JP2000256413A - シンジオタクチックスチレン系樹脂製造用触媒及びスチレン系樹脂 - Google Patents

シンジオタクチックスチレン系樹脂製造用触媒及びスチレン系樹脂

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JP2000256413A
JP2000256413A JP11058896A JP5889699A JP2000256413A JP 2000256413 A JP2000256413 A JP 2000256413A JP 11058896 A JP11058896 A JP 11058896A JP 5889699 A JP5889699 A JP 5889699A JP 2000256413 A JP2000256413 A JP 2000256413A
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temperature
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Masanao Kawabe
正直 川辺
Masahide Murata
昌英 村田
Toshio Kase
俊男 加瀬
Hiroyuki Ozaki
裕之 尾崎
Yoshifumi Fukui
祥文 福井
Hideaki Hagiwara
英昭 萩原
Jiju Jin
ジジュ ジン
Satoru Miyazawa
哲 宮沢
Kenji Tsuchihara
健治 土原
Yasuzo Suzuki
靖三 鈴木
Michihiko Asai
道彦 浅井
Kazuo Soga
和雄 曽我
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Japan Chemical Innovation Institute
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
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Agency of Industrial Science and Technology
Japan Chemical Innovation Institute
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 実用耐熱性を改善されたシンジオタクティシ
ティを有するスチレン系樹脂及びこれを製造しうる重合
活性に優れた触媒を提供すること。 【解決手段】 一般式(Cp-R)MX3[式中、Cpはシ
クロペンタジエニル基、Rは3〜30個の炭素原子を含
むアルキル基、アリール基等から選ばれるただ一つの置
換基、Mはチタン(Ti),ジルコニウム(Zr)また
はハフニウム(Hf)からなる群から選ばれる遷移金
属、Xはハロゲンを示す。]で表される遷移金属化合物
と、(a)有機アルミニウムオキシ化合物、(b)前記
遷移金属化合物と反応してカチオン性遷移金属化合物を
生成できるイオン性化合物、(c)前記遷移金属化合物
と反応してカチオン性遷移金属化合物を生成できるルイ
ス酸化合物、(d)周期律表1、2及び13族元素金属
の有機金属化合物、から選択される少なくとも一種の助
触媒との反応生成物を主成分として含有してなる触媒、
及び低温結晶融解温度(LMP)と高温結晶融解温度
(HMP)との差が20℃以内であるシンジオタクチッ
クスチレン系樹脂。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はシンジオタクチック
スチレン系樹脂製造用触媒及び実用耐熱性等各種物性に
優れたシンジオタクチックスチレン系樹脂に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来、遷移金属化合物、特にTi化合物
とアルミノキサンあるいはカチオン発生剤からなる触媒
を用いてスチレン系モノマーを重合することによりシン
ジオタクチック構造を有するスチレン系樹脂が得られる
ことが特公平3−7685号公報、特公平1−3740
3号公報で知られている。特にシンジオタクチック構造
を有するスチレン系樹脂を製造する際の遷移金属化合物
成分として、シクロペンタジエニル環を1個だけ有する
シクロペンタジエニルチタニウムトリクロリド触媒が記
載されているが、これらの公報の実施例で開示されてい
る技術は、触媒の重合活性が低く、かつ、開示技術によ
って製造されたシンジオタクティシティを有するスチレ
ン系樹脂のシンジオタクティシティが低いことに起因し
て、結晶融解温度(LMP及びHMP)が低いという点
で工業的に実施する上で満足すべきものではなかった。
【0003】特公平7−57767号公報では、上記公
報のものより活性の向上した触媒として一般式TiRX
YZ[式中、Rはシクロペンタジエニル基、置換シクロ
ペンタジエニル基又はインデニル基を示し、X、Y及び
Zはそれぞれ独立に炭素数1〜12のアルキル基、炭素
数1〜12のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール
基、炭素数6〜20のアリールアルキル基又はハロゲン
を示す。]で表されるチタン化合物が遷移金属化合物成
分として使用できることが開示されている。そして、こ
の公報に於いて、使用され得る置換シクロペンタジエニ
ル基としては、例えば炭素数1〜6のアルキル基で1個
以上置換されたシクロペンタジエニル基、具体的にはメ
チルシクロペンタジエニル基、1,2-ジメチルシクロペン
タジエニル基、ペンタメチルシクロペンタジエニル基で
あることが例示されている。
【0004】しかし、このチタン化合物の具体例に挙げ
られているものは、ハロゲン原子としてモノクロリドと
ジクロリドを有するものだけである。また実施例中に開
示されている置換シクロペンタジエニル基を有し、且
つ、ハロゲン原子を含有する遷移金属化合物としては、
ペンタメチルシクロペンタジエニル基を有するジターシ
ャリブトキシチタンモノクロリド体のみである。従っ
て、この公報では、本発明による特定のただ一つの置換
基を持つシクロペンタジエニル基とチタン原子に結合す
る3個のハロゲンを有する特定の遷移金属化合物とアル
ミノキサンとの反応生成物を有効触媒成分として含む触
媒のシンジオタクチックスチレン系樹脂製造に於ける効
果については何ら示唆されていない。
【0005】また、特公平2−42843号公報では、
シクロペンタジエニルチタニウム系触媒(CpTiX3)
のXの少なくとも1個を−ORもしくは−NR2に置換
することによって重合時のポリマー収率が向上すること
が開示されている。そして、この公報の実施例中には種
々の未置換シクロペンタジニル誘導体及び置換シクロペ
ンタジエニル誘導体が示されているが、特に、最適なX
はその全部がORであり、RがフェニルおよびC1〜C6
アルキルもしくはシクロアルキルからなる群れから選ば
れるとし、より好ましい例として全部がフエノキシが挙
げられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、高度
のシンジオタクティシティを有するスチレン系樹脂を工
業的に有利に製造することができる重合活性に優れた触
媒を提供すること、および該触媒の使用により得られた
特定の特性を有するシンジオタクチックスチレン系樹脂
を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に鋭意検討を行なった結果、本発明者等は、特定の遷移
