JPH11222459A - シュウ酸アリールエステルの製造法 - Google Patents

シュウ酸アリールエステルの製造法

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JPH11222459A
JPH11222459A JP10315704A JP31570498A JPH11222459A JP H11222459 A JPH11222459 A JP H11222459A JP 10315704 A JP10315704 A JP 10315704A JP 31570498 A JP31570498 A JP 31570498A JP H11222459 A JPH11222459 A JP H11222459A
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oxalate
reaction
compound
distillation column
dialkyl
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JP10315704A
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Keigo Nishihira
圭吾 西平
Hideji Tanaka
秀二 田中
Katsumasa Harada
勝正 原田
Riyouji Sugise
良二 杉瀬
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Ube Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、シュウ酸ジアルキルとフェノール
化合物をエステル交換触媒の存在下で反応させてシュウ
酸アリールエステルを製造するにあたり、特に、原料の
シュウ酸ジアルキルやフェノール化合物などを反応に影
響を与えないような好適な形態で用いて、高転化率及び
高選択率で、シュウ酸ジアリール、シュウ酸アルキルア
リール等のシュウ酸アリールエステルを工業的に連続製
造できる方法を提供することを課題とする。 【解決手段】 本発明の課題は、シュウ酸ジアルキルと
フェノール化合物をエステル交換触媒の存在下で反応さ
せてシュウ酸アリールエステルを製造するにあたり、水
分を制御したシュウ酸ジアルキル、水分を制御したフェ
ノール化合物、水分を制御した原料混合液を用いること
を特徴とするシュウ酸アリールエステルの製造法によっ
て解決される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シュウ酸ジアルキ
ルとフェノール化合物をエステル交換触媒の存在下で反
応させて、シュウ酸ジアリール、シュウ酸アルキルアリ
ール等のシュウ酸アリールエステルを工業的に製造する
方法に関する。シュウ酸ジアリール、シュウ酸アルキル
アリール等のシュウ酸アリールエステルは化学薬品等の
製造原料として有用な化合物である。
【0002】
【従来の技術】シュウ酸アリールエステル、例えば、シ
ュウ酸ジアリールの製造法としては、(1)シュウ酸と
フェノール化合物をエステル化触媒の存在下で反応させ
る方法(特公昭52−43826号公報)、(2)シュ
ウ酸ジアルキルと炭酸ジアリールを反応させる方法(特
公昭56−8019号公報、特開昭49−42621号
公報)、あるいは(3)シュウ酸ジアルキルと低級脂肪
酸アリールエステルを反応させる方法(特公昭56−2
541号公報、特公昭57−47658号公報)が知ら
れている。
【0003】しかし、(1)の方法は、反応速度が極め
て遅いために長時間の反応を要するという問題があり、
工業的に満足できるものではない。(2)及び(3)の
方法は、原料である炭酸ジアリールや低級脂肪酸アリー
ルエステルが簡単に製造できるものでなくかつかなり高
価であるために、入手すること自体が困難であるという
問題があり、更に目的物以外に種々の副生物がかなり多
量に生成することから、シュウ酸ジアリールを分離する
ために極めて煩雑又は複雑な操作が必要であるという問
題があり、工業的に満足できるものではない。
【0004】シュウ酸アリールエステルの製造法として
は、更に、(4)シュウ酸ジアルキルとフェノール化合
物をエステル交換触媒の存在下でエステル交換反応させ
る方法(特開平9−143123号公報)、(5)シュ
ウ酸アルキルアリールを触媒存在下で不均化反応させる
方法、例えば、シュウ酸ジアルキルとフェノール化合物
をエステル交換触媒の存在下でエステル交換反応させて
得られたシュウ酸アルキルアリールを同触媒の存在下で
不均化反応させてシュウ酸ジアリールを生成させる方法
(特開平9−221451号公報)が知られている。こ
れらの方法は前記の方法における種々の問題を解決でき
るものであるが、工業的に実施するには更に改良すべき
点が残されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記の公知
のシュウ酸アリールエステルの製造法が有している種々
の問題(生産性がよくないこと、種々の副生物を生成す
ることなど)を実質的に有していないシュウ酸アリール
エステルの製造法を提供することを課題とする。即ち、
シュウ酸ジアルキルとフェノール化合物をエステル交換
触媒の存在下で反応させてシュウ酸アリールエステルを
製造するにあたり、工業的に好適なシュウ酸アリールエ
ステルの製造法、特に、原料のシュウ酸ジアルキルやフ
ェノール化合物などを反応に影響を与えないような好適
な形態で用いて、高転化率及び高選択率で、シュウ酸ジ
アリール、シュウ酸アルキルアリール等のシュウ酸アリ
ールエステルを工業的に連続製造できる方法を提供する
ことを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の課題は、シュウ
酸ジアルキルとフェノール化合物をエステル交換触媒の
存在下で反応させてシュウ酸アリールエステルを製造す
るにあたり、シュウ酸ジアルキルに含まれる水分を0.
