JPH11228610A - 光硬化性樹脂組成物 - Google Patents

光硬化性樹脂組成物

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JPH11228610A
JPH11228610A JP10052729A JP5272998A JPH11228610A JP H11228610 A JPH11228610 A JP H11228610A JP 10052729 A JP10052729 A JP 10052729A JP 5272998 A JP5272998 A JP 5272998A JP H11228610 A JPH11228610 A JP H11228610A
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Akira Takeuchi
章 竹内
Takeshi Watanabe
毅 渡邉
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孝志 宇加地
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 機械的強度および寸法精度などが高く、これ
ら性能の経時的変化が小さく、かつ耐熱性、透明性に優
れた、機械部品の試作品などとしても好適な立体形状物
を造形できる光硬化性樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 (A)オキシシクロヘキサン骨格を有す
る脂環式エポキシ化合物からなるカチオン重合性化合
物、(B)前記(A)以外のカチオン重合性化合物、
(C)カチオン性光重合開始剤、(D)エチレン性不飽
和モノマー、(E)ラジカル性光重合開始剤、(F)ポ
リオールを含有してなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光硬化性樹脂組成
物に関し、さらに詳しくは、光学的立体造形法に好適に
用いることができ、特に光硬化性および造形精度に優
れ、かつ予備硬化後の立体造形物を60℃以上で加熱処
理することにより、耐熱性および透明性に優れた硬化物
を得ることができる液状の光硬化性樹脂組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、光硬化性の液状物質(光硬化性樹
脂組成物)に選択的に光照射して硬化樹脂層を形成する
工程を繰り返すことにより、当該硬化樹脂層が一体的に
積層されてなる立体形状物を形成する光学的立体造形法
が提案されている〔特開昭60−247515号公報、
米国特許明細書第4,575,330号(特開昭62−
35966号公報)、特開昭62−101408号公
報、特開平5−24119号公報参照〕。
【0003】この光学的立体造形法の代表的な例を説明
すると、容器内に収容された光硬化性樹脂組成物の液面
に、紫外線レーザなどの光を選択的に照射することによ
り、所定のパターンを有する硬化樹脂層を形成する。次
いで、この硬化樹脂層の上に、一層分の光硬化性樹脂組
成物を供給し、その液面に選択的に光を照射することに
より、先行して形成された硬化樹脂層上にこれと連続す
るよう新しい硬化樹脂層を一体的に積層形成する。こう
して、光が照射されるパターンを変化させながら、ある
いは変化させずに、上記の工程を所定回数繰り返すこと
により、複数の硬化樹脂層が一体的に積層されてなる立
体形状物が形成される。この光学的立体造形法は、目的
とする立体形状物の形状が複雑なものであっても、容易
にしかも短時間で得ることができるために注目されてい
る。
【0004】従来、光学的立体造形法に使用される光硬
化性樹脂組成物としては、下記〔イ〕〜〔ハ〕のような
樹脂組成物が公知である。 〔イ〕ウレタン(メタ)アクリレート、オリゴエステル
(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレー
ト、チオールおよびエン化合物、感光性ポリイミドなど
のラジカル重合性有機化合物を含有する樹脂組成物(例
えば特開平1−204915号公報、特開平2−208
305号公報、特開平3−160013号公報参照)。 〔ロ〕エポキシ化合物、環状エーテル化合物、環状ラク
トン化合物、環状アセタール化合物、環状チオエーテル
化合物、スピロオルソエステル化合物、ビニルエーテル
化合物などのカチオン重合性有機化合物を含有する樹脂
組成物(例えば特開平1−213304号公報参照)。 〔ハ〕ラジカル重合性有機化合物とカチオン重合性有機
化合物とを含有する樹脂組成物(例えば特開平2−28
261号公報、特開平2−75618号公報、特開平6
−228413号公報参照)。
【0005】しかし、このような立体造形法に使用され
る光硬化性樹脂組成物には、効率的な光造形を行なう観
点から、粘度が低く直ちに平滑な液面を形成することが
できると共に、光照射によって迅速に硬化するものであ
ることが要求される。また、当該光硬化性樹脂組成物に
は、立体形状物を構成する硬化物を膨潤させないこと、
光硬化時の硬化収縮に起因する反り、引け、張出部の持
ち上がりなどの変形量が小さいことが要求される。さら
に、光学的立体造形法により得られる立体形状物は、デ
ザインを検討するためのモデル、機械部品の試作品など
として用いられるが、特に機械部品の試作品として用い
る立体形状物には、設計図に忠実な微細加工が高い精度
で施されていること、使用条件に耐え得る十分な機械的
強度、耐熱性、耐水性を有していることなどが要求され
る。
【0006】しかしながら、従来知られている樹脂組成
物は上記の要求に応え得るものではなく、当該樹脂組成
物を光造形して得られる立体形状物には、硬化収縮に起
因する残留ひずみのために、当該立体形状物が経時的に
変形(反り、引け、張出部の持ち上がり)するという問
題があった。特に上記〔イ〕で示した、ウレタン(メ
タ)アクリレート、オリゴエステル(メタ)アクリレー
ト、エポキシ(メタ)アクリレート、チオールおよびエ
ン化合物、感光性ポリイミドなどのラジカル重合性有機
化合物を含有する樹脂組成物を光硬化性樹脂として用い
た場合には、得られる立体造形物はその機械的特性には
比較的優れているにも関わらず、成形精度や造形形状の
経時的安定性という点で十分では無く改善の余地がある
ことは既に指摘されているところである(成形加工誌
第9巻第5号 330ページ〜335ページ 1997
年)。また、このような経時的変形による問題は、入力
CADデータの補正などによってある程度解決すること
ができるが、最近における形状の複雑化、微細化、使用
環境の多様化に伴い、入力CADデータの補正によって
は十分に対処することはできない。
【0007】また、上記〔ロ〕で示される、エポキシ化
合物、環状エーテル化合物、環状ラクトン化合物、環状
アセタール化合物、環状チオエーテル化合物、スピロオ
ルソエステル化合物、ビニルエーテル化合物などのカチ
オン重合性有機化合物を含有する樹脂組成物を光硬化性
樹脂に用いた場合には硬化性が十分ではなく、造形が効
率的に行えないといった問題点を有していた。また造形
で得られた立体形状の成形精度は比較的良好ではある
が、得られた立体形状物の機械的特性が、その使用環境
(温度・湿度)により経時的に低下するために、長期間
にわたって機械的強度が要求される条件下で使用するこ
とができないという問題も有していた。さらに造形物の
耐熱性が十分ではなく、機能部品を造形した際に、実使
用に耐えないという点が指摘されていた。こうした点に
鑑み、上記〔ハ〕に示すようなラジカル重合性有機化合
物とカチオン重合性有機化合物とを含有する樹脂組成物
が提案されてきたが、硬化性という観点ではある一定の
改善は見られるものの、形状物の機械的特性、特に耐熱
性という点では未だ実用に耐え得るものは得られていな
い。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は以上のような
事情に基づいてなされたものである。本発明の第1の目
