JP2002012625A - クロロプレン系重合体及びその製造方法 - Google Patents
クロロプレン系重合体及びその製造方法Info
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Abstract
クロロプレン重合体を提供する。また、ハーフメタロセ
ン触媒を用いた新規なクロロプレン系重合体の製造方法
を提供する。 【解決手段】 シス1,4構造の存在割合が8モル%以
上であるクロロプレン系重合体。また、特定の構造のハ
ーフメタロセン触媒によるクロロプレン系重合体の新規
な製造方法。
Description
きなかった分子内の構成単位の存在比率が特異な新規な
2−クロロ−1,3−ブタジエン(以下、しばしばクロ
ロプレンと略す)系重合体に関するものである。また、
ハーフメタロセン触媒を用いたクロロプレン系重合体の
新規な製造方法に関するものである。
耐候性、耐熱性、耐薬品性などの特徴が良好であるた
め、一般工業用ゴム製品、自動車部品、接着剤、各種工
業部品など広範囲の分野に用いられている。しかし、最
近では各種ゴム製品において高性能化が進み、要求特性
が高度になっている。これに伴い、クロロプレン系重合
体の更なる改善が望まれている。
としては、従来より、重合温度を変えることによる重合
体のミクロ構造の組成比変更、コモノマーを用いたポリ
マー構造の変更、連鎖移動剤を変えることによるポリマ
ー末端構造の変更などが知られており、数多くの事例が
ある(Rubber Chemistry andTe
chnology,49,670(1976))。特
に、重合温度を変えることによって、クロロプレン重合
体を構成するミクロ構造の組成比が変化するという事実
は公知であり、古くから研究の対象となってきた。クロ
ロプレン重合体は、大部分がトランス1,4構造からな
るが、重合温度を上げるとシス1,4構造及びその他の
不規則構造が徐々に増えることが、赤外吸収スペクト
ル、核磁気共鳴スペクトルなどを使って明らかになって
いる(例えば、Rubber Chem.Techno
l.50,p49〜(1977)、Polymer 1
9,p1243〜(1978)、高分子分析ハンドブッ
ク(新版)p980(日本分析化学会編)など)。
制御することが極めて難しくなるため、重合温度を上げ
ることによってシス1,4構造を増やすことには限界が
あった。これまで報告されている高温重合は最高で10
0℃付近である(J.Polym.Sci.13,p2
51〜(1954))。これまで、重合温度の変更によ
って得られるシス1,4構造単位の組成範囲を超えて、
有意にシス1,4構造単位が多い重合体は見出されてお
らず、また、該重合体を得る方法も知られていなかっ
た。遷移金属化合物であるメタロセン触媒や遷移金属錯
体を用いてクロロプレン単量体を重合する方法は報告さ
れている(特開平11−60638号公報、特開平11
−349636号公報など)が、シス1,4構造を有意
に増やす方法は知られていなかった。
ロプレン重合体製造技術では達成することができなかっ
た、クロロプレン重合体の構造単位の一つであるシス
1,4構造が8モル%以上を有する新規なクロロプレン
系重合体提供するものであり、また、ハーフメタロセン
触媒を用いた新規なクロロプレン系重合体の製造方法を
提供するものである。
合物存在下でクロロプレン単量体を反応させると、得ら
れる重合体の構造単位の組成が変化し、従来技術では達
し得ない多くのシス1,4構造単位を含むクロロプレン
重合体が得られることを見出し、本発明に到達した。す
なわち、本発明は下記の一般式(1)〜(4)(順番
に、トランス1,4結合、シス1,4結合、1,2結
合、3,4結合という)で表される構造単位を有し、か
つ、(2)のシス1,4構造の存在割合が8モル%以上
であることを特徴とするクロロプレン系重合体である。
れる遷移金属化合物と助触媒の存在下でクロロプレン単
量体、及び必要に応じてそれと共重合可能な単量体を重
合してクロロプレン系重合体を得ることを特徴とするク
ロロプレン系重合体の製造方法である。
ジエニル基、置換シクロペンタジエニル基、インデニル
基、置換インデニル基、フルオレニル基または置換フル
オレニル基であり、MとRはπ結合している。Xは水