金属化合物と少なくとも1種の助触媒を含有する触媒が
優れた重合活性を有しておりシンジオタクチックスチレ
ン系樹脂を工業的に有利に製造することができるばかり
でなく、本触媒を使用することにより、高度のシンジオ
タクティシティを有し、実用耐熱性も改善されたシンジ
オタクチックスチレン系樹脂が得られることを見いだ
し、本発明を完成した。
【0008】即ち本発明の請求項1記載の発明は、
(A)一般式(1) (Cp-R)MX3 (1) [式中、Cpはシクロペンタジエニル基、Rは3〜30
個の炭素原子を含むアルキル基、アリール基、アラルキ
ル基、珪素原子を含有する炭化水素基、錫原子を含有す
る炭化水素基及びゲルマニウム原子を含有する炭化水素
基からなる群から選ばれるただ一つの置換基、Mはチタ
ン(Ti),ジルコニウム(Zr)またはハフニウム
(Hf)からなる群から選ばれる遷移金属、Xはハロゲ
ンを示す。]で表される遷移金属化合物と(B)下記
(a)〜(d)(a)有機アルミニウムオキシ化合物、
(b)前記遷移金属化合物と反応してカチオン性遷移金
属化合物を生成できるイオン性化合物、(c)前記遷移
金属化合物と反応してカチオン性遷移金属化合物を生成
できるルイス酸化合物、(d)周期律表1、2及び13
族元素金属の有機金属化合物、から選択される少なくと
も一種の助触媒との反応生成物を主成分として含有して
なることを特徴とするシンジオタクチックスチレン系樹
脂製造用触媒に関するものである。
【0009】また、請求項2記載の発明は、一般式
(2)で示される遷移金属化合物と、アルミノキサンか
らなる助触媒との反応生成物を主成分として含有してな
るシンジオタクチックスチレン系樹脂の製造用触媒であ
る。 (Cp−R)TiX3 (2) [式中、Cpはシクロペンタジエニル基、Rは3〜30
個の炭素原子を含むアルキル基、アリール基、アラルキ
ル基、珪素原子を含有する炭化水素基、錫原子を含有す
る炭化水素基及びゲルマニウム原子を含有する炭化水素
基からなる群から選ばれるただ一つの置換基、Xはハロ
ゲンを示す。]
【0010】さらに、請求項3記載の発明は、スチレン
系樹脂の結晶融解温度をアルゴン雰囲気下で測定した場
合に、低温結晶融解温度(LMP)が265℃以上であ
ると同時に高温結晶融解温度(HMP)が270〜29
0℃の範囲にあり、かつ低温結晶融解温度(LMP)と
高温結晶融解温度(HMP)との差が20℃以内である
ことを特徴とするシンジオタクチックスチレン系樹脂に
関するものである。
【0011】さらにまた、請求項4記載の発明は、請求
項1または2に記載の触媒を用いて製造されたスチレン
系樹脂の結晶融解温度をアルゴン雰囲気下で測定した場
合に、低温結晶融解温度(LMP)が265℃以上であ
ると同時に高温結晶融解温度(HMP)が270〜29
0℃の範囲にあり、かつ低温結晶融解温度(LMP)と
高温結晶融解温度(HMP)との差が20℃以内である
ことを特徴とするシンジオタクチックスチレン系樹脂に
関するものである。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を詳し
く説明する。本発明で用いる一般式(1)で示される遷
移金属化合物(以下(A)成分という。)とは、シクロ
ペンタジエニル骨格を有する遷移金属化合物であり、た
だ一個の置換シクロペンタジエニル基を配位子として持
つ、いわゆるハーフメタロセン化合物である。
【0013】 (Cp−R)MX3 (1) [式中、Cpはシクロペンタジエニル基、Rは3〜30
個の炭素原子を含むアルキル基、アリール基、アラルキ
ル基、珪素原子を含有する炭化水素基、錫原子を含有す
る炭化水素基及びゲルマニウム原子を含有する炭化水素
基からなる群から選ばれるただ一つの置換基、Mはチタ
ン(Ti),ジルコニウム(Zr)またはハフニウム
(Hf)からなる群から選ばれる遷移金属、Xはハロゲ
ンを示す]
【0014】置換基Rの具体例としては、プロピル、イ
ソプロピル、ブチル、t−ブチル、ヘキシル、オクチ
ル、シクロヘキシル、アダマンチルなどの炭素数3〜1
8のアルキル基、フェニルなどの炭素数6〜20のアリ
ール基、ベンジル、トリフェニルメチルなどの炭素数7
〜30のアラルキル基、トリメチルシリル基などの珪素
原子を含有する炭素数3〜18の炭化水素基、トリメチ
ルスタニル基などの錫原子を含有する炭素数3〜18の
炭化水素基、トリメチルゲルミル基などのゲルマニウム
原子を含有する炭素数3〜18の炭化水素基が挙げられ
る。これら置換基Rの内、重合活性を高める観点、およ
び、結晶融解温度をより高める観点からは、t-ブチル
基、トリメチルシリル基、トリフェニルメチル基などの
嵩高い炭素数3〜18の炭化水素基がより好ましい。特
に好ましくはt-ブチル基及びトリメチルシリル基であ
る。
【0015】また、一般式(1)中のMは、チタン(T
i),ジルコニウム(Zr)またはハフニウム(Hf)
であり、結晶融解温度及び重合活性を高める観点から、
より好ましくはTiである。一般式(1)および一般式
(2)中のXは、ハロゲン原子をあらわす。ハロゲン原
子としてはフッ素原子(F)、塩素原子(Cl)、臭素
原子(Br)、沃素原子(I)が挙げられる。特に工業
的に実施する際の触媒コストの点からは、塩素原子が好
ましい。
【0016】遷移金属化合物の具体的化合物としては、
以下の(1)〜(3)のものが挙げられる。 (1)モノ置換シクロペンタジエニルチタニウムトリク
ロライド。 (2)上記(1)の化合物の中心金属であるTiがZr
またはHfに置換された構造の化合物。 (3)上記(1)〜(2)の化合物の中心金属に結合し
た塩素原子の全てまたは一部がフッ素原子、臭素原子、
沃素原子に置換された構造の化合物。
【0017】(1)の具体例としては、イソプロピルシ
クロペンタジエニルチタニウムトリクロライド、n−プ
ロピルシクロペンタジエニルチタニウムトリクロライ
ド、t−ブチルシクロペンタジエニルチタニウムトリク
ロライド、n−ブチルシクロペンタジエニルチタニウム
トリクロライド、2−メチルプロピルシクロペンタジエ
ニルチタニウムトリクロライド、n−ペンチルシクロペ
ンタジエニルチタニウムトリクロライド、2−メチルブ
チルシクロペンタジエニルチタニウムトリクロライド、
3−メチルブチルシクロペンタジエニルチタニウムトリ
クロライド、n−ヘキシルシクロペンタジエニルチタニ
ウムトリクロライド、2−エチルブチルシクロペンタジ
エニルチタニウムトリクロライド、n−オクチルシクロ
ペンタジエニルチタニウムトリクロライド、n−ドデシ
ルシクロペンタジエニルチタニウムトリクロライド、
【0018】1,1−ジフェニルエチルシクロペンタジ
エニルチタニウムトリクロライド、トリフェニルメチル
シクロペンタジエニルチタニウムトリクロライド、アダ
マンチルシクロペンタジエニルチタニウムトリクロライ
ド、フェニルシクロペンタジエニルチタニウムトリクロ
ライド、トルイルシクロペンタジエニルチタニウムトリ
クロライド、ビフェニルシクロペンタジエニルチタニウ
ムトリクロライド、ナフチルシクロペンタジエニルチタ
ニウムトリクロライド、ベンジルシクロペンタジエニル
チタニウムトリクロライド、
【0019】トリメチルシリルシクロペンタジエニルチ
タニウムトリクロライド、ジメチルエチルシリルシクロ
ペンタジエニルチタニウムトリクロライド、ジメチルイ
ソプロピルシリルシクロペンタジエニルチタニウムトリ
クロライド、ジメチルt−ブチルシリルシクロペンタジ
エニルチタニウムトリクロライド、ジメチルヘキシルシ