的は、新規な光硬化性樹脂組成物を提供することにあ
る。本発明の第2の目的は、機械的強度および寸法精度
などが高く、機械部品の試作品などとしても好適な立体
形状物を造形することのできる光硬化性樹脂組成物を提
供することにある。本発明の第3の目的は、形状の経時
的変形が小さい立体形状物を造形することができる光硬
化性樹脂組成物を提供することにある。本発明の第4の
目的は、機械的特性の経時的変化の小さい立体形状物を
造形することができる光硬化性樹脂組成物を提供するこ
とにある。本発明の第5の目的は機械的特性、特に耐熱
性に優れた立体形状物を造形することができる光硬化性
樹脂組成物を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の光硬化性樹脂組
成物は、(A)下記一般式(1):
【0010】
【化2】
【0011】で表されるカチオン重合性化合物、(B)
前記(A)以外のカチオン重合性化合物、(C)カチオ
ン性光重合開始剤、(D)エチレン性不飽和モノマー、
(E)ラジカル性光重合開始剤、および(F)ポリオー
ルを含有してなることを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。 <(A)カチオン重合性化合物>本発明の光硬化性樹脂
組成物に用いられる(A)カチオン重合性化合物〔以下
「(A)成分」ともいう〕は、前記一般式(1)で表さ
れ、カチオン重合性光重合開始剤の存在下で光照射する
ことにより重合反応や架橋反応を起こすカチオン重合性
化合物、詳しくは置換オキシシクロヘキサン骨格を有す
る脂環式化合物である。
【0013】一般式(1)において、Rlはk価の有機
化合物残基であるが、その前駆体である有機化合物とし
ては、アルコール類、フェノール類、カルボン酸類、ア
ミン類、チオール類などが挙げられる。アルコール類と
しては、1価のアルコールでも多価アルコールでもよ
く、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、
ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、オクタノー
ルなどの脂肪族アルコール;ベンジルアルコールのよう
な芳香族アルコール;エチレングリコール、ジエチレン
グリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレング
リコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコ
ール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオー
ル、ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネ
オペンチルグリコール、オキシピバリン酸ネオペンチル
グリコールエステル、シクロヘキサンジメタノール、グ
リセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、トリメチロ
ールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリスリ
トール、ジペンタエリスリトールなどの多価アルコール
などが挙げられる。
【0014】フェノール類としては、フェノール、クレ
ゾール、カテコール、ピロガロール、ハイドロキノン、
ハイドロキノンモノメチルエーテル、ビスフェノール
A、ビスフェノールF、4,4'−ジヒドロキシベンゾ
フェノン、ビスフェノールS、フェノール樹脂、クレゾ
ールノボラック樹脂などが挙げられる。カルボン酸類と
しては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、動植物の脂
肪酸、フマル酸、マレイン酸、アジピン酸、ドデカン2
酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、ポリアクリル
酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸などがあ
る。また、乳酸、クエン酸、オキシカプロン酸など、水
酸基およびカルボン酸を共に有する化合物も挙げられ
る。
【0015】アミン類としてはメチルアミン、エチルア
ミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミ
ン、ヘキシルアミン、シクロヘキシルアミン、オクチル
アミン、ドデシルアミン、4,4'−ジアミノジフェニ
ルメタン、イソホロンジアミン、キシレンジアミン、ジ
エチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、エタノ
ールアミンなどがある。チオール類としては、メチルメ
ルカプタン、エチルメルカプタン、プロピルメルカプタ
ン、フェニルメルカプタンなどのメルカプト類;メルカ
プトプロピオン酸またはメルカプトプロピオン酸の多価
アルコールエステル類、例えばエチレングリコールジメ
ルカプトプロピオン酸エステル、トリメチロールプロパ
ントリメルカプトプロピオン酸エステル、ペンタエリス
リトールペンタメルカプトプロピオン酸エステルなどが
挙げられる。
【0016】その他の前駆体としてはポリビニルアルコ
ール、ポリ酢酸ビニル部分加水分解物、でんぷん、セル
ロース、セルロースアセテート、セルロースアセテート
ブチレート、ヒドロキシエチルセルロース、アクリルポ
リオール樹脂、スチレンアリルアルコール共重合体樹
脂、スチレン−マレイン酸共重合樹脂、アルキッド樹
脂、ポリエステルポリオール樹脂、ポリエステルカルボ
ン酸樹脂、ポリカプロラクトンポリオール樹脂、ポリプ
ロピレンポリオール、ポリテトラメチレングリコールな
どがある。また前駆体の有機化合物は、骨格中に不飽和
2重結合を有していてもよく、その具体例としては、ア
リルアルコール、アクリル酸、メタアクリル酸などが挙
げられる。
【0017】一般式(1)において、基Aは前記一般式
(2)で表される置換オキシシクロヘキサン骨格であ
る。一般式(2)における置換基Xとしては、エポキシ
基が好ましく、例えば下記式(2a):
【0018】
【化3】 で表される〔(1,2−エポキシエチル)シクロへキシ
レン〕オキシ基が挙げられる。(A)成分は、このよう
な〔(1,2−エポキシエチル)シクロへキシレン〕オ
キシ基が分子の末端に付いた、下記式(2b):
【0019】
【化4】 で表される1−ヒドロキシ−3−(1,2−エポキシエ
チル)シクロヘキシル基のようなヒドロキシエポキシエ
チルシクロヘキシル基を少なくとも2個有するものが特
に好ましい。(A)成分の具体例としては、下記一般式
(3)〜(6)で表される化合物が挙げられる。
【0020】
【化5】
【0021】
【化6】
【0022】
【化7】
【0023】
【化8】
【0024】(A)成分として好適に使用できるエポキ
シ化合物の市販品としてはEHPE3150(以上、ダ
イセル化学工業(株)製)などを挙げることができる。
以上のようなカチオン重合性化合物は、1種単独でまた
は2種以上組み合わせて(A)成分を構成することがで
きる。本発明の光硬化性樹脂組成物における(A)成分
の含有割合は、通常2〜45重量%、好ましくは5〜4
0重量%、特に好ましくは10〜35重量%である。
(A)成分の含有割合が過小である場合には、得られる
立体成形物の耐熱性および造形性が低下する。一方、こ
の含有割合が過大である場合には、得られる樹脂組成物
の粘度が高く、造形性が低下する。
【0025】<(B)カチオン重合性化合物>本発明品
の光硬化性樹脂組成物を構成する(B)カチオン重合性
化合物〔以下「(B)成分」ともいう。〕は、(A)成
分以外のカチオン重合性化合物である。(B)成分のカ
チオン重合性化合物は、カチオン性光重合開始剤の存在
下で光照射することにより重合反応や架橋反応を起こ
す、(A)成分以外のカチオン重合性化合物であり、例
えば(A)成分以外のエポキシ化合物、オキセタン化合
物、オキソラン化合物、環状アセタール化合物、環状ラ
