JP4236205B2 - 高純度ジフェニルカーボネートの工業的製造法 - Google Patents

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Description

本発明は、高純度ジフェニルカーボネートの工業的製造方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、ジアルキルカーボネートとフェノールとのエステル交換反応および/またはアルキルフェニルカーボネートの不均化反応および/またはアルキルフェニルカーボネートとフェノールのエステル交換反応を行うことによって得られたジフェニルカーボネートを含む反応混合物を2基の特定の構造を有する連続多段蒸留塔を用いて、エステル交換法ポリカーボネートの原料として有用な高純度ジフェニルカーボネートを工業的に製造する方法に関する。
高純度ジフェニルカーボネートは、最も需要の多いエンジニアリングプラスチックである芳香族ポリカーボネートを、有毒なホスゲンを用いないで製造するための原料として重要である。芳香族カーボネートの製法として、芳香族モノヒドロキシ化合物とホスゲンとの反応による方法が古くから知られており、最近も種々検討されている。しかしながら、この方法はホスゲン使用の問題に加え、この方法によって製造された芳香族カーボネートには分離が困難な塩素系不純物が存在しており、そのままでは芳香族ポリカーボネートの原料として用いることはできない。なぜならば、この塩素系不純物は極微量の塩基性触媒の存在下で行うエステル交換法ポリカーボネートの重合反応を著しく阻害し、たとえば、1ppmでもこのような塩素系不純物が存在すると殆ど重合を進行させることができない。そのため、エステル交換法ポリカーボネートの原料とするには、希アルカリ水溶液と温水による十分な洗浄と油水分離、蒸留などの多段階の面倒な分離・精製工程が必要であり、さらにこのような分離・精製工程での加水分解ロスや蒸留ロスのため収率が低下するなど、この方法を経済的に見合った工業的規模で実施するには多くの課題がある。
一方、ジアルキルカーボネートと芳香族モノヒドロキシ化合物とのエステル交換反応による芳香族カーボネートの製造方法も知られている。しかしながら、これらのエステル交換反応は全て平衡反応であって、しかもその平衡が原系に極端に偏っていることに加えて反応速度が遅いことから、この方法によって芳香族カーボネート類を工業的に大量に製造するのは多大な困難があり、これを改良するために2種類の提案がなされている。その1つは、反応速度を高めるための触媒開発に関するものであり、このタイプのエステル交換反応用触媒として数多くの金属化合物が提案されている。たとえば、遷移金属ハライド等のルイス酸またはルイス酸を生成させる化合物類(特許文献1:特開昭51−105032号公報、特開昭56−123948号公報、特開昭56−123949号公報(西独特許公開公報第2528412号、英国特許第1499530号明細書、米国特許第4182726号明細書)、特開昭51−75044号公報(西独特許公開公報第2552907号、米国特許第4045464号明細書)、有機スズアルコキシドや有機スズオキシド類等のスズ化合物(特許文献2:特開昭54−48733号公報(西独特許公開公報第2736062号)、特開昭54−63023号公報、特開昭60−169444号公報(米国特許第4554110号明細書)、特開昭60−169445号公報(米国特許第4552704号明細書)、特開昭62−277345号公報、特開平1−265063号公報)、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の塩類およびアルコキシド類(特許文献3:特開昭57−176932号公報)、鉛化合物類(特許文献4:特開昭57−176932号公報、特開平1−93560号公報)、銅、鉄、ジルコニウム等の金属の錯体類(特許文献5:特開昭57−183745号公報)、チタン酸エステル類(特許文献6:特開昭58−185536号公報(米国特許第4410464号明細書)、特開平1−265062号公報)、ルイス酸とプロトン酸の混合物(特許文献7:特開昭60−173016号公報(米国特許第4609501号明細書))、Sc、Mo、Mn、Bi、Te等の化合物(特許文献8:特開平1−265064号公報)、酢酸第2鉄(特許文献9:特開昭61−172852号公報)等が提案されている。
触媒開発だけでは不利な平衡の問題を解決できないので、もう1つの提案として、反応方式を工夫することによって平衡をできるだけ生成系側にずらし、芳香族カーボネート類の収率を向上させる試みがなされている。たとえば、ジメチルカーボネートとフェノールの反応において、副生するメタノールを共沸形成剤とともに共沸によって留去する方法(特許文献10:特開昭54−48732号公報(西独特許公開公報第736063号、米国特許第4252737号明細書))、副生してくるメタノールをモレキュラーシーブで吸着させて除去する方法(特許文献11:特開昭58−185536号公報(米国特許第410464号明細書))が提案されている。また、反応器の上部に蒸留塔を設けた装置によって、反応で副生してくるアルコール類を反応混合物から分離させながら同時に蒸発してくる未反応原料との蒸留分離を行う方法も提案されている(特許文献12:特開昭56−123948号公報(米国特許第4182726号明細書)の実施例、特開昭56−25138号公報の実施例、特開昭60−169444号公報(米国特許第4554110号明細書)の実施例、特開昭60−169445号公報(米国特許第4552704号明細書)の実施例、特開昭60−173016号公報(米国特許第4609501号明細書)の実施例、特開昭61−172852号公報の実施例、特開昭61−291545号公報の実施例、特開昭62−277345号公報の実施例)。
しかしながら、これらの反応方式は基本的にはバッチ方式か、切り替え方式であった。なぜならば、これらのエステル交換反応に対しては触媒開発による反応速度の改良の程度はそれほど大きくなく、反応速度が遅いことから、連続方式よりもバッチ方式の方が好ましいと考えられていたからである。これらのなかには、連続方式として蒸留塔を反応器の上部に備えた連続攪拌槽型反応器(CSTR)方式も提案されているが、反応速度が遅いことや反応器の気液界面が液容量に対して小さいことから反応率を高くできないなどの問題がある。したがって、これらの方法で芳香族カーボネートを連続的に大量に、長期間安定的に製造するという目的を達成することは困難であり、経済的に見合う工業的実施にいたるには、なお多くの解決すべき課題が残されている。
本発明者等は、ジアルキルカーボネートと芳香族ヒドロキシ化合物を連続的に多段蒸留塔に供給し、触媒を存在させた該塔内で連続的に反応させ、副生するアルコールを含む低沸点成分を蒸留によって連続的に抜き出すと共に、生成したアルキルアリールカーボネートを含む成分を塔下部より抜き出す反応蒸留法(特許文献13:特開平3−291257号公報)、アルキルアリールカーボネートを連続的に多段蒸留塔に供給し、触媒を存在させた該塔内で連続的に反応させ、副生するジアルキルカーボネートを含む低沸成分を蒸留によって連続的に抜き出すと共に、生成したジアリールカーボネートを含む成分を塔下部より抜き出す反応蒸留法(特許文献14:特開平4−9358号公報)、これらの反応を2基の連続多段蒸留塔を用いて行い、副生するジアルキルカーボネートを効率的にリサイクルさせながらジアリールカーボネートを連続的に製造する反応蒸留法(特許文献15:特開平4−211038号公報)、ジアルキルカーボネートと芳香族ヒドロキシ化合物等を連続的に多段蒸留塔に供給し、塔内を流下する液を蒸留塔の途中段および/または最下段に設けられたサイド抜き出し口より抜き出し、蒸留塔の外部に設けられた反応器へ導入して反応させた後に、該抜き出し口のある段よりも上部の段に設けられた循環用導入口へ導入することによって、該反応器内と該蒸留塔内の両方で反応を行う反応蒸留法(特許文献16:特開平4−224547号公報、特開平4−230242号公報、特開平4−235951号公報)等、これらのエステル交換反応を連続多段蒸留塔内で反応と蒸留分離とを同時に行う反応蒸留法を開発し、これらのエステル交換反応に対して反応蒸留方式が有用であることを世界で初めて開示した。
