JP4944323B2 - ポリアセタール樹脂組成物およびこれを成形してなる摺動部材 - Google Patents

ポリアセタール樹脂組成物およびこれを成形してなる摺動部材 Download PDF

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、ポリアセタール樹脂組成物に関し、詳しくは、優れた摺動特性および導電特性、特に、摺動時において優れた導電特性を有するポリアセタール樹脂組成物および摺動部材に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、複写機、レーザービームプリンタ等の電子写真装置において、導電性を付与した樹脂組成物からなる軸受が使用されている。該樹脂組成物に要求される導電特性は軸受が使用される部位によって異なる。特に、転写部においては該部位に対して給電がなされるため、転写部において使用される軸受は、単に装置にセットする前の導電特性すなわち静的な導電特性が優れているのみでなく、装置にセットして稼動させたときの導電特性すなわち動的な導電特性が優れていることが要求される。言いかえれば、摺動時においても良好な導電性が維持されること、すなわち抵抗値の経時変化が小さいことが要求される。
【0003】
従来の導電性を付与した樹脂組成物としては、特公平2−60694号公報に、ポリアセタール樹脂に、導電性カーボンブラック、フッ素樹脂およびグラファイトを配合した樹脂組成物が開示されている。しかしながら、ポリアセタール樹脂に所望の摺動特性と導電性を付与するために充分な量のフッ素樹脂、導電性カーボンブラック、グラファイトを配合した場合、ポリアセタール樹脂の熱安定性が低下するとともに、成形性が著しく悪化し、かつ、機械的性質も低下するという問題があった。
【0004】
この熱安定性および成形性を改善するべく本出願人は特願平9−199398号(特開平11−29691号公報)において、ポリアセタール樹脂、四フッ化エチレン樹脂、導電性カーボンブラック、特定の熱安定剤からなる樹脂組成物を提案した。この樹脂組成物は、前記特公平2−60694号公報に開示された樹脂組成物の問題点を解決し、優れた摺動特性、導電性、機械的性質、熱安定性および成形性を有するものであるが、この樹脂組成物からなる軸受を前記転写部の軸受として使用した場合、動的な導電特性すなわち稼動時(摺動時)の抵抗値が大きく増大してしまい、転写部の軸受としては使用できないという新たな問題が生じた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の実情に鑑みなされたもので、その目的は、摺動特性に優れるとともに、摺動による導電特性の経時変化の小さいポリアセタール樹脂組成物および摺動部材を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、前記従来技術において摺動時に抵抗値が増大するのは、摺動することにより軸受の摺動部最表面に樹脂皮膜が形成されその皮膜が導電の障害となることが原因であること、そして、ポリアセタール樹脂、四フッ化エチレン樹脂、導電性カーボンブラックおよび熱安定剤からなる樹脂組成物に、特定の形状を有する黒鉛を配合することにより、上記目的を達成し得るとの知見を得た。
【0007】
本発明は、上記知見に基づき完成されたものであり、その第一の要旨は、(a)ポリアセタール樹脂100重量部、(b)四フッ化エチレン樹脂5〜30重量部、(c)導電性カーボンブラック1〜20重量部、(d)球状の人造黒鉛3〜15重量部、(e)キノリン化合物、アミド化合物およびアミン化合物の群から選択された少なくとも1種の熱安定剤0.1〜15重量部とからなることを特徴とするポリアセタール樹脂組成物に存する。
【0008】
また、本発明の第二の要旨は、上記ポリアセタール樹脂組成物を成形してなる摺動部材に存する。
【0009】
【作用】
