JP6199196B2 - すべり軸受 - Google Patents

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Description

本発明はすべり軸受に関し、特に、所定の金属圧粉体からなる基材の摺動面に樹脂層が形成されたすべり軸受に関する。
近年、軸受に関し、各種検討が行われている。例えば、内・外輪の間に保持器を介して複数個の転動体を保持して構成され、さらに内・外輪の軌道面および転動体の表面に0.03〜20μmの膜厚で潤滑剤膜を成膜してなる転がり軸受であって、潤滑剤膜を構成する基油と相溶性のある潤滑油をその全重量の10重量%以上含有し、かつJIS K2220で規定されるちょう度No.3より大きいちょう度を有する潤滑油保持体を、容積比で軸受空間の1〜10%を占め、かつ内・外輪の軌道面および転動体表面と接触しないように保持器の適所に配置させた転がり軸受が提案されている(特許文献1参照)。
特開平08−303467号公報
特許文献1の転がり軸受においては、その製造工程中に、内・外輪の軌道面および転動体の表面に0.03〜20μmの膜厚で潤滑剤膜を成膜させる工程が必要とされる。また、この工程に加えて、潤滑油保持体を、容積比で軸受空間の1〜10%を占め、かつ内・外輪の軌道面および転動体表面と接触しないように保持器の適所に配置させる工程が必要とされる。
このような転がり軸受を製造しようとした場合、転がり軸受の製造工程に煩雑な工程が増加し、その煩雑な工程の管理などのために生産性が低下し、その結果、転がり軸受の価格を低く抑えることは困難となることが推察される。また、煩雑な工程を追加しても、大きな長寿命化の効果は期待できず、転がり軸受の使用部位によっては、過剰品質となることも懸念される。
また、市場から、転がり軸受に対する更なる低価格化も要求され、これに対応するために部品点数を大幅に減らしたすべり軸受が求められつつある。ここで、すべり軸受の一部に一般的な焼結金属基材を用いる場合、その焼結工程は基材の製造コスト全体の1/4〜1/2を占め、その後のサイジング工程も不可欠となる。このため、軸受全体としての更なる低価格化を図るべく、基材において十分な強度を確保しつつ、より製造コストを低減することが求められている。
また、すべり軸受を転がり軸受の代替として用いる場合、その代替可能範囲は、すべり軸受の対応し得るPV値(面圧(P)と滑り速度(V)を乗じたもの)に大きく依存し、5MPa・m/min.をこえる程度で約20%、15MPa・m/min.以上で約85%の代替が可能となる。このため、転がり軸受代替のすべり軸受としては、長期間にわたり低摩擦係数を維持しつつ高PV値に対応し得るなどの安定した軸受特性を有することも求められている。
本発明はこのような問題に対処するためになされたものであり、長期間にわたって軸受特性を維持させつつ価格を低く抑えることが可能なすべり軸受を提供することを目的とする。
本発明のすべり軸受は、金属製基材と、この基材の摺動面となる表面に樹脂材料を用いて形成された樹脂層とを有するすべり軸受であって、上記金属製基材が、酸化物皮膜を形成可能な金属粉末を主原料とする原料粉末を加圧成形した未焼結の圧粉体であり、上記金属粉末の粒子間に酸化物皮膜が形成されていることを特徴とする。
上記圧粉体は、寸法測定法による圧粉密度が5.0〜7.6g/cm3の範囲であることを特徴とする。また、上記圧粉体は、100MPaをこえる圧環強さを有することを特徴とする。
上記酸化物皮膜は、水蒸気処理によって形成されていることを特徴とする。
上記樹脂材料は、射出成形可能なポリエチレン(PE)樹脂を主成分とし、非射出成形性の樹脂を含む材料であり、上記樹脂層は、該材料を用いて射出成形により上記基材に一体に成形されていることを特徴とする。
本発明のすべり軸受は、金属製基材と、この基材の摺動面となる表面に樹脂材料を用いて形成された樹脂層とを有し、上記金属製基材が、酸化物皮膜を形成可能な金属粉末を主原料とする原料粉末を加圧成形した未焼結の圧粉体であり、該金属粉末の粒子間に酸化物皮膜が形成されているので、金属製基材においてすべり軸受としての実用に耐え得る十分な強度を確保しつつ、その製造コストを低減できる。また、該基材の摺動面となる表面に樹脂材料による樹脂層が形成されているので、相手材との摺動が円滑に行われる。さらに、転がり軸受と比較して部品点数が少なくなる。これらの結果、長期間にわたって軸受特性を維持させつつ軸受全体として価格を低く抑えることが可能となる。
また、樹脂層を形成する樹脂材料が、射出成形可能なPE樹脂を主成分とし、非射出成形性の樹脂を含む材料であり、該樹脂層は該材料を用いて射出成形により金属製基材に一体に成形されているので、高PV条件においても長期間にわたり低摩擦係数を維持でき、耐摩耗性にも優れる。また、樹脂層をインサート射出成形するので、煩雑な製造工程も不要であり、生産性に優れ、更なる低価格化が図れる。これらの結果、本発明のすべり軸受は、多くの用途における転がり軸受の代替品として期待される。
本発明のすべり軸受の一例を示す斜視図および断面図である。 軸受外周部に形成される樹脂層の構造の態様を示す断面図である。
本発明のすべり軸受は、金属製基材と、この基材の摺動面となる表面に樹脂材料を用いて形成された樹脂層とを有し、上記金属製基材が、酸化物皮膜を形成可能な金属粉末を主原料とする原料粉末を加圧成形した未焼結の圧粉体であり、該金属粉末の粒子間に酸化物皮膜が形成されている。ここで、本発明のすべり軸受における「樹脂層」は、樹脂(合成重合体)を主成分として含む層であり、その一部に樹脂以外の充填材などを含んでいてもよい。樹脂層を摺動面に形成することで、軸などの相手材との摺動を円滑に行わせることができる。
本発明のすべり軸受を構成する金属製基材について説明する。
粉末冶金の分野においては、金属粉末をはじめとする原料粉末を混合し、圧粉成形した後、800℃を越える高温の炉中で焼結させて製品とするのが一般的である。これに対して、本発明における金属製基材は、金属粉末を成形したままの未焼結(焼結レス)の圧粉体であり、さらに焼結工程を経た焼結体とは区別される。
本発明者らは、水蒸気処理に着目した。一般に、水蒸気処理(steam treatment)はホモ処理とも呼ばれ、酸化雰囲気中でFe系焼結材料(焼結させた後のもの)を500〜560℃程度に加熱しながら水蒸気と反応させ、表面に四酸化三鉄(Fe34)の皮膜を生成させるようにしたものである。その皮膜厚さは3〜7μm程度と言われている。水蒸気処理は、一般鋼材への適用例は少ないが、焼結金属に対する安価な表面処理とされる。主な処理目的は、防錆、耐摩耗性の向上、封孔の3つであり、その他にも、表面硬さや被削性の向上にも有効とされている。
