JPH11222548A - ポリアセタール樹脂組成物 - Google Patents

ポリアセタール樹脂組成物

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JPH11222548A
JPH11222548A JP4128098A JP4128098A JPH11222548A JP H11222548 A JPH11222548 A JP H11222548A JP 4128098 A JP4128098 A JP 4128098A JP 4128098 A JP4128098 A JP 4128098A JP H11222548 A JPH11222548 A JP H11222548A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】優れた摺動特性、導電性、機械的性質、熱安定
性および成形性、特に、小型の摺動部材の製造に対して
の優れた成形性と寸法安定性を有するポリアセタール樹
脂組成物を提供する。 【解決手段】(a)ポリアセタール樹脂100重量部、
(b)ポリテトラフルオロエチレン5〜30重量部、
(c)カーボンブラック1〜20重量部、(d)キノリ
ン化合物、アミド化合物およびアミン化合物の群から選
択された少なくとも1種の熱安定剤0.1〜15重量
部、(e)多価アルコールの脂肪酸エステル、多価アル
コールとホウ酸との錯化合物の脂肪酸エステル、当該脂
肪酸エステルのエチレンオキサイド付加物、ポリオキシ
エチレンアルキルアミンおよびポリオキシエチレンアル
キルアミンの脂肪酸エステルの群から選択された少なく
とも1種の成形性改良剤0.1〜10重量部とから成る
ことを特徴とするポリアセタール樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、ポリアセタール
樹脂組成物に関し、詳しくは、優れた摺動特性、導電
性、機械的性質、熱安定性および成形性、特に、小型の
摺動部材の製造に対しての優れた成形性と寸法安定性を
有するポリアセタール樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、オーデイオ、ビデオテープレコー
ダー、パーソナルコンピュータ、ワードプロセッサ等の
電子機器の普及に伴い、多くのプラスチック製品が機構
部品および内蔵部品として使用されている。これら機構
部品および内蔵部品のうち、軸受、カム、歯車、滑り
板、ガイド部材等の摺動部材には、優れた摺動特性、帯
電防止性と機械的性質、更に、必要に応じて高い導電性
が求められている。上記の用途にはポリアセタール樹脂
に導電性カーボンブラックとフッ素樹脂とを配合した組
成物が知られている(特公平2ー60694)。
【0003】しかしながら、ポリアセタール樹脂に、所
望の摺動特性と導電性を得るための十分な量のフッ素樹
脂と導電性カーボンブラックを配合した場合、ポリアセ
タール樹脂の熱安定性が低下すると共に、成形性が著し
く悪化し、且つ、機械的性質も低下する。特に、樹脂組
成物の熱安定性および成形性の悪化に伴い、射出成形な
どによって導電性を有する高精度の小型の摺動部材など
の機構部品および内蔵部品の成形が困難である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記実情に
鑑みなされたものであり、その目的は、優れた摺動特
性、導電性、機械的性質、熱安定性および成形性、特
に、小型の摺動部材の製造に対しての優れた成形性と寸
法安定性を有するポリアセタール樹脂組成物を提供する
ことにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
を重ねた結果、ポリアセタール樹脂、ポリテトラフルオ
ロエチレン及びカーボンブラックから成る組成物に特定
の熱安定剤と成形性改良剤を特定量添加することによ
り、上記の目的を容易に達成し得るとの知見を得た。
【0006】本発明は、上記の知見に基づき完成された
ものであり、その要旨は、(a)ポリアセタール樹脂1
00重量部、(b)ポリテトラフルオロエチレン5〜3
0重量部、(c)カーボンブラック1〜20重量部、
(d)キノリン化合物、アミド化合物およびアミン化合
物の群から選択された少なくとも1種の熱安定剤0.1
〜15重量部、および(e)多価アルコールの脂肪酸エ
ステル、多価アルコールとホウ酸との錯化合物の脂肪酸
エステル、当該脂肪酸エステルのエチレンオキサイド付
