JPH11232A - 引出しの開閉装置 - Google Patents

引出しの開閉装置

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JPH11232A
JPH11232A JP9154666A JP15466697A JPH11232A JP H11232 A JPH11232 A JP H11232A JP 9154666 A JP9154666 A JP 9154666A JP 15466697 A JP15466697 A JP 15466697A JP H11232 A JPH11232 A JP H11232A
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locking
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    • E05LOCKS; KEYS; WINDOW OR DOOR FITTINGS; SAFES
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    • E05B65/00Locks or fastenings for special use
    • E05B65/46Locks or fastenings for special use for drawers
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    • EFIXED CONSTRUCTIONS
    • E05LOCKS; KEYS; WINDOW OR DOOR FITTINGS; SAFES
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    • E05B17/00Accessories in connection with locks
    • E05B17/0025Devices for forcing the wing firmly against its seat or to initiate the opening of the wing
    • EFIXED CONSTRUCTIONS
    • E05LOCKS; KEYS; WINDOW OR DOOR FITTINGS; SAFES
    • E05BLOCKS; ACCESSORIES THEREFOR; HANDCUFFS
    • E05B17/00Accessories in connection with locks
    • E05B17/0041Damping means

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 独立していた一括施錠機構,安全係止機構,
反動防止機構の3機能を一カ所に集結させて連動させた
引出しの開閉装置を提供する。 【解決手段】 複数の引出し1を装着したキャビネット
本体5の内側面に、各引出しに適合させた位置にそれぞ
れラッチ手段8,9を備えた開閉機構部を設け、各引出
し1の外側面には前記開閉機構部を制御する操作部材4
を突設すると共に、前記キャビネット本体5の上部には
鍵の操作で昇降制御軸が前記開閉機構部と連繋して各引
出しを一括施錠させる駆動機構部を設け、前記開閉機構
部が安全係止機構と反動防止機構を備え、当該安全係止
機構と反動防止機構に前記ラッチ手段8,9を兼用させ
た。 【効果】 部品コスト及び組立工数の低減を計り、組立
て精度を向上させて確実且つ安全な開閉作動ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数の引出しを上
下に重ね合わせた状態で装着した例えばキャビネットや
机などの家具類に対し、当該引出しを開閉操作する引出
しの開閉装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種の家具類における引出しは、例え
ば書類などを収納する事務用キャビネットを例に取る
