JPH11222532A - 耐熱性合成樹脂発泡シートおよび容器 - Google Patents

耐熱性合成樹脂発泡シートおよび容器

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JPH11222532A
JPH11222532A JP31634398A JP31634398A JPH11222532A JP H11222532 A JPH11222532 A JP H11222532A JP 31634398 A JP31634398 A JP 31634398A JP 31634398 A JP31634398 A JP 31634398A JP H11222532 A JPH11222532 A JP H11222532A
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JP
Japan
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synthetic resin
aromatic vinyl
heat
foam sheet
copolymer
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JP31634398A
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English (en)
Inventor
Toshihiko Fujinaka
敏彦 藤中
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Daicel Corp
Original Assignee
Daicel Chemical Industries Ltd
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Publication date
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  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
  • Blow-Moulding Or Thermoforming Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐熱性および成形性の高い合成樹脂発泡シー
トを用いて、表面均一性が高く、均一な肉厚の容器を得
る。 【解決手段】 耐熱性合成樹脂発泡シートは、(1 )ビ
カット軟化点が100 〜130 ℃であり、かつスチレン系樹
脂(芳香族ビニル単量体と、(メタ)アクリル酸,無水
マレイン酸などの単量体との共重合体)で構成され、厚
みが0.5 〜2 mmおよび発泡倍率が1.3 〜2.5 倍であ
る。発泡シートの単位厚さ当たりの平均気泡膜数は1 〜
50個/mm程度、120 ℃で20分間加熱したとき、引取り方
向およびこの方向に対して直交する方向の収縮率は50%
以下、表面光沢は10%以上であってもよい。さらに、耐
熱性合成樹脂発泡シートには、(2 )前記スチレン系樹
脂で構成され、厚みが0.5 〜2 mmおよび単位厚さ当た
りの平均気泡膜数が20〜50個/mmの発泡シートも含まれ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐熱性および成形
性が高く、電子レンジなどによる加熱調理用容器などを
得るのに有用な耐熱性合成樹脂発泡シートおよびそれか
ら得られた容器に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子レンジなどの加熱調理機によ
り、食品類を容器に収納したまま調理又は処理(解凍処
理など)する方法が広く利用されている。このような加
熱調理用容器には、耐熱性の高いスチレン系樹脂が利用
されている。例えば、特公平5−79251号公報に
は、スチレンモノマー92〜96重量%、メタクリル酸
および無水マレイン酸8〜4重量%との共重合体(重量
平均分子量24×104 以上、ビカット軟化点107〜
117℃)で構成され、厚み1.4〜2.4mm,厚さ
方向1mm当たりのセル数6〜12個/mmの耐熱性ス
チレン系樹脂発泡シートが開示されている。しかし、こ
の発泡シートでは、成形性,表面平滑性が十分でなく、
偏肉などにより肉厚の均一性,寸法精度が低下しやす
い。
【0003】特公平6−89167号公報には、メタク
リル酸5〜50重量%およびスチレン95〜50重量%
の共重合体で構成され、見掛け密度0.1〜0.35g
/cc、温度140℃に加熱したときの収縮率が、引取
り方向に20%以上、引取り方向に直角な方向に10%
未満の熱収縮性発泡シートが開示されている。しかし、
この発泡シートは熱収縮性が高いため、容器成形性およ
び容器の寸法安定性が十分でない。また、容器成形に供
すると、引伸し応力により気泡が引伸ばされ、成形品の
表面均一性や外観が損なわれる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、耐熱性,成形性及び表面均一性の高い成形品を得る
のに有用な耐熱性合成樹脂発泡シートおよびその容器を
提供することにある。
【0005】本発明の他の目的は、表面均一性が高く、
均一な肉厚の成形品を得るのに有用な耐熱性合成樹脂発
泡シートおよびその容器を提供することにある。本発明
のさらに他の目的は、輸送効率が高く、小さな保管又は
保存スペースで発泡シート又は発泡成形品を収容できる
耐熱性合成樹脂発泡シートおよび容器を提供することに
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記目的を
達成するため鋭意検討の結果、特定の特性を有する低発
泡樹脂シートを用いると、成形により高い品質の容器が
得られることを見いだし、本発明を完成した。
【0007】すなわち、本発明の耐熱性合成樹脂発泡シ
ートは、(1)ビカット軟化点が100〜130℃であ
り、かつスチレン系樹脂で構成されており、厚みが0.