リルシクロペンタジエニルチタニウムトリクロライド、
ジメチルシクロヘキシルシリルシクロペンタジエニルチ
タニウムトリクロライド、ジメチルオクチルシリルシク
ロペンタジエニルチタニウムトリクロライド、トリエチ
ルシリルシクロペンタジエニルチタニウムトリクロライ
ド、トリイソプロピルシリルシクロペンタジエニルチタ
ニウムトリクロライド、トリn−プロピルシリルシクロ
ペンタジエニルチタニウムトリクロライド、トリn−ブ
チルシリルシクロペンタジエニルチタニウムトリクロラ
イド、トリイソブチルシリルシクロペンタジエニルチタ
ニウムトリクロライド、トリt−ブチルシリルシクロペ
ンタジエニルチタニウムトリクロライド、ジイソブチル
オクタデシルシリルシクロペンタジエニルチタニウムト
リクロライド、トリヘキシルシリルシクロペンタジエニ
ルチタニウムトリクロライド、ジフェニルメチルシリル
シクロペンタジエニルチタニウムトリクロライド、ジフ
ェニルt−ブチルシリルシクロペンタジエニルチタニウ
ムトリクロライド、トリフェニルシリルシクロペンタジ
エニルチタニウムトリクロライド、トリベンジルシリル
シクロペンタジエニルチタニウムトリクロライド、
【0020】トリメチルスタニルシクロペンタジエニル
チタニウムトリクロライド、ジメチルエチルスタニルシ
クロペンタジエニルチタニウムトリクロライド、ジメチ
ルイソプロピルスタニルシクロペンタジエニルチタニウ
ムトリクロライド、ジメチルt−ブチルスタニルシクロ
ペンタジエニルチタニウムトリクロライド、ジメチルヘ
キシルスタニルシクロペンタジエニルチタニウムトリク
ロライド、ジメチルシクロヘキシルスタニルシクロペン
タジエニルチタニウムトリクロライド、ジメチルオクチ
ルスタニルシクロペンタジエニルチタニウムトリクロラ
イド、トリエチルスタニルシクロペンタジエニルチタニ
ウムトリクロライド、トリイソプロピルスタニルシクロ
ペンタジエニルチタニウムトリクロライド、トリn−プ
ロピルスタニルシクロペンタジエニルチタニウムトリク
ロライド、トリn−ブチルスタニルシクロペンタジエニ
ルチタニウムトリクロライド、トリイソブチルスタニル
シクロペンタジエニルチタニウムトリクロライド、トリ
t−ブチルスタニルシクロペンタジエニルチタニウムト
リクロライド、ジイソブチルオクタデシルスタニルシク
ロペンタジエニルチタニウムトリクロライド、トリヘキ
シルスタニルシクロペンタジエニルチタニウムトリクロ
ライド、ジフェニルメチルスタニルシクロペンタジエニ
ルチタニウムトリクロライド、ジフェニルt−ブチルス
タニルシクロペンタジエニルチタニウムトリクロライ
ド、トリフェニルスタニルシクロペンタジエニルチタニ
ウムトリクロライド、トリベンジルスタニルシクロペン
タジエニルチタニウムトリクロライド、
【0021】トリメチルゲルミルシクロペンタジエニル
チタニウムトリクロライド、ジメチルエチルゲルミルシ
クロペンタジエニルチタニウムトリクロライド、ジメチ
ルイソプロピルゲルミルシクロペンタジエニルチタニウ
ムトリクロライド、ジメチルt−ブチルゲルミルシクロ
ペンタジエニルチタニウムトリクロライド、ジメチルヘ
キシルゲルミルシクロペンタジエニルチタニウムトリク
ロライド、ジメチルシクロヘキシルゲルミルシクロペン
タジエニルチタニウムトリクロライド、ジメチルオクチ
ルゲルミルシクロペンタジエニルチタニウムトリクロラ
イド、トリエチルゲルミルシクロペンタジエニルチタニ
ウムトリクロライド、トリイソプロピルゲルミルシクロ
ペンタジエニルチタニウムトリクロライド、トリn−プ
ロピルゲルミルシクロペンタジエニルチタニウムトリク
ロライド、トリn−ブチルゲルミルシクロペンタジエニ
ルチタニウムトリクロライド、トリイソブチルゲルミル
シクロペンタジエニルチタニウムトリクロライド、トリ
t−ブチルゲルミルシクロペンタジエニルチタニウムト
リクロライド、ジイソブチルオクタデシルゲルミルシク
ロペンタジエニルチタニウムトリクロライド、トリヘキ
シルゲルミルシクロペンタジエニルチタニウムトリクロ
ライド、ジフェニルメチルゲルミルシクロペンタジエニ
ルチタニウムトリクロライド、ジフェニルt−ブチルゲ
ルミルシクロペンタジエニルチタニウムトリクロライ
ド、トリフェニルゲルミルシクロペンタジエニルチタニ
ウムトリクロライド、トリベンジルゲルミルシクロペン
タジエニルチタニウムトリクロライドなどが挙げられ
る。
【0022】(2)の化合物の具体例としては、t−ブ
チルシクロペンタジエニルジルコニウムトリクロライ
ド、n−ブチルシクロペンタジエニルジルコニウムトリ
クロライド、2−メチルプロピルシクロペンタジエニル
ジルコニウムトリクロライド、n−ペンチルシクロペン
タジエニルジルコニウムトリクロライド、2−メチルブ
チルシクロペンタジエニルジルコニウムトリクロライ
ド、3−メチルブチルシクロペンタジエニルジルコニウ
ムトリクロライド、n−ヘキシルシクロペンタジエニル
ジルコニウムトリクロライド、2−エチルブチルシクロ
ペンタジエニルジルコニウムトリクロライド、n−オク
チルシクロペンタジエニルジルコニウムトリクロライ
ド、n−ドデシルシクロペンタジエニルジルコニウムト
リクロライド、トリフェニルメチルシクロペンタジエニ
ルジルコニウムトリクロライド、アダマンチルシクロペ
ンタジエニルジルコニウムトリクロライド、フェニルシ
クロペンタジエニルジルコニウムトリクロライド、ベン
ジルシクロペンタジエニルジルコニウムトリクロライ
ド、
【0023】トリメチルシリルシクロペンタジエニルジ
ルコニウムトリクロライド、ジメチルエチルシリルシク
ロペンタジエニルジルコニウムトリクロライド、t−ブ
チルシクロペンタジエニルハフニウムトリクロライド、
n−ブチルシクロペンタジエニルハフニウムトリクロラ
イド、トリフェニルメチルシクロペンタジエニルハフニ
ウムトリクロライド、アダマンチルシクロペンタジエニ
ルハフニウムトリクロライド、フェニルシクロペンタジ
エニルハフニウムトリクロライド、トリメチルシリルシ
クロペンタジエニルハフニウムトリクロライド、ジメチ
ルエチルシリルシクロペンタジエニルハフニウムトリク
ロライドなどが挙げられる。
【0024】(3)の化合物の具体例としては、t−ブ
チルシクロペンタジエニルチタニウムトリフルオライ
ド、n−ブチルシクロペンタジエニルチタニウムトリブ
ロマイド、2−メチルプロピルシクロペンタジエニルチ
タニウムトリアイオダイド、トリフェニルメチルシクロ
ペンタジエニルジルコニウムトリフルオライド、フェニ
ルシクロペンタジエニルジルコニウムトリアイオダイ
ド、ベンジルシクロペンタジエニルチタニウムトリフル
オライド、トリメチルシリルシクロペンタジエニルチタ
ニウムトリフルオライド、トリイソプロピルシリルシク
ロペンタジエニルチタニウムトリブロマイドなどが挙げ
られる。これらの内、(1)およびそれらに対応する
(3)の構造の化合物がより好ましく、(1)の構造の
化合物が特に好ましい。
【0025】本発明の触媒は、上記遷移金属化合物とと
もに、次の(a)〜(d)から選択される少なくとも1
種の助触媒(以下(B)成分と記載)の反応によって得
られる反応生成物を主成分として有する (a)有機アルミニウムオキシ化合物 (b)前記遷移金属化合物と反応してカチオン性遷移金
属化合物を生成できるイオン性化合物 (c)前記遷移金属化合物と反応してカチオン性遷移金
属化合物を生成できるルイス酸化合物 (d)周期律表1、2及び13族元素金属の有機金属化
合物
【0026】先ず(a)の有機アルミニウムオキシ化合