素、ハロゲン、炭素数1〜12の炭化水素基、炭素数1
〜12のアルコキシ基、炭素数1〜12のアミノ基また
は炭素数1〜12のアミド基であり、それぞれ同じであ
っても異なっていてもよい。
よる重合体は、特定の遷移金属化合物と助触媒の存在
下、クロロプレン単量体、及び、必要に応じてそれと共
重合可能な単量体を重合することによって得られる。本
発明による重合体は下記の一般式(1)〜(4)で表さ
れるミクロ構造単位を有し、かつ、(2)のシス1,4
構造単位の存在割合が8モル%以上である。
ための原料としては、クロロプレン単量体(2−クロロ
−1,3−ブタジエン)が用いられ、また、本発明によ
るミクロ構造の組成比が損なわれない範囲で、必要に応
じてそれと共重合可能な単量体が用いられる。共重合可
能な単量体とは、クロロプレン単量体と有意に共重合す
る単量体であればいずれでもよく、その一例を挙げれ
ば、1−クロロ−1,3−ブタジエン、2,3−ジクロ
ロ−1,3−ブタジエン、ブタジエン、イソプレン、2
−フロロ−1,3−ブタジエン、2−ブロム−1,3−
ブタジエン、2−シアノ−1,3−ブタジエンなどの共
役ジエン単量体、アクリロニトリル、スチレン及びスチ
レン誘導体、アクリル酸、メチルアクリレート、エチル
アクリレート、プロピルアクリレート、アミノメチルア
クリレート、アミノエチルアクリレート、アミノプロピ
ルアクリレート、ジメチルアミノメチルアクリレート、
ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノプ
ロピルアクリレート、ジエチルアミノメチルアクリレー
ト、ジエチルアミノエチルアクリレートなどのアクリル
酸エステル、メタクリル酸、メチルメタクリレート、エ
チルメタクリレート、プロピルメタクリレート、アミノ
メチルメタクリレート、アミノエチルメタクリレート、
アミノプロピルメタクリレート、ジメチルアミノメチル
メタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレー
ト、ジメチルアミノプロピルメタクリレート、ジエチル
アミノメチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメ
タクリレートなどのメタクリル酸エステル、更に、マレ
イミド、N−フェニルマレイミド、N−(2−クロロフ
ェニル)マレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、
N−ラウリルマレイミド等のビニル単量体および硫黄な
どがある。これらの単量体は、単独で用いてもよく、ま
た、2種以上を併用してもよい。
な点は、前記したクロロプレン系重合体中のミクロ構造
の存在割合にあり、重合体中にシス1,4構造単位を8
モル%以上含む。この8モル%以上という存在割合は、
一般に工業的に行われている重合方法、すなわち、乳化
重合法や溶液重合法などによっては達成することができ
ない割合である。
る下記の一般式(5)と助触媒の存在下でクロロプレン
単量体、及び必要に応じてそれと共重合可能な単量体を
重合してクロロプレン系重合体を得ることを特徴とする
クロロプレン系重合体の製造方法である。
ジエニル基、置換シクロペンタジエニル基、インデニル
基、置換インデニル基、フルオレニル基または置換フル
オレニル基であり、MとRはπ結合している。Xは水
素、ハロゲン、炭素数1〜12の炭化水素基、炭素数1
〜12のアルコキシ基、炭素数1〜12のアミノ基また
は炭素数1〜12のアミド基であり、それぞれ同じであ
っても異なっていてもよい。Mに好ましい金属はチタ
ン、ジルコニウム、ハフニウムであり、最も好ましくは
チタンである。
タジエニルチタントリクロライド、エチルシクロペンタ
ジエニルチタントリクロライド、プロピルシクロペンタ
ジエニルチタントリクロライド、イソプロピルシクロペ
ンタジエニルチタントリクロライド、t−ブチルシクロ
ペンタジエニルチタントリクロライド、ベンジルシクロ
ペンタジエニルチタントリクロライド、(1,1−ジメ
チルプロピル)シクロペンタジエニルチタントリクロラ
イド、(1,1−ジメチルベンジル)シクロペンタジエ
ニルチタントリクロライド、(1−エチルプロピル)シ
クロペンタジエニルチタントリクロライド、(ジエチル
