JP2005281414A - 放射線硬化性液状樹脂組成物 - Google Patents

放射線硬化性液状樹脂組成物 Download PDF

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Katsuyuki Takase
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隆郎 八代
Takayoshi Tanabe
隆喜 田辺
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Abstract

【課題】 放射線硬化性に優れ、高い造形精度や耐熱性を維持したまま、優れた耐折曲げ性や破壊靱性を有する造形物を与えることのできる放射線硬化性液状樹脂組成物を提供する。
【解決手段】 (A)一般式(1)
【化1】
Figure 2005281414

(式中、R及びRは、各々独立に直鎖又は分岐した置換されていてもよいアルキル基又はハロゲン原子であり、a及びbは、各々独立に0〜4の整数であり、R及びRは、炭素数2個以上の直鎖又は分岐した2価の有機基であり、mおよびlは1〜10の整数である。nは1〜20の整数である。)で表される構造及びラジカル性及び/又はカチオン性の重合性基を有する化合物、
(B)該成分(A)以外のカチオン重合性化合物、及び
(C)カチオン重合開始剤
を含有することを特徴とする放射線硬化性液状樹脂組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、放射線硬化性に優れ、かつ硬化物の機械的・熱的強度に優れた液状硬化性樹脂組成物に関し、特に耐折り曲げ性や破壊靭性を要求される構造物を製造するための光学的立体造形用樹脂組成物として有用な放射線硬化性液状樹脂組成物に関する。
近年、放射線硬化性の液状物質(液状樹脂組成物)に選択的に光照射して硬化樹脂層を形成する工程を繰り返すことにより、当該硬化樹脂層が一体的に積層されてなる立体形状物を形成する光学的立体造形法が提案されている(特許文献1〜4参照)。この光学的立体造形法の代表的な例を説明すると、容器内に収容された放射線硬化性液状樹脂組成物の液面に、紫外線レーザー等の光を選択的に照射することにより、所定のパターンを有する硬化樹脂層を形成する。次いで、この硬化樹脂層の上に、一層分の放射線硬化性液状樹脂組成物を供給し、その液面に選択的に光を照射することにより、先行して形成された硬化樹脂層上にこれと連続するよう新しい硬化樹脂層を一体的に積層形成する。そして、光が照射されるパターンを変化させながらあるいは変化させずに上記の工程を所定回数繰り返すことにより、複数の硬化樹脂層が一体的に積層されてなる立体形状物が形成される。この光学的立体造形法は、目的とする立体形状物の形状が複雑なものであっても、容易にしかも短時間で得ることができる。本技術は、自動車や家電産業の新製品開発における試作過程において極めて有用であり、開発期間の短縮とコスト削減に不可欠な手段になりつつある。
従来、光学的立体造形法に使用される放射線硬化性液状樹脂組成物としては、下記〔イ〕〜〔ハ〕のような樹脂組成物が紹介されている。
〔イ〕ウレタン(メタ)アクリレート、オリゴエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、チオール及びエン化合物、感光性ポリイミド等のラジカル重合性有機化合物を含有する樹脂組成物(特許文献5〜7参照)。
〔ロ〕エポキシ化合物、環状エーテル化合物、環状ラクトン化合物、環状アセタール化合物、環状チオエーテル化合物、スピロオルソエステル化合物、ビニルエーテル化合物等のカチオン重合性有機化合物を含有する樹脂組成物(特許文献8参照)。
〔ハ〕ラジカル重合性有機化合物とカチオン重合性有機化合物とを含有する樹脂組成物(特許文献9〜14参照)。
このような立体造形法により得られる立体形状物は、これまでデザインを検討するための形状確認モデルとして多用されてきた。しかしながら、近年の市場動向として、実装材料に使用される熱可塑性樹脂等の汎用樹脂と同等の物性を強く求める傾向がある。これは、放射線硬化性樹脂により得られた立体形状物を形状確認のみならず、組み付け試験や落下試験、耐熱試験、耐久試験等の実装材料と同じ評価試験に用いることで、製品の開発期間とコストダウンを狙ったものである。このような評価試験に適用するためには、硬化した樹脂が実装材料と同じ特性を有していなければならない。
ところが、〔イ〕の組成では、硬化収縮が大きく、高い造形精度を得ることは非常に困難である。〔ロ〕の組成では、高い造形精度を得ることができるものの、靭性の低い脆い硬化物を与える傾向にある。また、光硬化後の初期強度(グリーン強度)や硬化速度において〔イ〕より劣り、速い造形速度を達成しにくい。〔ハ〕は、上記2つの手法の欠点を補う形で、高い造形精度と優れた機械的特性を達成している。しかしながら、汎用樹脂と比較して一部の機械的・熱的特性が劣っている。特に破壊靱性において汎用樹脂より低いことが、問題となっている。
特許文献15には、ビフェノール型エポキシ樹脂、液状ビスフェノール型エポキシ樹脂及びエポキシ樹脂硬化剤とを混合してなる硬化性液状エポキシ樹脂組成物が開示されている。さらに特許文献15には、テトラメチルビフェノールとエピクロロヒリンの反応物であって、両末端にエポキシ基を有するポリマーであるYX4000(ジャパンエポキシレジン株式会社製)を用いた硬化性液状エポキシ樹脂組成物が記載されている。この組成物は、低粘度で低温における液状安定性に優れており、耐熱性、耐水性等に優れた硬化物を与えることが記載されている。しかしながら、この組成物を、光造形用途に用いることについては記載されていない。
特開昭60−247515号公報 特開昭62−35966号公報 特開昭62−101408号公報 特開平5−24119号公報 特開平1−204915号公報 特開平2−208305号公報 特開平3−160013号公報 特開平1−213304号公報 特開平2−28261号公報 特開平2−75618号公報 特開平6−228413号公報 特開平11−310626号公報 特開平11−228610号公報 特開平11−240939号公報 特開平7−62060号公報、請求項4、実施例
本発明の目的は、放射線硬化性に優れ、高い造形精度や耐熱性を維持したまま、優れた耐折曲げ性や破壊靱性を有する造形物を与えることのできる放射線硬化性液状樹脂組成物を提供することにある。
そこで、本発明者らは種々検討した結果、剛直なビフェニル骨格と柔軟なアルキレン骨格とを有する重合性化合物を含有した組成物から得られる硬化物は、耐折り曲げ性や破壊靱性等の特性に優れ、高い放射線硬化性や造形精度、耐熱性を両立することを見出した。
すなわち、本発明は、
(A)一般式(1)
Figure 2005281414
(式中、R及びRは、各々独立に直鎖又は分岐した置換されていてもよいアルキル基又はハロゲン原子であり、a及びbは、各々独立に0〜4の整数であり、R及びRは、炭素数2個以上の直鎖又は分岐した2価の有機基であり、mおよびlは1〜10の整数である。nは1〜20の整数である。)で表される構造及びラジカル性及び/又はカチオン性の重合性基を有する化合物、
(B)該成分(A)以外のカチオン重合性化合物、及び
(C)カチオン重合開始剤
を含有することを特徴とする放射線硬化性液状組成物を提供するものである。
さらに、本発明は、上記本発明の放射線硬化性液状樹脂組成物に光を照射する工程を有することを特徴とする光造形物の製造方法を提供する。
本発明によれば、耐熱性・高剛性・高靭性の要求される造形物作成用に好適な光学的立体造形用放射線効果液状樹脂組成物を提供することができる。
本発明の放射線硬化性液状樹脂組成物(以下、本発明の組成物という)に用いられる成分(A)は、下記一般式(1)で表される構造及びラジカル性又はカチオン性の重合性基を有する化合物(以下、成分(A)という)である。
