JP2002105256A - ポリプロピレン樹脂組成物およびそれから得られる発泡体 - Google Patents

ポリプロピレン樹脂組成物およびそれから得られる発泡体

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JP2002105256A
JP2002105256A JP2000296674A JP2000296674A JP2002105256A JP 2002105256 A JP2002105256 A JP 2002105256A JP 2000296674 A JP2000296674 A JP 2000296674A JP 2000296674 A JP2000296674 A JP 2000296674A JP 2002105256 A JP2002105256 A JP 2002105256A
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polypropylene
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ethylene
copolymer
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JP2000296674A
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English (en)
Inventor
Yoichi Wakita
田 陽 一 脇
Masayoshi Shudo
藤 将 由 周
Masashi Suzuki
木 誠 志 鈴
Hideo Akimoto
元 英 郎 秋
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Grand Polymer Co Ltd
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Grand Polymer Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】流動性が優れ、かつメルトテンションが高く、
適度な流動性をもつポリプロピレン樹脂組成物、および
この樹脂組成物を原料とする二次加工性が優れ、外観美
麗な、耐熱性に優れた発泡体を提供すること。 【解決手段】ポリプロピレン樹脂組成物は、メルトフロ
ーレート(230℃、荷重2、16kg)が0.1〜
2.0g/10分、Mw/Mnが6〜15、Mz/Mwが
3以上のポリプロピレン樹脂(A)60〜99重量%
と、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体の部分金属
塩(B)40〜1重量%((A)と(B)との合計は1
00重量%)とからなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリプロピレン樹
脂組成物およびそれから得られる発泡体に関し、さらに
詳しくは、特定のポリプロピレンとエチレン・(メタ)
アクリル酸共重合体の部分金属塩とからなるポリプロピ
レン樹脂組成物、およびこのポリプロピレン樹脂組成物
から製造される発泡体に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】熱可塑性樹脂からなる発泡体は、
一般に軽量で断熱性や外部からの応力の緩衝性が良好で
あることから、断熱材、緩衝材、芯材、食品容器などと
して、幅広く利用されている。なかでもポリプロピレン
からなる発泡体は、耐薬品性、耐衝撃性および耐熱性が
良好であり、食品衛生性に優れているところから生鮮食
品用トレーとして使用する検討が進められている。
【0003】しかしながらポリプロピレンは、結晶性樹
脂であるために、溶融時の粘度およびメルトテンション
が低く、ポリプロピレンを発泡させる場合、発泡時にセ
ルが破壊しやすいという問題があった。このためポリプ
ロピレンを発泡させて外観の優れ、二次加工性に優れた
低密度の発泡体を得ることが困難であった。ポリプロピ
レンの発泡性を改良する方法として、例えばポリプロピ
レンに発泡剤と架橋助剤とを添加してその分子を架橋さ
せつつ発泡体を製造する方法が、例えば特公昭45−4
0420号公報に提案されている。しかしこの方法でも
ポリプロピレンのメルトテンションの向上は不十分であ
り、かつこのようなポリプロピレンには架橋しない架橋
助剤が残存する結果、臭気が強く食品包装用途には不向
きとなる。
【0004】またポリプロピレンの発泡性を改良する方
法として、ポリプロピレンにポリエチレンをブレンドし
て、これを発泡させる方法が、例えば特公昭44−25
74号公報などに提案されている。しかしこの方法によ
るポリプロピレンのメルトテンションの向上効果は小さ
く、二次加工性に優れた発泡体は得られない。ポリプロ
ピレンのうち特定のプロピレン・エチレンブロック共重
合体にエチレン・(メタ)アクリル酸共重合体の部分金
属塩をブレンドして、これを発泡させる方法について
は、例えば特開平11−302429号公報に提案され
ている。しかし、この方法においてもエチレン・(メ
タ)アクリル酸共重合体の部分金属塩を少量配合したポ
リプロピレンのメルトテンションの向上効果は小さく、
一方、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体の部分金
属塩を50重量%以上大量に配合した組成物において
は、ポリプロピレンの特性である耐熱性、および剛性が
大幅に低下するため、優れた発泡体は得られない。
【0005】一方、本出願人による特開平11−807
752には、高分子量ポリプロピレン成分を含む広分子
量分布のポリプロピレンが提案されている。このポリプ
ロピレンはメルトテンションが高く、発泡シート用に使
用することが可能ではあるが、得られる発泡シートのセ
ルが独立気泡になりにくいという問題がある。
【0006】
【発明の目的】本発明は、上記のような従来技術におけ
る問題点を解決しようとするものであって、発泡性の改
良されたポリプロピレン樹脂組成物を提供することを目
的としている。また本発明は、食品衛生性に優れ、食品
用トレーなどに好適な、発泡ポリプロピレンに用いるこ
