JPH11286509A - 共役ジエン系共重合体の製造方法 - Google Patents

共役ジエン系共重合体の製造方法

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JPH11286509A
JPH11286509A JP28051898A JP28051898A JPH11286509A JP H11286509 A JPH11286509 A JP H11286509A JP 28051898 A JP28051898 A JP 28051898A JP 28051898 A JP28051898 A JP 28051898A JP H11286509 A JPH11286509 A JP H11286509A
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carbon atoms
metal compound
compound
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JP28051898A
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English (en)
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Kazuo Soga
和雄 曽我
Michihiko Asai
道彦 浅井
Yasuzo Suzuki
靖三 鈴木
Satoru Miyazawa
哲 宮沢
Kenji Tsuchihara
健治 土原
Masahide Murata
昌英 村田
Hiroyuki Ozaki
裕之 尾崎
Masanao Kawabe
正直 川辺
Yoshifumi Fukui
祥文 福井
Jiju Jin
ジジュ ジン
Hideaki Hagiwara
英昭 萩原
Toshio Kase
俊男 加瀬
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KAGAKU GIJUTSU SENRYAKU SUISHI
KAGAKU GIJUTSU SENRYAKU SUISHIN KIKO
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Original Assignee
KAGAKU GIJUTSU SENRYAKU SUISHI
KAGAKU GIJUTSU SENRYAKU SUISHIN KIKO
Agency of Industrial Science and Technology
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い開始剤効率を示し、高活性で反応を進行
させる重合方法によって、特定の重合温度を選び、分子
量分布が狭い共役ジエン系重合体を製造する。 【解決手段】 シクロペンタジエニル骨格を有する周期
律表第IV族遷移金属化合物(A)と、有機アルミニウ
ムオキシ化合物などの助触媒(B)とを下記式αおよび
下記式βを満たす条件で接触させてなる触媒の存在下
に、共役ジエン単量体、または、共役ジエン単量体およ
びそれと共重合可能な単量体を重合させる。 式α: −100<T<80 式β: 0.017<t<6000exp(−0.0921T) ここで、tは接触時間(分)、Tは接触温度(℃)であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シス結合が多くリ
ビング鎖含量の高い共役ジエン系重合体の生産効率に優
れた製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】メタロセン触媒は一般に高活性であるこ
とから、重合の分野においては生産効率がよく、また、
重合体の立体規則性の制御に優れるなどの特徴もあり、
ゴムの製造においても、その使用が検討されている。ブ
タジエン系ゴムにおいても、重合体の立体規則性の制御
に優れた下記一般式3で示される周期律表第IV族遷移
金属化合物とアルミノキサンなどとの組み合わせからな
る共役ジエン重合用触媒が提案されている(特開平9−
77818号公報など)。この触媒によるブタジエンの
重合により、シス結合含量が96%の重合体が得られた
ことが開示されている。また、周期律表第IV族遷移金
属化合物とアルミノキサンなどを予め接触させることも
開示されている。しかし、その重合体の分子量および分
子量分布の規制については記載されていない上、遷移金
属化合物とアルミノキサンなどを予め接触させた具体
例、効果も開示されていない。 一般式3:
【0003】
【化3】
【0004】(式中、Mは周期律表第IV族遷移金属、
Xは水素原子、ハロゲン、炭素数1〜12の炭化水素
基、または炭素数1〜12の炭化水素オキシ基、Y’は
炭素数1〜20の炭化水素基であってそれ自体シクロペ
ンタジエニル基と環を形成していてもよく、Zは水素原
子または炭素数1〜12の炭化水素基である。) ま
た、下記構造式で示される周期律表第IV族遷移金属化
合物からなるメタロセン触媒が、Macromol.S
ymposia、1997年、第118巻、55〜60
頁に記載され知られている。しかしながら、これを共役
ジエン単量体の重合に用いた例は知られていなかった。 構造式 MeO(CO)CH2CpTiCl3 (式中、Cpはシクロペンタジエン環構造を表す。以下
においても同じ。)
【0005】近時、上記構造式で示される周期律表第I
V族遷移金属化合物からなるメタロセン触媒のブタジエ
ン重合への適用が公表された(産業科学技術研究開発第
1回独創的高機能材料創製技術シンポジウム予稿集、1
997年12月10日、77頁)。この重合は高活性で
あり、得られるポリブタジエンの1,4−シス結合含量
は高く、また、分子量分布は従来のハイシスブタジエン
重合体に比べ幾分狭い。しかし、ブタジエン重合体のリ
ビング性については知られておらず、遷移金属化合物と
アルミノキサンなどを予め接触させた具体例、効果も開
示されていない。
【0006】Co系、Ni系、Ti系およびNd系の典
型的配位重合触媒を用いて重合した、分子量が高く、シ
ス結合含量が90%以上の高シス含量ブタジエン重合体
が知られている。しかし、重合のリビング性について
は、Co系、Ni系、Ti系触媒においては知られてい
ない。Nd系触媒重合においては比較的リビング性のあ
る重合反応が進行するとされているが、リビング鎖含量
は不明確である。WO95/04090の記載から、リ
ビング鎖含量の最大値は75%であると推定される。
【0007】一方、有機リチウム触媒を用いれば、共役
ジエン単量体のリビング重合が進行し、高分子量で分子
量分布が狭く分岐構造を実質的に持たないブタジエン重
合体が得られるが、そのシス結合含量は40%以下に留
まる。このように、従来技術では、共役ジエン単量体を
立体特異的(ハイシス規制)に高活性でリビング重合さ
せることはできなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、生産効率に
優れており、1,4−シス含量が高く、リビング性の高
い共役ジエン系重合体の製造方法を提供することを目的
とする。
【0009】
【課題を解決する手段】かくして本発明によれば、
(A)シクロペンタジエニル骨格を有する周期律表第I
V族遷移金属化合物と、(B)有機アルミニウムオキシ
化合物(a)、該遷移金属化合物(A)と反応してカチ
オン性遷移金属化合物を生成できるイオン性化合物
(b)、該遷移金属化合物(A)と反応してカチオン性
遷移金属化合物を生成できるルイス酸化合物(c)、お
よび周期律表第I〜III族主元素金属の有機金属化合
物(d)から選択される少なくとも一種の助触媒とを下
記式αおよび下記式βを満たす条件で接触させてなる触
媒の存在下に、共役ジエン単量体、または、共役ジエン
単量体およびそれと共重合可能な単量体を重合させるこ
とを特徴とする共役ジエン系重合体の製造方法が提供さ
れる。 式α: −100<T<80 式β: 0.017<t<6000exp(−0.0921T) ここで、tは接触時間(分)、Tは接触温度(℃)であ
る。
【0010】
【発明の実施の形態】(重合触媒)本発明で用いる共役
ジエン重合用触媒は、(A)シクロペンタジエニル骨格
を有する周期律表第IV族遷移金属化合物、ならびに、
(B)(a)有機アルミニウムオキシ化合物、(b)該
遷移金属化合物(A)と反応してカチオン性遷移金属化
合物を生成できるイオン性化合物、(c)該遷移金属化
合物(A)と反応してカチオン性遷移金属化合物を生成
できるルイス酸化合物、および(d)周期律表第I〜I
II族主元素金属の有機金属化合物から選択される少な
くとも一種の助触媒から得られる触媒である。
【0011】上記の(A)成分であるシクロペンタジエ
ニル骨格を有する周期律表第IV族遷移金属化合物は、
好ましくは、下記一般式4で示される周期律表第IV族
遷移金属化合物である。 一般式4:
【0012】
【化4】
【0013】(式中、Mは周期律表第IV族遷移金属、
Xは水素原子、ハロゲン、炭素数1〜12の炭化水素
基、炭素数1〜12の炭化水素オキシ基、または炭素数
1〜12の炭化水素基で置換されてもよいアミノ基であ
り、互いに異なるものであってもよく、Xのいずれか一
つとシクロペンタジエニル基が架橋基を介しまたは介さ