ベンジル)シクロペンタジエニルチタントリクロライ
ド、(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)チタン
トリクロライド、(ビス(トリメチルシリル)シクロペ
ンタジエニル)チタントリクロライド、(1,3−ジメ
チルシクロペンタジエニル)チタントリクロライド、
(1−メチル−3−エチルシクロペンタジエニル)チタ
ントリクロライド、(1−メチル−3−プロピルシクロ
ペンタジエニル)チタントリクロライド、(1−メチル
−3−フェニルシクロペンタジエニル)チタントリクロ
ライド、(1−メチル−3−トリルシクロペンタジエニ
ル)チタントリクロライド、(1−メチル−3−(2,
6−ジメチルフェニル)シクロペンタジエニル)チタン
トリクロライド、(1−メチル−3−ブチルシクロペン
タジエニル)チタントリクロライド、(1,2,3−ト
リメチルシクロペンタジエニル)チタントリクロライ
ド、(1,2,3−トリエチルシクロペンタジエニル)
チタントリクロライド、(1,2,3−トリフェニルシ
クロペンタジエニル)チタントリクロライド、(1,
2,4−トリメチルシクロペンタジエニル)チタントリ
クロライド、(1,2,4−トリエチルシクロペンタジ
エニル)チタントリクロライド、(1,2,4−トリフ
ェニルシクロペンタジエニル)チタントリクロライド、
(1,2,3,4−テトラメチルシクロペンタジエニ
ル)チタントリクロライド、(1,2,3,4−テトラ
エチルシクロペンタジエニル)チタントリクロライド、
(1,2,3,4−テトラフェニルシクロペンタジエニ
ル)チタントリクロライド、(ペンタメチルシクロペン
タジエニル)チタントリクロライド、(1,2,3,4
−テトラメチル−5−フェニルシクロペンタジエニル)
チタントリクロライド、(1,2,3,4−テトラフェ
ニル−5−メチルシクロペンタジエニル)チタントリク
ロライド、(ペンタフェニルシクロペンタジエニル)チ
タントリクロライド、インデニルチタントリクロライ
ド、(2−メチルインデニル)チタントリクロライド、
シクロペンタジエニルチタンt−ブトキサイドジクロラ
イド、シクロペンタジエニルチタンイソプロポキサイド
ジクロライド、シクロペンタジエニルチタンジメトキシ
クロライド、シクロペンタジエニルチタンジイソプロポ
キサイドクロライド、シクロペンタジエニルチタンジフ
ェノキシクロライド、シクロペンタジエニルチタンフェ
ノキシジクロライド、フルオレニルチタントリクロライ
ド、メチルフルオレニルチタントリクロライドなどが挙
げられる。
チル基で置き換えたメチル体、ジメチル体、トリメチル
体、アルコキシ基で置き換えたモノアルコキシ体、ジア
ルコキシ体、アミド基で置き換えたアミド体が挙げられ
る。以上、チタン化合物を例示したが、ジルコニウム化
合物、ハフニウム化合物についても同様である。
ジエニルチタントリクロライド、シクロペンタジエニル
チタントリメトキサイドなどが好適に用いられる。
助触媒として有機アルミニウム化合物及び/またはホウ
素を含むイオン化イオン性化合物が用いられる。助触媒
として用いる有機アルミニウム化合物としては、アルミ
ノキサンが好適である。アルミノキサンとは、下記の一
般式(6)、(7)で表される環状または鎖状化合物で
ある。
10のアリール基、または水素、mは2〜100の整数
である。
数6〜10のアリール基、または水素、nは2〜100
の整数である。R2〜R5は互いに同一でも異なってい
てもよい。
ルアルミノキサン、エチルアルミノキサン、トリブチル
アルミノキサンが用いられるが、特に好ましくはメチル
アルミノキサンが用いられる。必要に応じ、これら種類
の異なるアルミノキサンの混合物を用いてもよい。ま
た、これらアルミノキサンとアルキルアルミニウム、例
えば、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウ
ム、トリイソブチルアルミニウムやハロゲンを含むアル
キルアルミニウム、例えばジメチルアルミニウムクロラ
イドなどを併用してもよい。
例を挙げれば、トリメチルアンモニウムテトラフェニル
ボレート、トリエチルアンモニウムテトラフェニルボレ
ート、トリプロピルアンモニウムテトラフェニルボレー