クトン化合物、チイラン化合物、チエタン化合物、ビニ
ルエーテル化合物、エポキシ化合部とラクトンとの反応
生成物であるスピロオルソエステル化合物、エチレン性
不飽和化合物、環状エーテル化合物、環状チオエーテル
化合物、ビニル化合物などを挙げることができる。
【0026】(B)成分として使用できるエポキシ化合
物としては、例えば3,4−エポキシシクロヘキシルメ
チル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシ
レート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,
5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサン−メタ
−ジオキサン;ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル
メチル)アジペート;ε−カプロラクトン変性3,4−
エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシ
シクロヘキサンカルボキシレート;トリメチルカプロラ
クトン変性3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−
3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレー
ト;β−メチル−δ−バレロラクトン変性3,4−エポ
キシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシク
ロヘキサンカルボキシレート;ビニルシクロヘキセンオ
キサイド;4−ビニルエポキシシクロヘキサン;ビス
(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチ
ル)アジペート;3,4−エポキシ−6−メチルシクロ
ヘキシル−3’,4’−エポキシ−6’−メチルシクロ
ヘキサンカルボキシレート;メチレンビス(3,4−エ
ポキシシクロヘキサン);ジシクロペンタジエンジエポ
キサイド;エチレングリコールのジ(3,4−エポキシ
シクロヘキシルメチル)エーテル;エチレンビス(3,
4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート);エポ
キシ化テトラベンジルアルコール;ラクトン変性エポキ
シ化テトラヒドロベンジルアルコール;シクロヘキセン
オキサイド;ビスフェノールAジグリシジルエーテル;
ビスフェノールFジグリシジルエーテル;ビスフェノー
ルSジグリシジルエーテル;臭素化ビスフェノールAジ
グリシジルエーテル;臭素化ビスフェノールFジグリシ
ジルエーテル;臭素化ビスフェノールSジグリシジルエ
ーテル;エポキシノボラック樹脂;1,4−ブタンジオ
ールジグリシジルエーテル;1,6−ヘキサンジオール
ジグリシジルエーテル;グリセリントリグリシジルエー
テル;トリメチロールプロパントリグリシジルエーテ
ル;ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル;ポ
リプロピレングリコールジグリシジルエーテル類;エチ
レングリコール、プロピレングリコール;グリセリンな
どの脂肪族多価アルコールに1種または2種以上のアル
キレンオキサイドを付加することにより得られるポリエ
ーテルポリオールのポリグリシジルエーテル類;脂肪族
長鎖二塩基酸のジグリシジルエステル類;脂肪族高級ア
ルコールのモノグリシジルエーテル類;フェノール、ク
レゾール、ブチルフェノールまたはこれらにアルキレン
オキサイドを付加して得られるポリエーテルアルコール
のモノグリシジルエーテル類;高級脂肪酸のグリシジル
エステル類;エポキシ化大豆油;エポキシステアリン酸
ブチル;エポキシステアリン酸オクチル;エポキシ化ア
マニ油;エポキシ化ポリブタジエンなどを例示すること
ができる。またトリメチレンオキシド、3,3−ジメチ
ルオキセタン、3,3−ジクロロメチルオキセタン、3
−エチル−3−フェノキシメチルオキセタン、ビス(3
−エチル−3−メチルオキシ)ブタンなどのオキセタン
類;テトラヒドロフラン、2,3−ジメチルテトラヒド
ロフランなどのオキソラン類;トリオキサン、1,3−
ジオキソラン、1,3,6−トリオキサンシクロオクタ
ンなどの環状アセタール類;β−プロピオラクトン、ε
−カプロラクトンなどの環状ラクトン類;エチレンスル
フィド、1,2−プロピレンスルフィド、チオエピクロ
ロヒドリンなどのチイラン類;3,3−ジメチルチエタ
ンなどのチエタン類;エチレングリコールジビニルエー
テル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、トリ
メチロールプロパントリビニルエーテルなどのビニルエ
ーテル類;エポキシ化合物とラクトンとの反応によって
得られるスピロオルソエステル類;ビニルシクロヘキサ
ン、イソブチレン、ポリブタジエンなどのエチレン性不
飽和化合物類;上記の各化合物の誘導体なども例示する
ことができる。
【0027】これらカチオン重合性化合物のうち、
(B)成分として好適に使用できる化合物としては、例
えば3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,
4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、2−
(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−
3,4−エポキシ)シクロヘキサン−メタ−ジオキサ
ン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)ア
ジペート、ε−カプロラクトン変性3,4−エポキシシ
クロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキ
サンカルボキシレート、トリメチルカプロラクトン変性
3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−
エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、β−メチル
−δ−バレロラクトン変性3,4−エポキシシクロヘキ
シルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカル
ボキシレート、4−ビニルエポキシシクロヘキサン、ビ
ス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチ
ル)アジペート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロ
ヘキシル−3’,4’−エポキシ−6’−メチルシクロ
ヘキサンカルボキシレート、メチレンビス(3,4−エ
ポキシシクロヘキサン)、ジシクロペンタジエンジエポ
キサイド、エチレングリコールのジ(3,4−エポキシ
シクロヘキシルメチル)エーテル、エチレンビス(3,
4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)などが
挙げられる。
【0028】さらに好ましい(B)成分のカチオン重合
性化合物は、3、4−エポキシシクロヘキシルメチル−
3、4−エポキシシクロヘキシルカルボキシレートな
ど、1分子に脂環式エポキシ基を2個以上有する化合物
であり、樹脂組成物に高い硬化性を発現させることがで
きる。上記のカチオン重合性化合物は、1種単独でまた
は2種以上組み合わせて(B)成分を構成することがで
きる。
【0029】本発明の光硬化性樹脂組成物における
(B)成分の含有割合は、通常20〜90重量%であ
り、好ましくは40〜70重量%である。(B)成分の
含有割合が過小である場合には、得られる樹脂組成物の
光硬化性が低下し、十分な機械的強度を有する立体形状
物を造形することができない。一方、この含有割合が過
大である場合には、得られる樹脂組成物の立体形状物の