物は、好ましくは下記一般式(3) (−Al(R1)O−)n (3) で表される直鎖状または環状重合体であり、いわゆるア
ルミノキサンである。一般式(3)中、R1は炭素数1
〜10の炭化水素基であり、R1はハロゲン原子および
/またはR2O基で置換されたものでもよい。ここでR1
またはR2の具体例としては、メチル、エチル、プロピ
ル、イソブチルなどのアルキル基が挙げられ、中でもメ
チル基が好ましい。nは重合度を示し、好ましくは5以
上、さらに好ましくは10〜100、最も好ましくは1
0〜50の範囲である。重合度nが5に満たないと、重
合活性が低下するので好ましくなく、100より大きく
なると、重合活性の低下及び脱灰処理が困難になる等の
問題を生ずるので好ましくない。
【0027】(b)の一般式(1)で示される遷移金属
化合物と反応してカチオン性遷移金属化合物を形成でき
るイオン性化合物としては、非配位性アニオンとカチオ
ンとが挙げられる。ここで非配位性アニオンとしては、
例えば、テトラ(フェニル)ボレート、テトラ(フルオ
ロフェニル)ボレート、テトラキス(ジフルオロフェニ
ル)ボレート、テトラキス(トリフルオロフェニル)ボ
レート、テトラキス(テトラフルオロフェニル)ボレー
ト、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
テトラキス(テトラフルオロメチルフェニル)ボレー
ト、テトラ(トリイル)ボレート、テトラ(キシイル)
ボレート、トリフェニルペンタフルオロフェニルボレー
ト、トリス(ペンタフルオロフェニル)フェニルボレー
トなどが挙げられる。
【0028】またカチオンとしては、a)カルボニウム
カチオン、b)オキソニウムカチオン、c)アンモニウ
ムカチオン、d)ホスホニウムカチオン、e)遷移金属
を有するフェロセニウムカチオンなどが挙げられる。 a)カルボニウムカチオンの具体例としては、トリフェ
ニルカルボニウムカチオン、トリ置換フェニルカルボニ
ウムカチオンなどの三置換カルボニウムカチオンを挙げ
ることができる。トリ置換フェニルカルボニウムカチオ
ンの具体例としては、トリ(メチルフェニル)カルボニ
ウムカチオン、トリ(ジメチルフェニル)カルボニウム
カチオンが挙げられる。
【0029】b)オキソニウムカチオンの具体例として
は、ヒドロキソニウムカチオンOH3+、メチルオキソニ
ウムカチオンCH3OH2+などのアルキルオキソニウム
カチオン、ジメチルオキソニウムカチオン(CH32
+などのジアルキルオキソニウムカチオン、トリメチ
ルオキソニウムカチオン(CH33+、トリエチルオ
キソニウムカチオン(C253+などのトリアルキル
オキソニウムカチオンなどが挙げられる。
【0030】c)アンモニウムカチオンの具体例として
は、トリメチルアンモニウムカチオン、トリエチルアン
モニウムカチオン、トリプロピルアンモニウムカチオ
ン、トリブチルアンモニウムカチオンなどのトリアルキ
ルアンモニウムカチオン、N,N-ジエチルアニリニウムカ
チオン、N,N-2,4,6-ペンタメチルアニリニウムカチオン
などのN,N-ジアルキルアニリニウムカチオン、ジ(i−
プロピル)アンモニウムカチオン、ジシクロヘキシルア
ンモニウムカチオンなどのジアルキルアンモニウムカチ
オンが挙げられる。
【0031】d)ホスホニウムカチオンの具体例として
は、トリフェニルホスホニウムカチオン、トリ(メチル
フェニル)ホスホニウムカチオン、トリ(ジメチルフェ
ニル)ホスホニウムカチオンなどのトリアリールホスホ
ニウムカチオンが挙げられる。
【0032】これら(b)のイオン性化合物は、上記で
例示した非配位性アニオンおよびカチオンの中から、そ
れぞれ任意に選択して組み合わせたものを用いることが
できる。上記のうち、特にトリフェニルカルボニウムテ
トラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N-ジメチ
ルアニリニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレ
ート、1,1'-ジメチルフェロセニウムテトラ(ペンタフ
ルオロフェニル)ボレートなどのイオン性化合物がより
好ましく用いることができる。
【0033】(c)の一般式(1)で示される遷移金属
化合物と反応してカチオン性遷移金属化合物を生成でき
るルイス酸化合物の具体例としては、トリス(ペンタフ
ルオロフェニル)ボロン、トリス(モノフルオロフェニ
ル)ボロン、トリス(ジフルオロフェニル)ボロン、ト
リフェニルボロンが挙げられる。
【0034】(d)の周期律表1、2及び13族元素金
属の有機金属化合物には、狭義の有機金属化合物のみな
らず、周期律表1、2及び13族元素金属の有機金属ハ
ロゲン化合物、水素化有機金属化合物も含まれる。ここ
で、 ・周期律表1の元素金属には:Li,Na, ・周期律表2の元素金属には:Mg,Be, ・周期律表13の元素金属には:Al,Bが挙げられ
る。 これらの内、好ましい元素金属とししては、Li,M
g,Alであり、特に好ましくはAlである。
【0035】(d)の有機金属化合物として、例えばメ
チルリチウム、ブチルリチウム、フェニルリチウム、ジ
ブチルマグネシウム、トリメチルアルミニウム、トリエ
チルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ
ヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウムなど
が挙げられ、トリアルキルアルミニウムが好ましい。
(d)の有機金属ハロゲン化合物として、例えば、エチ
ルマグネシウムクロライド、ブチルマグネシウムクロラ
イド、ジメチルアルミニウムクロライド、ジエチルアル
ミニウムクロライド、セスキエチルアルミニウムクロラ
イド、エチルアルミニウムジクロライドなどが挙げられ
る。(d)の水素化有機金属化合物として、例えば、ジ
エチルアルミニウムハイドライド、セスキエチルアルミ
ニウムハイドライドなどが挙げられる。
【0036】本発明では、助触媒として上記の(a)〜
(d)を単独で用いても、組み合わせて用いてもよい。
好ましい助触媒は(a)単独、(c)単独、(a)と
(d)、(b)と(d)、(c)と(d)の組み合わせ
である。本発明で用いられるシンジオタクチックスチレ
ン系樹脂製造用触媒は上記(A)成分と(B)成分の反
応生成物を主成分として含有するものであるが、この他
に本発明の効果を損なわない範囲内で他の触媒成分を加
えてもよい。本発明の触媒中の(A)と(B)成分の配
合割合は、化合物の種類及び各種重合条件などにより異
なり、一義的に定められないが、通常それぞれ独立に定
められる(B)成分の各化合物(a)、(b)、
(c)、(d)と(A)成分の遷移金属化合物のモル比
が、下記の範囲内にあることが望ましい。
【0037】(a)有機アルミニウムオキシ化合物中の
アルミニウム/(A)遷移金属化合物のモル比は通常1
〜1000,000、好ましくは10〜5,0000、
より好ましくは100〜5,000である。 (b)イオン性化合物/(A)遷移金属化合物のモル比
は、通常0.01〜100、好ましくは0.1〜10で
ある。 (c)ルイス酸性化合物/(A)遷移金属化合物のモル
比は、通常0.01〜100、好ましくは0.1〜10
である。ここで助触媒成分としてルイス酸化合物を用い
る場合には、周期律表1、2及び13族元素金属の有機
金属化合物を併用することが好ましい。 (d)有機金属化合物を使用する場合には、(d)有機
金属化合物/(A)遷移金属化合物のモル比は通常0.