本発明では、金属製基材を次の方法で製造している。すなわち、酸化物皮膜を形成可能な金属粉末を主原料とする原料粉末を加圧成形して圧粉体を得、水蒸気処理により、圧粉体を構成する金属粉末の粒子間に酸化物皮膜を形成させている。これにより、焼結レスでありながら、高強度の圧粉体を得ている。特に、金属製基材を構成する圧粉体の材質や密度、水蒸気処理条件などを適正化することで、更なる高強度化が図れる。ここで、高強度とは、圧粉体の耐欠け性向上や、軟磁性材料部品程度の強度ではなく、すべり軸受として実用に耐え得る水準であり、具体的には圧環強さ100MPa以上(JIS Z 2507「焼結軸受‐圧環強さ試験方法」)を指す。
従来の焼結体は、原料粉末を一軸加圧などで圧粉成形した後、融点以下(Fe系金属粉末の場合800〜1300℃)の高温に加熱することで、粒子間のネッキングを形成させ、高強度化させている。それに対して、本発明は、酸化雰囲気中で所定の密度の圧粉体を、上記温度よりも低い温度の水蒸気と反応させることにより、金属粉末表面に酸化物皮膜を形成させている。この水蒸気処理の温度は、Fe系金属粉末の場合、400〜700℃程度であり、好ましくは400〜550℃である。酸化物は、原料粉末にFe系金属粉末を使用した場合には四三酸化鉄(Fe34)である。原料粉末の粒子間に形成される酸化物皮膜が、粉体粒子同士のネッキングの役割を代替し、その結果、圧粉体が高強度化する。また、水蒸気処理後は、金属粉末が酸化物皮膜で覆われるため、防錆処理が不要となる。
処理温度が通常の焼結工程に比べて低いため、寸法変化が小さい(処理前後で±0.1%以下)。そのため、従来焼結後に寸法を矯正するために必要であったサイジング工程を省略することが可能となる。また、すべり軸受および圧粉成形用金型の設計が容易となる。さらに、処理温度が低いことから、処理時に必要な(電気または熱)エネルギーが削減できる上、処理工程も削減でき、金属製基材の製造工程の短縮とコスト低減が可能となる。また、水蒸気処理は雰囲気処理であるため、金属製基材の形状や寸法の大小によらず適用可能である。
圧粉体の圧粉手法の代表例として一軸加圧成形を挙げたが、酸化物皮膜を形成し得る金属基材が露出していれば、適用可能である。具体的には、多軸CNCプレスによる成形、射出成形(MIM)、さらに追加で冷間静水圧加圧(CIP)成形したものなども可能であり、粉末が押し固められていれば、圧粉成形の手法は問わない。
一般に、圧粉成形時には被成形粉末と金型および粉末同士の潤滑を担保するために、金属石けんやアミドワックスなどの潤滑剤粉末が混合され、その潤滑剤粉末は圧粉体中に残存する。従来の手法では、その後の焼結工程において高温に保持されるために分解し、焼結後の金属製基材中には含まれない。しかし、本発明を適用した場合、圧粉体の密度や処理温度、保持時間によっては潤滑剤成分が残存し得る。そのため、水蒸気処理に先立ち、あらかじめ潤滑剤成分を分解・除去するための脱脂工程を設け、脱脂工程後に連続して水蒸気処理をする、といった手法を取ることが望ましい。ただし、脱脂工程を設けずに、潤滑剤を含有したまま水蒸気処理をしても、高強度化が図れることは確認済みである。
通常、焼結体においては密度が高い方が強度は向上する。一方、圧粉密度が高すぎると、圧粉体内部まで水蒸気が侵入できず、酸化物皮膜の形成が圧粉体のごく表層に限られるため、強度は向上するものの好ましくない。しかしながら、圧粉密度が低すぎると、取扱い時に欠けや割れが発生してしまう(ラトラ値が大きい)、粒子間距離が長過ぎて酸化物皮膜が粒子間にわたって形成されない、といった懸念がある。以上の理由から、圧粉密度は5.0〜7.6g/cm3、好ましくは5.3〜7.2g/cm3、より好ましくは6.0g/cm3以上7.0g/cm3未満の範囲とするのがよい。圧粉密度は寸法測定法による。
金属製基材(圧粉体)の材料については、酸化物皮膜を形成させることが可能なものであれば適用可能である。したがって、主原料とする金属粉末は、Fe系金属に限らず、Cu系金属、Fe−Cu系金属なども適用可能であり、他成分としてC、Zn、Snを含んでもよい。また、アルミニウム系金属でCu、Mg、Siを配合した材料も適用可能である。なお、金属粉末の製法に関しては、アトマイズ法、還元法、スタンプ法、カルボニル法などが知られているが、本発明では金属粉末の製法いかんに拘らず適用可能である。
高い寸法精度および回転精度と共に、機械的強度および耐久性に優れたすべり軸受を得る場合にはFe系金属粉末が好ましい。ここで、「Fe系」とはFeの含有量が質量比で90%以上であることを意味する。この条件を満たす限り、Cu、Sn、Zn、Cなどの他の成分を含有していてもよい。また、「Fe」にはステンレスも含まれる。Fe系金属粉末は、例えば、Feを上記の含有量配合した原料金属粉末(成形性や離型性を向上させるためバインダーを少量添加してもよい)を所定形状に圧粉成形し、脱脂し、水蒸気処理(スチーム処理)を行なって例えば固形体を得る。例えば得られた固形体に、必要に応じてサイジングなどの後処理を施してもよい。金属製固形体(金属製基材)の内部には多孔質組織による多数の内部細孔があり、また、その表面には内部細孔が外部に開口して形成された多数の表面開孔がある。内部細孔には、例えば真空含浸によって潤滑油を含浸させることができる。
本発明のすべり軸受を構成する樹脂層について説明する。
この樹脂層は、金属製基材の摺動面となる表面に樹脂材料を用いて形成されている。例えば、金属製基材に樹脂層を一体に成形する方法や、樹脂層を単体で成形後に金属製基材に固定(圧入、嵌合、接着など)する方法が採用できる。圧粉体である金属製基材と密着性よく形成可能であることから、射出成形金型内に予め金属製基材を配置した後、その摺動面となる表面に上記樹脂材料を用いて射出成形により一体に樹脂層を成形(インサート成形)することが好ましい。
