JP2006250262A - 精密摺動部品用すべり軸受 - Google Patents

精密摺動部品用すべり軸受 Download PDF

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Abstract

【課題】 静粛性、精密成形性および寸法安定性を満たすとともに、低摩擦係数で安定した摺動特性を有し、かつ耐摩耗性に優れた精密摺動部品用すべり軸受を提供する。
【解決手段】 電子画像の走査部品または印刷用ヘッドのキャリッジ等の精密摺動部品の摺動部に用いられる精密摺動部品用すべり軸受であって、相手材と摺動する摺動面が樹脂多孔体層の一面に形成され、該樹脂多孔体層の反摺動面に潤滑油供給層を有する。また、上記樹脂多孔体層は、気孔形成材が配合された樹脂を成形して成形体とした後、該気孔形成材を溶解し、かつ上記樹脂を溶解しない溶媒を用いて上記成形体から上記気孔形成材を抽出して得られる連通孔を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、プリンターや光学式または光磁気式の電子画像記憶・読み取り装置などに装着されたキャリッジの摺動部、その他の電子機器の精密摺動部品用すべり軸受に関する。
コンピュータの入出力手段であるプリンターや光学式または光磁気式の画像記憶・読み取り装置(スキャナ)では、電子画像記憶・読み取り装置の光センサーおよび光源が装着された走査部品や印刷用ヘッドを滑らかに移動させ、かつ精度よく位置決めする必要がある。これらの装置において上記走査部品や印刷用ヘッド等を軌道に沿って滑らかに移動させるのに使用される精密摺動部品は、キャリッジと呼ばれており、上記精密な位置決めやスムーズな動作を行なうため、非常に高い寸法精度や、常温環境で安定した摺動特性等が要求されている。
従来、このような精密摺動部品として、変性ポリフェニレンエーテル樹脂に、ポリテトラフルオロエチレン(以下、PTFEと略称)樹脂等の固体潤滑剤を配合して得られるもの(特許文献1参照)等がある。
しかしながら、PTFE樹脂の配合など固体潤滑による低摩擦化では十分に低く安定した摩擦係数を得ることが難しいという問題がある。この対策として、通常は摺動面に潤滑油やグリースを塗布して所要の摺動特性を付与しているが、潤滑剤が不足するとスムーズな動きが得られず、プリンターであれば印刷画像品位が低下するという問題がある。
一方、グリース塗布を不要にしたキャリッジとして滑り部に含油焼結軸受を用いたものがある。しかしこの場合では、該軸受と金属製軸との金属接触により、摺動音が発生し易く、静粛な事務所や家庭で使用すると騒音源になるという問題がある。
特開2001−158855号公報
本発明はこのような問題に対処するためになされたもので、静粛性、精密成形性および寸法安定性を満たすとともに、低摩擦係数で安定した摺動特性を有し、かつ耐摩耗性に優れた精密摺動部品用すべり軸受の提供を目的とする。
本発明の精密摺動部品用すべり軸受は、精密摺動部品に用いられる精密摺動部品用すべり軸受であって、該すべり軸受は、相手材と摺動する摺動面が樹脂多孔体層の一面に形成され、該樹脂多孔体層の反摺動面に潤滑油供給層を有することを特徴とする。
上記精密摺動部品は、電子画像の走査部品または印刷用ヘッドのキャリッジであることを特徴とする。
上記樹脂多孔体層は、気孔形成材が配合された樹脂を成形して成形体とした後、該気孔形成材を溶解し、かつ上記樹脂を溶解しない溶媒を用いて上記成形体から上記気孔形成材を抽出して得られる連通孔を有することを特徴とする。
上記樹脂多孔体層は、30 %以上の連通孔率を有することを特徴とする。
上記気孔形成材は、アルカリ性の化合物であることを特徴とする。
本発明の精密摺動部品用すべり軸受は、相手材と摺動する摺動面が樹脂多孔体層の一面に形成され、該樹脂多孔体層の反摺動面に潤滑油供給層を有し、上記樹脂多孔体層は 30%以上の連通孔率を有するので、潤滑油を摺動面に長期間、連続的に供給できる。その結果、低い摩擦係数を長時間持続でき、金属接触による異音の発生を抑えることができる。