とのできるポリプロピレン樹脂組成物を提供することを
目的としている。
【0007】さらに本発明は、耐熱性と剛性に優れ、発
泡倍率が高く、二次加工性が優れ、低密度であり、外観
美麗な発泡体を製造するに好適なポリプロピレン樹脂組
成物提供することを目的としている。
【0008】
【発明の概要】本発明に係るポリプロピレン樹脂組成物
は、(A)メルトフローレート(230℃、荷重2.1
6kg)が0.1〜2.0g/10分の範囲にあり、Mw
/Mnが6〜15の範囲にあり、Mz/Mwが3以上で
あるポリプロピレンと、(B)エチレン・(メタ)アク
リル酸共重合体の部分金属塩とからなり、上記ポリプロ
ピレン(A)を60〜99重量%、上記エチレン・(メ
タ)アクリル酸共重合体の部分金属塩(B)を40〜1
重量%(但し、(A)と(B)との合計は100重量
%。)の量で含有することを特徴としている。
【0009】本発明では、前記ポリプロピレン(A)
が、極限粘度[η]が3〜13dl/gの範囲にある相
対的に高分子量のポリプロピレンと、極限粘度[η]が
0.3〜3dl/gの範囲にある相対的に低分子量のポ
リプロピレンとからなり、前記相対的に高分子量のポリ
プロピレンを10〜45重量%、上記相対的に低分子量
のポリプロピレンを90〜55重量%の量で含有するポ
リプロピレン組成物(A-1)であることが好ましい。
【0010】また本発明では、前記エチレン・(メタ)
アクリル酸共重合体の部分金属塩(B)が、メルトフロ
ーレート(ASTM D1238に準拠して190℃、
荷重2.16kgで測定)が0.01〜10g/10分の
範囲にあり、金属元素含有量が1.0〜5.0重量%の
範囲にあり、回転粘弾性測定装置で170℃にて周波数
依存測定したときの貯蔵弾性率(G)と損失弾性率
(G'')が等しくなる周波数が0.1〜10rad/s
の範囲にあることが好ましい。
【0011】本発明に係る発泡体は、上記ポリプロピレ
ン樹脂組成物を発泡させて得られることを特徴としてい
る。
【0012】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係るポリプロピレ
ン樹脂組成物およびそれから得られる発泡体について具
体的に説明する。本発明に係るポリプロピレン樹脂組成
物は、(A)ポリプロピレンと、(B)エチレン・(メ
タ)アクリル酸共重合体の部分金属塩とからなる。ま
ず、これらの各成分について説明する。
【0013】(A)ポリプロピレン 本発明で用いられるポリプロピレン(A)は、プロピレ
ン単独重合体またはプロピレンとプロピレン以外の炭素
原子数2〜20のα-オレフィンとの共重合体である。
ここで、プロピレン以外の炭素原子数が2〜20のα-
オレフィンとしてはエチレン、1-ブテン、1-ペンテン、
1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、1-オクテン、1-デ
セン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、
1-オクタデセン、1-エイコセンなどが挙げられ、エチレ
ンまたは炭素原子数4〜10のα-オレフィンが好まし
い。これらのα−オレフィンは、プロピレンとランダム
共重合体を形成してもよく、またブロック共重合体を形
成してもよい。これらのα-オレフィンから導かれる構
成単位は、ポリプロピレン中に5%以下、好ましくは2
%以下の割合で含んでいてもよい。
【0014】本発明で用いられるポリプロピレン(A)
は、分岐状オレフィン類、例えば3-メチル-1-ブテン、
3,3-ジメチル-1-ブテン、3-メチル-1-ペンテン、3-エチ
ル-1-ペンテン、4-メチル-1-ペンテン、3-メチル-1-ヘ
キセン、4-メチル-1-ヘキセン、4,4-ジメチル-1-ヘキセ
ン、4,4-ジメチル-1-ペンテン、4-エチル-1-ヘキセン、
3-エチル-1-ヘキセン、3,5,5-トリメチル-1-ヘキセン、
ビニルシクロペンタン、ビニルシクロヘキサン、ビニル
シクロヘプタン、ビニルノルボルナン、アリルノルボル
ナン、スチレン、ジメチルスチレン、アリルベンゼン、
アリルトルエン、アリルナフタレン、ビニルナフタレン
などの単独重合体または共重合体を0.1重量%以下、
好ましくは0.05重量%以下の割合で含有していても
よい。これらの中では、特に3-メチル-1-ブテンの単独
重合体または共重合体などが好ましい。
【0015】このような分岐状オレフィン類の単独重合
体または共重合体は、分岐状オレフィン類の単独重合体
または共重合体が予備重合されたポリプロピレン製造用
触媒を用いてポリプロピレン(A)を製造することによ
りポリプロピレン(A)中に含有させることができる。
本発明で用いられるポリプロピレン(A)は、ASTM
D1238に準拠して230℃、荷重2.16kgの
条件で測定したメルトフローレート(MFR)が0.1
〜2.0g/10分、好ましくは0.2〜1.5g/10
分、特に0.3〜1.0g/10分の範囲にある。ポリプ
ロピレン(A)はまた、ゲルパーミエーションクロマト
グラフィー(GPC)分析で求められたMw/Mnが6
〜15、好ましくは7〜14、特に8〜13の範囲にあ
り、Mz/Mwが3以上、好ましくは3.5〜10、特
に4〜8の範囲にある。
【0016】上記特性を有するポリプロピレン(A)と
しては、例えば相対的に高分子量のポリプロピレンと、
相対的に低分子量のポリプロピレンからなる組成物(ポ
リプロピレン組成物(A-1))が好適なものとして挙げ
られる。ポリプロピレン組成物(A-1)を形成する相対
的に高分子量のポリプロピレンは、極限粘度[η](1
35℃デカリン中で測定した極限粘度、以下同じ)が、
3〜13dl/g、好ましくは5〜12dl/g、さら
に好ましくは6〜11dl/gであり、その含有量は1
0〜45重量%、好ましくは12〜40重量%、さらに
好ましくは15〜35重量%である。
【0017】また相対的に低分子量のポリプロピレンの
極限粘度[η]は0.3〜3dl/g、好ましくは0.
4〜2.5dl/g、さらに好ましくは0.5〜2dl
/gであり、その含有量は90〜55重量%、好ましく
は88〜60重量%、さらに好ましくは85〜65重量
%ある。相対的に高分子量のポリプロピレンと相対的に
低分子量のポリプロピレンの極限粘度[η]の差は0.