本発明者等が提案したこれらの反応蒸留法は、芳香族カーボネート類を効率よく、かつ連続的に製造することを可能とする初めてのものであり、その後これらの開示をベースとする同様な反応蒸留方式が数多く提案されるようになった(特許文献17:国際公開第00/18720号公報(米国特許第5362901号明細書);特許文献18:イタリア特許第01255746号公報;特許文献19:特開平6−9506号公報(欧州特許0560159号明細書、米国特許第5282965号明細書);特許文献20:特開平6−41022号公報(欧州特許0572870号明細書、米国特許第5362901号明細書);特許文献21:特開平6−157424号公報(欧州特許0582931号明細書、米国特許第5334742号明細書)、特開平6−184058号公報(欧州特許0582930号明細書、米国特許第5344954号明細書);特許文献22:特開平7−304713号公報;特許文献23:特開平9−40616号公報;特許文献24:特開平9−59225号公報;特許文献25:特開平9−110805号公報;特許文献26:特開平9−165357号公報;特許文献27:特開平9−173819号公報;特許文献28:特開平9−176094号公報、特開2000−191596号公報、特開2000−191597号公報;特許文献29:特開平9−194436号公報(欧州特許0785184号明細書、米国特許第5705673号明細書);特許文献30:国際公開第00/18720号公報(米国特許第6093842号明細書)、国際公開第01/042187号公報(特表2003−516376号公報);特許文献31:特開2001−64234号公報、特開2001−64235号公報;特許文献32:国際公開第02/40439号公報(米国特許第6596894号、米国特許第6596895号、米国特許第6600061号明細書))。
また、本出願人は、反応蒸留方式において、多量の触媒を必要とせずに高純度芳香族カーボネートを長時間、安定に製造できる方法として、触媒成分を含む高沸点物質を作用物質と反応させた上で分離し、触媒成分をリサイクルする方法(特許文献33:国際公開第97/11049号公報(欧州特許0855384号明細書、米国特許第5872275号明細書))や、反応系内の多価芳香族ヒドロキシ化合物を触媒金属に対して質量比で2.0以下に保ちながら行う方法(特許文献34:特開平11−92429号公報(欧州特許1016648号明細書、米国特許第6262210号明細書))を提案した。さらに、本発明者等は、重合工程で副生するフェノールの70〜99質量%を原料として用いて、反応蒸留法でジフェニルカーボネートを製造しこれを芳香族ポリカーボネートの重合原料とする方法をも提案した(特許文献35:特開平9−255772号公報(欧州特許0892001号明細書、米国特許第5747609号明細書))。
しかしながら、これら反応蒸留法による芳香族カーボネート類の製造を提案する全ての先行文献には、工業的規模の大量生産(たとえば、1時間あたり1トン以上)を可能とする具体的な方法や装置の開示は全くなく、またそれらを示唆する記述もない。たとえば、ジメチルカーボネートとフェノールから主としてジフェニルカーボネート(DPC)を製造するために開示された2基の反応蒸留塔の高さ(HおよびH:cm)、直径(DおよびD:cm)、段数(NおよびN)と反応原料液導入量(QおよびQ:kg/hr)に関する記述は、次表のとおりである。
すなわち、この反応を反応蒸留方式で実施するにあたり用いられた2基の連続多段蒸留塔の最大のものは、本出願人が特許文献33、34において開示したものである。このように、この反応用に開示されている連続多段蒸留塔における各条件の最大値は、H=1200cm、H=600cm、D=20cm、D=25cm、N=N=50(特許文献23)、Q=86kg/hr、Q=31kg/hrであり、ジフェニルカーボネートの生産量は約6.7kg/hrに過ぎず、工業的規模の生産量ではなかった。
このようなジアルキルカーボネートとフェノールを原料とするエステル交換反応等で製造されたジフェニルカーボネートを含む反応混合物からジフェニルカーボネートを分離・精製する方法として、晶析法、蒸留法等が提案されている。蒸留法としても3つの方式が提案されている。1つの方式は、蒸留塔の塔頂成分としてジフェニルカーボネートを得る方法であり、たとえば、
I)触媒を含む反応混合物をそのままバッチ方式の蒸留塔で蒸留し、塔頂成分としてジフェニルカーボネートを得る方法(特許文献10の実施例、特許文献19の実施例2)、
II)触媒を含む反応混合物を蒸発缶等でフラッシュ蒸留し、低沸点物質と大部分の触媒を含む高沸点物質とに分離した後、該低沸点物質を原料回収用の蒸留塔で蒸留し、塔底物質として触媒を含むジフェニルカーボネートを得、これを精製塔で蒸留することによって、ジフェニルカーボネートを塔頂成分として得る方法(特許文献37:特開平4−100824号公報、実施例1;特許文献38:特開平9−169704号公報)、
III)触媒を含む反応混合物を蒸留塔(および蒸発缶)で蒸留し、低沸点物質と大部分の触媒を含む高沸点物質とに分離した後、該低沸点物質を軽沸分離塔、メチルフェニルカーボネート分離塔、ジフェニルカーボネート分離塔の3塔からなる蒸留装置により順次連続蒸留を行い、ジフェニルカーボネートを塔頂成分として得る方法(特許文献25)等が挙げられる。
別の方式は、蒸留塔の塔底成分としてジフェニルカーボネートを得る方法であり、たとえば、
IV)触媒を含む反応混合物を蒸留塔で蒸留し、低沸点物質と大部分の触媒を含む高沸点物質とに分離した後、該低沸点物質を蒸留塔で蒸留し、塔底成分としてジフェニルカーボネートを得る方法(特許文献31)等が挙げられる。
他の方式は、蒸留塔のサイドカット成分としてジフェニルカーボネートを得る方法であり、たとえば、
V)触媒を含む反応混合物をそのまま第3番目の反応蒸留塔に導入し、さらに反応と蒸留を行い、該反応蒸留塔のサイドカット成分としてジフェニルカーボネートを得る方法(特許文献21)、
VI)触媒を含む反応混合物を蒸発缶等でフラッシュ蒸留し、低沸点物質と大部分の触媒を含む高沸点物質とに分離した後、該低沸点物質を蒸留塔に導入し、蒸留を行い、該反応蒸留塔のサイドカット成分としてジフェニルカーボネートを得る方法(特許文献34、35、特許文献39:国際公開第92/18458号公報(米国特許第5426207号明細書))、
VII)触媒を含む反応混合物を第1精製塔で蒸留し、低沸点物質と触媒を含む高沸点物質とに分離した後、該低沸点物質を第2精製塔に導入し、蒸留を行い、該第2精製塔のサイドカット成分としてジフェニルカーボネートを得る方法(特許文献40:特開平11−49727号公報)、
VIII)サリチル酸フェニルを含むジフェニルカーボネートを理論段数5〜15の蒸留塔に導入し、塔底温度150℃以上で蒸留し、該蒸留塔のサイドカット成分としてジフェニルカーボネートを得る方法(特許文献36:特開平9−194437号公報(欧州特許0784048号明細書))等が挙げられる。
しかしながら、これらの蒸留法によるジフェニルカーボネートの分離・精製法においても種々の課題が残されていることが判明した。すなわち、前記I)で得られるジフェニルカーボネートは純度が低く、またバッチ方式であるので工業的に大量生産するには不適である。II)の特許文献37の方法はバッチ方式であり、特許文献38の方法で得られるジフェニルカーボネート中には1ppm以下とはいえチタン触媒が存在しており、着色の無い高純度のポリカーボネートを製造する原料としては不適である。III)の方法では、ジフェニルカーボネートが軽沸分離塔、メチルフェニルカーボネート分離塔の2基の蒸留塔の塔底部で高温に加熱された後にジフェニルカーボネート分離塔分離塔で高温に曝されるので、ジフェニルカーボネートの変性が起こり、純度の低下と収率の低下をもたらす。
