JPH11228634A - ブタジエン系重合体、その製造法、および触媒 - Google Patents

ブタジエン系重合体、その製造法、および触媒

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JPH11228634A
JPH11228634A JP15688798A JP15688798A JPH11228634A JP H11228634 A JPH11228634 A JP H11228634A JP 15688798 A JP15688798 A JP 15688798A JP 15688798 A JP15688798 A JP 15688798A JP H11228634 A JPH11228634 A JP H11228634A
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butadiene
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metal compound
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Kazuo Soga
和雄 曽我
Michihiko Asai
道彦 浅井
Yasuzo Suzuki
靖三 鈴木
Satoru Miyazawa
哲 宮沢
Kenji Tsuchihara
健治 土原
Masahide Murata
昌英 村田
Hiroyuki Ozaki
裕之 尾崎
Masanao Kawabe
正直 川辺
Yoshifumi Fukui
祥文 福井
Toshio Kase
俊男 加瀬
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KAGAKU GIJUTSU SENRYAKU SUISHI
KAGAKU GIJUTSU SENRYAKU SUISHIN KIKO
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KAGAKU GIJUTSU SENRYAKU SUISHI
KAGAKU GIJUTSU SENRYAKU SUISHIN KIKO
Agency of Industrial Science and Technology
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シス結合が多く、Mw/Mnが小さなブタジ
エン系重合体;その製造方法;および高活性で重合体の
立体規則性の制御に優れ、さらに分子量分布の小さな共
役ジエン重合体の製造に有用な触媒を提供する。 【解決手段】 ブタジエン類に由来する全単位中シス結
合したブタジエン類由来の単位が50%以上、Mw/M
nが1.9以下、Mwが1,000〜10,000,0
00であるブタジエン系重合体。置換基としてカルボニ
ル基またはスルフォニル基を持つシクロペンタジエニル
骨格を有する周期律表第IV族遷移金属化合物と、
(B)アルミノキサン、または該遷移金属化合物(A)
と反応してカチオン性遷移金属化合物を生成できるイオ
ン化合物とからなる触媒の存在下にブタジエン類を重合
することにより、上記重合体を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シス結合が多く、
重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比
(Mw/Mn)が小さなブタジエン系重合体、共役ジエ
ン重合体の製造方法、および高活性で新規な共役ジエン
重合用触媒に関する。
【0002】
【従来の技術】エチレンまたはα−オレフインとブタジ
エンとの共重合について、Makromol. Che
m., Macromol. Symp.、1986年、
第4巻、103〜118頁、Makromol. Ch
em., 1991年、第192巻、2591〜260
1頁、および特表平1−501633号公報には、第I
V族遷移金属のメタロセン化合物が触媒成分として用い
られることが開示されている。また、特開平7−112
989号公報には希土類元素のトルエン錯体が触媒成分
として開示されている。しかしながら、これらの触媒を
ブタジエン、イソプレンなどの共役ジエンの単独重合に
用いた場合には重合活性が不充分であり、また重合体の
立体制御も困難である。
【0003】Makromol. Chem., Mac
romol. Symp.、1995年、第89巻、3
83〜392頁にはメタロセン化合物として(C55
TiCl3、(C55)Ti(OBu)3、(C55)T
iCl2・2THF、[(C55)TiCl2nの各々
を、メチルアルミノキサンと組み合わせて用い、各種の
1,3−ジエンを重合することが開示されている。ま
た、特開平1−254713号公報、特開平3−188
109号公報および特開平4−331213号公報には
アルミノキサンと遷移金属化合物との組合せからなる
1,3−ジエンが重合可能な触媒の例が開示されてい
る。これらの触媒によりブタジエンを重合すると、比較
的高いシス結合含量を有する重合体が得られるが、高分
子量のものを得ることは困難である。
【0004】特開平9−77818号公報には、高活性
であって、重合体の立体規則性の制御に優れた下記一般
式IIで示される周期律表第IV族遷移金属化合物とア
ルミノキサンなどとの組み合わせからなる共役ジエン重
合用触媒が開示されている。この触媒によるブタジエン
の重合は高活性で進行し、シス結合含量が96%の重合
体が得られたことが開示されている。しかし、その重合
体の分子量および分子量分布の規制については記載され
ていない。 一般式II:
【0005】
【化3】
【0006】(式中、Mは第IV族遷移金属、Xは水素
原子、ハロゲン、炭素数1から12の炭化水素基、また
は炭素数1から12の炭化水素オキシ基、Yは炭素数1
から20の炭化水素基であってそれ自体シクロペンタジ
エニル基と環を形成していてもよく、Zは水素原子また
は炭素数1から12の炭化水素基である。)
【0007】さらに、Co系、Ni系、Ti系およびN
d系の典型的配位重合触媒を用いて重合した、分子量が
高く、シス結合含量が90%以上のハイシス−ブタジエ
ン重合体が知られている。しかし、この重合体は分子量
分布(Mw/Mn)が2.0より大きなものであった。
一方、有機リチウム触媒を用いれば、高分子量で分子量
分布の狭いブタジエン重合体が得られるが、そのシス結
合含量は40%以下に留まる。このように、従来技術で
は、共役ジエン単量体を高活性で重合させ、高分子量で
分子量分布が狭く、しかも、シス結合含量の高い重合体
を得ることは困難である。
【0008】なお、下記構造式I’で示される周期律表
第IV族遷移金属化合物からなるメタロセン触媒が、M
akromol. Chem., Macromol.