5〜12.7dl/g、好ましくは0.7〜11dl/
g、さらに好ましくは1〜10dl/gである。
【0018】ポリプロピレン組成物(A-1)は、相対的
に高分子量のポリプロピレンと相対的に低分子量のポリ
プロピレンとを含む組成物であるが、上記2種のポリプ
ロピレンだけからなっていてもよく、3種以上のポリプ
ロピレンからなっていてもよく、またポリプロピレン以
外の他の樹脂が少量含まれていもよい。本発明で用いら
れるポリプロピレン組成物(A-1)の好ましい製造方法
として、例えば後述する高立体規則性ポリプロピレン製
造用触媒の存在下に、プロピレンを単独で、またはプロ
ピレンとプロピレン以外の炭素原子数2〜20のオレフ
ィンとを、下記のような2段以上の連続多段重合によ
り、相対的に高分子量のポリプロピレンと相対的に低分
子量のポリプロピレンとを含むように製造する方法が挙
げられる。
【0019】本発明で用いられるポリプロピレン組成物
(A-1)を製造する上記連続多段重合法の具体的な例と
して、次の方法が挙げられる。すなわち、マグネシウ
ム、チタン、ハロゲンおよび電子供与体を含有する固体
状チタン触媒成分(a)と、有機金属化合物触媒成分
(b)と、シクロペンチル基、シクロペンテニル基、シ
クロペンタジエニル基およびこれらの誘導体からなる群
から選ばれる少なくとも1種の基を有する有機ケイ素化
合物触媒成分(c)とから形成される重合用触媒の存在
下に、第1段目の重合において、実質的に水素の非存在
下でプロピレンを重合させて、135℃デカリン中で測
定した極限粘度[η]が3〜13dl/g、好ましくは
5〜12dl/g、さらに好ましくは6〜11dl/g
の相対的に高分子量のポリプロピレンを、最終的に得ら
れるポリプロピレン樹脂組成物全体の10〜45重量
%、好ましくは12〜40重量%、さらに好ましくは1
5〜35重量%製造し、第2段目以降の重合において、
相対的に低分子量のポリプロピレンを製造する。
【0020】第2段目以降の重合において製造する相対
的に低分子量のポリプロピレンの極限粘度[η]は0.
3〜3dl/g、好ましくは0.4〜2.5dl/g、
さらに好ましくは0.5〜2dl/g(この極限粘度
[η]は、その段単独で製造されるポリプロピレンの極
限粘度[η]であり、その段の前段までのポリプロピレ
ンを含むポリプロピレン組成物(A-1)全体の極限粘度
[η]ではない。)となるように調整する。
【0021】第2段目以降で製造するポリプロピレンの
極限粘度[η]の調整方法は特に制限されないが、分子
量調整剤として水素を使用する方法が好ましい。相対的
に低分子量のポリプロピレンは、最終的に得られるポリ
プロピレン樹脂組成物全体の90〜55重量%、好まし
くは88〜60重量%、さらに好ましくは85〜65重
量%となるように製造する。
【0022】製造順序としては、第1段目で、実質的に
水素の非存在下で、相対的に高分子量のポリプロピレン
を重合した後、第2段目以降で相対的に低分子量のポリ
プロピレンを製造するのが好ましい。製造順序を逆にす
ることもできるが、第1段目で相対的に低分子量のポリ
プロピレンを重合した後、第2段目以降で相対的に高分
子量のポリプロピレンを重合するためには、第1段目の
反応生成物中に含まれる水素などの分子量調整剤を、第
2段目以降の重合開始前に限りなく除去する必要がある
ため、重合装置が複雑になり、また第2段目以降の極限
粘度[η]が上がりにくい。各格段における重合はスラ
リー重合、バルク重合など、公知の方法で行うことがで
きる。
【0023】重合は、気相重合法または溶液重合法、懸
濁重合法などの液相重合法いずれで行ってもよく、各段
を別々の方法で行ってもよい。また連続式、半連続式の
いずれの方式で行ってもよく、各段を複数の重合器、例
えば2〜10器の重合器に分けて行ってもよい。工業的
には連続式の方法で重合するのが最も好ましく、この場
合2段目以降の重合を2器以上の重合器に分けて行うこ
とが好ましい。
【0024】(B)エチレン・(メタ)アクリル酸共重
合体の部分金属塩 本発明で用いられるエチレン・(メタ)アクリル酸共重
合体の部分金属塩(B)とは、100MPa以上の圧力
において、エチレンと(メタ)アクリル酸とをラジカル
開始剤の存在下にラジカル重合することにより得られる
エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体を、金属酸化物
または金属水酸化物により部分中和する方法、エチレン
と(メタ)アクリル酸エステルとを過酸化物の存在下に
ラジカル共重合することにより得られるエチレン・(メ
タ)アクリル酸エステル共重合体をケン化して、脱メタ
ルして、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体とした
後、(メタ)アクリル酸を金属塩化合物または金属水酸
化物で部分中和する方法、エチレン・(メタ)アクリル
酸共重合体をアルカリでケン化する方法などにより製造
される共重合体をいう。
【0025】このようなエチレン・(メタ)アクリル酸
共重合体の部分金属塩(B)の(メタ)アクリル酸含量
および中和度は特に限定されないが、金属元素はイオン
凝集体として架橋構造を形成するため、1.0〜4.0
重量%、好ましくは1.5〜3.5重量%の量で含むこ
とが好ましい。金属量が上記範囲内にあると、架橋構造
を形成する力が充分であり、押出加工発泡性に優れ、ま
た耐磨耗性に優れた発泡体を得ることができる。また、
金属量が上記範囲内にあると、溶融粘度が適正でありポ
リプロピレン(A)に分散し易い。
【0026】エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体の
部分金属塩(B)としては、(メタ)アクリル酸含量が
5〜20重量%、好ましくは7〜17重量%の範囲にあ