加物、ポリオキシエチレンアルキルアミンおよびポリオ
キシエチレンアルキルアミンの脂肪酸エステルの群から
選択された少なくとも1種の成形性改良剤0.1〜10
重量部とから成ることを特徴とするポリアセタール樹脂
組成物に存する。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
先ず、ポリアセタール樹脂について説明する。ポリアセ
タール樹脂としては、ポリアセタールホモポリマーの
他、主鎖の大部分がオキシメチレン連鎖より成るポリア
セタールコポリマーを使用することが出来る。また、公
知の方法で架橋またはグラフト共重合して変性させたポ
リアセタール樹脂も使用することが出来る。
【0008】ポリアセタール樹脂の分子量(数平均分子
量)は、その成形が可能な限り特に制限はないが、通常
20,000〜80,000の範囲である。そして、比
較的流動性のよいポリアセタール樹脂、例えば、AST
M−D−1238法で測定したメルトフローレートが4
g/10min以上のポリアセタール樹脂が好適に使用
される。
【0009】ポリアセタール樹脂の具体例としては、ホ
ルムアルデヒドのホモポリマー(イー.アイ.デュポン
社製「デルリン」(商品名)、分子量50,000〜7
0,000)、トリオキサンとエチレンオキサイドとの
100/0.1〜15の共重合体(ポリプラスチックス
社製「ジュラコン」(商品名)、分子量約50,00
0)等が挙げられる。
【0010】次に、本発明で使用されるポリテトラフル
オロエチレンについて説明する。ポリテトラフルオロエ
チレンとしては、公知の各種のものを制限なく使用する
ことが出来る。その市販品としては、例えば、三井デュ
ポンフロロケミカル社製の「テフロン7AJ」、「テフ
ロン6CJ」、「TLP−10F」(何れも商品名)、
ダイキン工業社製の「ポリフロンM−12」、「ポリフ
ロンF−201」、「ルブロンL−2」、「ルブロンL
−5」(何れも商品名)、旭硝子社製の「フルオンG−
163」、「フルオンCD−123」、「フルオンL−
169J」(何れも商品名)、喜多村社製「KTL−4
50」、「KTL−610」(何れも商品名)が挙げら
れる。
【0011】ポリテトラフルオロエチレンの使用割合
は、ポリアセタール樹脂100重量部に対して5〜30
重量部、好ましくは10〜20重量部である。ポリテト
ラフルオロエチレンの量が5重量部未満の場合は、所望
の摺動特性が得られず、30重量部を超える場合は、機
械的性質および成形性が低下する。
【0012】次に、本発明で使用される導電性カーボン
ブラックについて説明する。導電性カーボンブラック
は、市販の導電性カーボンブラックでよく、その一例を
示せば、ライオンアクゾ社製「ケッチェンブラック」
(商品名)が例示される。導電性カーボンブラックの使
用割合は、ポリアセタール樹脂100重量部に対して1
〜20重量部、好ましくは3〜10重量部である。
【0013】導電性カーボンブラックの量が1重量部未
満の場合は、所望の導電性が得られず、20重量部を超
える場合は、導電性カーボンブラックがポリアセタール
樹脂へ均一に配合されず、且つ、機械的性質、熱安定性
および成形性が低下する。
【0014】次に、本発明で使用される熱安定剤として
のキノリン化合物について説明する。キノリン化合物と
しては、下記式一般式(1)、(2)又は(3)で表さ
れる化合物が好適に使用される。
【0015】
【化5】
【0016】一般式(1)中、R1、R2およびR3は、
それぞれ、炭素数1〜3のアルキル基、好ましくは炭素
数1〜2のアルキル基を示し、Zは―OR4を示し、R4
は、炭素数1〜3のアルキル基、好ましくは炭素数1〜
2のアルキル基を示す。
【0017】
【化6】
【0018】一般式(2)中、R1、R2およびR3は、
それぞれ、炭素数1〜3のアルキル基、好ましくは炭素
数1〜2のアルキル基を示し、nは整数であり、好まし
くは1〜9の整数である。
【0019】
【化7】
【0020】一般式(3)中、AおよびDは、それぞ
れ、水素原子、水酸基または炭素数1〜3のアルキル
基、好ましくは炭素数1〜2のアルキル基を示し、B
は、水素原子または炭素数1〜3のアルキル基、好まし
くは炭素数1〜2のアルキル基を示し、Eは水素原子ま
たは水酸基を示し、Gは、水素原子、水酸基、炭素数1
〜3のアルキル基、好ましくは炭素数1〜2のアルキル
基または炭素数1〜3のアルコキシ基、好ましくは炭素
数1〜2のアルコキシ基を示し、JおよびLは、それぞ
