低下を抑えることができる。これら導電性
金属の中でも、特に銀は電気抵抗が低く、1.47ρ/
Ω・m(0℃)であり、耐薬品性、耐酸化性や耐還元性
も優れているので、銀、銀合金はより好ましく用いられ
る。その他、コバルト、ニッケル元素等、電池反応にほ
とんど関与しない金属が用いられる。
【0036】また、上記特定の核となる元素類の表面
に、上記導電性被覆を平均膜厚1μm以下で行うことに
より、水素吸蔵合金や核となる金属どうしの相接する部
分の接触抵抗が下げられるとともに、前記のように特定
の核となる元素の本来の役割を果たすこととなる。
【0037】このようにして得た水素吸蔵合金粉末と金
属被覆粉末との混合物を用いて、公知の方法により水素
吸蔵合金電極を製造することができる。すなわち、例え
ば、上記混合物に結着剤(例えばポリテトラフルオロエ
チレン(PTFE)、スチレンブタジエンゴム系ポリマ
ーやフッ素ゴム系ポリマー等)、増粘剤(例えばカルボ
キシメチルセルロース(CMC)、ポリエチレングリコ
ール、ポリビニルアルコール等)、水を添加して混練
し、これを集電体であるパンチングメタルに塗着して乾
燥・加圧を行い、水素吸蔵合金電極(負極)を作製す
る。
【0038】そして、この負極を、セパレータを介して
公知のニッケル正極と組み合わせてアルカリ電解液中に
設置し、ニッケル−水素二次電池を作製する。
【0039】
【実施例】以下に本発明を実施例に基づいてさらに詳細
に説明するが、本発明はこれによりなんら限定されるも
のではない。
【0040】(負極) (実施例1)粒径50μm以下の酸化スカンジウム粒子
0.4gを、一般に行われているバレルめっき方式で銀
被覆を行った。
【0041】すなわちシアン化銀浴(組成 AgCN:
5g/l、KCN:60g/l、K2CO3:15g/
l、浴温20℃)中、0.1A/dm2の電流密度で約
30秒間浸漬し、次いで濃度10g/l水酸化カリウム
水溶液で洗浄した。その後、冷却、静置して上澄み液を
除去し、水洗して液のpHを下げ、ろ過、乾燥して、銀
被覆された酸化スカンジウム粉末を得た。銀被覆はポー
ラスで、平均被覆厚は約0.03μmであった。
【0042】この銀被覆されたスカンジウム酸化粉末と
粒径100μm以下の水素吸蔵合金MmNi3.4Co0.8
Al0.3Mn0.4(ただし、Mmはミッシュメタル)粉末
100gを濃度100g/lの水酸化カリウム水溶液の
入った耐熱性樹脂容器に入れ、100℃に加温しながら
10分間攪拌棒でゆっくり攪拌した。なお、水素吸蔵合
金粉末も同様のアルカリ処理条件で処理したものを用い
た。
【0043】その後、冷却、静置して上澄み液を除去
し、遠心分離機を用いた水洗方法にて液のpHを下げ、
ろ過、乾燥して、水素吸蔵合金粉末と金属被覆酸化スカ
ンジウム粉末との混合物(混合粉末)を得た。
【0044】上記混合物100重量%にNi粉末10重
量%、PTFE2重量%、CMC1重量%を添加し、均
一に混合しペースト状にした。常法により、このペース
トをパンチングニッケルシート(ニッケルめっき多孔
板)に塗布し、乾燥、圧延して水素吸蔵合金電極を得
た。
【0045】(実施例2)実施例1において、シアン化
銀浴による銀被覆に代えて、無電解銅浴を用いて銅被覆
を行った。
【0046】すなわち、下記条件で無電解銅めっきを行
った。浸漬時間は約12秒間であった。
【0047】 浴組成: CuSO4・5H2O 15g/l EDTA・2Na 45g/l パラホルムアルデヒド 15g/l pH: 12〜13 添加剤: α、α’−ジピリジル 10mg/l シアン化ニッケルカリウム 15mg/l 浴温: 60℃ 析出速度: 8〜10μm/h 上記めっき条件を変えた以外は、実施例1と同様にして
