JPH11224420A

JPH11224420A - 磁気カード

Info

Publication number: JPH11224420A
Application number: JP2479198A
Authority: JP
Inventors: Takeki Shibuya; 武樹渋谷; Tatsunosuke Ogawa; 達之助小川; Tokuo Takahashi; 徳男高橋
Original assignee: Dai Nippon Printing Co Ltd
Current assignee: Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date: 1998-02-05
Filing date: 1998-02-05
Publication date: 1999-08-17

Abstract

(57)【要約】【課題】カードの全面に十分な濃度を有する画像が印刷
でき、かつ画像の印刷による磁気出力の低下及び／又は
磁気出力の不均一が生じない磁気カードを提供する。【解決手段】カード基材上面の全面に形成された磁気層
と、該磁気層上に形成された磁気隠蔽層と、該磁気隠蔽
層上に形成され、昇華転写方式により画像が形成された
画像受像層とを有し、前記磁気層による磁気出力データ
が磁気カードリーダなどの外部機器で読みとることがで
きるように、前記磁気層表面からカード表面までの膜厚
が調整されている磁気カード。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、磁気カードに関
し、特にキャッシュカード、プリペイドカード、ＩＤカ
ードなどのように、磁気情報記録位置に関わらず、カー
ド全面に階調画像及び／または非階調画像を形成するこ
とによってカードの有効性や美観を高めることができる
磁気カードに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、普及している磁気カードの例とし
て、カード辺縁部に磁気ストライプをもつ磁気カードを
図３に示す。カード基材３１及び磁気ストライプ３２の
上層に磁気隠蔽層３３を積層し、磁気隠蔽層３３の上層
に印刷層３４を形成する。磁気ストライプ３２には暗証
番号、ＩＤ番号などの情報を記録することができる。こ
のような磁気カードの場合、磁気ストライプ３２以外の
領域にデザインを印刷する。

【０００３】また、カード基材上層の全面に磁気層を有
する磁気カードの例を図４に示す。カード基材４１上層
の磁気層４２の上層に、磁気隠蔽層４３を積層し、その
表面にイエロー、マゼンタ、シアン、およびブラックか
ら選ぶ１〜４色のインキを用いてオフセット印刷するこ
とにより、階調画像及び／または非階調画像をオフセッ
ト印刷層４４として形成した磁気カードである。図４で
は３色のオフセット印刷の場合をオフセット印刷層４４
ａ、４４ｂ、４４ｃとして示す。

【０００４】さらに、以前に本発明者等によって提案さ
れた、全面に磁気層を有し、昇華転写方式により画像を
形成された磁気カードを図５に示す。カード基材５１上
層の全面に磁気層５２、磁気隠蔽層５３が積層してあ
り、その上層にポリエステル樹脂や塩化ビニル−酢酸ビ
ニル共重合体等からなる昇華性染料受像層５５が形成さ
れている。この場合、昇華転写方式により画像受像層５
５に画像が転写される。非階調画像の印刷層５４を階調
画像形成の前後に或いは同時に印刷することも可能であ
る。必要に応じて画像受像層５５の上層に保護層５６を
設ける。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来の磁気カードのうち、図３のような磁気スト
ライプ３２を有するカードの場合では、磁気ストライプ
領域に印刷すると磁気出力が低下するために、磁気スト
ライプ３２を完全に隠蔽する印刷はできず、デザイン上
の制約を受ける場合がある。

【０００６】また、図４のようなカード表面にオフセッ
ト印刷をされたカードの場合、オフセット１色につき１
μｍ程度の厚さとなるため、色数が多くなると印刷層４
４が厚くなり、磁気出力が弱くなるという欠点がある。
また、色数に応じて印刷層４４の厚さに不均一が生じる
ため、カード全面で安定した磁気出力が得られないとい
う欠点もある。

【０００７】図５のような全面に磁気層５２、磁気隠蔽
層５３、画像受像層５５を有し、昇華転写方式で印刷さ
れたカードの場合では、色数によらず印刷面の厚みが一
定となるため、デザインによらずカード全面で安定した
磁気出力が得られるが、磁気隠蔽層５３、印刷層５４、
画像受像層５５、保護層５６の厚さについての特定がな
いために、これらの層が厚い場合には磁気出力が低下
し、磁気カードとして使用できなくなる。又、画像受像
層５５が薄い場合には、染料の定着性が弱くなり、画像
が薄くなる傾向があるので美観が損なわれる。

【０００８】本発明は、上記の問題点を鑑みてなされた
ものであり、従って、本発明は、カードの全面に十分な
濃度を有する階調及び／又は非階調画像が印刷でき、か
つ画像の印刷による磁気出力の低下及び／又は磁気出力
の不均一が生じない磁気カードを提供することを目的と
する。

