JP2020114918A - 多元共重合体、ゴム組成物、架橋ゴム組成物及びゴム物品 - Google Patents
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Abstract
Description
ここで、本明細書において、「共役ジエン単位」とは、共重合体における、共役ジエン化合物に由来する単位に相当する単位を指し、「非共役オレフィン単位」とは、共重合体における、非共役オレフィン化合物に由来する単位に相当する単位を指し、「芳香族ビニル単位」とは、共重合体における、芳香族ビニル化合物に由来する単位に相当する単位を指す。
また、本明細書において、「共役ジエン化合物」とは、共役系のジエン化合物を指し、「非共役オレフィン化合物」とは、脂肪族不飽和炭化水素で、炭素−炭素二重結合を1個以上有する非共役系の化合物を指し、「芳香族ビニル化合物」とは、少なくともビニル基で置換された芳香族化合物を指す。また、「芳香族ビニル化合物」は、共役ジエン化合物には含まれないものとする。
そして、本明細書において、「多元共重合体」とは、3種類以上の単量体を重合してなる共重合体を指す。
本発明の多元共重合体は、共役ジエン単位と、非共役オレフィン単位と、芳香族ビニル単位とを有することを大きな特徴の一つとする。即ち、本発明の共重合体は、従来技術である共役ジエン化合物と非共役オレフィンとの共重合体などとは異なり、共役ジエン単位及び非共役オレフィン単位に加えて、芳香族ビニル単位を有する。そして、本発明の共重合体においては、芳香族ビニル単位全体の50%以上が、共役ジエン単位を含む非結晶部分に存在する。言い換えれば、本発明の共重合体は、芳香族ビニル単位全体の50%以上を、共役ジエン単位が主として連鎖した部分の中に導入させてなる構造を有する。そのため、本発明の共重合体は、ガラス転移温度(Tg)が高く、一般にウェット性に重要であるとされる0℃でのエネルギーロスが向上しているものと考えられる。その一方で、本発明の共重合体は、結晶部分又は共役ジエン単位を含まない非結晶部分における芳香族ビニル単位の量が芳香族ビニル単位全体の50mol%未満に抑えられているため、共重合体中に一定の大きさ以上の結晶が維持され、この結晶が補強効果を奏し、耐亀裂成長性を向上させているものと考えられる。
また、本発明の多元共重合体は、以下にその製造方法を記述する通り、一の反応容器で行う合成、即ちワンポット合成が可能であり、簡略化されたプロセスによる製造が可能である。
なお、本明細書において、多元共重合体の「結晶部分」とは、多元共重合体をオゾン分解した後に得られる成分に相当する部分を指し、多元共重合体の「非結晶部分」とは、上述した結晶部分以外の部分を指すものとする。
一方、本発明の多元共重合体は、共役ジエン単位の含有量が60mol%以下であることが好ましい。共役ジエン単位の含有量が60mol%以下であれば、共役ジエン単位以外の単位を有することの効果を十分に得ることができる。同様の観点から、本発明の多元共重合体は、共役ジエン単位の含有量が55mol%以下であることがより好ましく、50mol%以下であることが更に好ましい。
一方、前記共役ジエン単位全体におけるビニル結合(1,2ビニル結合、3,4ビニル結合など)含量は、50%以下であることが好ましく、30%以下であることがより好ましく、15%以下であることが更に好ましく、10%以下であることが一層好ましく、6%以下であることが特に好ましい。また、前記共役ジエン単位全体におけるトランス−1,4結合含量は、30%以下であることが好ましく、15%以下であることがより好ましく、10%以下であることが更に好ましい。
一方、本発明の多元共重合体は、非共役オレフィン単位の含有量が80mol%以下であることが好ましい。非共役オレフィン単位の含有量が80mol%以下であれば、非共役オレフィン単位以外のを有することの効果を十分に得ることができる。同様の観点から、本発明の多元共重合体は、非共役オレフィン単位の含有量が70mol%以下であることがより好ましく、60mol%以下であることが更に好ましい。
一方、本発明の多元共重合体は、芳香族ビニル単位の含有量が30mol%以下であることが好ましい。芳香族ビニル単位の含有量が30mol%以下であれば、芳香族ビニル単位以外の単位を有することの効果を十分に得ることができる。同様の観点から、本発明の多元共重合体は、芳香族ビニル単位の含有量が25mol%以下であることがより好ましく、20mol%以下であることが更に好ましい。
なお、多元共重合体における「芳香族ビニル単位全体のうち共役ジエン単位を含む非結晶部分に存在するものの割合」は、例えば、まず、多元共重合体における非共役オレフィン単位と芳香族ビニル単位との比率(A)を1H−NMRスペクトルの積分比及び13C−NMRスペクトルの積分比から求め、次いで、多元共重合体に含まれるジエン部分をオゾン分解し、得られたジエン部分を含まない成分全体における非共役オレフィン単位と芳香族ビニル単位との比率(B)を1H−NMRスペクトルの積分比及び13C−NMRスペクトルの積分比から求め、比率(A)及び比率(B)を用いて算出することができる。より具体的には、本明細書の実施例に記載された方法により、測定することができる。