Symp.、1997年、第118巻、55〜60頁に
記載され、知られている。しかしながら、これを共役ジ
エン単量体の重合に用いた例は知られていない。 構造式I’: MeO(CO)CH2CpTiCl3
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、シス結合が
多く、Mw/Mnが小さなブタジエン系重合体、高活性
の触媒を用いた共役ジエン重合体の製造方法、および、
高活性で重合体の立体規則性の制御に優れ、さらに分子
量分布の小さな新規な共役ジエン重合体の製造に有用な
触媒を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、ブタジ
エン類単独重合体、またはブタジエン類と、共重合可能
な単量体との共重合体であって、ブタジエン類に由来す
る全単位中シス結合したブタジエン類由来の単位が50
%以上、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(M
n)との比(Mw/Mn)が1.9以下、Mwが1,0
00〜10,000,000であることを特徴とするブ
タジエン系重合体が提供される。上記ブタジエン系重合
体は、下記式(1)を満足することが好ましい。 log(Mw/Mn)<0.162×log(Mw)−0.682 (1)
【0011】さらに、本発明によれば、(A)置換基と
してカルボニル基またはスルフォニル基をもつシクロペ
ンタジエニル骨格を有する周期律表第IV族遷移金属化
合物と、(B)アルミノキサン、または該遷移金属化合
物(A)と反応してカチオン性遷移金属化合物を生成で
きるイオン化合物とからなる触媒の存在下に共役ジエン
単量体、または、共役ジエン単量体およびそれと共重合
可能な単量体を重合することを特徴とする共役ジエン重
合体の製造方法が提供される。
【0012】さらに、本発明によれば、(A)置換基と
してカルボニル基またはスルフォニル基を持つシクロペ
ンタジエニル骨格を有する周期律表第IV族遷移金属化
合物と、(B)アルミノキサン、または該遷移金属化合
物(A)と反応してカチオン性遷移金属化合物を生成で
きるイオン化合物とからなることを特徴とする、共役ジ
エン重合用触媒が提供される。
【0013】
【発明の実施の形態】〈重合触媒〉本発明の共役ジエン
重合用触媒は、(A)置換基としてカルボニル基または
スルフォニル基をもつシクロペンタジエニル骨格を有す
る周期律表第IV族遷移金属化合物と、(B)アルミノ
キサン、または該遷移金属化合物(A)と反応してカチ
オン性遷移金属化合物を生成できるイオン化合物とから
なる。
【0014】上記の置換基にカルボニル基またはスルフ
ォニル基をもつシクロペンタジエニル骨格を有する周期
律表第IV族遷移金属化合物(A)は、好ましくは下記
一般式Iで示される周期律表第IV族遷移金属化合物で
ある。 一般式I:
【0015】
【化4】
【0016】(式中、Mは第IV族遷移金属、X1
2、X3は水素原子、ハロゲン、炭素数1から12の炭
化水素基、または炭素数1から12の炭化水素オキシ
基、Yは水素原子、または炭素数1から20の炭化水素
基であって、それ自体シクロペンタジエニル基と環を形
成していてもよく、Z1、Z2は水素原子または炭素数1
から12の炭化水素基、Aは酸素原子または硫黄原子、
1は水素原子、炭素数1〜12の炭化水素基または炭
素数1から12の炭化水素オキシ基であり、nは0から
5の整数である。)
【0017】一般式Iで表される遷移金属化合物は、よ
り好ましくは、ただ一個のシクロペンタジエニル基、ア
ルキル、アリール、シクロアルキル基などの置換基を有
するシクロペンタジエニル基、または複数の融合した環
状置換基を配位子としてもついわゆるメタロセン化合物
であり、かつ該配位子のシクロペンタジエニル基は>C
=O構造、または>C=S構造を有する原子団を置換基
として有している。また、周期律表第IV族遷移金属
(式中のM)は、好ましくはTi、ZrまたはHf、よ
り好ましくはTiである。好ましいX1、X2、X3は、
ハロゲンとしてはフッ素原子、塩素原子、臭素原子およ
び沃素原子、好ましくは塩素原子、炭化水素基としては
メチル、ネオペンチルなどのアルキル基、ベンジルなど
のアラルキル基、炭化水素オキシ基としてはメトキシ、
エトキシ、イソプロポキシなどのアルコキシ基、ベンジ
ルオキシ基などのアラルキルオキシ基などが挙げられ
る。炭化水素オキシ基としてはアルコキシ基が好まし
い。Yには、例えば、水素原子、および、メチル、エチ
ル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチルなど
のアルキル基、フェニルなどのアリール基、ベンジルな
どのアラルキル基などのほか、トリメチルシリル基など
の珪素原子を含有する炭化水素基も含まれる。シクロペ
ンタジエニル環に結合したYは、このシクロペンタジエ
ニル環とともに、例えばインデニル基、フルオレニル基
のような多環状基を形成していてもよい。Z1、Z2とし
ては、例えば、水素原子、メチル、エチル、プロピル、
イソプロピル、ブチル、t−ブチルなどのアルキル基、
フェニルなどのアリール基、ベンジルなどのアラルキル
基などが挙げられる。R1としては、例えば、水素原
子、炭化水素基としては、メチル、エチル、プロピル、
イソプロピル、ブチル、t−ブチルなどのアルキル基、
フェニルなどのアリール基、ベンジルなどのアラルキル
基、炭化水素オキシ基としてはメトキシ、エトキシ、プ
ロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、t−ブトキシな
どのアルコキシ基、フェニルオキシ基などのアリールオ