本発明のポリアセタール樹脂組成物は、キノリン化合物、アミド化合物およびアミン化合物の群から選択される少なくとも1種の熱安定剤を配合したので、所望の摺動特性と導電性を得るのに充分な量の四フッ化エチレン樹脂、導電性カーボンブラックを配合しても、熱安定性が損なわれることがなく成形性も良好である。そして、本発明では、上記組成に加えて球状の人造黒鉛を配合したので、本発明のポリアセタール樹脂組成物を成形してなる摺動部材においては、球状の人造黒鉛が均一に分散されるとともに、マトリックスであるポリアセタール樹脂より硬質であるため、相手材との摺動時に球状の人造黒鉛の頂部が常に摺動面に露出される状態となる。その結果、摺動部材と相手材との間の電気抵抗の経時変化が小さく抑えられ、良好な導電特性が維持される。また、球状の人造黒鉛が均一に分散されているので、機械的性質にも優れる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。まず、ポリアセタール樹脂について説明する。ポリアセタール樹脂としては、ポリアセタールホモポリマーの他、主鎖の大部分がオキシメチレン連鎖よりなるポリアセタールコポリマーを使用することができる。また、公知の方法で架橋またはグラフト共重合して変性させたポリアセタール樹脂も使用することができる。
【0011】
ポリアセタール樹脂の分子量(数平均分子量)は、その成形が可能な限り特に限定はないが、通常20,000〜80,000の範囲である。そして、比較的流動性のよいポリアセタール樹脂、例えば、ASTM−D−1238法で測定したメルトフローレートが4g/10min以上のポリアセタール樹脂が好適に使用される。
【0012】
ポリアセタール樹脂の具体例としては、ホルムアルデヒドのホモポリマー(イー・アイ・デュポン社製「デルリン」(商品名)、分子量50,000〜70,000)、トリオキサンとエチレンオキサイドとの100/0.1〜15の共重合体(ポリプラスチックス社製「ジュラコン」(商品名)、分子量約50,000)等が挙げられる。
【0013】
次に、本発明で使用される四フッ化エチレン樹脂について説明する。四フッ化エチレン樹脂としては、公知の各種のものを制限なく使用することができる。例えば、一般にモールディングパウダーあるいはファインパウダーとして市販されている高分子量の四フッ化エチレン樹脂である、三井デュポンフロロケミカル社製の「テフロン7AJ」、「テフロン6CJ」(何れも商品名)、ダイキン工業社製の「ポリフロンM−12」、「ポリフロンF−201」(何れも商品名)、旭硝子社製の「フルオンG−163」、「フルオンCD−123」(何れも商品名)、そして、一般に潤滑用として市販されている低分子量の四フッ化エチレン樹脂である、三井デュポンフロロケミカル社製の「TLP−10F」(商品名)、ダイキン工業社製の「ルブロンL−2」、「ルブロンL−5」(何れも商品名)、旭硝子社製の「フルオンL−169J」(商品名)、喜多村社製の「KTL−450」、「KTL−610」(何れも商品名)が挙げられる。成形体中に均一に分散させる観点からは、低分子量の四フッ化エチレン樹脂の使用が好ましい。
【0014】
四フッ化エチレン樹脂の配合割合は、ポリアセタール樹脂100重量部に対して5〜30重量部、好ましくは10〜20重量部である。配合量が5重量部未満の場合は所望の摺動特性が得られず、30重量部を超える場合は機械的性質および成形性が低下する。
【0015】
次に、本発明で使用される導電性カーボンブラックについて説明する。導電性カーボンブラックは、市販の導電性カーボンブラックでよく、その一例を示せば、ケッチェンブラック・インターナショナル社製の「ケッチェンブラック」(商品名)が例示される。導電性カーボンブラックの配合割合は、ポリアセタール樹脂100重量部に対して1〜20重量部、好ましくは3〜10重量部である。配合量が1重量部未満の場合は所望の導電性が得られず、20重量部を超える場合は導電性カーボンブラックがポリアセタール樹脂に均一に配合されず、かつ、機械的性質、熱安定性および成形性が低下する。
【0016】
次に、本発明で使用される人造黒鉛について説明する。本発明では、球状の人造黒鉛を用いることを特徴とする。形状が球状であるために成形時の流動性を低下させることがなく、成形性を悪化させることがない。また、成形体中に均一に分散されるため、マトリックスであるポリアセタール樹脂自体の有する機械的性質の低下が抑えられる。
【0017】
さらに、本発明で使用される人造黒鉛は、マトリックスであるポリアセタール樹脂より硬質であるので、相手材と摺動接触したときに、摺動部材の摺動面に存在する人造黒鉛の頂部が常に摺動面に露出した状態となる。すなわち、相手材との摺動時に摺動部材の摺動面に樹脂皮膜が形成された場合でも、人造黒鉛の摺動面露出部には形成されないか、もし形成されたとしても非常に薄く導電性に大きく影響しない程度に抑えられる。これは、相手材表面についても同様で、摺動部材との摺動により相手材表面に樹脂皮膜が形成された場合においても、人造黒鉛の露出部との接触部においては導電性に悪影響を及ぼさない程度にその形成が抑えられる。その結果、摺動部材と相手材との間の電気抵抗の経時変化が小さく抑えられ、良好な電気特性が維持されることとなる。