Figure 2005281414
上記一般式(1)において、R及びRは、各々独立に直鎖又は分岐した置換されていてもよいアルキル基又はハロゲン原子であり、a及びbは、各々独立に0〜4の整数であり、R及びRは、炭素数2個以上の直鎖又は分岐した2価の有機基であり、mおよびlは1〜10の整数である。nは1〜20の整数である。
成分(A)は、一般式(1)のビフェニル基とR及びRに炭素数2以上の適当な有機基を有する化合物である。一般式(1)中のR及びRを持たないビフェノール構造化合物は、極めて溶融し難い固体であるため生産性が悪いうえ、結晶性の高さから樹脂組成物中で結晶化する等の問題点があった。そこで、R及びRに適当な有機基を導入し可とう性を付与することで、成分(A)は低融点の固体又は液体となり生産性が向上し、樹脂組成物中での結晶化を回避できる。また、成分(A)はビフェニル構造由来の耐熱性と高強度、有機基R及びR由来の柔軟性と靭性を併せもつ特性を有しており、それぞれ単独の化合物よりも優れた機械的・熱的特性を有する硬化物を与えることができる。
前記一般式(1)中のR及びRは、芳香環の置換基であって、各々独立に直鎖又は分岐した置換されていてもよいアルキル基又はハロゲン原子である。直鎖若しくは分岐したアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−ノニル基、n−デシル基等を挙げることができる。また、アルキル基は任意のハロゲン原子で置換されてもよく、例えばトリクロロメチル基、トリフルオロエチル基、ヘキサフルオロプロピル基、ヘプタデカフルオロデシル基等を挙げることができる。ハロゲン原子としては、塩素、臭素、ヨウ素、フッ素等を挙げることができる。ここで、a及びbはビフェニル基の置換基の数を示し、それぞれ独立に0〜4の整数である。a又はbがゼロである場合、置換基RやRは存在しない。
本発明においては、成分(A)のR及びRとしては、メチル基、ハロゲン原子等が好ましいが、a及びbがゼロであることによりR及びRが存在しない場合が特に好ましい。
前記一般式(1)中のR及びRは、ビフェニル基の結晶性を緩和させる非晶性のものであって、炭素数2個以上の二価の有機基である。R及びRを与える変性化合物としては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,6ヘキサンジオール等の二価のアルコール類、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラハイドロフラン等の環状エーテル類の開環重合物のポリオール類、ε―カプロラクトンの開環重合物等のポリエステル類等が挙げられる。本発明においては、成分(A)のR及びRとして上記の有機基のうち単独又は2種類以上を併用してもよい。
本発明においてR及びRとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等が好ましく、特にネオペンチルグリコール、ポリプロピレングリコールが好ましい。
成分(A)中の前記一般式(1)で表される構造中におけるビフェニル基(下記一般式(2))の占める質量分率(以下、「ビフェニル基濃度」という。)は、成分(A)の5〜50質量%であることが望ましく、さらに10〜40質量%であることが好ましく、15〜30質量%であることが特に好ましい。成分(A)中ビフェニル基濃度が5質量%以下である場合、造形物の耐熱性が得られない。また、50質量%以上の場合、樹脂液の結晶化が生じたり、造形物が脆くなる等の問題がある。
Figure 2005281414
成分(A)は、一般式(1)
Figure 2005281414
(式中、R及びRは、各々独立に直鎖又は分岐した置換されていてもよいアルキル基又はハロゲン原子であり、a及びbは、各々独立に0〜4の整数であり、R及びRは、炭素数2個以上の直鎖又は分岐した2価の有機基であり、mおよびlは1〜10の整数である。nは1〜20の整数である。)で表される構造及びラジカル性及び/又はカチオン性の重合性基を有する化合物である。カチオン重合性基としては、エポキシ基(グリシジル基)、オキセタン基、オキソラン基、環状アセタール基、環状ラクトン基、チイラン基、チエタン基、エポキシ基とラクトン基との反応生成物であるスピロオルトエステル基、ビニルエーテル基、エチレン性不飽和基等を挙げることができる。ラジカル重合性基としては、(メタ)アクリロイル基や(メタ)アリル基、ビニル基等のエチレン性不飽和基が挙げられる。本発明で用いる成分(A)の反応性基としては、エポキシ基(グリシジル基)、オキセタン基、(メタ)アクリロイル基が好ましく、さらにエポキシ基(グリシジル基)が特に好ましい。
成分(A)の数平均分子量は500〜100000であり、好ましくは600〜10000であり、特に好ましくは1000〜50000である。数平均分子量が500未満の場合、靭性改良効果が低く、また100000を超える場合は粘度が高すぎて、取り扱い上問題が生じてしまう。一般式(1)で表される化合物は、1種単独で、又は2種以上組み合わせて成分(A)を構成することができる。
本発明の組成物中における成分(A)の含有量としては、組成物全量に対して、通常5〜80質量%であるが、好ましくは10〜60質量%、さらに好ましくは15〜50質量%である。この場合、成分(A)の含有量が5質量%未満であると十分な改良効果を得ることができない。一方、80質量%を超えると粘度が高くなり、組成物の調製時に気泡が入りやすくなり、結果として造形物への気泡混入等の問題が発生する。
本発明で用いられる、上記成分(A)以外のカチオン重合性化合物(以下、成分(B)又は成分(B)カチオン重合性化合物という)は、カチオン性光重合性開始剤の存在下で光照射することにより重合反応や架橋反応を起こす化合物であり、エポキシ化合物、オキセタン化合物、オキソラン化合物、環状アセタール化合物、環状ラクトン化合物、チイラン化合物、チエタン化合物、エポキシ化合物とラクトン化合物との反応生成物であるスピロオルトエステル化合物、ビニルエーテル化合物、エチレン性不飽和化合物等を挙げることができる。カチオン重合性化合物は、1種単独で、又は2種以上組み合わせて成分(B)を構成することができる。
成分(B)として使用できるエポキシ化合物としては、例えばビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールSジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールFジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールSジグリシジルエーテル、エポキシノボラック樹脂、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールFジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールSジグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサン−メタ−ジオキサン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシル−3’,4’−エポキシ−6’−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、ε−カプロラクトン変性3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、トリメチルカプロラクトン変性3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、β−メチル−δ−バレロラクトン変性3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、メチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサン)、エチレングリコールのジ(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)エーテル、エチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、エポキシシクロへキサヒドロフタル酸ジオクチル、エポキシシクロヘキサヒドロフタル酸ジ−2−エチルヘキシル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル類;エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等の脂肪族多価アルコールに1種又は2種以上のアルキレンオキサイドを付加することにより得られるポリエーテルポリオールのポリグリシジルエーテル類;脂肪族長鎖二塩基酸のジグリシジルエステル類;脂肪族高級アルコールのモノグリシジルエーテル類;フェノール、クレゾール、ブチルフェノール又はアルキレンオキサイドを付加して得られるポリエーテルアルコールのモノグリシジルエーテル類;高級脂肪酸のグリシジルエステル類;エポキシ化大豆油;エポキシステアリン酸ブチル;エポキシステアリン酸オクチル;エポキシ化アマニ油;エポキシ化ポリブタジエン等を例示することができる。
成分(B)として使用することのできるエポキシ化合物以外のカチオン重合性化合物としては、トリメチレンオキシド、3,3−ジメチルオキセタン、3,3−ジククロメチルオキセタン、3−エチル−3−フェノキシメチルオキセタン、ビス(3−エチル−3−メチルオキシ)ブタン等のオキセタン類;テトラヒドロフラン、2,3−ジメチルテトラヒドロフラン等のオキソラン類;トリオキサン、1,3−ジオキソラン、1,3,6−トリオキサンシクロオクタン等の環状アセタール類;β―プロピオラクトン、ε―カプロラクトン等の環状ラクトン類;エチレンスルフィド、1,2−プロピレンスルフィド、チオエピクロロヒドリン等のチイラン類;3,3−ジメチルチエタン等のチエタン類;エチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル等のビニルエーテル類;ビニルシクロヘキサン、イソブチレン、ポリブタジエン等のエチレン性不飽和化合物;上記の各化合物の誘導体等を例示することができる。
これらのカチオン重合性化合物のうち、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ε−カプロラクトン変性3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、トリメチルカプロラクトン変性3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、β−メチル−δ−バレロラクトン変性3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールFジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル等が好ましい。
さらに好ましくは、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート等1分子中に2個以上の脂環式エポキシ基を有する化合物である。良好な硬化速度や機械的強度を保つためには、このエポキシ化合物が成分(B)中に50質量%以上の割合で含有していることが望ましい。
成分(B)として好適に使用できるカチオン重合性有機化合物の市販品としては、UVR−6100、UVR−6105、UVR−6110、UVR−6128、UVR−6200、UVR−6216(以上、ユニオンカーバイド社製)、セロキサイド2021、セロキサイド2021P、セロキサイド2081、セロキサイド2083、セロキサイド2085、エポリードGT−300、エポリードGT−301、エポリードGT−302、エポリードGT−400、エポリード401、エポリード403(以上、ダイセル化学工業(株)製)、KRM−2100、KRM−2110、KRM−2199、KRM−2400、KRM−2410、KRM−2408、KRM−2490、KRM−2200、KRM−2720、KRM−2750(以上、旭電化工業(株)製)、Rapi−cure DVE−3、CHVE、PEPC(以上、ISP社製)エピコート828、エピコート812、エピコート1031、エピコート872、エピコートCT508(以上、ジャパンエポキシレジン株式会社製)、XDO(以上、東亞合成株式会社製)、VECOMER 2010、2020、4010、4020(以上、アライドシグナル社製)等を挙げることができる。
本発明組成物中の成分(B)の含有量は、組成物全量に対して、通常15〜85質量%であるが、30〜80質量%がより好ましく、40〜75質量%がさらに好ましい。成分(B)の含有量が85質量%を超えると光造形物の反り等の変形が大きくなる傾向にあり、一方、15質量%未満の場合は光造形物の十分な機械的、熱的特性が得られない傾向にある。
本発明に用いられる(C)カチオン性重合開始剤(以下、成分(C)という)は、光等のエネルギー線を受けることによって、前記成分(A)及び/又は(B)のカチオン重合を開始させる物質を放出することができる化合物である。ここで、光等のエネルギー線とは可視光、紫外光、赤外光、X線、α線、β線、γ線等を意味する。特に好ましい成分(C)の化合物として、下記一般式(3):
[R W]+p[MXp+q−q (3)
〔式中、カチオンはオニウムイオンであり、WはS、Se、Te、P、As、Sb、Bi、O、I、Br、Cl又はN=Nであり、R、R、R及びRは同一又は異なる有機基であり、a、b、c及びdは各々0〜3の整数であって、(a+b+c+d)はWの価数に等しい。Mはハロゲン化物錯体[MXp+q]の中心原子を構成する金属又はメタロイドであり、例えばB、P、As、Sb、Fe、Sn、Bi、Al、Ca、In、Ti、Zn、Sc、V、Cr、Mn、Co等である。Xは、例えばF、Cl、Br等のハロゲン原子であり、qはハロゲン化物錯体イオンの正味の電荷であり、pはMの原子価である。〕で表される構造を有するオニウム塩を挙げることができる。このオニウム塩は、光を受けることによりルイス酸を放出する化合物である。上記一般式(3)中におけるアニオン[MXp+q−qの具体例としては、テトラフルオロボレート(BF )、ヘキサフルオロホスフェート(PF )、ヘキサフルオロアンチモネート(SbF )、ヘキサフルオロアルセネート(AsF )、ヘキサクロロアンチモネート(SbCl )等が挙げられる。
また、一般式[MX(OH)]で表されるアニオンを有するオニウム塩を使用することができる。さらに、過塩素酸イオン(ClO )、トリフルオロメタンスルフォン酸イオン(CFSO )、フルオロスルフォン酸イオン(FSO )、トルエンスルフォン酸イオン、トリニトロベンゼンスルフォン酸アニオン、トリニトロトルエンスルフォン酸アニオン等の他のアニオンを有するオニウム塩を使用することもできる。
このようなオニウム塩のうち、成分(C)として特に有効なオニウム塩は芳香族オニウム塩である。中でも、特開昭50−151996号公報、特開昭50−158680号公報等に記載の芳香族ハロニウム塩、特開昭50−151997号公報、特開昭52−30899号公報、特開昭56−55420号公報、特開昭55−125105号公報等に記載のVIA族芳香族オニウム塩、特開昭50−158698号公報等に記載のVA族芳香族オニウム塩、特開昭56−8428号公報、特開昭56−149402号公報、特開昭57−192429号公報等に記載のオキソスルホキソニウム塩、特開昭49−17040号公報等に記載の芳香族ジアゾニウム塩、米国特許第4,139,655号明細書に記載のチオビリリウム塩等が好ましい。また、鉄/アレン錯体、アルミニウム錯体/光分解ケイ素化合物系開始剤等も挙げることができる。