また、IV)の塔底部からジフェニルカーボネートを得る方法では、純度が低く目的とするポリカーボネートを製造することはできないので不適である。
V)の方法では、第2反応蒸留塔の底部から触媒や未反応原料や不純物等全てを含む反応混合物が第3反応蒸留塔の上部から導入されており、この塔のサイドからジフェニルカーボネートが抜出されているので、触媒や不純物や原料などの蒸気やミストがエントレインされ得られるジフェニルカーボネートの純度は低い。VI)の方法はジフェニルカーボネートの生産量が6.7kg/hr(特許文献34、実施例3)、3.9kg/hr(特許文献35、実施例1)であり、工業的規模ではない。VII)の方法は好ましい方法であるが、ジフェニルカーボネートの生産量が2kg/hr(特許文献40、実施例8)と少量であって工業的規模ではない。また、第1精製塔の塔頂圧力が200Paと高真空で実施されているので、工業的に実施しようとすれば高真空を保持できる非常に大きな蒸留塔が必要となり、困難である。
さらに、VIII)の方法では3000ppmのサリチル酸フェニルの含有量を50ppm(特許文献36、実施例2)まで低下させるとの記載はあるもののそれ以外の不純物についてはまったく記載がない。たとえば、この実施例はホスゲン法によって製造され、必ず塩素系不純物を含むジフェニルカーボネートの精製法であるにもかかわらず、塩素系不純物(数10ppbの極微量でポリカーボネートの重合および物性に悪影響)に関する記載は全くない。なお、この方法ではこれらの塩素系不純物を分離することは不十分であり、ポリカーボネート用原料として使用することはできない。このことは、特許文献36より1年以上も後に出願された特許文献41(特開平11−12230号公報)の精製方法(アルカリ熱水2回洗浄後、熱水洗浄。次いで、蒸留で脱水したジフェニルカーボネートを固体アルカリ充填カラムに通した後、多段蒸留塔で減圧蒸留)の比較例1(アルカリカラム不使用)に記載のとおりである。
さらにまた、特許文献36では、蒸留で得られたジフェニルカーボネートの純度評価法として、ビスフェノールAと反応させ、フェノールが留出し始める温度と時間が示されているが、このテスト方法では重合に適したジフェニルカーボネートの評価はできない。なぜならば、必要な重合度のポリカーボネートを製造できない純度の低いジフェニルカーボネートでも、初期のフェノールを脱離する反応は十分に起こるからである。また、この評価方法では、ビスフェノールAに対して2.3ppmもの大量のNaOHを触媒に用いているので、たとえば、1ppmの塩素系不純物を含むジフェニルカーボネートであっても高純度であってポリカーボネートの原料として適しているとの誤った評価をすることになる。先述のとおり、1ppmの塩素系不純物を含むジフェニルカーボネートはポリカーボネートの原料としては全く使用することはできない。通常の重合では、このように大量のアルカリ触媒は使わないのであるから、この評価方法はポリカーボネート用のジフェニルカーボネートの純度評価として不適である。また、特許文献36には、エステル交換法で得られたジフェニルカーボネートの精製についての具体的な記述は全くない。ホスゲン法で得られたジフェニルカーボネートとエステル交換法で得られたジフェニルカーボネートは、不純物の種類や含有量が異なるから、同じ精製法で同じ純度のジフェニルカーボネートが得られるということはできない。すなわち、特許文献36の方法による精製法では、ポリカーボネートの原料としての必要な純度を有するジフェニルカーボネートを得ているとは到底いえない。また、特許文献36に開示されているジフェニルカーボネートの精製量は、0.57kg/hrであり、工業的規模ではない。
均一系触媒の存在下、ジアルキルカーボネートとフェノールとを原料とするエステル交換反応で得られる反応混合物中には、通常、種々の反応副生物が含まれているが、特に目的とするジフェニルカーボネートよりも沸点の高い、サリチル酸フェニル、キサントン、メトキシ安息香酸フェニル、1−フェノキシカルボニル−2−フェノキシカルボキシ−フェニレン等の高沸点副生物を十分なレベル以下まで低減させていないジフェニルカーボネートをエステル交換法ポリカーボネートの原料として用いれば、着色や物性低下の原因となる。したがって、これらの不純物はできるだけ低減させることが好ましい。しかしながら、これらの高沸点副生物は、その分離が困難なこともあり、これまでに提案されている方法では、これらの高沸点副生物を十分なレベル以下まで低減させることができなかった。特に生産量が1トン/hr以上の工業的規模で、高品質・高性能ポリカーボネートの原料として必要な高純度ジフェニルカーボネートを製造する方法は全く提案されていなかった。
本発明が解決しようとする課題は、ジアルキルカーボネートとフェノールを原料とするエステル交換反応等で得られた、触媒と反応副生物を含有する反応混合物から、高品質・高性能ポリカーボネートの原料として使用できる高純度のジフェニルカーボネートを、1トン/hrの工業的規模で長期間安定的に製造できる具体的な方法を提供することにある。
本発明者らが連続多段蒸留塔を用いる芳香族カーボネート類の製造方法を開示して以来、反応蒸留法等による芳香族カーボネート類を含む反応混合物の製造方法に関する多くの提案があるが、これらは全て小規模、短期間の実験室的レベルのものであり、したがって、これらの反応混合物から高品質・高性能ポリカーボネートの原料として使用できる高純度のジフェニルカーボネートを工業的規模で大量生産できる具体的な方法や装置の開示には到っていなかった。そこで、本発明者らは、1時間あたり1トン以上の工業的規模で、高品質・高性能ポリカーボネートの原料として重要な高純度のジフェニルカーボネートを長期間安定的に製造できる具体的な方法を見出すべき検討を重ねた結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明の第一の態様では、
1.均一系触媒の存在下、ジアルキルカーボネートとフェノールとのエステル交換反応および/またはアルキルフェニルカーボネートの不均化反応および/またはアルキルフェニルカーボネートとフェノールのエステル交換反応を行うことによって得られたジフェニルカーボネートを含む反応混合物から高純度ジフェニルカーボネートを連続的に製造する方法において、該反応混合物を高沸点物質分離塔Aに連続的に導入し、ジフェニルカーボネートを含む塔頂成分(A)と触媒を含む塔底成分(A)に連続的に蒸留分離し、次いで該塔頂成分(A)を、サイドカット抜き出し口を有するジフェニルカーボネート精製塔Bに連続的に導入し、塔頂成分(B)、サイドカット成分(B)、塔底成分(B)の3つの成分に連続的に蒸留分離するにあたり、
(a)該反応混合物が、該反応混合物100質量%に対して、アルキルフェニルカーボネートより低沸点物質を1.1〜24質量%、アルキルフェニルカーボネートを10〜45質量%、ジフェニルカーボネートを50〜80質量%、ジフェニルカーボネートより高沸点物質と触媒成分を0.2〜10質量%含む混合物であり、
(b)該高沸点物質分離塔Aに連続的に導入される該反応混合物の量が2.5トン/hr以上であり、
(c)該高沸点物質分離塔Aが、下記式(1)−(3)を満足する、長さL(cm)、内径D(cm)で、内部に段数nのインターナルを有する連続多段蒸留塔であり、
800 ≦ L ≦ 3000 式(1)
100 ≦ D ≦ 1000 式(2)
20 ≦ n ≦ 100 式(3)