【0018】
このような球状の人造黒鉛としては、(1)フェノール樹脂、エポキシ樹脂、フラン樹脂、ポリエステル樹脂、ナフタレン樹脂等の熱硬化性樹脂を素材として球状に形成したものを2000℃以上の温度で焼成したもの、(2)石炭系または石油系の重質油から得られる球状炭素粒子であるメソカーボンマイクロビーズを黒鉛化したもの、が挙げられる。(1)の例としては、鐘紡社製の「ベルパールC2000」(商品名)が、(2)の例としては、大阪ガス社製のメソカーボンマイクロビーズ黒鉛化パウダーが挙げられる。
【0019】
本発明では、これら球状の人造黒鉛の平均粒径が10〜30μmのもの、さらに好ましくは、平均粒径が10〜30μmであって、かつ粒径5μm以上の粒子が90重量%以上であるものを使用するのがよい。
【0020】
球状の人造黒鉛の配合割合は、ポリアセタール樹脂100重量部に対して3〜15重量部、好ましくは3〜10重量部である。配合量が3重量部未満の場合は所望の導電特性が得られず、15重量部を超える場合は導電特性は向上するものの摺動特性が低下する。
【0021】
次に、本発明で使用される熱安定剤としてのキノリン化合物について説明する。キノリン化合物としては、下記一般式(1)で表わされる2,2,4−トリアルキル−1,2−ジハイドロキノリンおよびその重合物、一般式(2)で表わされる6−アルコキシ−2,2,4−トリアルキル−1,2−ジハイドロキノリンまたは一般式(3)で表わされる化合物が好適に使用される。
【0022】
【化5】
Figure 0004944323
【0023】
一般式(1)中、R、RおよびRは、それぞれ炭素数1〜3のアルキル基、好ましくは炭素数1〜2のアルキル基を示し、nは1以上の整数であり、好ましくは1〜9の整数である。具体的には、2,2,4−トリメチル−1,2−ジハイドロキノリンの重合物が挙げられる。
【0024】
【化6】
Figure 0004944323
【0025】
一般式(2)中、R、RおよびRは、それぞれ炭素数1〜3のアルキル基、好ましくは炭素数1〜2のアルキル基を示し、Zは−ORを示し、Rは炭素数1〜3のアルキル基、好ましくは炭素数1〜2のアルキル基を示す。具体的には、6−エトキシ−2,2,4−トリメチル−1,2−ジハイドロキノリンが挙げられる。
【0026】
【化7】
Figure 0004944323
【0027】
一般式(3)中、AおよびDはそれぞれ水素原子、水酸基または炭素数1〜3のアルキル基、好ましくは炭素数1〜2のアルキル基を示し、Bは水素原子または炭素数1〜3のアルキル基、好ましくは炭素数1〜2のアルキル基を示し、Eは水素原子または水酸基を示し、Gは水素原子、水酸基、炭素数1〜3のアルキル基、好ましくは炭素数1〜2のアルキル基または炭素数1〜3のアルコキシ基、好ましくは炭素数1〜2のアルコキシ基を示し、JおよびLはそれぞれ水素原子または水酸基を示す。但し、キノリン環は少なくとも5個の水素原子を有する。具体的には、8−キノリノール、キノリンが挙げられる。
【0028】
次に、本発明で使用される熱安定剤としてのアミド化合物について説明する。アミド化合物としては、下記一般式(4)で表わされる化合物が好適に使用される。
【0029】
【化8】
Figure 0004944323
【0030】
一般式(4)中、Rはカルボン酸残基、好ましくは炭素数2〜23の飽和もしくは不飽和炭化水素基、またはビニル重合体もしくはビニル共重合体の基本単位を有する基を示し、nは1〜6の整数であり、xおよびyは0または1〜10の整数である。但し、xが0の場合はyは0ではない。
【0031】
一般式(4)で表わされるアミド化合物としては、酪酸アミド、カプロン酸アミド、ラウリン酸アミド、ミリスチン酸アミド、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、ベヘニン酸アミド、オレイン酸アミド、リノール酸アミド、リノレン酸アミド等の高級脂肪酸アミドのエチレンオキサイド付加物が好ましく、特にラウリン酸ジエタノールアミドまたはステアリン酸ジエタノールアミドが好ましい。
【0032】
