JPH11222928A - 鉄骨柱脚部落込み工法 - Google Patents

鉄骨柱脚部落込み工法

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JPH11222928A
JPH11222928A JP2315398A JP2315398A JPH11222928A JP H11222928 A JPH11222928 A JP H11222928A JP 2315398 A JP2315398 A JP 2315398A JP 2315398 A JP2315398 A JP 2315398A JP H11222928 A JPH11222928 A JP H11222928A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来工法の問題点である地中梁の箱抜き、コ
ンクリート打設が容易であり、柱の位置決めや現場での
レベル調整を容易にし、鉄骨建て方においてアンカーボ
ルトに要していた手間を省いた鉄骨柱脚部落込み工法を
提供する。 【解決手段】 基礎部分にコンクリートを打ち残して形
成させた埋め込み孔の中に鉄骨柱脚部を落とし込み、柱
脚部アンカーを使用することなく鉄骨建て方の本締め後
に根固めコンクリートの打設のみで落とし込んだ鉄骨柱
脚部と基礎部分とを一体化させることを特徴とする鉄骨
柱脚部落込み工法であり、埋め込み孔の側壁をラスもし
くはエキスパンドメタルにしたり、根固めコンクリート
を鉄骨柱脚部の底部に打設される無収縮コンクリートと
その上に打設される基礎部分と同強度のコンクリートに
する鉄骨柱脚部落込み工法

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基礎部分に形成さ
せた埋め込み孔の中に鉄骨柱脚部を落とし込んで、鉄骨
建て方後に根固めコンクリートを打設して基礎部分と一
体化させる鉄骨柱脚部落込み工法に関する。
【0002】
【従来の技術】最近の設計のように、鉄骨柱脚部のベー
スプレートの位置が地中梁の成の中間に埋め込まれる場
合には、鉄骨柱脚部分に箱入れをして、基礎コンクリー
トを一度に地中梁の天端まで打設した後に鉄骨建て方を
し、鉄骨建て方の完了後に柱脚部の根固めコンクリート
を打設する工法が普及している。本工法では、箱抜き型
枠を解体の困難なベニヤ型枠を使用せずに、柱主筋の外
側に金網を貼ることで型枠代わりとしてコンクリート打
ち止め用にすると共に基礎コンクリートと後から打設す
る根固めコンクリートとのボンド低下を防止している。
又、アンカーボルトは地中梁の天端の位置に合わせてあ
り、鉄骨の中間部にはアンカーボルトに対応させたはね
出しブラケットを設けてある。鉄骨建て方は、鉄骨柱脚
部の下部を地中梁に埋めながらブラケットをアンカーボ
ルトで締着することで鉄骨を仮設する。
【0003】図10、11は、上記従来例を示す平面図
及び断面図である。地中梁20の箱抜き21は、柱主筋
22の外側にコンクリートを止めるための金網23を貼
り付けてあり、底部も金網受け力骨24で支えられた金
網25でコンクリートを止めている。地中梁20の天端
には箱抜き21の周囲4個所にアンカー筋26がセット
してあり、地中梁の梁筋27も図示のように2段に配筋
されている。地中梁20は、以下通常の施工方法でコン
クリートを打設して構築するが、打設コンクリートは金
網によって止められ図示のように箱抜き地中梁が完成す
る。一方、鉄骨柱28には、地中梁の基礎天端に対応す
る位置にはね出しブラケット29をベースプレート30
と共に取り付けてあり、鉄骨建て方の際に上記アンカー
筋26と締着することで鉄骨柱28を仮設するために用
いる。
【0004】図示されていないが、鉄骨柱を図のように