銅被覆を行った。平均被覆膜厚は約0.03μmであっ
た。
【0048】この銅被覆した酸化スカンジウム粉末を用
いて、以下、実施例1と同様にして水素吸蔵合金粉末と
金属被覆酸化スカンジウム粉末との混合物(混合粉末)
を得た。さらにこの混合物を用いて水素吸蔵合金電極を
製造した。
【0049】(実施例3)実施例1において、シアン化
銀浴による銀被覆に代えて、電解ロジウムめっきを用い
てロジウム被覆を行った。
【0050】すなわち、下記条件で電解ロジウムめっき
を行った。なお、めっき時間は約7秒間であった。
【0051】浴組成: 水酸化ロジウム 5.5g/l 硫酸 80g/l 硫酸アンモニウム 30g/l 電流密度: 1A/dm2 浴温: 20℃ 上記めっき条件を変えた以外は、実施例1と同様にして
ロジウム被覆を行った。平均被覆膜厚は約0.03μm
であった。
【0052】このロジウム被覆した酸化スカンジウム粉
末を用いて、以下、実施例1と同様にして水素吸蔵合金
粉末と金属被覆酸化スカンジウム粉末との混合物(混合
粉末)を得、さらにこの混合物を用いて水素吸蔵合金電
極を製造した。
【0053】(実施例4)実施例1において、シアン化
銀浴による銀被覆に代えて、電解イリジウムめっきを用
いてイリジウム被覆を行った。
【0054】すなわち、下記条件で電解イリジウムめっ
きを行った。なお、めっき時間は約13秒間であった。
【0055】浴組成: (NH42IrCl6 8g/l H2SO4 0.8g/l 電流密度: 1A/dm2 浴温: 20℃ 上記めっき条件を変えた以外は、実施例1と同様にして
イリジウム被覆を行った。平均被覆膜厚は約0.03μ
mであった。
【0056】このイリジウム被覆した酸化スカンジウム
粉末を用いて、以下、実施例1と同様にして水素吸蔵合
金粉末と金属被覆酸化スカンジウム粉末との混合物(混
合粉末)を得、さらにこの混合物を用いて水素吸蔵合金
電極を製造した。
【0057】(実施例5)実施例1において、シアン化
銀浴による銀被覆に代えて、電解コバルトめっきを用い
てコバルト被覆を行った。
【0058】すなわち、下記条件で電解コバルトめっき
を行った。なお、めっき時間は約3秒間であった。
【0059】浴組成: CoSO4・7H2O 0.5g/l NaCl 15g/l H3BO3 45g/l 電流密度: 3A/dm2 浴温: 20℃ 上記めっき条件を変えた以外は、実施例1と同様にして
コバルト被覆を行った。平均被覆膜厚は約0.03μm
であった。
【0060】このコバルト被覆した酸化スカンジウム粉
末を用いて、以下、実施例1と同様にして水素吸蔵合金
粉末と金属被覆酸化スカンジウム粉末との混合物(混合
粉末)を得、さらにこの混合物を用いて水素吸蔵合金電
極を製造した。
【0061】(実施例6)実施例1において、シアン化
銀浴による銀被覆に代えて、電解ニッケルめっきを用い
てニッケル被覆を行った。
【0062】すなわち、下記条件で電解ニッケルめっき
を行った。なお、めっき時間は約9秒間であった。
【0063】浴組成(スルファミン酸浴): スルファミン酸ニッケル 350g/l ホウ酸 30g/l 塩化ニッケル 25g/l 電流密度: 1A/dm2 pH: 3〜4 浴温: 30℃ 上記めっき条件を変えた以外は、実施例1と同様にして
ニッケル被覆を行った。平均被覆膜厚は約0.03μm
であった。
【0064】このニッケル被覆した酸化スカンジウム粉
末を用いて、以下、実施例1と同様にして水素吸蔵合金
粉末と金属被覆酸化スカンジウム粉末との混合物(混合
粉末)を得、さらにこの混合物を用いて水素吸蔵合金電
極を製造した。