り、中和度が50〜80%、好ましくは55〜75重量
%のものが好適に用いられる。エチレン・(メタ)アク
リル酸共重合体の部分金属塩(B)は、190℃、21
60g荷重におけるメルトフローレートが、0.01〜
10g/10分、好ましくは0.1〜2g/10分の範囲に
あるものが使用される。
【0027】メルトフローレートが上記の範囲にある
と、ポリプロピレン(A)への分散が充分であり、押出
加工発泡性に優れ、また耐摩耗性に優れた発泡体を得る
ことができる。エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体
の部分金属塩(B)は、回転型粘弾性測定装置で170
℃にて周波数依存測定したときの貯蔵弾性率(G’)
と、損失弾性率(G'')とが等しくなる周波数が0.1
〜10rad/s、好ましくは0.5〜10rad/s
である。
【0028】貯蔵弾性率(G’)と、損失弾性率
(G'')とがしくなる周波数が上記範囲内にあると、ポ
リプロピレン(A)への分散が充分であり、押出加工発
泡性に優れ、また耐摩耗性に優れた発泡体を得ることが
できる。粘弾性測定には、一般的なものが用いられ、ひ
ずみ制御型でも応力制御型でも測定可能であり、例えば
レオメトリック・サイエンティフィック社のARESレ
オメーターやストレスレオメーター、レオロジカ社のス
トレステック、UBM社のレオゾルレオメーターなどが
使用できる。
【0029】エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体の
部分金属塩(B)のイオン源としては種々ものを使用す
ることができるが、例えばリチウム、ナトリウム、カリ
ウムなどの1価金属、亜鉛、マグネシウム、カルシウ
ム、銅、鉛、ニッケル、コバルト、アルミニウムなどの
多価金属を例示することができる。これらは2種以上で
あってもよい。一般的に商業的に容易に入手可能なナト
リウム、マグネシウム、亜鉛が好ましく用いられる。
【0030】エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体に
は任意の第3モノマーが共重合されてもよい。かかるモ
ノマーは、酢酸ビニルや酢酸イソプロペニルなどのビニ
ルエステル、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アク
リル酸エチル、(メタ)アクリル酸n-ブチル、(メタ)
アクリル酸i-ブチル、(メタ)アクリル酸オクチルなど
のα、β不飽和カルボン酸エステル、一酸化炭素、二酸
化硫黄などが挙げられ、無水マレイン酸、イタコン酸な
どの二塩基酸モノマーを共重合させてもよい。
【0031】エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体の
重合には、一般的な低密度ポリエチレンの製造設備が使
用される。エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体の部
分金属塩(B)を得るための前駆重合体は、オートクレ
ーブ法、チューブラー法のどちらのプロセスで合成して
もよく、一般に重合圧力は100〜400MPa、重合
温度は150〜300℃の条件で重合される。
【0032】エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体の
部分金属塩(B)としては、(メタ)アクリル酸含量が
5〜25重量%、好ましくは7〜17重量%のエチレン
・(メタ)アクリル酸共重合体の部分金属塩が使用され
る。他の樹脂またはゴム 本発明に係るポリプロピレン樹脂組成物(A)は、上記
のようなポリプロピレン(A)およびエチレン・(メ
タ)アクリル酸共重合体の部分金属塩(B)とから形成
されるが、必要に応じて、他の樹脂またはゴムを本発明
の効果を損なわない範囲内で含有していてもよい。
【0033】他の樹脂またはゴムとしては、例えばポリ
エチレン;ポリ-1-ブテン、ポリイソブテン、ポリ-1-ペ
ンテン、ポリメチル-1-ペンテンなどのポリα-オレフィ
ン;プロピレン含有量が75重量%未満のエチレン/プ
ロピレン共重合体、エチレン/1-ブテン共重合体、プロ
ピレン含有量が75重量%未満のプロピレン/1-ブテン
共重合体などの炭素原子数2〜20のα-オレフィンか
ら選ばれる2種のα-オレフィンの共重合体;プロピレ
ン含有量が75重量%未満のエチレン/プロピレン/5-
エチリデン-2-ノルボルネン共重合体などの炭素原子数
2〜20のα-オレフィンから選ばれる2種のα-オレフ
ィンとジエン系単量体との共重合体;エチレン/塩化ビ
ニル共重合体、エチレン/塩化ビニリデン共重合体、エ
チレン/アクリロニトリル共重合体、エチレン/メタク
リロニトリル共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合
体、エチレン/アクリルアミド共重合体、エチレン/メ
タクリルアミド共重合体、エチレン/アクリル酸共重合
体、エチレン/メタクリル酸共重合体、エチレン/マレ
イン酸共重合体、エチレン/アクリル酸エチル共重合
体、エチレン/アクリル酸ブチル共重合体、エチレン/
メタクリル酸メチル共重合体、エチレン/無水マレイン
酸共重合体、エチレン/アクリル酸金属塩共重合体、エ
チレン/メタクリル酸金属塩共重合体、エチレン/スチ
レン共重合体、エチレン/メチルスチレン共重合体、エ
チレン/ジビニルベンゼン共重合体などの炭素原子数2
〜20のα-オレフィンから選ばれる1種のα-オレフィ
ンとビニル単量体との共重合体;ポリイソブテン、ポリ
ブタジエン、ポリイソプレンなどのポリジエン系共重合
体;スチレン/ブタジエンランダム共重合体などのビニ
ル単量体/ジエン系単量体ランダム共重合体;スチレン
/ブタジエン/スチレンブロック共重合体などのビニル