5〜2mmおよび発泡倍率が1.3〜2.5倍である。
前記スチレン系樹脂としては、少なくとも耐熱性の高い
樹脂、すなわち、(A )芳香族ビニル単量体と、(メ
タ)アクリル酸,無水マレイン酸およびその誘導体から
選択された少なくとも一種の単量体との共重合体が使用
できる。スチレン系樹脂は、前記(A )共重合体と、
(B )(B1)芳香族ビニル重合体、(B2)ゴム成分と芳
香族ビニル単量体とのグラフト共重合体、および(B3)
ゴムブロックと芳香族ビニル重合体ブロックとのブロッ
ク共重合体から選択された少なくとも一種の重合体とで
構成してもよい。特に、スチレン系樹脂は、前記(A )
共重合体と、(B1)芳香族ビニル重合体とで構成しても
よい。また、発泡シートの単位厚さ当たりの平均気泡膜
数は1〜50個/mm程度、120℃で20分間加熱し
たとき、引取り方向および引取り方向に対して直交する
方向の収縮率は50%以下、表面光沢は10%以上であ
ってもよい。
【0008】本発明には、(2)ビカット軟化点が10
0〜130℃であり、かつスチレン系樹脂で構成され、
厚みが0.5〜2mmおよび単位厚さ当たりの平均気泡
膜数が20〜50個/mmである耐熱性合成樹脂発泡シ
ートも含まれる。
【0009】このような発泡シートは耐熱性容器に成形
するのに適している。そのため、本発明は前記合成樹脂
発泡シートで形成された容器も提供する。なお、本明細
書において、「平均気泡膜数」とは、発泡シートの厚み
方向の断面を顕微鏡で観察したとき、各発泡層の表皮層
を除き、少くとも5箇所で厚み方向に存在する気泡の隔
壁の数の平均値を意味する。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の合成樹脂発泡シートのベ
ース樹脂は、JIS K7206に準拠するビカット軟
化点100〜130℃,好ましくは105〜125℃、
特に105〜120℃程度のスチレン系樹脂で構成され
ている。ビカット軟化点が100℃未満であると、耐熱
性が低下し、電子レンジなどの加熱調理機により容器が
変形する可能性があり、130℃を越えると成形性が低
下しやすい。
【0011】このようなスチレン系樹脂は、(A )芳香
族ビニル単量体と、(メタ)アクリル酸,無水マレイン
酸およびその誘導体から選択された少なくとも一種の単
量体(以下、これらの単量体を単にカルボキシル基含有
単量体と総称する場合がある)との共重合体(以下、単
に耐熱性共重合体という場合がある)、特に、芳香族ビ
ニル単量体と、(メタ)アクリル酸,マレイン酸,無水
マレイン酸およびマレイミドから選択された少なくとも
一種の単量体との共重合体で構成できる。スチレン系樹
脂は、少なくとも前記耐熱性共重合体(A )で構成すれ
ばよく、後述する重合体(B )と併用してもよい。
【0012】芳香族ビニル単量体には、例えば、スチレ
ン、スチレン誘導体(例えば、p−メチルスチレン、p
−エチルスチレン、p−イソプロピルスチレン、ブチル
スチレン、p−t−ブチルスチレン、α−メチルスチレ
ン、ビニルトルエンなどのアルキルスチレンなど)が挙
げられる。好ましい芳香族ビニル単量体にはスチレンお
よびα−メチルスチレンなどが含まれる。これらの芳香
族ビニル単量体は単独で又は二種以上組み合わせて使用
できる。
【0013】無水マレイン酸誘導体には、マレイン酸、
フマル酸,マレイミド系単量体が含まれ、マレイミド系
単量体としては、例えば、マレイミド,N−アルキルマ
レイミド(N−メチルマレイミド,N−ブチルマレイミ
ドなどのN−C1-4 アルキルマレイミド),N−フェニ
ルマレイミドなどが例示できる。これらのアクリル酸,
メタクリル酸,無水マレイン酸およびその誘導体も単独
で又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0014】前記スチレン系樹脂は、芳香族ビニル単量
体とカルボキシル基含有単量体と共重合性ビニル単量体
との共重合体であってもよい。共重合性ビニル単量体に
は、例えば、シアン化ビニル単量体(アクリロニトリル
など)、(メタ)アクリル酸エステル系単量体(例え