【0065】(実施例7)実施例1において、シアン化
銀浴による銀被覆に代えて、電解パラジウムめっきを用
いてパラジウム被覆を行った。
【0066】すなわち、下記条件で電解パラジウムめっ
きを行った。なお、めっき時間は約7秒間であった。
【0067】浴組成: Na2Pd(NO24 0.3g/l NaCl 0.5g/l 電流密度: 0.5A/dm2 浴温: 50℃ 上記めっき条件を変えた以外は、実施例1と同様にして
パラジウム被覆を行った。平均被覆膜厚は約0.03μ
mであった。
【0068】このパラジウム被覆した酸化スカンジウム
粉末を用いて、以下、実施例1と同様にして水素吸蔵合
金粉末と金属被覆酸化スカンジウム粉末との混合物(混
合粉末)を得、さらにこの混合物を用いて水素吸蔵合金
電極を製造した。
【0069】(実施例8)実施例1において、シアン化
銀浴による銀被覆に代えて、電解白金めっきを用いて白
金被覆を行った。
【0070】すなわち、下記条件で電解白金めっきを行
った。なお、めっき時間は約13秒間であった。
【0071】浴組成: (NH42PtCl6 8.5g/l Na2HPO4・12H2O 120g/l 電流密度: 7A/dm2 浴温: 60℃ 上記めっき条件を変えた以外は、実施例1と同様にして
白金被覆を行った。平均被覆膜厚は約0.03μmであ
った。
【0072】この白金被覆した酸化スカンジウム粉末を
用いて、以下、実施例1と同様にして水素吸蔵合金粉末
と金属被覆酸化スカンジウム粉末との混合物(混合粉
末)を得、さらにこの混合物を用いて水素吸蔵合金電極
を製造した。
【0073】(実施例9)実施例1において、シアン化
銀浴による銀被覆に代えて、電解銀−ニッケル合金めっ
きを用いて白金被覆を行った。
【0074】すなわち、下記条件で電解銀−ニッケル合
金めっきを行った。なお、めっき時間は約1秒間であっ
た。
【0075】浴組成(塩化物浴): 塩化銀 25g/l 塩化ニッケル・6H2O 300g/l チオ硫酸ナトリウム 150g/l 電流密度: 7.5A/dm2 浴温: 20℃ 上記めっき条件を変えた以外は、実施例1と同様にして
銀−ニッケル合金(約0.3%Ni)被覆を行った。平
均被覆膜厚は約0.03μmであった。
【0076】この銀−ニッケル合金被覆した酸化スカン
ジウム粉末を用いて、以下、実施例1と同様にして水素
吸蔵合金粉末と金属被覆酸化スカンジウム粉末との混合
物(混合粉末)を得、さらにこの混合物を用いて水素吸
蔵合金電極を製造した。
【0077】(実施例10)実施例1において、シアン
化銀浴による銀被覆に代えて、電解銀−銅合金めっきを
用いて銀−銅合金被覆を行った。
【0078】すなわち、下記条件で電解銀−銅合金めっ
きを行った。なお、めっき時間は約3秒間であった。
【0079】浴組成(シアン化銀浴): KAg(CN)2 80g/l KCu(CN)2 5g/l KCN 50g/l K2CO3 20g/l NaOH 12g/l 電流密度: 0.75A/dm2 浴温: 20℃ 上記めっき条件を変えた以外は、実施例1と同様にして
銀−銅合金(約0.3%Cu)被覆を行った。平均被覆
膜厚は約0.03μmであった。
【0080】この銀−銅合金被覆した酸化スカンジウム
粉末を用いて、以下、実施例1と同様にして水素吸蔵合
金粉末と金属被覆酸化スカンジウム粉末との混合物(混
合粉末)を得、さらにこの混合物を用いて水素吸蔵合金
電極を製造した。
【0081】(実施例11)実施例1において、シアン
化銀浴による銀被覆に代えて、電解銀−パラジウム合金
めっきを用いて銀−銅合金被覆を行った。
【0082】すなわち、下記条件で電解銀−パラジウム
合金めっきを行った。なお、めっき時間は約3秒間であ