(d)該塔頂成分(A)が、該塔頂成分(A)100質量%に対して、アルキルフェニルカーボネートより低沸点物質を1.1〜25質量%、アルキルフェニルカーボネートを11〜47質量%、ジフェニルカーボネートを52〜84質量%含む混合物であり、
(e)該高沸点物質分離塔Aの塔頂から連続的に抜出され、該ジフェニルカーボネート精製塔Bに連続的に導入される該塔頂成分(A)の量が2.2トン/hr以上であり
(f)該ジフェニルカーボネート精製塔Bが、下記式(4)−(9)を満足する、長さL(cm)、内径D(cm)で、内部にインターナルを有するものであって、塔の中段に導入口B1、該導入口B1と塔底との間にサイドカット抜き出し口B2を有し、導入口B1から上部のインターナルの段数がn、導入口B1とサイドカット抜き出し口B2との間のインターナルの段数がn、サイドカット抜き出し口B2から下部のインターナルの段数がnで、段数の合計(n+n+n)がnである連続多段蒸留塔であり、
1000 ≦ L ≦ 5000 式(4)
100 ≦ D ≦ 1000 式(5)
5 ≦ n ≦ 20 式(6)
12 ≦ n ≦ 40 式(7)
3 ≦ n ≦ 15 式(8)
20 ≦ n ≦ 70 式(9)
(g)サイドカット成分(B)として連続的に抜出される高純度ジフェニルカーボネートが、1時間あたり1トン以上である、
ことを特徴とする、高純度ジフェニルカーボネートの工業的製造法、
2.該高沸点物質分離塔Aが、塔底温度(T)185〜280℃、塔頂圧力(P)1000〜20000Paで操作され、該ジフェニルカーボネート精製塔Bが、塔底温度(T)185〜280℃、塔頂圧力(P)1000〜20000Paで操作されることを特徴とする、前項1記載の方法、
3.該高沸点物質分離塔AのL、D、n がそれぞれ、1000≦L≦2500、 200≦D≦600、 30≦n≦70 であり、
該ジフェニルカーボネート精製塔BのL、D、n1、n、n、nがそれぞれ、1500≦L≦3000、 150≦D≦500、 7≦n≦15、 12≦n≦30、 3≦n≦10、 25≦n≦55であり、
が190〜240℃、Pが2000〜15000Paであり、
が190〜240℃、Pが2000〜15000Paである、
ことを特徴とする、前項1または2に記載の方法、
4.該高沸点物質分離塔Aおよび該ジフェニルカーボネート精製塔Bが、それぞれ該インターナルとしてトレイおよび/または充填物を有する蒸留塔であることを特徴とする、前項1ないし3のうち何れか一項に記載の方法、
5.該高沸点物質分離塔Aおよび該ジフェニルカーボネート精製塔Bのインターナルが、それぞれ充填物であることを特徴とする、前項4に記載の方法、
6.該充填物が、メラパック、ジェムパック、テクノパック、フレキシパック、スルザーパッキング、グッドロールパッキング、グリッチグリッドから選ばれた少なくとも一種の規則充填物であることを特徴とする、前項5に記載の方法、
を提供する。
また、上記本発明の第一の態様に基づいた第二の態様としては、
(a)前項1〜6のいずれかに記載の方法で製造され、ハロゲン含有量が0.1ppm以下で、且つ、ジフェニルカーボネートより高沸点の副生物の含有量が100ppm以下であることを特徴とする、高純度ジフェニルカーボネート、
(b)ハロゲン含有量が10ppb以下で、且つ、ジフェニルカーボネートより高沸点の副生物であるサリチル酸フェニル、キサントン、メトキシ安息香酸フェニル、1−フェノキシカルボニル−2−フェノキシカルボキシ−フェニレンの含有量がそれぞれ、30ppm以下であることを特徴とする、前項(a)記載の高純度ジフェニルカーボネート、
(c)ジフェニルカーボネートより高沸点の副生物の含有量が50ppm以下であること特徴とする、前項(b)記載の高純度ジフェニルカーボネート、
(d)ハロゲン含有量が1ppb以下で、且つ、ジフェニルカーボネートより高沸点の副生物の含有量が、10ppm以下であることを特徴とする、前項(c)記載の高純度ジフェニルカーボネート、
を提供することができる
さらにまた、本発明に係る製造方法の別の態様では、
7.高純度ジフェニルカーボネートの製造方法であって、
(1)ジフェニルカーボネートを含む反応混合物を得るように、均一系触媒の存在下、ジアルキルカーボネートとフェノールとのエステル交換反応および/またはアルキルフェニルカーボネートの不均化反応および/またはアルキルフェニルカーボネートとフェノールのエステル交換反応を実行する工程と、
(2)該反応混合物を高沸点物質分離塔Aに導入し、ジフェニルカーボネートを含む塔頂成分(AT)と触媒を含む塔底成分(AB)に蒸留分離する工程と、
(3)該塔頂成分(AT)を、サイドカット抜き出し口を有するジフェニルカーボネート精製塔Bに導入し、塔頂成分(BT)、サイドカット成分(BS)、塔底成分(BB)の3つの成分に連続的に蒸留分離する工程と、含み、
(a)該反応混合物が、該反応混合物100質量%に対して、アルキルフェニルカーボネートより低沸点物質を1.1〜24質量%、アルキルフェニルカーボネートを10〜45質量%、ジフェニルカーボネートを50〜80質量%、ジフェニルカーボネートより高沸点物質と触媒成分を0.2〜10質量%含む混合物であり、
(b)該高沸点物質分離塔Aに導入される該反応混合物の量が2.5トン/hr以上であり、
(c)該高沸点物質分離塔Aが、下記式(1)−(3)を満足する、長さLA(cm)、内径DA(cm)で、内部に段数nAのインターナルを有する連続多段蒸留塔であり、
800 ≦ LA ≦ 3000 式(1)
100 ≦ DA ≦ 1000 式(2)
20 ≦ nA ≦ 100 式(3)
(d)該塔頂成分(AT)が、該塔頂成分(AT)100質量%に対して、アルキルフェニルカーボネートより低沸点物質を1.1〜25質量%、アルキルフェニルカーボネートを11〜47質量%、ジフェニルカーボネートを52〜84質量%含む混合物であり、
(e)該高沸点物質分離塔Aの塔頂から抜出され、該ジフェニルカーボネート精製塔Bに導入される該塔頂成分(AT)の量が2.2トン/hr以上であり
(f)該ジフェニルカーボネート精製塔Bが、下記式(4)−(9)を満足する、長さLB(cm)、内径DB(cm)で、内部にインターナルを有するものであって、塔の中段に導入口B1、該導入口B1と塔底との間にサイドカット抜き出し口B2を有し、導入口B1から上部のインターナルの段数がn1、導入口B1とサイドカット抜き出し口B2との間のインターナルの段数がn2、サイドカット抜き出し口B2から下部のインターナルの段数がn3で、段数の合計(n1+n2+n3)がnBである連続多段蒸留塔である、
1000 ≦ LB ≦ 5000 式(4)
100 ≦ DB ≦ 1000 式(5)
5 ≦ n1 ≦ 20 式(6)
12 ≦ n2 ≦ 40 式(7)
3 ≦ n3 ≦ 15 式(8)
20 ≦ nB ≦ 70 式(9)
ことを特徴とする、高純度ジフェニルカーボネートの製造方法、
8.サイドカット成分(BS)として抜出される高純度ジフェニルカーボネートが、1時間あたり1トン以上である、ことを特徴とする前項に記載の方法、
9.該高沸点物質分離塔Aが、塔底温度(TA)185〜280℃、塔頂圧力(PA)1000〜20000Paで操作され、該ジフェニルカーボネート精製塔Bが、塔底温度(TB)185〜280℃、塔頂圧力(PB)1000〜20000Paで操作されることを特徴とする、前項またはに記載の方法、
10.該高沸点物質分離塔AのLA、DA、nA がそれぞれ、1000≦LA≦2500、 200≦DA≦600、 30≦nA≦70 であり、
該ジフェニルカーボネート精製塔BのLB、DB、n1、n2、n3、nB がそれぞれ、1500≦LB≦3000、 150≦DB≦500、 7≦n1≦15、 12≦n2≦30、 3≦n3≦10、 25≦nB≦55であり、
Aが190〜240℃、PAが2000〜15000Paであり、
Bが190〜240℃、PBが2000〜15000Paである、
ことを特徴とする、前項ないしのうち何れか一項に記載の方法、