ば、メタクリル酸メチルなどの(メタ)アクリル酸C1-
10アルキルエステル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキ
シエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル
などのヒドロキシル基含有(メタ)アクリレート、グリ
シジル(メタ)アクリレートなど)、イタコン酸などが
例示できる。好ましい共重合性ビニル単量体には、メタ
クリル酸メチルなどの(メタ)アクリル酸C1-4 アルキ
ルエステルなどが含まれる。
【0015】前記芳香族ビニル単量体とカルボキシル基
含有単量体との割合は、前記ビカット軟化点の樹脂が得
られる範囲から選択でき、例えば、芳香族ビニル単量体
/カルボキシル基含有単量体=30/70〜99/1
(重量%)、好ましくは40/60〜95/5(重量
%)、さらに好ましくは50/50〜95/5(重量
%)程度である。
【0016】共重合性ビニル単量体の使用量は、例え
ば、単量体全体の0〜25重量%、好ましくは0〜20
重量%、さらに好ましくは0〜15重量%程度の範囲か
ら選択できる。
【0017】スチレン系樹脂の具体例としては、スチレ
ン−(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン−無水マレ
イン酸共重合体、スチレン−マレイミド共重合体、さら
に、必要により(メタ)アクリル酸C1-4 アルキルエス
テルが共重合した共重合体(スチレン−メタクリル酸メ
チル−(メタ)アクリル酸共重合体など)などが例示で
きる。
【0018】スチレン系樹脂の分子量は、成形性や容器
の機械的強度などを損なわない範囲、例えば、10×1
4 〜100×104 、好ましくは15×104 〜50
×104 、さらに好ましくは20×104 〜30×10
4 程度から選択できる。
【0019】スチレン系樹脂は、少なくとも前記共重合
体(A )で構成されていればよく、前記共重合体(A )
と、(B )(B1)芳香族ビニル重合体、(B2)ゴム成分
と芳香族ビニル単量体とのグラフト共重合体、および
(B3)ゴムブロックと芳香族ビニル重合体ブロックとの
ブロック共重合体から選択された少なくとも一種の重合
体とで構成してもよい。好ましくは、前記共重合体(A
)と、(B1)芳香族ビニル重合体とで構成してもよ
い。
【0020】前記(B1)芳香族ビニル重合体としては、
前記共重合体(A )のうちカルボキシル基含有単量体を
構成成分として含まない重合体、すなわち、前記芳香族
ビニル単量体の単独又は共重合体、芳香族ビニル単量体
と共重合性ビニル単量体との共重合体が含まれる。好ま
しくは、スチレン単独又は共重合体、さらに好ましく
は、ポリスチレンなどのスチレン単独重合体(例えば、
汎用ポリスチレンGPPS)が含まれる。
【0021】特に、前記共重合体(A )と、(B1)芳香
族ビニル重合体(例えば、ポリスチレン) とで構成され
たスチレン系樹脂からなる発泡シートは、従来の発泡シ
ートに比べ、耐熱性、成形性、および表面均一性を改善
するだけでなく、さらに表面光沢を向上することもでき
る。
【0022】スチレン系樹脂は、発泡シートの割れなど
を防止するため、ゴム変性スチレン系樹脂、例えば、
(B2)ゴム成分に芳香族ビニル単量体がグラフトしたグ
ラフト重合体[特に耐衝撃性(High Impact, HI )ポリ
スチレンや、(B3)ゴムブロックと芳香族ビニル重合体
ブロックとで構成されたブロック共重合体と併用しても
よい。グラフト共重合体(B2)には、例えば、スチレン
−ブタジエン共重合体(SB樹脂)、ブタジエン−スチ
レン−無水マレイン酸共重合体(ゴム変性スチレン−無
水マレイン酸共重合体)、スチレン−アクリロニトリル
−ブタジエン共重合体(ABS樹脂)、AXS樹脂(式
中、Aはアクリロニトリル,Xはエチレン−プロピレン
ゴム(EPDMゴム)、アクリルゴム、エチレン−酢酸
ビニル共重合体、塩素化ポリエチレンから選択された少
くとも一種のゴム成分,Sはスチレンを示す)]などが
例示でき、ブロック共重合体(B3)には、例えば、スチ