材料として用いる樹脂材料は、樹脂層の要求特性に応じて任意に決定できる。樹脂材料の主成分となる合成樹脂としては、例えば、ポリアミド6(PA6)樹脂、ポリアミド6−6(PA66)樹脂、ポリアミド6−10(PA610)樹脂、ポリアミド6−12(PA612)樹脂、ポリアミド4−6(PA46)樹脂、ポリアミド9−T(PA9T)樹脂、ポリアミド6−T(PA6T)樹脂、ポリメタキシレンアジパミド(ポリアミドMXD−6)樹脂などのポリアミド(PA)樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂、ポリアセタール(POM)樹脂、全芳香族ポリエステル樹脂、ポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂、ポリアミドイミド(PAI)樹脂、ポリエーテルイミド(PEI)樹脂、射出成形可能なポリイミド(PI)樹脂、ポリテトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)樹脂、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)樹脂、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)樹脂などの射出成形可能なフッ素樹脂(ポリフッ化オレフィン系樹脂)、射出成形可能なPE樹脂などのオレフィン系樹脂などが挙げられる。なお、各ポリアミド樹脂において、数字はアミド結合間の炭素数を表し、Tはテレフタル酸残基を表す。これらの各合成樹脂は単独で使用してもよく、2種類以上混合したポリマーアロイであってもよい。
これらの中でも、射出成形可能なPE樹脂を主成分とし、非射出成形性の樹脂を含む材料を用い、該材料を用いて射出成形により樹脂層を金属製基材に一体に成形することが好ましい。非射出成形性の樹脂が充填剤として作用し、耐摩耗性の改善などが図れる。非射出成形性の樹脂としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂、非射出成形性の超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)などが挙げられる。
樹脂層を形成する樹脂材料が、射出成形可能なPE樹脂(A)を主成分とし、PTFE樹脂(B1)を所定量含む材料の場合を以下に説明する。
樹脂材料の主成分となるPE樹脂(A)としては、射出成形可能なPE樹脂あればよい。射出成形条件としては、例えば、成形温度200℃〜270℃、射出圧力100〜160MPaで射出成形可能なものであればよい。また、耐摩耗性、自己潤滑性、耐衝撃性、耐薬品性、水の比重より軽いという軽量性、低吸水性による寸法安定性などの各諸特性に優れる高密度、高分子量化PE樹脂が好ましい。例えば、密度(ASTM D 1505)が942kg/m以上である高密度PE樹脂が好ましく、高密度PE樹脂の密度の上限値は1000kg/m未満、厳密には980kg/m以下である。
PE樹脂(A)のMFR(メルトフローレイト:JIS K 7210(190℃、10kgf))としては、1〜30g/10分が好ましく、1〜15g/10分がより好ましく、2〜6g/10分が特に好ましい。重量平均分子量としては、100万未満であり、好ましくは25万〜95万程度である。また、構造としては、直鎖状のものや、メチル基の分岐を含む分岐状のものであってもよい。なお、(A)成分のPE樹脂は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
本発明に使用できるPE樹脂(A)の市販品としては、三井化学社製の商品名リュブマーL3000(密度:969kg/m、MFR:15g/10分)、同L4000(密度:967kg/m、MFR:6g/10分)、同L5000(密度:966kg/m、MFR:2g/10分)などが挙げられる。
樹脂材料に配合するPTFE樹脂(B1)は、非射出成形性のフッ素樹脂である。PTFE樹脂は、結晶性熱可塑性樹脂であり、その融点は通常便宜的に327℃とされているが、溶融粘度が380℃でも1011 ポアズと極めて高く、成形時の溶融粘度が10〜10 ポアズである一般の熱可塑性樹脂とは異なり、射出成形などの溶融成形法を適用できない。このためPTFE樹脂は、主に、粉末状樹脂を予備成形し、これを融点以上の360〜390℃に加熱し、粒子を焼結する成形法が採用される。この態様においてPTFE樹脂(B1)は、射出成形で形成される樹脂層の主成分ではなく、ベースとなるPE樹脂(A)に対して充填剤(粉末状)として配合される。PTFE樹脂(B1)を含むことで、摺動面に潤滑油やグリースを介さないドライ環境下において、低摩擦化が図れ、摩擦発熱が軽減され、高負荷でも摩擦摩耗特性に優れる。
PTFE樹脂としては、−(CF−CF−で表される一般のPTFE樹脂を用いることができ、また、一般のPTFE樹脂に、パーフルオロアルキルエーテル基(−C2p−O−)(pは1−4の整数)やポリフルオロアルキル基(H(CF−)(qは1−20の整数)などを導入した変性PTFE樹脂も使用できる。
PTFE樹脂としては、懸濁重合法によるモールディングパウダー、乳化重合法によるファインパウダー、再生PTFE樹脂のいずれを用いてもよい。ここで、再生PTFE樹脂とは、バージン材ではないPTFE樹脂であり、例えば、モールディングパウダーまたはファインパウダーを融点以上で加熱および加圧した成形体、またはその加工品などを加熱焼成後に粉砕した粉末、また、この粉末にさらにγ線または電子線などを照射した粉末などのタイプがある。
PTFE樹脂としては、再生PTFE樹脂を用いることが好ましい。樹脂層の耐摩耗性を向上させるためには分子量が高いPTFE樹脂を用いることが好適であるが、一般に分子量が高いバージン材のPTFE樹脂を用いる場合、成形条件によっては樹脂材料が増粘して射出成形が阻害されるおそれがある。これに対して、再生PTFE樹脂を用いることで成形時における繊維化を防止でき、増粘による射出成形阻害が起こらない。また、均一分散性に優れるとともに、加熱焼成されているので、耐摩耗性にも優れる。なお、PTFE樹脂の分子量としては、数平均分子量(Mn)が約10万〜1000万であるものが好ましい。
PTFE樹脂は、樹脂材料の射出成形に際しての溶融混練時において粉末状で配合される。PTFE樹脂粉末の平均粒子径は、5〜50μmが好ましく、9〜15μmがより好ましい。平均粒子径が5μm未満であると、該粉末が凝集して塊となり、すべり軸受の摺動面が円滑な面とならないおそれがある。また、平均粒子径が50μmをこえると、すべり軸受の摺動面における摩擦摩耗特性にバラつきが生じるおそれがある。
本発明で使用できるPTFE樹脂の市販品としては、喜多村社製:KTL−610、KTL−450、KTL−350、KTL−8N、KTL−400H、三井・デュポンフロロケミカル社製:テフロン(登録商標)7−J、TLP−10、旭硝子社製:フルオンG163、L150J、L169J、L170J、L172J、L173J、ダイキン工業社製:ポリフロンM−15、ルブロンL−5、ヘキスト社製:ホスタフロンTF9205、TF9207などが挙げられる。