キシ基、ベンジルオキシ基などのアラルキルオキシ基な
どが挙げられる。これらの中では炭化水素オキシ基が好
ましく、アルコキシ基が特に好ましい。nは好ましくは
1または2、より好ましくは1である。
【0018】一般式Iで表わされる周期律表第IV族遷
移金属化合物(A)の具体例としては、MeO(CO)
CH2CpTiCl3、MeO(CO)CH(Me)Cp
TiCl3、{3−[MeO(CO)CH2]}(1−M
e)CpTiCl3などが例示される。
【0019】一般式Iで示される周期律表第IV族遷移
金属化合物の調製方法は特に制限されない。例えば、M
eO(CO)CH2CpTiCl3を調製するのであれ
ば、Macromol. Symp.、1997年、第
118巻、55〜60頁の記載に基づいて調製すればよ
い。
【0020】上記周期律表第IV族遷移金属化合物
(A)と組み合わせて用いるアルミノキサンは、下記一
般式IIIで表される直鎖状または環状重合体であり、
有機アルミニウムオキシ化合物である。 一般式III: (−Al(R2)O−)n (R2は炭素数1〜10の炭化水素基であり、その具体
例としては、メチル、エチル、プロピル、イソブチルな
どのアルキル基が挙げられ、中でもメチル基が好まし
い。R2はハロゲン原子および/またはR3O基で置換さ
れたものであってもよい。R3は炭素数1〜10の炭化
水素基であり、その具体例としては、メチル、エチル、
プロピル、イソブチルなどのアルキル基が挙げられ、中
でもメチル基が好ましい。nは重合度であり、5以上、
好ましくは10以上である)
【0021】遷移金属化合物(A)と反応してカチオン
性錯体を形成できるイオン性化合物としては、テトラキ
ス(ペンタフルオロフェニル)ボレートのアニオンと、
例えば(CH32N(C65)H+のような活性プロト
ンを有するアミンカチオン、(C653+のような三
置換カルボニウムカチオン、カルボランカチオン、メタ
ルカルボランカチオン、遷移金属を有するフェロセニウ
ムカチオンとのイオン化合物を用いることができる。
【0022】本発明においては、さらに、水素化金属化
合物、周期律表第I〜III族主元素金属の有機金属化
合物、有機金属ハロゲン化合物、水素化有機金属化合物
などを併用して共役ジエン単量体を重合してもよい。水
素化金属化合物としては、例えば、NaH、LiH、C
aH2、LiAlH4、NaBH4などが挙げられる。主
元素金属の有機金属化合物としては、例えば、メチルリ
チウム、ブチルリチウム、フェニルリチウム、ジブチル
マグネシウム、トリメチルアルミニウム、トリエチルア
ルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシ
ルアルミニウム、トリオクチルアルミニウムなどが挙げ
られる。有機金属ハロゲン化合物としては、例えば、エ
チルマグネシウムクロライド、ブチルマグネシウムクロ
ライド、ジメチルアルミニウムクロライド、ジエチルア
ルミニウムクロライド、セスキエチルアルミニウムクロ
ライド、エチルアルミニウムジクロライドなどが挙げら
れる。水素化有機金属化合物としては、例えば、ジエチ
ルアルミニウムハイドライド、セスキエチルアルミニウ
ムハイドライドなどが挙げられる。
【0023】本発明においては、遷移金属化合物および
/またはイオン性化合物を担体に担持して用いることが
できる。担体としては、無機化合物または有機高分子化
合物が挙げられる。無機化合物としては、無機酸化物、
無機塩化物、無機水酸化物などが好ましく、少量の炭酸
塩、硫酸塩を含有したものでもよい。好ましいものは、
シリカ、アルミナ、マグネシア、チタニア、ジルコニ
ア、カルシアなどの無機酸化物、および、塩化マグネシ
ウムなどの無機塩化物である。これらの無機化合物は、
平均粒子径が5〜150μm、比表面積が2〜800m
2/gの多孔性微粒子が好ましく、例えば100〜80
0℃で熱処理して用いることができる。有機高分子化合
物としては、側鎖に芳香族環、置換芳香族環、またはヒ
ドロキシ基、カルボキシル基、エステル基、ハロゲン原
子などの官能基を有するものが好ましい。有機高分子化
合物の具体例としては、エチレン、プロピレン、ポリブ
テンなどの化学変成によって導入された官能基を有する
α−オレフィン単独重合体、α−オレフイン共重合体、
アクリル酸、メタクリル酸、塩化ビニル、ビニルアルコ
ール、スチレン、ジビニルベンゼンなどの単独重合体、
共重合体、さらにそれらの化学変成物を挙げることがで
きる。これらの有機高分子化合物は、平均粒子径が5〜
250μmの球状微粒子が用いられる。遷移金属化合物
および/またはイオン性化合物を担持することによっ
て、触媒の重合反応器への付着による汚染を防止するこ
とができる。
【0024】〈単量体〉本発明に用いる共役ジエン単量
体としては、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3
−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエ
ン、2−クロロ−1,3−ブタジエンなどのブタジエン
類のほか、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエ
ンなどが含まれる。なお、ブタジエン類とは、主骨格の
炭素数が4である共役ジエンをいう。共役ジエンの中で
も1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエ
ンが好ましく、1,3−ブタジエンがより好ましい。こ
れらの共役ジエン単量体は、それぞれ単独で、または2
種以上を組み合わせて用いることができるが、特に1,
3−ブタジエンを単独で用いることが好ましい。