レン−ブタジエン−スチレン(SBS)共重合体、スチ
レン−イソプレン−スチレン(SIS)共重合体などの
熱可塑性エラストマーなどが挙げられ、これらのゴム変
性スチレン系樹脂は水素添加物であってもよい。
【0023】前記耐熱性共重合体(A )と重合体(B )
との割合は、前記ビカット軟化点の範囲内で選択でき、
例えば、前者/後者=60/40〜2/98(重量
比)、好ましくは50/50〜4/96(重量比)程度
の範囲から選択できる。
【0024】本発明の耐熱性合成樹脂発泡シートの厚み
は、容器成形性を損なわない範囲、例えば、0.5〜2
mm程度の範囲から選択でき、通常、1.4mm未満で
ある。合成樹脂発泡シートの厚みは、好ましくは0.5
〜1.3mm、さらに好ましくは0.7〜1.3mm、
特に0.8〜1.2mm程度である。厚みが薄いと、容
器の機械的強度や腰が低下し、厚すぎると成形性が低下
したり、容器の肉厚が不均一化しやすい。なお、シート
厚みは発泡倍率、押出し機の吐出量、引取り機の引取り
速度などにより調整できる。
【0025】合成樹脂発泡シートの発泡倍率は、1.3
〜2.5倍(例えば、1.5〜2.5倍)、好ましくは
1.7〜2.3倍程度の範囲から選択できる。発泡倍率
が1.5倍未満では、断熱性が低下するとともに、発泡
シートが割れやすくなり、2.5倍を越えると嵩高くな
り保管スペースが大きくなるとともに、深絞り性が低下
しやすい。
【0026】さらに、発泡シートの単位厚さ当たりの平
均気泡膜数は、1〜50個/mm(例えば、10〜50
個/mm)、好ましくは10〜50個/mm(例えば、
13〜50個/mm)、さらに好ましくは20〜50個
/mm(例えば、23〜48個/mm)、特に25〜4
0個/mm程度である。また、厚み0.3〜2mm程度
の発泡シートにおいて、厚み方向の平均気泡膜数は、通
常、1〜50個(例えば、10〜50個)、好ましくは
20〜50個(例えば、23〜48個)、さらに好まし
くは25〜40個程度である。平均気泡膜数が50個/
mmを越えると、発泡シートの強度、発泡シートの延性
や深絞り性が低下しやすくなり、1個/mm未満では保
温性が低下し、容器成形過程での延伸により気泡が目立
ちやすくなり、外観が低下する。
【0027】なお、平均気泡膜数の多い発泡シート(例
えば、20〜50個/mm程度の発泡シート)は、組織
が緻密であり、均一性が高く、発泡シートの表面光沢を
向上させるのに有用である。そのため、平均気泡膜数の
大きな合成樹脂発泡シートは、前記発泡倍率に限らず、
容器成形に適している。平均気泡膜数は、例えば、核剤
の添加量、押出し温度、混練条件、冷却条件などの製造
条件により調整できる。
【0028】発泡シートは、120℃で20分間加熱し
たとき、引取り方向(MD方向)および引取り方向に対
して直交する方向(TD方向)のいずれにおいても、加
熱収縮率が50%以下、好ましくは40%以下、さらに
好ましくは30%以下である。収縮率が50%を越える
と、成形性が低下し、容器のコーナー部などの成形精度
が低下する。
【0029】さらに、本発明の合成樹脂発泡シートの表
面光沢は、JIS K7105に規定する方法(入射角
60°)で測定したとき、10%以上(例えば、12〜
50%)、好ましくは13%以上(例えば、13〜40
%)、さらに好ましくは15%以上(例えば、15〜3
5%)程度である。表面光沢が10%未満であると、容
器の表面外観が低下する。
【0030】合成樹脂発泡シートを形成するためのベー
ス樹脂は、慣用の添加剤、例えば、安定剤(酸化防止
剤、紫外線吸収剤,熱安定剤など),難燃剤,滑剤,離
型剤,帯電防止剤,充填剤,着色剤,可塑剤や展着剤
(例えば、ポリエチレングリコール、ミネラルオイルな
ど)などを含有していてもよい。
【0031】なお、本発明の発泡シートは少くとも前記
合成樹脂発泡シートを有していればよく、発泡シートの
少なくとも一方の面には表面層を備えていてもよい。こ
の表面層は、スキン層であってもよく、接着剤層を介し
て又は介することなく積層された被覆層(例えば、ポリ