った。
【0083】浴組成(Ag−Pd浴): KAg(CN)2 26g/l PdCl2・4H2O 12g/l KCN 25g/l K2CO3 20g/l 電流密度: 1A/dm2 浴温: 20℃ 上記めっき条件を変えた以外は、実施例1と同様にして
銀−パラジウム合金(4%Pd)被覆を行った。平均被
覆膜厚は約0.03μmであった。
【0084】この銀−パラジウム合金被覆した酸化スカ
ンジウム粉末を用いて、以下、実施例1と同様にして水
素吸蔵合金粉末と金属被覆酸化スカンジウム粉末との混
合物(混合粉末)を得、さらにこの混合物を用いて水素
吸蔵合金電極を製造した。
【0085】(比較例1)実施例1において、導電性金
属被覆を行わない以外は、実施例1と同様にして水素吸
蔵合金粉末と酸化スカンジウム粉末との混合粉末を得、
さらにこの混合粉末を用いて水素吸蔵合金電極を製造し
た。
【0086】(実施例12〜22)実施例1〜11にお
いて、酸化スカンジウム粉末の代わりに水酸化スカンジ
ウム粉末を用いた以外は、それぞれ実施例1〜11と同
様にして水素吸蔵合金粉末と金属被覆水酸化スカンジウ
ム粉末との混合物(混合粉末)を得、さらにこの混合物
を用いて水素吸蔵合金電極を製造した。
【0087】(比較例2)実施例12において、導電性
金属被覆を行わない以外は、実施例12と同様にして水
素吸蔵合金粉末と水酸化スカンジウム粉末との混合粉末
を得、さらにこの混合粉末を用いて水素吸蔵合金電極を
製造した。
【0088】(実施例23〜33)実施例1〜11にお
いて、酸化スカンジウム粉末の代わりにスカンジウム粉
末を用いた以外は、それぞれ実施例1〜11と同様にし
て水素吸蔵合金粉末と金属被覆スカンジウム粉末との混
合物(混合粉末)を得、さらにこの混合物を用いて水素
吸蔵合金電極を製造した。
【0089】(比較例3)実施例23において、導電性
金属被覆を行わない以外は、実施例23と同様にして水
素吸蔵合金粉末とスカンジウム粉末との混合粉末を得、
さらにこの混合粉末を用いて水素吸蔵合金電極を製造し
た。
【0090】(実施例34〜44)実施例1〜11にお
いて、酸化スカンジウム粉末の代わりに酸化イットリウ
ム粉末を用いた以外は、それぞれ実施例1〜11と同様
にして水素吸蔵合金粉末と金属被覆酸化イットリウム粉
末との混合物(混合粉末)を得、さらにこの混合物を用
いて水素吸蔵合金電極を製造した。
【0091】(比較例4)実施例34において、導電性
金属被覆を行わない以外は、実施例34と同様にして水
素吸蔵合金粉末と酸化イットリウム粉末との混合粉末を
得、さらにこの混合粉末を用いて水素吸蔵合金電極を製
造した。
【0092】(実施例45〜55)実施例1〜11にお
いて、酸化スカンジウム粉末の代わりに水酸化イットリ
ウム粉末を用いた以外は、それぞれ実施例1〜11と同
様にして水素吸蔵合金粉末と金属被覆水酸化イットリウ
ム粉末との混合物(混合粉末)を得、さらにこの混合物
を用いて水素吸蔵合金電極を製造した。
【0093】(比較例5)実施例45において、導電性
金属被覆を行わない以外は、実施例45と同様にして水
素吸蔵合金粉末と水酸化イットリウムスカンジウム粉末
との混合粉末を得、さらにこの混合粉末を用いて水素吸
蔵合金電極を製造した。
【0094】(実施例56〜66)実施例1〜11にお
いて、酸化スカンジウム粉末の代わりにイットリウム粉
末を用いた以外は、それぞれ実施例1〜11と同様にし
て水素吸蔵合金粉末と金属被覆イットリウム粉末との混
合物(混合粉末)を得、さらにこの混合物を用いて水素
吸蔵合金電極を製造した。
【0095】(比較例6)実施例56において、導電性
金属被覆を行わない以外は、実施例56と同様にして水