11.該高沸点物質分離塔Aおよび該ジフェニルカーボネート精製塔Bが、それぞれ該インターナルとしてトレイおよび/または充填物を有する蒸留塔であることを特徴とする、前項ないし10のうち何れか一項に記載の方法、
12.該高沸点物質分離塔Aおよび該ジフェニルカーボネート精製塔Bのインターナルが、それぞれ充填物であることを特徴とする、前項11に記載の方法、
13.該充填物が、メラパック、ジェムパック、テクノパック、フレキシパック、スルザーパッキング、グッドロールパッキング、グリッチグリッドから選ばれた少なくとも一種の規則充填物であることを特徴とする、前項12に記載の方法、
を提供する。
本発明を実施することによって、均一系触媒の存在下、ジアルキルカーボネートとフェノールとのエステル交換反応および/またはアルキルフェニルカーボネートの不均化反応および/またはアルキルフェニルカーボネートとフェノールのエステル交換反応を行うことによって得られたジフェニルカーボネートを含む反応混合物から、高品質・高性能のポリカーボネートの原料となる高純度ジフェニルカーボネートを、1時間あたり1トン以上、好ましくは1時間あたり2トン以上、さらに好ましくは1時間あたり3トン以上の工業的規模で、2000時間以上、好ましくは3000時間以上、さらに好ましくは5000時間以上の長期間、安定的に製造できることが見出された。
以下、本発明について具体的に説明する。
本発明で用いられるジアルキルカーボネートとは、一般式(10)で表されるものである。
OCOOR (10)
ここで、R1は炭素数1〜10のアルキル基、炭素数3〜10の脂環族基、炭素数6〜10のアラールキル基を表す。このようなR1としては、たとえば、メチル、エチル、プロピル(各異性体)、アリル、ブチル(各異性体)、ブテニル(各異性体)、ペンチル(各異性体)、ヘキシル(各異性体)、ヘプチル(各異性体)、オクチル(各異性体)、ノニル(各異性体)、デシル(各異性体)、シクロヘキシルメチル等のアルキル基;シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル等の脂環族基;ベンジル、フェネチル(各異性体)、フェニルプロピル(各異性体)、フェニルブチル(各異性体)、メチルベンジル(各異性体)等のアラールキル基が挙げられる。なお、これらのアルキル基、脂環族基、アラールキル基において、他の置換基、たとえば、低級アルキル基、低級アルコキシ基、シアノ基、ハロゲン等で置換されていてもよいし、不飽和結合を有していてもよい。
このようなR1を有するジアルキルカーボネートとしては、たとえば、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジプロピルカーボネート(各異性体)、ジアリルカーボネート、ジブテニルカーボネート(各異性体)、ジブチルカーボネート(各異性体)、ジペンチルカーボネート(各異性体)、ジヘキシルカーボネート(各異性体)、ジヘプチルカーボネート(各異性体)、ジオクチルカーボネート(各異性体)、ジノニルカーボネート(各異性体)、ジデシルカーボネート(各異性体)、ジシクロペンチルカーボネート、ジシクロヘキシルカーボネート、ジシクロヘプチルカーボネート、ジベンジルカーボネート、ジフェネチルカーボネート(各異性体)、ジ(フェニルプロピル)カーボネート(各異性体)、ジ(フェニルブチル)カーボネート(各異性体)ジ(クロロベンジル)カーボネート(各異性体)、ジ(メトキシベンジル)カーボネート(各異性体)、ジ(メトキシメチル)カーボネート、ジ(メトキシエチル)カーボネート(各異性体)、ジ(クロロエチル)カーボネート(各異性体)、ジ(シアノエチル)カーボネート(各異性体)等が挙げられる
これらの中で、本発明において好ましく用いられるのは、R1がハロゲンを含まない炭素数4以下のアルキル基からなるジアルキルカーボネートであり、特に好ましいのはジメチルカーボネートである。また、好ましいジアルキルカーボネートのなかで、さらに好ましいのは、ハロゲンを実質的に含まない状態で製造されたジアルキルカーボネートであって、たとえば、ハロゲンを実質的に含まないアルキレンカーボネートとハロゲンを実質的に含まないアルコールから製造されたものである。
本発明で用いられるフェノールとは、フェニル基に1つのヒドロキシル基が結合しているものであって、フェノールおよび置換フェノールを意味する。置換フェノールとしては、たとえば、クレゾール(各異性体)、キシレノール(各異性体)、トリメチルフェノール(各異性体)、テトラメチルフェノール(各異性体)、エチルフェノール(各異性体)、プロピルフェノール(各異性体)、ブチルフェノール(各異性体)、ジエチルフェノール(各異性体)、メチルエチルフェノール(各異性体)、メチルプロピルフェノール(各異性体)、ジプロピルフェノール(各異性体)、メチルブチルフェノール(各異性体)、ペンチルフェノール(各異性体)、ヘキシルフェノール(各異性体)、シクロヘキシルフェノール(各異性体)等の各種アルキルフェノール類;メトキシフェノール(各異性体)、エトキシフェノール(各異性体)等の各種アルコキシフェノール類;フェニルプロピルフェノール(各異性体)等のアリールアルキルフェノール類が用いられる。これらの非置換および置換フェノールの中で、本発明において特に好ましく用いられるのは、非置換のフェノールである。また、これらのフェノール類の中で、本発明において好ましく用いられるのは、ハロゲンを実質的に含まないものである。
本発明で原料として用いられるジアルキルカーボネートとフェノールの量比はモル比で、0.1〜10であることが必要である。この範囲外では、目的とするジフェニルカーボネートの所定生産量に対して、残存する未反応の原料が多くなり、効率的でないし、またそれらを回収するために多くのエネルギーを要する。この意味で、このモル比は、0.5〜5がより好ましく、さらに好ましいのは、1〜3である。
本発明において用いられる触媒は、Pb、Cu、Zn、Fe、Co、Ni、Al、Ti、V、Sn等の金属を含有するものであって、反応系に溶解する均一系触媒である。従って、これらの金属成分が有機基と結合した触媒種が好ましく用いられる。もちろん、これらの触媒成分が反応系中に存在する有機化合物、たとえば、脂肪族アルコール類、フェノール類、アルキルフェニルカーボネート類、ジフェニルカーボネート類、ジアルキルカーボネート類等と反応したものであってもよいし、反応に先立って原料や生成物で加熱処理されたものであってもよい。本発明で用いられる触媒は、反応条件において反応液への溶解度の高いものであることが好ましい。この意味で好ましい触媒としては、たとえば、PbO、Pb(OH)2、Pb(OPh)2;TiCl4、Ti(OMe)、(MeO)Ti(OPh)、(MeO)Ti(OPh)、(MeO)Ti(OPh)、Ti(OPh)4;SnCl4、Sn(OPh)4、Bu2SnO、Bu2Sn(OPh)2;FeCl3、Fe(OH)3、Fe(OPh)3等、またはこれらをフェノールまたは反応液等で処理したもの等が挙げられる。
本発明では、ハロゲンを含まない原料と触媒を使用することが特に好ましく、この場合、製造されるジフェニルカーボネートは、ハロゲンを全く含まないため、エステル交換法でポリカーボネートを工業的に製造するときの原料として重要である。なぜならば、重合原料中にハロゲンが、たとえば、1ppmよりも少ない量であっても存在しておれば、重合反応を阻害したり、生成したポリカーボネートの物性を低下させたり着色の原因となるからである。