【0025】また、共役ジエン単量体と共重合可能な単
量体としては、スチレン、o−メチルスチレン、p−メ
チルスチレン、m−メチルスチレン、2,4−ジメチル
スチレン、エチルスチレン、p−tert−ブチルスチ
レン、α−メチルスチレン、α−メチル−p−メチルス
チレン、o−クロルスチレン、m−クロルスチレン、p
−クロルスチレン、p−ブロモスチレン、2−メチル−
1,4−ジクロルスチレン、2,4−ジブロモスチレ
ン、ビニルナフタレンなどの芳香族ビニル、エチレン、
プロピレン、1−ブテンなどのオレフィン、シクロペン
テン、ジシクロペンタジエン、2−ノルボルネン、5−
エチリデン−2−ノルボルネンなどの環状オレフィン、
1,5−ヘキサジエン、1,6−ヘプタジエン、1,7
−オクタジエンなどの非共役ジエン、(メタ)アクリル
酸メチル、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリ
ルアミドなどが含まれる。
【0026】〈共役ジエン重合体の製造方法〉本発明に
おいて共役ジエン単量体、または、共役ジエン単量体お
よびそれと共重合可能な単量体を重合するには、上記遷
移金属化合物(A)と、アルミノキサンおよび/または
上記イオン性化合物(B)とを用いて、以下のような方
法(1)〜(6)で重合する。なお、特に記載しない限
り、(A)成分も(B)成分も、それぞれ、溶液、スラ
リーのいずれの状態であってもよく、互いに異なる状態
であってもよい。また、溶液またはスラリーとして調製
するために用いる溶媒は、炭化水素溶媒またはハロゲン
化炭化水素溶媒が用いられる。
【0027】(1) (A)成分と(B)成分を予め接
触させた後、さらに単量体と接触させて重合を行う。 (2) (A)成分と単量体とを予め接触した後、さら
に(B)成分と接触させて重合を行う。 (3) (B)成分と単量体とを予め接触した後、さら
に(A)成分と接触させて重合を行う。 (4) (A)成分溶液と(B)成分溶液を混合し、担
体と接触させ、生成した担持触媒を分離して、担持触媒
と単量体とを接触させて重合を行う。 (5) (A)成分溶液と担体を接触させた後、さらに
(B)成分溶液と接触させ、生成した担持触媒を分離し
て、担持触媒と単量体とを接触させて重合を行う。 (6) (B)成分溶液と担体を接触させた後、さらに
(A)成分溶液と接触させ、生成した担持触媒を分離し
て、担持触媒と単量体とを接触させて重合を行う。
【0028】なお、(A)、(B)各成分を溶解、スラ
リー化するための炭化水素溶媒としては、ブタン、ペン
タン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサ
ン、ミネラルオイル、ベンゼン、トルエン、キシレンな
どの不活性炭化水素が挙げられる。ハロゲン化炭化水素
溶媒としては、クロロホルム、メチレンクロライド、ジ
クロロエタン、クロロベンゼンなどが挙げられる。
【0029】上記重合反応において、成分(A)、
(B)および単量体の接触は、通常−100〜100℃
にて1秒〜180分行う。触媒の使用量は、通常、単量
体1モル当り上記遷移金属化合物(A)100〜0.0
01ミリモル、好ましくは10〜0.01ミリモル、よ
り好ましくは5〜0.1ミリモルの範囲である。各成分
の使用量は、アルミノキサン/遷移金属化合物のモル比
が通常10〜10,000、好ましくは100〜5,0
00、イオン性化合物/遷移金属化合物のモル比が、通
常0.01〜100、好ましくは0.1〜10である。
さらに有機金属化合物を共用する場合には、有機金属化
合物/遷移金属化合物のモル比は通常0.1〜10,0
00、好ましくは1〜1,000である。
【0030】本発明における共役ジエン単量体、また
は、共役ジエン単量体およびそれと共重合可能な単量体
の重合には、通常不活性炭化水素系溶媒中での溶液重合
法、スラリー重合法、モノマーを希釈剤とするバルク重
合法などが採用できる。その他、気相攪拌槽、気相流動
床での気相重合法も採用できる。これらの重合法は、例
えば、温度−100〜110℃、時間1秒〜360分、
圧力が常圧〜30kg/cm2にて行なわれる。なお、
使用される不活性炭化水素系溶媒は前述と同様のもので
ある。
【0031】また、重合活性の向上、生成重合体の固体
触媒の形状保持、本重合反応容器への触媒導入の容易
さ、重合反応容器への触媒付着防止、気相反応容器中で
の流動性向上などを目的として、ブタジエン類を前記の
各種重合方法に従って、予め予備重合したものを本重合
で触媒として使用してもよい。重合体の分子量を調節す
るために、連鎖移動剤を添加することもできる。連鎖移
動剤としては、シス−1,4−ポリブタジエンゴムの重
合反応で一般に使用されるものが用いられ、特に1,2
−ブタジエンなどのアレン類やシクロオクタジエンなど
の環状ジエン類が好ましく使用される。
【0032】重合反応の停止は、通常、所定の転化率に
達した時点で、重合系に重合停止剤を添加することによ
って行われる。重合停止剤としては、例えば、メタノー
ル、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソブタ
ノールなどのアルコール類が用いられる。重合反応停止
後、重合体を回収する方法は特に限定されず、例えば、
スチームストリッピング法などを用いればよい。
【0033】〈ブタジエン系重合体〉本発明の共役ジエ
ン重合体は、用いる触媒が高活性であることから、効率
よく製造できるが、本発明の製造方法により得られる共
役ジエン重合体のうち、下記のブタジエン系重合体は、
構造の新規な重合体である。
【0034】この新規なブタジエン系重合体は、ブタジ
エン類、好ましくは1,3−ブタジエンに由来する繰り
