JPH11222547A - ポリプロピレン系樹脂組成物 - Google Patents
ポリプロピレン系樹脂組成物Info
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- JPH11222547A JPH11222547A JP3984498A JP3984498A JPH11222547A JP H11222547 A JPH11222547 A JP H11222547A JP 3984498 A JP3984498 A JP 3984498A JP 3984498 A JP3984498 A JP 3984498A JP H11222547 A JPH11222547 A JP H11222547A
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Abstract
ン−エチレンブロック共重合体組成物の提供。 【解決手段】 特定の割合のプロピレン単独重合体部と
プロピレン−エチレンランダム共重合体部からなり、プ
ロピレン−エチレンブロック共重合体のMFR(MFR
(A))とプロピレンブロック部(I)のMFR(MF
R(I))の関係が、0.01≦MFR(A)/MFR
(I)≦0.4 を満たすプロピレン−エチレンブロッ
ク共重合体(A)20〜80重量部およびプロピレン−
エチレンブロック共重合体のMFR(MFR(B))と
プロピレンブロック部(III)のMFR(MFR(I
II))の関係が、0.4<MFR(B)/MFR(I
II)≦0.95 を満たすプロピレン−エチレンブロ
ック共重合体(B)80〜20重量部からなるポリプロ
ピレン系樹脂組成物。
Description
樹脂組成物に関し、さらに詳しくは耐熱性、低温での耐
衝撃性、ヒートシール性、耐ブロッキング性などに優れ
たプロピレン−エチレンブロック共重合体組成物に関す
る。
械的性質、包装適性などが優れていることから広く包装
資材として使用されている。ポリプロピレン未延伸フィ
ルムにおいてもプロピレン単独重合体、プロピレンとα
−オレフインランダム共重合体、およびブロック共重合
体がそれぞれの特長を生かして各種の包装用途に使用さ
れている。プロピレンブロック共重合体は、耐熱性、低
温での耐衝撃性がある程度優れることから、比較的高度
な要求性能が求められる用途で使用されているが、用途
によっては、耐熱性が不十分であったり、耐衝撃性、ヒ
ートシール性、ブロッキング性が不十分で、これら品質
の改良や品質のバランスに優れたフィルムの開発が求め
られていた。特に厳しい用途として、油を含む内容物を
充填し、高温で熱処理されるレトルト包装等が挙げられ
る。このような用途では殺菌処理後の外観不良や低温輸
送時の破袋が問題となるため、フィルムの耐熱性や低温
での衝撃強度が重要な要求品質である。
ック共重合体を用いて上記の特性を改良する試みがいく
つかなされている。例えば、特開平1−225648号
公報には、B成分の極限粘度が1.92dl/g以下で
あるプロビレンブロック共重合体の組成物が開示されて
いる。しかしながら、このような組成物は、低温での耐
衝撃性が不十分である。また、特開昭59−11531
2号公報および特開昭59−74109号公報には、レ
トルトフィルム用重合体組成物の製造法、およびレトル
ト食品包装用フィルムが開示され、具体的には第1段階
の重合体が融点135〜155℃の範囲の共重合体で、
第2段階以降の重合体の溶融粘度[η]が2.5以上と
なるように重合した成分を5〜40重量%含む組成物、
およびフィルムが開示されている。しかしながら、この
組成物では耐熱性が不十分である。さらに、特開平6−
93062号公報では、第1工程で実質的に不活性溶剤