単量体/ジエン系単量体/ビニル単量体ブロック共重合
体;水素化(スチレン/ブタジエンランダム共重合体)
などの水素化(ビニル単量体/ジエン系単量体ランダム
共重合体);水素化(スチレン/ブタジエン/スチレン
ブロック共重合体)などの水素化(ビニル単量体/ジエ
ン系単量体/ビニル単量体ブロック共重合体);アクリ
ロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合体、メタクリ
ル酸メチル/ブタジエン/スチレン共重合体などのビニ
ル単量体/ジエン系単量体/ビニル単量体グラフト共重
合体;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアク
リロニトリル、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸エチ
ル、ポリアクリル酸ブチル、ポリメタクリル酸メチルな
どのビニル重合体;塩化ビニル/アクリロニトリル共重
合体、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、アクリロニト
リル/スチレン共重合体、メタクリル酸メチル/スチレ
ン共重合体などのビニル系共重合体などが挙げられる。
【0034】このような他の樹脂またはゴムの添加量
は、これらの他の樹脂の種類またはゴムの種類により異
なり、前記のように本発明の効果を損なわない範囲であ
ればよいが、(A)ポリプロピレン樹脂組成物に対して
通常25重量%程度以下であることが好ましい。ポリプロピレン樹脂組成物 本発明に係るポリプロピレン樹脂組成物は、上記ポリプ
ロピレン(A)、好ましくはポリプロピレン組成物(A-
1)、およびエチレン・(メタ)アクリル酸共重合体の
部分金属塩樹脂(B)からなる。
【0035】このようになポリプロピレン(A)にエチ
レン・(メタ)アクリル酸共重合体の部分金属塩(B)
を配合することにより、発泡シートのメルトテンション
が増加し、シートの成形性、外観が改良されるとともに
発泡シートに独立気泡率が増加する。本発明に係るポリ
プロピレン樹脂組成物には、必要に応じて、酸化防止
剤、紫外線吸収剤、金属石鹸、塩酸吸収剤などの安定
剤、核剤、滑剤、可塑剤、充填材、強化剤、顔料、染
料、難燃剤、帯電防止剤などの添加剤を本発明の効果を
損なわない範囲内で添加してもよい。
【0036】本発明のポリプロピレン樹脂組成物は、ポ
リプロピレン(A)、好ましくはポリプロピレン組成物
(A-1)が、60〜99重量%、好ましくは70〜95
重量%、より好ましくは80〜90重量%、エチレン・
(メタ)アクリル酸共重合体の部分金属塩(B)が、4
0〜1重量%、好ましくは30〜5重量%、より好まし
くは20〜10重量%の範囲にある。
【0037】本発明に係るポリプロピレン樹脂組成物
は、上記ポリプロピレン(A)、エチレン・(メタ)ア
クリル酸共重合体の部分金属塩(B)、および必要に応
じて用いられる他の添加剤をリボンブレンダー、タンブ
ラーブレンダー、ヘンシェルブレンダーなどで混合する
ことにより製造することができる。また本発明に係るポ
リプロピレン樹脂組成物は、上記ポリプロピレン
(A)、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体の部分
金属塩(B)、および必要に応じて用いられる他の添加
剤を、例えばコニーダー、バンバリーミキサー、ブラベ
ンダー、単軸押出機、2軸押出機などの混練機、2軸表
面更新機、2軸多円板装置などの横型かく攪拌機または
ダブルヘリカルリボン攪拌機などの縦型攪拌機などの溶
融混練装置を用いて溶融混練することによっても製造す
ることができる。
【0038】発泡体 本発明のポリプロピレン樹脂組成物から発泡体を製造す
る方法としは、主として次の2つの方法が例示できる。 (1)上記ポリプロピレン樹脂組成物と、分解型発泡剤
と、必要に応じて他の添加剤とを溶融加熱し、発泡成形
する方法。 (2)溶融させた状態のポリプロピレン樹脂組成物に揮
発型発泡剤を圧入した後、押出機により押し出すことに
より発泡体を得る方法。
【0039】前記方法(1)で用いられる分解型発泡剤
は、発泡剤が分解して炭酸ガス、窒素ガスなどの気体を
発生する化合物であって、無機系の発泡剤であっても有
機系の発泡剤であってもよく、また気体の発生を促す有
機酸などを併用添加してもよい。分解型発泡剤の具体例
としては、重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、重炭酸
アンモニウム、炭酸アンモニウム、亜硝酸アンモニウ
ム、クエン酸、クエン酸ナトリウムなどの無機系発泡
剤;N,N'-ジニトロソテレフタルアミド、N,N'-ジニトロ
ソペンタメチレンテトラミンなどのN−ニトロソ化合
物;アゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリ
ル、アゾシクロヘキシルニトリル、アゾジアミノベンゼ
ン、バリウムアゾジカルボキシレートなどのアゾ化合
物;ベンゼンスルフォニルヒドラジド、トルエンスルフ
ォニルヒドラジド、p,p'-オキシビス(ベンゼンスルフ
ェニルヒドラジド)、ジフェニルスルフォン-3,3'-ジス
ルフォニルヒドラジドなどのスルフォニルヒドラジド化
合物;カルシウムアジド、4,4'-ジフェニルジスルフォ
ニルアジド、p-トルエンスルフォニルアジドなどのアジ
ド化合物などの有機系発泡剤が挙げられる。
【0040】これらの発泡剤は、1種単独でまたは2種
以上組み合わせて用いることができる。これらの中で
は、重炭酸水素ナトリウムなどの炭酸塩または炭酸水素
塩が好ましい。前記の発泡剤の添加量(混練量)は発泡
剤の種類および目標発泡倍率により選択すればよいが、
ポリプロピレン樹脂組成物100重量部に対して、0.