樹脂材料において、PTFE樹脂(B1)が、PE樹脂(A)とPTFE樹脂(B1)との合計質量(A+B1)に対して、10質量%をこえ、40質量%以下含まれることが好ましい。10質量%以下であると、耐摩耗性の向上効果が乏しく、5MPa・m/min.をこえるようなPV値での使用に際して、耐摩耗性に劣るおそれがある。一方、40質量%をこえると、射出成形性を阻害するおそれがある。好ましくは、10質量%をこえ、30質量%以下であり、より好ましくは20〜30質量%である。
その他、すべり軸受の樹脂層を形成する樹脂材料には、摩擦摩耗特性を改善するために、また、線膨張係数を小さくするために、適当な充填材を添加することができる。例えば、ガラス繊維、カーボン繊維、ピッチ系炭素繊維、PAN系炭素繊維、アラミド繊維、アルミナ繊維、ポリエステル繊維、ボロン繊維、炭化珪素繊維、窒化硼素繊維、窒化珪素繊維、金属繊維などの繊維類、炭酸カルシウムやタルク、シリカ、クレー、マイカなどの鉱物類、硼酸アルミニウムウィスカー、チタン酸カリウムウィスカーなどの無機ウィスカー類、ポリイミド樹脂やポリベンゾイミダゾールなどの各種耐熱性樹脂などが挙げられる。なお、軟質相手材を攻撃するおそれがある場合には、繊維状の充填材は配合しない。さらに、この発明の効果を阻害しない配合量で公知の添加剤を併用してもよい。例えば、帯電防止剤(カーボンナノ繊維、カーボンブラック、黒鉛など)、離型剤、難燃剤、耐候性改良剤、酸化防止剤、顔料などの添加剤を適宜添加してもよく、これらを添加する方法も特に限定されるものではない。
この態様における樹脂材料の最も好ましい組成は、実質的にPE樹脂(A)とPTFE樹脂(B1)である再生PTFE樹脂の2成分からなる組成(微量成分として顔料などを含めてもよい)である。この場合、繊維状充填材などを含まず、また、再生PTFE樹脂も成形時に繊維化しないことから、樹脂材料の流動方向〔例:MD(molding direction)〕に略沿った線膨張係数と、樹脂材料の流動方向に略直交する方向〔例:CD(cross molding direction)〕に略沿った線膨張係数とを略同じとできる。さらに、潤滑油(含油シリカ)などを含まないことで、これを含む場合と比較して曲げ弾性率や曲げ強度の大幅な向上が図れる。これらにより、高PV条件下でのすべり軸受使用時において、金属製基材からの樹脂層の剥がれ、樹脂層自体の変形や偏摩耗などを防止できる。なお、ここでの線膨張係数は、例えば、R.T.(室温)〜60℃における平均線膨張係数であり、TMA(熱機械分析)法により測定できる。
樹脂層を形成する樹脂材料において、諸原材料を混合し、混練する手段は、特に限定するものではなく、ヘンシェルミキサー、ボールミキサー、リボンブレンダー、レディゲミキサーなどにて混合し、さらに二軸押出し機などの溶融押出し機にて溶融混練し、成形用ペレットを得ることができる。また、充填材の一部材料の投入は、二軸押出し機などで溶融混練する際にサイドフィードを採用してもよい。この成形用ペレットを用い、例えば、金属製基材に対して樹脂層をインサート成形により射出成形する。射出成形を採用することで、精密成形性および生産性などに優れる。また、物性改善のためにアニール処理などの処理を採用してもよい。
樹脂層を形成する樹脂材料が、射出成形可能なPE樹脂(A)を主成分とし、非射出成形性のUHMWPE(B2)を所定量含む材料の場合を以下に説明する。
樹脂材料の主成分となるPE樹脂(A)については、上述のPTFE樹脂(B1)を用いる場合と同様である。
樹脂材料に配合するUHMWPE樹脂(B2)は、非射出成形性のUHMWPE樹脂である。UHMWPE樹脂は、PE樹脂の通常2万〜30万の分子量を、50万〜1100万程度までに高めた樹脂であり、低摩擦特性を有する。また、UHMWPE樹脂は、高分子量であるため耐摩耗性が良好である。しかし、UHMWPE樹脂の中でも特に分子量が100万以上のものは、溶融時の粘度が極めて高く、ほとんど流動しないため、これをベース樹脂として通常の射出成形法によって成形することはできず、通常、加熱圧縮成形やラム押出し成形によって素材を成形した後、機械加工によって所望の形状に加工される。このような非射出成形性のUHMWPE樹脂(B2)は、射出成形可能なPE樹脂(A)よりも低摩擦特性であり耐摩耗性にも優れている。この非射出成形性のUHMWPE樹脂(B2)は、PE樹脂(A)よりも高分子量であることが好ましい。
非射出成形性のUHMWPE樹脂(B2)の重量平均分子量は、100万〜400万であることが好ましい。100万未満のUHMWPE樹脂粉末では、耐摩耗性の向上効果が乏しい。400万をこえると、薄肉成形性を阻害する。
樹脂材料において、非射出成形性のUHMWPE樹脂(B2)が、PE樹脂(A)と非射出成形性のUHMWPE樹脂(B2)との合計質量(A+B2)に対して5〜30質量%含まれることが好ましい。5質量%未満であると、耐摩耗性の向上効果が乏しく、5MPa・m/min.をこえるようなPV値での使用に際して、耐摩耗性に劣るおそれがある。一方、30質量%をこえると、射出成形性を阻害するおそれがある。好ましくは8〜30質量%であり、より好ましくは14〜30質量%である。
この態様では、UHMWPE樹脂の中でも、特に非射出成形性のUHMWPE樹脂を、樹脂層の主成分ではなく、耐摩耗性向上を図るための充填材として用いている。非射出成形性のUHMWPE樹脂(B2)とPE樹脂(A)とは、いずれも−CH−CH−単位を含む主鎖を有する同種の樹脂であり、相溶性に優れている。射出成形に際しての溶融混練により、PE樹脂(A)の中に、非射出成形性のUHMWPE樹脂(B2)が完全または一部相溶した状態で分散している。
樹脂材料の射出成形に際しての溶融混練時において、非射出成形性のUHMWPE樹脂(B2)は平均粒子径10〜200μmの粉末状で配合される。好ましくは、平均粒子径10〜50μmの粉末状である。微細粉末状で配合することで、樹脂層の薄肉成形性を阻害せず、また、相溶性にも優れ耐摩耗性を向上させやすい。また、平均粒子径の異なる2種類以上のUHMWPE樹脂(B2)の粉末を配合することもできる。さらに、非射出成形性のUHMWPE樹脂(B2)の粉末形状は、混練性に優れることから、球状が好ましい。なお、平均粒子径は、レーザ回析法による測定値である。