の不存在下にプロピレンを主体とした重合体部分(A成
分)と第2工程で気相中で得られるエチレン−プロピレ
ン共重合体部分(B成分)からなるプロピレンブロック
共重合体で、B成分の極限粘度([η]B)が2.0d
l/g以上、かつ極限粘度の比([η]B/[η]A)が
1.8以下のブロック共重合体が開示されている。しか
しながらこの組成物では厳しい用途で低温での耐衝撃性
が不十分である。
ように従来公知のプロピレンブロック共重合体が有して
いた欠点を解消し、耐熱性と低温での耐衝撃性に優れた
プロピレン−エチレンブロック共重合体組成物を提供す
ることにある。
を解決し、耐熟性、特に油に接触した環境での耐熱性
(寸法変化)に優れ、さらに低温での衝撃強度に優れた
フィルムを開発すべく鋭意検討した結果、特定の2種の
プロピレン−エチレンブロック共重合体を配合すること
で、前記問題を解消できることを見出し、本発明に到達
した。
ン−エチレンブロック共重合体(A)20〜80重量部
とプロピレン−エチレンブロック共重合体(B)80〜
20重量部からなるポリプロピレン系樹脂組成物であ
る。 (A)プロピレン−エチレンブロック共重合体:プロピ
レン単独重合体またはエチレン含量2重量%以下のプロ
ピレン−エチレンランダム共重合体よりなるプロピレン
ブロック部(I)60〜95重量%とエチレン含量20
〜95重量%のエチレン−プロピレン共重合体ブロック
部(II)40〜5重量%からなるプロピレン−エチレ
ンブロック共重合体であって、プロピレン−エチレンブ
ロック共重合体のMFR(MFR(A))とプロピレン
ブロック部(I)のMFR(MFR(I))の関係が下
記式を満たすプロピレン−エチレンブロック共重合体。 0.01≦MFR(A)/MFR(I)≦0.4 (B)プロピレン−エチレンブロック共重合体:プロピ
レン単独重合体またはエチレン含量2重量%以下のプロ
ピレン−エチレンランダム共重合体よりなるプロピレン
ブロック部(III)60〜95重量%とエチレン含量
20〜95重量%のエチレン−プロピレン共重合体ブロ
ック部(IV)40〜5重量%からなるプロピレン−エ
チレンブロック共重合体であって、プロピレン−エチレ
ンブロック共重合体のMFR(MFR(B))とプロピ
レンブロック部(III)のMFR(MFR(II
I))の関係が下記式を満たすプロピレン−エチレンブ
ロック共重合体。 0.4<MFR(B)/MFR(III)≦0.95
る。 1.プロピレン−エチレンブロック共重合体(A) 本発明のプロピレン−エチレンブロック共重合体(A)
は、プロピレン単独重合体またはエチレン含量2重量%
以下のプロピレン−エチレンランダム共重合体よりなる
プロピレンブロック部(I)60〜95重量%とエチレ
ン含量20〜95重量%のエチレン−プロピレン共重合
体ブロック部(II)40〜5重量%からなるプロピレ
ン−エチレンブロック共重合体である。本発明のプロピ
レン−エチレンブロック共重合体(A)中のプロピレン
ブロック部(I)の比率は、60〜95重量%、エチレ
ン−プロピレン共重合体ブロック部(II)の比率は4
0〜5重量%である必要がある。エチレン−プロピレン
共重合体ブロック部(II)の比率は35〜5重量%が
好ましく、さらに30〜8重量%が好ましい。エチレン
−プロピレン共重合体ブロック部(II)の比率が5重
量%未満では耐衝撃性、ヒートシール強度が不十分とな
り、40重量%を超えると製造時にパウダーのベタツキ
などが発生し、生産性が著しく劣り、コスト高となる。
また、エチレン−プロピレン共重合体ブロック部(I
I)における、エチレン含量が20重量%未満、又は9
5重量%を超えると、いずれも低温での耐衝撃性が不充
分となる。
重合体(A)の230℃、2.16kg荷重でのMFR