ずに結合することにより環状構造を形成していてもよ
く、pは2または3であり、Qは有機基であり、シクロ
ペンタジエニン環構造と結合して環状構造を形成してい
てもよく、Qが二つ以上の場合には互いに異なるもので
あってもよく、mは0〜5の整数である。式中の五角形
中に円を描いた構造はシクロペンタジエン環構造を表
す。)
【0014】すなわち、一般式4で表される遷移金属化
合物は、ただ一個のシクロペンタジエニル基、または、
インデニル基、フルオレニル基などの複数の融合した環
状置換基を配位子としてもつ、いわゆるハーフメタロセ
ン化合物または幾何拘束触媒である。
【0015】また、周期律表第IV族遷移金属(式中の
M)は、好ましくはチタン(Ti),ジルコニウム(Z
r)またはハフニウム(Hf)、より好ましくはTiで
ある。
【0016】Xは、ハロゲンとしてはフッ素原子
(F)、塩素原子(Cl)、臭素原子(Br)、沃素原
子(I)が挙げられ、好ましくは塩素原子である。炭化
水素基としてはメチル、ネオペンチルなどの炭素数1〜
12のアルキル基、ベンジルなどの炭素数7〜12のア
ラルキル基が挙げられる。炭化水素オキシ基としてはメ
トキシ、エトキシ、イソプロポキシなどの炭素数1〜1
2のアルコキシ基、ベンジルオキシ基などの炭素数7〜
12のアラルキルオキシ基が挙げられる。また、炭素数
1〜12の炭化水素基で置換されていてもよいアミノ基
としてはジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジイソプロ
ピルアミノ、ジブチルアミノ、ジ−t−ブチルアミノな
どの炭素数1〜12のアルキル基を有するジアルキルア
ミノ基などが挙げられる。pは2または3であり、好ま
しくは3である。
【0017】Qは有機基であり、その個数を表すmは0
〜5の整数であるが、シス含量を高める観点からはmは
1以上であることが好ましい。mが2以上の場合、Qは
同一でも異なるものであってもよい。有機基の具体例と
しては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブ
チル、t−ブチル、ヘキシル、オクチル、シクロヘキシ
ル、アダマンチルなどの炭素数1〜20のアルキル基、
フェニルなどの炭素数6〜20のアリール基、ベンジ
ル、トリフェニルメチルなどの炭素数7〜30のアラル
キル基が挙げられる。シクロペンタジエン環構造に結合
した有機基Qは、このシクロペンタジエン環構造ととも
に、例えばインデニル基、フルオレニル基のような多環
状基を形成していてもよい。
【0018】その他の有機基Qとしては、トリメチルシ
リル基などの珪素原子を含有する炭化水素基、トリメチ
ルスタニル基などの錫原子を含有する炭化水素基、トリ
メチルゲルミル基などのゲルマニウム原子を含有する炭
化水素基などの他、エーテル基、チオエーテル基、カル
ボニル基、スルフォニル基、エステル基、チオエステル
基、三級アミノ基、二級アミノ基、一級アミノ基、アミ
ド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基などのヘテロ原子
を有する原子団を一つ以上もつ有機基も含まれる。
【0019】有機基Qとしては、重合活性を高める観
点、および、重合体のシス含量をより高める観点から、
トリメチルシリル基、t−ブチル基、トリフェニルメチ
ル基などの嵩高い炭素数3〜30の炭化水素基、また
は、ヘテロ原子を有するルイス塩基性原子団を一つ以上
もつ有機基がより好ましい。
【0020】有機基Qの個数を表すmの数値と配位子の
構造の関連は下記のとおりである。m=0:置換基をも
たないシクロペンタジエニル基を意味する。m=1:一
つの置換基をもつシクロペンタジエニル基、または、シ
クロペンタジエン環上に置換基をもたない(置換)イン
デニル基を意味する。m=2:二つの置換基をもつシク
ロペンタジエニル基、シクロペンタジエン環上に一つの
置換基をもつ(置換)インデニル基、または、シクロペ
ンタジエン環上に置換基をもたない(置換)フルオレニ
ル基を意味する。m=3:三つの置換基をもつシクロペ
ンタジエニル基、シクロペンタジエン環上に二つの置換
基をもつ(置換)インデニル基、または、シクロペンタ
ジエン環上に一つの置換基をもつ(置換)フルオレニル
基を意味する。m=4:四つの置換基をもつシクロペン
タジエニル基、または、シクロペンタジエン環上に三つ
の置換基をもつ(置換)インデニル基を意味する。m=
5:五つの置換基をもつシクロペンタジエニル基を意味
する。
【0021】Xのいずれか一つとシクロペンタジエニル
基は架橋基を介し、または、介さずに直接結合していて
もよく、この場合、遷移金属化合物(A)はメタロサイ
クル構造を有する、いわゆる、幾何拘束触媒となる。こ
の架橋基としては、炭素数1〜24の炭化水素基、炭素
数1〜24の炭化水素基を含むシリレン基などが挙げら
れる。その具体例としては、メチルシリレン、ジメチル
シリレン、メチルフェニルシリレン、ジフェニルシリレ
ン、ジベンジルシリレン、テトラメチルジシリレン、ジ
メチルメチレン、ジフェニルメチレンなどが挙げられ
る。好ましい架橋基はジメチルシリレンである。
【0022】周期律表第IV族遷移金属化合物(A)の
具体的化合物としては、以下の(1)〜(18)のもの
が挙げられる。
【0023】(1)無置換シクロペンタジエニルチタニ
ウムトリ(またはジ)クロライド、
【0024】(2)モノ置換シクロペンタジエニルチタ
ニウムトリ(またはジ)クロライド、具体例としては、
メチルシクロペンタジエニルチタニウムトリ(ジ)クロ
ライド、トリメチルシリルシクロペンタジエニルチタニ
ウムトリ(ジ)クロライド、t−ブチルシクロペンタジ
エニルチタニウムトリ(ジ)クロライド、トリフェニル
メチルシクロペンタジエニルチタニウムトリ(ジ)クロ
ライド、アダマンチルシクロペンタジエニルチタニウム
トリ(ジ)クロライド、(2−メトキシエチル)シクロ
ペンタジエニルチタニウムトリ(ジ)クロライド(Me
OCH2CH2CpTiClp;p=3または2)、[2
−(t−ブトキシ)エチル]シクロペンタジエニルチタ
ニウムトリ(ジ)クロライド(t−BuOCH2CH2
pTiClp;p=3または2)、フェノキシエチルシ
クロペンタジエニルチタニウムトリ(ジ)クロライド
(PhOCH2CH2CpTiClp;p=3または
2)、2−(2−メトキシエトキシ)エチルシクロペン
タジエニルチタニウムトリ(ジ)クロライド(MeOC
2CH2OCH2CH2CpTiClp;p=3または
2)、メトキシカルボニルメチルシクロペンタジエニル
チタニウムトリクロライド(MeO(CO)CH2Cp
TiClp;p=3または2)、t−ブトキシカルボニ
ルメチルシクロペンタジエニルチタニウムトリ(ジ)ク
ロライド(t−BuO(CO)CH2CpTiClp;p
=3または2)、フェノキシカルボニルメチルシクロペ
ンタジエニルチタニウムトリ(ジ)クロライド(PhO
(CO)CH2CpTiClp;p=3または2)、2−
(N,N−ジメチルアミノ)エチルシクロペンタジエニ
ルチタニウムトリ(ジ)クロライド(Me2NCH2CH
2CpTiClp;p=3または2)、2−(N,N−ジ
エチルアミノ)エチルシクロペンタジエニルチタニウム
トリ(ジ)クロライド(Et2NCH2CH2CpTiC
p;p=3または2)、2−(N,N−ジ−i−プロ
ピルアミノ)エチルシクロペンタジエニルチタニウムト
リ(ジ)クロライド(i−Pr2NCH2CH2CpTi
Clp;p=3または2)など、
【0025】(3)ジ置換シクロペンタジエニルチタニ
ウムトリ(またはジ)クロライド、具体例としては、
(1−メチル)(2−トリメチルシリル)シクロペンタ
ジエニルチタニウムトリ(ジ)クロライド、(1−t−
ブチル)[3−(2−メトキシエチル)]シクロペンタ
ジエニルチタニウムトリ(ジ)クロライド、(1−トリ
メチルシリル)(3−メトキシカルボニルメチル)シク
ロペンタジエニルチタニウムトリ(ジ)クロライド、
{3−[2−(N,N−ジエチルアミノ)エチル]}
(1−フェニル)シクロペンタジエニルチタニウムトリ
(ジ)クロライドなど、
【0026】(4)トリ置換シクロペンタジエニルチタ
ニウムトリ(またはジ)クロライド、具体例としては、
(1,2−ジメチル)(4−トリメチルシリル)シクロ
ペンタジエニルチタニウムトリ(ジ)クロライド、
(1,2−ジメチル)[4−(2−メトキシエチル)]
シクロペンタジエニルチタニウムトリ(ジ)クロライ
ド、(1,2−ジメチル)(4−メトキシカルボニルメ
チル)シクロペンタジエニルチタニウムトリ(ジ)クロ
ライド、(1,2−ジメチル){4−[2−(N,N−
ジエチルアミノ)エチル]}シクロペンタジエニルチタ
ニウムトリ(ジ)クロライドなど、
【0027】(5)テトラ置換シクロペンタジエニルチ
タニウムトリ(またはジ)クロライド、具体例として
は、(1,2,3−トリメチル)(4−トリメチルシリ
ル)シクロペンタジエニルチタニウムトリ(ジ)クロラ
イド、(1,2,4−トリメチル)[3−(2−メトキ
シエチル)]シクロペンタジエニルチタニウムトリ
(ジ)クロライド、(1,2,3−トリメチル)(4−
メトキシカルボニルメチル)シクロペンタジエニルチタ
ニウムトリ(ジ)クロライド、(1,2,3−トリメチ
ル){4−[2−(N,N−ジエチルアミノ)エチ
ル]}シクロペンタジエニルチタニウムトリ(ジ)クロ
ライドなど、