れ、水素原子または水酸基を示す。但し、キノリン環は
少なくとも5個の水素原子を有する。
【0021】キノリン化合物としては、2、2、4ート
リメチルー1、2ージハイドロキノリン重合物、6ーエ
トキシー2、2、4ートリメチルー1、2ージハイドロ
キノリン、8ーキノリノール又はキノリンが好ましい。
【0022】次に、本発明で使用される熱安定剤として
のアミド化合物について説明する。アミド化合物として
は、下記一般式(4)で表される化合物が好適に使用さ
れる。
【0023】
【化8】
【0024】一般式(4)中、Rは、カルボン酸残基、
好ましくは、炭素数2〜23の飽和もしくは不飽和炭化
水素基、または、ビニル重合体もしくはビニル共重合体
の基本単位を有する基を示し、nは1〜6の整数であ
り、xおよびyは0又は1〜10の整数である。但し、
xが0の場合は、yは0ではない。
【0025】一般式(4)で表されるアミド化合物とし
ては、酪酸アミド、カプロン酸アミド、ラウリン酸アミ
ド、ミリスチン酸アミド、パルミチン酸アミド、ステア
リン酸アミド、ベヘニン酸アミド、オレイン酸アミド、
リノール酸アミド、リノレン酸アミド等の高級脂肪酸ア
ミドのエチレンオキサイド付加物が好ましく、特に、ラ
ウリン酸ジエタノールアミド又はステアリン酸ジエタノ
ールアミドが好ましい。
【0026】次に、本発明で使用される熱安定剤として
のアミン化合物について説明する。斯かるアミン化合物
としては、4、4’−ジオクチルジフェニルアミン、
4、4’−ビス(α、α’−ジメチルベンジル)ジフェ
ニルアミン、フェニル−α−ナフチルアミン、フェニル
−β−ナフチルアミン、N、N’−ジフェニル−p−フ
ェニレンジアミン、N、N’−ジ−β−ナフチル−p−
フェニレンジアミン、N−シクロヘキシル−N’−フェ
ニル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N’−
イソプロピル−p−フェニレンジアミン、アルドール−
α−ナフチルアミン等が挙げられる。
【0027】上記の各熱安定剤の使用割合は、ポリアセ
タール樹脂100重量部に対して0.1〜15重量部、
好ましくは1〜5重量部である。熱安定剤の量が0.1
重量部未満の場合は、十分な熱安定性が得られずに成形
性が著しく悪くなり、射出成形によって所望の小型機構
部品および内蔵部品を得ることが出来ない。熱安定剤の
量が15重量部を超える場合は、機械的性質が低下し且
つ成形品の表面に熱安定剤が析出する欠点がある。
【0028】次に、本発明で使用される成形性改良剤に
ついて説明する。成形性改良剤としては、下記の
(A)、(B)、(C)、(D)、(E)および(F)
の少なくとも1種の化合物が好適に使用される。
【0029】(A)多価アルコールの脂肪酸エステル、
(B)多価アルコールの脂肪酸エステルのエチレンオキ
サイド付加物、(C)多価アルコールとホウ酸との錯化
合物の脂肪酸エステル、(D)多価アルコールとホウ酸
との錯化合物の脂肪酸エステルのエチレンオキサイド付
加物、(E)ポリオキシエチレンアルキルアミン、
(F)ポリオキシエチレンアルキルアミンの脂肪酸エス
テルが挙げられる。
【0030】上記の各化合物における脂肪酸エステルの
脂肪酸成分としては、特に限定されるものではないが、
カプリン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸
またはオレイン酸の使用が好ましい。また、上記の各化
合物における多価アルコール成分としては、特に限定さ
れるものではないが、エチレングリコール、ジエチレン
グリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペ
ンタエリスリットまたはソルビットの使用が好ましい。
上記の各化合物におけるアルキル基は、炭素数2〜23
のアルキル基が好ましい。
【0031】上記の各化合物の市販品(東邦化学工業社
製品)としては、(A)ソルビタン脂肪酸エステル「ソ
ルボンSシリーズ」(商品名)、例えば、ソルビタンモ
ノステアレート「ソルボンSー60」(商品名)、
(B)ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル
「ソルボンTシリーズ」(商品名)、(C)グリセロー
ルボレート脂肪酸エステル「エマルボンSシリーズ」
(商品名)、例えば、ジグリセリンボレートセスキステ
アレート「エマルボンSー66」(商品名)(D)ポリ