1〜10,000、好ましくは1〜1,000である。
上記の範囲を外れると重合活性が低下するので好ましく
ない。
【0038】前記した助触媒(a)〜(d)の内、
(a)有機アルミニウムオキシ化合物、または(b)イ
オン性化合物が特に好ましい。さらに、中でも重合活性
の点で特に好ましいのは(a)中のメチルアルミノキサ
ンである。(a)アルミノキサンは前述の通りである。
また好ましい(b)イオン性化合物としては、前記した
非配位性アニオンとしてのテトラキス(ペンタフルオロ
フェニル)ボレートと、例えば(CH32N(C65
+のような活性プロトンを有するアミンカチオン、
(C653+のような三置換カルボニウムカチオン、
カルボランカチオン、メタルカルボランカチオン、遷移
金属を有するフェロセニウムカチオン等とのイオン性化
合物を用いることができる。
【0039】本発明においては、さらに、水素化金属化
合物を、前記した周期律表1、2及び13族元素金属の
有機金属化合物、有機金属ハロゲン化合物、水素化有機
金属化合物などと併用してスチレン系単量体を重合して
もよい。ここで水素化金属化合物としては、例えば、N
aH,LiH,CaH2、LiAlH4,NaBH4など
が挙げられる。周期律表1、2及び13族元素金属の主
元素金属の有機金属化合物、有機金属ハロゲン化合物及
び水素化有機金属化合物などは、前記したものが挙げら
れる。
【0040】本発明においては、一般式(1)で示され
る遷移金属化合物単独、またはこれと前記(a)〜
(d)から選択される少なくとも一種の助触媒を担体に
担持して用いることができる。担体としては、無機化合
物または有機高分子化合物が挙げられる。無機化合物と
しては、無機酸化物、無機塩化物、無機水酸化物などが
好ましく、少量の炭酸塩、硫酸塩を含有したものでもよ
い。好ましいものはシリカ、アルミナ、マグネシア、チ
タニア、ジルコニア、カルシアなどの無機酸化物、およ
び、塩化マグネシウムなどの無機塩化物である。これら
の無機化合物は、平均粒子径が5〜150μm、比表面
積が2〜800m2/gの多孔性微粒子が好ましく、例
えば100〜800℃で熱処理して用いることができ
る。
【0041】有機高分子化合物としては、側鎖に芳香族
環、置換芳香族環、またはヒドロキシ基、カルボキシル
基、エステル基、ハロゲン原子などの官能基を有するも
のが好ましい。有機高分子化合物の具体例としては、エ
チレン、プロピレン、ブテンなどの単位を有する重合体
を化学変成することによって得られる官能基を有するα
−オレフイン単独重合体、α−オレフイン共重合体、ア
クリル酸、メタクリル酸、塩化ビニル、ビニルアルコー
ル、スチレン、ジビニルベンゼンなどの単位を有する重
合体、および、それらの化学変成物を挙げることができ
る。これらの有機高分子化合物は、平均粒子径が5〜2
50μmの球状微粒子が用いられる。遷移金属化合物、
助触媒を単体に担持することによって、触媒の重合反応
器への付着による汚染を防止することができる。
【0042】本発明のシンジオタクチックスチレン系樹
脂は、スチレン系単量体、遷移金属化合物および助触媒
等を用いて後記する方法で製造することができる。スチ
レン系単量体には、これと共重合可能な他の単量体を配
合することができる。本発明に用いるスチレン系単量体
としては、下記一般式(4)で示される。
【化1】 上式に於いて、Rはそれぞれ独立に水素、適当には1〜
10さらに適当には1〜6、最も適当には1〜4個の炭
素原子を有する脂肪族、環式脂肪族、又は芳香族炭化水
素基、又はハロゲン原子を表す。
【0043】適当なそのようなモノマーは、例えばスチ
レン、p-メチルスチレン、o-メチルスチレン、m-メ
チルスチレン、2,4-ジメチルスチレン、2,5-ジメチルス
チレン、3,4-ジメチルスチレン、3,5-ジメチルスチレ
ン、p-エチルスチレン、m-エチルスチレン、p-イソ
プロピルスチレン、m-イソプロピルスチレン、p-t-
ブチルスチレン、m-t-ブチルスチレン、p-クロロス
チレン、m-クロロスチレン、o-クロロスチレン、p-
ブロモスチレン、m-ブロモスチレン、o-ブロモスチレ
ン、p-フルオロスチレン、m-フルオロスチレン、o-
フルオロスチレン、o-メチル-p-フルオロスチレン、
p-メトキシスチレン、m-メトキシスチレン、p-エト
キシスチレン、m-エトキシスチレン、ジビニルベンゼ
ン、p-イソプロペニルスチレン、4-ビニルビフェニ
ル、3-ビニルビフェニル、2-ビニルビフェニル、などが
挙げられる。これらの芳香族ビニル化合物は一種用いて
もよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。ま
た、これらのスチレン系単量体の中でも、スチレンが特
に適当である。
【0044】また、スチレン系単量体と共重合可能な単
量体としては、エチレン、プロピレン、1-ブテンなどの
オレフイン、シクロペンテン、2-ノルボルネンなどの環
状オレフイン、1,3-ブタジエン、2-メチル-1,3-ブタジ
エン、2,3-ジメチル-1,3-ブタジエン,2-クロロ-1,3-ブ
タジエン、1,3-ペンタジエン、1,3-ヘキサジエンなどの
共役ジエン、1,5-ヘキサジエン、1,6-ヘプタジエン、1,
7-オクタジエン、ジシクロペンタジエン、5-エチリデン
-2-ノルボルネンなどの非共役ジエン、メチルメタクリ
レート、メチルアクリレートなどの(メタ)アクリル酸
エステルなどが含まれる。
【0045】以下に、シンジオタクチックスチレン系樹
脂の製造方法を説明する。本発明においてスチレン系単
量体、または、スチレン系単量体およびそれと共重合可
能な単量体を重合する方法は特に限定されないが、例え
ば、上記(A)成分の遷移金属化合物と、上記(a)〜
(d)から選択される少なくとも一種の助触媒とを用い
た以下のような方法(I)〜(VI)が適用可能であ
る。なお、以下の説明において(A)成分は遷移金属化
合物を、(B)成分は上記(a)〜(d)から選択され
る少なくとも一種の助触媒を表わす。
【0046】(I)(B)成分とスチレン系単量体等の
単量体成分とを予め接触した後さらに(A)成分と接触
させて重合を行う。 (II)(A)成分と(B)成分を予め接触させた後、
さらにスチレン系単量体等の単量体成分と接触させて重
合を行う。 (III)(A)成分とスチレン系単量体等の単量体成
分とを予め接触した後さらに(B)成分と接触させて重
合を行う。 (IV)(A)成分と(B)成分を混合し、担体と接触
させ、生成した担持触媒を分離して、担持触媒とスチレ
ン系単量体等の単量体成分とを接触させて重合を行う。
【0047】(V)(A)成分と担体を接触させた後、
さらに(B)成分と接触させ、生成した担持触媒を分離
して、担持触媒とスチレン系単量体等の単量体成分とを
接触させて重合を行う。 (VI)(B)成分と担体を接触させた後、さらに
(A)成分と接触させ、生成した担持触媒を分離して、
担持触媒とスチレン系単量体等の単量体成分とを接触さ
せて重合を行う。
【0048】ここで触媒反応生成物は、前記した遷移金
属化合物及び助触媒を任意の順序で一緒にさせてもよ
い。これら触媒成分は、窒素、アルゴン等の不活性雰囲
気中で混合させるのが適当である。それらの成分は適当
な温度、好ましくは−20〜50℃、さらに好ましくは
−5〜30℃の温度で混合される。混合するだけで触媒
反応生成物が容易に得られる。
【0049】上記の(I)〜(VI)の方法の中では、
開始剤効率と重合活性を向上させる点と、得られる重合
体の分子量分布をさらに狭くさせ得る点から、(I)、
(II)及び(IV)〜(VI)の方法が好ましい。さ
らに好ましくは(I)及び(II)の方法である。特に
好ましくは(II)の方法である。この方法によれば重
量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比であ
る分子量分布(Mw/Mn)が3.0以下のシンジオタ
クチックスチレン系樹脂が高効率で得られる。
【0050】(A)成分および(B)成分は、それぞ
れ、溶液、スラリーのいずれの状態のものでも使用可能
であるが、より高い重合活性を得るためには溶液状態の
ものが好ましい。溶液またはスラリーとして調製するた
めに用いる溶媒は、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプ
タン、オクタン、シクロヘキサン、ミネラルオイル、ベ
ンゼン、トルエン、キシレンなどの炭化水素溶媒、また