成分(C)として好適に使用できるカチオン性光重合開始剤の市販品としては、UVI−6950、UVI−6970、UVI−6974、UVI−6990(以上、ユニオンカーバイド社製)、アデカオプトマーSP−150、SP−151、SP−170、SP−172(以上、旭電化工業(株)製)、Irgacure 261(以上、チバスペシャルティケミカルズ(株)製)、CI−2481、CI−2624、CI−2639、CI−2064(以上、日本曹達(株)製)、CD−1010、CD−1011、CD−1012(以上、サートマー社製)、DTS−102、DTS−103、NAT−103、NDS−103、TPS−103、MDS−103、MPI−103、BBI−103(以上、みどり化学(株)製)、PCI−061T、PCI−062T、PCI−020T、PCI−022T(以上、日本化薬(株)製)、CPI−110A(以上、サンアプロ株式会社製)等を挙げることができる。これらのうち、UVI−6970、UVI−6974、アデカオプトマーSP−170、SP−172、CD−1012、MPI−103、CPI−110Aは、これらを含有してなる樹脂組成物に高い光硬化感度を発現させることができることから特に好ましい。上記のカチオン性光重合開始剤は、1種単独で又は2種以上組み合わせて成分(C)を構成することができる。
本発明の放射線硬化性液状樹脂組成物における成分(C)の含有割合は、組成物全量に対して、通常0.1〜10質量%であり、好ましくは0.2〜5質量%、更に好ましくは0.3〜3質量%である。成分(C)の含有割合が過小である場合には、得られる樹脂組成物の放射線硬化性が低下し、十分な機械的強度、を有する立体形状物を造形することができない。一方、この含有割合が過大である場合には、得られる樹脂組成物を光学的立体造形法に供する場合に、適当な光透過性を得ることができず硬化深さの制御が困難となり、得られる立体形状物の造形精度が低下する傾向がある。
本発明の放射線硬化性液状樹脂組成物には、さらに(D)ポリエーテルポリオール(以下、成分(D)という)を添加することができる。成分(D)を添加することにより、本願組成物に光を照射して得られる硬化物の機械的特性、特に弾性率を向上させることができる。成分(D)の具体例としては、樹脂組成物の放射線硬化性、光造形により得られる立体形状物の形状安定性(経時的変形の抑制性能)及び形状安定性(機械的特性の経時的変化の抑制性能)を向上させるために含有される成分である。成分(D)として使用されるポリエーテルポリオールは、好ましくは1分子中に3個以上、さらに好ましくは1分子中に3〜6個の水酸基を有するものである。1分子中に有する水酸基の数が3個未満のポリエーテルポリオール(ポリエーテルジオール)を使用すると、放射線硬化性の向上効果が十分ではなく、また、得られる立体形状物の機械的特性、特に弾性率が低下する傾向がある。一方、1分子中に6個を超えるポリエーテルポリオールを含有させる場合には、得られる立体形状物の伸びが低下する傾向が見られるとともに耐湿性に問題を生じる傾向がある。
かかる成分(D)としては、例えば、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、スクロース、クオドロール等の3価以上の多価アルコールを、エチレンオキシド(EO)、プロピレンオキシド(PO)、ブチレンオキシド、テトラヒドロフラン等の環状エーテル化合物で変性することにより得られるポリエーテルポリオールを挙げることができ、具体的には、EO変性トリメチロールプロパン、PO変性トリメチロールプロパン、テトラヒドロフラン変性トリメチロールプロパン、EO変性グリセリン、PO変性グリセリン、テトラヒドロフラン変性グリセリン、EO変性ペンタエリスリトール、PO変性ペンタエリスリトール、テトラヒドロフラン変性ペンタエリスリトール、EO変性ソルビトール、PO変性ソルビトール、EO変性スクロース、PO変性スクロース、EO変性スクロース、EO変性クオドール等を例示することができ、これらのうち、EO変性トリメチロールプロパン、PO変性トリメチロールプロパン、PO変性グリセリン、PO変性ソルビトールが好ましい。
成分(D)として使用するポリエーテルポリオールの分子量は、100〜2,000であることが好ましく、更に好ましくは160〜1,000とされる。分子量が過小なポリエーテルポリオールを成分(D)として使用すると、得られる樹脂組成物によっては、形状安定性及び物性安定性を有する立体形状物を得ることが困難となることがある。一方、分子量が過大なポリエーテルポリオールを成分(D)として使用すると、得られる樹脂組成物の粘度が過大となり、光造形により得られる立体形状物の弾性率が低下する恐れがある。
成分(D)として使用できるポリエーテルポリオールの市販品としては、サンニックスTP−400、サンニックスGP−600、サンニックスGP−1000、サンニックスSP−750、サンニックスGP−250、サンニックスGP−400、サンニックスGP−600(以上、三洋化成(株)製)、TMP−3Glycol、PNT−4 Glycol、EDA−P−4、EDA−P−8(以上、日本乳化剤(株)製)、G−300、G−400、G−700、T−400、EDP−450、SP−600、SC−800(以上、旭電化工業(株)製)、SCP−400,SCP−1000、SP−1600(以上、阪本薬品工業株式会社製)等を挙げることができる。上記のポリエーテルポリオールは、1種単独で、又は2種以上組み合わせて成分(D)を構成することができる。
本発明の組成物における成分(D)の含有割合は、組成物全量に対して、通常1〜35質量%であり、好ましくは1〜25質量%、特に好ましくは3〜15質量%である。成分(D)の含有割合が過小である場合には、得られる樹脂組成物の放射線硬化性の向上効果を十分に図ることができず、また、当該樹脂組成物によっては形状安定性及び物性安定性の良好な立体形状物を得ることができない。一方、成分(D)の含有割合が過大である場合にも、得られる樹脂組成物の放射線硬化性が低下し、光造形により得られる立体形状物の弾性率が低下する傾向がある。
本発明の組成物には、さらに(E)平均粒子径10〜1000nmのエラストマー粒子(以下、成分(E)という)を添加することができる。成分(E)を添加することにより、本発明の組成物に光を照射して得られる硬化物の耐衝撃性や破壊靭性を向上させることができる。成分(E)の具体例としては、例えば、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ブタジエン/アクリロニトリル共重合体、スチレン/ブタジエン共重合体、スチレン/イソプレン共重合体、エチレン/プロピレン共重合体、エチレン/α−オレフィン系共重合体、エチレン/α−オレフィン/ポリエン共重合体、アクリルゴム、ブタジエン/(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン/ブタジエンブロック共重合体、スチレン/イソプレンブロック共重合体等をベース成分とするエラストマー粒子を挙げることができる。これらのエラストマー粒子は単独で、又は2種以上組み合わせて成分(E)を構成することができる。
またこれらエラストマー粒子を、メチルメタアクリレートポリマー、メチルメタアクリレート/グリシジルメタアクリレート共重合体等で被覆したコア/シェル型の粒子を挙げることができる。コアの半径とシェルの厚みの比は通常1/2〜1000/1、好ましくは1/1〜200/1である(例えばコア半径350nm、シェルの厚み10nmでは、35/1)。