ここで、共重合体の主鎖が環状構造を有するか否かの確認には、NMRが主要な測定手段として用いられる。具体的には、主鎖に存在する環状構造に由来するピーク(例えば、三員環〜五員環については、10〜24ppmに現れるピーク)が観測されない場合、その共重合体の主鎖は、非環状構造のみからなることを示す。
なお、本明細書において、「主鎖」とは、共重合体における、各単位の結合末端を結んでなる長鎖部分を指し、共重合体の連鎖構造によっては、直鎖状であってもよく、分枝鎖状であってもよいものである。即ち、「主鎖」は、共重合体を構成する各単位における、隣接する単位とは結合しない分岐部分を含まない。
更に、本発明の多元共重合体は、ポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)とポリスチレン換算数平均分子量(Mn)との比で表される分子量分布(Mw/Mn)が、10.0以下であることが好ましく、9.0以下であることがより好ましく、8.0以下であることが特に好ましい。前記多元共重合体の分子量分布が10.0以下であることにより、前記多元共重合体の物性に十分な均質性をもたらすことができる。
なお、上述したポリスチレン換算重量平均分子量及び分子量分布は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、ポリスチレンを標準物質として求めることができる。
次に、本発明の多元共重合体を製造する方法の例を詳細に説明する。本発明の多元共重合体を製造する方法の一例は、共役ジエン化合物と、非共役オレフィン化合物と、芳香族ビニル化合物とを単量体として用いることを前提とするものであり、少なくとも重合工程を含み、更に、必要に応じ、カップリング工程、洗浄工程、その他の工程を適宜含むことができる。
重合工程は、少なくとも共役ジエン化合物と、非共役オレフィン化合物と、芳香族ビニル化合物とを単量体とし、これらを重合する工程である。ここで、重合工程においては、触媒存在下で、共役ジエン化合物を添加せずに非共役オレフィン化合物及び/又は芳香族ビニル化合物のみを添加し、これらを重合させる操作と、少なくとも共役ジエン化合物を添加しながら重合させる操作とを含むことが好ましい。また、多元共重合体における、「芳香族ビニル単位全体のうち共役ジエン単位を含む非結晶部分に存在するものの割合」を50%以上に調整する方法としては、例えば、触媒存在下で、共役ジエン化合物が単量体として存在する時間には適宜芳香族ビニル化合物の投入量を増やし、共役ジエン化合物が単量体として存在しない場合には適宜芳香族ビニル化合物の投入量を減らす方法、が挙げられる。
なお、後述の重合触媒組成物を使用する場合には、非共役オレフィン化合物及び芳香族ビニル化合物より共役ジエン化合物の方が反応性が高いことから、共役ジエン化合物の存在下で非共役オレフィン化合物及び/又は芳香族ビニル化合物を重合させることが困難となりやすい。また、先に共役ジエン化合物を重合させ、後に非共役オレフィン化合物及び/又は芳香族ビニル化合物を付加的に重合させることも、触媒の特性上困難となりやすい。
第一の重合触媒組成物(以下、「第一重合触媒組成物」ともいう)について説明する。
第一重合触媒組成物は、
(A)成分:下記式(I)で表される希土類元素化合物
M-(AQ1)(AQ2)(AQ3) ・・・(I)
(式中、Mは、スカンジウム、イットリウム又はランタノイド元素であり、AQ1、AQ2及びAQ3は、同一であっても異なっていてもよい官能基であり、Aは、窒素、酸素又は硫黄であり、但し、少なくとも1つのM−A結合を有する)を含むものである。
ここで、(A)成分におけるランタノイド元素とは、具体的には、ランタニウム、セリウム、プラセオジム、ネオジム、プロメチウム、サマリウム、ユウロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミニウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、ルテチウムであり、一種単独であってもよいし、二種以上の組み合わせであってもよい。(A)成分は、反応系における触媒活性を向上させることができ、反応時間を短くし、反応温度を高くすることが可能な成分である。
また、前記Mについては、特に、触媒活性及び反応制御性を高める観点から、ガドリニウムが好ましい。
なお、前記(A)成分は、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
アミド基としては、例えば、ジメチルアミド基、ジエチルアミド基、ジイソプロピルアミド基等の脂肪族アミド基;フェニルアミド基、2,6−ジ−tert−ブチルフェニルアミド基、2,6−ジイソプロピルフェニルアミド基、2,6−ジネオベンチルフェニルアミド基、2−tert−ブチル−6−イソプロピルフェニルアミド基、2−tert−ブチル−6−ネオベンチルフェニルアミド基、2−イソプロピル−6−ネオベンチルフェニルアミド基、2,4,6−tert−ブチルフェニルアミド基等のアリールアミド基;ビストリメチルシリルアミド基等のビストリアルキルシリルアミド基が挙げられ、特に、脂肪族炭化水素に対する溶解性の観点から、ビストリメチルシリルアミド基が好ましい。