と、キャビネット本体の内側面にガイドレールを設ける
と共に、このガイドレールに沿って摺動する摺動部材を
各引出しの外側面に設けた構成を基本とするが、この基
本構成に加えて安全且つ便利に使用できるように各種の
機能が装着されている。
【0003】これらの付加機能として、例えば盗難防止
などのために全ての引出しを閉じた状態でロックする一
括施錠機構を設けたり、傾動あるいは転倒を防止するた
めに二つの引出しを同時に開いた状態にさせない安全係
止機構を設けたり、閉じた際の衝撃反動あるいは一旦閉
じた後に振動などによって引出しが解放した状態になる
ことを防止する反動防止機構を設けたりしている。
【0004】そして、これらの一括施錠機構,安全係止
機構,反動防止機構はそれぞれ別々の場所に分散して装
着した独立機構によって達成されるように構成したもの
が大半であり、中には例えば実用新案登録第30083
37号公報に開示された転倒施錠装置のように、前記し
た3機能のうちの一括施錠機構と安全係止機構を連動し
た機構によって達成するようにした構想のものもある。
【0005】前記反動防止機構の一例としては、前記ガ
イドレールの終端側にはフック状の係止部を備えて弾性
的に反転作動する弾性部材で形成されたトグル機構を設
けると共に、摺動部材の後端側には引出しを開閉操作し
た際にこの係止部を作動させ且つ係止される操作部を設
け、引出しを閉じる際には前方に付勢された係止部が弾
性反力によって操作部を支弾して衝撃を吸収しながら後
退し、死点を通過したところで係止部は反力方向を逆転
して後方へ付勢された状態に転移し、この係止部によっ
て操作部は一定の保持力で係止されるので引出しの解放
が防止でき、引出しを開く際にはこの保持力より強い力
で引き出すとトグル機構は前方へ反転して操作部は係止
から解放される構造である。
【0006】また反動防止機構の他の例としては、先端
側に係止孔を備えた係止受け部材を引出しの前方外側面
に枢着し、この係止受け部材を常時はバネによって先端
側が外方へ付勢させると共に、基端側を引出しの前面に
装着した取手に連結させ、当該取手を操作するとバネの
付勢力に抗して先端側が内方へ回動するように連動さ
せ、キャビネット本体の前方内側面には前記係止孔に係
脱する鋸歯突起状の係止部材を設け、引出しを開ける際
に取手を引くと係止部材に係止されていた係止受け部材
が解放されて引出し可能な状態になり、引出しを閉じる
際には取手から手を離した状態で押し込むと係止部材の
テーパ面がバネ力に抗して係止受け部材を内方へ回動さ
せ、係止孔に当該係止部材が嵌合した状態で係止保持さ
れる構造である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前者の
ように3機能を分散して独立した機構によって達成する
構成の場合には、同様の構成部材をそれぞれの機構に重
複して使用したり、構成部材の数が多くなって組立て工
数も嵩むことになるので不経済であると共に、組立ての
精度によっては3機能が有機的に作動しなくなる恐れも
あり、また後者のように一括施錠機構と安全係止機構を
連動した機構にした場合でも、反動防止機構は別に装着
させる必要があり且つ構造も複雑であることから、機能
的に必ずしも十分とはいえず改善の余地があった。
【0008】そこで本発明では、これら従来技術の課題
を解決するために分散して独立していた一括施錠機構,
安全係止機構,反動防止機構の3機能を一カ所に集結さ
せて連動させ、これにより重複していた構成部材を相互
に兼用させて部品コスト及び組立工数の低減を計ると共
に、組立て精度を向上させて確実且つ安全な開閉作動が
できるようにし、また構造が簡単で信頼性も高く且つ保
守点検も容易な引出しの開閉装置の提供を目的とするも
のである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明による引出しの開
閉装置は、複数の引出しを装着したキャビネット本体の
内側面には、各引出しに適合させた位置にそれぞれラッ
チ手段を備えた開閉機構部を設け、各引出しの外側面に
は前記開閉機構部を制御する操作部材を突設すると共