【0028】(6)ペンタ置換シクロペンタジエニルチ
タニウムトリ(またはジ)クロライド、具体例として
は、ペンタメチルシクロペンタジエニルチタニウムトリ
(ジ)クロライド、ペンタフェニルシクロペンタジエニ
ルチタニウムトリ(ジ)クロライド、(テトラメチル)
(トリメチルシリル)シクロペンタジエニルチタニウム
トリ(ジ)クロライド、(テトラメチル)(2−メトキ
シエチル)シクロペンタジエニルチタニウムトリ(ジ)
クロライド、(テトラメチル)(メトキシカルボニルメ
チル)シクロペンタジエニルチタニウムトリ(ジ)クロ
ライド、(テトラメチル)[2−(N,N−ジエチルア
ミノ)エチル]シクロペンタジエニルチタニウムトリ
(ジ)クロライドなど、
【0029】(7)シクロペンタジエン環上に置換基を
もたない(置換)インデニルチタニウムトリ(または
ジ)クロライド、具体例としては、インデニルチタニウ
ムトリ(ジ)クロライド、(4−メチル)インデニルチ
タニウムトリ(ジ)クロライドなど、
【0030】(8)シクロペンタジエン環上に一つ置換
基をもつ(置換)インデニルチタニウムトリ(または
ジ)クロライド、具体例としては、(1−トリメチルシ
リル)インデニルチタニウムトリ(ジ)クロライド、
[1−(2−メトキシエチル)]インデニルチタニウム
トリ(ジ)クロライド、(2−メトキシカルボニルメチ
ル)インデニルチタニウムトリ(ジ)クロライド、{1
−[2−(N,N−ジエチルアミノ)エチル]}インデ
ニルチタニウムトリ(ジ)クロライド、(4−メチル)
(1−トリメチルシリル)インデニルチタニウムトリ
(ジ)クロライドなど、
【0031】(9)シクロペンタジエン環上に二つ置換
基をもつ(置換)インデニルチタニウムトリ(または
ジ)クロライド、具体例としては、(1−トリメチルシ
リル)(3−メチル)インデニルチタニウムトリ(ジ)
クロライド、[1−(2−メトキシエチル)](3−メ
チル)インデニルチタニウムトリ(ジ)クロライド、
(2−メトキシカルボニルメチル)(3−メチル)イン
デニルチタニウムトリ(ジ)クロライド、{1−[2−
(N,N−ジエチルアミノ)エチル]}(3−メチル)
インデニルチタニウムトリ(ジ)クロライド、(3,4
−ジメチル)(1−トリメチルシリル)インデニルチタ
ニウムトリ(ジ)クロライドなど、
【0032】(10)シクロペンタジエン環上に三つ置
換基をもつ(置換)インデニルチタニウムトリ(または
ジ)クロライド、具体例としては、(1−トリメチルシ
リル)(2,3−ジメチル)インデニルチタニウムトリ
(ジ)クロライド、[1−(2−メトキシエチル)]
(2、3−ジメチル)インデニルチタニウムトリ(ジ)
クロライド、(2−メトキシカルボニルメチル)(1,
3−ジメチル)インデニルチタニウムトリ(ジ)クロラ
イド、{1−[2−(N,N−ジエチルアミノ)エチ
ル]}(2,3−ジメチル)インデニルチタニウムトリ
(ジ)クロライド、(2,3,4−トリメチル)(1−
トリメチルシリル)インデニルチタニウムトリ(ジ)ク
ロライドなど、
【0033】(11)シクロペンタジエン環上に置換基
をもたない(置換)フルオレニルチタニウムトリ(また
はジ)クロライド、具体例としては、フルオレニルチタ
ニウムトリ(ジ)クロライド、2−メチルフルオレニル
チタニウムトリ(ジ)クロライドなど、
【0034】(12)シクロペンタジエン環上に一つ置
換基をもつ(置換)フルオレニルチタニウムトリ(また
はジ)クロライド、具体例としては、(9−トリメチル
シリル)フルオレニルチタニウムトリ(ジ)クロライ
ド、[9−(2−メトキシエチル)]フルオレニルチタ
ニウムトリ(ジ)クロライド、(9−メトキシカルボニ
ルメチル)フルオレニルチタニウムトリ(ジ)クロライ
ド、{9−[2−(N,N−ジエチルアミノ)エチ
ル]}フルオレニルチタニウムトリ(ジ)クロライド、
(1−メチル)(9−トリメチルシリル)インデニルチ
タニウムトリ(ジ)クロライドなど、
【0035】(13)(1)〜(12)の化合物の中心
金属であるTiがZrまたはHfに置換された構造の化
合物、具体例としては、シクロペンタジエニルジルコニ
ウムトリ(ジ)クロライド、(トリメチルシリル)シク
ロペンタジエニルジルコニウムトリ(ジ)クロライド、
(2−メトキシエチル)インデニルハフニウムトリ
(ジ)クロライド、(メトキシカルボニルメチル)フル
オレニルジルコニウムトリ(ジ)クロライド、[2−
(N,N−ジエチルアミノ)エチル]シクロペンタジエ
ニルジルコニウムトリ(ジ)クロライドなど、
【0036】(14)(1)〜(13)の化合物の中心
金属に結合した塩素原子の全てまたは一部がフッ素原
子、臭素原子、沃素原子に置換された構造の化合物、具
体例としては、(トリメチルシリル)シクロペンタジエ
ニルチタニウムトリ(ジ)フルオライド、(2−メトキ
シエチル)シクロペンタジエニルチタニウムトリ(ジ)
ブロマイド、(メトキシカルボニルメチル)シクロペン
タジエニルチタニウムトリ(ジ)アイオダイド、[2−
(N,N−ジエチルアミノ)エチル]シクロペンタジエ
ニルチタニウムトリ(ジ)アイオダイドなど、
【0037】(15)(1)〜(14)の化合物の中心
金属に結合したハロゲン原子の全てまたは一部が炭化水
素基に置換された構造の化合物、具体例としては、(ト
リメチルシリル)シクロペンタジエニルチタニウムトリ
(ジ)メチル、(2−メトキシエチル)シクロペンタジ
エニルチタニウムトリ(ジ)ベンジル、(メトキシカル
ボニルメチル)シクロペンタジエニルチタニウムトリ
(ジ)メチル、[2−(N,N−ジエチルアミノ)エチ
ル]シクロペンタジエニルチタニウムトリ(ジ)メチル
など、
【0038】(16)(1)〜(15)の化合物の中心
金属に結合したハロゲン原子または炭化水素基の全てま
たは一部が炭化水素オキシ基に置換された構造の化合
物、具体例としては、(トリメチルシリル)シクロペン
タジエニルチタニウムトリ(ジ)メトキシド、(2−メ
トキシエチル)シクロペンタジエニルチタニウムトリ
(ジ)ブトキシド、(メトキシカルボニルメチル)シク
ロペンタジエニルチタニウムトリ(ジ)エトキシド、
[2−(N,N−ジエチルアミノ)エチル]シクロペン
タジエニルチタニウムトリ(ジ)ブトキシドなど、
【0039】(17)(1)〜(16)の化合物の中心
金属に結合したハロゲン原子、炭化水素基または炭化水
素オキシ基の全てまたは一部がアミド基に置換された構
造の化合物、具体例としては、(トリメチルシリル)シ
クロペンタジエニルチタニウムトリス(ビス)ジメチル
アミド、(2−メトキシエチル)シクロペンタジエニル
チタニウムトリス(ビス)ジエチルアミド、(メトキシ
カルボニルメチル)シクロペンタジエニルチタニウムト
リス(ビス)ジプロピルアミド、[2−(N,N−ジエ
チルアミノ)エチル]シクロペンタジエニルチタニウム
トリス(ビス)ジオクチルアミドなど、
【0040】(18)(14)〜(17)の化合物のX
のいずれか一つと有機基Qが架橋基(例えば、ジメチル
シリレンなど)を介し、または、介さずに直接結合して
環状構造を形成した構造の化合物、具体例としては、
[t−ブチル(ジメチル−シクロペンタジエニルシリ
ル)アミド]ジ(モノ)クロロチタニウム、[t−ブチ
ル(ジメチル−シクロペンタジエニルシリル)アミド]
ジ(モノ)メチルチタニウム、[t−ブチル(ジメチル
−シクロペンタジエニルシリル)アミド]ジ(モノ)メ
チルジルコニウム、[t−ブチル(ジメチル−フルオレ
ニルシリル)アミド]ジ(モノ)メチルチタニウムな
ど、が挙げられる。
【0041】これらの内、(1)、(2)、(7)、
(8)、(11)、(12)、およびそれらに対応する
(13)〜(18)の構造の化合物が好ましく、
(1)、(2)およびそれらに対応する(13)〜(1
8)の構造の化合物がより好ましく、(2)およびそれ
に対応する(13)〜(17)の構造の化合物がさらに
好ましく、(2)の構造の化合物が特に好ましい。
【0042】一般式4で示される周期律表第IV族遷移
金属化合物の調製方法は特に制限されない。例えば、M
eO(CO)CH2CpTiCl3の場合はMacrom
ol.Symp.、1997年、118巻、55〜60
頁の記載に基づいて、また、MeOCH2CH2CpTi
Cl3の場合はTransition Met. Ch
em.,1990年、15巻、483頁の記載に基づい
て調製すればよい。
【0043】また、これらの中でも、(A’)カルボニ
ル基、スルフォニル基、エーテル基、チオエーテル基か
ら選ばれる少なくとも一種の原子団を有する置換基を持
つシクロペンタジエニル骨格を有する周期律表第IV族
遷移金属化合物が好ましい。
【0044】上記の(A’)成分であるカルボニル基、
スルフォニル基、エーテル基、チオエーテル基から選ば
れる少なくとも一種の原子団を有する置換基を持つシク
ロペンタジエニル骨格を有する周期律表第IV族遷移金
属化合物は、好ましくは下記一般式1、または一般式2
で示される周期律表第IV族遷移金属化合物であり、さ
らに好ましくは下記一般式2で示される周期律表第IV
族遷移金属化合物である。 一般式1:
【0045】
【化5】
【0046】(式中、Mは周期律表第IV族遷移金属、
1,X2,X3は水素原子、ハロゲン、炭素数1〜12
の炭化水素基、または、炭素数1〜12の炭化水素オキ
シ基、Yは水素原子、または炭素数1〜20の炭化水素
基であって、それ自体シクロペンタジエニル基と環を形
成していてもよく、Z1、Z2は水素原子または炭素数1