コア/シェル型の粒子の場合は、前記エラストマー粒子の内、ポリブタジエン、ポリイソプレン、スチレン/ブタジエン共重合体、スチレン/イソプレン共重合体、ブタジエン/(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン/ブタジエンブロック共重合体、スチレン/イソプレンブロック共重合体等を部分架橋したコアに、メチルメタアクリレートポリマーで被覆したエラストマー粒子、メチルメタアクリレート/グリシジルメタアクリレート共重合体で被覆した粒子が特に好ましい。
さらに、成分(E)エラストマー粒子は、粒子内部に架橋構造を取っていてもよく、通常用いられている手段によって架橋することができる。この場合使用される架橋剤としては、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジアリルマレエート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、ジアリルフタレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、メタアクリル酸アリル等が挙げられる。
これらのエラストマー粒子は通常用いられている方法で作製することができ、例えば、乳化重合法が挙げられる。この乳化重合法としては、例えば単量体成分を全量一括して仕込み重合する方法、単量体成分の一部を重合した後、残部を連続的又は断続的に添加する方法、単量体成分を重合の始めから連続的に添加する方法、あるいはシード粒子を用いる方法等を採用することができる。
こうして得られる成分(E)エラストマー粒子の平均粒子径は10nm〜1000nmである。10nm未満では得られる立体形状物の耐衝撃性や破壊靭性が低下したり、樹脂液の粘度が上昇し、立体形状物の生産性や造形精度に影響を及ぼし、一方、1000nmを超えると、十分に表面平滑な立体形状物が得られなかったり、造形精度が低下する。上記のようなコア/シェル型エラストマー粒子の市販品としては、例えば、レジナスボンドRKB(レジナス化成(株)製)、テクノMBS−61、MBS−69(以上、テクノポリマー(株)製)等を挙げることができる。
本発明の組成物における成分(E)の含有割合は、組成物全量に対して、通常1〜35質量%であり、好ましくは2〜20質量%、特に好ましくは3〜10質量%である。成分(E)の含有割合が過小である場合には、耐衝撃性や破壊靭性が低下し、一方、この含有割合が過大である場合には、粘度が高くなり造形時に気泡が発生したり、得られる立体形状物の造形精度が低下する傾向がある。
本発明の組成物には、さらに(F)上記(A)成分以外のラジカル重合性基を有する化合物(以下、成分(F)という)及び(G)ラジカル重合開始剤(以下、成分(G)という)を含有させることが好ましい。成分(F)は、具体的にはエチレン性不飽和結合(C=C)を分子中に有する化合物であり、1分子中に1個のエチレン性不飽和結合を有する単官能モノマー、及び1分子中に2個以上のエチレン性不飽和結合を有する多官能モノマーを挙げることができる。
成分(F)として好適に使用できる単官能性モノマーとしては、例えばアクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン、7−アミノ−3,7−ジメチルオクチル(メタ)アクリレート、イソブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、イソボルニルオキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、エチルジエチレングリコール(メタ)アクリレート、t−オクチル(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタジエン(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミドテトラクロロフェニル(メタ)アクリレート、2−テトラクロロフェノキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、テトラブロモフェニル(メタ)アクリレート、2−テトラブロモフェノキシエチル(メタ)アクリレート、2−トリクロロフェノキシエチル(メタ)アクリレート、トリブロモフェニル(メタ)アクリレート、2−トリブロモフェノキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ビニルカプロラクタム、N−ビニルピロリドン、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、ペンタクロロフェニル(メタ)アクリレート、ペンタブロモフェニル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、メチルトリエチレンジグリコール(メタ)アクリレートで表される化合物を例示することができる。
これらの単官能性モノマーうち、イソボルニル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレートが特に好ましい。これらの単官能性モノマーの市販品としては、例えばアロニックスM−101、M−102、M−111、M−113、M−117、M−152、TO−1210(以上、東亞合成(株)製)、KAYARAD TC−110S、R−564、R−128H(以上、日本化薬(株))、ビスコート192、ビスコート220、ビスコート2311HP、ビスコート2000、ビスコート2100、ビスコート2150、ビスコート8F、ビスコート17F(以上、大阪有機化学工業(株)製)等を挙げることができる。
成分(F)として好適に使用できる多官能性モノマーとしては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジイルジメチレンジ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド(以下「EO」という。)変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド(以下「PO」という。)変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルの両末端(メタ)アクリル酸付加物、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ポリエステルジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、EO変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、PO変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、EO変性水添ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、PO変性水添ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、EO変性ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、フェノールノボラックポリグリシジルエーテルの(メタ)アクリレート等を例示することができる。