素吸蔵合金粉末とイットリウム粉末との混合粉末を得、
さらにこの混合粉末を用いて水素吸蔵合金電極を製造し
た。
【0096】(実施例67〜77)実施例1〜11にお
いて、酸化スカンジウム粉末の代わりに酸化ランタン粉
末を用いた以外は、それぞれ実施例1〜11と同様にし
て水素吸蔵合金粉末と金属被覆酸化ランタン粉末との混
合物(混合粉末)を得、さらにこの混合物を用いて水素
吸蔵合金電極を製造した。
【0097】(比較例7)実施例67において、導電性
金属被覆を行わない以外は、実施例67と同様にして水
素吸蔵合金粉末と酸化ランタン粉末との混合粉末を得、
さらにこの混合粉末を用いて水素吸蔵合金電極を製造し
た。
【0098】(実施例78〜88)実施例1〜11にお
いて、酸化スカンジウム粉末の代わりに水酸化ランタン
粉末を用いた以外は、それぞれ実施例1〜11と同様に
して水素吸蔵合金粉末と金属被覆水酸化ランタン粉末と
の混合物(混合粉末)を得、さらにこの混合物を用いて
水素吸蔵合金電極を製造した。
【0099】(比較例8)実施例78において、導電性
金属被覆を行わない以外は、実施例78と同様にして水
素吸蔵合金粉末と水酸化ランタン粉末との混合粉末を
得、さらにこの混合粉末を用いて水素吸蔵合金電極を製
造した。
【0100】(実施例89〜99)実施例1〜11にお
いて、酸化スカンジウム粉末の代わりに酸化ネオジウム
粉末を用いた以外は、それぞれ実施例1〜11と同様に
して水素吸蔵合金粉末と金属被覆酸化ネオジウム粉末と
の混合物(混合粉末)を得、さらにこの混合物を用いて
水素吸蔵合金電極を製造した。
【0101】(比較例9)実施例89において、導電性
金属被覆を行わない以外は、実施例89と同様にして水
素吸蔵合金粉末と酸化ネオジウム粉末との混合粉末を
得、さらにこの混合粉末を用いて水素吸蔵合金電極を製
造した。
【0102】(実施例100〜110)実施例1〜11
において、酸化スカンジウム粉末の代わりに水酸化ネオ
ジウム粉末を用いた以外は、それぞれ実施例1〜11と
同様にして水素吸蔵合金粉末と金属被覆水酸化ネオジウ
ム粉末との混合物(混合粉末)を得、さらにこの混合物
を用いて水素吸蔵合金電極を製造した。
【0103】(比較例10)実施例100において、導
電性金属被覆を行わない以外は、実施例89と同様にし
て水素吸蔵合金粉末と水酸化ネオジウム粉末との混合粉
末を得、さらにこの混合粉末を用いて水素吸蔵合金電極
を製造した。
【0104】(実施例111)実施例1において、銀の
平均被覆厚を0.005μmとした以外は、実施例1と
同様にして水素吸蔵合金粉末と金属被覆酸化スカンジウ
ム粉末との混合物(混合粉末)を得、さらにこの混合物
を用いて水素吸蔵合金電極を製造した。
【0105】(実施例112)実施例1において、銀の
平均被覆厚を0.01μmとした以外は、実施例1と同
様にして水素吸蔵合金粉末と金属被覆酸化スカンジウム
粉末との混合物(混合粉末)を得、さらにこの混合物を
用いて水素吸蔵合金電極を製造した。
【0106】(実施例113)実施例1において、銀の
平均被覆厚を0.1μmとした以外は、実施例1と同様
にして水素吸蔵合金粉末と金属被覆酸化スカンジウム粉
末との混合物(混合粉末)を得、さらにこの混合物を用
いて水素吸蔵合金電極を製造した。
【0107】(実施例114)実施例1において、銀の
平均被覆厚を0.5μmとした以外は、実施例1と同様
にして水素吸蔵合金粉末と金属被覆酸化スカンジウム粉
末との混合物(混合粉末)を得、さらにこの混合物を用
いて水素吸蔵合金電極を製造した。
【0108】(実施例115)実施例1において、銀の
平均被覆厚を1μmとした以外は、実施例1と同様にし