(MFR(A)と示す)は、0.3〜20g/10分、
好ましくは0.4〜15g/10分、さらに0.5〜1
0g/10分であることがが好ましい。MFR(A)が
0.3未満では押出成形性が不十分で、さらにフィルム
に成形した場合は、フィッシュアイによる外観不良を招
く。また、20g/10分を超えると、耐衝撃性が不十
分となる。本発明のプロピレンブロック部(I)のMF
R(MFR(I)と示す)とプロピレン−エチレンブロ
ック共重合体(A)のMFR(A)との関係は式を満
足する必要ある。 0.01≦MFR(A)/MFR(I)≦0.4 式の下限値は好ましくは0.03以上、さらに好まし
くは0.05以上である。上限値は好ましくは0.35
以下、さらに好ましくは0.3以下である。式の値が
0.01未満では樹脂組成物からのフィルムにおいてフ
ィッシュアイが発生し、外観不良を招き、0.4を超え
ると低温での衝撃強度が不十分となる。本発明の式の
値は、プロピレン−エチレンブロック共重合体の製造に
おいて、エチレン−プロピレン共重合体ブロック部(I
I)の分子量の目安であり、この数値が小さいことはエ
チレン−プロピレン共重合体ブロック部(II)の分子
量が大きいことを示す。
(II)のMFR、分子量を直接測定することは困難で
あるが、プロピレン−エチレンブロック共重合体(A)
の23℃キシレン可溶分(CXS)の重量平均分子量が
その目安となり、その重量平均分子量は35万以上であ
るのが好ましく、より好ましくは38万以上である。
体(B) 本発明のプロピレン−エチレンブロック共重合体(B)
は、プロピレン単独重合体またはエチレン含量2重量%
以下のプロピレン−エチレンランダム共重合体よりなる
プロピレンブロック部(II)60〜95重量%とエチ
レン含量20〜95重量%のエチレン−プロピレン共重
合体ブロック部(IV)40〜5重量%からなるフロピ
レン−エチレンブロック共重合体である。本発明のプロ
ピレン−エチレンブロック共重合体(B)中のプロピレ
ンブロック部(III)の比率は、60〜95重量%、
エチレン−プロピレン共重合体ブロック部(IV)の比
率は40〜5重量%である必要がある。エチレン−プロ
ピレン共重合体ブロック部(IV)の比率は35〜5重
量%が好ましく、さらに30〜8重量%が好ましい。エ
チレン−プロピレン共重合体ブロック部(IV)の比率
が5重量%未満では耐衝撃性、耐熱性が不十分となり、
40重量%を超えると製造時にパウダーのベタツキなど
が発生し、生産性が著しく劣り、コスト高となる。ま
た、エチレン−プロピレン共重合体ブロック部(IV)
における、エチレン含量が20重量%未満、又は95重
量%を超えると、いずれも低温での耐衝撃性が不充分と
なる。
重合体(B)の230℃、2.16kg荷重でのMFR
(MFR(B)と示す)は0.3〜20g/10分、好
ましくは0.5〜15g/10分、さらに1.0〜10
g/10分であることが好ましい。 MFR(B)が
0.3未満では押出成形性が問題となる。また、20g
/10分を超えると、耐衝撃性が不十分となる。
のMFR(MFR(III)と示す)とプロピレン−エ
チレンブロック共重合体(B)のMFR(B)との関係
は式を満足する必要ある。 0.4<MFR(B)/MFR(III)≦0.95 式の下限値は好ましくは0.45以上、さらに好まし
くは0.5以上である。上限値は好ましくは0.94以
下、さらに好ましくは0.93以下である。式の値が
0.4以下では耐熱性が不十分となり、0.95を超え
ると耐衝撃性が不十分となる。本発明の式の値は、プ
ロピレン−エチレンブロック共重合体の製造において、
エチレン−プロピレン共重合体ブロック部(IV)の分
子量の目安であり、この数値が大きいことはエチレン−