上記官能基は、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記官能基は、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記官能基は、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
(B)成分:特定のイオン性化合物(B−1)、及び、特定のハロゲン化合物(B−2)よりなる群から選択される少なくとも一種と、
(C)成分:下記式(II):
YR1 aR2 bR3 c ・・・ (II)
(式中、Yは、周期律表第1族、第2族、第12族及び第13族から選択される金属であり、R1及びR2は炭素数1〜10の炭化水素基又は水素原子であり、R3は炭素数1〜10の炭化水素基であり、R1、R2、R3はそれぞれ互いに同一又は異なっていてもよく、また、Yが周期律表第1族から選択される金属である場合には、aは1で且つb及びcは0であり、Yが周期律表第2族及び第12族から選択される金属である場合には、a及びbは1で且つcは0であり、Yが周期律表第13族から選択される金属である場合には、a,b及びcは1である)で表される化合物と
を含むことが好ましい。
第一重合触媒組成物が(B)成分及び(C)を更に含むことにより、より効率的に、共役ジエン化合物と、非共役オレフィン化合物と、芳香族ビニル化合物との多元共重合体を製造することができる。
なお、前記第一触媒組成物における(B)成分の合計の含有量は、(A)成分に対して0.1〜50倍molであることが好ましい。
ここで、非配位性アニオンとしては、例えば、テトラフェニルボレート、テトラキス(モノフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(ジフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(トリフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(テトラフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(テトラフルオロメチルフェニル)ボレート、テトラ(トリル)ボレート、テトラ(キシリル)ボレート、(トリフェニル、ペンタフルオロフェニル)ボレート、[トリス(ペンタフルオロフェニル)、フェニル]ボレート、トリデカハイドライド−7,8−ジカルバウンデカボレート等が挙げられる。一方、カチオンとしては、カルボニウムカチオン、オキソニウムカチオン、アンモニウムカチオン、ホスホニウムカチオン、シクロヘプタトリエニルカチオン、遷移金属を有するフェロセニウムカチオン等を挙げることができる。カルボニウムカチオンの具体例としては、トリフェニルカルボニウムカチオン、トリ(置換フェニル)カルボニウムカチオン等の三置換カルボニウムカチオン等が挙げられ、トリ(置換フェニル)カルボニウムカチオンとして、より具体的には、トリ(メチルフェニル)カルボニウムカチオン、トリ(ジメチルフェニル)カルボニウムカチオン等が挙げられる。アンモニウムカチオンの具体例としては、トリメチルアンモニウムカチオン、トリエチルアンモニウムカチオン、トリプロピルアンモニウムカチオン、トリブチルアンモニウムカチオン(例えば、トリ(n−ブチル)アンモニウムカチオン)等のトリアルキルアンモニウムカチオン;N,N−ジメチルアニリニウムカチオン、N,N−ジエチルアニリニウムカチオン、N,N−2,4,6−ペンタメチルアニリニウムカチオン等のN,N−ジアルキルアニリニウムカチオン;ジイソプロピルアンモニウムカチオン、ジシクロヘキシルアンモニウムカチオン等のジアルキルアンモニウムカチオン等が挙げられる。ホスホニウムカチオンの具体例としては、トリフェニルホスホニウムカチオン、トリ(メチルフェニル)ホスホニウムカチオン、トリ(ジメチルフェニル)ホスホニウムカチオン等のトリアリールホスホニウムカチオン等が挙げられる。従って、イオン性化合物としては、上述の非配位性アニオン及びカチオンからそれぞれ選択し組み合わせた化合物が好ましく、具体的には、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルカルボニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等が好ましい。また、これらのイオン性化合物は、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
なお、前記触媒組成物におけるイオン性化合物(B−1)の合計の含有量は、(A)成分に対して0.1〜10倍molであることが好ましく、約1倍molであることが更に好ましい。
なお、前記触媒組成物におけるハロゲン化合物(B−2)の合計の含有量は、(A)成分に対して1〜5倍molであることが好ましい。
これらのハロゲン化合物は、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
YR1 aR2 bR3 c ・・・ (II)