5〜100重量部の範囲内にあることが好ましい。
【0041】また、発泡体の気泡径を適宜の大きさにコ
ントロールするために、必要に応じて、クエン酸等の有
機カルボン酸またはタルクなどの発泡核剤を併用しても
よい。必要に応じて用いられる発泡核剤は、通常、ポリ
プロピレン樹脂組成物100重量部に対して、0.01
〜1重量部添加して用いられる。前記方法(1)では、
前記ポリプロピレン樹脂組成物と前記分解型発泡剤とを
共に溶融押出機に供給し、適宜の温度で溶融混練しなが
ら発泡剤を熱分解させることにより気体を発生させ、こ
の気体を含有する溶融状態のポリプロピレン樹脂組成物
をダイより吐出することにより、発泡体に成形すること
ができる。この方法における溶融混練温度および溶融混
練時間は、用いられる発泡剤および混練条件により適宜
選択すればよく、通常溶融混練温度が170〜300
℃、溶融混練時間が1〜60分間で行うことができる。
【0042】前記方法(2)の場合、発泡剤として揮発
型発泡剤を用いることができる。好ましい揮発型発泡剤
としては、例えばプロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサ
ン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素類;シクロブタン、
シクロペンタン、シクロヘキサンなどの脂環式炭化水素
類;クロロジフルオロメタン、ジフルオロメタン、トリ
フルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロ
メタン、ジクロロフルオロメタン、ジクロロジフルオロ
メタン、トリクロロフルオロメタン、クロロメタン、ク
ロロエタン、ジクロロトリフルオロエタン、ジクロロフ
ルオロエタン、クロロジフルオロエタン、ジクロロペン
タフルオロエタン、テトラフルオロエタン、ジフルオロ
エタン、ペンタフルオロエタン、トリフルオロエタン、
ジクロロテトラフルオロエタン、トリクロロトリフルオ
ロエタン、テトラクロロジフルオロエタン、クロロペン
タフルオロエタン、パーフルオロシクロブタンなどのハ
ロゲン化炭化水素類;二酸化炭素、窒素、空気などの無
機ガス;水などが挙げられる。これらの揮発型発泡剤
は、1種単独でまたは2種以上組み合わせて用いること
ができる。
【0043】前記方法(2)における発泡剤の添加量
(混練量)は発泡剤の種類および目標発泡倍率により異
なるが、ポリプロピレン系樹脂組成物100重量部に対
して、0.5〜100重量部の範囲内にあることが好ま
しい。また、前記方法(2)では、押出機内で前記ポリ
プロピレン樹脂組成物を溶融させ、この押出機内に前記
揮発型発泡剤を圧入し、高圧に保持しつつ溶融状態の該
ポリプロピレン樹脂組成物と混練し、充分に混練された
ポリプロピレン樹脂組成物と揮発型発泡剤との混練体を
ダイより押出すことにより、発泡体に形成することがで
きる。この方法における溶融混練温度および溶融混練時
間は、用いられる発泡剤および混練条件により適宜選択
すればよく、溶融混練温度が130〜300℃、溶融混
練時間が1〜120分間であることが通常である。
【0044】前記方法(1)においても、前記方法
(2)においても、押出機で溶融し、発泡セルを有する
溶融物をTダイもしくは円筒状のダイより吐出し、好ま
しくはシートを成形することにより、発泡体に成形しう
る。円筒状のダイより吐出した場合は、通常円筒状シー
トを1つまたは複数に切り分けた後に平滑にしたシート
を引き取る。
【0045】本発明に係るポリプロピレン樹脂組成物か
ら得られた発泡体は、軽量性、断熱性、外部からの応力
の緩衝性または圧縮強度が好適であるという点から、そ
の密度が0.09〜0.6g/cm3であることが好ま
しく、特に0.15〜0.3g/cm3であることがさ
らに好ましい。従って、ポリプロピレン系樹脂組成物の
発泡倍率は、好ましくは1.3〜10倍、特に1.6な
いし6倍の範囲である。
【0046】また、本発明の発泡体は、好適な耐熱性を
有し、外力の緩衝性がよく、そして好適な圧縮強度を有
するという点から、その独立気泡率が50%以上である
ことが好ましく、70%以上であることがさらに好まし
い。本発明に係るポリプロピレン樹脂組成物から製造し
うる発泡体の形状としてはシート状やボード状などの板
状、チューブ状や袋状などの中空状、円柱状やだ円柱状
や角柱状やストランド状などの柱状、粒子状など様々な
形状が挙げられる。
【0047】本発明のポリプロピレン樹脂組成物はメル
トテンションが高く、かつMFRが適度であることか
ら、特に発泡シート状に成形することに適している。本
発明のポリプロピレン樹脂組成物から製造された発泡シ
ートは二次成形成が良好であり、熱圧空成形または真空
成形により、発泡シートからトレー等を多量に成形する
ことができる。
【0048】本発明のポリプロピレン発泡体は軽量で剛
性が高く、かつ耐薬品性、食品衛生性に優れ、熱成形等
の二次加工性に優れていることから、従来ポリスチレン
が使用されていた食品包装用、特にカップラーメン、ア
イスクリーム容器、魚、肉のトレー、めん類容器、弁当
箱、ファーストフード容器、レトルト容器、冷凍食品容
器、惣菜容器、電子レンジ耐熱容器、カップ等の食品包
装容器に好ましく使用することができる。
【0049】本発明のポリプロピレン発泡体は上記食品
包装材料以外にも、ファイルケースなどの文具用品、自
動車用ルーフライナーなどの自動車内装材、トレー、合
成木材、各種発泡体の原反、各種緩衝材、各種保温材、
各種防音材、各種防振材等の用途に使用することが出来
る。
【0050】
【発明の効果】本発明に係るポリプロピレン樹脂組成物