箱抜きに落とし込み、アンカー筋26で仮設して第一節
の建て方を本締めした後に、箱抜き部分に無収縮コンク
リートを充填して根固めする。以上のように、従来の工
法は基礎のコンクリートを1度に打設でき、アンカーボ
ルトのセットが基礎梁上端でできるので作業性が良く、
さらに地中梁の完成後に鉄骨工事を行うので鉄骨建て方
を安全にできる効果を持っている。
【0005】しかし、上記の従来工法は、箱抜きのため
に金網を柱主筋の外側に貼り付けているために現場での
作業になって作業性が悪い点や鉄骨建て方にアンカーボ
ルトを使用しているために鉄骨建て方作業の中で精度を
必要とし手間のかかる点は改善されずに残っていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来工法の
問題点を改善して地中梁の箱抜き、コンクリート打設が
容易であり、柱の位置決めや現場でのレベル調整を容易
にし、鉄骨建て方においてアンカーボルトに要していた
手間を省いた鉄骨柱脚部落込み工法を提供しようとする
ものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明による工法は、基
礎部分にコンクリートを打ち残して形成させた埋め込み
孔の中に鉄骨柱脚部を落とし込み、鉄骨建て方後にコン
クリートの埋め込み孔への打設によって基礎部分と一体
化させる鉄骨柱脚部落込み工法において、柱脚部アンカ
ーを使用することなく鉄骨建て方の本締め後に根固めコ
ンクリートの打設のみで落とし込んだ鉄骨柱脚部と基礎
部分とを一体化させることを特徴とする鉄骨柱脚部落込
み工法であり、具体的には埋め込み孔の側壁をラスもし
くはエキスパンドメタルにしたり、根固めコンクリート
を無収縮コンクリートもしくは根固めコンクリートを鉄
骨柱脚部の底部に打設される無収縮コンクリートとその
上に打設される基礎部分と同強度のコンクリートにする
鉄骨柱脚部落込み工法である。又、本発明による鉄骨柱
脚部落込み構造は、基礎部分に形成された埋め込み孔の
中に鉄骨柱脚部を落とし込み、柱脚部アンカーを使用せ
ずに埋め込み孔へ打設された根固めコンクリートで鉄骨
柱脚部と基礎部分とを一体化しているものであり、埋め
込み孔の側壁をラスもしくはエキスパンドメタルにする
ことを特徴にしている。
【0008】
【発明の実施の形態】図1,2は、本発明による鉄骨柱
脚部落込み工法を説明するために、従来工法に対応させ
て図示した平面図及び断面図である。本発明による鉄骨
柱脚部落込み構造は、地中梁1の箱抜き2をするのに鉄
骨柱脚部3と十分な間隙4を保ったアンカーフレーム5
を使用している。アンカーフレーム5は、フレームの外
側にコンクリートを止めるための金網6を貼り付けてあ
り、所定の脚部を残した底部も金網7で塞いでいる。ア
ンカーフレーム5の天端には、鉄骨柱脚部の柱芯に合わ
せた形状の切欠き口8とコンクリート打設用の開口9を
設けた型板10を溶接で固定してある。地中梁の梁筋も
図示のように2段に配筋されており、地中梁1の基礎1
1は、従来と同様に通常の施工方法でコンクリートを打
設して構築され、打設コンクリートは金網6,7によっ
て止められて図示のように箱抜き2が形成されている。
【0009】一方、鉄骨柱12には、地中梁の基礎天端
に対応する位置にはね出しブラケット13を取り付けて
あり、ブラケット13にはレベル調整ネジ14が装着し
てある。鉄骨柱12は、図のように箱抜きに落とし込ん
でからレベル調整ネジ14を微調整して鉄骨柱の姿勢を
調整しておき、第一節の鉄骨建て方を終了して本締めし
た後に、箱抜き部分の底部に無収縮コンクリート18及
び地中梁と同強度のコンクリート19をその上に充填し
て根固めしてある。
【0010】図3〜9は、本発明による鉄骨柱脚部落込