(式中、Yは、周期律表第1族、第2族、第12族及び第13族から選択される金属であり、R1及びR2は炭素数1〜10の炭化水素基又は水素原子であり、R3は炭素数1〜10の炭化水素基であり、R1、R2、R3はそれぞれ互いに同一又は異なっていてもよく、また、Yが周期律表第1族から選択される金属である場合には、aは1で且つb及びcは0であり、Yが周期律表第2族及び第12族から選択される金属である場合には、a及びbは1で且つcは0であり、Yが周期律表第13族から選択される金属である場合には、a,b及びcは1である)で表される化合物であり、好ましくは、下記式(III):
AlR1R2R3 ・・・ (III)
(式中、R1及びR2は炭素数1〜10の炭化水素基又は水素原子であり、R3は炭素数1〜10の炭化水素基であり、R1、R2、R3はそれぞれ互いに同一又は異なっていてもよい)で表される有機アルミニウム化合物である。式(III)の有機アルミニウム化合物としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリ−n−プロピルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリ−n−ブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ−t−ブチルアルミニウム、トリペンチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリシクロヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム;水素化ジエチルアルミニウム、水素化ジ−n−プロピルアルミニウム、水素化ジ−n−ブチルアルミニウム、水素化ジイソブチルアルミニウム、水素化ジヘキシルアルミニウム、水素化ジイソヘキシルアルミニウム、水素化ジオクチルアルミニウム、水素化ジイソオクチルアルミニウム;エチルアルミニウムジハイドライド、n−プロピルアルミニウムジハイドライド、イソブチルアルミニウムジハイドライド等が挙げられ、これらの中でも、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、水素化ジエチルアルミニウム、水素化ジイソブチルアルミニウムが好ましい。以上に述べた(C)成分としての有機アルミニウム化合物は、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。なお、前記触媒組成物における有機アルミニウム化合物の含有量は、(A)成分に対して1〜50倍molであることが好ましく、約10倍molであることが更に好ましい。
(D)成分:配位子となり得る配位化合物
を更に含むことが好ましい。
前記(D)成分としては、前記(A)成分のAQ1、AQ2及びAQ3で表される官能基と交換可能なものであれば特に限定されないが、例えば、OH基、NH基、SH基のいずれかを有するものを挙げることができる。
上記式(VI)で示されるものの具体例として、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、(メルカプトメチル)ジメチルエトキシシラン、メルカプトメチルトリメトキシシラン等が挙げられる。
式(VII)で示されるものの具体例として、3−メルカプトプロピル(エトキシ)−1,3−ジオキサ−6−メチルアザ−2−シラシクロオクタン、3−メルカプトプロピル(エトキシ)−1,3−ジオキサ−6−ブチルアザ−2−シラシクロオクタン、3−メルカプトプロピル(エトキシ)−1,3−ジオキサ−6−ドデシルアザ−2−シラシクロオクタンなどが挙げられる。
さらに、シクロペンタジエン骨格を有する化合物は、シクロペンタジエン骨格を有するものであれば特に限定はされないが、より高い触媒活性を得ることができる点からは、インデニル基を有する化合物であることがより好ましい。重合の際の溶媒として環境負荷の大きいトルエンを使用することなく、活性を高めることができるからである。
次に、第二の重合触媒組成物(以下、「第二重合触媒組成物」ともいう)について説明する。第二重合触媒組成物としては、下記式(IX):
なお、重合反応系において、第二重合触媒組成物に含まれる錯体の濃度は0.1〜0.0001mol/Lの範囲であることが好ましい。
式(XI)において、上記インデニル環を基本骨格とするCpR’は、式(IX)のCpRと同様に定義され、好ましい例も同様である。
(式中、X’’はハライドを示す。)
上記式(X)で表されるメタロセン錯体は、例えば、溶媒中でランタノイドトリスハライド、スカンジウムトリスハライド又はイットリウムトリスハライドを、インデニルの塩(例えばカリウム塩やリチウム塩)及びシリルの塩(例えばカリウム塩やリチウム塩)と反応させることで得ることができる。なお、反応温度は室温程度にすればよいので、温和な条件で製造することができる。また、反応時間は任意であるが、数時間〜数十時間程度である。反応溶媒は特に限定されないが、原料及び生成物を溶解する溶媒であることが好ましく、例えばトルエンを用いればよい。以下に、式(X)で表されるメタロセン錯体を得るための反応例を示す。
次に、第三の重合触媒組成物(以下、「第三重合触媒組成物」ともいう)について説明する。