造形精度が低下する傾向がある。
【0030】<(C)カチオン性光重合開始剤>本発明
の光硬化性樹脂組成物を構成する(C)カチオン性光重
合開始剤〔以下「(C)成分」ともいう。〕は、光など
のエネルギー線を受けることによって、前記(A)成分
のカチオン重合を開始させる物質を放出することができ
る化合物であり、特に好ましい化合物としては、下記一
般式(7): [R3 d4 e5 f6 gW]+j [MYj+k]-j (7) 〔式中、カチオンはオニウムイオンであり、WはS、S
e、Te、P、As、Sb、Bi、O,I、Br、Cl
またはN≡N−であり、R3、R4、R5およびR6は同一
または異なる有機基であり、d、e、fおよびgは各々
0〜3の整数であって、(d+e+f+g)はWの価数
に等しい。Mはハロゲン化物錯体[MYj+k]の中心原子
を構成する金属またはメタロイドであり、例えばB、
P、As、Sb、Fe、Sn、Bi、Al、Ca、I
n、Ti、Zn、Sc、V、Cr、Mn、Coなどであ
る。Yは、例えばF、Cl、Brなどのハロゲン原子で
あり、jはハロゲン化物錯体イオンの正味の電荷であ
り、kはMの原子価である。〕で表されるオニウム塩を
挙げることができる。このオニウム塩は、光を受けるこ
とによりルイス酸を放出する化合物である。
【0031】上記一般式(4)におけるアニオン( M
j+k)の具体例としては、テトラフルオロボレート
(BF4 -)、ヘキサフルオロホスフェート(P
6 -)、ヘキサフルオロアンチモネート(Sb
6 -)、ヘキサフルオロアルセネート(AsF6 -)、
ヘキサクロロアンチモネート(SbCl6 -)などが挙
げられる。また、一般式[MYk(OH)-]で表されるア
ニオンを有するオニウム塩を使用することができる。さ
らに、過塩素酸イオン(ClO4 -)、トリフルオロメ
タンスルフォン酸イオン(CF3 SO3 -)、フルオロ
スルフォン酸イオン(FSO3 -)、トルエンスルフォ
ン酸イオン、トリニトロベンゼンスルフォン酸アニオ
ン、トリニトロトルエンスルフォン酸アニオンなどの他
のアニオンを有するオニウム塩を使用することもでき
る。
【0032】このようなオニウム塩のうち、(C)成分
として特に有効なオニウム塩は芳香族オニウム塩であ
る。中でも、特開昭50−151996号公報、特開昭
50−158680号公報などに記載の芳香族ハロニウ
ム塩、特開昭50−151997号公報、特開昭52−
30899号公報、特開昭56−55420号公報、特
開昭55−125105号公報などに記載のVIA族芳
香族オニウム塩、特開昭50−158698号公報など
に記載のVA族芳香族オニウム塩、特開昭56−842
8号公報、特開昭56−149402号公報、特開昭5
7−192429号公報などに記載のオキソスルホキソ
ニウム塩、特開昭49−17040号公報などに記載の
芳香族ジアゾニウム塩、米国特許第4,139,655
号明細書に記載のチオビリリウム塩などが好ましい。ま
た、鉄/アレン錯体、アルミニウム錯体/光分解ケイ素
化合物系開始剤なども挙げることができる。
【0033】(C)成分として好適に使用できるカチオ
ン性光重合開始剤の市販品としては、UVI−695
0、UVI−6970、UVI−6974、UVI−6
990(以上、ユニオンカーバイド社製)、アデカオプ
トマーSP−150、SP−151、SP−170、S
P−171(以上、旭電化工業(株)製)、Irgac
ure 261(以上、チバスペシャルティケミカルズ
(株)製)、CI−2481、CI−2624、CI−
2639、CI−2064(以上、日本曹達(株)
製)、CD−1010、CD−1011、CD−101
2(以上、サートマー社製)、DTS−102、DTS
−103、NAT−103、NDS−103、TPS−
103、MDS−103、MPI−103、BBI−1
03(以上、みどり化学(株)製)、PCI−061
T、PCI−062T、PCI−020T、PCI−0
22T(以上、日本化薬(株)製)などを挙げることが
できる。これらのうち、UVI−6970、UVI−6
974、アデカオプトマーSP−170、SP−17
1、CD−1012、MPI−103は、これらを含有
してなる樹脂組成物に高い硬化感度を発現させることが
できることから特に好ましい。上記のカチオン性光重合
開始剤は、1種単独でまたは2種以上組み合わせて
(C)成分を構成することができる。
【0034】本発明の光硬化性樹脂組成物における
(C)成分の含有割合は、通常0.1〜10重量%であ
り、好ましくは0.2〜5重量%、特に好ましくは0.
3〜3重量%である。(C)成分の含有割合が過小であ
る場合には、得られる樹脂組成物の光硬化性が低下し、
十分な機械的強度を有する立体形状物を造形することが
できない。一方、この含有割合が過大である場合には、
得られる樹脂組成物を光学的立体造形法に供する場合
に、適当な光透過性を得ることができず硬化深さの制御
が困難となり、得られる立体形状物の造形精度が低下す
る傾向がある。
【0035】<(D)エチレン性不飽和モノマー>本発
明の光硬化性樹脂組成物を構成する(D)エチレン性不
飽和モノマー〔以下「(D)成分」ともいう。〕は、エ
チレン性不飽和結合(C=C)を分子中に有する化合物
であり、1分子中に1個のエチレン性不飽和結合を有す
る単官能モノマー、および1分子中に2個以上、好まし
くは3個以上のエチレン性不飽和結合を有する多官能モ
ノマーを挙げることができる。
【0036】(D)成分として好適に使用できる単官能
性モノマーとしては、例えばアクリルアミド、(メタ)
アクリロイルモルホリン、7−アミノ−3,7−ジメチ
ルオクチル(メタ)アクリレート、イソブトキシメチル
(メタ)アクリルアミド、イソボルニルオキシエチル
(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレ
ート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、エチ
ルジエチレングリコール(メタ)アクリレート、t−オ
クチル(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)ア
クリルアミド、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレ
ート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ラ
ウリル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタジエン
(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチ
ル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)
アクリレート、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミ
ドテトラクロロフェニル(メタ)アクリレート、2−テ
トラクロロフェノキシエチル(メタ)アクリレート、テ
トラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、テトラブ
ロモフェニル(メタ)アクリレート、2−テトラブロモ
フェノキシエチル(メタ)アクリレート、2−トリクロ
ロフェノキシエチル(メタ)アクリレート、トリブロモ
フェニル(メタ)アクリレート、2−トリブロモフェノ
キシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチ
ル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレート、ビニルカプロラクタム、N−ビニル
ピロリドン、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、
ブトキシエチル(メタ)アクリレート、ペンタクロロフ
ェニル(メタ)アクリレート、ペンタブロモフェニル