ト、トリ(n−ブチル)メチルアンモニウムテトラフェ
ニルボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラ
(p−トリル)フェニルボレート、トリ(n−ブチル)
アンモニウムテトラ(p−エチルフェニル)ボレート、
トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラ(ペンタフルオ
ロフェニル)ボレート、トリメチルアンモニウムテトラ
(p−トリル)ボレート、トリメチルアンモニウムテト
ラ(o−トリル)ボレート、トリメチルアンモニウムテ
トラキス−3,5−ジメチルフェニルボレート、トリエ
チルアンモニウムテトラキス−3,5−ジメチルフェニ
ルボレート、トリブチルアンモニウムテトラキス−3,
5−ジメチルフェニルボレート、アニリニウムテトラキ
スペンタフルオロフェニルボレート、N,N−ジメチル
アニリニウムテトラフェニルボレート、N,N−ジエチ
ルアニリニウムテトラフェニルボレート、N,N−ジメ
チルアニリニウムテトラキス(p−トリル)ボレート、
N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(m−トリ
ル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキ
ス(2,4−ジメチルフェニル)ボレート、N,N−ジ
メチルアニリニウムテトラキス(3,5−ジメチルフェ
ニル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラ
キス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−
2,4,5−ペンタメチルアニリニウムテトラフェニル
ボレート、N,N−2,4,5−ペンタエチルアニリニ
ウムテトラフェニルボレート、ジ−(イソプロピル)ア
ンモニウムテトラキスペンタフルオロフェニルボレー
ト、ジ−シクロヘキシルアンモニウムテトラキスペンタ
フルオロフェニルボレート、トリフェニルホスホニウム
テトラフェニルボレート、トリ(メチルフェニル)ホス
ホニウムテトラフェニルボレート、トリ(ジメチルフェ
ニル)ホスホニウムテトラフェニルボレート、トリフェ
ニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニ
ル)ボレート、トリフェニルカルベニウムテトラキス
(p−トリル)ボレート、トリフェニルカルベニウムテ
トラキス(m−トリル)ボレート、トリフェニルカルベ
ニウムテトラキス(2,4−ジメチルフェニル)ボレー
ト、トリフェニルカルベニウムテトラキス(3,5−ジ
メチルフェニル)ボレート、トロピリウムテトラキスペ
ンタフルオロフェニルボレート、トロピリウムテトラキ
ス(p−トリル)ボレート、トロピリウムテトラキス
(m−トリル)ボレート、トロピリウムテトラキス
(2,4−ジメチルフェニル)ボレート、トロピリウム
テトラキス(3,5−ジメチルフェニル)ボレートなど
がある。これらホウ素化合物と既述の有機アルミニウム
化合物を同時に用いても差し支えない。特にホウ素化合
物を助触媒として用いる場合、重合系内に含まれる水等
の重合に悪影響を与える不純物の除去に、トリイソブチ
ルアルミニウム等のアルキルアルミニウム化合物の添加
が有効である。
にあたっては、既述したクロロプレン単量体及び、必要
に応じて共重合可能な単量体を、遷移金属化合物及び助
触媒に接触させる。その方法としては、溶媒を用いず
に液状単量体中で重合させる方法、トルエン、キシレ
ン、ベンゼン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロ
ヘキサン、クロロ置換ベンゼン、クロロ置換トルエン、
塩化メチレン、クロロホルムなどの飽和脂肪族または芳
香族炭化水素またはハロゲン化炭化水素の単独または混
合溶媒を用いて重合させる方法などがある。
り、好ましくは−78〜+20℃、更に好ましくは−4
0〜+10℃の範囲である。−78℃より低い温度では
工業的に不利であり、40℃を超えると分子切断反応が
併発するため不適当である。
いる場合には、遷移金属化合物の金属に対し、アルミニ
ウム原子/金属原子比(モル比)で、0.1〜1000