第三重合触媒組成物としては、希土類元素含有化合物として、下記式(XIII):
RaMXbQYb・・・(XIII)
(式中、Rはそれぞれ独立して無置換もしくは置換インデニルを示し、該RはMに配位しており、Mはランタノイド元素、スカンジウム又はイットリウムを示し、Xはそれぞれ独立して炭素数1〜20の炭化水素基を示し、該XはM及びQにμ配位しており、Qは周期律表第13族元素を示し、Yはそれぞれ独立して炭素数1〜20の炭化水素基又は水素原子を示し、該YはQに配位しており、a及びbは2である)で表されるメタロセン系複合触媒を含む重合触媒組成物が挙げられる。
上記メタロセン系重合触媒を用いることで、重合体を製造することができる。また、上記メタロセン系複合触媒、例えば予めアルミニウム触媒と複合させてなる触媒を用いることで、重合体合成時に使用されるアルキルアルミニウムの量を低減したり、無くしたりすることが可能となる。なお、従来の触媒系を用いると、重合体合成時に大量のアルキルアルミニウムを用いる必要がある。例えば、従来の触媒系では、金属触媒に対して10当量以上のアルキルアルミニウムを用いる必要があるところ、上記メタロセン系複合触媒であれば、5当量程度のアルキルアルミニウムを加えることで、優れた触媒作用が発揮される。
置換インデニルとして、具体的には、2−フェニルインデニル、2−メチルインデニル等が挙げられる。なお、式(XIV)における二つのCpRは、それぞれ互いに同一でも異なっていてもよい。
カップリング工程は、前記重合工程において得られた多元共重合体の高分子鎖の少なくとも一部(例えば、末端)を変性する反応(カップリング反応)を行う工程である。
前記カップリング工程においては、重合反応が100%に達した際にカップリング反応を行うことが好ましい。
前記カップリング反応に用いるカップリング剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ビス(マレイン酸−1−オクタデシル)ジオクチルスズ(IV)等のスズ含有化合物;4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート等のイソシアネート化合物;グリシジルプロピルトリメトキシシラン等のアルコキシシラン化合物、などが挙げられる。これらは、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの中でも、ビス(マレイン酸−1−オクタデシル)ジオクチルスズ(IV)が、反応効率と低ゲル生成の点で、好ましい。
なお、カップリング反応を行うことにより、数平均分子量(Mn)を増加させることができる。
洗浄工程は、前記重合工程において得られた多元共重合体を洗浄する工程である。なお、洗浄に用いる媒体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノールなどが挙げられるが、重合触媒としてルイス酸由来の触媒を使用する際は、特にこれらの溶媒に対して酸(たとえば塩酸、硫酸、硝酸)を加えて使用することができる。添加する酸の量は溶媒に対して15mol%以下が好ましい。これ以上では酸が共重合体中に残存してしまうことで混練及び加硫時の反応に悪影響を及ぼす可能性がある。
この洗浄工程により、共重合体中の触媒残渣量を好適に低下させることができる。
本発明のゴム組成物は、少なくとも本発明の多元共重合体を含有し、更に必要に応じて、充填剤、架橋剤、その他の成分や、本発明の多元共重合体以外のゴム成分を含有することができる。本発明のゴム組成物は、少なくとも本発明の多元共重合体を含有するため、耐亀裂成長性及びウェット性に優れる。
なお、本発明のゴム組成物は、所望の効果をより確実に得る観点から、本発明の多元共重合体の含有量が10質量%以上であることが好ましく、20質量%以上であることがより好ましい。
また、前記カーボンブラックの窒素吸着比表面積(N2SA、JIS K 6217−2:2001に準拠して測定する)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、20〜100m2/gが好ましく、35〜80m2/gがより好ましい。前記カーボンブラックの窒素吸着比表面積(N2SA)が20m2/g以上であることにより、ゴム組成物の耐久性が向上し、十分な耐亀裂成長性が得られ、また、100m2/g以下であることにより、低発熱性の大幅な低下を回避しつつ、良好な作業性を保持することができる。
また、本発明の架橋ゴム組成物は、上述した本発明のゴム組成物の架橋物である。本発明の架橋ゴム組成物は、本発明の多元共重合体に由来するため、耐亀裂成長性及びウェット性に優れる。前記架橋の条件としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、加熱温度を120〜200℃とし、加熱時間を1分間〜900分間とすることが好ましい。かかる架橋ゴム組成物は、ゴム成分が由来する単量体の一つとして共役ジエン化合物を用いているため、EPDMのような、共役ジエン化合物を単量体として用いていない重合体を用いた場合に比べ、架橋特性が良好であり、従って機械特性がより高い。