て水素吸蔵合金粉末と金属被覆酸化スカンジウム粉末と
の混合物(混合粉末)を得、さらにこの混合物を用いて
水素吸蔵合金電極を製造した。
【0109】(比較例11)実施例1において、銀の平
均被覆厚を1.5μmとした以外は、実施例1と同様に
して水素吸蔵合金粉末と金属被覆酸化スカンジウム粉末
との混合物(混合粉末)を得、さらにこの混合物を用い
て水素吸蔵合金電極を製造した。
【0110】(比較例12)実施例1において、銀の平
均被覆厚を2.0μmとした以外は、実施例1と同様に
して水素吸蔵合金粉末と金属被覆酸化スカンジウム粉末
との混合物(混合粉末)を得、さらにこの混合物を用い
て水素吸蔵合金電極を製造した。
【0111】(実施例116〜118)実施例1〜3に
おいて、高温アルカリ処理を水素吸蔵合金粉体のみと
し、酸化スカンジウムのアルカリ処理を行わなかった以
外は、実施例1〜3と同様にして水素吸蔵合金粉末と金
属被覆酸化スカンジウム粉末との混合物(混合粉末)を
得、さらにこの混合物を用いて水素吸蔵合金電極を製造
した。
【0112】上記実施例1〜118、比較例1〜12に
おいて、正極、セパレータ、試験方法は下記に示す条件
とした。
【0113】(正極)球状粒径が1〜200μmで、亜
鉛が5重量%、コバルトが1.5重量%固溶している球
状の水酸化ニッケル100重量%に対し、ニッケル粉末
10重量%、CoO5重量%、CMC1重量%、および
PTFE2重量%を混合してペーストを調製した。この
ペーストを空孔率95vol%の発泡ニッケル多孔質体
からなる電極基体に充填し、乾燥加圧した後、PTFE
1重量%の懸濁溶液に浸漬して再び乾燥した後、ロー
ルプレスで加圧し、0.7mmのシート状のニッケル電
極を作製した。
【0114】(アルカリ電解液)NaOH 0.6N、
LiOH 1N、KOH 7Nの混合水溶液を用いた。
【0115】(セパレータ)「FT−310」(日本バ
イリーン(株)製、ポリオレフィン系不織布)を水洗し
て表面に付着している非イオン界面活性剤を除去した
後、乾燥し、次いで濃度95%の濃硫酸(温度100
℃)に30分間浸漬した。その後、不織布を流水で充分
に洗浄し、温度80℃で1時間乾燥した。次いで濃度1
%の水酸化ナトリウム水溶液に5分間浸漬した後、水洗
乾燥した。
【0116】(密閉形電池試験)上記各実施例、比較例
の水素吸蔵合金電極に、上記ニッケル電極(正極)、セ
パレータを組み合わせ、さらに上記アルカリ電解液を用
いて、規格容量AAサイズ1200mAhのニッケル・
水素二次電池を組み立てた。
【0117】各電池10個につき、室温下において、1
Cの充電電流で150%過充電を行い、1時間の休止
後、1Cの放電電流で電池電圧が1.0Vになるまでの
放電を1サイクルとする充放電を500サイクルまで行
った。各電池における放電容量、電池内圧を測定した。
結果を電池10個の平均値として表1〜12に示す。
【0118】
【表1】
【0119】
【表2】
【0120】
【表3】
【0121】
【表4】
【0122】
【表5】
【0123】
【表6】
【0124】
【表7】
【0125】
【表8】
【0126】
【表9】
【0127】
【表10】
【0128】
【表11】
【0129】
【表12】
【0130】表から明らかなように、導電性金属を所定
厚でポーラスに被覆したスカンジウム、イットリウム、
ランタノイドおよびこれらの酸化物、水酸化物を水素吸
蔵合金粉末に添加、混合することにより、500サイク
ル目でも高い放電容量を維持することができ、また電池
内圧を低く抑えることができ、サイクル寿命特性の向上
を図ることができる。