に、前記キャビネット本体の上部には鍵の操作で昇降制
御軸が前記開閉機構部と連繋して各引出しを一括施錠さ
せる駆動機構部を設け、前記開閉機構部が安全係止機構
と反動防止機構を備え、当該安全係止機構と反動防止機
構に前記ラッチ手段を兼用させた。
【0010】前記開閉機構部は、前記キャビネット本体
の内側面に対して固定状態で装着した固定部と上下方向
へ摺動可能な縦長の昇降板を備えた可動部とで構成し、
前記固定部には引出しの開閉時に前記操作部材と係合し
て揺動回転するラッチレバーと、当該ラッチレバーを弾
発付勢するラッチスプリングを設け、前記可動部の昇降
板には前記駆動機構部の昇降制御軸と係合する上端側の
フック部と、前記ラッチレバーのラッチ軸が挿通される
ラッチ溝を形成するラッチ板を設け、前記ラッチ手段
は、前記ラッチレバーが中立位置を境に反転作動するラ
ッチスプリングによって、引出しを閉じた状態では開く
際に前進動する前記操作部材と対向する方向に弾発付勢
する係止位置と、引出しを開いた状態では閉じる際に後
退動する前記操作部材と対向する方向に弾発付勢する解
放位置との間を、前記操作部材と係合して揺動回転しな
がら切換え操作すると共に、前記ラッチ軸は前記ラッチ
溝を介して前記昇降板を前記係止位置では下降位置で懸
吊支持し、いずれか1つの引出しを開いた際に当該引出
し適合するラッチ手段の解放位置への切換えによって前
記昇降板を上昇位置へ押し上げ、前記係止位置にある他
の引出しに適合させたラッチ手段をロック状態にし、前
記昇降制御軸は、常時は前記フック部と係合しない位置
にあり、鍵の施錠時には前記フック部と係合して前記昇
降板を上昇位置へ引き上げ、引出しが閉じた状態で前記
係止位置にある全てのラッチ手段をロック状態にするも
のである。
【0011】また前記ラッチ手段は、上端側を枢支して
下端側に前記引出し側の操作部材と係合する係合受け溝
を凹設すると共に、上端側の枢支部に隣接して係合突起
を下端側の係合受け溝に隣接して前記ラッチ軸をそれぞ
れ設けたラッチレバーと、平行なバネ片の先端側を円環
状に連結して全体をバネ性に優れた合成樹脂材で形成
し、一方のバネ片の基端側を枢支して回動支点にすると
共に、他方のバネ片の基端側を前記係合突起と嵌合係止
するラッチスプリングを備え、前記ラッチスプリングは
各バネ片の間が常時外側へ開くように弾発付勢した状態
で前記ラッチレバーと係合させた。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に、本発明による引出しの開
閉装置の好適な実施形態を添付した図1〜6の図面を参
照して詳しく説明するが、この開閉装置を適用した事務
用キャビネットには複数の引出し1を装着し、前面パネ
ル2を装着した引出し本体3の両側外側面には(開閉機
構部に対する)操作部材として操作ピン4を突設すると
共に、キャビネット本体5側には操作ピン4で制御され
るラッチ手段を備えた開閉機構部を側板6の内側面に設
け、また図示は省略するが従来構造と同様の摺動案内機
構が、引出し本体3の両側外側面に装着したスライダー
と、キャビネット本体3側の側板6の内側面に装着した
ガイドレールによって構成している。
【0013】ラッチ手段は、詳細は後述するが固定部1
1側に設けたラッチレバー8とラッチスプリング9及び
可動部16側に設けたラッチ板13によつて構成し、引
出し1の開閉によって操作部材である引出し1側の操作
ピン4が前進又は後退移動する際にラッチレバー7に係
合すると、図1の中立位置Bを境にラッチスプリング9
が反転作動して解放位置Aと係止位置Cの何れかに切り
換え、この切り換え作動によってラッチ板13を含む可
動部16を操作すると共に、一括施錠用の鍵21に可動
部16を連繋させて一括施錠機構,安全係止機構,反動
防止機構としての機能を発揮させるものである。
【0014】開閉機構部は、図2で示すように固定板1
0に対して引出し1の配置と整合させた位置に、前記ラ
ッチレバー8とラッチスプリング9を装着したラッチ取
付板7を取り付けた固定部11と、昇降板14に対して
引出し1の配置に整合した位置に、逆L字状のラッチ溝
12を穿設したラッチ板13を装着すると共に、この昇