2重量%以下としたシュウ酸ジアルキルを用いることを
特徴とするシュウ酸アリールエステルの製造法、及びシ
ュウ酸ジアルキルとフェノール化合物をエステル交換触
媒の存在下で反応させてシュウ酸アリールエステルを製
造するにあたり、フェノール化合物に含まれる水分を
0.2重量%以下としたフェノール化合物を用いること
を特徴とするシュウ酸アリールエステルの製造法、及び
シュウ酸ジアルキルとフェノール化合物をエステル交換
触媒の存在下で反応させてシュウ酸アリールエステルを
製造するにあたり、シュウ酸ジアルキル、フェノール化
合物及びエステル交換触媒を含有する原料混合液に含ま
れる水分をエステル交換触媒に対して10倍モル以下と
した原料混合液を用いることを特徴とするシュウ酸アリ
ールエステルの製造法によって解決される。
【0007】
【発明の実施の形態】シュウ酸ジアルキルとフェノール
化合物をエステル交換触媒の存在下で反応させてシュウ
酸アリールエステルを製造する本発明の方法において
は、次に示す反応式(1)及び(2)に従って、エステ
ル交換触媒の存在下、シュウ酸ジアルキル(a)とフェ
ノール化合物(b)からエステル交換反応によってシュ
ウ酸アルキルアリール(c−1)、シュウ酸ジアリール
(c−2)及び低級アルコール(d)が生成する。ま
た、反応式(2)以外に反応式(3)に従って、前記触
媒の存在下、シュウ酸アルキルアリール(c−1)から
不均化反応によってシュウ酸ジアリール(c−2)及び
シュウ酸ジアルキル(a)が生成する。これらの反応は
液相で行われることが好ましい。
【0008】
【化1】
【0009】本発明では、前記の反応式(1)〜(3)
の反応が全て起こっているが、シュウ酸アリールエステ
ルとしてシュウ酸アルキルアリールを製造する場合は、
主として反応式(1)のシュウ酸ジアルキル(a)とフ
ェノール化合物(b)とのエステル交換反応によって、
シュウ酸アルキルアリール(c−1)と低級アルコール
(d)が生成する。また、シュウ酸アリールエステルと
してシュウ酸ジアリールを製造する場合は、主として反
応式(1)のシュウ酸ジアルキル(a)とフェノール化
合物(b)とのエステル交換反応によってシュウ酸アル
キルアリール(c−1)と低級アルコール(d)が生成
し、次いで、主として反応式(3)のシュウ酸アルキル
アリール(c−1)の不均化反応によって、シュウ酸ジ
アリール(c−2)とシュウ酸ジアルキル(a)が生成
する。即ち、本発明のシュウ酸ジアリールの製造では、
主として反応式(1)のエステル交換反応と反応式
(3)の不均化反応によって、シュウ酸ジアルキル
(a)とフェノール化合物(b)からシュウ酸ジアリー
ル(c−1)と低級アルコール(d)が生成することに
なる。
【0010】前記のように、シュウ酸ジアルキルとフェ
ノール化合物をエステル交換触媒の存在下で反応させて
シュウ酸アリールエステルを製造するにあたり、本発明
では、シュウ酸ジアルキルに含まれる水分を0.2重量
%以下、更には0.05重量%以下としたシュウ酸ジア
ルキルを用いることが好ましい。なお、シュウ酸ジアル
キルは純度が95重量%以上、更には98重量%以上で
あることが好ましい。また、本発明では、シュウ酸アリ
ールエステルを製造するにあたり、フェノール化合物に
含まれる水分を0.2重量%以下、更には0.05重量
%以下としたフェノール化合物を用いることが好まし
い。なお、フェノール化合物は純度が98重量%以上、
更には99重量%以上であることが好ましい。また、本
発明では、シュウ酸アリールエステルを製造するにあた
り、シュウ酸ジアルキル、フェノール化合物及びエステ
ル交換触媒を含有する原料混合液に含まれる水分をエス
テル交換触媒に対して10倍モル以下、更には5倍モル
以下、特に2倍モル以下とした原料混合液を用いること
が好ましい。シュウ酸アリールエステルの製造におい
て、このように水分含量が制御されない場合は、シュウ
酸ジアルキルの加水分解が起こって副生物が増えるだけ
でなく、エステル交換触媒の活性が著しく低下するため
好ましくない。
【0011】前記のように水分含量が制御されたシュウ
酸ジアルキルは、例えば、シュウ酸ジアルキルを蒸留精
製する方法、シュウ酸ジアルキルの溶融液を減圧下で加
熱脱水する方法、シュウ酸ジアルキルの溶融液をモレキ
ュラーシーブ(4A、5A等)などの脱水剤で処理する
方法などによって得ることができる。また、前記のよう
に水分含量が制御されたフェノール化合物は、例えば、
シュウ酸ジアルキルと同様に、フェノール化合物を蒸留
精製する方法、フェノール化合物の溶融液を減圧下で加
熱脱水する方法、フェノール化合物の溶融液を脱水剤で
処理する方法などによって得ることができる。そして、
前記のように水分含量が制御された原料混合液は、水分
含量が制御されたシュウ酸ジアルキル及びフェノール化
合物とエステル交換触媒とを混合することによって得る