み工法を順を追って説明するための施工図である。図3
は、箱抜き用のアンカーフレーム5の斜視図を示してい
る。アンカーフレーム5は、4本のアングル15を鉄骨
柱脚部3と十分な間隙4を保てる間隔で4隅に配置し夫
々の上端を同様のアングル16で接続して骨格を形成し
ている。アングルの外側にはラスもしくはエキスパンド
メタル等の金網6を貼り付けてあり、鉄骨柱脚部の底端
と十分な間隔を保つようにしたアンカーフレームの底部
も金網7で塞いで形成される。
【0011】図4及び5は、上述のアンカーフレーム5
を用いて地中梁1の基礎に箱抜き2を形成する状態を示
す基礎の断面図と平面図である。アンカーフレーム5
は、基礎型枠を立て込む前の配筋時に鉄骨柱脚部の根入
れ部に配置されてあり、型枠立て込みとコンクリート打
設で図4のように箱抜き2が形成される。基礎の天端は
アンカーフレームと面一に打設しておき、アングル16
の上面を露出させると同時に基礎の上面には図5に示す
ようにスミ出し17をしておく。
【0012】図6は、基礎11の平面図であり、アンカ
ーフレーム5の天端に鉄骨柱脚部3の柱芯に合わせて5
mm程度の間隙を保つ形状の切欠き口8とコンクリート打
設用の開口9を設けた型板10をスミ17に合わせて溶
接で固定してある。図示した上記の切欠き口8とコンク
リート打設用の開口9は、鉄骨柱脚部3の形状に合わせ
て設けているものであり、鉄骨柱脚部3の形状が例えば
ボックス型になった場合には、一辺にコンクリート打設
用の開口9を有する4角形の切欠き口8を設けることに
なるという具合に多様性に富むことは何ら制限されるも
のでない。図7は、鉄骨柱12の加工状態を示してい
る。鉄骨柱12の柱側面には、地中梁の基礎天端に対応
する位置にはね出しブラケット13を取り付けてあり、
ブラケット13にはレベル調整ネジ14を装着してお
き、その調整によって鉄骨柱の据え付け高さを調節でき
るようにしてある。レベル調整ネジ14の調節は、建て
方前に上記型板10のレベルチェックをしておくことで
“出”を調整しておくことが可能であり、現場での調整
作業を最小にすることができる。
【0013】図8は、鉄骨建て方の状態を説明するため
の施工図である。鉄骨建て方は、上記に説明したように
レベル調整ネジ14の“出”を予め調整した鉄骨柱12
の鉄骨柱脚部3を基礎11の箱抜き2に吊り込みで実施
される。鉄骨柱12の位置決めは、スミ出しセットされ
た型板10の切欠き口8を貫通挿入させるだけで良いか
ら、極めて簡単にできる。その後、第1節の鉄骨梁の取
り付けを行ない、鉄骨柱12の建入れを型板10の上面
に当てたレベル調整ネジ14の微調整によって行い、そ
の完了後に柱、梁のボルトを本締めする。
【0014】図9は、ボルト本締め後の根固めコンクリ
ートの打設状態を示している。根固めコンクリートの打
設は、先ず、ボルト本締め後にコンクリート打設用の開
口9から無収縮コンクリート18を鉄骨柱脚部3の下端
に充填して行い、次いで、無収縮コンクリート18の上
に基礎の打設コンクリートと設計強度的に同程度のコン
クリート強度を有する基礎用コンクリート19を打設す
る。 打設される根固めコンクリートは、箱抜きのため
のアンカーフレーム5が金網6であるために基礎11と
の付着が確実に行われる。なお、鉄骨柱12の基礎11
への固定を根固めコンクリートの打設によって行うため
に、根固めコンクリートを無収縮コンクリート18のみ
で打設するか、無収縮コンクリート18の部分と基礎用
コンクリート19の部分とでどのような打設比率にする
かは関連状況を勘案しながら決定することになる。
【0015】以上詳細に説明したように、本発明による
鉄骨柱脚部落込み工法はアンカーボルトを使用していな
いので、従来工法のようにアンカーボルトのセットや台
直し及びベースモルタルの施工等のように,鉄骨建て方