降板14の上端に吊り下げ用のフック部15を設けた可
動部16とで構成し、可動部16は側板6の内側面に凹
設した昇降案内溝18に昇降板14を摺動可能に嵌合さ
せた状態に配置し、固定部11は固定板10が可動部1
6を被覆する状態で側板6に取り付けられている。
【0015】固定部11に装着されたラッチ手段のラッ
チレバー8には、詳細は後述するが円弧状の軌跡を描い
て回動するラッチ軸17を可動部16側に向けて突出形
成させ、このラッチ軸17は固定板10に穿設した通孔
(図示を省略するが、ラッチ軸17の可動を妨げない方
形状その他の適宜の通孔、望ましくはラッチ軸17の可
動領域に適合させた円弧状溝孔)を貫通してラッチ板1
3のラッチ溝12に挿通させ、これにより可動部16は
ラッチ軸17で支持された状態で固定部11に縣吊され
ると共に、昇降板14の上端に設けたフック部15は図
3で示す一括施錠の駆動機構部19に設けた昇降制御軸
20に係合させる。
【0016】前記開閉機構部の他の実施形態としては、
例えば前記ラッチ板13を省略して昇降板14に直接ラ
ッチ溝12を穿設した形態すなわち昇降板14がラッチ
板13を兼用する形態もあり、またラッチ取付板7を省
略してラッチレバー8及びラッチスプリング9を固定板
10に直接取り付ける形態や、固定板10を省略してラ
ッチ取付板7を直接側板6に取り付ける形態もある。
【0017】一括施錠の駆動機構部19は、図1で示す
ようにキャビネット本体5の上端側前方に装着した鍵2
1の回動に連動させて昇降制御軸20を回動操作し、当
該昇降制御軸20がフック部15に係合して昇降板14
を引き上げることにより、全ての引出し1をロックした
状態になるように前記開閉機構部を駆動制御するもので
あり、前記鍵21と昇降制御軸20の間はキャビネット
本体5の天井部分に装着した図3で示す駆動伝達手段
(尚、左右対称構造のため左半分は省略する)を介して
連結させる。
【0018】駆動伝達手段は、一端側を鍵21に連結し
て他端側をL字状に屈曲させ、引出し1の開閉方向に沿
って配設した駆動軸22と、駆動軸22の他端側に配置
させた中央をコ字状に屈曲してクランク軸部23を形成
し、その両端側をそれぞれL字状に屈曲させた引出し1
の開閉方向と直交する従動軸24と、前記駆動軸22の
他端側を挿入する支持軸25に内面がU字状でクランク
軸部23が挿通されるクランク操作筒26を取り付けた
方向変換接続具27で構成し、前記駆動軸22及び従動
軸24の直状部分は適所で軸受用クランプ部材28で枢
支している。
【0019】前記駆動伝達手段において、例えば鍵21
を施錠した際には駆動軸22が図3の実線矢印のように
時計方向へ180度回動し、開錠した際には仮想線矢印
のように反時計方向へ180度回動させると共に、支持
軸25が取り付けられる駆動軸22の先端側の湾曲部分
は、駆動軸22に対して施錠時には垂直面の上方へ開錠
時には垂直面の下方へ突出させた状態で配置し、昇降制
御軸20のクランク軸部23は施錠時には水平面に対し
て仰角側へ45度、開錠時には水平面に対して俯角側へ
45度それぞれ傾斜させた状態で配置し、昇降制御軸2
0の両端側の湾曲部分は施錠時には水平面に沿って、開
錠時には垂直面に沿ってそれぞれ配置させている。
【0020】前記駆動機構部19は、一括施錠操作をす
る際に駆動軸22を実線矢印のように右回動すると、方
向変換接続具27の支持軸25を介してクランク操作筒
26が斜め上方へ押し上げられ、下向き45度に傾斜し
ていた従動軸24のクランク軸部23が上向き45度に
回動し、両端側の昇降制御軸20が下向き垂直状態から
水平状態へ回動し、当該昇降制御軸20が可動部16の
フック部15に係合して昇降板14を押し上げ、これに
より後述する引出し1の一括施錠を可能にするものであ
る。
【0021】また、一括施錠操作を解除する際には駆動
軸22を仮想線矢印のように左回動すると、方向変換接
続具27の支持軸25を介してクランク操作筒26が斜
め下方へ押し上げられ、上向き45度に傾斜していた従
動軸24のクランク軸部23が下向き45度に回動し、
両端側の昇降制御軸20が水平状態から下向き垂直状態