オキシエチレングリセロールボレート脂肪酸エステル
「エマルボンTシリーズ」(商品名)、(E)ポリオキ
シエチレンアルキルアミン「アンステックスSA−6
0」(商品名)、(F)ポリオキシエチレンアルキルア
ミンモノステアレート「アンステックスSA−300」
(商品名)、グリセリンモノステアレートとステアリル
ジエタノールアミンを主成分とする混合物「アンステッ
クスSP−20P」(商品名)等が挙げられる。
【0032】上記の各成形性改良剤の使用割合は、ポリ
アセタール樹脂100重量部に対して0.1〜10重量
部、好ましくは0.5〜5重量部である。成形性改良剤
の量が0.1重量部未満の場合は、押出機を使用してペ
レットを作製する際、押出機から押出されるストランド
にボイドが発生して、ストランド切れを生じ、安定した
ペレット作製が困難となると共に得られたペレットは多
孔質となる。また、この様なペレットを使用して、射出
成形によって成形品を製造すると、成形品の内部にボイ
ドが発生したりして、その重量、寸法および機械的強度
がばらついたりして、所望の小型機構部品および内蔵部
品を得ることが困難となる。成形性改良剤の量が10重
量部を超える場合は、機械的性質が低下する。
【0033】本発明のポリアセタール樹脂組成物は、
(a)ポリアセタール樹脂に(b)ポリテトラフルオロ
エチレン、(c)カーボンブラック、(d)キノリン化
合物、アミド化合物およびアミン化合物の群から選択さ
れた少なくとも1種の熱安定剤および(e)多価アルコ
ールの脂肪酸エステル、多価アルコールとホウ酸との錯
化合物の脂肪酸エステル、当該脂肪酸エステルのエチレ
ンオキサイド付加物、ポリオキシエチレンアルキルアミ
ンおよびポリオキシエチレンアルキルアミンの脂肪酸エ
ステルの群から選択された少なくとも1種の成形性改良
剤を配合して成り、導電性、機械的性質、摺動特性およ
び熱安定性等の良好な特性、優れた成形加工性を有する
が、更に、上述の成分に加えてリン酸塩等の潤滑助剤お
よび/または炭化水素系ワックス等の潤滑剤を配合する
ことにより、一層優れた摺動特性を発揮する。
【0034】リン酸塩は、それ自体では、例えば、黒鉛
や二硫化モリブデンの様な潤滑性を示さないが、ポリテ
トラフルオロエチレンと一緒にポリアセタール樹脂に配
合されることにより、摺動の際、相手材表面(摺動面)
へのポリテトラフルオロエチレンの潤滑被膜の造膜性を
助長し、且つ、形成された潤滑被膜の保持性および耐久
性を高めるという効果を発揮する。
【0035】リン酸塩としては、アルカリ金属またはア
ルカリ土類金属の第三リン酸塩、第二リン酸塩、ピロリ
ン酸塩、亜リン酸塩またはメタリン酸塩が挙げられる。
具体的には、リン酸三リチウム、リン酸水素二リチウ
ム、ピロリン酸リチウム、リン酸三カルシウム、リン酸
一水素カルシウム又はピロリン酸カルシウムが好まし
い。
【0036】リン酸塩の配合割合は、ポリアセタール樹
脂100重量部に対して、通常15重量部以下、好まし
くは0.1〜15重量部、更に好ましくは0.5〜10
重量部である。15重量部を超える場合は、機械的性質
および成形性が低下する。
【0037】炭化水素系ワックスは、摺動特性のうち、
特に摩擦係数の低下に効果を発揮する。炭化水素系ワッ
クスとしては、パラフィンワックス、マイクロワック
ス、ポリエチレンワックス等が挙げられる。
【0038】炭化水素系ワックスの配合割合は、ポリア
セタール樹脂100重量部に対して、通常10重量部以
下、好ましくは0.1〜10重量部、更に好ましくは
0.5〜7重量部、特に好ましくは1〜5重量部であ
る。10重量部を超える場合は、ポリアセタール樹脂の
有する機械的性質等が損なわれる。
【0039】本発明のポリアセタール樹脂組成物は優れ
た成形性を有し、且つ、当該ポリアセタール樹脂組成物
から成る成形部材は、体積固有抵抗値が1〜107Ω・
cm、すべり速度10m/min、荷重10kgf/c
2、試験時間72時間のラジアルジャーナル試験にお
ける摩擦係数が0.12〜0.30で摩耗量が80μm
以下の優れた摺動特性を示す。
【0040】斯かる本発明のポリアセタール樹脂組成物
は、オーデイオ、ビデオテープレコーダー、パーソナル
コンピュータ、ワードプロセッサ等の電子機器の小型で
優れた摺動特性と高い導電性と機械的強度が求められて
いる機構部品および内蔵部品、例えば、軸受、カム、歯
車、滑り板、ガイド部材等の摺動部材の成形に適してい
る。
【0041】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明する