は、クロロホルム、メチレンクロライド、ジクロロエタ
ン、クロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素溶媒であ
る。好ましい溶媒はトルエン、ベンゼンなどの芳香族炭
化水素である。また、2種以上の溶媒を混合して用いて
もよい。本発明の(B)成分である助触媒(a)〜
(d)は単独で用いても併用してもよい。本発明の触媒
中の(A)及び(B)成分の配合割合は、前記したとお
りである。
【0051】スチレン系単量体、または、該スチレン系
単量体およびそれと共重合可能な単量体の重合は、本発
明による触媒の存在下にて−50〜110℃、好ましく
は−20〜90℃、さらに好ましくは−10〜50℃、
特に好ましくは−5〜30℃の温度において、所望のポ
リマーを生成させるのに充分な時間の間行われる。本発
明による触媒は優れた重合活性を有しており、高度のシ
ンジオタクティシティを有するシンジオタクチックスチ
レン系樹脂が得られるものであるが、特に50℃以下の
低温に於いても従来の触媒と比較して、良好な重合活性
を保持しており、本発明による触媒の特徴である重合活
性と高度のシンジオタクティシティの発現という観点で
のバランスが最も良好となる重合温度範囲である。一
方、製造コストの点からは極度の低温を採用することは
好ましくない。
【0052】典型的な重合時間は30秒〜36時間、好
ましくは1分〜20時間、さらに好ましくは5分〜10
時間である。所望のポリマーを生成させるのに必要な最
適時間は用いられる温度、溶剤及び他の重合条件によっ
て変化する。重合は大気圧よりも低い圧力並びに大気圧
よりも高い圧力において行うことができる。重合混合物
の最も低い成分が気化するまでの減圧においても行われ
る。しかしながら、大気圧付近の圧力を用いるのが好ま
しい。
【0053】本発明のスチレン系樹脂の製造方法におい
て、スチレン系単量体、または、スチレン系単量体およ
びそれと共重合可能な単量体の重合には、不活性溶媒中
での溶液重合法、スラリー重合法、モノマーを希釈剤と
するバルク重合法によって行われる。これらの方法の中
では、溶液重合法及びバルク重合法が好ましい。重合に
使用される不活性溶媒としては、脂肪族、環式脂肪族、
芳香族及びハロゲン化芳香族炭化水素、並びにそれらの
混合物が挙げられる。重合のための好ましい不活性溶媒
は、C4〜C26アルカン、特に分岐アルカン、トルエ
ン、エチルベンゼン、及びそれらの混合物である。2〜
100重量%のモノマー濃度を与えるのに適当な溶媒が
使用される。
【0054】重合の間に、ポリマーはそれが生成される
につれて反応混合物から析出する。また、アニソール、
ジフェニルエーテル、エチルエーテル、ジグライム、テ
トラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類、トリ
エチルアミン、テトラメチルエチレンジアミンなどのア
ミン類などの極性化合物を本発明の効果を損なわない範
囲で少量添加して重合反応を行ってもよい。重合体の分
子量を調節するために、連鎖移動剤を添加することもで
きる。連鎖移動剤としては、1,2−ブタジエンなどの
アレン類、シクロオクタジエンなどの環状ジエン類、お
よび、水素が好ましく使用される。
【0055】重合反応の停止は、通常、所定の転化率に
達した時点で、重合系に重合停止剤を添加することによ
って行われる。重合停止剤としては、例えば、メタノー
ル、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソブタ
ノールなどのアルコール類が用いられ、それらは塩酸な
どの酸を含有したものであっても良い。重合反応停止
後、重合体を回収する方法は特に限定されず、例えば、
スチームストリッピング法、貧溶媒での析出などを用い
ればよい。
【0056】本発明のシンジオタクチックスチレン系樹
脂製造用触媒を用いて製造されたシンジオタクチックス
チレン系樹脂は、その結晶融解温度をアルゴン雰囲気下
で下記a)〜e)の条件下で測定した場合に、低温結晶
融解温度(LMP)が265℃以上であると同時に高温
結晶融解温度(HMP)が270〜290℃の範囲にあ
り、かつ低温結晶融解温度(LMP)と高温結晶融解温
度(HMP)との差が20℃以内であることが必要であ
る。ここで、低温結晶融解温度(LMP)と高温結晶融
解温度(HMP)はそれぞれ、下記のDSC測定条件
e)における低温側の結晶融解ピークのピークトップ温
度が低温結晶融解温度(LMP)であることを意味し、
条件e)における高温側の結晶融解ピークのピークトッ
プ温度が高温結晶融解温度(HMP)であることを意味
するものである。
【0057】結晶融解温度DSC測定条件(アルゴン雰
囲気) a)10℃/minで25℃→300℃まで昇温、 b)10℃/minで300℃→270℃まで降温、 c)2℃/minで270℃→200℃まで降温、 d)10℃/minで200℃→25℃まで降温、 e)再び10℃/minで25℃〜300℃まで昇温
【0058】本発明により得られるシンジオタクチック
スチレン系樹脂は、上記結晶融解温度特性を有すること
により、スチレン系樹脂本来の優れた成形加工性を保持
しつつ、良好な高温での長期連続使用に耐え得る高い実
用耐熱性を発現することができる。LMPが265℃未
満、又は、HMPが270℃未満、或いはLMPとHM
Pの差が20℃を越えると、実用耐熱性が不足するため
に、長期間高温で使用される用途に用いることができな
い為に好ましくない。また、HMPが290℃を越える
と成形加工性が著しく低下するので好ましくない。
【0059】また、上記結晶融解温度特性を有する本発
明のシンジオタクチックスチレン系樹脂は、高度のシン
ジオタクチック構造を有するものである。ここでいうシ
ンジオタクチック構造とは、その立体構造において、炭
素−炭素結合から形成される主鎖に対して、側鎖である
フェニル基や置換フェニル基が交互に反対方向に位置す
るものであることを意味し、そのタクティシティーは同
位体元素による核磁気共鳴法(13C−NMR法)によ
って定量される。
【0060】13C−NMR法により測定されるタクテ
ィシティーは、連続する複数個の構成単位の存在割合、
たとえば2個の場合はダイアッド、3個の場合はトリア
ッド、5個の場合はペンタッドによって示すことができ
るが、本発明でいう「高度のシンジオタクチック構造を
有するスチレン系重合体」とは、ペンタッド(ラセミペ
ンタッド)で97%以上、好ましくは98%以上、特に
好ましくは99%以上のシンジオタクティシティーを有
するポリスチレン、ポリ(アルキルスチレン)、ポリ
(アルコキシスチレン)、ポリ(ハロゲン化スチレ
ン)、ポリ(ビニル安息香酸エステル)及びこれらの混
合物、あるいはこれらを主成分とする共重合体を意味す
る。
【0061】なお、ここでポリ(アルキルスチレン)と
しては、ポリ(メチルスチレン)、ポリ(エチルスチレ
ン)、ポリ(イソプロピルスチレン)、ポリ(t−ブチ
ルスチレン)等があり、ポリ(アルコキシスチレン)と
してはポリ(メトキシスチレン)、ポリ(エトキシスチ
レン)等がある。また、ポリ(ハロゲン化スチレン)と
しては、ポリ(クロロスチレン)、ポリ(ブロモスチレ
ン)、ポリ(フルオロスチレン)等がある。
【0062】本発明のシンジオタクチックスチレン系樹
脂は上記の結晶融解特性を有しておれば、長期間高温で
使用される用途に用いることができ実用上何ら差し支え
ることはないが、13C−NMR法により測定されるタク
ティシティーに於いて、ペンタッド(ラセミペンタッ
ド)で97%以上のシンジオタクティシティを有するこ
とで、結晶構造中の欠陥が少なくなり、さらに過酷な条
件での連続使用に適した有用な材料となる。
【0063】本発明で得られるシンジオタクチックスチ
レン系樹脂は、数平均分子量(Mn)は 1,000~10,000,
000、好ましくは 5,000~5,000,000、より好ましくは 10,
000~2,000,000、特に好ましくは 20,000~1,000,000であ
る。分子量が小さすぎると機械的強度が低いなど高分子
としての物性が不十分になり、逆に、分子量が大きすぎ
ると成形が困難になるという問題を生じる。本発明のシ
ンジオタクチックスチレン系樹脂の重量平均分子量(M
w)と数平均分子量(Mn)の比である分子量分布(M
w/Mn)は特に限定されないが、好ましくは3.0以
下、さらに好ましくは2.5以下、特に好ましくは2.