ジアルキルカーボネートとフェノールを原料とし、これらの均一系触媒を用いて、ジフェニルカーボネートを含む反応混合物を製造する方法については、どのようなものであってもよいが、工業的に実施するのに特に好ましいのは、本発明者らが先に提案した2基の連続多段蒸留塔を反応蒸留塔として用いる方法である。第1連続多段蒸留塔では、均一系触媒の存在下にジアルキルカーボネートとフェノールとのエステル交換反応を行い、アルキルフェニルカーボネートを主生成物とする塔底反応混合物を得、これを第2連続多段蒸留塔に導入して主として不均化反応によってジフェニルカーボネートとジメチルカーボネートに変換する方法である。もちろん、これらの反応蒸留塔内では、アルキルフェニルカーボネートとフェノールのエステル交換反応でジフェニルカーボネートが生成していてもよい。このようにして得られた第2連続多段蒸留塔の塔底反応混合物を本発明で用いるジフェニルカーボネートを含む反応混合物とすることが好ましい。
なお、不均化反応は同一分子種のエステル交換反応であるので、本発明で使用される「均一系触媒の存在下、ジアルキルカーボネートとフェノールとのエステル交換反応および/またはアルキルフェニルカーボネートの不均化反応および/またはアルキルフェニルカーボネートとフェノールのエステル交換反応を行うことによって得られたジフェニルカーボネートを含む反応混合物」とは、「均一系触媒の存在下にジアルキルカーボネートとフェノールを原料とするエステル交換反応で得られたジフェニルカーボネートを含む反応混合物」ということも可能である。以下、本発明で単に「反応混合物」といえば、このような反応混合物を意味することとする。
本発明で用いる反応混合物中には、ジフェニルカーボネートの他に、触媒、未反応原料、アルキルフェニルカーボネート、副生物等が含まれている。副生物としては、アルキルフェニルエーテル等の比較的沸点の低い副生物と、アルキルフェニルカーボネートやジフェニルカーボネートのフリース転移生成物やその誘導体、ジフェニルカーボネートの変生物、および構造不明の高沸点物質などの高沸点副生物がある。
たとえば、ジメチルカーボネートとフェノールを原料にして、ジフェニルカーボネートを製造する場合、反応副生物としてアニソール、サリチル酸メチル、サリチル酸フェニル、キサントン、メトキシ安息香酸フェニル、1−フェノキシカルボニル−2−フェノキシカルボキシ−フェニレン等が存在しており、通常、これらがさらに反応したと考えられる構造不明の高沸点副生物が少量含まれており、これらの副生物を除去することが必要である。本発明で用いられる反応混合物は、アルキルフェニルカーボネートより低沸点物質を1〜24質量%、アルキルフェニルカーボネートを10〜45質量%、ジフェニルカーボネートを50〜80質量%、ジフェニルカーボネートより高沸点物質と触媒成分を0.2〜10質量%含む混合物であることが必要である。
本発明の一つの実施態様では、この反応混合物を高沸点物質分離塔Aに連続的に導入し、ジフェニルカーボネートを含む塔頂成分(A)と触媒を含む塔底成分(A)に連続的に分離し、次いで該塔頂成分(A)を、サイドカット抜き出し口を有するジフェニルカーボネート精製塔Bに連続的に導入し、塔頂成分(B)、サイドカット成分(B)、塔底成分(B)の3つの成分に連続的に蒸留分離し、高純度ジフェニルカーボネートをサイドカット成分(B)として、連続的に1時間あたり1トン以上得るのである。そのためには、高沸点部室分離塔Aに導入される該反応混合物は、2.5トン/hr以上、好ましくは6トン/hr以上、さらに好ましくは10トン/hr以上であることが必要であり、しかも該高沸点物質分離塔Aと該ジフェニルカーボネート精製塔Bを、それぞれ特定の構造を有する連続多段蒸留塔とし、それらを組み合わせて用いることが必要である。導入量の上限は装置の大きさ、必要生産量等によって変わるが、通常、200トン/hrである。
図1は、本発明を実施するための高沸点物質分離塔Aとジフェニルカーボネート精製塔Bとを連結した連続分離・精製装置の例を示す概略図である。高沸点物質分離塔Aおよびジフェニルカーボネート精製塔Bの各々は、連続多段蒸留塔から構成され、それらの内部には、以下のものに限定されるわけではないが、この例においては、所定の理論段数を有する規則充填物からなるインターナルが設置されている。なお、各塔AおよびBは、本発明に係る製造方法を実施するためには、後述する構造を備える。
本発明に係る製造方法において、該高沸点物質分離塔Aは、下記式(1)−(3)を満足する、長さL(cm)、内径D(cm)で、内部に段数nのインターナルを有する連続多段蒸留塔であることが必要である。
800 ≦ L ≦ 3000 式(1)
100 ≦ D ≦ 1000 式(2)
20 ≦ n ≦ 100 式(3)
該該高沸点物質分離塔Aの塔頂成分(A)が、混合物100質量%に対して、アルキルフェニルカーボネートより低沸点物質を1.1〜25質量%、アルキルフェニルカーボネートを11〜47質量%、ジフェニルカーボネートを52〜84質量%含む混合物であることが必要である。
そして、該高沸点物質分離塔Aの塔頂から連続的に抜出され、該ジフェニルカーボネート精製塔Bに連続的に導入される該塔頂成分(A)の量が2.2トン/hr以上、好ましくは5.7トン/hr以上、さらに好ましくは9.5トン/hr以上である。
一方、本発明に係る製造方法において、該ジフェニルカーボネート精製塔Bは、下記式(4)−(9)を満足する、長さL(cm)、内径D(cm)で、内部にインターナルを有するものであって、塔の中段に導入口B1、該導入口B1と塔底との間にサイドカット抜き出し口B2を有し、導入口B1から上部のインターナルの段数がn1、導入口B1とサイドカット抜き出し口B2との間のインターナルの段数がn、サイドカット抜き出し口B2から下部のインターナルの段数がnで、段数の合計(n+n+n)がnである連続多段蒸留塔であることが必要である。
1000 ≦ L ≦ 5000 式(4)
100 ≦ D ≦ 1000 式(5)
5 ≦ n ≦ 20 式(6)
12 ≦ n ≦ 40 式(7)
3 ≦ n ≦ 15 式(8)
20 ≦ n ≦ 70 式(9)
これらの条件の全てを同時に満足させることによって、均一系触媒の存在下にジアルキルカーボネートとフェノールを原料とするエステル交換反応で得られたジフェニルカーボネートを含む反応混合物から高純度ジフェニルカーボネートを、1時間あたり1トン以上の工業的規模で、例えば2000時間以上、好ましくは3000時間以上、さらに好ましくは5000時間以上の長期間、安定的に製造できることが見出されたのである。本発明の方法を実施することによって、このような優れた効果を有する工業的規模での高純度ジフェニルカーボネートの精製および製造が可能になった理由は明らかではないが、式(1)〜(9)の条件を満足する高沸点物質分離塔Aと該ジフェニルカーボネート精製塔Bが組み合わさった時にもたらされる効果と反応混合物および塔頂成分(T)の組成と流量の各条件との複合効果のためであると推定される。なお、各々の要因の好ましい範囲は下記に示される。
(cm)が800より小さいと、内部に設置できるインターナルの高さに制限ができるため分離効率が低下するため好ましくないし、目的の分離効率を達成しつつ設備費を低下させるには、Lを3000より小さくすることが必要である。より好ましいL(cm)の範囲は、1000≦L≦2500 であり、さらに好ましくは、1200≦L≦2000 である。
(cm)が100よりも小さいと、目的とする生産量を達成できないし、目的の生産量を達成しつつ設備費を低下させるには、Dを1000より小さくすることが必要である。より好ましいD(cm)の範囲は、200≦D≦600 であり、さらに好ましくは、250≦D≦450 である。
が20より小さいと分離効率が低下するため目的とする高純度を達成できないし、目的の分離効率を達成しつつ設備費を低下させるには、nを100よりも小さくすることが必要である。さらにnが100よりも大きいと塔の上下における圧力差が大きくなりすぎるため、高沸点物質分離塔Aの長期安定運転が困難となるだけでなく、塔下部での温度を高くしなければならないため、副反応が起こりやすくなるので好ましくない。より好ましいnの範囲は、30≦n≦70 であり、さらに好ましくは、35≦n≦60 である。