また、摺動面となる樹脂多孔体層は、気孔形成材が配合された樹脂を成形して成形体とした後、該気孔形成材を溶解し、かつ上記樹脂を溶解しない溶媒を用いて上記成形体から上記気孔形成材を抽出して得られるので、相手軸、使用条件などに応じて、精密成形性、寸法安定性および耐摩耗性を併せ持つ樹脂材料、充填材、潤滑油などを任意に選択でき、精密な位置決めやスムーズな動作ができる精密摺動部品用すべり軸受とすることができる。該樹脂材料等の選定を行なえば、含油焼結軸受と同等の寸法精度と耐摩耗性を付与することができる。
樹脂多孔体層の形成に用いる気孔形成材として、酸性塩ではなく、アルカリ性塩、特に防錆剤の役割を果たす有機アルカリ金属塩などを用いることにより、軸受周囲に鉄鋼等がある場合において、多孔体層に残存している該気孔形成材が滲み出しても該鉄鋼の錆びを防止できる。
本発明のすべり軸受を構成する樹脂多孔体層は、連続した微細孔を有することで、潤滑油が通過し、連続的に潤滑油を摺動面に供給できる構造であればよい。特に本発明では、上記樹脂多孔体層は30 %以上の連通孔率を有する。
本発明の精密摺動部品用すべり軸受は、相手材と摺動する摺動面が上記樹脂多孔体層の一面に形成され、該樹脂多孔体層の反摺動面に潤滑油供給層を有する軸受である。
以下、連通孔率、本発明のすべり軸受を構成する樹脂多孔体層に係る樹脂、気孔形成材、成形方法、および気孔形成材の抽出方法等について説明する。
球体を点接触により最も密に充填する形態として面心立方格子、六方最密充填があり、それらの充填率は、(球の体積÷外接立方体の体積)÷(正三角形の高さ÷底辺)÷(正四面体の高さ÷一辺)で計算され、共に 74 %である。(100−充填率)として定義される気孔率としては 26 %になる。
以上の計算は、同一サイズの球体を考えた場合であるが、複数のサイズの球体を充填した場合は、六方最密充填よりも充填率は大きくなり、気孔率は小さくなる。
また、粉末状の球体樹脂粒子を圧縮成形した後に焼結する場合、点接触はあり得ず、球体樹脂粒子は変形して面接触する。このため、六方最密充填よりも充填率はより大きくなり、気孔率はより小さくなる。このため従来の焼結樹脂成形体の気孔率は 20 %程度が限界となっている。
本発明における連通孔率は、上記の気孔率と略同一定義で、かつ気孔が連続している状態の気孔率をいう。すなわち、相互に連続している気孔の総体積が樹脂成形体に占める割合をいう。
具体的には、連通孔率は数1内の式(1)に示す方法で算出した。
Figure 2006250262
上記、数1において、各符号の意味を以下に示す。
V;洗浄前成形体の体積
ρ;洗浄前成形体の密度
W;洗浄前成形体の重量
1;樹脂粉末の体積
ρ1;樹脂粉末の密度
1;樹脂粉末の重量
2;気孔形成材の体積
ρ2;気孔形成材の密度
2;気孔形成材の重量
3;洗浄後の樹脂多孔質体の体積
3;洗浄後の樹脂多孔質体の重量
V'2;洗浄後に樹脂多孔質体に残存する気孔形成材の体積
本発明においては、以下に述べる製造方法により、30 %以上、好ましくは 30 %〜 90 %、より好ましくは 30〜70 %の連通孔率を有する樹脂多孔体層が得られる。連通孔率が30 %未満では潤滑性に劣り、90%をこえると機械的強度に劣る傾向にある。
本発明に使用できる樹脂多孔体層は、気孔形成材が配合された樹脂を成形して成形体とした後、該気孔形成材を溶解し、かつ上記樹脂を溶解しない溶媒を用いて成形体から気孔形成材を抽出して得られる。例えば、成形温度X℃の樹脂Aに、このX℃より高い融点Y℃を有する水溶性粉末Bを配合して、X℃で成形して成形体とした後、該成形体より水溶性粉末Bを水で抽出して多孔体が得られる。
本発明に使用できる樹脂としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、エラストマーまたはゴムなどの樹脂粉末やペレットを使用できる。樹脂粉末、ペレットの粒径や形状は、溶融成形する場合には、溶融時に気孔形成材と混練されるので、特に限定されるものではない。ドライブレンドしてそのまま圧縮成形する場合には 1〜500μmのものが好ましい。
熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、超高分子量ポリエチレンなどのポリエチレン樹脂、変性ポリエチレン樹脂、水架橋ポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、芳香族ポリアミド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、PTFE樹脂、クロロトリフルオロエチレン樹脂、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体樹脂、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、エチレン・テトラフルオロエチレン共重合体樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリエチレンテレフタラート樹脂、ポリブチレンテレフタラート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリカーボネート樹脂、脂肪族ポリケトン樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、ポリオキサゾリン樹脂、ポリフェニレンサルフィド樹脂(以下、PPSと略称)、ポリエーテルサルフォン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、熱可塑性ポリイミド樹脂、熱硬化性ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂などを例示できる。また、上記合成樹脂から選ばれた2種以上の材料の混合物、すなわちポリマーアロイなどを例示できる。
エラストマーまたはゴムとしては、例えば、アクリロニトリルブタジエンゴム、イソプレンゴム、スチレンゴム、ブタジエンゴム、ニトリルゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、アクリルゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、エチレンプロピレンゴム、クロロスルフォン化ポリエチレンゴム、塩素化ポリエチレンゴム、エピクロルヒドリンゴム等の加硫ゴム類;ポリウレタンエラストマー、ポリエステルエラストマー、ポリアミドエラストマー、ポリブタジエン系エラストマー、軟質ナイロン系エラストマー等の熱可塑性エラストマー類が例示できる。
本発明に使用できる気孔形成材としては、気孔形成材が配合された樹脂を成形して成形体とした後、該気孔形成材を溶解し、かつ気孔形成材配合樹脂を溶解しない溶媒を用いて、樹脂成形体から抽出できる物質であれば使用できる。
気孔形成材は、無機塩化合物、有機塩化合物、またはこれらの混合物であることが好ましく、特に洗浄抽出工程が容易となる水溶性物質であることが好ましい。また、アルカリ性物質、好ましくは防錆剤として使用できる弱アルカリ性物質が好ましい。弱アルカリ塩としては、有機アルカリ金属塩、有機アルカリ土類金属塩、無機アルカリ金属塩、無機アルカリ土類金属塩などが挙げられる。軸受利用時等において、未抽出分が脱落したときも、比較的軟らかく、転動面やすべり面を損傷し難いことから、有機アルカリ金属塩、有機アルカリ土類金属塩を用いることが好ましい。なお、これらの金属塩は1種または2種以上混合して用いてもよい。また、洗浄用溶媒として安価な水を使用することができ、気孔形成時における廃液処理などが容易となることから水溶性の弱アルカリ塩を使用することが好ましい。
成形時における気孔形成材の溶解を防止するため、気孔形成材は使用する樹脂の成形温度よりも高い融点の物質を使用することが好ましい。