は、流動性が優れ、かつメルトテンションが高く、適度
な流動性をもっている。この樹脂組成物を原料とする発
泡シートは二次加工性が優れ、外観美麗な、耐熱性、食
品衛生性に優れた発泡体を成形することができる。
【0051】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体
的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるも
のではない。本実施例では、使用したアイオノマーの物
性は、市場で入手した材料を以下の方法で測定した。
【0052】MFR:190℃、2160g荷重の条件
で測定した。 G’/G''交点の周波数:レオメトリック・サイエンテ
ィフィック社のARESレオメーターを用い、2mm
厚、直径25mmの試料について、120〜170℃で
測定して、時間・温度重ね合わせ測定によって、170
℃を基準として周波数依存性カーブより求めた。
【0053】金属含量:灰分から金属量を求めた。本実
施例では、ポリプロピレン、エチレン・(メタ)アクリ
ル酸共重合体の部分金属塩(アイオノマー)として以下
のものを用いた。 PP−1:極限粘度[η]が10dl/gのポリプロピ
レン30重量部と、極限粘度[η]が0.8dl/gの
ポリプロピレン70重量部とからなり、MFRが0.3
5g/10分であり、Mw/Mnが8.4であり、Mz/
Mwが4.2であるポリプロピレンホモポリマー PP−2:極限粘度[η]が3.2dl/gであり、M
FRが0.7g/10分であり、Mw/Mnが4.6であ
り、Mz/Mwが2.9であるポリプロピレンホモポリ
マー アイオノマー−1:亜鉛含量が2.5重量%であり、M
FRが0.8g/10分であり、G’/G''交点の周波数
が7rad/sであり、融点が98℃であるエチレン・
メタクリル酸共重合体アイオノマー アイオノマー−2:亜鉛含量が2.5重量%であり、M
FRが0.9g/10分であり、G’/G''交点の周波数
が5rad/sであり、融点が85℃であるエチレン・
メタクリル酸共重合体アイオノマー アイオノマー−3:亜鉛含量が3.3重量%であり、M
FRが0.9g/10分であり、G’/G''交点の周波数
が9rad/sであり、融点が90℃であるエチレン・
メタクリル酸共重合体アイオノマー アイオノマー−4:マグネシウム含量が1.3重量%で
あり、MFRが1.0g/10分であり、G’/G''交点
の周波数が30rad/sであり、融点が87℃である
エチレン・メタクリル酸共重合体アイオノマー アイオノマー−5:ナトリウム含量が2.1重量%であ
り、MFRが0.7g/10分であり、G’/G''交点の
周波数が40rad/sであり、融点が86℃であるエ
チレン・メタクリル酸共重合体アイオノマー アイオノマー−6:亜鉛含量が4.5重量%であり、M
FRが0.14g/10分であり、G’/G''交点の周波
数が0.9rad/sであり、融点が90℃であるエチ
レン・メタクリル酸共重合体アイオノマー アイオノマー−7:マグネシウム含量が1.7重量%で
あり、MFRが0.3g/10分であり、G’/G''交点
の周波数が8rad/sであり、融点が84℃であるエ
チレン・メタクリル酸共重合体アイオノマー アイオノマー−8:亜鉛含量が4.0重量%であり、M
FRが0.06g/10分であり、G’/G''交点の周波
数が0.8rad/sであり、融点が88℃であるエチ
レン・メタクリル酸共重合体アイオノマー
【0054】
【実施例1】PP−1を85重量部と、アイオノマー−
1を15重量部とを、同方向完全噛合型2軸押出機
((株)テクノベル製、KZW31−30HC、シリン
ダーの径31mmφ、L/D=30)を用いて樹脂温度
190℃、スクリューの回転速度150rpm(樹脂の
平均滞留時間30秒)で溶融混練し、溶融押し出しして
ポリプロピレン樹脂組成物のペレットを得た。
【0055】ポリプロピレン樹脂組成物のペレット10
0重量部と、発泡剤マスターバッチ(商品名:PE-RM410
EN、大日精化(株)製、重炭酸ナトリウム/クエン酸
65/35の10配合品)3重量部とをタンブラーブレ
ンダーで20分間混合した。この混合物を、先端に80
mmφのサーキュラーダイおよび190mmφのマンド
レルが設けられた65mm単軸押出機(L/D=28)
を用いて、厚さ0.8mmの環状発泡シートを成形し
た。この環状発泡シートの1角を切り開いて平滑シート
として引取機により引き取った。
【0056】樹脂の物性と発泡シートの物性を表1に示
した。なお、メルトフローレート(MFR)はASTM
D1238の方法により230℃、荷重2.16kg
で測定した値である。メルトテンションは、メルトテン
ション測定装置(東洋精機製作所(株)製)を用いて、
オリフィス(L=8.00mm、D=2.095m
m)、設定温度230℃、ピストン降下速度30mm/
分、巻取り速度4mm/分の条件で、ロードセル検出付
きプーリーの巻取り荷重を測定した値である。
【0057】Mw、MnおよびMzは、GPC(ゲルパ
ーミエーションクロマトグラフィー)を使用して測定さ
れた値である。例えば、Waters社製の150C型機を用
い、ポリマーラボラトリーズ社製のカラムPlmixedBを取
り付け、測定温度を135℃とし、溶媒としてo-ジクロ
ロベンゼンを使用し、ポリマー濃度0.15重量%のサ
ンプル量を400μl供給し、標準ポリスチレンを用い
て作成した検量線からMw、MnおよびMzを求めるこ
とができる。
【0058】シート外観:目視で下記評価基準により評
価した。 ○:未発泡部位やケバ、シワが見られない。 △:未発泡部位やケバ、シワが一部見られるが目立たな