次に、本発明で使用される熱安定剤としてのアミン化合物について説明する。かかるアミン化合物としては、4,4´−ジオクチルジフェニルアミン、4,4´−ビス(α,α´−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、フェニル−α−ナフチルアミン、フェニル−β−ナフチルアミン、N,N´−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N,N´−ジ−β−ナフチル−p−フェニレンジアミン、N−シクロヘキシル−N´−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N´−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、アルドール−α−ナフチルアミン等が挙げられる。
【0033】
上記の各熱安定剤の配合割合は、ポリアセタール樹脂100重量部に対して0.1〜15重量部、好ましくは1〜5重量部である。配合量が0.1重量部未満の場合は充分な熱安定性が得られずに成形性が悪くなり、配合量が15重量部を超える場合は機械的性質が低下しかつ成形品の表面に熱安定剤が析出する欠点がある。
【0034】
本発明のポリアセタール樹脂組成物は、上記、(a)ポリアセタール樹脂、(b)四フッ化エチレン樹脂、(c)導電性カーボンブラック、(d)球状の人造黒鉛、(e)キノリン化合物、アミド化合物およびアミン化合物の群から選択される少なくとも1種の熱安定剤を配合してなり、導電性、機械的性質、摺動特性および熱安定性等の良好な特性、優れた成形性を有するが、上述の成分に加えて下記(A)〜(F)の成形性改良剤を配合することにより、一層優れた成形性が付与される。
【0035】
(A)多価アルコールの脂肪酸エステル、(B)多価アルコールの脂肪酸エステルのエチレンオキサイド付加物、(C)多価アルコールとホウ酸との錯化合物の脂肪酸エステル、(D)多価アルコールとホウ酸との錯化合物の脂肪酸エステルのエチレンオキサイド付加物、(E)ポリオキシエチレンアルキルアミン、(F)ポリオキシエチレンアルキルアミンの脂肪酸エステル。
【0036】
上記の各化合物における脂肪酸エステルの脂肪酸成分としては、特に限定されるものではないが、カプリン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸またはオレイン酸の使用が好ましい。また、上記の各化合物における多価アルコール成分としては、特に限定されるものではないが、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリットまたはソルビットの使用が好ましい。上記の各化合物におけるアルキル基は、炭素数2〜23のアルキル基が好ましい。
【0037】
上記の各化合物の市販品(東邦化学工業社製)としては、(A)ソルビタン脂肪酸エステル「ソルボンSシリーズ」(商品名)、例えば、ソルビタンモノステアレート「ソルボンS−60」(商品名)、(B)ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル「ソルボンTシリーズ」(商品名)、(C)グリセロールボレート脂肪酸エステル「エマルボンSシリーズ」(商品名)、例えば、ジグリセリンボレートセスキステアレート「エマルボンS−66」(商品名)、(D)ポリオキシエチレングリセロールボレート脂肪酸エステル「エマルボンTシリーズ」(商品名)、(E)ポリオキシエチレンアルキルアミン「アンステックスSA−600」(商品名)、(F)ポリオキシエチレンアルキルアミンモノステアレート「アンステックスSA−300」(商品名)、グリセリンモノステアレートとステアリルジエタノールアミンを主成分とする混合物「アンステックスSP−20P」(商品名)等が挙げられる。
【0038】
上記の各成形性改良剤の配合割合は、ポリアセタール樹脂100重量部に対して、通常10重量部以下、好ましくは0.1〜10重量部、さらに好ましくは0.5〜5重量部である。10重量部を超える場合は機械的性質が低下する。
【0039】
上記(a)ポリアセタール樹脂、(b)四フッ化エチレン樹脂、(c)導電性カーボンブラック、(d)球状の人造黒鉛、(e)熱安定剤からなる樹脂組成物あるいはさらに成形性改良剤を配合してなる樹脂組成物に対して、リン酸塩等の潤滑助剤および/または炭化水素系ワックス等の潤滑剤を配合することにより、一層優れた摺動特性を発揮する。
【0040】