へ回動し、当該昇降制御軸20が昇降板14を押し下げ
ながらフック部15と係合しない位置へ移行する。
【0022】従って、前記駆動機構部19ではキャビネ
ット本体5の上部中央に配置した鍵21の施錠又は開錠
操作を方向変換して左右に振り分け、左右の側板6の内
面に配置した開閉機構部へ容易に連繋させ当該開閉機構
部を制御することができると共に、その構成はきわめて
簡単で且つ安価に提供できるものである。
【0023】前記ラツチ手段の構成は、図4で示すよう
にラッチレバー8は回動支点となる一端側をラッチ取付
板7から起立した枢支軸29に対して枢支し、このラッ
チレバー8には枢支した一端側に隣接して係合突起30
を突出形成すると共に、他端側には前記ラッチ板13の
ラッチ溝12に挿通するラッチ軸17の突設並びに、前
記引出し1側の操作ピン4が係合される係合受け溝31
の凹設をしている。
【0024】また、ラッチスプリング9は平行なバネ片
32,33の先端側を円環状に連結させ、一方のバネ片
32の基端側をラッチ取付板7から突設した枢支軸34
に対して枢支して回動支点にすると共に、他方のバネ片
33の基端側には前記係合突起30を嵌合係止する係合
受け溝35を凹設し、全体をバネ性に優れた合成樹脂材
例えばPBT(ポリブチレンテレフタレート)などで形
成し、前記バネ片32とバネ片33は常時外側へ開くよ
うに弾発付勢している。
【0025】なお、図4で示すようにラッチレバー8に
円弧状の係止部8aを設け、この係止部8aがラッチス
プリング9のバネ片33の枢支部外周面と(解放位置A
の状態で)係止するように構成すると、ラッチ取付板7
の枢支軸29,34へ装着する前のラッチスプリング9
をラッチレバー8の係止部8aと係合突起30の間に係
止保持させることができるので、ラッチスプリング9の
弾発付勢力の影響を受けることなく、ラッチスプリング
9をラッチレバー8と連結した状態で枢支軸29,34
へ容易に装着することができ、組付けの作業性を向上で
きる。
【0026】前記ラッチ手段は、図5で示すように操作
レバー4との相対移動によって、中立位置Bを境にして
解放位置Aと係止位置Cの二様の安定状態に切り換え作
動するものであり、例えば解放位置A(引出し1を開い
た状態)から引出し1を閉じる場合には、操作レバー4
によって係合受け溝31の部分が押圧されたラッチレバ
ー8は、枢支軸29を回動支点に時計方向へ回動し、係
合突起30が係合受け溝35を介してバネ片33を斜め
上方へ押圧するので、ラッチスプリング9はバネ片33
とバネ片32の間隔を縮めながら次第にバネ力を増すと
共に、枢支軸34を回動支点に反時計方向へ回動して中
立位置Bへ移行する。
【0027】中立位置Bでは、係合突起30による押圧
方向とバネ片33の復元方向が対向して一時的な均衡状
態になり、中立位置Bを僅かでもすぎるとバネ片33の
復元方向が係合突起30を斜め上方へ押し上げるように
作用するので、ラッチレバー8はラッチスプリング9に
助勢されながら急速に係止位置Cへ移行し、この係止位
置Cではバネ片33が係合突起30を斜め下方へ押圧
し、ラッチレバー8は枢支軸29を回動支点に時計方向
へ弾発付勢されているので、引出し1が容易に開かない
ように操作レバー4を係合受け溝31内に拘束してい
る。
【0028】また、係止位置C(引出し1を閉じた状
態)から引出し1を開く場合には、バネ片33による弾
発付勢力に抗して引き出すと、前記した閉じる場合とは
逆の過程で中立位置Bを経て解放位置Aへ移行するが、
引出し1の開閉によって操作レバー4が前進又は後退し
てラッチ手段が前記作動を行った際には、ラッチレバー
8のラッチ軸17は円弧状の軌跡を描きながら高さ位置
が変化し、当該ラッチ軸17が挿通されている前記ラッ
チ板13のラッチ溝12を介して、詳細は後述するが前
記固定部11に対する可動部16の係止状態を制御す
る。
【0029】従って、前記ラッチ手段では引出し1を閉
じた際における当該引出しの反動をラッチレバー8とラ
ッチスプリング9によるトグル機構が防止し、迅速且つ
確実に閉じた状態に移行させることができると共に、閉