が、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実施例
により限定されるものではない。なお、ポリアセタール
樹脂組成物および摺動部材の評価は以下の方法で行っ
た。
【0042】(1)体積固有抵抗値:成形物の両端に導
電性塗料を塗布し、JIS K6911に準拠して乾燥
後両端の抵抗を測定した。
【0043】(2)成形性(1):押出機(35mm
φ)を使用して混合紛を溶融混練しペレットを作製し
た。ストランドの切れの有無とペレットの表面状態を目
視してボイドの発生の有無を調べ、表1の評価基準にて
評価した。
【0044】
【表1】 ◎: 優 ○: 良 △: 可 ×: 不可
【0045】(3)成形性(2):射出成形機(住友重
機械工業社製、SG−50)を使用してペレットから試
験片を成形した。成形品の金型からの離型性および表面
状態を目視し、表2の評価基準にて評価した。
【0046】
【表2】 ◎: 優 ○: 良 △: 可 ×: 不可
【0047】(4)寸法安定性:射出成形機(住友重機
械工業社製、SG−50)を使用してペレットから試験
片(内径:10mm、外径:14mm、長さ:10m
m)を50個成形した。成形品の寸法のばらつきを測定
し、表3の評価基準にて評価した。
【0048】
【表3】 ◎: 優(ばらつきが20μm未満) ○: 可(ばらつきが20〜40μm) ×: 不可(ばらつきが40μmを超える)
【0049】(5)摺動性(摩擦係数、摩耗量) ラジアルジャーナル試験機を用いて、表4に記載の条件
下で摩擦係数および摩耗量を測定した。
【0050】
【表4】 すべり速度:10m/min 荷重 :10kg/cm2 試験時間 :72時間(Hr) 試験片 :円筒状摺動部材(内径10mm、外径14
mm、長さ10mm) 相手材 :機械構造用炭素鋼(S45C) 潤滑 :無潤滑
【0051】実施例1 ポリアセタール樹脂として、「ジュラコンM90」(ポ
リプラスチックス社製)100重量部に、ポリテトラフ
ルオロエチレン(PTFE)として、「ルブロンL5」
(ダイキン工業社製)10重量部、導電性カーボンブラ
ックとして、「ケッチェンブラックEC600JD」
(ライオン・アクゾ社製)3重量部、熱安定剤として、
2、2、4ートリメチルー1、2ージハイドロキノリン
重合物「ノンフレックス」(精工化学社製)1重量部お
よび成形性改良剤として、ポリオキシエチレンアルキル
アミンモノステアレート「アンステックスSA−30
0」(東邦化学工業社製)0.1重量部をヘンシェルミ
キサーで混合し、二軸押出機(35mmφ)で溶融混練
してペレットを得た。次いで、射出成形機(住友重機械
工業社製「SGー50」)を使用してペレットから試験
片を成形し、特性を測定した。結果を表5に示す。
【0052】実施例2〜24、比較例1〜4 実施例1において、表5〜表14に示す様に組成を変更
した以外は、実施例1と同様にして試験片を成形した。
成分組成および諸特性を表5〜表14に示す。
【0053】
【表5】
【0054】
【表6】
【0055】
【表7】
【0056】
【表8】
【0057】
【表9】
【0058】
【表10】
【0059】
【表11】
【0060】
【表12】
【0061】
【表13】
【0062】
【表14】
【0063】表中、’TMDHQ’は2、2、4ートリ
メチルー1、2ージハイドロキノリン重合物を示し、’
SDEA’はステアリン酸ジエタノールアミドを示
し、’DODPA’は4、4’−ジオクチルジフェニル
アミンを示し、’BMBDPA’は4、4’−ビス
(α、α’−ジメチルベンジル)ジフェニルアミンを示
し、’SA−300’はポリオキシエチレンアルキルア
ミンモノステアレート「アンステックスSA−300」
(東邦化学工業社製)を示し、’SP−20P’はグリ
セリンモノステアレートとステアリルジエタノールアミ
ンを主成分とする混合物「アンステックスSP−20
P」(東邦化学工業社製)を示し、’S−60’はソル
ビタンモノステアレート「ソルボンSー60」(東邦化
学工業社製)を示し、’S−66’はジグリセリンボレ
ートセスキステアレート「エマルボンSー66」(東邦
化学工業社製)を示す。
【0064】上述の試験結果から、本発明の樹脂組成物
は特に成形性と寸法安定性に優れており、成形品の外観
が良好であり、且つ、当該樹脂組成物を成形して成る摺
動部材は、低い摩擦係数および少ない摩耗量を示し摺動