返し単位が50%以上、好ましくは70%以上、より好
ましくは80%以上、特に好ましくは90%以上の共重
合体または1,3−ブタジエンの単独重合体であり、最
も好ましくは1,3−ブタジエンの単独重合体である。
ブタジエンに由来する繰り返し単位が少なすぎると、本
発明のブタジエン系重合体のシス結合が多いことに基づ
く好ましい特性が損なわれる。
【0035】本発明のブタジエン系重合体は、そのブタ
ジエン類に由来する全繰り返し単位中シス結合が50%
以上、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以
上である。シス結合が少な過ぎると引張強度の低下など
の問題が生じ、ゴムとして好ましい特性を失う。なお、
ここでいうシス結合とは1,4−シス結合のことであ
る。
【0036】本発明のブタジエン系重合体の重量平均分
子量(Mw)は1,000〜10,000,000、好
ましくは5,000〜5,000,000、より好まし
くは10,000〜3,000,000である。分子量
が小さすぎると機械的強度が低いなど高分子としての物
性が不十分になり、逆に、分子量が大きすぎると成形が
困難になるという問題を生じる。なお、ブタジエン系重
合体の分子量は、標準ポリブタジエン試料を用いて作成
した検量線に基づき、ゲルパーミエーションクロマトグ
ラフィー(GPC分析)により求めた。
【0037】また、本発明のブタジエン系重合体の重量
平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比である
分子量分布(Mw/Mn)は、1.9以下、好ましくは
1.8以下、より好ましくは1.7以下である。分子量
分布が大きすぎると、架橋した場合に耐摩耗性などの架
橋物の物性の低下という問題が生じる。さらに、本発明
のブタジエン系重合体の重量平均分子量(Mw)と分子
量分布(Mw/Mn)との間では、下記式(1)が満さ
れることが好ましい。 log(Mw/Mn)<0.162×log(Mw)−0.682 (1)
【0038】
【実施例】以下に実施例を挙げて、本発明を具体的に説
明する。 実施例1 (2−メトキシカルボニルメチル)シクロペンタジエニ
ルトリクロロチタン[MeOCOCH2CpTiCl3
の合成 トリメチルシリルシクロペンタジエニルナトリウム(3
2g,200mmol)の400mlテトラヒドロフラ
ン溶液にアルゴン雰囲気下−78℃でメチルブロモアセ
テート(30.6g,200mmol)の100mlテ
トラヒドロフラン溶液をゆっくりと滴下した。滴下終了
後、さらに−78℃で一晩攪拌を続けた。その後、減圧
下でテトラヒドロフランを溜去し、生成した固体をろ別
した後真空蒸留(65−66℃/3mmHg)により約
30g(70%)の(2−メトキシカルボニルメチル)
トリメチルシリルシクロペンタジエン[TMSCpCH
2COOMe]を得た。生成物の構造は1H−NMRから
確認した。
【0039】1H−NMR(ppm,TMS,CDC
3)6.55−6.20(m,ring H on Cs
p2),3.5−3.35(m,ring H on C
sp3),3.15−2.98(m,ring H on
Csp3),3.69(s,2H),3.67(s,
3H),−0.22(s,9H)
【0040】(2−メトキシカルボニルメチル)トリメ
チルシリルシクロペンタジエン4.2g(20mmo
l)の100ml乾燥塩化メチレン溶液にアルゴン雰囲
気下0℃で3.8g(20mmol)の四塩化チタンを
加え、室温で3時間攪拌を続けた。反応溶液を−30℃
に冷却して析出したオレンジ色結晶(4.0g、70
%)を得た。生成物の構造は1H−NMRから確認し
た。1 H−NMR(ppm,TMS,CDCl3)7.05
(s,4H),3.92(s,2H),3.76(s,
3H)
【0041】ブタジエンの重合(1) 内容積150mlの密封型耐圧ガラスアンプルに、窒素
雰囲気下で、トルエン52.4gとブタジエン5.5g
を仕込み、−25℃に冷却した。メチルアルミノサン
(東ソー・アクゾ社製)12.3mmolと上記遷移金
属化合物(MeOCOCH2CpTiCl3)0.012
3mmolのトルエン溶液を上記アンプルに添加して、
−25℃にて20分間重合させた。その後、少量の酸性
メタノール溶液で重合反応を停止し、次いで重合溶液を
大量の酸性メタノールに注ぎ込み、析出した白色固体を
ろ取、乾燥し、ブタジエン重合体を得た。重合体収率は
38%であった。重合反応に使用された遷移金属化合物
中の遷移金属1mmol当り、1反応時間当りの重合体
収量として表わした「重合活性」は510g/mmol
−M・hであった。
【0042】重合体中の立体構造(シス結合含量)はN
MR分析により求めた。すなわち、1H−NMR分析
(1,4−結合 5.4−5.6ppm、1,2−結合
5.0−5.1ppm)から算出した重合体中の1,4
−結合の中のシス含量を13C−NMR(シス 28pp
m、トランス 33ppm)から算出し、全重合体中の
シス含量とした。そのように求めたシス含量は92%で
あった。ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(G
PC)分析により測定した重量平均分子量(Mw)は2
12万、分子量分布(Mw/Mn)は1.63であっ
た。なお、GPC分析には、カラムとして東ソー社製G
−7000とG−5000を連結したものを用い、標準
ポリブタジエン試料(ポリマーラボラトリーズ社製)を
用いて作成した検量線に基づいて重量平均分子量(M
w)と分子量分布(Mw/Mn)を求めた。この重合体
では、log(Mw/Mn)=0.212 および0.