本発明に使用できる非射出成形性のUHMWPE樹脂粉末(B2)の市販品としては、三井化学社製の商品名ミペロン(球状、重量平均分子量:200万、密度:940kg/m、平均粒子径25〜30μm)、三井化学社製の商品名ハイゼックスミリオン(重量平均分子量:115万〜400万、密度:935〜940kg/m、平均粒子径:120〜160μm)などが挙げられる。
この態様では樹脂層の摺動性をより向上させるために、射出成形可能なPE樹脂(A)、非射出成形性のUHMWPE樹脂(B2)に加えて、連通孔を有する充填材である多孔質シリカ(C)と、潤滑剤(D)とを配合することが好ましい。さらに、固体潤滑剤(E)を配合することもできる。
多孔質シリカ(C)としては、非晶質の二酸化ケイ素を主成分とする粉末が使用できる。例えば、一次粒子径が15nm以上の微粒子の集合体である沈降性シリカや、アルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩を含有したケイ酸アルカリ水溶液を有機溶媒中で乳化し、二酸化炭素でゲル化させることにより得られる真球状多孔質シリカなどが挙げられる。本発明においては、粒子径が3〜8nmの一次微粒子が集合して真球状シリカ粒子を形成した多孔質シリカが、連通孔を有しているため特に好ましい。この真球状シリカ粒子の平均粒子径は、0.5〜100μmが好ましく、取扱い易さや摺動性を考慮した場合は、1〜20μmが特に好ましい。このような真球状多孔質シリカとしては、AGCエスアイテック社製の商品名サンスフェアが挙げられる。
粒子径が3〜8nmの一次微粒子が集合した真球状シリカ粒子は、比表面積が200〜900m/g、好ましくは300〜800m/g、細孔容積が1〜3.5ml/g、細孔径が5〜30nm、好ましくは20〜30nm、吸油量が150〜400ml/100g、好ましくは300〜400ml/100gの特性を有することが好ましい。また、水に浸漬した後に再度乾燥しても、上記細孔容積および吸油量が浸漬前の90%以上を保つことが好ましい。なお、上記の比表面積および細孔容積は窒素吸着法により、吸油量はJIS K5101に準じて測定した値である。
また、真球状シリカ粒子の内部と外表面は、シラノール(Si−OH)で覆われていることが、潤滑油などを内部に保持しやすくなるため好ましい。さらに、多孔質シリカは、母材に適した有機系、無機系の表面処理を行なうことができる。上記多孔質シリカは、粒子の形状は特に限定されず、平均粒子径、比表面積、吸油量などが上記真球状シリカ粒子の範囲内であれば、非球状多孔質シリカであっても使用できる。なお、相手材への攻撃性や混練性の観点から、球状、真球状の粒子がより好ましい。なお、ここで、球状とは、長径に対する短径の比が0.8〜1.0の球をいい、真球状とは、上記球状よりもっと真球に近い球をいう。
潤滑剤(D)としては、常温で液体の潤滑油、イオン性液体、あるいは潤滑油に増ちょう剤を含んだグリースなど、潤滑効果を有する物質であれば使用できる。
潤滑油としては、軸受用として汎用されているものであれば使用でき、例えば、スピンドル油、冷凍機油、タービン油、マシン油、ダイナモ油などの鉱油、ポリブテン、ポリ-α-オレフィン、アルキルナフタレン、脂環式化合物などの炭化水素系合成油、または、天然油脂とポリオールとのエステル油、リン酸エステル、ジエステル油、ポリグリコール油、シリコーン油、ポリフェニルエーテル油、アルキルジフェニルエーテル油、アルキルベンゼン、フッ素化油などの非炭化水素系合成油が挙げられる。また、グリースとしては、これらの潤滑油を基油とし、金属石けん、複合金属石けんなどの石けん系増ちょう剤、または、ベントン、シリカゲル、ウレア化合物、ウレア・ウレタン化合物などの非石けん系増ちょう剤を用いたグリースが挙げられる。その他、固体ワックスを配合してもよい。
本発明のすべり軸受では、低摩擦が求められることから、潤滑剤(D)として上記の中でもシリコーン油を用いることが好ましい。シリコーン油は、上述の多孔質シリカ表面に残存するシラノール基と親和性がある。シリコーン油としては、官能基を有さないシリコーン油、官能基を有するシリコーン油のいずれも使用できる。
樹脂材料に、多孔質シリカ(C)と潤滑剤(D)とを配合する場合、混練順序は特に限定しないが、多孔質シリカと潤滑剤とを予め混練し、多孔質シリカに潤滑剤を含浸させた後で他の材料と混練することが好ましい。なお、ベース樹脂と多孔質シリカを混練し成形体とした後、潤滑剤を含浸する方法も可能である。また、多孔質シリカは吸湿や吸水しやすいので、混練前に乾燥することが好ましい。乾燥手段としては特に制限なく、電気炉での乾燥、真空乾燥などを採用できる。潤滑油を十分に多孔質シリカ内に保持でき、混練性にも優れることから、多孔質シリカに予めシリコーン油などを含浸した含油多孔質シリカの状態で他の材料に配合することが好ましい。
樹脂材料において、多孔質シリカ(C)とシリコーン油などの潤滑剤(D)とは、合計質量(C+D)で樹脂材料全体に対して25〜50質量%含まれることが好ましい。より好ましくは、25〜45質量%であり、さらに好ましくは、30〜40質量%、最も好ましくは35〜40質量%である。なお、内訳として、質量換算で(C):(D)=1:3程度とすることが好ましい。含油多孔質シリカを樹脂材料全体に対して25〜50質量%配合することで、潤滑油の供給性に優れ、優れた摩擦摩耗特性を持続できる。
また、上記潤滑油を上述の金属製基材からなる軸受外周部に含浸し、上記連通孔構造を有する樹脂層を介して摺動面に滲出させて潤滑させることも可能である。
固体潤滑剤(E)としては、上述したものと同様のPTFE樹脂、黒鉛、二硫化モリブデン、窒化硼素、二硫化タングステンなどが使用できる。その他、上述のPTFE樹脂(B1)を用いる場合と同様に、充填材や添加剤を適宜配合できる。
この態様における樹脂材料の最も好ましい組成は、射出成形可能なPE樹脂(A)、非射出成形性のUHMWPE樹脂(B2)、多孔質シリカ(C)、シリコーン油などの潤滑剤(D)の実質的に4成分からなる組成(微量成分として顔料などを含めてもよい)である。この場合、多孔質シリカ(C)とシリコーン油などの潤滑剤(D)とを、合計質量(C+D)で樹脂材料全体に対して25〜50質量%とする場合、PE樹脂(A)とUHMWPE樹脂(B2)との合計質量(A+B)は、樹脂材料全体に対して、50〜75質量%となる。
なお、樹脂材料の混練方法や成形方法は、上述のPTFE樹脂(B1)を用いる場合と同様である。
樹脂材料の樹脂母材としてPE樹脂(A)を用いるのみでは、高いPV値の条件では、耐摩耗性が悪化していくおそれがあった。これに対して、非射出成形性の樹脂として、上述のように、PTFE樹脂、または、非射出成形性のUHMWPE樹脂を配合することで、高PV値での耐摩耗性を向上させることができる。この結果、本発明のすべり軸受は、多くの用途における転がり軸受の代替品として好適に利用できる。