本発明に好適に用いることができる水溶性有機アルカリ金属塩としては、安息香酸ナトリウム(融点 430℃)、酢酸ナトリウム(融点 320℃)またはセバシン酸ナトリウム(融点 340℃)、コハク酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウムなどが挙げられる。融点が高く、多種の樹脂に対応でき、かつ水溶性が高いという理由から、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウムまたはセバシン酸ナトリウムが特に好ましい。
無機アルカリ金属塩としては、例えば、モリブデン酸ナトリウム、モリブデン酸カリウム、タングステン酸ナトリウム、三リン酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム、炭酸カリウムなどが挙げられる。
また、気孔形成材は上記樹脂の成形温度よりも高い融点の物質と、上記樹脂の成形温度よりも低い融点の物質との混合物として使用することができる。
上記樹脂の成形温度よりも低い融点の物質としては、ペンタエリスリトール、ホウ酸( 171℃)等が挙げられる。
気孔形成材は精密摺動部品用すべり軸受の用途および使用条件に応じて平均粒径を管理する。平均粒径が 1000 μm 程度までは使用可能である。
気孔形成材の割合は、樹脂粉末、気孔形成材および充填材などの他の材料を含めた全量に対して、30 体積%〜 90 体積%、好ましくは 40体積%〜90体積%とする。30体積%以下では多孔体の気孔が連続孔になり難く、90体積%以上では所望の機械的強度が得られない。
また配合時において、気孔形成材の抽出に使用する溶媒に不溶な充填材を配合してもよい。
例えば精密摺動部品用すべり軸受の摩擦・摩耗特性を改善して各種機械物性を向上させる目的で、ガラス繊維、ピッチ系炭素繊維、PAN系炭素繊維、アラミド繊維、アルミナ繊維、ボロン繊維、炭化ケイ素繊維、窒化ケイ素繊維、窒化硼素繊維、石英ウール、金属繊維等の繊維類またはこれらを布状に編んだもの、炭酸カルシウム、リン酸リチウム、炭酸リチウム、硫酸カルシウム、硫酸リチウム、タルク、シリカ、クレー、マイカ等の鉱物類、酸化チタンウィスカ、チタン酸カリウムウィスカ、ホウ酸アルミニウムウィスカ、硫酸カルシウムウィスカなどの無機ウィスカ類、カーボンブラック、黒鉛、ポリエステル繊維、ポリイミド樹脂やポリベンゾイミダゾール樹脂等の各種熱硬化性樹脂などを配合できる。
また、摺動性を向上させる目的で、アミノ酸化合物やポリオキシベンゾイルポリエステル樹脂、ポリベンゾイミダゾール樹脂、液晶樹脂、アラミド樹脂のパルプ、ポリテトラフルオロエチレンや窒化硼素、二硫化モリブデン、二硫化タングステン等を配合できる。
また、熱伝導性を向上させる目的で、炭素繊維、金属繊維、黒鉛粉末、酸化亜鉛、窒化アルミ粉等を配合してもよい。および上記充填材を複数組み合わせて使用することも可能である。
なお、この発明の効果を阻害しない配合量で一般合成樹脂に広く適用しえる添加剤を併用してもよい。例えば離型剤、難燃剤、帯電防止剤、耐候性改良剤、酸化防止剤、着色剤、導電性付与剤等の工業用潤滑剤を適宜添加してもよく、これらを添加する方法も特に限定されるものではない。
樹脂材料と気孔形成材の混合法は特に限定されるものではなくドライブレンド、溶融混練など樹脂の混合に一般に使用する混練法が適用できる。
また、気孔形成材を液体溶媒中に溶解させて透明溶液とした後、この溶液に樹脂粉末を分散混合させて、その後、この溶媒を除去する方法を用いることができる。
分散混合させる方法としては、液中混合できる方法であれば特に限定されるものではなく、ボールミル、超音波分散機、ホモジナイザー、ジューサーミキサー、ヘンシェルミキサーなどが例示できる。また、分散液の分離を抑えるために少量の界面活性剤を添加することも有効である。なお、混合時においては、混合により気孔形成材が完全に溶解するよう溶媒量を確保する。
また、溶媒を除去する方法としては、加熱蒸発、真空蒸発、窒素ガスによるバブリング、透析、凍結乾燥などの方法を用いることができる。手法が容易で、設備が安価であることから加熱蒸発により液体溶媒の除去を行なうことが好ましい。