ことができる。このとき、エステル交換触媒は、必要に
応じて、乾燥不活性ガス(窒素ガス、アルゴンガス等)
流通下、100〜300℃で加熱処理するか、又は10
〜300torrの減圧下に50〜150℃で乾燥処理
して使用することが好ましい。
【0012】シュウ酸ジアルキル又はフェノール化合物
の蒸留精製は、減圧、常圧、加圧のいずれの条件で行っ
てもよいが、水分含量を0.5重量%以下としたシュウ
酸ジアルキル又はフェノール化合物が主成分として得ら
れる圧力であれば差し支えない。例えば、蒸留塔の塔底
液の温度が50〜200℃であれば、圧力は0.1mm
Hg〜2kg/cm2 、更には1mmHg〜1kg/c
2 程度であることが好ましい。なお、塔底液の温度は
50〜200℃、更には80〜150℃程度であること
が好ましい。前記の蒸留塔は、水分含量を0.2重量%
以下としたシュウ酸ジアルキル又はフェノール化合物が
主成分として得られるものであれば、特に制限されるも
のではない。このような蒸留塔としては、例えば、連続
多段蒸留塔が挙げられ、特に5段以上の理論段数を有す
る蒸留塔(充填塔又は棚段塔)が好適に挙げられる。ま
た、シュウ酸ジアルキル又はフェノール化合物の溶融液
の減圧下での加熱脱水は、例えば、20〜600mmH
gの減圧下、80〜160℃で行うことができる。
【0013】反応式(1)〜(3)において、Rは、メ
チル基、エチル基、n−(又はiso−)プロピル基、
n−(又はiso−)ブチル基等の炭素数1〜6の低級
アルキル基を表し、Arはフェニル基、ナフチル基等の
炭素数6〜12のアリール基を表す。このアリール基
は、炭素数1〜6の低級アルキル基(メチル基、エチル
基、n−(又はiso−)プロピル基、n−(又はis
o−)ブチル基等)、炭素数1〜6の低級アルコキシ基
(メトキシ基、エトキシ基、n−(又はiso−)プロ
ポキシ基、n−(又はiso−)ブトキシ基等)、ハロ
ゲン(塩素、臭素、ヨウ素、フッ素)、ニトロ基等の置
換基を有していてもよい。
【0014】前記のシュウ酸ジアルキルとしては、例え
ば、シュウ酸ジメチル、シュウ酸ジエチル、シュウ酸ジ
n−(又はiso−)プロピル、シュウ酸ジn−(又は
iso−)ブチル等が用いられる。また、前記のフェノ
ール化合物としては、例えば、フェノール、ナフトール
や、クレゾール、エチルフェノール、プロピルフェノー
ル、ブチルフェノール、キシレノール、メチルエチルフ
ェノール等のアルキルフェノールや、メトキシフェノー
ル、エトキシフェノール等のアルコキシフェノールや、
フルオロフェノール、クロロフェノール、ブロモフェノ
ール等のハロフェノールや、ニトロフェノールなどが用
いられる。なお、これらはo−、m−、p−、n−、i
so−、α−、β−などの各異性体を含む。
【0015】本発明において、シュウ酸アリールエステ
ルとしてシュウ酸アルキルアリールを製造する場合は、
前記のシュウ酸ジアルキル及びフェノール化合物に対応
して、主としてシュウ酸アルキルアリール(例えば、シ
ュウ酸メチルフェニル等)及び低級アルコール(例え
ば、メタノール等)が生成し、その他にシュウ酸ジアリ
ール(例えば、シュウ酸ジフェニル等)が生成する。ま
た、シュウ酸アリールエステルとしてシュウ酸ジアリー
ルを製造する場合は、シュウ酸ジアルキルとフェノール
化合物とのエステル交換反応によって生成する前記のシ
ュウ酸アルキルアリールに対応して、主としてシュウ酸
ジアリール(例えば、シュウ酸ジフェニル等)及びシュ
ウ酸ジアルキル(例えば、シュウ酸ジメチル等)が生成
し、その他に低級アルコール(例えば、メタノール等)
が生成する。
【0016】前記の本発明の方法において、シュウ酸ア
ルキルアリールを製造する場合は、例えば、シュウ酸ジ
アルキルとフェノール化合物を、エステル交換触媒の存
在下、生成する低級アルコールを抜き出しながら液相で
エステル交換反応させて、シュウ酸アルキルアリールを
生成させることが好ましい。また、シュウ酸ジアリール
を製造する場合は、例えば、シュウ酸ジアルキルとフェ
ノール化合物を、エステル交換触媒の存在下、生成する
低級アルコールを抜き出しながら液相でエステル交換反
応させてシュウ酸アルキルアリールを生成させ、次い
で、該シュウ酸アルキルアリールを、前記触媒の存在
下、生成するシュウ酸ジアルキルを抜き出しながら液相
で不均化反応させて、シュウ酸ジアリールを生成させる
ことが好ましい。そして、不均化反応において除去され
るシュウ酸ジアルキルは最初のシュウ酸ジアルキルとフ
ェノール化合物とのエステル交換反応に循環供給して再
使用されることが好ましい。
【0017】本発明におけるシュウ酸アルキルアリール
の製造は、例えば、多段蒸留塔からなる反応蒸留塔を備
えている反応装置を用いて実施することができる。本発
明の好ましい態様としては、シュウ酸ジアルキル、フェ
ノール化合物及びエステル交換触媒を反応蒸留塔へ供給