い。 ×:未発泡部位やケバ、シワが見られる。 発泡倍率(M):重量と水没法により求めた体積とから
見かけ密度(D)を算出し、真比重(0.90)から
「M=0.90/D」で求めた。
【0059】独立気泡率:マルチピクノメーター(製品
名、湯浅アイオニクス(株)製)を用い、ASTM D
2856に準じて測定した。 二次加工性:直径が50mm、深さが30mm、40m
m、50mmの3個のカップを同時に真空成形できる金
型を用いてシートを160℃で2分加熱後真空成形した
ときの、成形されたカップの形状を良○、不良×で評価
し、カップの外観を5段階(良:5・・・不良:1)で
評価した。
【0060】
【実施例2】アイオノマー−1に代えて、アイオノマー
−2を用いたこと以外は実施例1と同様にして発泡シー
トを製造し、各種物性を測定した。評価結果を表1に示
す。
【0061】
【比較例1】PP−1に代えて、PP−2を用いたこと
以外は実施例1と同様にして発泡シートを製造し、各種
物性を測定した。評価結果を表1に示す。
【0062】
【実施例3】PP−1を80重量部用い、アイオノマー
−2を20重量部用いたこと以外は実施例2と同様にし
て発泡シートを製造し、各種物性を測定した。評価結果
を表1に示す。
【0063】
【実施例4】アイオノマー−1に代えて、アイオノマー
−3を用いたこと以外は実施例1と同様にして発泡シー
トを製造し、各種物性を測定した。評価結果を表1に示
す。
【0064】
【比較例2】アイオノマー−1に代えて、アイオノマー
−4を用いたこと以外は実施例1と同様にして発泡シー
トを製造し、各種物性を測定した。評価結果を表1に示
す。
【0065】
【比較例3】アイオノマー−1に代えて、アイオノマー
−5を用いたこと以外は実施例1と同様にして発泡シー
トを製造し、各種物性を測定した。評価結果を表1に示
す。
【0066】
【実施例5】アイオノマー−1に代えて、アイオノマー
−6を用いたこと以外は実施例1と同様にして発泡シー
トを製造し、各種物性を測定した。評価結果を表1に示
す。
【0067】
【実施例6】アイオノマー−1に代えて、アイオノマー
−7を用いたこと以外は実施例1と同様にして発泡シー
トを製造し、各種物性を測定した。評価結果を表1に示
す。
【0068】
【実施例7】アイオノマー−1に代えて、アイオノマー
−8を用いたこと以外は実施例1と同様にして発泡シー
トを製造し、各種物性を測定した。評価結果を表1に示
す。
【0069】
【実施例8】アイオノマー−1を用いず、PP−1を1
00重量部用いたこと以外は実施例1と同様に行った。
結果を表1に示す。
【0070】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴 木 誠 志 千葉県袖ヶ浦市長浦字拓二号580番32 株 式会社グランドポリマー内 (72)発明者 秋 元 英 郎 千葉県袖ヶ浦市長浦字拓二号580番32 株 式会社グランドポリマー内 Fターム(参考) 4F074 AA24 AA31 BA02 BA03 BA04 BA05 BA06 BA08 BA13 BA14 BA15 BA17 BA18 BA19 BA20 BA32 BA33 BA34 BA35 BA36 BA37 BA38 BA39 BA40 BA44 BA45 BA53 BA54 BA55 BA56 BA57 BA58 BA59 BA60 CA22 4J002 BB121 BB141 BB232 FD320

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)メルトフローレート(230℃、荷
    重2.16kg)が0.1〜2.0g/10分の範囲にあ
    り、Mw/Mnが6〜15の範囲にあり、Mz/Mwが
    3以上であるポリプロピレンと、(B)エチレン・(メ
    タ)アクリル酸共重合体の部分金属塩とからなり、上記
    ポリプロピレン(A)を60〜99重量%、上記エチレ
    ン・(メタ)アクリル酸共重合体の部分金属塩(B)を
    40〜1重量%(但し、(A)と(B)との合計は10
    0重量%。)の量で含有することを特徴とするポリプロ
    ピレン樹脂組成物。
  2. 【請求項2】前記ポリプロピレン(A)が、極限粘度
    [η]が3〜13dl/gの範囲にある相対的に高分子
    量のポリプロピレンと、極限粘度[η]が0.3〜3d
    l/gの範囲にある相対的に低分子量のポリプロピレン
    とからなり、前記相対的に高分子量のポリプロピレンを
    10〜45重量%、上記相対的に低分子量のポリプロピ
    レンを90〜55重量%の量で含有するポリプロピレン
    組成物(A-1)である請求項1に記載のポリプロピレン
    樹脂組成物。
  3. 【請求項3】前記エチレン・(メタ)アクリル酸共重合
    体の部分金属塩(B)が、メルトフローレート(AST
    M D1238に準拠して190℃、荷重2.16kg
    で測定)が0.01〜10g/10分の範囲にあり、金属
    元素含有量が1.0〜5.0重量%の範囲にあり、回転
    粘弾性測定装置で170℃にて周波数依存測定したとき
    の貯蔵弾性率(G)と損失弾性率(G'')が等しくなる
    周波数が0.1〜10rad/sの範囲にある請求項1
    または2記載のポリプロピレン樹脂組成物。
  4. 【請求項4】請求項1ないし3のいずれかに記載のポリ
    プロピレン樹脂組成物を発泡させて得られることを特徴
    とする発泡体。
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