リン酸塩は、それ自体では黒鉛や二硫化モリブデンのような潤滑性を示さないが、四フッ化エチレン樹脂と一緒にポリアセタール樹脂に配合されることにより、良好な摺動面を形成するという効果を発揮する。リン酸塩としては、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の第三リン酸塩、第二リン酸塩、ピロリン酸塩、亜リン酸塩またはメタリン酸塩が挙げられる。具体的には、リン酸三リチウム、リン酸水素二リチウム、ピロリン酸リチウム、リン酸三カルシウム、リン酸一水素カルシウムまたはピロリン酸カルシウムが好ましい。
【0041】
リン酸塩の配合割合は、ポリアセタール樹脂100重量部に対して、通常15重量部以下、好ましくは0.1〜15重量部、さらに好ましくは0.5〜10重量部である。15重量部を超える場合は機械的性質および成形性が低下する。
【0042】
炭化水素系ワックスは、摺動特性のうち、特に摩擦係数の低下に効果を発揮する。炭化水素系ワックスとしては、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレンワックス等が挙げられる。
【0043】
炭化水素系ワックスの配合割合は、ポリアセタール樹脂100重量部に対して、通常10重量部以下、好ましくは0.1〜10重量部、さらに好ましくは0.5〜7重量部、特に好ましくは1〜5重量部である。10重量部を超える場合は、ポリアセタール樹脂の有する機械的性質等が損なわれる。
【0044】
本発明のポリアセタール樹脂組成物は、定法に従い、上述の各成分の所定量をヘンシェルミキサー、スーパーミキサー、ボールミル、タンブラーミキサー等の混合機によって混合することにより得られる。
【0045】
本発明の摺動部材は、前記ポリアセタール樹脂組成物を成形してなる。ポリアセタール樹脂組成物の成形は、直接射出成形機または押出成形機に供給して成形する方法、ポリアセタール樹脂組成物から得られるペレットを射出成形機または押出成形機に供給して成形する方法のいずれであってもよい。
【0046】
【実施例】
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実施例により限定されるものではない。実施例および比較例で用いた諸材料は下記表1のとおりである。
【0047】
【表1】
<ポリアセタール樹脂>
ポリプラスチックス社製「ジュラコンM90」(商品名)
<四フッ化エチレン樹脂>
ダイキン工業社製「ルブロンL−5」(商品名)
<導電性カーボンブラック>
ケッチェンブラック・インターナショナル社製「ケッチェンブラックEC600JD」(商品名)
<人造黒鉛>
人造黒鉛▲1▼:球状のフェノール樹脂を2000℃で焼成したもの(鐘紡社製「ベルパールC2000」(商品名)、平均粒径15μm)
人造黒鉛▲2▼:メソカーボンマイクロビーズを黒鉛化処理したもの(平均粒径20μm)
人造黒鉛▲3▼:板状の人造黒鉛(平均粒径6μm)
<天然黒鉛>
土状黒鉛(平均粒径2.5μm)
<熱安定剤>
熱安定剤▲1▼:2,2,4−トリメチル−1,2−ジハイドロキノリンの重合物(精工化学社製「ノンフレックスRD」(商品名))
熱安定剤▲2▼:ステアリン酸ジエタノールアミド
熱安定剤▲3▼:4,4´−ジオクチルジフェニルアミン
<成形性改良剤>
成形性改良剤▲1▼:ポリオキシエチレンアルキルアミンモノステアレート(東邦化学工業社製「アンステックスSA−300」(商品名))
成形性改良剤▲2▼:ソルビタンモノステアレート(東邦化学工業社製「ソルボンS−60」(商品名))
成形性改良剤▲3▼:ジグリセリンボレートセスキステアレート(東邦化学工業社製「エマルボンS−66」(商品名))
<リン酸塩>
リン酸塩▲1▼:リン酸三リチウム
リン酸塩▲2▼:リン酸三カルシウム
<炭化水素系ワックス>
日本精鑞社製「LUVAX」(商品名)
【0048】
<実施例1〜17および比較例1〜3>
表3〜6に示す組成(単位は重量部)となるように各成分をヘンシェルミキサーに投入し混合した後、二軸押出機で溶融混練してペレットを得た。次いで、射出成形機を使用して、内径10mm、外径14mm、長さ10mmの円筒状試験片(摺動部材)を成形した。得られた試験片について、導電特性および摺動特性の評価を行なった。
【0049】
導電特性は、機械構造用炭素鋼S45Cのシャフトを相手軸として9.8Nの負荷の下、300回転の摺動試験の前後におけるシャフトと円筒状試験片外径面間の電気抵抗を印加電圧3Vで測定し、摺動前後の電気抵抗の変化率すなわち(摺動後の電気抵抗)/(摺動前の電気抵抗)の値から導電性の安定性を評価した。結果を表3〜6に示す。
【0050】
摺動特性は、下記表2に示す条件にてラジアルジャーナル試験を行ない、摩擦係数および摩耗量を測定した。結果を表3〜6に示す。
【0051】
【表2】