して、その反応蒸留塔で、低級アルコールを主成分とす
る蒸気を頂部から抜き出しながら、シュウ酸ジアルキル
とフェノール化合物とのエステル交換反応を前記触媒の
存在下で行わせ、その反応蒸留塔の底部から前記エステ
ル交換反応による反応液(塔底液;シュウ酸アルキルア
リールを含む)を抜き出す方法を挙げることができる。
なお、このシュウ酸アルキルアリールの製造は、後述す
るシュウ酸ジアリールの製造における(A)工程と同様
に実施することができる。
【0018】また、本発明におけるシュウ酸ジアリール
の製造は、例えば、多段蒸留塔からなる第1反応蒸留塔
及び第2反応蒸留塔を備えている反応装置を用いて実施
することができる。本発明の好ましい態様としては、
(A)シュウ酸ジアルキル、フェノール化合物及びエス
テル交換触媒を第1反応蒸留塔へ供給して、その第1反
応蒸留塔で、低級アルコールを主成分とする第1蒸気を
頂部から抜き出しながら、シュウ酸ジアルキルとフェノ
ール化合物とのエステル交換反応を前記触媒の存在下で
行わせ、(B)第1反応蒸留塔の底部から前記エステル
交換反応による反応液(塔底液;シュウ酸アルキルアリ
ールを含む)を抜き出して第2反応蒸留塔へ供給し、そ
の第2反応蒸留塔で、シュウ酸ジアルキルを含む第2蒸
気を頂部から抜き出しながら、シュウ酸アルキルアリー
ルの不均化反応を前記触媒の存在下で行わせて、第2反
応蒸留塔の底部から前記不均化反応による反応液(塔底
液;シュウ酸ジアリールを含む)を抜き出す方法を挙げ
ることができる。
【0019】前記のシュウ酸ジアリールの製造における
(A)工程では、例えば、多数の棚段を有する多段蒸留
塔からなる第1反応蒸留塔の内部(特に、第1反応蒸留
塔の棚段2の設置された部分あるいは充填材の充填され
た部分)で、エステル交換触媒の存在下に、前記の反応
式(1)で示されるエステル交換反応を主として行わせ
ながら(反応式(2)で示されるエステル交換反応と反
応式(3)で示される不均化反応も同時に行わせなが
ら)、副生する低級アルコールを主成分として含む第1
蒸気を蒸発させて第1反応蒸留塔の頂部から抜き出すこ
とが好ましい。そして、その第1蒸気を凝縮させて、凝
縮液(主として低級アルコールを含む)を系外へ除去す
ることが好ましい。その際、必要であれば、凝縮液を第
1反応蒸留塔の棚段部分の上部へ還流させることもでき
る(還流比は0〜20、好ましくは0〜10である)。
【0020】(A)工程の第1反応蒸留塔としては、副
生物である低級アルコールを反応液から直ちに蒸発させ
て除去しながら、シュウ酸ジアルキル(シュウ酸アルキ
ルアリールも含む)とフェノール化合物とのエステル交
換反応を行うことができるものであれば、どのような反
応蒸留塔を使用しても差し支えない。第1反応蒸留塔と
しては、特に、副生する低級アルコールを蒸発させて除
去しながら液相状態の反応液中でエステル交換反応を行
うことができるものが好ましく、例えば、連続多段蒸留
塔からなる反応蒸留塔を好適に挙げることができる。
【0021】前記の第1反応蒸留塔は、理論段数が少な
くとも2段以上、特に5〜100段、更には7〜50段
である多段蒸留塔型の反応蒸留塔であることが好まし
い。多段蒸留塔型の反応蒸留塔としては、例えば、泡鐘
トレイ、多孔板トレイ、バルブトレイなどを用いた棚段
式蒸留塔形式のもの、あるいはラシヒリング、レッシン
グリング、ポールリングなどの各種充填物を充填した充
填式蒸留塔形式のものを使用することができ、更に棚段
式及び充填式を併せもつ反応蒸留塔も使用することがで
きる。
【0022】なお、シュウ酸ジアルキル、フェノール化
合物及びエステル交換触媒は、原料混合液として、第1
反応蒸留塔の棚段部分又は充填材部分、即ち、塔の上部
の区域、特に『塔の最下部から全段数の1/4程度上が
った部分』から『塔の最上部から全段数の1/20程度
下がった部分』の区域内、更には『塔の中央部』から
『塔の最上部から全段数の1/10程度下がった部分』
の区域内へ液相状態で供給されることが好ましい。
【0023】本発明では、前述のようにして第1反応蒸
留塔の上部に原料混合液を供給して、その原料混合液
(又は反応液)を塔の下方へ流下させながら各段で主と
して前記エステル交換反応を行わせることによって、第
1反応蒸留塔の底部でシュウ酸アルキルアリールを高濃
度で含有する(シュウ酸ジアリールも一部含有する)反
応液を得ることができる。そして、副生する低級アルコ
ールは、各段で蒸発させて蒸気相として塔の上方に導か
れ、塔の上方に行くに従って、低級アルコールを高濃度
で含有する第1蒸気となるように分留されて抜き出され
る。
【0024】第1反応蒸留塔において、反応液の加熱
は、該反応蒸留塔の底部に存在する反応液を循環ライン
で循環させながら循環ラインに設けた加熱器で加熱する
か、又は該反応蒸留塔の塔底内に設置した加熱器で加熱
することによって行われる。そして、シュウ酸アルキル