プロピレン共重合体ブロック部(IV)の分子量が小さ
いことを示す。
(IV)のMFR、分子量を直接測定することは困難で
あるが、プロピレン−エチレンブロック共重合体(B)
のCXSの重量平均分子量がその目安となり、その重量
平均分子量は35万未満であるのが好ましく、より好ま
しくは30万以下である。
体の製造方法 本発明のプロピレン−エチレンブロック共重合体(A)
および(B)は、上記の物性を有すれば、どのような製
造方法によってもよいが、以下の原料、重合方法によっ
て製造することができる。 (1)使用原料 本発明に用いられるプロピレン−エチレンブロック共重
合体を製造するに際し使用される触媒としては、マグネ
シウム、ハロゲン、チタン、電子供与体を必須成分とす
るマグネシウム坦持型固体触媒、あるいは三塩化チタン
を主成分とする固体触媒成分と有機アルミニウムからな
る触媒、あるいはメタロセン触媒が使用できる。また、
重合される原料オレフィンは、プロピレン、エチレンで
あり、必要により、本発明の目的を損なわない程度の他
のオレフィン、例えば、ブテン−1、4−メチル−ペン
テン−1などを使用することもできる。
性単独重合体あるい共重合体を製造する重合工程
(a)、プロピレンとエチレンとを重量比5/95〜8
0/20の割合で重合させる重合工程(b)の2段階か
らなる。重合工程(a)重合工程(a)はプロピレン単
独かプロピレン/エチレンの混合物を前記触媒を加えた
重合系に供給して、プロピレン単独重合体、またはエチ
レン含有量が2重量%以下のプロピレン−エチレンラン
ダム共重合体を全重合体量の60〜95重量%に相当す
る量となるように形成させる工程であり、分子量調整剤
の水素等を加えることにより、プロピレンの単独重合体
あるい共重合体の分子量を調整し、プロピレン−エチレ
ンブロック共重合体(A)または(B)のプロピレンブ
ロック部(I)または(III)とする。 重合工程(b) 重合工程(b)は、重合工程(a)に引き続いて、プロ
ピレン/エチレン混合物をさらに導入して、エチレン含
量20〜95重量%のエチレン−プロピレン共重合体を
得る工程である。この工程では、全重合体量の5〜40
重量%に相当する重合体を形成させる。反応量、反応時
間等を調整し、プロピレン−エチレンブロック共重合体
(A)または(B)のエチレン−プロピレン共重合体ブ
ロック部(II)または(IV)とする。
ク共重合体の製造法は回分式、連続式のいずれの方法に
よっても実施可能である。この際に、ヘキサン、ヘプタ
ンなどの不活性炭化水素溶媒中で重合を行う方法、不活
性溶媒を実質的に用いずプロピレンを溶媒として使用す
る方法、実質的に液体溶媒を用いずにガス状の単量体中
で重合を行う方法、さらに、これらを組み合わせた方法
を採用することができる。重合工程(a)と重合工程
(b)は同一の重合槽を用いても、別個の重合槽を用い
てもよい。
体(A)および(B)の組成割合 本発明のポリプロピレン系樹脂組成物は、上記プロピレ
ン−エチレンブロック共重合体(A)が20〜80重量
部、好ましくは30〜70重量部および上記プロピレン
−エチレンブロック共重合体(B)が80〜20重量
部、好ましくは70〜30重量部からなる組成物であ
る。プロピレン−エチレンブロック共重合体(A)が、
20重量部未満では、耐衝撃性が不充分であり、80重
量部を超えると耐熱性が不充分である。
上させる目的でプロピレン含量が15〜50重量%のエ
チレン−プロピレンランダム共重合体またはブテン−1
含量が10〜50重量%のエチレン−ブテン−1ランダ
ム共重合体をプロピレン−エチレンブロック共重合体
(A)及び(B)の合計100重量部に対して3〜30
重量部添加することができる。
しては、プロピレン含量15〜50重量%が好ましく、