エチレン,ポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂,ポ
リスチレン,ポリエステル,ポリアミドなどの延伸又は
非延伸フィルム又はシートのラミネート層など)であっ
てもよい。
【0032】本発明の合成樹脂発泡シートは、前記ベー
ス樹脂組成物を押出し成形機に供給し、溶融混練してダ
イ(フラット状、T状(Tダイ)、円筒状(サーキュラ
ダイ)など)から押出して発泡成形することにより得る
ことができる。前記ダイは、前記合成樹脂発泡シートの
厚みに対応するリップ開度を有していればよい。なお、
気泡膜数および発泡倍率を増加させる方法としては、ス
クリュー形状を、混練性の高い形状(例えば、複数の突
起部が形成されたミキシングピン付きフルフラット型ス
クリューなどのミキシング機能付きスクリューなど)と
する方法((株)プラスチックス・エージー発行,「押
出成形」,村上健吉監修,154頁参照)、冷却可能な
構造のTダイなどで冷却する方法などが例示できる。ま
た、押出し温度は、180〜240℃が好ましく、ダイ
ス温度としては、160〜190℃が好ましい。
【0033】発泡シートを得るためベース樹脂組成物は
発泡剤を含んでいる。発泡剤としては、慣用の化合物、
例えば、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサンなどの
揮発性発泡剤、炭酸アンモニウム、重炭酸アンモニウ
ム、重炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、アゾ化合
物(アゾビスイソブチロニトリル、アゾジカルボンアミ
ド、ジアゾアミノベンゼンなど)、スルホニルヒドラジ
ド化合物(ベンゼンスルホニルヒドラジド、p−トルエ
ンスルホニルヒドラジド、ジフェニルオキシ−4,4′
−ビススルホニルヒドラジドなど)、ニトロソ化合物
(N,N′−ジニトロソペンタメチレンテトラミンな
ど)などの化学発泡剤(分解型発泡剤)、二酸化炭素、
窒素ガス、水などが例示できる。これらの発泡剤は組合
わせて使用してもよい。発泡剤の含有量は、例えば、前
記ベース樹脂成分100重量部に対して0.1〜5重量
部、好ましくは0.3〜2.5重量部、さらに好ましく
は0.5〜1.5重量部程度である。発泡剤は樹脂成分
に含浸させてもよい。
【0034】平均気泡膜数を調整するためには、ベース
樹脂組成物は核剤を含有するのが有利である。核剤とし
ては、無機微粉末、例えば、タルク、シリカ、ケイソウ
土、クレー、アルミナ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム
などが挙げられる。核剤の使用量は、所望する平均気泡
膜数などに応じて選択でき、例えば、前記ベース樹脂成
分100重量部に対して0.1〜10重量部、好ましく
は0.5〜5重量部程度の範囲から選択できる。
【0035】押出し機のダイから押出し発泡されたシー
トは、必要に応じて一軸又は二軸延伸され、急冷却する
ことにより発泡シートが得られる。なお、サーキュラダ
イを用いる場合、円筒状シートはピンチロールで折畳ま
れトリミング(耳切り)により切り開くことにより発泡
シートが得られる。
【0036】なお、合成樹脂発泡シートには、外観など
を向上させるため、押し出しラミネート、又は接着剤
(酢酸ビニル系接着剤,エチレン,酢酸ビニル系接着
剤,ウレタン系接着剤など)を用いるドライラミネート
などによりフィルム(ポリエチレン,ポリプロピレン,
ポリスチレンなど)を積層してもよい。さらに、合成樹
脂発泡シートには、離型剤(エマルジョンなどの形態の
ポリシロキサンなど)を塗布してもよい。
【0037】このようにして得られた耐熱性合成樹脂発
泡シートは、通常、巻取ロールなどにより巻き取られ
る。また、成形工程において、発泡シートは、加熱(ベ
ース樹脂の軟化点以上の温度に加熱)して容器成形など
の成型加工に供される。本発明の耐熱性合成樹脂発泡シ
ートは、種々の容器(トレー類,コップ類,カップ類な
ど)を成形するためのシートとして有用であり、絞り比
(容器の高さ/開口径)は特に制限されず、通常、0.