これらの多官能性モノマーの市販品としては、例えば、SA1002(以上、三菱化学(株)製)、ビスコート195、ビスコート230、ビスコート260、ビスコート215、ビスコート310、ビスコート214HP、ビスコート295、ビスコート300、ビスコート360、ビスコートGPT、ビスコート400、ビスコート700、ビスコート540、ビスコート3000、ビスコート3700(以上、大阪有機化学工業(株)製)、カヤラッドR−526、HDDA、NPGDA、TPGDA、MANDA、R−551、R−712、R−604、R−684、PET−30、GPO−303、TMPTA、THE−330、DPHA、DPHA−2H、DPHA−2C、DPHA−2I、D−310、D−330、DPCA−20、DPCA−30、DPCA−60、DPCA−120、DN−0075、DN−2475、T−1420、T−2020、T−2040、TPA−320、TPA−330、RP−1040、RP−2040、R−011、R−300、R−205(以上、日本化薬(株)製)、アロニックスM−210、M−220、M−233、M−240、M−215、M−305、M−309、M−310、M−315、M−325、M−400、M−6200、M−6400(以上、東亞合成(株)製)、ライトアクリレートBP−4EA、BP−4PA、BP−2EA、BP−2PA、DCP−A(以上、共栄社化学(株)製)、ニューフロンティアBPE−4、BR−42M、GX−8345(以上、第一工業製薬(株)製)、ASF−400(以上、新日鐵化学(株)製)、リポキシSP−1506、SP−1507、SP−1509、VR−77、SP−4010、SP−4060(以上、昭和高分子(株)製)、NKエステルA−BPE−4(以上、新中村化学工業(株)製)等を挙げることができる。
上記の単官能モノマー及び多官能モノマーは、各々1種単独で又は2種以上組み合わせるか、あるいは単官能モノマーの少なくとも1種と多官能モノマーの少なくとも1種とを組み合わせて成分(F)を構成することができるが、成分(F)中には3官能以上、即ち1分子中に3個以上のエチレン性不飽和結合を有する多官能モノマーが、成分(F)全体を100質量%として、60質量%以上の割合で含有されていることが好ましい。この3官能以上の多官能モノマーのさらに好ましい含有割合は70質量%以上であり、特に好ましくは80質量%以上、最も好ましくは100質量%である。3官能以上の多官能モノマーの含有割合が60質量%以上であると、得られる樹脂組成物の放射線硬化性がより向上すると共に、造形される立体形状物の経時的変形が生じにくくなる傾向がある。
かかる3官能以上の多官能モノマーとしては、上記に例示されたトリ(メタ)アクリレート化合物、テトラ(メタ)アクリレート化合物、ペンタ(メタ)アクリレート化合物、ヘキサ(メタ)アクリレート化合物等の中から選択することができ、これらのうち、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレートが特に好ましい。
本発明の放射線硬化性液状樹脂組成物における成分(F)の含有量は、組成物全量に対して、通常0〜25質量%であり、好ましくは0〜15質量%である。
成分(G)ラジカル重合開始剤は、光等のエネルギー線を受けることにより分解し、発生するラジカルによって成分(A)及び(F)のラジカル重合反応を開始させる化合物である。
成分(G)として使用することのできるラジカル重合開始剤の具体例としては、例えばアセトフェノン、アセトフェノンベンジルケタール、アントラキノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、カルバゾール、キサントン、4−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、1,1−ジメトキシデオキシベンゾイン、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、チオキサントン系化合物、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパン−2−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、トリフェニルアミン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリ−メチルペンチルフォスフィンオキサイド、ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、フルオレノン、フルオレン、ベンズアルデヒド、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、3−メチルアセトフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン(BTTB)、及びBTTBとキサンテン、チオキサンテン、クマリン、ケトクマリンその他の色素増感剤との組み合わせ等を挙げることができる。これらのうち、ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン等が特に好ましい。上記のラジカル性光重合開始剤は、1種単独で又は2種以上組み合わせて成分(G)を構成することができる。
本発明の放射線硬化性液状樹脂組成物における成分(G)の含有割合は、組成物全量に対して、通常0.01〜10質量%であり、好ましくは0.1〜5質量%である。成分(G)の含有割合が過小である場合には、得られる樹脂組成物のラジカル重合反応速度(硬化速度)が低くなって造形に時間を要したり、解像度が低下したりする傾向がある。一方、成分(G)の含有割合が過大である場合には、過剰量の重合開始剤が樹脂組成物の硬化特性を低下させたり、立体形状物の耐湿性や耐熱性に悪影響を及ぼすことがある。
本発明の放射線硬化性液状樹脂組成物には、さらに光増感剤(重合促進剤)、反応性希釈剤等を含有させることができる。光増感剤としては、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリエチルアミン、ジエチルアミン等のアミン系化合物;チオキサントン、チオキサントンの誘導体、アントラキノン、アントラキノンの誘導体、アントラセン、アントラセンの誘導体、ペリレン、ペリレンの誘導体、ベンゾフェノン、ベンゾインイソプロピルエーテル等が挙げられる。
また本発明の光造形用放射線硬化性液状樹脂組成物には、本発明の目的、効果を損なわない範囲において、その他の任意成分として各種の添加剤が含有されていてもよい。かかる添加剤としては、エポキシ樹脂、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリウレタン、ポリブタジエン、ポリクロロプレン、ポリエーテル、ポリエステル、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、石油樹脂、キシレン樹脂、ケトン樹脂、セルロース樹脂、フッ素系オリゴマー、シリコーン系オリゴマー、ポリスルフィド系オリゴマー等のポリマーあるいはオリゴマー;フェノチアジン、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール等の重合禁止剤;重合開始助剤;レベリング剤;濡れ性改良剤;界面活性剤;可塑剤;紫外線吸収剤;シランカップリング剤;無機充填剤;顔料;染料等を挙げることができる。本発明の放射線硬化性液状樹脂組成物は、上記成分(A)〜成分(I)、及び必要ならば上記任意成分を均一に混合することによって製造することができる。このようにして得られる放射線硬化性液状樹脂組成物の粘度(25℃)は、10〜20,000cpsであることが好ましく、更に好ましくは50〜10、000cpsであり、特に好ましくは50cps〜5,000cpsである。
本発明の組成物は、上記成分(A)〜(G)及びその他の添加剤等の適量を攪拌容器に仕込み、通常、30〜70℃、好ましくは50〜60℃の温度で、通常1〜6時間、好ましくは1〜2時間攪拌することによって製造することができる。
以上のようにして得られる本発明の放射線硬化性液状樹脂組成物は、光学的立体造形法における放射線硬化性液状樹脂組成物として好適に使用される。すなわち、本発明の放射線硬化性液状樹脂組成物に対して、可視光、紫外光、赤外光等の光を選択的に照射して硬化に必要なエネルギーを供給する光学的立体造形法により、所望の形状の立体形状物を製造することができる。