【０００９】

【課題を解決するための手段】上記の本発明の磁気カー
ドは、カード基材上面の全面に形成された磁気層と、該
磁気層上に形成された磁気隠蔽層と、該磁気隠蔽層上に
形成され、昇華転写方式により画像が形成された画像受
像層とを有し、前記磁気層による磁気出力が所定値以上
となるように前記磁気層表面からカード表面までの膜厚
が調整されている。ここで、所定値以上の磁気出力と
は、磁気カードリーダなどの外部機器でデータを読みと
ることができる磁気出力である。

【００１０】これにより、従来の磁気カードの磁気スト
ライプが不要になり、磁気ストライプ上には他の領域と
同様な印刷を施せないというデザイン上の制約がなくな
るので、磁気カードの全面にフリーデザインの印刷をす
ることができる。

【００１１】又、オフセット印刷の場合には、色数が多
くなると印刷層が厚くなり、磁気出力の低下が著しくな
るが、本発明では、カード全面において厚さが均一であ
る画像受像層を設けて、昇華転写方式により印刷するた
め、印刷するデザインによらず磁気層からの磁気出力は
一定となり、かつ磁気層表面からの膜厚が調整されてい
るため、十分な磁気出力を得ることができる。

【００１２】本発明の磁気カードは、好適には、磁気層
表面からカード表面までの膜厚が１０μｍ以下の磁気カ
ードである。これにより、磁気層表面に形成する膜の厚
さに応じて生ずる磁気出力の低下を、実用上問題のない
範囲に抑えることができ、磁気層の磁気出力を十分得る
ことができる。

【００１３】本発明の磁気カードは、好適には、前記磁
気隠蔽層の厚さが１〜３μｍであり、前記画像受像層の
厚さが２〜４μｍである磁気カードである。これによ
り、これらの層が厚い場合に生じる磁気出力の低下を抑
制することができる。又、これにより、画像受像層が薄
い場合に生じる、染料の定着性が弱くなり画像が薄くな
る傾向を抑制することができる。

【００１４】本発明の磁気カードは、好適には、前記画
像受像層の上層に保護層を有する磁気カードである。こ
れにより、画像受像層表面の損傷を防ぐことができ、画
像受像層表面の損傷に伴う印刷画像の損傷を防ぐことが
できる。

【００１５】本発明の磁気カードは、好適には、前記画
像受像層と前記磁気隠蔽層との間に印刷ベース層を有す
る磁気カードである。これにより、前記磁気隠蔽層表面
にあるアルミニウム粉末が、前記画像受像層の下層から
透過して見えるのを防ぐことができる。また、これによ
り、前記画像受像層の下層に印刷層として、非階調画像
を形成することもできる。

【００１６】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。

【００１７】図１に本実施形態の磁気カードの断面図、
模式図をそれぞれ示す。この磁気カードは６層構造であ
り、カード基材１１の上層に磁気層１２、磁気隠蔽層１
３、印刷ベース層１４、画像受像層１５及び保護層１６
を積層し、熱プレス等により基材１１に融着させてあ
る。

【００１８】カード基材１１は、例えば塩化ビニル樹
脂、硬質プラスチック等、従来のカード基材を用いるこ
とができる。磁気層１２と磁気隠蔽層１３は、例えば、
ウレタン系樹脂を用い接着することができる。

【００１９】磁気隠蔽層１３は厚さ１〜３μｍで、例え
ば、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体等から形成され
る。磁気隠蔽層１３の表面は、銀色のアルミニウム粉末
により被覆されている。印刷ベース層１４は印刷画像の
ベース色が必要な場合に形成される。昇華転写方式で使
用する染料は透明度が高いため、磁気隠蔽層１３が透過
して見えるのを避けたい場合に印刷ベース層１４を適宜
設ける。

【００２０】画像受像層１５は厚さ２〜４μｍで、例え
ば、ポリエステル樹脂や塩化ビニル−酢酸ビニル共重合
体等の昇華性染料染着性の樹脂から構成され、シリコン
を含有する。画像受像層１５を２μｍより薄くした場合
は染料の定着性が弱くなり画像が薄くなる傾向があるの
で、画像受像層１５の厚さについては適宜調節する。画
像受像層１５が厚くなるとスペーシングロスにより磁気
出力が低下するが、厚さ４μｍ以下にすることでカード
の使用に必要な磁気出力を得ることができる。

【００２１】画像受像層１５中に昇華転写方式により階
調及び／又は非階調画像が形成されている。昇華転写方
式では、耐熱滑性層上に基材フィルムを重ね、その上に
イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの昇華性染料を
保持させ、背面すなわち耐熱活性層側にプリンタのサー
マルヘッドを接触させて染料を転写する。かかる昇華転
写方式としては、従来公知の方法を使用することができ
る。