じた引出し1はラッチスプリング9による一定の保持力
で係止され、閉じた際の衝撃や使用中における振動など
で開くことがない構造が得られ、またラッチスプリング
9は合成樹脂材の可撓性(弾性)を利用してコイルバネ
などの金属ばねを使用しないので、腐食やへたりの少な
い耐久性に優れた構成である。
【0030】前記開閉機構部は、引出し1を閉じた際に
おける操作レバー4の終端位置に適合させ、左右一対を
キャビネット本体5の側板6内側面へ縦長に設け、それ
ぞれの開閉機構部には引出し1の数と同数のラッチ手段
を装着して使用するが、各ラッチ手段と一括施錠機構の
相関関係を図6で説明すると、例えば一括施錠機構を解
除し且つ双方の引出しが閉じた状態では、各ラッチ手段
は図5の係止位置Cにあってラッチ溝12に挿通したラ
ッチ軸17は水平溝部の後端側に位置すると共に、フッ
ク部15に対して昇降制御軸20が係合せずに昇降板1
4は引き下げられているので、この場合には図6(a)
で示すような状態にある。
【0031】すなわち、図6(a)の状態ではラッチ溝
12に挿通したラッチ手段のラッチ軸17が可動部16
を支持すると共に、操作レバー4によってラッチレバー
8が操作されると円弧状の軌跡で回動して可動部16を
押し上げることが可能な状態にあるので、ラッチスプリ
ング9の弾発付勢力より大きな牽引力がラッチレバー8
に作用すると引出しが可能である。
【0032】そこで、何れか一つ例えば図6(b)では
上方の図6(c)では下方の引出し1を開くと、開いた
引出し側のラッチ手段は図5の中立位置Bを経て解放位
置Aに移行されるが、その際に操作レバー4によるラッ
チレバー8の操作でラッチ軸17がラッチ板13を含む
可動部16を押し上げるので、残りの引出し側のラッチ
手段即ち図6(b)で下方の図6(c)では上方のラッ
チ手段は、図5の係止位置Cにあってラッチ溝12に挿
通したラッチ軸17は垂直溝部の下端側へ相対移動し、
当該引出し1を開こうとして操作レバー4がラッチレバ
ー8を操作しても、円弧状の軌跡で回動しようとするラ
ッチ軸17をラッチ溝12の垂直溝部の内壁面が阻止
し、これにより引出し1は同時に二つ以上は開かない構
造となり、キャビネットの前傾及び転倒を防止すること
ができる。
【0033】また、全ての引出し1を閉じた図6(a)
の状態で鍵21を操作して前記一括施錠の駆動機構部1
9を作動させると、フック部15に対して昇降制御軸2
0が係合しながら昇降板14を引き上げるので、図6
(d)のようにラッチ軸17は垂直溝部の下端側へ相対
移動し、全てのラッチ手段が前記と同様に作動して引出
しを閉じた状態にロックすることができる。
【0034】
【発明の効果】以上の実施形態の説明でも明らかなよう
に、本発明による引出しの開閉装置によると、従来技術
では独立して機構として別々の場所に分散は位置してい
た一括施錠機構,安全係止機構,反動防止機構を一カ所
に集約して配置したので、重複部品の省略及び組立工数
の減少によるコストの削減が可能であると共に、組立て
精度による動作不良も改善されて信頼性の高い開閉装置
を期待できる。
【0035】また、ラッチレバーとラッチスプリングに
よるトグル機構で構成した前記ラッチ手段の使用によ
り、引出しを閉じた際における当該引出しの反動を防止
し、迅速且つ確実に閉じた状態に移行させることができ
ると共に、閉じた引出しはラッチスプリングによる一定
の保持力で係止され、閉じた際の衝撃や使用中における
振動などで開くことがない構造が得られ、このラッチス
プリングは合成樹脂材の可撓性(弾性)を利用してコイ
ルバネなどの金属ばねを使用しないので、腐食やへたり
の少ない耐久性に優れた構成である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した実施形態による引出しの開閉
装置の全体の概略説明図。
【図2】図1の開閉装置における要部となる開閉機構部
の分解斜視図。
【図3】図1の開閉装置における一括施錠機構の駆動機
構部の概略斜視図。
【図4】図1の開閉装置における開閉機構部の主要部を
なすラッチ手段の平面図。
【図5】図4のラッチ手段の動作説明図。