本発明のすべり軸受の一構造例を図1により説明する。
図1(a)はすべり軸受の斜視図を、図1(b)はA−A断面図をそれぞれ示す。すべり軸受1は、軸受外周部2が金属製基材で形成され、この軸受外周部2の摺動部となる内周側に、上述の樹脂材料を用いて樹脂層3がトンネルゲートを経てインサート成形されている。金属製基材は、上述した焼結レスの圧粉体である。この樹脂層3は、軸受摺動面に複数の溝4を有し、該溝4の底部位置にゲート痕5が形成されている。図1(a)において、この複数の溝4は円筒状軸受のラジアル摺動面に軸方向溝4A、4Bとして形成され、軸方向溝4Aの底部位置にゲート痕5が形成され、軸方向溝4Bにはゲート痕5が形成されていない。また、複数の溝4は、円筒状軸受のラジアル摺動面、スラスト摺動面、またはラジアル摺動面およびスラスト摺動面の両方に設けることができる。
トンネルゲートを経たインサート成形は、公知の金型構造を用いて行なうことができる。トンネルゲート痕が溝の底部位置に形成されるので、成形工程におけるゲート処理が必要なく、高精度を有しつつ、大量生産が可能となる。
複数の軸方向溝4は、トンネルゲート痕を有する溝4Aと、トンネルゲート痕を有さない溝4Bとから構成される。また、溝4Aの両側から溝4Bに至る軸受摺動面上の距離が等しくなるように配置されている。好ましくは溝Aと溝Bとが等間隔で同数形成される。この配置とすることにより、射出成形時のウエルド部が溝B内に形成される。さらに、溝4に摩耗粉を捕捉し、異常摩耗の発生を抑制することができる。
軸受外周部2は、すべり軸受の外周部を構成する筒状の部材であり、摺動部を有する部材である。この摺動部とは、ラジアル方向の荷重を支持するための内径側摺動部をいい、また、スラスト方向にも荷重を支持する場合には、上記の内部摺動部だけでなく、端面摺動部も含む。
軸受外周部2は、すべり軸受の外周部を構成する筒状の部材であり、摺動部を有する部材である。この摺動部とは、例えばラジアル方向の荷重を支持するための内径側摺動部もしくは外径側摺動部の何れか一方または両方をいい、また、スラスト方向にも荷重を支持する場合には、端面摺動部を含む。例えば摺動部は、内径側摺動部、外径側摺動部、端面摺動部の少なくとも何れか一つ以上の摺動部とされる。
金属製基材からなる軸受外周部2の摺動部には樹脂層3がインサート成形され、軸部材と摺動する軸受面を形成する。成形時、樹脂層を形成する溶融樹脂が圧粉体の表面開孔から表層部の内部細孔に入り込んで固化するため、樹脂層は一種のアンカー効果によって母体表面に強固に密着する。そのため、軸部材との摺動による樹脂層の剥離、脱落が生じにくく、高い耐久性が得られる。
樹脂層が形成される金属製基材(圧粉体)表面の表面開孔率は、例えば0%をこえ50%以下とするのが好ましい。表面開孔率が例えば0%であると、樹脂層に対するアンカー効果が十分に得られず、表面開孔率が50%をこえると寸法精度および機械的強度を保持できなくなる場合がある。なお、「表面開孔率」とは表面の単位面積当りに占める表面開孔の総面積の割合(面積比)である。
樹脂層における、(樹脂材料の線膨張係数(単位:1/℃)×(樹脂層の肉厚(単位:μm))は、0.15以下がよく、0.13以下が好ましく、0.10以下がさらに好ましい。上記値が0.15より大きい場合、樹脂層の肉厚または膨張も大きくなる。このとき、樹脂層の外径側は金属製基材で拘束されていることから、金属の膨張分以上は膨張できず、内径側へ膨張し、内径寸法が小さくなる。その結果、軸との隙間が減少し、初期の隙間設定によっては、温度上昇により軸へのダキツキが発生する可能性がある。また、過度の隙間の変動は、トルク変動を引き起こすため好ましくなく、回転精度の点からは隙間は小さいほうが好ましい。
また、成形が可能である樹脂層の肉厚は、50μm程度であり、これより薄いと形成が困難となる。従って、樹脂膨張係数×肉厚は0.003以上が必要であり、好ましくは0.01以上、さらに好ましくは0.015以上必要である。
樹脂層の肉厚は、0.1〜0.5mm(100〜500μm)に設定することが好ましい。なお、本発明における「樹脂層の肉厚」は、金属製基材に入り込まない表面部分の厚さ(径方向の厚さ)である。樹脂層の肉厚が0.1mm未満では、長期使用時の耐久性に劣るおそれがある。一方、樹脂層の厚さが0.5mmをこえると、ヒケが発生し寸法精度が低下するおそれがある。また、摩擦による熱が摩擦面から金属製基材に逃げ難く、摩擦面温度が高くなる。さらに、荷重による変形量が大きくなるとともに、摩擦面における真実接触面積も大きくなり、摩擦力、摩擦発熱が高くなるおそれがある。
本発明のすべり軸受の形状としては、ラジアル型、平板型、フランジ付きブッシュなど、摺動部の形状に合わせて最適な軸受形状を選択することができる。また、図1では、軸受摺動面に複数の溝を有する態様を説明したが、これに限定されず、該溝を形成しない態様であってもよい。
また、樹脂層の軸受外周部へインサート成形する箇所は、軸受外周部の摺動部であれば特に限定されない。例えば、図2(a)〜(e)に示すような場合が挙げられる。図2(a)(e)は、ラジアル方向への荷重を支持するため、軸受外周部2の内径側ラジアル摺動面に樹脂層3を形成したものである。図2(b)(c)(d)は、ラジアル方向およびスラスト方向への荷重を支持するため、軸受外周部2の内径側ラジアル摺動面およびスラスト摺動面に樹脂層3を形成したものである。なお、図示しないが、必要に応じて、軸受の外径部に樹脂層を付与することも可能である。なお、図2(c)(e)に示すように、軸受外周部と樹脂層とが剥がれないような引っ掛け部を有する樹脂層の形状を採用してもよい。
樹脂層の樹脂材料として、上述した、射出成形可能なPE樹脂(A)を主成分とし再生PTFE樹脂(B1)を所定量含む材料を用いる場合、樹脂材料の流動方向(MD)に略沿った線膨張係数と樹脂材料の流動方向に略直交する方向(CD)に略沿った線膨張係数とが略同じであるため、図2(b)〜(e)に示すような形状で樹脂層を形成した場合にも、軸受温度変化に対する形状/寸法精度の安定に優れ、該樹脂層の剥がれ、変形、偏摩耗などを防止できる。
本発明のすべり軸受は、高精度であり、摺動特性(低摩擦、低摩耗)に優れており、アルミ軸などの軟質相手材を攻撃せず、さらに異音の発生も抑制できる。このため、例えば、複写機やプリンターなどの事務機器の現像部、感光部、転写部などにおける回転部品の回転軸を支持する軸受として使用できる。なお、PE樹脂を主成分とすることから、主に80℃以下の温度雰囲気において好適に利用できる。