(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ
(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ
(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレー
ト、メチルトリエチレンジグリコール(メタ)アクリレ
ート、および下記一般式(8)〜(10):
【0037】
【化9】 で表される化合物を例示することができる。
【0038】これらの単官能性モノマーのうち、イソボ
ルニル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリ
レート、フェノキシエチル(メタ)アクリレートが特に
好ましい。これらの単官能性モノマーの市販品として
は、例えばアロニックスM−101、M−102、M−
111、M−113、M−117、M−152、TO−
1210(以上、東亞合成(株)製)、KAYARAD
TC−110S、R−564、R−128H(以上、
日本化薬(株))、ビスコート192、ビスコート22
0、ビスコート2311HP、ビスコート2000、ビ
スコート2100、ビスコート2150、ビスコート8
F、ビスコート17F(以上、大阪有機化学工業(株)
製)などを挙げることができる。
【0039】(D)成分として好適に使用できる多官能
性モノマーとしては、例えばエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、ジシクロペンテニルジ(メタ)アク
リレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テ
トラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリ
シクロデカンジイルジメチレンジ(メタ)アクリレー
ト、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート
ジ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチ
ル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、カプ
ロラクトン変性トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシ
アヌレートトリ(メタ)アクリレート、トリメチロール
プロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド
(以下「EO」とも略記する。)変性トリメチロールプ
ロパントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド
(以下「PO」とも略記する。)変性トリメチロールプ
ロパントリ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリ
コールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコー
ルジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシ
ジルエーテルの両末端(メタ)アクリル酸付加物、1,
4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−
ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリ
スリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリ
トールテトラ(メタ)アクリレート、ポリエステルジ
(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メ
タ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メ
タ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メ
タ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリス
リトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン
変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレー
ト、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレ
ート、EO変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレー
ト、PO変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレー
ト、EO変性水添ビスフェノールAジ(メタ)アクリレ
ート、PO変性水添ビスフェノールAジ(メタ)アクリ
レート、EO変性ビスフェノールFジ(メタ)アクリレ
ート、フェノールノボラックポリグリシジルエーテルの
(メタ)アクリレートなどを例示することができる。
【0040】これらの多官能性モノマーの市販品として
は、例えばSA1002(以上、三菱化学(株)製)、
ビスコート195、ビスコート230、ビスコート26
0、ビスコート215、ビスコート310、ビスコート
214HP、ビスコート295、ビスコート300、ビ
スコート360、ビスコートGPT、ビスコート40
0、ビスコート700、ビスコート540、ビスコート
3000、ビスコート3700(以上、大阪有機化学工
業(株)製)、カヤラッドR−526、HDDA、NP
GDA、TPGDA、MANDA、R−551、R−7
12、R−604、R−684、PET−30、GPO
−303、TMPTA、THE−330、DPHA、D
PHA−2H、DPHA−2C、DPHA−2I、D−
310、D−330、DPCA−20、DPCA−3
0、DPCA−60、DPCA−120、DN−007
5、DN−2475、T−1420、T−2020、T
−2040、TPA−320、TPA−330、RP−
1040、RP−2040、R−011、R−300、
R−205(以上、日本化薬(株)製)、アロニックス
M−210、M−220、M−233、M−240、M
−215、M−305、M−309、M−310、M−
315、M−325、M−400、M−6200、M−
6400(以上、東亞合成(株)製)、ライトアクリレ
ートBP−4EA、BP−4PA、BP−2EA、BP
−2PA、DCP−A(以上、共栄社油脂化学工業
(株)製)、ニューフロンティアBPE−4、TEIC
A、BR−42M、GX−8345(以上、第一工業製
薬(株)製)、ASF−400(以上、新日鐵化学
(株)製)、リポキシSP−1506、SP−150
7、SP−1509、VR−77、SP−4010、S
P−4060(以上、昭和高分子(株)製)、NKエス
テルA−BPE−4(以上、新中村化学工業(株)製)
などを挙げることができる。
【0041】上記の単官能モノマーおよび多官能モノマ
ーは、各々1種単独でまたは2種以上組み合わせるか、
あるいは単官能モノマーの少なくとも1種と多官能モノ
マーの少なくとも1種とを組み合わせて(D)成分を構
成することができるが、(D)成分中には3官能以上、
即ち1分子中に3個以上のエチレン性不飽和結合を有す
る多官能モノマーが60重量%以上の割合で含有されて
いることが好ましい。この3官能以上の多官能モノマー
のさらに好ましい含有割合は70重量%以上であり、特
に好ましくは80重量%以上、最も好ましくは100重
量%である。3官能以上の多官能モノマーの含有割合が
60重量%未満であると、得られる樹脂組成物の光硬化
性が低下すると共に、造形される立体形状物の経時的変
形が生じやすくなることがある。
【0042】かかる3官能以上の多官能モノマーとして