〜12の炭化水素基、Aは酸素原子または硫黄原子、R
1は水素原子、炭素数1〜12の炭化水素基、炭素数1
〜12の炭化水素オキシ基、または炭素数1〜12の炭
化水素チオ基であり、nは0〜5の整数である。) 一般式2:
【0047】
【化6】
【0048】(式中、Mは周期律表第IV遷移金属、X
1,X2,X3は水素原子、ハロゲン、炭素数1〜12の
炭化水素基、または、炭素数1〜12の炭化水素オキシ
基、Yは水素原子、または炭素数1〜20の炭化水素基
であって、それ自体シクロペンタジエニル基と環を形成
していてもよく、Z1、Z2は水素原子または炭素数1〜
12の炭化水素基、Aは酸素原子または硫黄原子、R2
は炭素数1〜12の炭化水素基であり、nは0〜5の整
数である。)
【0049】一般式3または一般式4で表される遷移金
属化合物は、より好ましくは、ただ一個のシクロペンタ
ジエニル基、アルキル、アリール、シクロアルキル基な
どの置換基を有するシクロペンタジエニル基、または複
数の融合した環状置換基を配位子として持ついわゆるメ
タロセン化合物であり、かつ該配位子のシクロペンタジ
エニル基は>C=O構造、>C=S構造、−C−O−C
−構造、および、−C−S−C−構造から選ばれる少な
くとも一つの原子団を置換基の中に有している。また、
周期律表第IV族遷移金属(式中のM)は、好ましくは
Ti,ZrまたはHf、より好ましくはTiである。X
1、X2、X3として、ハロゲンとしてはフッ素原子、塩
素原子、臭素原子、沃素原子、好ましくは塩素原子、炭
化水素基としてはメチル、ネオペンチルなどのアルキル
基、ベンジルなどのアラルキル基、炭化水素オキシ基と
してはメトキシ、エトキシ、イソプロポキシなどのアル
コキシ基、ベンジルオキシ基などのアラルキルオキシ基
などが挙げられる。炭化水素オキシ基としてはアルコキ
シ基が好ましい。
【0050】Yには、例えば、水素原子、および、メチ
ル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブ
チルなどのアルキル基、フェニルなどのアニリル基、ベ
ンジルなどのアラルキル基などの他、トリメチルシリル
基などの珪素原子を含有する炭化水素基も含まれる。シ
クロペンタジエン環に結合したYは、このシクロペンタ
ジエン環とともに、例えば、インデニル基、フルオレニ
ル基のような多環状基を形成していてもよい。
【0051】Z1、Z2としては、例えば、水素原子、メ
チル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−
ブチルなどのアルキル基、フェニルなどのアリール基、
ベンジルなどのアラルキル基などが挙げられる。R1
しては、例えば、水素原子、炭化水素基としては、メチ
ル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブ
チルなどのアルキル基、フェニルなどのアリール基、ベ
ンジルなどのアラルキル基、炭化水素オキシ基としては
メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブ
トキシ、t−ブトキシなどのアルコキシ基、フェニルオ
キシ基などのアリールオキシ基、ベンジルオキシ基など
のアラルキルオキシ基、炭化水素チオ基としてはメチル
チオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、
ブチルチオ、t−ブチルチオなどのアルキルチオ基、フ
ェニルチオ基などのアリールチオ基、ベンジルチオ基な
どのアラルキルチオ基などが挙げられる。R1としては
炭化水素オキシ基が好ましく、中でもアルコキシ基が特
に好ましい。R2としては、炭化水素基として、メチ
ル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブ
チルなどのアルキル基、フェニルなどのアリール基、ベ
ンジルなどのアラルキル基などが挙げられる。nは好ま
しくは1または2である。
【0052】周期律表第IV族遷移金属化合物(A)の
具体例としては、一般式3で示されるMeO(CO)C
2CpTiCl3、MeO(CO)CH(Me)CpT
iCl3、{3−[MeO(CO)CH2]}(1−M
e)CpTiCl3、一般式4で示されるMeOCH2
2CpTiCl3などが挙げられる(式中のMeはメチ
ル基、Cpはシクロペンタジエニル構造を示す)。
【0053】周期律表第IV族遷移金属化合物(A)の
調製方法は特に制限されない。例えば、MeO(CO)
CH2CpTiCl3の場合はMacromol. Sy
mp., 1997年、第118巻、55〜60頁の記
載に基づいて、MeOCH2CH2CpTiCl3の場合
は、Transition Met. Chem.,1
990年、第15巻、483頁の記載に基づいて調製す
ればよい。
【0054】上記周期律表第IV族遷移金属化合物
(A)と組み合わせて用いる助触媒(B)のうち、有機
アルミニウムオキシ化合物(a)は、好ましくは下記一
般式5で表される直鎖状または環状重合体であり、いわ
ゆるアルミノキサンである。一般式5: (−Al(R5)O−)n (R1は炭素数1〜10の炭化水素基であり、その具体
例としては、メチル、エチル、プロピル、イソブチルな
どのアルキル基が挙げられ、中でもメチル基が好まし
い。R5はハロゲン原子および/またはR6O基で置換さ
れたものであってもよい。R6は炭素数1〜10の炭化
水素基であり、その具体例としては、メチル、エチル、
プロピル、イソブチルなどのアルキル基が挙げられ、中
でもメチル基が好ましい。nは重合度であり、5以上、
好ましくは10以上、好ましくは100以下、より好ま
しくは50以下である。)
【0055】助触媒(B)のうち、遷移金属化合物
(A)と反応してカチオン性遷移金属化合物を形成でき
るイオン性化合物(b)としては、非配位性アニオンと
カチオンとのイオン性化合物が挙げられる。
【0056】非配位性アニオンとしては、例えば、テト
ラ(フェニル)ボレート、テトラ(フルオロフェニル)
ボレート、テトラキス(ジフルオロフェニル)ボレー
ト、テトラキス(トリフルオロフェニル)ボレート、テ
トラキス(テトラフルオロフェニル)ボレート、テトラ
キス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、テトラキス
(テトラフルオロメチルフェニル)ボレート、テトラ
(トリイル)ボレート、テトラ(キシイル)ボレート、
トリフェニルペンタフルオロフェニルボレート、トリス
(ペンタフルオロフェニル)フェニルボレートなどが挙
げられる。カチオンとしては、カルボニウムカチオン、
オキソニウムカチオン、アンモニウムカチオン、ホスホ
ニウムカチオン、遷移金属を有するフェロセニウムカチ
オンなどを挙げられる。
【0057】カルボニウムカチオンの具体例としては、
トリフェニルカルボニウムカチオン、トリ置換フェニル
カルボニウムカチオンなどの三置換カルボニウムカチオ
ンを挙げることができる。トリ置換フェニルカルボニウ
ムカチオンの具体例としては、トリ(メチルフェニル)
カルボニウムカチオン、トリ(ジメチルフェニル)カル
ボニウムカチオンが挙げられる。
【0058】オキソニウムカチオンの具体例としては、
ヒドロキソニウムカチオンOH3 +、メチルオキソニウム
カチオンCH3OH2 +などのアルキルオキソニウムカチ
オン;ジメチルオキソニウムカチオン(CH32OH+
などのジアルキルオキソニウムカチオン;トリメチルオ
キソニウムカチオン(CH33+トリエチルオキソニ
ウムカチオン(C253+などのトリアルキルオキソ
ニウムカチオンなどが挙げられる。
【0059】アンモニウムカチオンの具体例としては、
トリメチルアンモニウムカチオン、トリエチルアンモニ
ウムカチオン、トリプロピルアンモニウムカチオン、ト
リブチルアンモニウムカチオンなどのトリアルキルアン
モニウムカチオン、N,N−ジエチルアニリニウムカチ
オン、N,N−2,4,6−ペンタメチルアニリニウム
カチオンなどのN,N−ジアルキルアニリニウムカチオ
ン、ジ(i−プロピル)アンモニウムカチオン、ジシクロ
ヘキシルアンモニウムカチオンなどのジアルキルアンモ
ニウムカチオンが挙げられる。
【0060】ホスホニウムカチオンの具体例としては、
トリフェニルホスホニウムカチオン、トリ(メチルフェ
ニル)ホスホニウムカチオン、トリ(ジメチルフェニ
ル)ホスホニウムカチオンなどのトリアリールホスホニ
ウムカチオンが挙げられる。
【0061】該イオン性化合物は、上記で例示した非配
位性アニオンおよびカチオンの中から、それぞれ任意に
選択して組み合わせたものを用いることができる
【0062】上記のうち、トリフェニルカルボニウムテ
トラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジ
メチルアニリニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)
ボレート、1,1’−ジメチルフェロセニウムテトラ
(ペンタフルオロフェニル)ボレートなどのイオン性化
合物をより好ましく用いることができる。
【0063】助触媒(B)のうち、該遷移金属化合物
(A)と反応してカチオン性遷移金属化合物を生成でき
るルイス酸化合物(c)の具体例としては、トリス(ペ
ンタフルオロフェニル)ボロン、トリス(モノフルオロ