特性に優れていた。他方、比較例1乃至4の樹脂組成物
から成る摺動部材は、低い摩擦係数および少ない摩耗量
を示すものの、押出成形時に、ストランドにボイドが発
生して、ストランド切れが生じ、ペレットの生産が困難
となった。さらに、成形品はボイドの影響により、機械
的性質が低下し、寸法のばらつきも大きくなり、外観も
本発明の成形品に比較して良いものではなっかた。
【0065】
【発明の効果】以上説明した本発明によれば、優れた摺
動特性、導電性、機械的性質、熱安定性および成形性、
特に、小型の摺動部材の製造に対しての優れた成形性と
寸法安定性を有するポリアセタール樹脂組成物が提供さ
れる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)ポリアセタール樹脂100重量
    部、(b)ポリテトラフルオロエチレン5〜30重量
    部、(c)カーボンブラック1〜20重量部、(d)キ
    ノリン化合物、アミド化合物およびアミン化合物の群か
    ら選択された少なくとも1種の熱安定剤0.1〜15重
    量部、および(e)多価アルコールの脂肪酸エステル、
    多価アルコールとホウ酸との錯化合物の脂肪酸エステ
    ル、当該脂肪酸エステルのエチレンオキサイド付加物、
    ポリオキシエチレンアルキルアミンおよびポリオキシエ
    チレンアルキルアミンの脂肪酸エステルの群から選択さ
    れた少なくとも1種の成形性改良剤0.1〜10重量部
    とから成ることを特徴とするポリアセタール樹脂組成
    物。
  2. 【請求項2】 キノリン化合物が下記一般式(1)、
    (2)又は(3)で表される化合物である請求項1記載
    のポリアセタール樹脂組成物。 【化1】 (一般式(1)中、R1、R2およびR3は、それぞれ、
    炭素数1〜3のアルキル基を示し、Zは―OR4を示
    し、R4は炭素数1〜3のアルキル基を示す。) 【化2】 (一般式(2)中、R1、R2およびR3は、それぞれ、
    炭素数1〜3のアルキル基を示し、nは整数である。) 【化3】 (一般式(3)中、AおよびDは、それぞれ、水素原
    子、水酸基または炭素数1〜3のアルキル基を示し、B
    は水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を示し、E
    は水素原子または水酸基を示し、Gは、水素原子、水酸
    基、炭素数1〜3のアルキル基または炭素数1〜3のア
    ルコキシ基を示し、JおよびLは、それぞれ、水素原子
    または水酸基を示す。但し、キノリン環は少なくとも5
    個の水素原子を有する。)
  3. 【請求項3】 アミド化合物が下記一般式(4)で表さ
    れる化合物である請求項1記載のポリアセタール樹脂組
    成物。 【化4】 (一般式(4)中、Rは、カルボン酸残基を示し、nは
    1〜6の整数であり、xおよびyは0又は1〜10の整
    数である。但し、xが0の場合は、yは0ではない。)
  4. 【請求項4】 多価アルコール成分が、エチレングリコ
    ール、ジエチレングリコール、グリセリン、トリメチロ
    ールプロパン、ペンタエリスリットまたはソルビットか
    らなり、脂肪酸成分が、カプリン酸、ラウリン酸、パル
    ミチン酸、ステアリン酸またはオレイン酸からなる請求
    項1記載のポリアセタール樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 追加成分として、ポリアセタール樹脂1
    00重量部に対して、15重量部以下のリン酸塩および
    /または10重量部以下の炭化水素系ワックスを含有す
    る請求項1〜4の何れかに記載のポリアセタール樹脂組
    成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002020577A (ja) * 2000-07-06 2002-01-23 Polyplastics Co 寸法安定性に優れたポリアセタール樹脂組成物及びその成形品
JP2003096265A (ja) * 2001-09-26 2003-04-03 Oiles Ind Co Ltd ポリアセタール樹脂組成物およびこれを成形してなる摺動部材

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