本発明のゴム物品は、本発明の架橋ゴム組成物を含むことを特徴とする。本発明のゴム物品は、本発明の多元共重合体を含むゴム組成物を架橋させたものを含むため、耐亀裂成長性及びウェット性に優れる。なお、本発明のゴム物品の種類や製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。ここで、ゴム物品としては、タイヤ、防振ゴム、免震ゴム、コンベアベルト等のベルト、ゴムクローラ、各種ホース等が挙げられる。なお、本発明の架橋ゴム組成物をタイヤに用いる場合、当該架橋ゴム組成物の適用部位としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トレッドゴム、キャップトレッドゴム、ベーストレッドゴム、サイドウォールゴム、サイド補強ゴム及びビードフィラーなどが挙げられる。これらの中でも、本発明のゴム組成物をキャップトレッドゴム、ベーストレッドゴムに用いることが、タイヤの耐亀裂成長性及びウェット性を効果的に向上させる観点で好ましい。
十分に乾燥した2Lステンレス反応器に、スチレン150g(1.92mol)を含むシクロヘキサン溶液300gを添加した。一方、窒素雰囲気下のグローブボックス中で、ガラス製容器に1,3−ビス(t−ブチルジメチルシリル)インデニルガドリニウムビス(ビス(ジメチルシリル)アミド)[1,3−(t−BuMe2Si)2C9H5Gd(N(SiHMe2)2)2]273μmol、ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート[Me2NHPhB(C6F5)4]300μmol、及びジイソブチルアルミニウムハイドライド3.47mmolを仕込み、シクロヘキサン180mLに溶解させて触媒溶液とした。その後、グローブボックスから触媒溶液を取り出し、全量の触媒溶液を単量体溶液へ添加後、1,3−ブタジエン65g(1.20mol)を含む単量体溶液260gを導入し、エチレン圧下(0.5MPa)で、70℃で300分間、重合を行った。重合後、2,2’−メチレン−ビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)(NS−5)5質量%のイソプロパノール溶液1mLを加えて反応を停止させ、さらに大量の2−プロパノールで共重合体を分離し、60℃で真空乾燥し、共重合体Aを得た。得られた共重合体Aの収量は210gであった。
十分に乾燥した2Lステンレス反応器に、スチレン60g(0.57mol)を含むシクロヘキサン溶液200gを添加した。一方、窒素雰囲気下のグローブボックス中で、ガラス製容器に1,3−ビス(t−ブチルジメチルシリル)インデニルガドリニウムビス(ビス(ジメチルシリル)アミド)[1,3−(t−BuMe2Si)2C9H5Gd(N(SiHMe2)2)2]135μmol、ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート[Me2NHPhB(C6F5)4]149μmol、及びジイソブチルアルミニウムハイドライド3.25mmolを仕込み、シクロヘキサン90mLに溶解させて触媒溶液とした。その後、グローブボックスから触媒溶液を取り出し、全量の触媒溶液を単量体溶液へ添加後、1,3−ブタジエン54g(1.00mol)を含む単量体溶液220gを導入し、エチレン圧下(0.5MPa)で、70℃で270分間、重合を行った。重合後、2,2’−メチレン−ビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)(NS−5)5質量%のイソプロパノール溶液1mLを加えて反応を停止させ、さらに大量の2−プロパノールで共重合体を分離し、60℃で真空乾燥し、共重合体Bを得た。得られた共重合体Bの収量は102gであった。
十分に乾燥した2Lステンレス反応器に、スチレン45g(0.43mol)を含むシクロヘキサン溶液200gを添加した。一方、窒素雰囲気下のグローブボックス中で、ガラス製容器に1,3−ビス(t−ブチルジメチルシリル)インデニルガドリニウムビス(ビス(ジメチルシリル)アミド)[1,3−(t−BuMe2Si)2C9H5Gd(N(SiHMe2)2)2]98μmol、ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート[Me2NHPhB(C6F5)4]108μmol、及びジイソブチルアルミニウムハイドライド2.90mmolを仕込み、シクロヘキサン90mLに溶解させて触媒溶液とした。その後、グローブボックスから触媒溶液を取り出し、全量の触媒溶液を単量体溶液へ添加後、1,3−ブタジエン75g(1.38mol)を含む単量体溶液300gを導入し、エチレン圧下(0.5MPa)で、70℃で180分間、重合を行った。重合後、2,2’−メチレン−ビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)(NS−5)5質量%のイソプロパノール溶液1mLを加えて反応を停止させ、さらに大量の2−プロパノールで共重合体を分離し、60℃で真空乾燥し、共重合体Cを得た。得られた共重合体Cの収量は131gであった。