また、15MPa・m/min.以上の高PV値での使用も可能であることから、従来は、転がり軸受で対応していた荷重、速度で使用される部位についても、該転がり軸受に置き換えて使用できる。
以下、具体的な実施例などを用いて本発明の実施の形態を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
[金属製基材の評価]
材料の金属粉末として還元鉄粉を、第二金属成分として電解銅粉を、圧粉成形用潤滑剤としてアミドワックス系粉末潤滑剤を用いて、基材例1〜13の試験片を作製し、各種試験を実施した。試験片はリング状で、寸法は次のとおりである。
内径:φ12
外径:φ20
長さ:7mm
基材例1〜5
還元鉄粉に対して、電解銅粉を2wt.%、潤滑剤を0.7wt.%添加し、混合したものを合金工具鋼SKD11製の金型に充填し、各種成形圧力において一軸加圧成形することにより、圧粉密度(g/cm3)の異なる5個の円筒状圧粉体を得た。その後、圧粉体中に含まれる潤滑剤成分を、350℃において90分間脱脂処理した上で、500℃で40分間水蒸気処理して、基材例1〜5を得た。基材例1〜5の圧粉密度(g/cm3)は次のとおりであった。
基材例1:5.3
基材例2:6.0
基材例3:6.5
基材例4:7.0
基材例5:7.2
基材例6〜9
水蒸気処理の処理温度の違いが与える影響を確かめるために、基材例3相当の、圧粉密度6.5g/cm3の圧粉体を、基材例1〜5と同様に350℃で90分間脱脂した上で、次の4種類の処理温度において40分間水蒸気処理して得たものを、基材例6〜9とした。
基材例6:350℃
基材例7:400℃
基材例8:450℃
基材例9:550℃
基材例10、11
水蒸気処理の処理時間の違いが与える影響を確かめるために、処理時間を変えたものを2つ準備した。すなわち、基材例3相当の、圧粉密度6.5g/cm3の圧粉体を、基材例1〜5と同様に350℃で90分間脱脂した上で、500℃において、次の時間だけ水蒸気処理して得たものを基材例10、基材例11とした。
基材例10:20分間
基材例11:80分間
基材例12、13
材質の差異が与える影響を確かめるために、材質を変えたものを2つ準備した。すなわち、基材例3と同様に、各粉末を圧粉密度6.5g/cm3になるように一軸加圧成形し、基材例1〜5と同様に350℃で90分間脱脂した上で、500℃で40分間水蒸気処理した。各基材例で用いた粉末の組成は次のとおりである。
基材例12:還元鉄粉のみ(Cu 0%)に対して、潤滑剤を0.7wt.%添加した粉末
基材例13:還元鉄粉に対して電解銅粉を20wt.%、潤滑剤を0.7wt.%添加した粉末
評価方法
得られた試験片の機械的特性は、JIS Z 2507に準拠して実施した圧環強さ測定の結果を基に評価した。使用した試験装置は、株式会社島津製作所製、オートグラフAG−5000Aである。圧環強さとは、圧環荷重から一定の方法で求められる円筒状焼結体または圧粉体の強さをいい、圧環荷重とは、円筒形の焼結体または圧粉体を軸に平行な二面で圧縮して割れが生じ始めたときの荷重をいう。
表1に、圧環強さの判定基準を示す。すなわち、同表の左欄のように圧環強さ(単位:MPa)を50未満、50以上100未満、100以上150未満、150以上の4段階に分け、それぞれ右欄の記号×、△、○、◎で表す。
Figure 0006199196
また、画像寸法測定器(株式会社キーエンス製、IM−6000)を用いて、水蒸気処理前と水蒸気処理後のそれぞれにつき、試験片の内径と外径を測定し、処理前の寸法に対する処理前後の変化量の百分率を計算し、寸法変化率とした。なお、寸法変化率の判定には、内径または外径のうち、大きい方の数値を採用した。
表2に、寸法変化率の判定基準を示す。すなわち、同表の左欄のように寸法変化率(単位:%)を±0.1以上、±0.1未満、±0.05未満の3段階に分け、それぞれ右欄の記号△、○、◎で表す。
Figure 0006199196
次に、評価結果について述べる。
(イ)圧粉密度について
圧粉密度が圧環強さおよび寸法変化率に対して与える影響を確かめるため、圧粉密度の異なる基材例1〜5の2%Cu−Fe圧粉体に対して、500℃で40分間、水蒸気処理を実施した。この場合の圧環強さおよび寸法変化率の判定結果を表3に示す。
Figure 0006199196
基材例1〜5は、水蒸気処理によりすべて圧環強さが向上している。具体的には、圧粉密度5.3g/cm3の基材例1が100MPa未満であるのを除けば、圧粉密度6.0g/cm3以上の基材例2〜5で圧環強さは100MPa以上となっている。ただし、圧粉密度7.0g/cm3の基材例4、同じく7.2g/cm3の基材例5では寸法変化率が若干悪化した。しかも、基材例5は、圧粉密度7.0g/cm3の基材例4よりも圧環強さが劣っている。このことから、圧粉密度は必ずしも高い方がよいわけではないことが分かる。
試験結果に照らし、圧粉密度は5.0〜7.6g/cm3、好ましくは5.3〜7.2g/cm3、より好ましくは6.0g/cm3以上7.0g/cm3未満の範囲とするのがよい。とくに、圧粉密度が6.0g/cm3以上7.0g/cm3未満の範囲にある基材例2および基材例3は、圧環強さに関しても、寸法変化率に関しても、すべり軸受として十分である。
(ロ)処理温度について
水蒸気処理の処理温度が圧環強さおよび寸法変化率に与える影響を確かめるため、圧粉密度6.5g/cm3の2%Cu−Fe圧粉体に対し、処理温度を変えて、それぞれ40分間、水蒸気処理を実施した。この場合の圧環強さおよび寸法変化率の判定結果を表4に示す。
Figure 0006199196
圧環強さに関しては、処理温度が350℃の基材例6、400℃の基材例7、550℃の基材例9では100MPa以上であり、処理温度450℃の基材例8と処理温度500℃の基材例3では150MPa以上であった。最大寸法変化率は、いずれの基材例でも±0.1%未満であり、処理温度が500℃以下の基材例3、8、7、6では±0.05%未満であった。なお、処理温度350℃の基材例6では一部赤錆(Fe23)が発生しており、当初目的としたFe34皮膜のみを形成することはできなかった。基材例6よりも処理温度が高かった基材例7、8、3、9では赤錆の発生は認められなかった。