アリールを主として含有する(シュウ酸ジアリールも一
部含有する)反応液は第1反応蒸留塔の底部から抜き出
されて、次に設けられた第2反応蒸留塔へ供給される。
【0025】(A)工程において、エステル交換反応が
第1反応蒸留塔で液相状態の反応液を流下させながら行
われる場合、その反応温度は各原料及び反応生成物を含
有している反応液が溶融する温度以上であって、しかも
生成物であるシュウ酸アルキルアリール(及びシュウ酸
ジアリール)が熱分解しないような温度であることが好
ましい。即ち、本発明では、前記のエステル交換反応に
おける反応温度は約50〜350℃、特に100〜30
0℃、更には120〜280℃程度であることが好まし
い。
【0026】そして、(A)工程におけるエステル交換
反応の反応圧力は、減圧、常圧、加圧のいずれであって
もよいが、副生物である低級アルコールを蒸発させるこ
とができる圧力であることが好ましい。例えば、反応温
度が約50〜350℃であれば、反応圧力は0.01m
mHg〜100kg/cm2 、特に0.1mmHg〜5
0kg/cm2 程度であることが好ましい。
【0027】また、(A)工程におけるエステル交換反
応の反応時間(多段蒸留塔からなる反応蒸留塔を用いた
場合には第1反応蒸留塔内及びその底部での反応液の滞
留時間)は、反応条件や反応蒸留塔の形式及び操作条件
などによって異なるが、反応温度が約50〜350℃で
あれば、約0.01〜50時間、特に0.02〜10時
間、更には0.03〜5時間程度であることが好まし
い。
【0028】前記の(B)工程では、例えば、複数の棚
段を有する多段蒸留塔からなる第2反応蒸留塔の内部
(特に、第2反応蒸留塔の棚段の設置された部分あるい
は充填材の充填された部分、即ち、塔の区域)で、前記
触媒(エステル交換触媒)の存在下に、前記の反応式
(3)で示される不均化反応を行わせながら(反応式
(2)で示すエステル交換反応と反応式(1)で示され
るエステル交換反応も同時に行わせながら)、副生する
シュウ酸ジアルキルを主成分として含む第2蒸気を第2
反応蒸留塔の頂部から抜き出すことが好ましい。その
際、必要であれば、第2蒸気を凝縮させ、凝縮液(主と
してシュウ酸ジアルキルを含む)を第2反応蒸留塔の上
部へ還流させることもできる(還流比は0〜20、好ま
しくは0〜10である)。
【0029】(B)工程の第2反応蒸留塔としては、シ
ュウ酸ジアルキルを含む第2蒸気を抜き出しながら、シ
ュウ酸アルキルアリールの不均化反応を前記触媒(エス
テル交換触媒)の存在下で行わせることができるもので
あれば、どのような反応蒸留塔を使用してもよい。第2
反応蒸留塔としては、特に、副生するシュウ酸ジアルキ
ルを蒸発させて除去しながら液相状態の反応液中で前記
の不均化反応を行うことができるものが好ましく、例え
ば、連続多段蒸留塔からなる反応蒸留塔が好適に挙げら
れる。
【0030】前記の第2反応蒸留塔は、理論段数が少な
くとも2段以上、特に3〜100段、更には5〜50段
である多段蒸留塔型の反応蒸留塔であることが好まし
い。このような多段蒸留塔型の反応蒸留塔としては、第
1反応蒸留塔における場合と同じような棚段式蒸留塔あ
るいは充填式蒸留塔を使用することができ、更に棚段式
及び充填式を併せもつ反応蒸留塔も使用することができ
る。
【0031】本発明では、第1反応蒸留塔の底部から抜
き出される反応液は、第2反応蒸留塔の棚段部分又は充
填材部分、即ち、塔の上部の区域、特に『塔の最下部か
ら全段数の1/4程度上がった部分』から『塔の最上部
から全段数の1/30程度下がった部分』の区域内、更
には『塔の中央部』から『塔の最上部から全段数の1/
20程度下がった部分』の区域内へ供給されることが好
ましい。このように、第1反応蒸留塔の底部からの反応
液を液相状態で第2反応蒸留塔の上部へ供給することに
より、その反応液が第2反応蒸留塔を流下する際に、前
記のシュウ酸アルキルアリールの不均化反応を充分に効
果的に行わせることができる。
【0032】本発明では、前述のようにして第2反応蒸
留塔の上部に第1反応蒸留塔の底部から抜き出された反
応液を供給して、その反応液を塔の下方へ流下させなが
ら、各段で前記の不均化反応を行わせることによって、
第2蒸留反応塔の底部にシュウ酸ジアリールを高濃度で
含有する反応液を蓄積させることができる。そして、副
生するシュウ酸ジアルキル(低級アルコールも一部含有
する)は、各段で蒸発させて蒸気相として塔の上方に導
かれ、塔の上方に行くに従ってシュウ酸ジアルキルを高
濃度で含有する第2蒸気(低級アルコールも一部含有す
る)となるように分留されて、反応液から分離・除去さ
れる。第2反応蒸留塔の頂部から抜き出される、シュウ
酸ジアルキルを含有する第2蒸気は、第1反応蒸留塔の
上部へ循環供給して再使用することが好ましい。
【0033】第2反応蒸留塔において、反応液の加熱