放射線硬化性液状樹脂組成物に光を選択的に照射する手段としては、特に制限されるものではなく、種々の手段を採用することができる。例えば、レーザー光、あるいはレンズ、ミラー等を用いて得られた収束光等を走査させながら組成物に照射する手段、所定のパターンの光透過部を有するマスクを用い、このマスクを介して非収束光を組成物に照射する手段、多数の光ファイバーを束ねてなる導光部材を用い、この導光部材における所定のパターンに対応する光ファイバーを介して光を組成物に照射する手段等を採用することができる。また、マスクを用いる手段においては、マスクとして、液晶表示装置と同様の原理により、所定のパターンに従って、光透過領域と光不透過領域とからなるマスク像を電気光学的に形成するものを用いることもできる。以上において、目的とする立体形状物が微細な部分を有するもの又は高い寸法精度が要求されるものである場合には、組成物に選択的に光を照射する手段として、スポット径の小さいレーザー光を走査する手段を採用することが好ましい。なお、容器内に収容されている樹脂組成物における光の照射面(例えば収束光の走査平面)は、当該樹脂組成物の液面、透光性容器の器壁との接触面の何れであってもよい。樹脂組成物の液面又は器壁との接触面を光の照射面とする場合には、容器の外部から直接又は器壁を介して光を照射することができる。
前記の光学的立体造形法においては、通常、樹脂組成物の特定部分を硬化させた後、光の照射位置(照射面)を、既硬化部分から未硬化部分に連続的に又は段階的に移動させることにより、硬化部分を積層させて所望の立体形状とする。ここで、照射位置の移動は種々の方法によって行うことができ、例えば光源、樹脂組成物の収容容器、樹脂組成物の既硬化部分の何れかを移動させたり当該容器に樹脂組成物を追加供給する等の方法を挙げることができる。前記の光学的立体造形法の代表的な一例を説明すると、収容容器内において昇降自在に設けられた支持ステージを樹脂組成物の液面から微小量降下(沈降)させることにより、当該支持ステージ上に樹脂組成物を供給してその薄層(1)を形成する。次いで、この薄層(1)に対して選択的に光を照射することにより、固体状の硬化樹脂層(1)を形成する。次いで、この硬化樹脂層(1)上に放射線硬化性液状樹脂組成物を供給してその薄層(2)を形成し、この薄層(2)に対して選択的に光照射することにより、前記硬化樹脂層(1)上にこれと連続して一体的に積層するよう新しい硬化樹脂層(2)を形成する。そして、光照射されるパターンを変化させながら或いは変化させずに、この工程を所定回数繰り返すことにより、複数の硬化樹脂層(n)が一体的に積層されてなる立体形状物が造形される。
このようにして得られる立体形状物を収容容器から取り出し、その表面に残存する未反応の樹脂組成物を除去した後、必要に応じて洗浄する。ここで、洗浄剤としては、イソプロピルアルコール、エチルアルコール等のアルコール類に代表されるアルコール系有機溶剤;アセトン、酢酸エチル、メチルエチルケトン等に代表されるケトン系有機溶剤;テルペン類に代表される脂肪族系有機溶剤;低粘度の熱硬化性樹脂及び放射線硬化性樹脂を挙げることができる。なお、表面平滑性の良好な立体形状物を製造する場合には、前記熱硬化性樹脂又は放射線硬化性樹脂を使用して洗浄することが好ましく、この場合には、洗浄に使用した硬化性樹脂の種類に応じて、熱照射又は光照射によるポストキュアーを行う必要がある。なお、ポストキュアーは、表面の樹脂を硬化させるだけでなく、立体形状物の内部に残存することのある未反応の樹脂組成物をも硬化させることができるので、有機溶剤により洗浄した場合にもポストキュアーを行うことが好ましい。
このようにして得られる立体形状物は、光造形後の初期強度に優れ、寸法精度が高く、機械的、熱的特性に優れ、特に破壊靭性にも優れている。さらに、立体形状物の表面強度及び耐熱性を向上させるためには、洗浄処理を施した後に、熱硬化性又は放射線硬化性のハードコート材を使用することが好ましい。かかるハードコート材としては、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂等からなる有機コート材、あるいは無機ハードコートを使用することができ、これらのハードコート材は、1種単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
本発明において得られた光造形物は、さらに耐熱性、破壊靱性特性を向上させ、短時間で所望する特性を得るために通常40〜200℃、好ましくは60〜150℃、さらに好ましくは80〜120℃の加熱処理を施すことができる。この場合、200℃以上では光造形物の熱変形が起こり、寸法精度が得られない傾向にある。
次に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。
実施例1〜9及び比較例1〜4
下記表1に示す配合処方に従って各成分を攪拌容器内に仕込み、60℃で3時間攪拌することにより、液状組樹脂成物を製造した。表1の配合処方は、質量部で示す。
表1中に記載の各成分の詳細は以下の通りである:
1)3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキシルカルボキシレート(ユニオンカーバイド社製UVR−6110)
2)ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート)(ユニオンカーバイド社製UVR−6199)
3)ビスフェノールAジグリシジルエーテル(ジャパンエポキシレジン製エピコート828)
4)キシリレンジオキセタン(東亞合成株式会社製XDO)
5)エラストマー粒子(レジナス化成株式会社製レジナスボンドRKB)
6)PO変性トリメチロールプロパン(三洋化成株式会社製サンニックスGP−400)
7)ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬株式会社製DPHA)
8)「A−1(前記一般式(1)においてaとbがいずれもゼロであり、R及びRが下記式(4)で示される構造であり、m及びlは8〜11であって、nが平均1であり、一般式(1)の両末端がグリシジル基である。ビフェニル基濃度約10%、数平均分子量約1000)」
Figure 2005281414
9)「A−2(前記一般式(1)においてaとbがいずれもゼロであり、R及びRは前記式(4)で示される構造であり、m及びlは3〜5であって、nが2〜8であり、一般式(1)の両末端がグリシジル基である。ビフェニル基濃度約25%、数平均分子量約2600)」
10)「A−3(前記一般式(1)においてaとbがいずれもゼロであり、R及びRが下記式(5)で示される構造であり、m及びlは1であって、nが1〜5であり、一般式(1)の両末端がグリシジル基である。ビフェニル基濃度約25%、数平均分子量約1000)」
Figure 2005281414
11)SR−16H 1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル(阪本薬品工業株式会社製)
12)YX4000 テトラメチルビフェノールとエピクロロヒドリンの反応物であって、両末端にエポキシ基を有するポリマー(ジャパンエポキシレジン株式会社製)
13)トリアリールスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート(ダウ・ケミカル株式会社製UVI6974)
14)1‐ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバスペシャリティケミカルズ株式会社製イルガキュア184)
試験例
[粘度の測定]
(1)測定
東洋精機株式会社製BM型粘度計を用いて樹脂液の粘度を25℃で測定した。
[ヤング率の測定]
(1)試験片の作製