(cm)が1000より小さいと、内部に設置できるインターナルの高さに制限ができるため分離効率が低下するため好ましくないし、目的の分離効率を達成しつつ設備費を低下させるには、Lを5000より小さくすることが必要である。より好ましいL(cm)の範囲は、1500≦L≦3000 であり、さらに好ましくは、1700≦L≦2500 である。
(cm)が100よりも小さいと、目的とする生産量を達成できないし、目的の生産量を達成しつつ設備費を低下させるには、Dを1000より小さくすることが必要である。より好ましいD(cm)の範囲は、150≦D≦500 であり、さらに好ましくは、200≦D≦400 である。
が20より小さいと塔全体としての分離効率が低下するため目的とする高純度を達成できないし、目的の分離効率を達成しつつ設備費を低下させるには、nを70よりも小さくすることが必要である。さらにnが70よりも大きいと塔の上下における圧力差が大きくなり、ジフェニルカーボネート精製塔Bの長期安定運転が困難となるだけでなく、塔下部での温度を高くしなければならないため、副反応が起こりやすくなるので好ましくない。より好ましいnの範囲は、25≦n≦55 であり、さらに好ましくは、30≦n≦50 である。さらに、目的とする高純度のジフェニルカーボネートを長時間安定的に得るためには、n1、n、nがそれぞれ、5≦n≦20、 12≦n≦40、 3≦n≦15 の範囲にあることが必要であることが判明した。より好ましい範囲は、 7≦n≦15、 12≦n≦30、 3≦n≦10 である。
なお、本発明を実施する際、該高沸点物質分離塔Aが、塔底温度(T)185〜280℃、塔頂圧力(P)1000〜20000Paで操作され、該ジフェニルカーボネート精製塔Bが、塔底温度(T)185〜280℃、塔頂圧力(P)1000〜20000Paで操作されることが好ましい。
が185度よりも低いと塔頂圧力をより低くしなければならないため高真空を保持する設備にしなければならないし、また設備が大きくなるので好ましくなく、280℃より高くすると蒸留時に高沸点副生物が生成するので好ましくない。より好ましいTは190〜240℃、であり、さらに好ましくは195〜230℃の範囲である。
が1000Paよりも低いと高真空を保持できる大きな設備となり好ましくなく、20000Paより高いと蒸留温度が高くなり副生物が増加するので好ましくない。より好ましいPは2000〜15000Paであり、さらに好ましくは3000〜13000Paの範囲である。
が185度よりも低いと塔頂圧力をより低くしなければならないため高真空を保持する設備にしなければならないし、また設備が大きくなるので好ましくなく、280℃より高くすると蒸留時に高沸点副生物が生成するので好ましくない。より好ましいTは190〜240℃、であり、さらに好ましくは195〜230℃の範囲である。
が1000Paよりも低いと高真空を保持できる大きな設備となり好ましくなく、20000Paより高いと蒸留温度が高くなり副生物が増加するので好ましくない。より好ましいPは2000〜15000Paであり、さらに好ましくは3000〜13000Paの範囲である。
なお、高沸点物質分離塔Aとジフェニルカーボネート精製塔Bにおいて、DおよびDが上記の範囲にある限り、塔の上部から下部までそれぞれ同じ内径であってもよいし、部分的に内径が異なっていてもよい。例えば、これらの連続多段蒸留塔において、塔上部の内径が塔下部の内径よりも小さくてもよいし、大きくてもよい。
本発明で用いる高沸点物質分離塔Aとジフェニルカーボネート精製塔Bは、それぞれインターナルとしてトレイおよび/または充填物を有する蒸留塔である。本発明でいうインターナルとは、蒸留塔において実際に気液の接触を行わせる部分のことを意味する。このようなトレイとしては、たとえば、泡鍾トレイ、多孔板トレイ、バルブトレイ、向流トレイ、スーパーフラックトレイ、マックスフラックトレイ等が好ましく、充填物としては、ラシヒリング、レッシングリング、ポールリング、ベルルサドル、インタロックスサドル、ディクソンパッキング、マクマホンパッキング、ヘリパック等の不規則充填物やメラパック、ジェムパック、テクノパック、フレキシパック、スルザーパッキング、グッドロールパッキング、グリッチグリッド等の規則充填物が好ましい。トレイ部と充填物の充填された部分とを合わせ持つ多段蒸留塔も用いることができる。なお、本発明で用いる用語「インターナルの段数n」とは、トレイの場合は、トレイの数を意味し、充填物の場合は、理論段数を意味する。したがって、トレイ部と充填物の充填された部分とを合わせ持つ連続多段蒸留塔の場合、nはトレイの数と、理論段数の合計である。
本発明の高沸点物質分離塔Aはインターナルとして充填物を有するものが好ましく、さらに充填物として規則充填物が好ましいことも判明した。また、ジフェニルカーボネート精製塔Bはインターナルとして充填物であることが好ましく、さらに1基または2基以上の規則充填物が好ましいことが見出された。
均一系触媒の存在下、ジアルキルカーボネートとフェノールを原料とするエステル交換反応を、第1反応蒸留塔と第2反応蒸留塔の2基の反応蒸留塔を用いる方法で行うことは、本発明の原料となる反応混合物を得るのに好ましい方法である。この第2反応蒸留塔の塔底から連続的に抜出される反応混合物には、反応混合物100質量%に対して、通常、ジアルキルカーボネートが0.05〜2質量%、フェノールが1〜20質量%、アルキルフェニルエーテルが0.05〜2質量%、アルキルフェニルカーボネートが10〜45質量%、ジフェニルカーボネートが50〜80質量%、高沸点副生物が0.1〜5質量%、触媒が0.001〜5質量%含まれているので、この連続的に抜出された塔底液を、そのまま本発明の反応混合物として高沸点分離塔Aに連続的に供給することが好ましい。
該反応混合物の組成は、ジアルキルカーボネートとフェノールとのエステル交換反応の条件、触媒の種類と量等によって変化するが、一定の条件下でエステル交換反応が行われる限り、ほぼ一定の組成の反応混合物が製造できるので、高沸点物質分離塔Aに供給される反応混合物の組成はほぼ一定である。しかしながら、本発明においては、反応混合物の組成が上記の範囲内であれば、それが変動しても、ほぼ同様の分離効率で分離できる。このことは本発明の特徴の1つである。
本発明において、原料である反応混合物を高沸点物質分離塔A内に連続的に供給するには、該分離塔Aの中間部より下部に設置された1箇所または数箇所の導入口から、液状で供給してもよいし、該分離塔Aのリボイラーの下部に設けた配管からリボイラーを経て塔内に供給することも好ましい方法である。高沸点物質分離塔Aに供給される反応混合物の量は、製造すべき高純度ジフェニルカーボネートの生産量、該反応混合物中のジフェニルカーボネートの濃度、該分離塔Aの分離条件等によって変化するが、通常約2トン/hr以上、好ましくは約6トン/hr以上、さらに好ましくは約10トン/hr以上である。高沸点物質分離塔Aに連続的に供給された反応混合物は、ジフェニルカーボネートの大部分と未反応原料、アルキルフェニルエーテル、アルキルフェニルカーボネート等のジフェニルカーボネートよりも沸点の低い化合物の大部分からなる塔頂成分(A)と、少量のジフェニルカーボネートと触媒と高沸点副生物とを含む塔底成分(A)に分離される。塔底成分(A)中には少量のアルキルフェニルカーボネートが含まれていてもよい。塔底成分中のこれらの有機物は触媒成分を溶解させ液状に保つのに役立っている。この塔底成分(A)の、全量または一部はエステル交換反応の触媒成分として、通常そのままで第1塔目の反応蒸留塔に循環再使用されるが、場合によっては触媒回収工程で有機物と分離した後、触媒として再生され、第1塔目の反応蒸留塔に循環再使用される。