は、上記に例示されたトリ(メタ)アクリレート化合
物、テトラ(メタ)アクリレート化合物、ペンタ(メ
タ)アクリレート化合物、ヘキサ(メタ)アクリレート
化合物の中から選択することができ、これらのうち、ト
リメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO
変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレー
ト、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレー
ト、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレー
ト、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレ
ートが特に好ましい。
【0043】本発明の光硬化性樹脂組成物における
(D)成分の含有割合は、通常1〜45重量%、好まし
くは3〜35重量%であり、特に好ましくは5〜10重
量%である。(D)成分の含有割合が過小である場合に
は、得られる樹脂組成物の光硬化性が低下し、十分な機
械的強度を有する立体形状物を造形することができな
い。一方、この含有割合が過大である場合には、得られ
る樹脂組成物が光硬化により収縮しやすいものとなり、
また、得られる立体形状物について、耐熱性、耐湿性な
どが低下する傾向がある。
【0044】<(E)ラジカル性光重合開始剤>本発明
の光硬化性樹脂組成物を構成する(E)ラジカル性光重
合開始剤〔以下「(E)成分」ともいう。〕は、光など
のエネルギー線を受けることにより分解し、発生するラ
ジカルによって(D)成分のラジカル重合反応を開始さ
せる化合物である。ここで光などのエネルギー線とは、
可視光、紫外光、赤外光、X線、α線、β線、γ線など
を意味する。
【0045】(E)成分として使用することのできるラ
ジカル性光重合開始剤の具体例としては、例えばアセト
フェノン、アセトフェノンベンジルケタール、アントラ
キノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒド
ロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、カルバゾー
ル、キサントン、4−クロロベンゾフェノン、4,4’
−ジアミノベンゾフェノン、1,1−ジメトキシデオキ
シベンゾイン、3,3’−ジメチル−4−メトキシベン
ゾフェノン、チオキサントン系化合物、2−メチル−1
−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ
−プロパン−2−オン、2−ベンジル−2−ジメチルア
ミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1
−オン、トリフェニルアミン、2,4,6−トリメチル
ベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス
(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリ
−メチルペンチルフォスフィンオキサイド、ベンジルジ
メチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニ
ルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル
プロパン−1−オン、フルオレノン、フルオレン、ベン
ズアルデヒド、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾイン
プロピルエーテル、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、
3−メチルアセトフェノン、3,3’,4,4’−テト
ラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン
(BTTB)、およびBTTBとキサンテン、チオキサ
ンテン、クマリン、ケトクマリンその他の色素増感剤と
の組み合わせなどを挙げることができる。これらのう
ち、ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロ
ヘキシルフェニルケトン、2,4,6−トリメチルベン
ゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2−ベンジル
−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニ
ル)−ブタン−1−オンなどが特に好ましい。上記のラ
ジカル性光重合開始剤は、1種単独でまたは2種以上組
み合わせて(E)成分を構成することができる。
【0046】本発明の光硬化性樹脂組成物における
(E)成分の含有割合は、通常0.01〜10重量%で
あり、好ましくは0.1〜8重量%である。(E)成分
の含有割合が過小である場合には、得られる樹脂組成物
のラジカル重合反応速度(硬化速度)が小さくなって造
形に時間を要したり、解像度が低下したりする傾向があ
る。一方、(E)成分の含有割合が過大である場合に
は、過剰量の重合開始剤が樹脂組成物の硬化特性をかえ
って低下させたり、立体形状物の耐湿性や耐熱性に悪影
響を及ぼすことがある。
【0047】<(F)ポリエーテルポリオール>本発明
の光硬化性樹脂組成物を構成する(F)ポリエーテルポ
リオール〔以下「(F)成分」ともいう。〕は、樹脂組
成物の光硬化性、光造形により得られる立体形状物の形
状安定性(経時的変形の抑制性能)および形状安定性
(機械的特性の経時的変化の抑制性能)を発現させるた
めに含有される必須成分である。(F)成分として使用
されるポリエーテルポリオールは、好ましくは1分子中
に3個以上、さらに好ましくは1分子中に3〜6個の水
酸基を有するものである。1分子中に有する水酸基の数
が3個未満のポリエーテルポリオール(ポリエーテルジ
オール)を使用すると、光硬化性の向上効果が十分では
なく、また、得られる立体形状物の機械的特性、特に弾
性率が低下する傾向がある。一方、1分子中に6個を超
えるポリエーテルポリオールを含有させる場合には、得
られる立体形状物の伸びが低下する傾向が見られるとと
もに耐湿性に問題を生じる傾向がある。
【0048】かかる(F)成分としては、例えば、トリ
メチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスルトー
ル、ソルビトール、スクロース、クオドロールなどの3
価以上の多価アルコールを、エチレンオキシド(E
O)、プロピレンオキシド(PO)、ブチレンオキシ
ド、テトラヒドロフランなどの環状エーテル化合物で変
性することにより得られるポリエーテルポリオールを挙
げることができ、具体的には、EO変性トリメチロール
プロパン、PO変性トリメチロールプロパン、テトラヒ
ドロフラン変性トリメチロールプロパン、EO変性グリ
セリン、PO変性グリセリン、テトラヒドロフラン変性
グリセリン、EO変性ペンタエリスリトール、PO変性
ペンタエリスリトール、テトラヒドロフラン変性ペンタ
エリスリトール、EO変性ソルビトール、PO変性ソル
ビトール、EO変性スクロース、PO変性スクロース、
EO変性スクロース、EO変性クオドールなどを例示す
ることができ、これらのうち、EO変性トリメチロール
プロパン、PO変性トリメチロールプロパン、PO変性
グリセリン、PO変性ソルビトールが好ましい。
【0049】(F)成分として使用するポリエーテルポ
リオールの分子量は、好ましくは100〜2,000、
更に好ましくは160〜1,000である。分子量が過
小なポリエーテルポリオールを(F)成分として使用す
ると、得られる樹脂組成物によっては、形状安定性およ
び物性安定性を有する立体形状物を得ることが困難とな
る。一方、分子量が過大なポリエーテルポリオールを
(F)成分として使用すると、得られる樹脂組成物の粘
度が過大となり、光造形により得られる立体形状物の弾