162×log(Mw)−0.682=0.343であ
り、前記式(1)が満たされることがわかる。
【0043】比較例1 (2−メトキシエチル)シクロペンタジエニルトリクロ
ロチタン[(MeOCH2CH2CpTiCl3]の合成 トリメチルシリルシクロペンタジエニルナトリウム32
g(200mmol)の400mlテトラハイドロフラ
ン(THF)溶液に、アルゴン雰囲気下−78℃でクロ
ロエチルメチルエーテル18.9g(200mmol)
の100mlTHF溶液をゆっくりと滴下した。滴下終
了後、一晩加熱還流した。その後、減圧下にTHFを溜
去し、生成した固体をろ別した後、真空蒸留(80℃,
1mmHg)により約33g(85%)の[(2−メト
キシ)エチル]トリメチルシリルシクロペンタジエン
[TMSCpCH2CH2OMe]を得た。生成物の構造
1H−NMRから確認した。1 H−NMR(ppm,TMS,CDCl3):6.55
−6.20(m,ring H on Csp2),3.
5−3.35(m,ring H on Csp3),
3.15−2.98(m,ring H on Csp
3),3.61(m,2H),3.40(s,3H),
3.02(m,2H),0.22(s,9H)
【0044】得られたTMSCpCH2CH2OMe0.
50g(2.5mmol)の20ml乾燥塩化メチレン
溶液に、アルゴン雰囲気下、−78℃で四塩化チタン
0.25ml(2.2mmol)を加え、室温で3時間
攪拌を続けた。次いで反応溶液を−78℃に冷却して析
出したオレンジ色結晶0.4g(70%)を得た。生成
物が(2−メトキシエチル)シクロペンタジエニルトリ
クロロチタン[(MeOCH2CH2CpTiCl3]で
あることを1H−NMRから確認した。1 H−NMR(ppm,TMS,CDCl3):6.91
(s,4H),3.70(t,2H),3.37(s,
3H),3.10(t,2H)
【0045】ブタジエンの重合(2) 遷移金属化合物としてMeOCOCH2CpTiCl3
代わりにMeOCH2CH2CpTiCl3を用い、重合
時間を20時間とした他は実施例1のブタジエンの重合
(1)と同様に、ブタジエンを重合した。重合体収率は
12%、重合活性は2.7g/mmol−M・h、シス
結合含量96%、重量平均分子量(Mw)348万、分
子量分布(Mw/Mn)3.66であった。この重合体
では、log(Mw/Mn)=0.563および0.1
62×log(Mw)−0.682=0.378であ
り、前記式(1)が満たされないことがわかる。
【0046】
【発明の効果】本発明の触媒は、高活性で重合体の立体
規則性の制御に優れている。この触媒を用いて得られる
ブタジエン重合体は、シス結合が多く、分子量が大き
く、分子量分布(Mw/Mn)が小さいことを特徴とし
ている。本発明のブタジエン系重合体は良好な耐摩耗
性、強度特性などの特性を有している。
【0047】<好ましい実施態様>本発明に係る、
(1)ブタジエン系重合体、すなわち、ブタジエン類単
独重合体、またはブタジエン類と、共重合可能な単量体
との共重合体であって、ブタジエン類に由来する全単位
中シス結合したブタジエン類単位が50%以上、重量平
均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw
/Mn)が1.9以下、Mwが1,000〜10,00
0,000であることを特徴とするブタジエン系重合
体;
【0048】(2)(A)置換基としてカルボニル基ま
たはスルフォニル基を持つシクロペンタジエニル骨格を
有する周期律表第IV族遷移金属化合物と、(B)アル
ミノキサン、または該遷移金属化合物(A)と反応して
カチオン性遷移金属化合物を生成できるイオン化合物と
からなる触媒の存在下に共役ジエン単量体、または、共
役ジエン単量体およびそれと共重合可能な単量体を重合
することを特徴とする共役ジエン重合体の製造方法;お
よび
【0049】(3)(A)置換基としてカルボニル基ま
たはスルフォニル基を持つシクロペンタジエニル骨格を
有する周期律表第IV族遷移金属化合物と、(B)アル
ミノキサン、または該遷移金属化合物(A)と反応して
カチオン性遷移金属化合物を生成できるイオン化合物と
からなることを特徴とする、共役ジエン重合用触媒の好
ましい実施態様をまとめると以下のとおりである。
【0050】(1) ブタジエン系重合体においては、
ブタジエン類が、1,3−ブタジエン、2−メチル−
1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタ
ジエンおよび2−クロロ−1,3−ブタジエンの中から
選らばれ、より好ましくは1,3−ブタジエンおよび2
−メチル−1,3−ブタジエンの中から選らばれ、さら
に好ましくは1,3−ブタジエンである。
【0051】(2) ブタジエン系重合体は、ブタジエ
ン類に由来する繰り返し単位が50%以上、より好まし
くは70%以上、さらに好ましくは80%以上、特に好
ましくは90%以上の共重合体またはブタジエンの単独
重合体であり、最も好ましくは、ブタジエンの単独重合
体である。 (3) ブタジエン系重合体は、そのブタジエン類に由
来する全繰り返し単位中シス結合が好ましくは80%以
上、より好ましくは90%以上のものである。
【0052】(4) ブタジエン系重合体の重量平均分
子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比である分子量
分布(Mw/Mn)は1.8以下、より好ましくは1.