2以下である。分子量分布が広すぎると、耐磨耗性など
の物性の低下という問題が生じる。
【0064】
【実施例】以下、本発明を実施例にて詳細に説明する
が、本発明はこれらに限定されるものではない。まず、
本発明の実施例で使用した各評価、測定方法について述
べる。 1)触媒活性 触媒金属1mmol 1時間当たりのポリマー生成量(グラ
ム)で表した。 2)結晶融解温度 マックサイエンス社製DSC3200Sを用い、アルゴ
ン雰囲気下、以下に示すプロファイルに従い、e)に於
ける低温側と高温側の結晶融解ピークのピークトップ温
度により、結晶融解温度(LMP及びHMP)を決定し
た。 a)10℃/minで25℃→300℃まで昇温。 b)10℃/minで300℃→270℃まで降温。 c)2℃/minで270℃→200℃まで降温。 d)10℃/minで200℃→25℃まで降温。 e)再び 10℃/minで25℃〜300℃まで昇温
【0065】3)ポリマーの分子量、及び分子量分布 センシュー科学社製SSC−7100型ゲルパーミエー
ションクロマトグラフィーを用いて、示差屈折率計を検
出器として装着して測定を行った。 4)%シンジオタクティシティ 日本電子製LA600型核磁気共鳴分光装置を用い、13
C−NMR分析により、ペンタッド(ラセミペンタッ
ド)を測定することによって決定した。 5)メチルエチルケトン抽出残量(MIP) 重合体をソックスレー抽出器を用いてメチルエチルケト
ンで5時間抽出し、抽出残分を真空乾燥器で50℃、5
時間乾燥させ、得られたポリマーを秤量することによっ
て求めた。
【0066】(遷移金属化合物製造例1) ・t-ブチルシクロペンタジエニルトリクロロチタン[t
-BuCpTiCl3]の合成シクロペンタジエニルナトリウム
(35.2g、400mmol)の 400ml テトラヒドロフラン(T
HF)溶液にアルゴン雰囲気下0℃でt−ブチルブロマ
イド(50g、365mmol)の 100ml THF溶液をゆっくりと
滴下し、さらに室温で1時間撹拌を続けた。少量のメタ
ノールで反応を止め、THFを減圧下で留去し生成物を
水洗して得た有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒
を留去した。真空蒸留(31℃/10mmHg)により 15g(収
率34%)のt-ブチルシクロペンタジエンを得た。生成物
の構造は1H−NMRから確認した。1 H−NMR(ppm、TMS、CDCl3)6.0-6.7(m、シクロペンタジ
エン環中の二重結合を構成する炭素に結合した水素、3
H)、2.97(m、シクロペンタジエン環中の単結合を構成する
炭素に結合した水素、2H)、1.21(s、9H)。
【0067】t-ブチルシクロペンタジエン (13.65g、11
2mmol) をn-ヘキサン 100ml とTHF 100ml の混合溶
媒に溶解し、アルゴン雰囲気下、-78℃で n-BuLi (123
mmol)のn-ヘキサン溶液をゆっくりと滴下し、さらに
室温で1時間撹拌した。続いて、-78℃ に冷却し、トリ
メチルシリルクロライド (13.36g、123mmol) のTHF溶
液を滴下した後、室温で1時間撹拌した。少量のメタノ
ールで反応を止め、溶媒を減圧下で留去し、生成物を水
洗して得た有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を
留去した。真空蒸留 (51℃/5mmHg) により 17g(収率7
8%)の(t-ブチル)(トリメチルシリル)シクロペ
ンタジエン [(t-Bu)CpTMS] を得た。生成物の構造は1
−NMRから確認した。1 H−NMR(ppm、TMS、CDCl3)6.60、6.40、6.00(s、シクロ
ペンタジエン環中の二重結合を構成する炭素に結合した
水素)、3.23(s、シクロペンタジエン環中の単結合を構
成する炭素に結合した水素)、1.17(s、9H)、-0.2(s、9
H)。
【0068】(t-ブチル)(トリメチルシリル)シク
ロペンタジエン 7.7g (39.7mmol) の50ml 乾燥n-ヘキ
サン溶液にアルゴン雰囲気下 -78℃ で 7.1g (37.4mmo
l) の四塩化チタンを加え、この温度で1時間撹拌した
後、室温で1時間撹拌を続けた。反応の進行により析出
した結晶を加熱により溶解し、溶液を -25℃ に一晩保
ち再結晶した。オレンジ色結晶を濾過後乾燥して(t-
ブチル)シクロペンタジエニルトリクロロチタン [t-Bu
CpTiCl3] を 6.2g (収率60%)得た。生成物の構造を1
−NMRで確認した。1 H−NMR(ppm、TMS、CDCl3)7.02(t、2H)、6.86(t、2H)、
1.38(s、9H)。
【0069】(遷移金属化合物製造例2) ・トリメチルシリルシクロペンタジエニルトリクロロチ
タン [Me3SiCpTiCl3]の合成 ビス(トリメチルシリル)シクロペンタジエンは J.
C.S.Dalton,1980年、1156頁の記載に基
づいて合成し、減圧蒸留により精製した。ビス(トリメ
チルシリル)シクロペンタジエン 2.1g (10mmol) の
100ml 乾燥n-ヘキサン溶液に、アルゴン雰囲気下、-78
℃ で四塩化チタン 1.1ml (10mmol)を滴下し4時間攪
拌した。溶媒を留去後、昇華により黄色結晶 2.1g(収率
70%)を得た。生成物が Me3SiCpTiCl3 であることを 1H-
NMR から確認した。1 H−NMR(ppm,TMS,CDCl3):6.85(t,2H),6.66(t,2H),
0.10(s,9H)
【0070】実施例1 乾燥し、窒素置換した内容積100mlのガラス製三ツ
口フラスコを用い、窒素雰囲気下で重合反応を行った。
トルエン43.0ml とメチルアルミノキサン10.