フェニル)ボロン、トリス(ジフルオロフェニル)ボロ
ン、トリフェニルボロンが挙げられる。
【0064】助触媒(B)のうち、周期律表第I〜II
I族主元素金属の有機金属化合物(d)には、狭義の有
機金属化合物のみならず、周期律表第I〜III族主元
素金属の有機金属ハロゲン化合物、水素化有機金属化合
物も含まれる。有機金属化合物としては、例えば、メチ
ルリチウム、ブチルリチウム、フェニルリチウム、ジブ
チルマグネシウム、トリメチルアルミニウム、トリエチ
ルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘ
キシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウムなどが
挙げられ、トリアルキルアルミニウムが好ましい。有機
金属ハロゲン化合物としては、例えば、エチルマグネシ
ウムクロライド、ブチルマグネシウムクロライド、ジメ
チルアルミニウムクロライド、ジエチルアルミニウムク
ロライド、セスキエチルアルミニウムクロライド、エチ
ルアルミニウムジクロライドなどが挙げられる。水素化
有機金属化合物としては、例えば、ジエチルアルミニウ
ムハイドライド、セスキエチルアルミニウムハイドライ
ドなどが挙げられる。
【0065】本発明では、助触媒として上記の(a)〜
(d)を単独で用いても、組み合わせて用いてもよい。
好ましい助触媒は(a)単独、(c)単独、(a)と
(d)、(b)と(d)、(c)と(d)の組み合わせ
である。
【0066】助触媒(B)は、(A’)カルボニル基、
スルフォニル基、エーテル基、チオエーテル基から選ば
れる少なくとも一種の原子団を有する置換基を持つシク
ロペンタジエニル骨格を有する周期律表第IV族遷移金
属化合物とを用いる場合は、アルミノキサン(a’)、
または該遷移金属化合物(A’)と反応してカチオン性
遷移金属化合物を生成できるイオン性化合物(b’)と
からなることが特に好ましい。
【0067】アルミノキサン(a’)は前述の通りであ
る。遷移金属化合物(A’)と反応してカチオン性遷移
金属化合物を形成できるイオン性化合物(b’)として
は、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートの
アニオンと例えば(CH32N(C65)H+のような
活性プロトンを有するアミンカチオン、(C653+
のような三置換カルボニウムカチオン、カルボランカチ
オン、メタルカルボランカチオン、遷移金属を有するフ
ェロセニウムカチオンなどとのイオン性化合物を用いる
ことができる。
【0068】本発明においては、さらに、水素化金属化
合物、周期律表第I〜III族主元素金属の有機金属化
合物、有機金属ハロゲン化合物、水素化有機金属化合物
などを併用して共役ジエン単量体を重合してもよい。上
記(B)成分として遷移金属化合物(A)と反応してカ
チオン性遷移金属化合物を生成できる化合物を用いる場
合には、周期律表第III族主元素金属の有機金属化合
物を併用することが好ましい。水素化金属化合物として
は、例えば、NaH,LiH,CaH2、LiAlH4
NaBH4などが挙げられる。主元素金属の有機金属化
合物としては、例えば、メチルリチウム、ブチルリチウ
ム、フェニルリチウム、ジブチルマグネシウム、トリメ
チルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソ
ブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリ
オクチルアルミニウムなどが挙げられる。有機金属ハロ
ゲン化合物としては、例えば、エチルマグネシウムクロ
ライド、ブチルマグネシウムクロライド、ジメチルアル
ミニウムクロライド、ジエチルアルミニウムクロライ
ド、セスキエチルアルミニウムクロライド、エチルアル
ミニウムジクロライドなどが挙げられる。水素化有機金
属化合物としては、例えば、ジエチルアルミニウムハイ
ドライド、セスキエチルアルミニウムハイドライドなど
が挙げられる。
【0069】本発明においては、遷移金属化合物(A)
および/または助触媒(B)を担体に担持して用いるこ
とができる。担体としては、無機化合物または有機高分
子化合物が挙げられる。無機化合物としては、無機酸化
物、無機塩化物、無機水酸化物などが好ましく、少量の
炭酸塩、硫酸塩を含有したものでもよい。好ましいもの
はシリカ、アルミナ、マグネシア、チタニア、ジルコニ
ア、カルシアなどの無機酸化物、および、塩化マグネシ
ウムなどの無機塩化物である。これらの無機化合物は、
平均粒子径が5〜150μm、比表面積が2〜800m
2/gの多孔性微粒子が好ましく、例えば100〜80
0℃で熱処理して用いることができる。有機高分子化合
物としては、側鎖に芳香族環、置換芳香族環、またはヒ
ドロキシ基、カルボキシル基、エステル基、ハロゲン原
子などの官能基を有するものが好ましい。有機高分子化
合物の具体例としては、エチレン、プロピレン、ブテン
などの単位を有する重合体を化学変成することによって
得られる官能基を有するα−オレフイン単独重合体、α
−オレフイン共重合体、アクリル酸、メタクリル酸、塩
化ビニル、ビニルアルコール、スチレン、ジビニルベン
ゼンなどの単位を有する重合体、および、それらの化学
変成物を挙げることができる。これらの有機高分子化合
物は、平均粒子径が5〜250μmの球状微粒子が用い
られる。遷移金属化合物(A)および/または助触媒
(B)を担持することによって、触媒の重合反応器への
付着による汚染を防止することができる。
【0070】(単量体)本発明に用いる共役ジエン単量
体としては、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3
−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエ
ン,2−クロロ−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタ
ジエン、1,3−ヘキサジエンなどが含まれる。共役ジ
エンの中でも1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3
−ブタジエンが好ましく、1,3−ブタジエンがより好
ましい。これらの共役ジエン単量体は、それぞれ単独
で、または2種以上を組み合わせて用いることができる
が、特に1,3−ブタジエンを単独で用いることが好ま
しい。
【0071】また、共役ジエン単量体と共重合可能な単
量体としては、スチレン、o−メチルスチレン、p−メ
チルスチレン、m−メチルスチレン、2,4−ジメチル
スチレン、エチルスチレン、p−tert−ブチルスチ
レン、α−メチルスチレン、α−メチル−p−メチルス
チレン、o−クロルスチレン、m−クロルスチレン、p
−クロルスチレン、p−ブロモスチレン、2−メチル−
1,4−ジクロルスチレン、2,4−ジブロモスチレ
ン、ビニルナフタレンなどの芳香族ビニル、エチレン、
プロピレン、1−ブテンなどのオレフイン、シクロペン
テン、2−ノルボルネンなどの環状オレフイン、1,5
−ヘキサジエン、1,6−ヘプタジエン、1,7−オク
タジエン、ジシクロペンタジエン、5−エチリデン−2
−ノルボルネンなどの非共役ジエン、メチルメタクリレ
ートなどの(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アク
リロニトリル、(メタ)アクリルアミドなどが含まれ
る。
【0072】(共役ジエン重合体の製造方法)本発明に
おいては、上記遷移金属化合物(A)とアルミノキサン
および/または上記イオン性化合物あるいはルイス酸性
化合物(B)とを予め接触(エージング)させた触媒の
存在下に共役ジエン単量体、または、共役ジエン単量体
およびそれと共重合可能な単量体を重合する。エージン
グを実施することにより、重合活性と開始剤効率が向上
するだけでなく、得られる重合体の分子量分布をさらに
狭くする(具体的にはMw/Mn=1.6以下とする)
ことができる。具体的には、以下のような方法(i)〜
(iv)でエージングと重合を実施すればよい。
【0073】(i) (A)成分と(B)成分を予め接
触させた後、さらに単量体と接触させて重合を行う。 (ii) (A)成分と(B)成分を接触させ、さらに
担体と接触させた後、生成した担持触媒を分離して、担
持触媒と単量体を接触させて重合を行う。
【0074】(iii) (A)成分と担体を接触させ
た後、さらに(B)成分と接触させ、生成した担持触媒
を分離して、担持触媒と単量体を接触させて重合を行
う。 (iv) (B)成分と担体を接触させた後、さらに
(A)成分と接触させ、生成した担持触媒を分離して、
担持触媒と単量体を接触させて重合を行う。
【0075】(A)成分および(B)成分は、それぞ
れ、溶液、スラリーのいずれの状態のものでも使用可能
であるが、より高い重合活性を得るためには、溶液状態
のものが好ましい。溶液またはスラリーとして調製する
ために用いる溶媒は、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘ
プタン、オクタン、シクロヘキサン、ミネラルオイル、
ベンゼン、トルエン、キシレンなどの炭化水素溶媒、ま
たは、クロロホルム、メチレンクロライド、ジクロロエ
タン、クロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素溶媒で