十分に乾燥した2Lステンレス反応器に、スチレン90g(0.86mol)を含むシクロヘキサン溶液200gを添加した。一方、窒素雰囲気下のグローブボックス中で、ガラス製容器に1,3−ビス(t−ブチルジメチルシリル)インデニルガドリニウムビス(ビス(ジメチルシリル)アミド)[1,3−(t−BuMe2Si)2C9H5Gd(N(SiHMe2)2)2]254μmol、ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート[Me2NHPhB(C6F5)4]279μmol、及びジイソブチルアルミニウムハイドライド3.15mmolを仕込み、シクロヘキサン165mLに溶解させて触媒溶液とした。その後、グローブボックスから触媒溶液を取り出し、全量の触媒溶液を単量体溶液へ添加後、1,3−ブタジエン55g(1.01mol)を含む単量体溶液250gを導入し、エチレン圧下(0.5MPa)で、70℃で360分間、重合を行った。重合後、2,2’−メチレン−ビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)(NS−5)5質量%のイソプロパノール溶液1mLを加えて反応を停止させ、さらに大量の2−プロパノールで共重合体を分離し、60℃で真空乾燥し、共重合体Cを得た。得られた共重合体Dの収量は148gであった。
十分に乾燥した2Lステンレス反応器に、スチレン45g(0.43mol)を含むシクロヘキサン溶液150gを添加した。一方、窒素雰囲気下のグローブボックス中で、ガラス製容器に1,3−ビス(t−ブチルジメチルシリル)インデニルガドリニウムビス(ビス(ジメチルシリル)アミド)[1,3−(t−BuMe2Si)2C9H5Gd(N(SiHMe2)2)2]80μmol、ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート[Me2NHPhB(C6F5)4]88μmol、及びジイソブチルアルミニウムハイドライド1.20mmolを仕込み、シクロヘキサン100mLに溶解させて触媒溶液とした。その後、グローブボックスから触媒溶液を取り出し、全量の触媒溶液を単量体溶液へ添加後、1,3−ブタジエン45g(0.83mol)を含む単量体溶液200gを導入し、エチレン圧下(1.5MPa)で、80℃で170分間、重合を行った。重合後、2,2’−メチレン−ビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)(NS−5)5質量%のイソプロパノール溶液1mLを加えて反応を停止させ、さらに大量の2−プロパノールで共重合体を分離し、60℃で真空乾燥し、共重合体aを得た。得られた三元共重合体aの収量は97gであった。
十分に乾燥した2Lステンレス反応器に、スチレン30g(0.28mol)を含むシクロヘキサン溶液150gを添加した。一方、窒素雰囲気下のグローブボックス中で、ガラス製容器に1,3−ビス(t−ブチルジメチルシリル)インデニルガドリニウムビス(ビス(ジメチルシリル)アミド)[1,3−(t−BuMe2Si)2C9H5Gd(N(SiHMe2)2)2]70μmol、ジイソブチルアルミニウムハイドライド2.0mmol、ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート[Me2NHPhB(C6F5)4]77μmolを仕込み、シクロヘキサン60mLに溶解させて触媒溶液とした。その後、グローブボックスから触媒溶液を取り出し、全量を反応容器へ添加後、1,3−ブタジエン45g(0.43mol)を含む単量体溶液180gを導入し、エチレン圧下(1.5MPa)で、70℃で200分間、重合を行った。重合後、2,2’−メチレン−ビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)(NS−5)5質量%の2−プロパノール溶液2mLを加えて反応を停止させ、さらに大量の2−プロパノールで共重合体を分離し、60℃で真空乾燥し共重合体bを得た。得られた重合体bの収量は86gであった。
旭化成株式会社製のスチレン−ブタジエン共重合体(製品名:タフデン1000)を準備し、これを共重合体cとした。
まず、上述のようにして得られた共重合体について、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー−屈折率曲線(GPC−RI曲線)を測定して、各単量体由来の特徴的なピークを確認するとともに、1H−NMRスペクトル及び13C−NMRスペクトルを測定して、芳香族ビニル化合物由来の芳香環骨格を確認して、三元共重合体であるか否かを確認した。
このようにして、共重合体A〜D及びa〜bが三元共重合体であることを確認した。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー[GPC:東ソー株式会社製HLC−8321GPC/HT、カラム:東ソー製GMHHR−H(S)HT×2本、検出器:示差屈折率計(RI)]で単分散ポリスチレンを基準として、トリクロロベンゼンを溶媒として用い、各共重合体のポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)及び分子量分布(Mw/Mn)を求めた。なお、測定温度は140℃である。