作業の中で最も精度を要し、手間のかかる作業を排除で
きるものである。
【0016】
【発明の効果】本発明による工法は、基礎部分にコンク
リートを打ち残して形成させた埋め込み孔の中に鉄骨柱
脚部を落とし込み、鉄骨建て方後にコンクリートの埋め
込み孔への打設によって基礎部分と一体化させる鉄骨柱
脚部落込み工法において、柱脚部アンカーを使用するこ
となく鉄骨建て方の本締め後に根固めコンクリートの打
設のみで落とし込んだ鉄骨柱脚部と基礎部分とを一体化
させることを特徴とする鉄骨柱脚部落込み工法であるか
ら、箱抜きと根固めコンクリートの打設が容易で、鉄骨
柱の位置決めや調整作業が簡潔にでき、アンカーボルト
に関する精度と手間のかかる作業を排除できる効果を奏
する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による鉄骨柱脚部落込み構造の平面図
【図2】本発明による鉄骨柱脚部落込み構造の断面図
【図3】本発明によるアンカーフレームの斜視図
【図4】アンカーフレームで箱抜きした基礎の断面図
【図5】同基礎の平面図
【図6】本発明による型板の基礎への固定平面図
【図7】本発明による鉄骨柱の側面図
【図8】本発明による鉄骨柱脚部落込み断面図
【図9】本発明による鉄骨建て方のコンクリート根固め
の断面図
【図10】従来の鉄骨柱脚部落込み構造の平面図
【図11】従来の鉄骨柱脚部落込み構造の断面図
【符号の説明】 1 地中梁 2 箱抜き 3 鉄骨柱脚部 5 アンカーフレーム 6 金網 8 切欠き口 9 コンクリート打設用開口 10 型板 11 基礎 12 鉄骨 13 はねだしブラケット 14 レベル調整ネジ 15、16 アングル 17 スミ出し 18 無収縮コンクリート 19 基礎と同強度のコンクリート 20 地中梁 21 箱抜き 22 柱主筋 23 金網 26 アンカー筋 27 地中梁筋 28 鉄骨 29 はね出しブラケット 30 ベースプレート

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基礎部分にコンクリートを打ち残して形
    成させた埋め込み孔の中に鉄骨柱脚部を落とし込み、鉄
    骨建て方後にコンクリートの埋め込み孔への打設によっ
    て基礎部分と一体化させる鉄骨柱脚部落込み工法におい
    て、柱脚部アンカーを使用することなく鉄骨建て方の本
    締め後に根固めコンクリートの打設のみで落とし込んだ
    鉄骨柱脚部と基礎部分とを一体化させる鉄骨柱脚部落込
    み工法。
  2. 【請求項2】 埋め込み孔の側壁がラスもしくはエキス
    パンドメタルであることを特徴とする請求項1に記載の
    鉄骨柱脚部落込み工法。
  3. 【請求項3】 根固めコンクリートが無収縮コンクリー
    トであることを特徴とする請求項1、2に記載の鉄骨柱
    脚部落込み工法。
  4. 【請求項4】 根固めコンクリートが鉄骨柱脚部の底部
    に打設される無収縮コンクリートとその上に打設される
    基礎部分と同強度のコンクリートであることを特徴とす
    る請求項1、2に記載の鉄骨柱脚部落込み工法。
  5. 【請求項5】 基礎部分に形成された埋め込み孔の中に
    鉄骨柱脚部を落とし込み、柱脚部アンカーを使用せずに
    埋め込み孔へ打設された根固めコンクリートで鉄骨柱脚
    部と基礎部分とを一体化している鉄骨柱脚部落込み構
    造。
  6. 【請求項6】 埋め込み孔の側壁がラスもしくはエキス
    パンドメタルであることを特徴とする請求項5に記載の
    鉄骨柱脚部落込み構造。
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