ある。好ましい溶媒はトルエン、ベンゼンなどの芳香族
炭化水素である。
【0076】成分(A)と成分(B)の接触温度(T,
℃)は−100〜+80℃であり、−80〜+70℃が
好ましい。接触時間(t,分)は 0.017<t<6000exp(−0.0921T) を満たすことが必要であり、 0.083<t<4000exp(−0.0921T) を満たすことが好ましく、 0.17<t<2000exp(−0.0921T) を満たすことがさらに好ましい。+80℃を越える高温
では目的のエージング効果が得られず、−100℃未満
の低温は経済性において不利である。tが6000ex
p(−0.0921T)を越えるエージング時間では目
的のエージング効果が得られず、tが0.017未満の
エージング時間は現実的操作が困難である。
【0077】(A)成分および(B)成分は、それぞ
れ、溶液、スラリーのいずれの状態のものでも使用可能
であるが、より高い重合活性を得るためには溶液状態の
ものが好ましい。溶液またはスラリーとして調製するた
めに用いる溶媒は、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプ
タン、オクタン、シクロヘキサン、ミネラルオイル、ベ
ンゼン、トルエン、キシレンなどの炭化水素溶媒、また
は、クロロホルム、メチレンクロライド、ジクロロエタ
ン、クロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素溶媒であ
る。好ましい溶媒はトルエン、ベンゼンなどの芳香族炭
化水素である。また、2種以上の溶媒を混合して用いて
もよい。
【0078】触媒の使用量は、通常、単量体1モル当り
上記遷移金属化合物(A)100〜0.01ミリモル、
好ましくは10〜0.1ミリモル、より好ましくは5〜
0.2ミリモルの範囲である。特定の重合温度を適用し
た場合に本発明の重合反応は、所謂、リビング重合系と
なる。したがって、生成する重合体の分子量は単量体に
対する遷移金属化合物の量比によって規制できる。ゴム
材料として好ましい重合体を得るために特に好ましい単
量体1モル当りの上記遷移金属化合物(A)の量は5〜
0.2ミリモルである。また、この触媒使用量の場合
に、特に狭い分子量分布を有する重合体が得られる。具
体的にはMw/Mn=1.6以下の重合体を得ることが
できる。
【0079】助触媒(a)、(b)、(c)、(d)を
単独で用いても併用してもよいが、それぞれ、単独で用
いる場合は、アルミノキサンなど有機アルミニウムオキ
シ化合物(a)/遷移金属化合物(A)のモル比は通常
10〜10,000、好ましくは100〜5,000、
より好ましくは200〜3,000である。イオン性化
合物(b)/遷移金属化合物(A)のモル比は、通常
0.01〜100、好ましくは0.1〜10である。ル
イス酸性化合物(c)/遷移金属化合物(A)のモル比
は、通常0.01〜100、好ましくは0.1〜10で
ある。有機金属化合物を使用する場合には、有機金属化
合物(d)/遷移金属化合物(A)のモル比は通常0.
1〜10,000、好ましくは1〜1,000である。
【0080】本発明における共役ジエン単量体、また
は、共役ジエン単量体およびそれと共重合可能な単量体
の重合には、不活性溶媒中での溶液重合法、スラリー重
合法、単量体を希釈剤とするバルク重合法の他、気相攪
拌槽、気相流動床での気相重合法も採用できる。これら
の方法の中では、リビング重合性の維持と狭い分子量分
布を有する重合体の製造の点で、溶液重合法が好まし
い。
【0081】重合温度は−100〜+100℃、好まし
くは−80〜+80℃、さらに好ましくは−60℃〜6
0℃である。リビング重合を進行させる観点、および、
生長反応に対する開始反応の速度を高めて分子量分布の
狭い重合体を製造する観点からはより低温であることが
好ましい。一方、製造コストの点からは極度の低温を採
用することは好ましくない。
【0082】重合時間は1秒〜360分、重合圧力は常
圧〜30kg/cm2である。使用される不活性溶媒は
前述と同様のものである。
【0083】重合体の分子量を調節するために、連鎖移
動剤を添加することもできる。連鎖移動剤としては、シ
ス−1,4−ポリブタジエンゴムの重合反応で一般に使
用されるものが用いられ、特に1,2−ブタジエンなど
のアレン類、シクロオクタジエンなどの環状ジエン類、
および、水素が好ましく使用される。
【0084】重合反応の停止は、通常、所定の転化率に
達した時点で、重合系に重合停止剤を添加することによ
って行われる。重合停止剤としては、例えば、メタノー
ル、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソブタ
ノールなどのアルコール類が用いられ、それらは塩酸な
どの酸を含有したものであっても良い。
【0085】重合反応停止後、重合体を回収する方法は
特に限定されず、例えば、スチームストリッピング法、
貧溶媒での析出などを用いればよい。
【0086】(共役ジエン系重合体)本発明の共役ジエ
ン重合体の製造方法は、高活性であることから効率よく
重合体を製造できる。また、特定の重合温度とするとリ
ビング重合が進行するため、エージングにより高い開始
剤効率が得られることとの相乗効果により、所望の分子
量と狭い分子量分布を有する共役ジエン重合体を製造す
ることができる。本発明の共役ジエン重合体の製造方法
で得られる重合体のうち、好ましい重合体は次のもので
ある。
【0087】1,3−ブタジエンに由来する繰り返し単
位が50%以上、好ましくは70%以上、より好ましく
は80%以上、特に好ましくは90%以上の共重合体ま
たは1,3−ブタジエンの単独重合体であり、最も好ま
しいのは、1,3−ブタジエンの単独重合体である。ブ
タジエンに由来する繰り返し単位が少なすぎると、シス
結合が多いことに基づく好ましい特性が損なわれる。
【0088】1,3−ブタジエンに由来する全繰り返し
単位中シス結合が50%以上、好ましくは80%以上、
より好ましくは90%以上である。シス結合が少な過ぎ
ると引張強度の低下などの問題が生じ、ゴムとして好ま
しい特性を失う。なお、ここでいうシス結合とは1,4
−シス結合のことである。
【0089】数平均分子量(Mn)は1,000〜1
0,000,000、好ましくは5,000〜5,00
0,000、より好ましくは10,000〜2,00
0,000、特に好ましくは20,000〜1,00
0,000である。分子量が小さすぎると機械的強度が
低いなど高分子としての物性が不十分になり、逆に、分
子量が大きすぎると成形が困難になるという問題を生じ
る。
【0090】重合体の分岐構造はGPC−多角度光散乱
(MALLS)測定によって求められる根平均二乗半径
(RMSR、nm)と絶対分子量(MW,g/mol)
の間の関係式により評価される(測定はテトラヒドロフ
ラン(THF)を溶離液とし40±2℃で行われる)。
ここで言う分岐構造とは、単量体の正常な付加反応以外
の素反応(移動反応など)によって生成する構造のこと
であり、1,2結合に由来する側鎖ビニル基のことでは
ない。本発明の方法により得られるブタジエン系重合体
の分岐構造は特に限定されないが、下記式6を満たすこ
とが好ましい。式6: log(RMSR)>a×lo
g(MW)−bここで、係数aは0.638であり、係
数bは2.01未満、好ましくは2.00以下、より好
ましくは1.99以下である。
【0091】特定の重合温度を選択することにより、重
合体はリビング重合反応により生成するため、実質的に
分岐構造を持たないハイシス構造の共役ジエン重合体が
得られる。重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(M
n)の比である分子量分布(Mw/Mn)は特に限定さ
れないが、好ましくは1.9以下、さらに好ましくは
1.6以下、より好ましくは1.4以下である。分子量
分布が大きすぎると、架橋した場合に耐摩耗性などの架
橋物の物性の低下という問題が生じる。
【0092】本発明の共役ジエン重合体の製造方法で特
定の重合温度を選択して得られるブタジエン系重合体
は、ブタジエン単独重合体、または、ブタジエンおよび
それと共重合可能な単量体との共重合体であって、ブタ
ジエンに由来する全単位中シス結合したブタジエン由来
の単位が50%以上であり、分子末端に周期律表第IV
族遷移金属を有するリビング鎖を全分子鎖中に80%以
上含有するブタジエン系重合体である。
【0093】なお、一般にリビング重合性の評価は、
a)生成する重合体の分子量分布が極めて狭い(単分散
に近い)こと、b)重合体収率の増加に伴い数平均分子
量が比例的に増加し、しかも、分子量分布が広がらない
こと、c)重合体の数平均分子量が単量体/触媒比で規
制できること、d)ポスト重合(二段重合)が可能であ
ること、e)末端官能化が可能であることなどにより行
われる。
【0094】本発明の共役ジエン重合体の製造方法で特
定の重合温度を選択して得られるリビングブタジエン系
重合体は、適当な反応性試薬と接触させることによっ
て、ブタジエンに由来する全単位中シス結合したブタジ
エン由来の単位が50%以上であり、分子末端に官能基
を有する分子鎖を全分子鎖中に80%以上含有するデッ
ドブタジエン系重合体に誘導することができる。
【0095】本発明の共役ジエン系重合体の製造方法で