0mmolのトルエン溶液(東ソー・アクゾ社製)を仕
込み、23℃の恒温とした。ここにスチレン5mlを仕
込んで、10分間エージングした後、t−ブチルシクロ
ペンタジエニルトリクロロチタン(t-BuCpTiC
3)0.005mmolのトルエン溶液を添加し、2
3℃にて30分間重合反応を行った。少量のメタノール
を添加して重合反応を停止し、重合溶液を大量の酸性メ
タノールに注ぎ込み重合体を析出させた。得られた重合
体を洗浄、濾別、乾燥、秤量して、重合体の収量0.7
74g(収率は16.7%)を得た。
【0071】重合活性は309(g of PS)/(m
mol Ti)×hr)であった。次に、この重合体を
ソックスレー抽出器を用いてメチルエチルケトンで5時
間抽出したところ、抽出残(MIP)98%を得た。得
られた重合体の重量平均分子量(Mw)は81100、
数平均分子量(Mn)は46700、分子量分布(Mw
/Mn)は1.7であった。結晶融解温度(HMP)は
274.9℃であった。また、13C−NMR測定により
求められるシンジオタクティシティは、ラセミペンタッ
ドで99.2%であった。結果を表1に示す。
【0072】実施例2 遷移金属化合物として、トリメチルシリルシクロペンタ
ジエニルトリクロロチタン(Me3SiCpTiCl3
を用いたこと以外は、実施例1と同じ操作を行った。結
果を表1に示す。
【0073】比較例1 遷移金属化合物として、シクロペンタジエニルトリクロ
ロチタン(CpTiCl3)を用いたこと以外は、実施
例1と同じ操作を行った。結果を表1に示す。
【0074】
【表1】
【0075】
【発明の効果】本発明の触媒は優れた重合活性を有し、
高度のシンジオタクティシティを有するスチレン系樹脂
を製造する際に用いることができる。また、この触媒を
使用してスチレン系単量体を重合することにより、高度
のシンジオタクティシティを有し、実用耐熱性も改善さ
れたシンジオタクチックスチレン系樹脂を高効率で製造
することができる。得られたシンジオタクティシティを
有するスチレン系樹脂は、実用耐熱性に優れ、かつ、耐
薬品性等の各種物性に優れたものであり、家電機器、O
A機器等の広い分野に於いて使用されるプラスチック材
料として極めて有用なものである。
フロントページの続き (72)発明者 村田 昌英 東京都文京区水道二丁目3番15−504号 (72)発明者 加瀬 俊男 茨城県つくば市松代五丁目2−2−302号 (72)発明者 尾崎 裕之 茨城県つくば市小野川四丁目6−202号 (72)発明者 福井 祥文 茨城県つくば市二の宮四丁目6番3−507 号 (72)発明者 萩原 英昭 茨城県つくば市天久保2−6−14 桜井ハ イツ203 (72)発明者 ジン ジジュ 石川県金沢市小立野2−2−7 (72)発明者 宮沢 哲 茨城県つくば市東1丁目1番 工業技術院 物質工学工業技術研究所内 (72)発明者 土原 健治 茨城県つくば市東1丁目1番 工業技術院 物質工学工業技術研究所内 (72)発明者 鈴木 靖三 茨城県つくば市東1丁目1番 工業技術院 物質工学工業技術研究所内 (72)発明者 浅井 道彦 茨城県つくば市東1丁目1番 工業技術院 物質工学工業技術研究所内 (72)発明者 曽我 和雄 茨城県つくば市東1丁目1番 工業技術院 物質工学工業技術研究所内 Fターム(参考) 4J028 AA01A AB01A AC01A AC08A AC10A AC26A AC28A BA01A BA01B BA02A BA02B BA03A BA03B BB01A BB01B BB02A BB02B BC01A BC01B BC05A BC05B BC06A BC06B BC12A BC12B BC15A BC15B BC25A BC25B BC27A BC27B CB65A CB65B CB87A CB87B DB05A DB08A EB02 EB04 EB05 EB12 EB13 EB16 EB18 EB21 EB25 EB26 EC01 EC02 FA01 FA02 FA07 FA09 GA01 GA06 GA12 GA15 GA19 GA21 GB02 4J100 AA02Q AA03Q AA04Q AB00P AB02P AB04P AB07P AB08P AB09P AB10P AB16P AL03Q AR04Q AR11Q AR22Q AS01Q AS02Q AS04Q AS06Q AS11Q AS15Q BA05P BA06P BB01Q CA01 CA04 CA12 DA24 FA10

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)一般式(1) (Cp-R)MX3 (1) [式中、Cpはシクロペンタジエニル基、Rは3〜30
    個の炭素原子を含むアルキル基、アリール基、アラルキ
    ル基、珪素原子を含有する炭化水素基、錫原子を含有す
    る炭化水素基及びゲルマニウム原子を含有する炭化水素
    基からなる群から選ばれるただ一つの置換基、Mはチタ
    ン(Ti),ジルコニウム(Zr)またはハフニウム
    (Hf)からなる群から選ばれる遷移金属、Xはハロゲ
    ンを示す。]で表される遷移金属化合物と(B)下記
    (a)〜(d)(a)有機アルミニウムオキシ化合物、
    (b)前記遷移金属化合物と反応してカチオン性遷移金
    属化合物を生成できるイオン性化合物、(c)前記遷移
    金属化合物と反応してカチオン性遷移金属化合物を生成
    できるルイス酸化合物、(d)周期律表1、2及び13
    族元素金属の有機金属化合物、から選択される少なくと
    も一種の助触媒との反応生成物を主成分として含有して
    なることを特徴とするシンジオタクチックスチレン系樹
    脂製造用触媒。
  2. 【請求項2】 一般式(2)で示される遷移金属化合物
    と、アルミノキサンからなる助触媒との反応生成物を主
    成分として含有してなるシンジオタクチックスチレン系
    樹脂の製造用触媒。 (Cp−R)TiX3 (2) [式中、Cpはシクロペンタジエニル基、Rは3〜30
    個の炭素原子を含むアルキル基、アリール基、アラルキ
    ル基、珪素原子を含有する炭化水素基、錫原子を含有す
    る炭化水素基及びゲルマニウム原子を含有する炭化水素
    基からなる群から選ばれるただ一つの置換基、Xはハロ
    ゲンを示す。]
  3. 【請求項3】 スチレン系樹脂の結晶融解温度をアルゴ
    ン雰囲気下で測定した場合に、低温結晶融解温度(LM
    P)が265℃以上であると同時に高温結晶融解温度
    (HMP)が270〜290℃の範囲にあり、かつ低温
    結晶融解温度(LMP)と高温結晶融解温度(HMP)
    との差が20℃以内であることを特徴とするシンジオタ
    クチックスチレン系樹脂。
  4. 【請求項4】 請求項1または2に記載の触媒の存在下
    で製造されたスチレン系樹脂の結晶融解温度をアルゴン
    雰囲気下で測定した場合に、低温結晶融解温度(LM
    P)が265℃以上であると同時に高温結晶融解温度
    (HMP)が270〜290℃の範囲にあり、かつ低温
    結晶融解温度(LMP)と高温結晶融解温度(HMP)
    との差が20℃以内であることを特徴とするシンジオタ
    クチックスチレン系樹脂。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2001294618A (ja) * 2000-02-10 2001-10-23 Natl Inst Of Advanced Industrial Science & Technology Meti スチレン系重合体及びその製造方法
JP2001294619A (ja) * 2000-02-10 2001-10-23 Natl Inst Of Advanced Industrial Science & Technology Meti スチレン系重合体及びその製造方法
US8013177B2 (en) * 2009-05-14 2011-09-06 Chevron Phillips Chemical Company Lp Method and system for forming a precursor compound for non-bridged unsymmetric polyolefin polymerization catalyst

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