2以上(0.2〜1.5)であってもよい。容器は、通
常、被収容物を収容するための収容凹部を備えており、
必要により前記収容凹部の上端から延出するフランジ部
を形成してもよい。
【0038】本発明の容器は耐熱性および断熱性が高い
ので、電子レンジなどの加熱調理機により調理可能な食
品を収容する容器として有用である。また、容器は、表
面均一性,肉厚の均一性および外観特性に優れている。
【0039】
【発明の効果】本発明の合成樹脂発泡シートは、表面光
沢などの特性が高く、深絞り成形性および表面均一性の
高い成形品を得るのに有用である。特に、絞り比が大き
くても、耐衝撃性、表面均一性が高く、均一な肉厚の成
形品を得ることができる。さらに、低発泡シートである
ため、輸送効率が高く、小さな保管又は保存スペースで
多くの発泡シート又は発泡成形品を収容できる。
【0040】
【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定され
るものではない。
【0041】実施例および比較例では以下のスチレン系
樹脂を用いた。 スチレン−無水マレイン酸共重合体(スチレン86重量
%,無水マレイン酸14重量%);アーコケミカル社製
「ダイラーク332」 スチレン−メタクリル酸共重合体(スチレン90重量
%,メタクリル酸10重量%);大日本インキ化学工業
(株)製「リューレックスA−11」 汎用ポリスチレンGPPS:ダイセル化学工業(株)製
「ダイセルスチロール51」 スチレン−ブタジエンブロック共重合体SBS;旭化成
工業(株)製「タフプレン126」,スチレン含有量4
0重量% なお、ビカット軟化点は、JIS K7206に準拠し
て測定した。
【0042】実施例1〜4および比較例1,2 表1に示す割合で樹脂ペレットを用いた。発泡剤として
重炭酸ナトリウムとクエン酸モノナトリウムとの混合物
(三協化成(株)製,セルマイク623)を用い、ミネ
ラルオイルによりペレットに展着した。
【0043】このようにして調製した発泡性樹脂組成物
を、φ50mmの押出し機に供給し、押出し機で加熱し
て、溶融混練し、押出し機先端のTダイよりシート状に
押出し発泡し、発泡シートを作製した。
【0044】そして、発泡シートをφ90mm、深さ6
0mm,テーパー7°のカップに容器成形し、成形性,
収縮率、表面光沢および外観を、以下の方法により評価
した。
【0045】成形性:カップの側面と底部コーナー部の
外観を以下の基準で目視判定した。 ○:均一に伸びて均一な厚みにカップが成形されている △:側面又はコーナー部の一部が薄くなっている ×:側面又はコーナー部に破れが発生する 収縮率:発泡シートをφ100mmにカットし、120
℃で20分間オーブンに入れ、加熱後の寸法Xmmを測
定し、下記式に示す加熱前後の寸法差により、MD方向
およびTD方向の収縮率を算出した。
【0046】収縮率(%)=[(100−X)/10
0]×100 表面光沢:JIS K7105に準拠して入射角60°
で測定した。 外観: ○:表面が均一で光沢があり気泡が確認できない △:光沢がなく気泡が確認できない ×:光沢がなく気泡が確認できる 評価結果を表1に示す。
【0047】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B29L 22:00 C08L 25:04 51:04 53:02

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ビカット軟化点が100〜130℃のス
    チレン系樹脂で構成され、かつ厚みが0.5〜2mmお
    よび発泡倍率が1.3〜2.5倍である耐熱性合成樹脂