00、好ましくは10〜10000の比で用いられる。
0.1より小さいと有効に遷移金属化合物を活性化でき
ず、100000を超えると経済的に不利となる。助触
媒としてホウ素化合物を用いる場合には、ホウ素原子/
金属原子比(モル比)で0.01〜100の比で用いら
れるが、好ましくは0.1〜10、特に好ましくは1で
用いられる。遷移金属化合物と助触媒は、重合缶外で混
合、調整しても、重合時に缶内で混合してもよい。
マーに通常用いられる添加剤、助剤などを添加すること
ができる。好適な添加剤、助剤としては酸化防止剤、滑
剤、加硫剤、加硫促進剤、可塑剤、紫外線吸収剤、安定
剤、顔料、着色剤、充填剤、発泡剤などが挙げられる。
が、本発明は下記の実施例により限定されるものではな
い。以下の説明において特に断りのない限り部および%
は質量基準で示す。
ミエーションクロマトグラフィー、標準ポリスチレン換
算)で測定した。重合体のミクロ構造は13C核磁気共鳴
スペクトルから、同定、定量した。
燥した100mlのガラス製シュレンクチューブ内に、
ハーフメタロセン触媒であるシクロペンタジエニルチタ
ントリクロライドを0.02g(0.091mmol)
仕込み、撹拌子を入れた後に密栓した。次に、別に用意
した乾燥窒素ガスラインにつなぎ、窒素雰囲気を維持し
た。この状態で、シュレンクチューブを0℃の冷媒に浸
せきした後、メチルアルミノキサンのトルエン溶液(東
ソーアクゾ社製MMAO−3A、Al含量が5.6質量
%)をマイクロシリンジを用いてAl原子基準で19.
5mmol仕込み、撹拌を開始した。10分間撹拌した
時点で、脱水したクロロプレン単量体20mlをマイク
ロシリンジを用いて仕込み、温度0℃で48時間保持し
た。反応終了後、内容物を大過剰の希塩酸/メタノール
混合溶液に投入し、ポリマー(クロロプレン重合体)を
析出させた。これを20℃で24時間減圧下で乾燥し、
4.2gのポリマーを得た。
ール混合溶液を使って精製した。精製したポリマーの一
部を重クロロホルムに溶解し、ポリマーの分子構造(ミ
クロ構造)を13C核磁気共鳴スペクトルで同定、定量し
た。また、ポリマーの分子量をGPCで測定した。測定
結果を表1に示した。
ポリマーの主成分の帰属は以下の通りである。トランス
1,4結合の−CH=の炭素に起因するシグナルは12
3〜126ppm、シス1,4結合の−CH=の炭素に
起因するシグナルは126〜128ppm、1,2結合
の=CH2の炭素に起因するシグナルは115.5〜1
16.1ppm、3,4結合の=CH2の炭素に起因す
るシグナルは114〜115ppmである。これらシグ
ナルの面積から各単位の存在割合を求めた。
み、反応条件を温度−10℃、48時間とした場合であ
る。ポリマー収量は5.9gであった。
1−クロロ−1,3−ブタジエン単量体0.5mlを仕
込み、反応条件を0℃、48時間とした場合である。ポ
リマー収量は4.0gであった。
ペンタジエニルチタントリメトキサイドを0.018
g、単量体としてクロロプレン単量体19ml、2,3
−ジクロロ−1,3−ブタジエン単量体1mlを仕込
み、反応条件を−10℃、72時間とした場合である。
ポリマー収量は4.4gであった。
スまたは加圧口、温調用のジャケットを備えた内容積1
リットルのSUS304製耐圧容器を用意した。反応器
内に、窒素ガスを0.3リットル/分の条件で15分間
流し、系内を窒素置換した。表2に示す重合処方に従
い、室温下で単量体と連鎖移動剤を除く他の薬品を仕込
み、撹拌、混合して石鹸液を調整した。次に、予め連鎖
移動剤を溶解させたクロロプレン単量体を仕込み、乳化
させた。その後、窒素ガス加圧口以外のバルブを閉めて
密閉系とした後、窒素ガスで反応器内を0.5MPaに
昇圧、維持した。所定の温度(比較例1では100℃、
比較例2では40℃)に昇温し、過硫酸カリウム水溶液
を断続的に添加し、重合反応を進行させた。所定時間経
過後、チオジフェニルアミンを添加し反応を停止させ
た。ラテックスをサンプリングし、ポリマー固形分濃度
から重合率を算出した。反応終了ラテックスを冷却後、
取り出し、その一部をベンゼンとメタノールで精製し、
得られたポリマーの性状を実施例と同様に測定した。
ス1,4結合の存在割合が8モル%以上となっており比