20〜45重量%がさらに好ましい。プロピレン含量が
15重量%未満では耐衝撃性の改良効果が不十分で、5
0重量%を超えると耐熱性に悪影響を及ぼす。
しては、ブテン−1含量が10〜50重量%が好まし
く、20〜40重量%がさらに好ましい。ブテン−1含
量が10重量%未満では耐衝撃性の改良効果が不十分
で、50重量%を超えると耐熱性に悪影響を及ぼす。エ
チレン−プテン−1ランダム共重合体は耐熱性、低温で
の衝撃強度の観点から好ましく、添加量も5〜25重量
部がさらに好ましい。
たはエチレン−ブテン−1ランダム共重合体のMFRは
特に制限はないが、230℃、2.16kg荷重のMF
R0.5〜20g/10分が好ましく、1〜10g/1
0分がさらに好ましい。MFRが0.5g/10分未満
では押し出し成形性に悪影響を及ぽし、20g/10分
を超えると油に対する溶解性物質が増加し好ましくな
い。
わない範囲で酸化防止剤、光安定剤、帯電防止剤、スリ
ップ剤、アンチブロッキング剤、臭い吸着剤、抗菌剤、
顔料などを添加することができる。
らなるポリプロピレン系樹脂組成物は、耐熱性、低温で
の耐衝撃性に優れ、主として未延伸フィルムとして用い
るとその効果が、十分に発揮される。本発明の樹脂組成
物からなるフィルムは、一般に工業的に行われているキ
ャスト法、インフレーション法などで製造できる。フィ
ルムの厚みは5〜200μmが好ましく、10〜100
μmがさらに好ましい。得られたフィルムの表面には表
面の濡れ適性向上のためコロナ放電処理、火炎処理、オ
ゾン処理などを行うことも可能である。
るにあたって、プロピレン−エチレンブロック共重合体
(A)、プロピレン−エチレンブロック共重合体(B)
及び必要においてエチレン−プロピレンランダム共重合
体及び/またはエチレン−ブテン−1ランダム共重合体
を予め混合し、押出機などでペレット化したものをフィ
ルム成形機に供給してフィルムとしても、フィルム製造
時にプロピレン−エチレンブロック共重合体(A)、プ
ロピレン−エチレンブロック共重合体(B)、及び必要
に応じてエチレン−プロピレンランダム共重合体及び/
またはエチレン−ブテン−1ランダム共重合体の別々の
ペレツトをフィルム成形機に供給してフィルムとしても
よい。
更に詳しく説明するが、本発明は、以下の実施例によっ
て特に限定を受けるものではない。なお、本発明の詳細
な説明および実施例中の各項目の測定値は、下記の方法
で測定した。 (1)MFR:ASTM−D−1238に準拠して、2
30℃、2.16kg荷重で測定した。 (2)HAZE:ASTM−D−1003に準拠して、
フィルム1枚のHAZEを測定した。 (3)耐衝撃性:雰囲気温度0℃にてJIS−P813
4に準じた装置を用い、フィルム試験片を直径50mm
のホルダーに固定し、25.4mmの半球型の金属製貫
通部で打撃させ、貫通破壊に要した仕事量(kg・c
m)を測定し、フィルム厚みで除して求めた。 (4)耐熱性:タテ100mm、ヨコ100mmのフィ
ルム試験片を120℃のオーブン中または、120℃の
サラダ油中で30分熱処理後、タテ、ヨコそれぞれの寸
法変化を測定し、次式にて算出した。 耐熱性=タテ方向の寸法変化(%)+ヨコ方向の寸法変
化(%) (5)CXS重量平均分子量:沸騰キシレン300ml
にサンプル5gを加え完全に溶解後、23℃に冷却し、
不溶分を除去する。キシレン可溶分に大量のメタノール
を加え析出した成分を乾燥し、CXS成分とし、得られ
たCXS成分の重量平均分子量をGPCで求めた。
造 内容積200リットルの撹拌式オートクレーブをプロピ
レンで十分置換した後、充分に脱水およぴ脱酸素したn
−ヘプタン63リットルを導入し、ジエチルアルミニウ