【0131】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
水素吸蔵合金粉末と、スカンジウム、イットリウム、ラ
ンタノイドおよびこれらの酸化物、水酸化物の粒子表面
に、導電性金属を所定の被覆厚でポーラスで被覆した粉
末金属被覆粉末を混合し、これを用いて水素吸蔵合金電
極を作製することにより、放電容量、電池内圧および高
率放電特性に優れ、サイクル寿命特性にも優れたアルカ
リ蓄電池が提供されるという効果を奏する。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水素吸蔵合金粉末と、スカンジウム、イ
    ットリウム、ランタノイドおよびこれらの酸化物、水酸
    化物の中から選ばれる少なくとも1種の粉末の表面に導
    電性金属を平均被覆厚1μm以下でポーラスに被覆した
    金属被覆粉末とを混合してなる、水素吸蔵合金電極。
  2. 【請求項2】 導電性金属が、銀、銅、ニッケル、コバ
    ルト、ロジウム、イリジウム、パラジウム、白金、金お
    よびこれら各金属の合金の中から選択される少なくとも
    1種である、請求項1記載の水素吸蔵合金電極。
  3. 【請求項3】 導電性金属が銀およびその合金の中から
    選択される少なくとも1種である、請求項2記載の水素
    吸蔵合金電極。
  4. 【請求項4】 水素吸蔵合金粉末がアルカル水溶液に浸
    漬処理されたものである、請求項1〜3のいずれか1項
    に記載の水素吸蔵合金電極。
  5. 【請求項5】 スカンジウム、イットリウム、ランタノ
    イドおよびこれらの酸化物、水酸化物の中から選ばれる
    少なくとも1種の粉末を、銀、銅、ニッケル、コバル
    ト、ロジウム、イリジウム、パラジウム、白金、金およ
    びこれら各金属の合金の中から選択される少なくとも1
    種の金属を含有する水溶液と接触させて上記粉末の表面
    に導電性金属を平均被覆厚1μm以下でポーラスに被覆
    した後、水素吸蔵合金粉末と混合することを特徴とす
    る、水素吸蔵合金電極の製造方法。
  6. 【請求項6】 水素吸蔵合金粉末がアルカル水溶液に浸
    漬処理されたものである、請求項5記載の水素吸蔵合金
    電極の製造方法。
  7. 【請求項7】 アルカリ液中で上記混合を行う、請求項
    5または6記載の水素吸蔵合金電極の製造方法。
  8. 【請求項8】 スカンジウム、イットリウム、ランタノ
    イドおよびこれらの酸化物、水酸化物の中から選ばれる
    少なくとも1種の粉末をアルカリ浸漬処理する工程を含
    む、請求項5〜7のいずれか1項に記載の水素吸蔵合金
    電極の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001307721A (ja) * 2000-04-24 2001-11-02 Toshiba Corp 水素吸蔵合金電極、アルカリ二次電池、ハイブリッドカー及び電気自動車
CN111519051A (zh) * 2020-04-21 2020-08-11 上海申核能源工程技术有限公司 一种核设施事故后用吸氢材料配置工艺

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JP2001307721A (ja) * 2000-04-24 2001-11-02 Toshiba Corp 水素吸蔵合金電極、アルカリ二次電池、ハイブリッドカー及び電気自動車
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