較例に比べて多く、従来知られていなかったミクロ構造
を有するクロロプレン系重合体であることがわかる。ま
た、ハーフメタロセン触媒を用いることにより、クロロ
プレン系重合体が得られることがわかる。
従来のクロロプレン重合体にはない、分子内にシス1,
4構造が多く存在した新規なミクロ構造を有する重合体
である。また、本発明によるハーフメタロセン触媒を用
いることよって、クロロプレン系重合体を効率的に製造
することができる。従って、ミクロ構造の組成比の違い
に起因する優れた特性が必要とされる用途への実用化、
工業化が期待できる。
C核磁気共鳴スペクトルである。
Claims (7)
- 【請求項1】 下記の一般式(1)〜(4)で表される
構造単位を有し、かつ、(2)のシス1,4構造の存在
割合が8モル%以上であることを特徴とするクロロプレ
ン系重合体。 一般式(1) 【化1】 一般式(2) 【化2】 一般式(3) 【化3】 一般式(4) 【化4】 - 【請求項2】 1−クロロ−1,3−ブタジエン単量体
単位及び/または2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエ
ン単量体単位を含むことを特徴とする請求項1記載のク
ロロプレン系重合体。 - 【請求項3】 下記の一般式(5)で表される遷移金属
化合物と助触媒を用いてクロロプレン単量体、及び必要
に応じてそれと共重合可能な単量体を重合することを特
徴とするクロロプレン系重合体の製造方法。 【化5】 (ここで、Mは4族の遷移金属であり、Rはシクロペン
タジエニル基、置換シクロペンタジエニル基、インデニ
ル基、置換インデニル基、フルオレニル基または置換フ
ルオレニル基であり、MとRはπ結合している。Xは水
素、ハロゲン、炭素数1〜12の炭化水素基、炭素数1
〜12のアルコキシ基、炭素数1〜12のアミノ基また
は炭素数1〜12のアミド基であり、それぞれ同じであ
っても異なっていてもよい) - 【請求項4】 助触媒が下記の一般式(6)または
(7)で表されるアルミノキサンであることを特徴とす
る請求項3記載のクロロプレン系重合体の製造方法。 【化6】 (ここで、R1は炭素数1〜5のアルキル基、炭素数6
〜10のアリール基、または水素、mは2〜100の整
数である。) 【化7】 (ここで、R2〜R5は炭素数1〜5のアルキル基、炭
素数6〜10のアリール基、または水素、nは2〜10
0の整数である。R2〜R5は互いに同一でも異なって
いてもよい。) - 【請求項5】 助触媒がホウ素を含むイオン化イオン性
化合物であることを特徴とする請求項3記載のクロロプ
レン系重合体の製造方法。 - 【請求項6】 一般式(5)においてMがチタンである
ことを特徴とする請求項3記載のクロロプレン系重合体
の製造方法。 - 【請求項7】 20℃以下の温度で重合することを特徴
とする請求項3記載のクロロプレン系重合体の製造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000193896A JP2002012625A (ja) | 2000-06-28 | 2000-06-28 | クロロプレン系重合体及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2000193896A JP2002012625A (ja) | 2000-06-28 | 2000-06-28 | クロロプレン系重合体及びその製造方法 |
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---|---|---|---|---|
JP2002121233A (ja) * | 2000-10-16 | 2002-04-23 | Denki Kagaku Kogyo Kk | クロロプレン共重合体の製造方法 |
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2000
- 2000-06-28 JP JP2000193896A patent/JP2002012625A/ja active Pending
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