は、該反応蒸留塔の底部に存在する反応液を循環ライン
で循環させながら循環ラインに設けた加熱器で加熱する
か、又は該反応蒸留塔の塔底内に設置した加熱器で加熱
することによって行うことができる。そして、生成物の
シュウ酸ジアリールを主として含有する反応液は第2反
応蒸留塔の底部から抜き出される。第2反応蒸留塔の底
部から抜き出される、シュウ酸ジアリールを含有する反
応液は、例えば、蒸留塔へ供給して蒸留精製することに
よって、高純度のシュウ酸ジアリールとすることができ
る。
【0034】前記の(B)工程において、不均化反応が
第2反応蒸留塔で液相状態の反応液を流下させながら行
われる場合、その反応温度は各原料及び反応生成物を含
有している反応液が溶融する温度以上であって、しかも
シュウ酸アルキルアリール及びシュウ酸ジアリールが熱
分解しないような温度であることが好ましい。即ち、本
発明では、前記の不均化反応における反応温度は約50
〜350℃、特に100〜300℃、更には140〜2
80℃程度であることが好ましい。
【0035】そして、(B)工程における不均化反応の
反応圧力は、減圧、常圧、加圧のいずれであってもよい
が、副生物であるシュウ酸ジアルキルを含む第2蒸気を
第2反応蒸留塔の頂部から蒸発させることができる圧力
とすることが好ましい。例えば、反応温度が約50〜3
50℃であれば、反応圧力は0.01mmHg〜100
kg/cm2 、特に10mmHg〜10kg/cm2
度であることが好ましい。
【0036】また、(B)工程における不均化反応の反
応時間(多段蒸留塔からなる反応蒸留塔を第2反応蒸留
塔として用いた場合には第2反応蒸留塔内及びその底部
での反応液の滞留時間)は反応条件や反応蒸留塔の形式
及び操作条件などによって異なるが、反応温度が約50
〜350℃であれば、約0.01〜50時間、特に0.
02〜10時間、更には0.03〜5時間程度であるこ
とが好ましい。
【0037】(A)工程で使用されるシュウ酸ジアルキ
ルとフェノール化合物の割合は触媒の種類及び量ならび
に反応条件によって変わるが、フェノール化合物が、例
えば、シュウ酸ジアルキルに対して0.01〜1000
倍モル、特に0.1〜100倍モル、更には0.5〜2
0倍モル程度であることが好ましい。
【0038】(A)工程及び(B)工程で使用されるエ
ステル交換触媒の量は、触媒の種類、反応装置(例え
ば、多段の反応蒸留塔)の形式及びサイズ、各原料の種
類及び組成比、更にエステル交換反応及び不均化反応の
反応条件によって異なるが、例えば、第1反応蒸留塔に
供給されるシュウ酸ジアルキル及びフェノール化合物の
合計量に対する割合で表して約0.0001〜50重量
%、特に0.001〜30重量%、更には0.005〜
10重量%程度であることが好ましい。
【0039】(A)工程及び(B)工程におけるエステ
ル交換反応及び不均化反応の反応条件は特に限定される
ものではないが、例えば、反応温度が約50〜350℃
で、反応圧力が0.001mmHg〜200kg/cm
2 であって、反応時間が約0.001〜100時間程度
であればよい。
【0040】本発明で使用されるエステル交換触媒とし
ては、シュウ酸ジアルキルとフェノール化合物とのエス
テル交換反応、シュウ酸アルキルアリールの不均化反
応、及びシュウ酸アルキルアリールとフェノール化合物
とのエステル交換反応により、シュウ酸アルキルアリー
ルやシュウ酸ジアリールを生成しうるものであれば、い
かなるエステル交換触媒でも使用することができる。
【0041】本発明では、エステル交換触媒として、例
えば、公知のカルボン酸エステルとアルコール類とのエ
ステル交換反応に使用されるエステル交換触媒であっ
て、本発明で使用される原料であるシュウ酸ジアルキル
やフェノール化合物の溶融液、またそれらの原料及び/
又は生成物の反応混合液などに対して可溶性であるエス
テル交換触媒が好ましい。
【0042】前記エステル交換触媒の具体例としては、
例えば、チタン化合物、スズ化合物、鉛化合物、ジルコ
ニウム化合物、モリブデン化合物、及びイッテルビウム
化合物から選ばれる少なくとも一種の化合物を挙げるこ
とができる。
【0043】前記のチタン化合物としては、例えば、T
iX3 (但し、Xはハロゲン原子を示す)、Ti(OA
c)3 、Ti(OMe)3 、Ti(OEt)3 、Ti
(OBu)3 、Ti(OPh)3 、TiX4 、Ti(O
Ac)4 、Ti(OMe)4 、Ti(OEt)4 、Ti
(OBu)4 、Ti(OPh)4 などを挙げることがで
きる。但し、Acはアセチル基、Meはメチル基、Et
はエチル基、Buはブチル基、Phはフェニル基、Xは
ハロゲン原子を示す(以下、同様)。
【0044】前記のスズ化合物としては、例えば、(P
h)4 Snや、Sn(OAc)4 、(Bu)2 Sn(O
Ac)2 、(Me)3 Sn(OAc)、(Et)3 Sn