7以下である。 (5) ブタジエン系重合体の重量平均分子量(Mw)
は、より好ましくは5,000〜5,000,000、
さらに好ましくは10,000〜3,000,000で
ある。 (6)ブタジエン系重合体の重量平均分子量(Mw)と
分子量分布(Mw/Mn)との間には下記式(1)が成
立する。 log(Mw/Mn)<0.162×log(Mw)−0.682 (1)
【0053】(7) 共役ジエン重合体の製造方法、共
役ジエン重合用触媒においては、共役ジエン単量体が、
1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエ
ン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−クロ
ロ−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,
3−ヘキサジエンから選ばれ、好ましくは1,3−ブタ
ジエン、または2−メチル−1,3−ブタジエン、さら
に好ましくは1,3−ブタジエンである。 (8) 置換基としてカルボニル基またはスルフォニル
基を持つシクロペンタジエニル骨格を有する周期律表第
IV族遷移金属化合物(A)は、下記一般式Iで示され
る遷移金属化合物である。 一般式I:
【0054】
【化5】
【0055】(式中、Mは第IV族遷移金属、X1
2、X3は水素原子、ハロゲン、炭素数1から12の炭
化水素基、または炭素数1から12の炭化水素オキシ
基、Yは水素原子、または炭素数1から20の炭化水素
基であって、それ自体シクロペンタジエニル基と環を形
成していてもよく、Z1、Z2は水素原子または炭素数1
から12の炭化水素基、Aは酸素原子または硫黄原子、
1は水素原子、炭素数1〜12の炭化水素基または炭
素数1から12の炭化水素オキシ基であり、nは0から
5の整数である。)
【0056】(9) 一般式Iで表される遷移金属化合
物(A)において、周期律表第IV族遷移金属(式中の
M)は, Ti、ZrまたはHf、さらに好ましくはTi
であり;X1、X2、X3は、ハロゲンとしてはフッ素原
子、塩素原子、臭素原子および沃素原子から選ばれ、好
ましくは塩素原子であり、炭化水素基としてはアルキル
基またはアラルキル基、炭化水素オキシ基としてはアル
コキシ基またはアラルキルオキシ基、好ましくはアルコ
キシ基であり;Yは水素原子およびアルキル基、アリー
ル基、アラルキル基および珪素原子含有炭化水素基から
選らばれ、シクロペンタジエニル環に結合したYはシク
ロペンタジエニル環とともに多環状基を形成していても
よく;Z1、Z2は水素原子、アルキル基、アリール基お
よびアラルキル基から選らばれ;R1は、水素原子、ア
ルキル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ基、
アリールオキシ基およびアラルキルオキシ基から選ば
れ、好ましくはアルコキシ基であり;nは1または2、
好ましくは1である。
【0057】(10) 一般式Iで表わされる遷移金属
化合物(A)は、MeO(CO)CH2CpTiCl3
MeO(CO)CH(Me)CpTiCl3、および
{3−[MeO(CO)CH2]}(1−Me)CpT
iCl3から選らばれる。 (11) 上記遷移金属化合物(A)と組み合わせて用
いるアルミノキサンは、下記一般式IIIで表される有
機アルミニウムオキシ化合物である。 一般式III: (−Al(R2)O−)n (R2は炭素数1〜10の炭化水素基であって、ハロゲ
ン原子および/またはR3O基で置換されたものであっ
てもよく[R3は炭素数1〜10の炭化水素基であ
る]、nは5以上、好ましくは10以上である)
【0058】(12) 上記遷移金属化合物(A)と反
応してカチオン性錯体を形成できるイオン性化合物は、
テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートのアニ
オンと、活性プロトンを有するアミンカチオン、三置換
カルボニウムカチオン、カルボランカチオン、メタルカ
ルボランカチオン、および遷移金属を有するフェロセニ
ウムカチオンの中から選らばれたカチオンとのイオン化
合物である。
【0059】(13) 上記遷移金属化合物(A)およ
び/またはイオン性化合物(B)は、平均粒子径が5〜
150μm、比表面積が2〜800m2/gの無機酸化
物または無機塩化物の微粒子、および側鎖に芳香族環、
置換芳香族環または官能基を有する有機高分子化合物の
平均粒子径5〜250μmを有する微粒子から選らばれ
た担体に担持して用いられる。 (14) 触媒の使用量は、通常、単量体1モル当り上
記遷移化合物(A)100〜0.001ミリモル、好ま
しくは10〜0.01ミリモル、より好ましくは5〜
0.1ミリモルの範囲である。
【0060】(15) アルミノキサン/遷移金属化合
物(A)のモル比は、10〜10,000、より好まし
くは100〜3,000の範囲、イオン性化合物/遷移