樹脂に気孔成形材を配合した混合物の成形に関しては、樹脂多孔体層の形状などに応じて、圧縮成形、射出成形、押し出し成形、ブロー成形、真空成形、トランスファ成形などの任意の成形方法を採用できる。特に好ましい成形方法は射出成形である。
すべり軸受としての潤滑性を損なわない限り、中間製品または最終製品の形態において、別途、例えばアニール処理等の化学的または物理的な処理によって性質改善のための変性ができる。また、成形前に作業性を向上させるため、ペレットやプリプレグなどに加工してもよい。
得られた成形体からの気孔形成材の抽出は、上記気孔形成材を溶解し、かつ上記樹脂を溶解しない溶媒で成形体を洗浄することにより行なう。
該溶媒としては、例えば、水、および水と相溶しうる溶媒としてアルコール系、エステル系、ケトン系溶媒などを用いることができる。これらの中で、樹脂および気孔形成材の種類によって上記条件に従い適宜選択される。また、これらの溶媒は1種または2種以上を混合し使用してもよい。廃液処理などが容易、安価などの利点から水を用いることが好ましい。
該抽出処理を行なうことにより、気孔形成材が充填されていた部分が溶解され、該溶解部分に気孔が形成された樹脂多孔体層が得られる。
なお、気孔形成材の抽出は、樹脂多孔体層を潤滑油供給層と組み合わせる前、後のいずれであってもよい。
樹脂多孔体層の反摺動面に配設する潤滑油供給層は、潤滑油を保持して摺動面に潤滑油を供給できる構造、材質であれば使用できる。好適な潤滑油供給層としては、金属焼結体、および上記摺動面を形成する本発明の樹脂多孔体が挙げられる。金属焼結体は優れた寸法精度を維持して、潤滑油を供給できる。また、寸法精度を維持するために、金属焼結体の層厚さは樹脂多孔体層の層厚さよりも厚くする。金属焼結体としては、Fe系焼結金属、Cu系焼結金属、Fe−Cu系焼結金属等が挙げられ、成分としてC、Zn、Sn等を含んでもよい。また、成形性や離型性を向上させるためバインダーを少量添加してもよい。さらに、アルミニウム系でCu、Mg、Si等を配合した材料や金属−合成樹脂で鉄粉をエポキシ系の合成樹脂で結合させた材料でもよい。さらにまた、樹脂多孔体層との密着性を向上させるため、成形を阻害しない程度であれば表面処理を行なったり、接着剤等を使用することも可能である。
高い寸法精度および回転精度と共に、機械的強度および耐久性に優れたすべり軸受を得る場合にはFe系焼結金属が好ましい。ここで、「Fe系」とはFeの含有量が重量比で 90 %以上であることを意味する。この条件を満たす限り、Cu、Sn、Zn、C等の他の成分を含有していてもよい。また、「Fe」にはステンレスも含まれる。
Fe系焼結金属は、例えば、Feを上記の含有量配合した原料金属粉末(成形性や離型性を向上させるためバインダーを少量添加してもよい)を所定形状に成形し、脱脂し、焼成して得られた焼結体に、必要に応じてサイジング等の後処理を施して形成できる。焼結金属の内部には多孔質組織による多数の内部細孔があり、また、その表面には内部細孔が外部に開口して形成された多数の表面開孔がある。
焼結金属と連通孔を有する樹脂多孔体層との接合は、相互に固定できる方法であれば使用できる。例えば、樹脂多孔体層の円筒を焼結金属の円筒内径に圧入し切削加工にて所望の内径寸法に仕上げる方法、焼結金属の円筒内径に各種コーティングをする方法などが挙げられる。その他、ピン止め、コーティング、物理的な抜け止め等も採用できる。
本発明の樹脂多孔体は、精密摺動部品のすべり軸受等の摺動部以外の箇所に使用してもよく、例えばキャリッジの筐体全てに使用しても構わない。しかし、より高精度の寸法精度が必要な場合は、摺動部にのみ該樹脂多孔体を使用し、摺動部以外の筐体にはガラス繊維を高配合したポリフェニレンエーテル樹脂などの寸法精度の高い樹脂を使用することが好ましい。
また、高精度の寸法精度が必要でかつすべり軸受に高荷重がかかる場合は、摺動部には数百μm の薄膜の本発明の樹脂多孔体を使用し、すべり軸受の外径に潤滑油を含浸した焼結金属を装着することで、荷重による寸法変化が小さく焼結金属からの潤滑油供給により安定した摺動特性が得られるので好ましい。