(OAc)、(Bu)3 Sn(OAc)、(Ph)3
n(OAc)等のスズのアセトキシ錯体や、Sn(OM
e)4 、Sn(OEt)4 、Sn(OPh)4 、(B
u)2 Sn(OMe)2 、(Ph)2 Sn(OMe)
2 、(Bu)2 Sn(OEt)2 、(Bu)2 Sn(O
Ph)2 、(Ph)3 Sn(OMe)、(Et)3Sn
(OPh)等のスズのアルコキシ又はアリールオキシ錯
体や、(Me)3 Sn(OCOPh)、(Bu)2 Sn
O、(Bu)SnO(OH)、(Et)3 Sn(O
H)、(Ph)3 Sn(OH)、(Bu)2 SnCl2
などを挙げることができる。
【0045】前記の鉛化合物としては、例えば、硫化
鉛、水酸化鉛、亜ナマリ酸塩、鉛酸塩、鉛の炭酸塩又は
その塩基性塩、鉛の有機酸塩(及びその炭酸塩又は塩基
性塩)などを挙げることができ、更に、テトラブチル
鉛、テトラフェニル鉛、トリブチル鉛ハロゲン、トリフ
ェニル鉛ブロム、トリフェニル鉛等のアルキル又はアリ
ール鉛化合物、ジメトキシ鉛、メトキシフェノキシ鉛、
ジフェノキシ鉛等のアルコキシ又はアリールオキシ鉛化
合物等などを挙げることができる。
【0046】前記のジルコニウム化合物としては、例え
ば、テトラキスアセチルアセトナトジルコニウム、ジル
コノセンなどを挙げることができる。
【0047】前記のモリブデン化合物としては、例え
ば、酸化モリブデン、塩化モリブデン、酸化モリブデン
アセチルアセトナトなどを挙げることができる。
【0048】前記のイッテルビウム化合物としては、例
えば、塩化イッテルビウム、酸化イッテルビウム、炭酸
イッテルビウムなどを挙げることができる。
【0049】これらのエステル交換触媒は、本発明のシ
ュウ酸ジアルキルとフェノール化合物とのエステル交換
反応、シュウ酸アルキルアリールの不均化反応、及びシ
ュウ酸アルキルアリールとフェノール化合物とのエステ
ル交換反応を触媒して、シュウ酸アルキルアリール及び
シュウ酸ジアリールを生成しうるものである。本発明で
使用されるエステル交換触媒の中では、前記のチタン化
合物、ジルコニウム化合物、スズ化合物が好ましく、特
にチタン化合物、スズ化合物が最適である。
【0050】
【実施例】次に、実施例及び比較例を挙げて本発明を具
体的に説明する。 実施例1 1L(リットル)ボトムフラスコを備えた、内径32m
m、段数50段のオールダーショーの上から12段目
に、フェノール58.7重量%、シュウ酸ジメチル4
0.9重量%、テトラフェノキシチタン0.3重量%の
組成の溶液を300ml/hrの流量で供給した。この
原料混合液中の水分は0.03重量%(テトラフェノキ
シチタンに対して2.4倍モル)であった。なお、この
原料混合液を調製する際のフェノール中の水分は0.0
25重量%で、シュウ酸ジメチル中の水分は0.035
重量%であった。
【0051】ボトムフラスコをマントルヒーターで19
0℃に加熱し、塔頂部からの蒸気を冷却器で凝縮して還
流比2で抜き出しながら、反応(エステル交換反応)を
行った。この間、ボトム液は500mlを維持するよう
に連続で抜き出した。塔の状態(温度、液組成)が安定
した時点(供給開始から5時間後)で塔底液の組成をガ
スクロマトグラフィーにより分析したところ、シュウ酸
ジメチル21.88重量%、シュウ酸メチルフェニル2
9.36重量%、シュウ酸ジフェニル6.21重量%、
フェノール42.89重量%であった。なお、塔底液の
抜き出し量は約309g/hrであった。塔頂からは、
メタノール99.7重量%、シュウ酸ジメチル0.3重
量%の組成の液を約21g/hrで抜き出した。
【0052】実施例2 原料混合液中の水分を0.1重量%(テトラフェノキシ
チタンに対して7.9倍モル)としたほかは、実施例1
と同様に反応を行った。塔の状態(温度、液組成)が安
定した時点(供給開始から5時間後)で塔底液の組成を
ガスクロマトグラフィーにより分析したところ、シュウ
酸ジメチル27.95重量%、シュウ酸メチルフェニル
20.11重量%、シュウ酸ジフェニル3.34重量
%、フェノール48.27重量%であった。なお、塔底
液の抜き出し量は約315g/hrであった。塔頂から
は、メタノール99.7重量%、シュウ酸ジメチル0.
3重量%の組成の液を約15g/hrで抜き出した。
【0053】実施例3 原料混合液中の水分を0.01重量%(テトラフェノキ
シチタンに対して0.8倍モル)としたほかは、実施例
1と同様に反応を行った。塔の状態(温度、液組成)が
安定した時点(供給開始から5時間後)で塔底液の組成
をガスクロマトグラフィーにより分析したところ、シュ
ウ酸ジメチル18.71重量%、シュウ酸メチルフェニ
ル33.86重量%、シュウ酸ジフェニル6.57重量
%、フェノール40.53重量%であった。なお、塔底
液の抜き出し量は約306g/hrであった。塔頂から
は、メタノール99.7重量%、シュウ酸ジメチル0.