特定の重合温度を選択して得たリビングブタジエン系重
合体は、適当な多官能性試薬と接触させることによっ
て、ブタジエンに由来する全単位中シス結合したブタジ
エン由来の単位が50%以上である枝分子から形成され
る、星型の分子形態を有するデッドブタジエン系重合体
に誘導することができる。
【0096】本発明の共役ジエン重合体の製造方法で特
定の重合温度を選択して得たリビングブタジエン系重合
体は、適当な異種モノマーと接触させることによって、
ブタジエンに由来する全単位中シス結合したブタジエン
由来の単位が50%以上であるブタジエン系ブロックを
一成分として成る、リビングまたはデッドブロック共重
合体に誘導することができる。
【0097】
【実施例】以下に実施例を挙げて、本発明を具体的に説
明する。
【0098】(遷移金属化合物製造例1) (2−メトキシカルボニルメチル)シクロペンタジエニ
ルトリクロロチタン[MeO(CO)CH2CpTiC
3]の合成 トリメチルシリルシクロペンタジエニルナトリウム(3
0g,200mmol)の400mlテトラヒドロフラ
ン溶液にアルゴン雰囲気下−78℃でメチルブロモアセ
テート(30.6g,200mmol)の100mlテ
トラヒドロフラン溶液をゆっくりと滴下した。滴下終了
後、さらに−78℃で一晩攪拌を続けた。その後、減圧
下でテトラヒドロフランを溜去し、生成した固体をろ別
した後真空蒸留(65−66℃/3mmHg)により約
33g(収率70%)の(2−メトキシカルボニルメチ
ル)トリメチルシリルシクロペンタジエン[TMSCp
CH2COOMe]を得た。生成物の構造は1H−NMR
から確認した。
【0099】1H−NMR(ppm,TMS,CDC
3)6.55−6.20(m,シクロペンタジエン中
の二重結合を構成する炭素に結合した水素),3.5−
3.35(m,シクロペンタジエン中の単結合を構成す
る炭素に結合した水素),3.15−2.98(m,シ
クロペンタジエン中の単結合を構成する炭素に結合した
水素),3.69(s,2H),3.67(s,3
H),−0.22(s,9H)
【0100】(2−メトキシカルボニルメチル)トリメ
チルシリルシクロペンタジエン4.2g(20mmo
l)の100ml乾燥塩化メチレン溶液にアルゴン雰囲
気下0℃で3.8g(20mmol)の四塩化チタンを
加え、室温で3時間攪拌を続けた。反応溶液を−30℃
に冷却して析出したオレンジ色結晶(4.0g、収率7
0%)を得た。生成物が(2−メトキシカルボニルメチ
ル)シクロペンタジエニルトリクロロチタンであること
1H−NMRで確認した。
【0101】1H−NMR(ppm,TMS,CDC
3)7.05(s,4H),3.92(s,2H),
3.76(s,3H)
【0102】(遷移金属化合物製造例2) (2−メトキシエチル)シクロペンタジエニルトリクロ
ロチタン[MeOCH2CH2CpTiCl3]の合成 トリメチルシリルシクロペンタジエニルナトリウム30
g(200mmol)の400mlテトラハイドロフラ
ン(THF)溶液に、アルゴン雰囲気下−78℃でクロ
ロエチルメチルエーテル18.9g(200mmol)
の100mlTHF溶液をゆっくりと滴下した。滴下終
了後、一晩加熱還流した。その後、減圧下にTHFを溜
去し、生成した固体をろ別した後、真空蒸留(80℃,
1mmHg)により約33g(収率85%)の[(2−
メトキシ)エチル]トリメチルシリルシクロペンタジエ
ン[TMSCpCH2CH2OMe]を得た。生成物の構
造は1H−NMRから確認した。
【0103】1H−NMR(ppm,TMS,CDC
3):6.55−6.20(m,シクロペンタジエン
中の二重結合を構成する炭素に結合した水素),3.5
−3.35(m,シクロペンタジエン中の単結合を構成
する炭素に結合した水素),3.15-2.98(m,
シクロペンタジエン中の単結合を構成する炭素に結合し
た水素),3.61(m,2H),3.40(s,3
H),3.02(m,2H),0.22(s,9H)
【0104】得られたTMSCpCH2CH2OMe
O.50g(2.5mmol)の20ml乾燥塩化メチ
レン溶液に、アルゴン雰囲気下、−78℃で四塩化チタ
ン0.25ml(2.2mmol)を加え、室温で3時
間攪拌を続けた。次いで反応溶液を−78℃に冷却して
析出したオレンジ色結晶0.43g(収率70%)を得
た。生成物が(2−メトキシエチル)シクロペンタジエ
ニルトリクロロチタン[MeOCH2CH2CpTiC1
3]であることを1H−NMRから確認した。
【0105】1H−NMR(ppm,TMS,CDC
3):6.91(s,4H),3.70(t,2H),
3.37(s,3H),3.10(t,2H)
【0106】(遷移金属化合物製造例3) トリメチルシリルシクロペンタジエニルトリクロロチタ
ン[Me3SiCpTiCl3]の合成 ビス(トリメチルシリル)シクロペンタジエンはJ.
C.S.Dalton,1979年、1156頁の記載
に基づいて合成し、減圧蒸留により精製した。ビス(ト
リメチルシリル)シクロペンタジエン2.1g(10m
mol)の100ml乾燥n−ヘキサン溶液に、アルゴ
ン雰囲気下、−78℃で四塩化チタン1.1ml(10
mmol)を滴下し4時間攪拌した。溶媒を留去後、昇
華により黄色結晶2.1g(収率70%)を得た。生成
物がMe3SiCpTiCl3であることを1H−NMR
から確認した。
【0107】1H−NMR(ppm,TMS,CDC
3):6.85(t,2H),6.66(t,2
H),0.10(s,9H)
【0108】(実施例1)メチルアルミノサン12.2
mmolのトルエン溶液(東ソー・アクゾ社製)に2−
メトキシエチルシクロペンタジエニルトリクロロチタン
(MeOCH2CH2CpTiCl3、以下「TiET」
と略す)0.0122mmolのトルエン溶液を滴下し
−25℃にて1時間エージングした。内容積150ml
の密封型耐圧ガラスアンプルに、窒素雰囲気下で、トル
エン52.4gとブタジエン5.5gを仕込み25℃に
保持した。このアンプルに上記のエージングした触媒を
添加して、25℃にて4時間重合させた。その後、少量
の酸性メタノール溶液で重合反応を停止し、次いで重合
溶液を大量の酸性メタノールに注ぎ込み、析出した白色
固体をろ取、乾燥し、ブタジエン重合体を得た。重合体
収率は36重量%であった。
【0109】重合反応に使用された遷移金属化合物中の
遷移金属1mmol当り、1反応時間当りの重合体収量
として表わした「重合活性」は41g/mmol−M・
hであった。
【0110】重合体中の立体構造(シス結合含量)はN
MR分析により求めた。すなわち、 1H−NMR分析
(1,4−結合 5.4−5.6ppm、1,2−結合
5.0−5.1ppm)から重合体中の1,4−結合
含量を求め、13C−NMR分析(シス 28ppm、ト
ランス 38ppm)からシス/トランス比を求めた。
シス含量は97%であった。
【0111】ゲルパーミエーションクロマトグラフィー
(GPC)分析により測定した数平均分子量(Mn)は
35万、分子量分布(Mw/Mn)は1.92であっ
た。なお、GPC分析には、カラムとして東ソー社製G
MHを2本連結したものまたはG−7000とG−50
00を連結したものを用い、標準ポリブタジエン試料
(ポリマーラボラトリーズ社製)を用いて作成した検量
線に基づいて数平均分子量と分子量分布を求めた。
【0112】開始剤効率(E.I.)はGPC測定によ
り求めたMnに対する、理論分子量Mkの比で定義し
(式X)算出した。ここで、Mkは重合に用いたブタジ
エン量(ブタジエン,g)、Ti量(mol)、およ
び、重合体収率(重量%)を用いた式Yで定義し算出し
た。E.I.の値は53%であった。条件と結果を表1
に示す。表中、ブタジエン/Tiの単位はg/mmol
である。また、メチルアルミノキサンを使用したすべて
の重合において、Al/Tiは1000mol/mol
である。 式X: (E.I.)=Mk/Mn 式Y: Mk=(収率)×(ブタジエン量)/(Ti量)
【0113】(実施例2)重合時間を20時間とする以
外は実施例1と同様に重合と分析を行った。結果を表1
に示す。
【0114】(比較例1)内容積150mlの密封型耐
圧ガラスアンプルに、窒素雰囲気下で、トルエン52.
4gとブタジエン5.5gを仕込み25℃に保持した。
このアンプルにメチルアルミノサン12.2mmolの
トルエン溶液(東ソー・アクゾ社製)とTiET 0.
0122mmolのトルエン溶液をこの順序で添加し、
25℃にて4時間重合させた。後処理と分析は実施例1
と同様に行った。結果を表1に示す。
【0115】(比較例2)重合時間を20時間とする以
外は比較例1と同様に重合と分析を行った。結果を表1
に示す。
【0116】(実施例3)メチルアルミノサン12.2
mmolのトルエンスラリー(東ソー・アクゾ社製)に
TiET 0.0122mmolのトルエン溶液を滴下
し25℃にて1時間エージングした。以下、実施例1と
同様な方法で19時間重合を行った。結果を表1に示
す。
【0117】(比較例3)メチルアルミノサン12.2
mmolのトルエンスラリー(東ソー・アクゾ社製)に
TiET 0.0122mmolのトルエン溶液を滴下
し25℃にて24時間エージングした。以下、実施例1
と同様な方法で21時間重合を行った。結果を表1に示
す。
【0118】(比較例4)内容積150mlの密封型耐
圧ガラスアンプルに、窒素雰囲気下で、トルエン52.