樹脂液をガラス板状に200μm厚に塗布し、高圧水銀灯を用いて500mJ/cmを照射することで硬化膜を得た。硬化膜は、温度23℃、湿度50%の恒温恒湿室内に24時間静置したのち、測定を行った。
(2)測定
このようにして作製した硬化膜から5cm×0.6cmの寸法の試験片を切り出した。島津製作所製引張り測定試験機AGS−50Gを用いて、試験片のヤング率を測定した。引張り速度1mm/m、標線間距離3cm(両端掴みしろ1cm)で行った。
[折り曲げ試験]
(1)試験片の作製
上記に示す同法により得られた硬化膜を温度23℃、湿度50%の恒温恒湿室内に24時間静置したのち、測定を行った。
(2)測定
このようにして作製した硬化膜から12cm×3cmの寸法の試験片を切り出した。MIT式折り曲げ試験機を用いて、試験片が破断するまでの折り曲げ回数を測定した。初期荷重は200gで測定した。
[耐熱性試験]
(1)試験片の作製
上記に示す同法により得られた硬化膜を温度23℃、湿度50%の恒温恒湿室内に24時間静置したのち、80℃で2時間加熱処理を行った。
(2)測定
このようにして作製した試験片の動的粘弾性測定装置を用いてガラス転移温度(Tg)を測定した。Tgが50℃以下のもを×、50℃以上70℃以下のものを△、70℃以上のものを○とした。
[耐衝撃性]
(1)試験片の作製
ソリッドクリエーターSCS−300P(ソニーマニュファクチュアリングシステムズ(株)製)を使用し、照射面(液面)におけるレーザーパワー100mW、各組成において硬化深さが0.3mmとなる走査速度の条件で、放射線硬化性樹脂組成物に対して選択的にレーザー光を照射して硬化樹脂層(厚さ0.20mm)を形成する工程を繰り返すことにより、JIS K6911規格に準じた試験片(長さ63.5mm、幅12.7mm、厚さ6.4mm)を造形した。次いで、この試験片をソリッドクリエーターから取り出し、外表面に付着している樹脂組成物を洗浄除去した。試験片は温度23℃、湿度50%の恒温恒湿室内に24時間静置したのち、測定を行った。
(2)評価
このようにして作製した試験片は、試験片中央の幅方向に2.54mm深さのVノッチを入れ、JIS K6911規格に従い安田精機製アイゾット衝撃試験機でアイゾット衝撃値を測定した。アイゾット衝撃値が2kJ/m以下を×、2〜3kJ/mを△、3〜4kJ/mを○、4kJ/m以上を◎とした。
[保存安定性]
(1)保存方法
上記に示す同法により得られた樹脂液を温度23℃、湿度50%の環境下で1ヶ月間静置した。
(2)評価
上記に示す保存法で、樹脂液の外観に異常が認められたものを×、正常なものを○とした。
[グリーン強度の測定]
(1)試験片の作製
ソリッドクリエーターSCS−300Pを使用し、照射面(液面)におけるレーザーパワー100mWで、走査速度300mm/秒で照射光量が硬化幅200μmとした場合約170mJ/cmとなるように長さ3cmを1回だけ描画することで、硬化ラインを1本製作した。
(2)測定
このようにして得られた硬化ラインは、水平ブロック上に片端15mmを固定し、端面から15mmの張り出しとなるようにした。そして、ブロック水平面からの張り出し片端の垂れをグリーン強度として評価した。片端の垂れが10mm以上の場合は×、10mm以下〜5mm以上は△、5mm以下の場合は○とした。
得られた結果を表1に示す。
Figure 2005281414
表1の実施例1〜7にあるように、一般式(1)で表される成分(A)を含有する樹脂組成では、それを含有しない比較例1〜4と比較して優れた折り曲げ耐性と耐衝撃性を有している。
ビスフェノールA骨格を有するエポキシモノマー(ビスフェノールAジグリジシルエーテル;SR−16H)を大量に用いた比較例2では、耐衝撃性が十分ではない。また、脂肪族鎖の1,6−ヘキサンジオール骨格を有するエポキシモノマー(1,6−ヘキサンジオールグリシジルエーテル)を用いた比較例3は、ヤング率や耐熱性、グリーン強度が低い。ビフェニル骨格だけを有するエポキシモノマー(ビフェニルグリジシルエーテル;YX4000)を用いた比較例4では、保存安定性が悪く、樹脂液調製後にビフェニルエポキシモノマーが結晶化してしまい、硬化膜や造形物を測定可能な精度で得ることができなかった。
従って、ビフェニル骨格又は脂肪族骨格、ビスフェノールA骨格単独のモノマーでは目的とする高靭性、高弾性率、耐熱性、保存安定性を両立したものを得ることが出来ないことがわかる。
成分(A)のビフェニル基濃度が10%のモノマーを用いた実施例1では、折り曲げ耐性や耐衝撃性は良好であるが、ヤング率及び耐熱性、グリーン強度が十分でなかった。ビフェニル基濃度が20%以上のモノマーを用いた実施例2〜3の場合、折り曲げ耐性と耐衝撃性を維持したまま、耐熱性とヤング率、グリーン強度を両立した優れた硬化物を得ることができた。
これらの効果は成分(A)のビフェニル構造に由来する高剛性、高耐熱性とビフェニル基以外の有機基由来の柔軟性によるものである。
また、実施例4より、アクリルモノマーがない場合でも良好な硬化物特性が得られるが、グリーン強度が十分でない。しかし、実施例5より、オキセタンモノマーを併用することで、アクリルモノマーが無くとも十分なグリーン強度が発現していた。実施例8では、エラストマー粒子がない場合でも成分(A)を用いることで、ある程度の耐衝撃性と折り曲げ耐性が得られた。実施例7より、ポリオールがない場合でも優れた特性が得られるが、若干グリーン強度が低下した。
以上の結果から、本発明の組成物から形成された光学的立体造形物は、耐熱性と高剛性を維持したまま高靭性を両立した優れた硬化物特性を示した。
本発明の組成物は、耐熱性・高剛性・高靱性の要求される造形物作製用の工学的立体造形用樹脂組成物として有用である。
本発明の組成物から形成された光学的立体造形物は、耐熱性と高剛性を維持したまま高靭性を両立した優れた硬化物特性が要求される試作・評価用部品として極めて有用である。

Claims (6)

  1. (A)一般式(1)
    Figure 2005281414
    (式中、R及びRは、各々独立に直鎖又は分岐した置換されていてもよいアルキル基又はハロゲン原子であり、a及びbは、各々独立に0〜4の整数であり、R及びRは、炭素数2個以上の直鎖又は分岐した2価の有機基であり、mおよびlは1〜10の整数である。nは1〜20の整数である。)で表される構造及びラジカル性及び/又はカチオン性の重合性基を有する化合物、
    (B)該成分(A)以外のカチオン重合性化合物、及び
    (C)カチオン重合開始剤
    を含有することを特徴とする放射線硬化性液状樹脂組成物。
  2. 前記成分(A)中の前記一般式(1)で表される構造部分に占めるビフェニル基(一般式(2))の質量分率が、成分(A)の5〜50質量%であることを特徴とする請求項1に記載の放射線硬化性液状樹脂組成物。
    Figure 2005281414
  3. (D)ポリエーテルポリオール化合物をさらに含有することを特徴とする請求項1〜2のいずれか一に記載の放射線硬化性液状樹脂組成物。
  4. (E)平均粒径10〜1000nmのエラストマー粒子をさらに含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一に記載の放射線硬化性液状樹脂組成物。
  5. (F)前記成分(A)以外のラジカル重合性化合物及び(G)ラジカル重合開始剤を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一に記載の放射線硬化性液状樹脂組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれか一に記載の放射線硬化性液状樹脂組成物に光を照射する工程を有することを特徴とする光造形物の製造方法。
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