焼結金属あるいは樹脂多孔体層に含浸させる油としては、スピンドル油、冷凍機油、タービン油、マシン油、ダイナモ油、パラフィン系鉱油、ナフテン系鉱油等の鉱油、ポリブデン、ポリαオレフィン、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン、脂環式化合物等の炭化水素系合成油、または、天然油脂やポリオールエステル油、リン酸エステル、ジエステル油、ポリグリコール油、シリコーン油、ポリフェニルエーテル油、アルキルジフェニルエーテル油、フッ素化油等の非炭化水素系合成油等、一般に使用されている潤滑油であれば特に限定することなく使用できる。
上記潤滑油には、本発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じて、極圧剤、酸化防止剤、防錆剤、流動点降下剤、無灰系分散剤、金属系清浄剤、界面活性剤、摩耗調整剤などを配合できる。酸化防止剤としては、フェノール系、アミン系、イオウ系などを単独または、混合して使用できる。
含浸方法としては、焼結金属および樹脂多孔体層の内部まで含浸できる方法であればよい。潤滑油が満たされた含浸槽に樹脂多孔体層などを浸漬した後、減圧して含浸する減圧含浸が好ましい。また、高粘度のシリコーン油などを用いる場合、加圧含浸することができる。これらを組み合わせた加圧減圧含浸としてもよい。
本発明の精密摺動部品用すべり軸受を図1により説明する。図1(a)〜図1(e)は、それぞれすべり軸受の断面図である。
すべり軸受1は、摺動面が樹脂多孔体層2であり、反摺動面であって、樹脂多孔体層2の裏面に潤滑油供給層3となる金属焼結体層がそれぞれ形成されている。なお、金属焼結体層を用いず、樹脂多孔体層自体が潤滑油供給層であってもよい。
すべり軸受1の形状としては、フランジ付きブッシュ型(図1(a))、スラスト型(図1(b))、ラジアル型(図1(d))、スラストおよびラジアル混合型(図1(c)(e))等があり、摺動部の形状に合わせて最適な軸受形状を選択できる。また、摺動面に溝を設けた形状とすることもできる。
実施例1
PPS樹脂粉末(大日本インキ(株)製T4AG)と、炭素繊維(東レ(株)製MLD100)と、安息香酸ナトリウム粉末(和光純薬(株)製試薬)とを体積比 50:10:40 の割合で、320℃に加熱したラボプラストミルにて5分間混合して混合粉末を得た。この混合粉末を加熱圧縮成形(330℃×30分)し、切削加工にてφ5mm×φ6.5mm×t 10mm の樹脂円筒を得た。φ6.3mm×φ12mm×t 10mm の焼結金属製円筒(連通孔率:30 %、Cu−Sn系)を用意して、この焼結金属製円筒内部に上記樹脂円筒を圧入し、内径面を切削加工によりφ6mmに加工し、φ6mm×φ12mm×t 10mm のすべり軸受を得た。該すべり軸受では、焼結金属製円筒が潤滑油供給層である。
該軸受を、80 ℃の温水で超音波洗浄器にて 10 時間洗浄して安息香酸ナトリウム粉末を溶出させた。その後 100 ℃で 8 時間乾燥し連通孔率 38 %の樹脂多孔体層を有するすべり軸受を得た。このすべり軸受に潤滑油(ISO規格VG68)を真空含浸した。含油率は、全体積に対し36%であった。
実施例2
PPS樹脂粉末(大日本インキ(株)製T4AG)と、炭素繊維(東レ(株)製MLD100)と、安息香酸ナトリウム粉末(和光純薬(株)製試薬)とを体積比 50:10:40 の割合で、320℃に加熱したラボプラストミルにて5分間混合して混合粉末を得た。この混合粉末を加熱圧縮成形(330℃×30分)し、切削加工にてφ6mm×φ12mm×t 10mm のすべり軸受を得た。該すべり軸受では、樹脂多孔体層自体が潤滑油供給層である。
該軸受を、80 ℃の温水で超音波洗浄器にて 10 時間洗浄して安息香酸ナトリウム粉末を溶出させた。その後 100 ℃で 8 時間乾燥し連通孔率 38 %の樹脂多孔体層を有するすべり軸受を得た。このすべり軸受に潤滑油(ISO規格VG68)を真空含浸した。含油率は、全体積に対し36%であった。
比較例1