試験結果に照らし、水蒸気処理の処理温度は400℃以上、好ましくは400℃以上550℃以下、より好ましくは450℃以上500℃以下の範囲とするのがよい。処理温度に関しては、500℃の基材例3と550℃の基材例9の試験結果を対比すれば、処理温度は必ずしも高いほど良いというわけではないことが分かる。とくに、圧環強さも、寸法変化率も、従来の水蒸気処理の一般的な処理温度とされる500〜560℃よりも低い処理温度が好適であるとの知見を得た。
(ハ)処理時間について
水蒸気処理の処理時間が圧環強さおよび寸法変化率に与える影響を確かめるため、圧粉密度6.5g/cm3の2%Cu−Fe圧粉体に対し、500℃で、処理時間を変えて、水蒸気処理を実施した。この場合の圧環強さおよび寸法変化率の判定結果を表5に示す。
Figure 0006199196
表5からわかるように、基材例10、3、9はいずれも圧環強さが150MPa以上であり、寸法変化率も±0.1%未満であった。この結果に照らし、水蒸気処理の処理時間は20分以上処理すれば十分な効果が得られると考える。
(ニ)材質の差異について
材質が圧環強さおよび寸法変化率に与える影響を確かめるため、基材となる還元鉄粉に対して異なる割合の電解銅粉を添加した粉末を用いて、圧粉密度6.5g/cm3の圧粉体を成形し、500℃で40分間の水蒸気処理を実施した。この場合の各試験片の圧環強さおよび寸法変化率の判定結果を表6に示す。
Figure 0006199196
還元鉄粉に対する電解銅粉の割合は、基材例12が0wt.%、基材例3が2wt.%、基材例13が20wt.%であったが、いずれも圧環強さは100MPa以上であった。これらの調査した組成においては、鉄比率を80wt.%まで削減しても100MPa以上の圧環強さを達成すること、しかも、いずれの組成においても寸法変化率は±0.1%未満であることがわかる。
次に、実施例のすべり軸受を、以下の材料および成形方法により製造して所定の摩擦摩耗試験を行なった。
1.樹脂材料
ベース樹脂;
(A)射出成形可能なPE樹脂[三井化学社製の商品名リュブマーL5000P](密度(ASTM D 1505):966kg/m、MFR(JIS K 7210(190℃、10kgf)):2g/10分)
充填剤;
(B1)再生PTFE樹脂(非射出成形性のフッ素樹脂)[喜多村社製の商品名KTL−610](平均粒子径(レーザ回析法):12μm)
(B2)非射出成形性のUHMWPE樹脂[三井化学社製の商品名ミペロンXM220](重量平均分子量:200万、平均粒子径(レーザ回析法):30μm、嵩比重(ASTM D 1895):400kg/m、ショア硬度(ASTM D3418):65D、球状粒子)
(C)多孔質シリカ[AGCエスアイテック社製の商品名サンスフェアH53]
(D)シリコーン油[信越化学工業社製の商品名KF−96H]
これら樹脂材料を用いて下記表8に示す配合割合で配合したものを2軸押し出し装置で溶融混練し、成形用ペレットを作成した。なお、実施例2〜4については、多孔質シリカとシリコーン油との混合比を1:3(質量換算)とする混合物(含油多孔質シリカ)を得て、樹脂材料全体に対して表8に示す配合割合で配合した。
実施例1の樹脂材料を用いて試験片を射出成形で作成して物性評価を行なったところ、曲げ強度(ASTM D790)が40MPaであり、曲げ弾性率(ASTM D790)が1700MPaであり、TMA法により測定したR.T.〜60℃における平均線膨張係数が、樹脂材料の流動方向(MD)に略沿った線膨張係数と樹脂材料の流動方向に略直交する方向(CD)に略沿った線膨張係数のいずれも13〜16×10-5/℃であった。
2.金属製基材からなる外環
サイズ:φ8.5mm(内径)、φ16mm(外径)、5mm(高さ)
成分:銅(0.5〜2.5質量%)、その他(3質量%以下)、鉄(残量)
製造工程:材料粉末ブレンド、フォーミング、スチーム・防錆・乾燥(製造条件などの詳細は、上述の基材例と同じである)。
3.インサート成形条件
金型内に上記形状の焼結外環を挿入し、上記で得られた成形用ペレットを用いてトンネルゲートを経て、下記条件でインサート成形を行なった。なお、樹脂層の厚みは0.25mmである。
完成品サイズ:φ8mm(内径)、φ16mm(外径)、5mm(高さ)
金型温度:120℃
成形温度:250℃
射出圧力:100〜140MPa
4.摩擦摩耗試験
下記表7の条件で摩擦摩耗試験を行なった。相手材軸とすべり軸受の隙間は、20μm(20℃で測定)とした。また、摩耗係数は下記式により算出した。摩擦摩耗試験の結果を表8に示す。
Figure 0006199196
摩耗係数
k=δ/(F×D)
k:摩耗係数 mm/(N×m) 定義:単位仕事量当たりの真円度増加量
F:ラジアル荷重 N
D:総滑り距離 m
δ:摩耗量(真円度の増加量) mm δ=δ1−δ0
δ0:試験前の供試軸受の内径2断面真円度(半径法)の平均値
δ1:試験後の供試軸受の内径2断面真円度(半径法)の平均値
Figure 0006199196
表8に示すように、PE樹脂に非射出成形性の樹脂を含む各実施例は、射出成形可能であり、PV値5、15MPa・m/minのいずれにおいても耐摩耗性に優れることが分かる
本発明のすべり軸受は、長期間にわたって軸受特性を維持させつつ価格を低く抑えることが可能であるので、例えば、事務機器などにおける転がり軸受の代替品として好適に利用できる。
1 すべり軸受
2 軸受外周部
3 樹脂層
4 溝
5 ゲート痕

Claims (5)

  1. 金属製基材と、この基材の摺動面となる表面に樹脂材料を用いて形成された樹脂層とを有するすべり軸受であって、
    前記金属製基材が、酸化物皮膜を形成可能な金属粉末を主原料とする原料粉末を加圧成形した未焼結の圧粉体であり、前記金属粉末の粒子間に酸化物皮膜が形成されていることを特徴とするすべり軸受。
  2. 前記圧粉体は、寸法測定法による圧粉密度が5.0〜7.6g/cm3の範囲であることを特徴とする請求項1記載のすべり軸受。
  3. 前記圧粉体は、100MPaをこえる圧環強さを有することを特徴とする請求項1または請求項2記載のすべり軸受。
  4. 前記酸化物皮膜は、水蒸気処理によって形成されていることを特徴とする請求項1、請求項2または請求項3記載のすべり軸受。
  5. 前記樹脂材料は、射出成形可能なポリエチレン樹脂を主成分とし、非射出成形性の樹脂を含む材料であり、前記樹脂層は、該材料を用いて射出成形により前記基材に一体に成形されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項記載のすべり軸受。
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