各共重合体のミクロ構造を、1H−NMRスペクトル(1,2ビニル結合の結合含量)及び13C−NMRスペクトル(シス−1,4結合とトランス−1,4結合の含量比)の積分比等により求めた。表1に、共役ジエン単位全体におけるシス−1,4結合含量(%)、トランス−1,4結合含量(%)、及び1,2ビニル結合含量(%)、共役ジエン単位の含有量(mol%)、非共役オレフィン単位の含有量(mol%)、及び芳香族ビニル単位の含有量(mol%)を示す。
例えば、共重合体Aについて、エチレン単位(Et)/ブタジエン単位(Bd)/スチレン単位(St)のモル比を、測定した1H−NMRスペクトルの0.50〜1.75ppmの積分値と、4.75〜5.10ppm及び5.20〜5.50ppmの積分値の和と、6.75〜7.50ppmのピーク積分値から下記の通りに算出した。
Et:Bd:St=1.35/4:(0.02+0.44)/2:1.0/5=44:30:26
多元共重合体における非共役オレフィン単位と芳香族ビニル単位との比率(A)を1H−NMRスペクトルの積分比及び13C−NMRスペクトルの積分比から求め、次いで、多元共重合体に含まれるジエン部分をオゾン分解し、得られたジエン部分を含まない成分(非共役オレフィン単位及び/又は芳香族ビニル単位からなる成分)全体における非共役オレフィン単位と芳香族ビニル単位との比率(B)を1H−NMRスペクトルの積分比及び13C−NMRスペクトルの積分比から求め、比率(A)及び比率(B)を用いて算出した。
また、各共重合体を用い、表2に示す配合処方で、常法に従ってゴム組成物を調製した。次いで、このゴム組成物を160℃で30分間架橋(加硫)して架橋ゴム組成物を得、この架橋ゴム組成物に対し、ウェット性及び耐亀裂成長性を下記の方法により測定した。その結果を表2に示す。
ポータブルウェットスキッドテスターを用い、表面を水で濡らしたコンクリート路面上で、室温にて滑り抵抗を測定した。比較例3の実測値を100として、指数表示した。この指数値が大きいほど、ウェット性が良好であることを意味する。
JIS K6257に従って、各加硫ゴム組成物のサンプルを、80℃2週間熱老化させた後、JIS3号試験片の中心部に0.5mmの亀裂を入れ、40℃にて0〜50%の歪で繰り返し疲労を与え、サンプルが切断するまでの回数を測定した。比較例3の実測値を100として、指数表示した。この指数値が大きいほど、耐亀裂成長性に優れることを意味する。
※2 シランカップリング剤:信越化学社製、「ABC−856」
※3 老化防止剤:大内新興化学工業株式会社製、「ノクラック6C」
※4 ワックス:精工化学株式会社製、「サンタイトA」
※5 オイル:JX日鉱日石エネルギー社製、「JOMO PROCESS NC300BN」
※6 加硫促進剤A:大内新興化学株式会社製、「ノクセラーD」
※7 加硫促進剤B:大内新興化学株式会社製、「ノクセラーDM−P」
※8 加硫促進剤C:大内新興化学株式会社製、「ノクセラーNS−P」
Claims (16)
- 共役ジエン単位と、非共役オレフィン単位と、芳香族ビニル単位とを有する多元共重合体であって、
前記芳香族ビニル単位全体のうち、前記共役ジエン単位を含む非結晶部分に存在するものの割合が50%以上であることを特徴とする、多元共重合体。 - 前記共役ジエン単位全体におけるシス−1,4結合含量が50%以上である、請求項1に記載の多元共重合体。
- 前記芳香族ビニル単位の含有量が5mol%以上である、請求項1又は2に記載の多元共重合体。
- 前記芳香族ビニル単位の含有量が30mol%以下である、請求項1〜3のいずれかに記載の多元共重合体。
- 前記共役ジエン単位の含有量が20mol%以上である、請求項1〜4のいずれかに記載の多元共重合体。
- 前記共役ジエン単位の含有量が60mol%以下である、請求項1〜5のいずれかに記載の多元共重合体。
- 前記非共役オレフィン単位の含有量が20mol%以上である、請求項1〜6のいずれかに記載の多元共重合体。
- 前記非共役オレフィン単位の含有量が80mol%以下である、請求項1〜7のいずれかに記載の多元共重合体。
- 前記非共役オレフィン単位が、エチレン単位、プロピレン単位及び1−ブテン単位から選択される一種以上のみからなる、請求項1〜8のいずれかに記載の多元共重合体。
- 前記芳香族ビニル単位がスチレン単位を含む、請求項1〜9のいずれかに記載の多元共重合体。
- 前記共役ジエン単位が、1,3−ブタジエン単位及び/又はイソプレン単位を含む、請求項1〜10のいずれかに記載の多元共重合体。
- 共役ジエン単位としての1,3−ブタジエン単位、非共役オレフィン単位としてのエチレン単位、及び芳香族ビニル単位としてのスチレン単位のみからなる三元共重合体である、請求項9〜11に記載の多元共重合体。
- 請求項1〜12のいずれかに記載の多元共重合体を含有することを特徴とする、ゴム組成物。
- 請求項13に記載のゴム組成物の架橋物であることを特徴とする、架橋ゴム組成物。
- 請求項14に記載の架橋ゴム組成物を含むことを特徴とする、ゴム物品。
- タイヤである、請求項15に記載のゴム物品。
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