3重量%の組成の液を約24g/hrで抜き出した。
【0054】実施例4 第2反応蒸留塔として実施例1と同様のオールダーショ
ーを用い、このオールダーショーの上から12段目に、
実施例1で得られた反応液を300ml/hrで供給し
た。そして、ボトムフラスコをマントルヒーターで23
0℃に加熱し、塔頂部からの蒸気を冷却器で凝縮して還
流することなく抜き出しながら、反応(不均化反応)を
行った。この間、ボトム液は500mlを維持するよう
に連続で抜き出した。塔の状態(温度、液組成)が安定
した時点(供給開始から5時間後)で塔底液の組成をガ
スクロマトグラフィーにより分析したところ、シュウ酸
ジメチル1.48重量%、シュウ酸メチルフェニル1
4.07重量%、シュウ酸ジフェニル65.38重量
%、フェノール18.11重量%であった。なお、塔底
液の抜き出し量は約113g/hrであった。塔頂から
は、メタノール1.44量%、シュウ酸ジメチル42.
80重量%、シュウ酸メチルフェニル1.58重量%、
シュウ酸ジフェニル0.06重量%、フェノール54.
12重量%の組成の液を約228g/hrで抜き出し
た。
【0055】比較例1 原料混合液中の水分を0.5重量%(テトラフェノキシ
チタンに対して40倍モル)としたほかは、実施例1と
同様に反応を行った。塔の状態(温度、液組成)が安定
した時点(供給開始から5時間後)で塔底液の組成をガ
スクロマトグラフィーにより分析したところ、シュウ酸
ジメチル37.52重量%、シュウ酸メチルフェニル
5.67重量%、シュウ酸ジフェニル0.31重量%、
フェノール56.20重量%であった。なお、塔底液の
抜き出し量は約326g/hrであった。塔頂からは、
メタノール99.7重量%、シュウ酸ジメチル0.3重
量%の組成の液を約4g/hrで抜き出した。
【0056】
【発明の効果】本発明により、公知のシュウ酸アリール
エステルの製造法が有している種々の問題(生産性がよ
くないこと、種々の副生物を生成することなど)を実質
的に有していないシュウ酸アリールエステルの製造法を
提供することができる。即ち、本発明により、シュウ酸
ジアルキルとフェノール化合物をエステル交換触媒の存
在下で反応させてシュウ酸アリールエステルを製造する
にあたり、原料のシュウ酸ジアルキル及びフェノール化
合物、そしてエステル交換触媒を反応に影響を与えない
ような好適な形態で用いて(即ち、反応に影響を与える
微量成分を制御して)、高転化率及び高選択率で、シュ
ウ酸ジアリール、シュウ酸アルキルアリール等のシュウ
酸アリールエステルを工業的に製造することができる。
本発明は、シュウ酸ジアリール、シュウ酸アルキルアリ
ール等のシュウ酸アリールエステルを工業的に連続製造
できる方法であり、非常に有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 杉瀬 良二 山口県宇部市大字小串1978番地の5 宇部 興産株式会社宇部研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シュウ酸ジアルキルとフェノール化合物
    をエステル交換触媒の存在下で反応させてシュウ酸アリ
    ールエステルを製造するにあたり、シュウ酸ジアルキル
    に含まれる水分を0.2重量%以下としたシュウ酸ジア
    ルキルを用いることを特徴とするシュウ酸アリールエス
    テルの製造法。
  2. 【請求項2】 シュウ酸ジアルキルとフェノール化合物
    をエステル交換触媒の存在下で反応させてシュウ酸アリ
    ールエステルを製造するにあたり、フェノール化合物に
    含まれる水分を0.2重量%以下としたフェノール化合
    物を用いることを特徴とするシュウ酸アリールエステル
    の製造法。
  3. 【請求項3】 シュウ酸ジアルキルとフェノール化合物
    をエステル交換触媒の存在下で反応させてシュウ酸アリ
    ールエステルを製造するにあたり、シュウ酸ジアルキ
    ル、フェノール化合物及びエステル交換触媒を含有する
    原料混合液に含まれる水分をエステル交換触媒に対して
    10倍モル以下とした原料混合液を用いることを特徴と
    するシュウ酸アリールエステルの製造法。
  4. 【請求項4】 エステル交換触媒が、チタン化合物、ス
    ズ化合物、鉛化合物、ジルコニム化合物、モリブデン化
    合物、及びイッテルビウム化合物から選ばれる少なくと
    も一つのエステル交換触媒である、請求項1、2、又は
    3記載のシュウ酸アリールエステルの製造法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005089464A (ja) * 2003-09-19 2005-04-07 Bayer Materialscience Ag 脂肪族オリゴカーボネートジオールの製造方法
JP2006089417A (ja) * 2004-09-24 2006-04-06 Ube Ind Ltd シュウ酸エステルの製造法
CN1314654C (zh) * 2005-04-05 2007-05-09 天津大学 以草酸二乙酯和苯酚合成草酸二苯酯的方法
JP2011037883A (ja) * 2010-10-12 2011-02-24 Ube Industries Ltd シュウ酸エステルの製造法

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JP2005089464A (ja) * 2003-09-19 2005-04-07 Bayer Materialscience Ag 脂肪族オリゴカーボネートジオールの製造方法
JP2006089417A (ja) * 2004-09-24 2006-04-06 Ube Ind Ltd シュウ酸エステルの製造法
CN1314654C (zh) * 2005-04-05 2007-05-09 天津大学 以草酸二乙酯和苯酚合成草酸二苯酯的方法
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