性率が低下する傾向がある。
【0050】(F)成分として使用できるポリエーテル
ポリオールの市販品としては、サンニックスTP−40
0、サンニックスGP−600、サンニックスGP−1
000、サンニックスSP−750、サンニックスGP
−250、サンニックスGP−400、サンニックスG
P−600(以上、三洋化成(株)製)、TMP−3G
lycol、PNT−4 Glycol、EDA−P−
4、EDA−P−8(以上、日本乳化剤(株)製)、G
−300、G−400、G−700、T−400、ED
P−450、SP−600、SC−800(以上、旭電
化工業(株)製)などを挙げることができる。上記のポ
リエーテルポリオールは、1種単独でまたは2種以上組
み合わせて(F)成分を構成することができる。
【0051】本発明の光硬化性樹脂組成物における
(F)成分の含有割合は、通常2〜35重量%、好まし
くは5〜30重量%、特に好ましくは7〜20重量%で
ある。(F)成分の含有割合が過小である場合には、得
られる樹脂組成物の光硬化性の向上効果を十分に図るこ
とができず、また、当該樹脂組成物によっては形状安定
性および物性安定性の良好な立体形状物を得ることがで
きない。一方、(F)成分の含有割合が過大である場合
にも、得られる樹脂組成物の光硬化性が低下し、光造形
により得られる立体形状物の弾性率が低下する傾向があ
る。
【0052】<任意成分>本発明の光硬化性樹脂組成物
には、光硬化性を損なわない範囲において、上記(A)
〜(F)成分以外の任意成分として、光増感剤(重合促
進剤)、反応性希釈剤などを含有させることができる。
光増感剤としては、トリエタノールアミン、メチルジエ
タノールアミン、トリエチルアミン、ジエチルアミンな
どのアミン系化合物;チオキサントン、チオキサントン
の誘導体、アントラキノン、アントラキノンの誘導体、
アントラセン、アントラセンの誘導体、ペリレン、ペリ
レンの誘導体、ベンゾフェノン、ベンゾインイソプロピ
ルエーテルなどが、また反応性希釈剤としては、ビニル
エーテル類、ビニルスルフィド類、ビニルウレタン類、
ウレタンアクリレート類、ビニルウレア類などが挙げら
れる。
【0053】また本発明の光造形用光硬化性樹脂組成物
には、その他の任意成分として、各種の添加剤が含有さ
れていてもよい。かかる添加剤としては、エポキシ樹
脂、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリウレタン、ポ
リブタジエン、ポリクロロプレン、ポリエーテル、ポリ
エステル、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、石
油樹脂、キシレン樹脂、ケトン樹脂、セルロース樹脂、
フッ素系オリゴマー、シリコーン系オリゴマー、ポリス
ルフィド系オリゴマーなどのポリマーまたはオリゴマ
ー;フェノチアジン、2,6−ジ−t−ブチル−4−メ
チルフェノールなどの重合禁止剤;重合開始助剤;レベ
リング剤;濡れ性改良剤;界面活性剤;可塑剤;紫外線
吸収剤;シランカップリング剤;無機充填剤;顔料;染
料などを挙げることができる。本発明の光硬化性樹脂組
成物は、上記(A)〜(F)成分、および必要ならば、
上記任意成分を均一に混合することによって製造するこ
とができる。このようにして得られる光硬化性樹脂組成
物の粘度(25℃)は、50〜2,000cpsである
ことが好ましく、更に好ましくは70〜1,500cp
sである。
【0054】<光学的立体造形法>以上のようにして得
られる本発明の光硬化性(液状)樹脂組成物は、光学的
立体造形法における光硬化性(液状)樹脂物質として好
適に使用される。すなわち、本発明の光硬化性樹脂組成
物に対し、可視光、紫外光、赤外光などの光を選択的に
照射して硬化に必要なエネルギーを供給する光学的立体
造形法により、所望の形状の立体形状物を製造すること
ができる。
【0055】光硬化性樹脂組成物に光を選択的に照射す
る手段としては、特に制限されるものではなく、種々の
手段を採用することができる。例えば、レーザ光、ある
いはレンズ、ミラーなどを用いて得られた収束光などを
走査させながら、組成物に照射する手段、所定のパター
ンの光透過部を有するマスクを用い、このマスクを介し
て非収束光を組成物に照射する手段、多数の光ファイバ
ーを束ねてなる導光部材を用い、この導光部材における
所定のパターンに対応する光ファイバーを介して光を組
成物に照射する手段などを採用することができる。ま
た、マスクを用いる手段においては、マスクとして、液
晶表示装置と同様の原理により、所定のパターンに従っ
て、光透過領域と光不透過領域とよりなるマスク像を電
気光学的に形成するものを用いることもできる。以上に
おいて、目的とする立体形状物が微細な部分を有する
か、または高い寸法精度を要求される場合には、組成物
に選択的に光を照射する手段として、スポット径の小さ
いレーザー光を走査する手段を採用することが好まし
い。なお、容器内に収容された樹脂組成物に対する光の
照射面(例えば収束光の走査平面)は、当該樹脂組成物
の液面、容器の器壁との接触面の何れであってもよい。
樹脂組成物の液面または器壁との接触面を光の照射面と
する場合には、容器の外部から直接、または器壁を介し
て間接的に光を照射することができる。
【0056】前記の光学的立体造形法においては、通
常、樹脂組成物の特定部分を硬化させた後、光の照射位
置(照射面)を、既硬化部分から未硬化部分に連続的
に、または段階的に移動させることにより、硬化部分を
積層させて所望の立体形状とする。ここで、照射位置の
移動は種々の方法によって行うことができ、例えば光
源、樹脂組成物の収容容器、樹脂組成物の既硬化部分の
何れかを移動させたり当該容器に樹脂組成物を追加供給
するなどの方法を挙げることができる。
【0057】前記の光学的立体造形法の代表的な一例を
説明すると、まず収容容器内において昇降自在に設けら
れた支持ステージを樹脂組成物の液面から微小量降下
(沈降)させることにより、当該支持ステージ上に樹脂
組成物を供給してその薄層(1)を形成する。次いで、
この薄層(1)に対して選択的に光を照射することによ
り、固体状の硬化樹脂層(1)を形成する。次いで、こ
の硬化樹脂層(1)上に光硬化性樹脂組成物を供給して
その薄層(2)を形成し、この薄層(2)に対して選択
的に光照射することにより、前記硬化樹脂層(1)上に
これと連続して一体的に積層するよう新しい硬化樹脂層
(2)を形成する。そして、光照射されるパターンを変
化させながらあるいは変化させずに、この工程を所定回
数繰り返すことにより、複数の硬化樹脂層(n)が一体
的に積層されてなる立体形状物が造形される。
【0058】このようにして得られる立体形状物を収容
容器から取り出し、その表面に残存する未反応の樹脂組
成物を除去した後、必要に応じて洗浄する。ここで、洗
浄剤としては、イソプロピルアルコール、エチルアルコ
ールなどのアルコール類に代表される有機溶剤、アセト
ン、酢酸エチル、メチルエチルケトンなどに代表される
有機溶剤、テルペン類に代表される脂肪族系有機溶剤、
低粘度の熱硬化性樹脂および光硬化性樹脂を挙げること
ができる。なお、表面平滑性の良好な立体形状物を製造
する場合には、前記熱硬化性樹脂または光硬化性樹脂を
使用して洗浄することが好ましく、この場合には、洗浄
に使用した硬化性樹脂の種類に応じて、熱照射または光
照射によるポストキュアーを行う必要がある。なお、ポ
ストキュアーは、表面の樹脂を硬化させるだけでなく、
立体形状物の内部に残存することのある未反応の樹脂組
成物をも硬化させることができるので、有機溶剤により
洗浄した場合にもポストキュアーを行うことが好まし
い。
【0059】このようにして得られる立体形状物は、機
械的強度および寸法精度などが高く、耐熱性にも優れて
いる。また、当該立体形状物は、形状安定性および物性
安定性に優れ、機械部品の試作品などとして用いた場合
に優れた耐衝撃性と耐折り曲げ性を示し、好適に使用す
ることができる。さらに、立体形状物の表面強度および