ムクロライド27gおよび丸紅ソルベイ社製三塩化チタ
ン触媒9.0gを60℃でプロピレン雰囲気下で導入し
た。重合工程(a)は、オートクレーブを65℃に昇温
した後、水素濃度を3.5容量%に保ちながらプロピレ
ンを9.0kg/時間の流量で導入することにより開始
した。240分後、プロピレンの導入を停止し、さらに
90分間継続重合させた後、気相部を0.2kg/cm
2Gとなるまでパージした。重合工程(b)は、オート
クレーブを60℃に降温した後、プロピレンを1.5k
g/時間の流量で、エチレンを1.5kg/時間の流量
で180分間導入して共重合を行った。このようにして
得られたスラリーを、濾過および乾燥して39.2kg
のプロピレン−エチレンブロック共重合体(A−1)の
パウダーを得た。得られたプロピレン−エチレンブロッ
ク共重合体(A−1)のMFRは、1.2g/10分
で、重合工程(a)で得られたプロピレン単独重合体ブ
ロック部(I)のMFRは10g/10分であった。ま
た、重合工程(b)で得られるエチレン−プロピレン共
重合体ブロック部(II)は全重合体の20重量%であ
った。
(b)のエチレンとプロピレンの比率を変更する以外
は、合成例1と同様にしてプロピレン−エチレンブロッ
ク共重合体の(A−2)〜(A−4)を得た。その組成
を表1に示す。
造 内容積200リットルの撹拌式オートクレーブをプロピ
レンで十分置換した後、充分に脱水およぴ脱酸素したn
−ヘプタン63リットルを導入し、ジエチルアルミニウ
ムクロライド27gおよび丸紅ソルベイ社製三塩化チタ
ン触媒9.0gを60℃でプロピレン雰囲気下で導入し
た。重合工程(a)は、オートクレーブを65℃に昇温
した後、水素濃度を1.8容量%に保ちながらプロピレ
ンを9.0kg/時間の流量で導入することにより開始
した。240分後、プロピレンの導入を停止し、さらに
90分間継続重合させた後、気相部を0.6kg/cm
2Gとなるまでパージした。重合工程(b)は、オート
クレーブを60℃に降温した後、プロピレンを2.0k
g/時間の流量で、エチレンを2.0kg/時間の流量
で60分間導入して共重合を行った。このようにして得
られたスラリーを、濾過および乾燥して35.9kgの
プロピレン−エチレンブロック共重合体(B−1)のパ
ウダーを得た。得られたプロピレン−エチレンブロック
共重合体(B−1)のMFRは、2.1g/10分で、
重合工程(a)で得られたプロピレン単独重合体ブロッ
ク部(III)のMFRは2.8g/10分であった。
また、重合工程(b)で得られるエチレン−プロピレン
共重合体ブロック部(IV)は全重合体の10重量%で
あった。
(2)のエチレンとプロピレンの比率を変更する以外
は、合成例5と同様にしてプロピレン−エチレンブロッ
ク共重合体の(B−2)〜(B−3)を得た。その組成
を表2に示す。
レン−エチレンブロック共重合体(B)を、表3に示す
割合で混合した組成物に、トリス(2,4−ジ−t−ブ
チルフェニル)フォスファイト0.1重量部、テトラキ
ス〔メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)プロピネート〕メタン0.1重量
部、ステアリン酸カルシウム0.05重量部をそれぞれ
配合し、30mm径の押出機により240℃で溶融混練
し、ペレット化した。このペレットを用いてT型ダイス
を有する35mm径の押出機にて250℃で溶融押出し
し、50℃の冷却ロールで冷却してフィルム厚み60μ
mの無延伸フィルムを得た。得られたフィルムの片面に
濡れ張力40ダインとなるようにコロナ放電処理を施し
た。得られたフィルムについて、HAZE、耐衝撃性、
耐熱性を測定し、その結果を表3に示す。
物に、ブテン−1含有量が15重量%、230℃、2.