金属化合物(A)のモル比は、0.01〜100、より
好ましくは0.1〜10の範囲である。 (16) 水素化金属化合物、周期律表第I〜III族
主元素金属の有機金属化合物、有機金属ハロゲン化合物
および水素化有機金属化合物の中から選らばれた有機金
属化合物の共存下に重合を行なう。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 靖三 茨城県つくば市吾妻二丁目805−808号 (72)発明者 宮沢 哲 茨城県つくば市松代四丁目403−103号 (72)発明者 土原 健治 茨城県つくば市吾妻二丁目806−703号 (72)発明者 村田 昌英 東京都文京区水道二丁目3番15−504号 (72)発明者 尾崎 裕之 茨城県つくば市小野川四丁目6−202号 (72)発明者 川辺 正直 茨城県つくば市竹園二丁目6番2−203号 (72)発明者 福井 祥文 茨城県つくば市二の宮四丁目6番3−507 号 (72)発明者 加瀬 俊男 茨城県つくば市松代五丁目2−2号

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブタジエン類単独重合体、またはブタジ
    エン類と、共重合可能な単量体との共重合体であって、
    ブタジエン類に由来する全単位中シス結合したブタジエ
    ン類由来の単位が50%以上、重量平均分子量(Mw)
    と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が1.9
    以下、Mwが1,000〜10,000,000である
    ことを特徴とするブタジエン系重合体。
  2. 【請求項2】 重量平均分子量(Mw)と分子量分布
    (Mw/Mn)との間には、下記式(1)が成立するも
    のである請求項1記載のブタジエン系重合体。 式(1): log(Mw/Mn)<0.162×log(Mw)−
    0.682
  3. 【請求項3】 (A)置換基としてカルボニル基または
    スルフォニル基をもつシクロペンタジエニル骨格を有す
    る周期律表第IV族遷移金属化合物と、(B)アルミノ
    キサン、または該遷移金属化合物(A)と反応してカチ
    オン性遷移金属化合物を生成できるイオン化合物とから
    なる触媒の存在下に共役ジエン単量体、または、共役ジ
    エン単量体およびそれと共重合可能な単量体を重合する
    ことを特徴とする共役ジエン重合体の製造方法。
  4. 【請求項4】 遷移金属化合物(A)が下記一般式Iで
    示されるものである請求項3記載の共役ジエン重合体の
    製造方法。 一般式I: 【化1】 (式中、Mは第IV族遷移金属、X1、X2、X3は水素
    原子、ハロゲン、炭素数1から12の炭化水素基、また
    は炭素数1から12の炭化水素オキシ基、Yは水素原
    子、または炭素数1から20の炭化水素基であって、そ
    れ自体シクロペンタジエニル基と環を形成していてもよ
    く、Z1、Z2は水素原子または炭素数1から12の炭化
    水素基、Aは酸素原子または硫黄原子、R1は水素原
    子、炭素数1〜12の炭化水素基または炭素数1から1
    2の炭化水素オキシ基であり、nは0から5の整数であ
    る。)
  5. 【請求項5】 共役ジエン重合体が重量平均分子量(M
    w)と分子量分布(Mw/Mn)との間には、下記式
    (1)が成立するものである請求項3または4記載の共
    役ジエン重合体の製造方法。 式(1): log(Mw/Mn)<0.162×log(Mw)−
    0.682
  6. 【請求項6】 (A)置換基としてカルボニル基または
    スルフォニル基をもつシクロペンタジエニル骨格を有す
    る周期律表第IV族遷移金属化合物と、(B)アルミノ
    キサン、または該遷移金属化合物(A)と反応してカチ
    オン性遷移金属化合物を生成できるイオン化合物とから
    なることを特徴とする、共役ジエン重合用触媒。
  7. 【請求項7】 遷移金属化合物(A)が下記一般式Iで
    示されるものである請求項6記載の共役ジエン重合用触
    媒。 一般式I: 【化2】 (式中、Mは第IV族遷移金属、X1、X2、X3は水素
    原子、ハロゲン、炭素数1から12の炭化水素基、また
    は炭素数1から12の炭化水素オキシ基、Yは水素原
    子、または炭素数1から20の炭化水素基であって、そ
    れ自体シクロペンタジエニル基と環を形成していてもよ
    く、Z1、Z2は水素原子または炭素数1から12の炭化
    水素基、Aは酸素原子または硫黄原子、R1は水素原
    子、炭素数1〜12の炭化水素基または炭素数1から1
    2の炭化水素オキシ基であり、nは0から5の整数であ
    る。)
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