φ6mm×φ12mm×t 10mm の焼結金属製円筒(連通孔率:30 %、Cu−Sn系)に、潤滑油(ISO規格VG68)を真空含浸してすべり軸受として使用した。
比較例2
PPS樹脂粉末(大日本インキ(株)製T4AG)と、炭素繊維(東レ(株)製MLD100)と、安息香酸ナトリウム粉末(和光純薬(株)製試薬)とを体積比 50:10:40 の割合で、320℃に加熱したラボプラストミルにて5分間混合して混合粉末を得た。この混合粉末を加熱圧縮成形(330℃×30分)し、切削加工にてφ5mm×φ6.5mm×t 10mm の樹脂円筒を得た。φ6.3mm×φ12mm×t 10mm の焼結金属製円筒(連通孔率:30 %、Cu−Sn系)を用意して、この焼結金属製円筒内部に上記樹脂円筒を圧入し、内径面を切削加工によりφ6mmに加工し、φ6mm×φ12mm×t 10mm のすべり軸受を得た。
該軸受を、80 ℃の温水で超音波洗浄器にて 10 時間洗浄して安息香酸ナトリウム粉末を溶出させた。その後 100 ℃で 8 時間乾燥し連通孔率 38 %の樹脂多孔体層を有するすべり軸受を得た。
以上の各実施例および比較例で得られたすべり軸受について、摩擦摩耗特性を調べた。試験形態の概要図を図2に示し、その試験条件を下記に示す。
相手材:軸(φ6mm、SUS420J2、Ra=0.2μm)
荷重:0.98N
速度:12m/分
温度:25℃
ストローク:200mm
なお、軸5とすべり軸受1との隙間は、10〜14μm (25℃で測定)とした。荷重4をすべり軸受1にかけた状態で、上記速度およびストロークで図中に示す水平矢印方向に摺動させた。該試験により、(a)試験終了時の動摩擦係数、(b)摩耗による直径の変化、(c)摺動音の有無の測定を行なった。得られた結果を表1に示す。
Figure 2006250262
表2に示すように、実施例1および実施例2のすべり軸受は、動摩擦係数が低く、耐摩耗性に優れるとともに、摺動音がなく静粛性にも優れていた。
これに対し、焼結金属製円筒からなる比較例1のすべり軸受は、動摩擦係数が低く、耐摩耗性には非常に優れるものの、金属接触による摺動音があり静粛性に劣っていた。また、潤滑油を含浸させない比較例2のすべり軸受は、動摩擦係数および耐摩耗性に劣っていた。
本発明の精密摺動部品用すべり軸受は、静粛性、精密成形性および寸法安定性を満たすとともに、低摩擦係数で安定した摺動特性を有し、かつ耐摩耗性に優れるので、精密摺動部品の摺動部に好適に用いることができる。特に、精密な位置決めやスムーズな動作を要求されるキャリッジ用のすべり軸受として好適である。
本発明のすべり軸受の断面図である。 本発明における摩擦摩耗試験の概要図である。
符号の説明
1 すべり軸受
2 樹脂多孔体層
3 潤滑油供給層
4 荷重
5 軸

Claims (5)

  1. 精密摺動部品に用いられる精密摺動部品用すべり軸受であって、
    該すべり軸受は、相手材と摺動する摺動面が樹脂多孔体層の一面に形成され、該樹脂多孔体層の反摺動面に潤滑油供給層を有することを特徴とする精密摺動部品用すべり軸受。
  2. 前記樹脂多孔体層は、気孔形成材が配合された樹脂を成形して成形体とした後、該気孔形成材を溶解し、かつ前記樹脂を溶解しない溶媒を用いて前記成形体から前記気孔形成材を抽出して得られる連通孔を有することを特徴とする請求項1記載の精密摺動部品用すべり軸受。
  3. 前記樹脂多孔体層は、30 %以上の連通孔率を有することを特徴とする請求項1または請求項2記載の精密摺動部品用すべり軸受。
  4. 前記気孔形成材は、アルカリ性の化合物であることを特徴とする請求項2または請求項3記載の精密摺動部品用すべり軸受。
  5. 前記精密摺動部品は、電子画像の走査部品または印刷用ヘッドのキャリッジであることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項記載の精密摺動部品用すべり軸受。
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