【図6】図3の駆動機構部と図4のラッチ手段で制御さ
れる開閉機構部の動作説明図。
【符号の説明】
1 引出し 2 前面パネル 3 引出し本体 4 操作ピン 5 キャビネット本体 6 側板 7 ラッチ取付板 8 ラッチレバー 8a 係止部 9 ラッチスプリング 10 固定板 11 固定部 12 ラッチ溝 13 ラッチ板 14 昇降板 15 フック部 16 可動部 17 ラッチ軸 18 昇降案内溝 19 駆動機構部 20 昇降制御軸 21 鍵 22 駆動軸 23 クランク軸部 24 従動軸 25 支持軸 26 クランク操作筒 27 方向変換接続具 28 軸受用クランプ部材 29,34 枢支軸 30 係合突起 31 係合受け溝 32,33 バネ片

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の引出しを装着したキャビネット本
    体の内側面には、各引出しに適合させた位置にそれぞれ
    ラッチ手段を備えた開閉機構部を設け、各引出しの外側
    面には前記開閉機構部を制御する操作部材を突設すると
    共に、前記キャビネット本体の上部には鍵の操作で昇降
    制御軸が前記開閉機構部と連繋して各引出しを一括施錠
    させる駆動機構部を設け、前記開閉機構部が安全係止機
    構と反動防止機構を備え、当該安全係止機構と反動防止
    機構に前記ラッチ手段を兼用させたことを特徴とした引
    出の開閉装置。
  2. 【請求項2】 前記開閉機構部は、前記キャビネット本
    体の内側面に対して固定状態で装着した固定部と上下方
    向へ摺動可能な縦長の昇降板を備えた可動部とで構成
    し、前記固定部には引出しの開閉時に前記操作部材と係
    合して揺動回転するラッチレバーと、当該ラッチレバー
    を弾発付勢するラッチスプリングを設け、前記可動部の
    昇降板には前記駆動機構部の昇降制御軸と係合する上端
    側のフック部と、前記ラッチレバーのラッチ軸が挿通さ
    れるラッチ溝を形成するラッチ板を設け、前記ラッチ手
    段は、前記ラッチレバーが中立位置を境に反転作動する
    ラッチスプリングによって、引出しを閉じた状態では開
    く際に前進動する前記操作部材と対向する方向に弾発付
    勢する係止位置と、引出しを開いた状態では閉じる際に
    後退動する前記操作部材と対向する方向に弾発付勢する
    解放位置との間を、前記操作部材と係合して揺動回転し
    ながら切換え操作すると共に、前記ラッチ軸は前記ラッ
    チ溝を介して前記昇降板を前記係止位置では下降位置で
    懸吊支持し、いずれか1つの引出しを開いた際に当該引
    出し適合するラッチ手段の解放位置への切換えによって
    前記昇降板を上昇位置へ押し上げ、前記係止位置にある
    他の引出しに適合させたラッチ手段をロック状態にし、
    前記昇降制御軸は、常時は前記フック部と係合しない位
    置にあり、鍵の施錠時には前記フック部と係合して前記
    昇降板を上昇位置へ引き上げ、引出しが閉じた状態で前
    記係止位置にある全てのラッチ手段をロック状態にする
    請求項1に記載した引出の開閉装置。
  3. 【請求項3】 前記ラッチ手段は、上端側を枢支して下
    端側に前記引出し側の操作部材と係合する係合受け溝を
    凹設すると共に、上端側の枢支部に隣接して係合突起を
    下端側の係合受け溝に隣接して前記ラッチ軸をそれぞれ
    設けたラッチレバーと、平行なバネ片の先端側を円環状
    に連結して全体をバネ性に優れた合成樹脂材で形成し、
    一方のバネ片の基端側を枢支して回動支点にすると共
    に、他方のバネ片の基端側を前記係合突起と嵌合係止す
    るラッチスプリングを備え、前記ラッチスプリングは各
    バネ片の間が常時外側へ開くように弾発付勢した状態で
    前記ラッチレバーと係合させた請求項1又は請求項2に
    記載した引出の開閉装置。
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