【００２２】画像受像層１５上層に、必要に応じて保護
層１６が設けられる。保護層１６は、例えば、ポリエス
テルフィルム、ポリイミドフィルム等からなる基材フィ
ルムの上層に、ポリエステル樹脂やアクリル樹脂等から
なる樹脂層、さらに塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、
アクリル樹脂、ポリアミド等の接着層を順次積層した転
写シートを作製し、転写シートを画像受像層１５上面に
加熱押圧することにより転写させて形成される。かかる
保護層転写方式自体は本願出願人の先行出願明細書に詳
細に説明されている。又、上記の保護層１６に代えて、
ポリエステルフィルム、塩化ビニル樹脂フィルム等の保
護ラミネートシートを使用してもよい。

【００２３】次に、上記の本実施形態の磁気カードの製
造方法について説明する。図２は、上記の磁気カードの
層状構造を示す斜視図である。例えば塩化ビニル樹脂、
硬質プラスチック等からなるカード基材２１の上層に、
磁気層２２を熱プレスにより融着させる。磁気層２２の
上層に磁気隠蔽層２３をウレタン系樹脂を用い接着す
る。磁気隠蔽層２３の表面をアルミニウム粉末で被覆し
た後、必要に応じて印刷ベース層２４を熱転写方式によ
り形成する。磁気隠蔽層２３又は印刷ベース層２４の上
層に、画像受像層２５をサーマルヘッド、ホットスタン
パー、熱ロール等で加熱押圧して転写させる画像受像層
転写方式により形成させる。かかる画像受像層転写方式
自体は、本願出願人の先行出願明細書に詳細に説明され
ている。画像受像層２５の上層に保護層２６を、前記保
護層転写方式又は前記保護ラミネートシートを接着する
ことにより形成させる。

【００２４】上記の本実施形態の磁気カードは全面にフ
リーデザインの印刷を施すことが可能である。本発明は
上記の実施の形態に限定されない。例えば、保護層１６
は設けなくてもよい。その他、本発明の要旨を逸脱しな
い範囲で、種々の変更が可能である。

【００２５】

【発明の効果】本発明の磁気カードによれば、カード基
材の全面に磁気層、磁気隠蔽層、画像受像層を積層し
て、昇華転写方式で画像受像層に印刷することにより、
カード全面にフリーデザインの印刷をすることができ
る。又、磁気層を被覆する磁気隠蔽層及び／又は画像受
像層の厚さを制御することにより十分な磁気出力を得ら
れる。さらに磁気層を被覆する層の厚さが全面で一定で
あるため、デザインによらずカード全面で安定した磁気
出力が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は本発明の磁気カードの断面図である。

【図２】図２は本発明の磁気カードの構成を示す斜視図
である。

【図３】図３は従来の、磁気ストライプを有する磁気カ
ードの構成を示す斜視図である。

【図４】図４は従来の、全面に磁気層及び磁気隠蔽層が
形成され、上層に画像がオフセット印刷された磁気カー
ドの構成を示す斜視図である。

【図５】図５は従来の、全面に磁気層、磁気隠蔽層、及
び画像受像層が形成され、画像受像層に昇華転写方式で
画像が印刷された磁気カードの構成を示す斜視図であ
る。

【符号の説明】

１１、２１、３１、４１、５１…カード基材、１２、２
２、３２、４２、５２…磁気層、３２…磁気ストライ
プ、１３、２３、３３、４３、５３…磁気隠蔽層、１
４、２４…印刷ベース層、３４…印刷層、４４ａ、ｂ、
ｃ…オフセット印刷層、１５、２５、４５、５５…画像
受像層、１６、２６、５６…保護層。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】カード基材上面の全面に形成された磁気層
と、該磁気層上に形成された磁気隠蔽層と、該磁気隠蔽層上に形成され、昇華転写方式により画像が
形成された画像受像層とを有し、前記磁気層による磁気出力が所定値以上となるように前
記磁気層表面からカード表面までの膜厚が調整された磁
気カード。
【請求項２】前記磁気層表面からカード表面までの膜厚
が１０μｍ以下である請求項１記載の磁気カード。
【請求項３】前記磁気隠蔽層の厚さが１〜３μｍであ
り、前記画像受像層の厚さが２〜４μｍである請求項１
または２記載の磁気カード。
【請求項４】前記画像受像層の上層に保護層を有する請
求項１〜３のいずれかに記載の磁気カード。
【請求項５】前記画像受像層と前記磁気隠蔽層との間
に、印刷ベース層を有する請求項１〜４のいずれかに記
載の磁気カード。