4gとブタジエン5.5gを仕込み25℃に保持した。
このアンプルにメチルアルミノサン12.2mmolの
トルエンスラリー(東ソー・アクゾ社製)とTiET
0.0122mmolのトルエン溶液をこの順序で添加
し、25℃にて19時間重合させた。結果を表1に示
す。
【0119】
【表1】
【0120】表中、「6000exp(−0.0921
T)」の値は単位h(時間)で示されている(以下の表
2〜表3においても同じ)。
【0121】(実施例4〜10、比較例8)遷移金属化
合物として2−メトキシカルボニルメチルシクロペンタ
ジエニルトリクロロチタン(MeO(CO)CH2Cp
TiCl3、以下「TiES」と略す)を用い表2およ
び表3に示す条件にて実施例1と同様な方法で重合を行
った。結果を表2および表3に併せて示す。
【0122】(比較例5〜7)遷移金属化合物としてT
iESを用い表2および表3に示す条件にて比較例1と
同様な方法で重合を行った。結果を表2および表3に併
せて示す。
【0123】
【表2】
【0124】
【表3】
【0125】(実施例11〜20)内容積150mlの
密封型耐圧ガラスアンプルに、窒素雰囲気下で、トルエ
ン26.0gとメチルアルミノサン6.7mmolのト
ルエン溶液(東ソー・アクゾ社製)を仕込んだ。表4お
よび表5に示すエージング温度にアンプルを保持し、T
iES 0.0067mmolのトルエン溶液を滴下し
表4および表5に示すエージング時間保持した。その
後、−25℃としてブタジエン2.0gとトルエン6.
0gの溶液を添加してこの温度にて30分重合させた。
以下、実施例1と同様な操作を行った。結果を表4およ
び表5に示す。
【0126】
【表4】
【0127】
【表5】
【0128】(実施例21、22)遷移金属化合物とし
てトリメチルシリルシクロペンタジエニルトリクロロチ
タン(Me3SiCpTiCl3、以下「TiTMS」と
略す)を用い実施例1と同様な方法で重合を行った。重
合条件と結果を表6示す。
【0129】(比較例9、10)遷移金属化合物として
TiTMSを用い、比較例1と同様な方法で重合を行っ
た。重合条件と結果を表6に示す。
【0130】
【表6】
【0131】上記各表から明らかなように、実施例1、
2と比較例1、2とを比べると、また、実施例4〜6と
比較例5〜7とを比べると、さらに実施例21、22と
比較例9、10とを比べると、重合開始前にエージング
することで重合活性と開始剤効率が向上していることが
わかる。実施例3と比較例3、実施例8と比較例8とを
比べるとエージング時間が長すぎるとエージングの効果
が低下することがわかる。
【0132】(実施例23)窒素置換したアンプルにメ
チルアルミノキサン47mmolのトルエン溶液を仕込
み、これにシクロペンタジエニルチタニウムトリクロラ
イド(CpTiCl3)0.047mmolのトルエン
溶液を添加し、25℃にて5分間エージングした後、−
25℃に10分間保った。内容積150mlの密封型耐
圧ガラスアンプルに、窒素雰囲気下で、トルエン54.
4gとブタジエン4.67gを仕込み、−25℃に冷却
した。この重合用アンプルに上記のエージングした触媒
を添加して、−25℃にて振盪条件下で重合させた。所
定の重合時間後、真空脱気して−78℃に保った別のア
ンプルに重合溶液の一部を抜取る操作を数回繰り返し
た。サンプリング溶液にメタノール1mlを添加して重
合反応を停止して、溶液重量を精秤した後、老化防止剤
を含む酸性メタノールに重合溶液を注ぎ込み重合体を析
出させた。重合体をトルエンに溶解し、その溶液を遠心
分離して灰分を除去した後、酸性メタノールに再沈させ
た。得られた重合体を乾燥、秤量して、重合体収率を求
めた。結果を表7に示す。
【0133】(比較例11)トルエン、ブタジエン、お
よび、メチルアルミノキサンを仕込み−25℃に保った
密封型耐圧ガラスアンプルに、CpTiCl3のトルエ
ン溶液を添加する方法とした他は、実施例23と同様な
条件にて重合を実施した。−25℃で24時間重合して
も、重合体は痕跡程度しか得られなかった。
【表7】
【0134】
【発明の効果】本発明の方法により得られる共役ジエン
重合体の製造方法は、高い開始剤効率を示し高活性で重
合反応を進行させる。特定の重合温度を選ぶとリビング
重合が進行するため、開始剤効率の高さとの相乗効果に
より所望の分子量を持ち極めて分子量分布が狭い重合体
を得る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 靖三 茨城県つくば市吾妻二丁目805−808号 (72)発明者 宮沢 哲 茨城県つくば市松代四丁目403−103号 (72)発明者 土原 健治 茨城県つくば市吾妻二丁目806−703号 (72)発明者 村田 昌英 東京都文京区水道二丁目3番15−504号 (72)発明者 尾崎 裕之 茨城県つくば市小野川四丁目6−202号 (72)発明者 川辺 正直 茨城県つくば市竹園二丁目6番2−203号 (72)発明者 福井 祥文 茨城県つくば市二の宮四丁目6番3−507 号 (72)発明者 ジン ジジュ 石川県金沢市3−14−4 ひろみハイツ 201 (72)発明者 萩原 英昭 茨城県つくば市天久保2−6−14 桜井ハ イツ203 (72)発明者 加瀬 俊男 茨城県つくば市松代五丁目2−2号

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)シクロペンタジエニル骨格を有す
    る周期律表第IV族遷移金属化合物と、(B)有機アル
    ミニウムオキシ化合物(a)、該遷移金属化合物(A)
    と反応してカチオン性遷移金属化合物を生成できるイオ
    ン性化合物(b)、該遷移金属化合物(A)と反応して
    カチオン性遷移金属化合物を生成できるルイス酸化合物
    (c)、および周期律表第I〜III族主元素金属の有
    機金属化合物(d)から選択される少なくとも一種の助
    触媒とを下記式αおよび下記式βを満たす条件で接触さ
    せてなる触媒の存在下に、共役ジエン単量体、または、
    共役ジエン単量体およびそれと共重合可能な単量体を重
    合させることを特徴とする共役ジエン系重合体の製造方
    法。 式α: −100<T<80 式β: 0.017<t<6000exp(−0.0921T) ここで、tは接触時間(分)、Tは接触温度(℃)であ
    る。
  2. 【請求項2】 (A)シクロペンタジエニル骨格を有す
    る周期律表第IV族遷移金属化合物が、カルボニル基、
    スルフォニル基、エーテル基、チオエーテル基から選ば
    れる少なくとも一種の原子団を有する置換基を持つシク
    ロペンタジエニル骨格を有する周期律表第IV族遷移金
    属化合物である請求項1記載の共役ジエン系重合体の製
    造方法。
  3. 【請求項3】(A)成分であるカルボニル基、スルフォ
    ニル基、エーテル基、チオエーテル基から選ばれる少な
    くとも一種の原子団を有する置換基を持つシクロペンタ
    ジエニル骨格を有する周期律表第IV族遷移金属化合物
    が、下記一般式1、または一般式2で示される周期律表
    第IV族遷移金属化合物である、請求項2記載の共役ジ
    エン系重合体の製造方法。 一般式1: 【化1】 (式中、Mは周期律表第IV族遷移金属、X1,X2,X
    3は水素原子、ハロゲン、炭素数1〜12の炭化水素
    基、または、炭素数1〜12の炭化水素オキシ基、Yは
    水素原子、または炭素数1〜20の炭化水素基であっ
    て、それ自体シクロペンタジエニル基と環を形成してい
    てもよく、Z1,Z2は水素原子または炭素数1〜12の
    炭化水素基、Aは酸素原子または硫黄原子、R1は水素
    原子、炭素数1〜12の炭化水素基、炭素数1〜12の
    炭化水素オキシ基、または炭素数1〜12の炭化水素チ
    オ基であり、nは0〜5の整数である。一般式1中の五
    角形中に円を描いた構造はシクロペンタジエン環構造を
    表す。) 一般式2: 【化2】 (式中、Mは周期律表第IV族遷移金属、X1,X2,X
    3は水素原子、ハロゲン、炭素数1〜12の炭化水素
    基、または、炭素数1〜12の炭化水素オキシ基、Yは
    水素原子、または炭素数1〜20の炭化水素基であっ
    て、それ自体シクロペンタジエニル基と環を形成してい
    てもよく、Z1,Z2は水素原子または炭素数1〜12の
    炭化水素基、Aは酸素原子または硫黄原子、R2は炭素
    数1〜12の炭化水素基であり、nは0〜5の整数であ
    る。一般式2中の五角形中に円を描いた構造はシクロペ
    ンタジエン環構造を表す。)
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