    発泡シート。
  2. 【請求項2】 スチレン系樹脂が、少なくとも、(A )
    芳香族ビニル単量体と、(メタ)アクリル酸,無水マレ
    イン酸およびその誘導体から選択された少なくとも一種
    の単量体との共重合体で構成されている請求項1記載の
    耐熱性合成樹脂発泡シート。
  3. 【請求項3】 スチレン系樹脂が、(A )芳香族ビニル
    単量体と、(メタ)アクリル酸,無水マレイン酸および
    その誘導体から選択された少なくとも一種の単量体との
    共重合体と、(B )(B1)芳香族ビニル重合体、(B2)
    ゴム成分と芳香族ビニル単量体とのグラフト共重合体、
    および(B3)ゴムブロックと芳香族ビニル重合体ブロッ
    クとのブロック共重合体から選択された少なくとも一種
    の重合体とで構成されている請求項1記載の耐熱性合成
    樹脂発泡シート。
  4. 【請求項4】 スチレン系樹脂が、(A )芳香族ビニル
    単量体と、(メタ)アクリル酸,無水マレイン酸および
    その誘導体から選択された少なくとも一種の単量体との
    共重合体と、(B1)芳香族ビニル重合体とで構成されて
    いる請求項1記載の耐熱性合成樹脂発泡シート。
  5. 【請求項5】 (B1)芳香族ビニル重合体がポリスチレ
    ンである請求項4記載の耐熱性合成樹脂発泡シート。
  6. 【請求項6】 (A )芳香族ビニル単量体と、(メタ)
    アクリル酸、無水マレイン酸およびその誘導体から選択
    された少なくとも一種の単量体との共重合体と、(B)
    重合体の割合が、(A)/(B)=60/40〜2/98(重量
    比)である請求項3記載の耐熱性合成樹脂発泡シート。
  7. 【請求項7】 単位厚さ当たりの平均気泡膜数が1〜5
    0個/mmである請求項1記載の耐熱性合成樹脂発泡シ
    ート。
  8. 【請求項8】 120℃で20分間加熱したとき、引取
    り方向および引取り方向に対して直交する方向の収縮率
    が50%以下である請求項1記載の耐熱性合成樹脂発泡
    シート。
  9. 【請求項9】 表面光沢が10%以上である請求項1記
    載の耐熱性合成樹脂発泡シート。
  10. 【請求項10】 ビカット軟化点が105〜125℃で
    あり、かつ(A )芳香族ビニル単量体と、(メタ)アク
    リル酸,無水マレイン酸およびその誘導体から選択され
    た少なくとも一種の単量体との共重合体と、(B )(B
    1)芳香族ビニル重合体、(B2)ゴム成分と芳香族ビニ
    ル単量体とのグラフト共重合体、および(B3)ゴムブロ
    ックと芳香族ビニル重合体ブロックとのブロック共重合
    体から選択された少なくとも一種の重合体とを含むスチ
    レン系樹脂で構成され、厚みが0.5〜1.3mm、発
    泡倍率が1.5〜2.5倍および単位厚さ当たりの平均
    気泡膜数が13〜50個/mmである請求項1記載の耐
    熱性合成樹脂発泡シート。
  11. 【請求項11】 ビカット軟化点が100〜130℃で
    あり、かつスチレン系樹脂で構成され、厚みが0.5〜
    2mmおよび単位厚さ当たりの平均気泡膜数が20〜5
    0個/mmである耐熱性合成樹脂発泡シート。
  12. 【請求項12】 請求項1又は請求項11記載の合成樹
    脂発泡シートで形成された容器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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