16kg荷重のMFRが6.7g/10分のエチレン−
ブテン−1ランダム共重合体(EBM)、またはプロピ
レン含有量が25重量%、230℃、2.16kg荷重
のMFRが5.4g/10分のエチレン−プロピレンラ
ンダム共重合体(EPR)を表3に示す割合で配合し、
実施例1と同様にしてフィルムを得た。得られたフィル
ムについて、HAZE、耐衝撃性、耐熱性を測定し、そ
の結果を表3に示す。
レン−エチレンブロック共重合体(A)のみを用いて、
実施例1と同様にしてフィルムを得た。得られたフィル
ムについて、HAZE、耐衝撃性、耐熱性を測定し、そ
の結果を表4に示す。
レン−エチレンブロック共重合体(B)のみを用いて、
実施例1と同様にしてフィルムを得た。得られたフィル
ムについて、HAZE、耐衝撃性、耐熱性を測定し、そ
の結果を表4に示す。
のプロピレン−エチレンブロック共重合体(A)および
プロピレン−エチレンブロック共重合体(B)からなる
組成物からのフィルムは、HAZE、耐衝撃性、耐熱性
に優れている(実施例1〜10)が、プロピレン−エチ
レンブロック共重合体(A)またはプロピレン−エチレ
ンブロック共重合体(B)のみからのフィルムは、HA
ZE、耐衝撃性、耐熱性のいずれも劣る(比較例1〜
4)。
共重合体組成物は、耐熱性と低温での耐衝撃性に優れ、
油を含む内容物を充填し、高温で熱処理されるレトルト
包装等の用途に有効に用いることができる。
Claims (3)
- 【請求項1】 以下に示すプロピレン−エチレンブロッ
ク共重合体(A)20〜80重量部とプロピレン−エチ
レンブロック共重合体(B)80〜20重量部からなる
ポリプロピレン系樹脂組成物。 (A)プロピレン−エチレンブロック共重合体:プロピ
レン単独重合体またはエチレン含量2重量%以下のプロ
ピレン−エチレンランダム共重合体よりなるプロピレン
ブロック部(I)60〜95重量%とエチレン含量20
〜95重量%のエチレン−プロピレン共重合体ブロック
部(II)40〜5重量%からなるプロピレン−エチレ
ンブロック共重合体であって、プロピレン−エチレンブ
ロック共重合体のMFR(MFR(A))とプロピレン
ブロック部(I)のMFR(MFR(I))の関係が下
記式を満たすプロピレン−エチレンブロック共重合体。 0.01≦MFR(A)/MFR(I)≦0.4 (B)プロピレン−エチレンブロック共重合体:プロピ
レン単独重合体またはエチレン含量2重量%以下のプロ
ピレン−エチレンランダム共重合体よりなるプロピレン
ブロック部(III)60〜95重量%とエチレン含量
20〜95重量%のエチレン−プロピレン共重合体ブロ
ック部(IV)40〜5重量%からなるプロピレン−エ
チレンブロック共重合体であって、プロピレン−エチレ
ンブロック共重合体のMFR(MFR(B))とプロピ
レンブロック部(III)のMFR(MFR(II
I))の関係が下記式を満たすプロピレン−エチレンブ
ロック共重合体。 0.4<MFR(B)/MFR(III)≦0.95 - 【請求項2】 プロピレン含量が15〜50重量%のエ
チレン−プロピレンランダム共重合体及び/またはブテ
ン−1含量が10〜50重量%のエチレン−ブテン−1
ランダム共重合体を請求項1記載のポリプロピレン系樹
脂組成物100重量部に対してさらに3〜30重量部含
んでなるポリプロピレン系樹脂組成物。 - 【請求項3】 プロピレン−エチレンブロック共重合体
(A)の23℃キシレン可溶分の重量平均分子量が35
万以上、かつプロピレン−エチレンブロック共重合体
(B)の23℃キシレン可溶分の重量平均分子量が35
万未満である請求項1または2記載のポリプロピレン系
樹脂組成物。
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