すべり速度:0.09m/s(170rpm)
荷重:0.25MPa
相手材:機械構造用炭素鋼S45C
時間:50時間
潤滑:無潤滑
(以下余白)
【0052】
【表3】
Figure 0004944323
(以下余白)
【0053】
【表4】
Figure 0004944323
(以下余白)
【0054】
【表5】
Figure 0004944323
(以下余白)
【0055】
【表6】
Figure 0004944323
【0056】
以上の試験結果から、本発明のポリアセタール樹脂組成物からなる摺動部材は、摺動特性に優れるとともに、摺動前後の抵抗変化率が1.1〜1.7と導電特性も優れたものであった。他方、比較例の樹脂組成物からなる組成物は、摺動特性については本発明の樹脂組成物からなる摺動部材の値と大きく異なるものではなかったが、抵抗変化率が5を超え非常に大きな値を示し導電特性に劣るものであった。
【0057】
【発明の効果】
本発明によれば、摺動特性に優れるとともに、摺動による導電特性の経時変化の小さいポリアセタール樹脂組成物および摺動部材を提供できる。

Claims (9)

  1. (a)ポリアセタール樹脂100重量部、(b)四フッ化エチレン樹脂5〜30重量部、(c)導電性カーボンブラック1〜20重量部、(d)球状の人造黒鉛3〜15重量部、(e)キノリン化合物、アミド化合物およびアミン化合物の群から選択される少なくとも1種の熱安定剤0.1〜15重量部とからなることを特徴とするポリアセタール樹脂組成物。
  2. 球状の人造黒鉛が球状の熱硬化性樹脂を2000℃以上の温度で焼成したものである請求項1に記載のポリアセタール樹脂組成物。
  3. 球状の人造黒鉛が石炭系または石油系の重質油から得られた炭素球体を黒鉛化したものである請求項1に記載のポリアセタール樹脂組成物。
  4. 球状の人造黒鉛が平均粒径10〜30μmでかつ粒径5μm以上の粒子の割合が90重量%以上である請求項1〜3のいずれか一項に記載のポリアセタール樹脂組成物。
  5. キノリン化合物が下記一般式(1)、(2)または(3)で表わされる化合物である請求項1〜4のいずれか一項に記載のポリアセタール樹脂組成物。
    Figure 0004944323
    (一般式(1)中、R、RおよびRは、それぞれ炭素数1〜3のアルキル基を示し、nは1以上の整数である。)
    Figure 0004944323
    (一般式(2)中、R、RおよびRは、それぞれ炭素数1〜3のアルキル基を示し、Zは−ORを示し、Rは炭素数1〜3のアルキル基を示す。)
    Figure 0004944323
    (一般式(3)中、AおよびDはそれぞれ水素原子、水酸基または炭素数1〜3のアルキル基を示し、Bは水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を示し、Eは水素原子または水酸基を示し、Gは水素原子、水酸基、炭素数1〜3のアルキル基または炭素数1〜3のアルコキシ基を示し、JおよびLはそれぞれ水素原子または水酸基を示す。但し、キノリン環は少なくとも5個の水素原子を有する。)
  6. アミド化合物が下記一般式(4)で表わされる化合物である請求項1〜5のいずれか一項に記載のポリアセタール樹脂組成物。
    Figure 0004944323
    (一般式(4)中、Rはカルボン酸残基を示し、nは1〜6の整数であり、xおよびyは0または1〜10の整数である。但し、xが0の場合はyは0ではない。)
  7. 追加成分として、ポリアセタール樹脂100重量部に対して、多価アルコールの脂肪酸エステル、多価アルコールとホウ酸との錯化合物の脂肪酸エステル、当該脂肪酸エステルのエチレンオキサイド付加物、ポリオキシエチレンアルキルアミンおよびポリオキシエチレンアルキルアミンの脂肪酸エステルの群から選択される少なくとも1種の成形性改良剤10重量部以下を含有する請求項1〜6のいずれか一項に記載のポリアセタール樹脂組成物。
  8. 追加成分として、ポリアセタール樹脂100重量部に対して、15重量部以下のリン酸塩および/または10重量部以下の炭化水素系ワックスを含有する請求項1〜7のいずれか一項に記載のポリアセタール樹脂組成物。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載のポリアセタール樹脂組成物を成形してなる摺動部材。
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