耐熱性を向上させるためには、洗浄処理を施した後に、
熱硬化性または光硬化性のハードコート材を使用するこ
とが好ましい。かかるハードコート材としては、アクリ
ル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂などからなる有
機コート材、あるいは無機ハードコートを使用すること
ができ、これらのハードコート材は、1種単独で、また
は2種以上組み合わせて使用することができる。
【0060】
【実施例】以下、実施例により、本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるも
のではない。実施例1 表1に示す配合処方に従って、EHPE3150(ダイ
セル化学工業(株)製)を10重量部、トリアリールス
ルホニウムヘキサフルオロアンチモネート「UVI−6
974」(ユニオンカーバイド社製)2重量部と、トリ
メチロールプロパントリアクリレート「ビスコート29
5」(大阪有機化学工業(株)製)5重量部と、1−ヒ
ドロキシシクロヘキシルフェニルケトン「イルガキュア
184」(チバガイギースペシャルティケミカルズ
(株)製)2重量部と、PO変性グリセリン「サンニッ
クスGP−250」(三洋化成工業(株)製)8重量部
と、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,
4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート「UV
R−6110」(ユニオンカーバイド社製)68重量部
とを攪拌容器内に仕込み、60℃で1時間攪拌すること
により、透明な液状組成物(本発明の樹脂組成物)を製
造した。実施例2〜4 表1に示す配合処方に従って、(A)〜(F)成分およ
び任意成分(実施例3)を攪拌混合したこと以外は実施
例1と同様にして透明な液状組成物(本発明の光硬化性
樹脂組成物)を製造した。比較例1〜4 表1に示す配合処方に従って、各構成成分を攪拌混合し
たこと以外は実施例1と同様にして透明な液状組成物
(比較用の光硬化性樹脂組成物)を製造した。 <光硬化性樹脂組成物の評価>実施例1〜4および比較
例1〜4により得られた光硬化性樹脂組成物の各々につ
いて、下記の評価方法に従って、光硬化性樹脂組成物の
光硬化性、光硬化性樹脂組成物を用いて立体形状物を造
形し、この立体形状物の耐熱性、造形精度を評価した。
結果を表2に示す。
【0061】〔光硬化性〕照射用光源としてアルゴンイ
オンレーザー(波長351nm、365nm)を搭載し
た光造形装置「ソリッドクリエーターJSC−200
0」(ソニー(株)製)により、各組成物に対して、そ
の液面におけるレーザー光強度が100mWとなる条件
で、走査速度を変えてレーザ光を照射し、形成される硬
化層の厚さ(以下、「硬化深さ」という。)が0.3m
mとなる走査速度(これを「適正走査速度」とする)を
求めた。なお、光硬化性の評価は次のとおりである。 ・適正走査速度が20cm/秒以上である場合:「○」 ・適正走査速度が5〜20cm/秒である場合:「△」 ・適正走査速度が5cm/秒以下、もしくは硬化層を得
ることができなかった場合:「×」 〔熱変形温度〕各組成物を用い、前記光造形装置によ
り、下記(1)〜(4)の条件に従って立体形状物(縦
120mm、横11mm、厚み4mm)を形成した。 (1)液面におけるレーザー光強度:100mW, (2)走査速度:各組成物において硬化深さが0.3m
mとなる適正走査速度, (3)形成する硬化樹脂層の厚み:0.2mm 得られた立体形状物の表面に付着した樹脂組成物を拭き
取り、溶剤洗浄したのち、熱オーブンにより100℃、
約2時間の条件でアニールを行うことにより熱変形温度
測定用の試験片を作製した。このようにして作製された
試験片の熱変形温度を、JIS K7207 A法に従
って測定した。
【0062】〔造形精度の評価〕立体形状物の造形性の
評価は、各樹脂液から造形された立体形状物の寸法を測
定し行った。 (1)立体形状物の造形:照射用光源としてアルゴンイ
オンレーザー(波長351nm、365nm)を搭載し
た前記光造形装置により、下記の造形条件に従って、図
1に示すような、H型の立体形状物を造形した。造形さ
れた立体形状物は、温度23℃,相対湿度50%の恒温
恒湿室内に24時間静置することにより状態調整され
た。 <造形条件> (i)液面におけるレーザー光強度:100mW (ii)走査速度:各組成物において硬化深さが0.30
mmとなる適正走査速度 (ii)形成する硬化樹脂層の厚み:0.2mm (2)立体形状物の寸法精度の測定:得られた立体形状
物において、図1のA,B,Cの距離を、0.01mm
まで測定可能なノギスを使用して測定し、下記式
(I)、(II)により距離AとB間、CとB間の寸法差
を求めた。 寸法差AB = (A−B) (I) 寸法差CB = (C−B) (II) 尚、立体形状物の寸法精度の評価は次のとおりである。
【0063】 ・寸法差AB、CBの絶対値の両方が0.1mm未満の
場合:寸法精度〔◎〕 ・寸法差AB、CBの絶対値の一方が0.1mm未満、
他方が0.1mm以上0.2mm未満の場合:寸法精度
〔○〕 ・寸法差AB,CBの絶対値の両方が0.1mm以上
0.2mm未満の場合:寸法精度〔△〕 ・寸法差AB,CBの絶対値がいずれかが0.2mm以
上の場合もしくは形状物が得られない場合:寸法精度
〔×〕 表2から判るように、実施例1〜4に示した樹脂組成物
はいずれも良好な硬化性、熱変形温度、造形精度を有す
る。一方、比較例1に示した樹脂組成物は硬化性、熱変
形温度は良好な特性を示すが、造形精度が低い。比較例
2は硬化性が低すぎて、造形できなった。比較例3およ
び4では硬化性が低く、評価を行えるだけの満足な立体
形状物を得ることができなかった。
【0064】
【発明の効果】本発明の光硬化性樹脂組成物は、特に光
硬化性および造形精度に優れ、機械部品の試作品などの
光学的立体形状物の造形用として好適で、機械的強度お
よび寸法精度などが高く、しかもこれら性能の経時的変
化が小さい立体造形物を造形することができる。特に予
備硬化後の立体造形物を60℃以上で加熱処理すること
により、耐熱性および透明性に優れた硬化物を得ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例および比較例で造形された造形性評価用
の立体形状物の概略図である。
【表1】
【表2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡邉 毅 東京都中央区築地二丁目11番24号 ジェイ エスアール株式会社内 (72)発明者 宇加地 孝志 東京都中央区築地二丁目11番24号 ジェイ エスアール株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)下記一般式(1): 【化1】 で表されるカチオン重合性化合物、(B)前記(A)以
    外のカチオン重合性化合物、(C)カチオン性光重合開
    始剤、(D)エチレン性不飽和モノマー、(E)ラジカ
    ル性光重合開始剤、および(F)ポリオールを含有して
    なることを特徴とする光硬化性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】前記(A)成分がヒドロキシエポキシエチ
    ルシクロヘキシル基を分子中に少なくとも2個有するカ
    チオン重合性化合物である請求項1記載の光硬化性樹脂
    組成物。
  3. 【請求項3】全組成物に対し、前記(A)成分が2〜4
    5重量%、前記(B)成分が20〜90重量%、前記
    (C)成分が0.1〜10重量%、前記(D)成分が1
    〜45重量%、前記(E)成分が0.01〜10重量
    %、前記(F)成分が2〜35重量%含まれることを特
    徴とする請求項1または請求項2記載の光硬化性樹脂組
    成物。
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