本発明においては、サリチル酸フェニル、キサントン、メトキシ安息香酸フェニル、1−フェノキシカルボニル−2−フェノキシカルボキシ−フェニレン等のジフェニルカーボネートより高沸点の副生物と触媒成分は、この高沸点物質分離塔Aで、ほぼ完全に塔底成分(A)として分離され、塔頂成分(A)中の含有量を通常200ppm以下、好ましくは100ppm以下、より好ましくは50ppm以下にすることが容易にできるのが本発明の特徴の1つである。塔頂成分(A)中にこれらの高沸点副生物を殆ど含ませないで、しかも、導入された反応混合物中のジフェニルカーボネートの大部分を塔頂から抜き出すことができることも本発明の特徴の1つである。本発明においては、高沸点物質分離塔Aに連続的に供給された反応混合物中のジフェニルカーボネートの95%以上、好ましくは96%以上、さらに好ましくは98%以上を塔頂から抜出すことができる。また、本発明においては、該分離塔Aに供給される反応混合物の組成に依存することではあるが、連続的に供給された液の通常、90〜97質量%が塔頂成分(A)として塔頂から連続的に抜出され、10〜3質量%が塔底成分(A)として塔底から連続的に抜出される。塔頂成分(A)の組成は、塔頂成分(A)100重量%に対して、通常、ジアルキルカーボネートが、0.05〜1質量%、フェノールが1〜10質量%、アルキルフェニルエーテルが0.05から0.5質量%、アルキルフェニルカーボネートが20〜40質量%、ジフェニルカーボネートが50〜80質量%であり、高沸点副生物の含有量は通常200ppm以下、好ましくは100ppm以下、より好ましくは50ppmである。
本発明においては、高沸点物質分離塔Aの還流比は0.01〜10の範囲であり、好ましくは0.08〜5、さらに好ましくは、0.1〜3の範囲である。
高沸点物質分離塔Aの塔頂から連続的に抜出される塔頂成分(A)の量は、前記のとおり該分離塔Aに供給された反応混合物の通常約90〜97%であるが、これがそのままジフェニルカーボネート精製塔Bの中段に設けられた導入口B1から該精製塔Bに連続的に供給され、塔頂成分(B)、サイドカット成分(B)、塔底成分(B)の3成分に連続的に分離される。該精製塔Bに供給された該分離塔Aの塔頂成分(A)に含まれていたジフェニルカーボネートよりも低沸点の成分は全て塔頂成分(B)として塔頂から連続的に抜出され、塔底からは、少量の液体が連続的に抜出される。塔頂成分(B)中には、少量のジフェニルカーボネートが含まれ、その量は供給されたジフェニルカーボネートに対して、通常、1〜9%、好ましくは3〜8%である。この塔頂成分(B)中のジフェニルカーボネートは、塔頂成分(B)を分離する別の蒸留塔で分離され、回収されるが、この別の蒸留塔の塔底成分として分離し、それを高沸点物質分離塔Aおよび/またはジフェニルカーボネート精製塔Bに戻すことによって回収することも好ましい方法である。
塔底成分(B)はジフェニルカーボネートと、数%程度に濃縮された少量の高沸点副生物からなっている。塔底から抜出される塔底成分(B)の中のジフェニルカーボネートの量が非常に少なくてすむことも本発明の特徴の1つであり、その量は供給されたジフェニルカーボネートに対して、通常、0.05〜0.5%である。
サイドカット抜き出し口B2からは、高純度ジフェニルカーボネートが通常1トン/hr以上、好ましくは3トン/hr以上、さらに好ましくは5トン/以上の流量で連続的に抜出され、この量は該精製塔Bに供給されたジフェニルカーボネートの通常、約90〜96%に相当する。
本発明において、サイドカット成分(B)として得られるジフェニルカーボネートの純度は、通常、99.9%以上であり、好ましくは99.99%以上で、より好ましくは99.999%以上である。ジメチルカーボネートとフェノールを原料として本発明を実施した時の高沸点不純物の含有量は、サリチル酸フェニルが、30ppm以下、好ましくは10ppm以下、さらに好ましくは1ppm以下であり、キサントンが30ppm以下、好ましくは10ppm以下、さらに好ましくは1ppm以下であり、メトキシ安息香酸フェニルが30ppm以下、好ましくは10ppm以下、さらに好ましくは1ppm以下であり、1−フェノキシカルボニル−2−フェノキシカルボキシ−フェニレンが30ppm以下、好ましくは10ppm以下、さらに好ましくは5ppm以下である。そして、これら高沸点副生物の合計含有量は100ppm以下、好ましくは50ppm以下、さらに好ましくは10ppm以下である。なお、本発明で用いる用語「高純度ジフェニルカーボネート」とは、その純度が99.9%以上であって、ジメチルカーボネートとフェノールを原料として得られたジフェニルカーボネートの場合、その高沸点副生物の含有量が、100ppm以下であるジフェニルカーボネートをいう。
また、本発明では通常ハロゲンを含まない原料と触媒を使用するので、得られるジフェニルカーボネートのハロゲン含有量は0.1ppm以下であり、好ましくは10ppb以下であり、さらに好ましくは1ppb以下である。
本発明においては、ジフェニルカーボネート精製塔Bの還流比は0.01〜10の範囲であり、好ましくは0.1〜8、さらに好ましくは、0.5〜5の範囲である。
本発明で用いられる高沸点物質分離塔Aとジフェニルカーボネート精製塔Bおよび接液部を構成する材料は、主に炭素鋼、ステンレススチールなどの金属材料であるが、製造するジフェニルカーボネートの品質の面からは、ステンレススチールが好ましい。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
ジフェニルカーボネートの純度、不純物の含有量はガスクロマトグラフィー法で、ハロゲン含有量は、イオンクロマトグラフィー法でそれぞれ測定した。
[実施例1]
<高沸点物質分離塔A>
図1に示されるようなL=1700cm、D=340cmで、インターナルとして、n=30のメラパックを設置した連続多段蒸留塔を該分離塔Aとして用いた。
<ジフェニルカーボネート精製塔B>
図1に示されるようなL=2200cm、D=280cm、インターナルとして、n=12、n=18、n=5である3基のメラパックを設置した連続多段蒸留塔を該精製塔Bとして用いた。
<反応蒸留>
2基の反応蒸留塔(第1反応蒸留塔と第2反応蒸留塔)が接続された装置を用いて、触媒としてPb(OPh)を第1反応蒸留塔内の反応液中に100ppm含有させ、ジメチルカーボネートとフェノールを原料とする反応蒸留を行い、第2反応蒸留塔の塔底からジフェニルカーボネートを含む反応混合物を13.1トン/hrで連続的に抜出した。なお、この反応に用いた原料および触媒からは、ハロゲンは検出できなかった。
この反応混合物の組成は、メチルフェニルカーボネートより低沸点物質が6.5質量%(ジメチルカーボネート:0.1質量%、アニソール:0.1質量%、フェノール:6.3質量%)、メチルフェニルカーボネートが32.2質量%、ジフェニルカーボネートが58.6質量%、触媒を含むジフェニルカーボネートより高沸点物質が2.7質量%であった。
<分離・精製>
図1に示される高沸点物質分離塔Aとジフェニルカーボネート精製塔Bからなる装置を用いて、上記の反応蒸留で得られた反応混合物を導入口A1から該分離塔Aに13.1トン/hrで連続的に導入した。該分離塔Aにおいて塔底部の温度(T)を206℃、塔頂部の圧力(P)を3800Paとし、還流比0.6で連続的に蒸留を行い、導管16を通して塔頂成分(A)を12.5トン/hrで連続的に抜き出し、導管11を通して塔底成分(A)を0.6トン/hrで連続的に抜き出した。該塔頂成分(A)は、そのまま導入口B1から該精製塔Bに連続的に導入された。該精製塔Bにおいて塔底部の温度(T)を213℃、塔頂部の圧力(P)を5000Paとし、還流比1.5で連続的に蒸留を行い、導管26を通して塔頂成分(B)を5.3トン/hrで連続的に抜き出し、導管31を通して塔底成分(B)を0.03トン/hrで連続的に抜き出し、導管33を通してサイドカット成分(B)を7.17トン/hrで連続的に抜き出した。
系が完全に安定した24時間後の各成分の組成は次のとおりであった。
:メチルフェニルカーボネートより低沸点物質6.8質量%(ジメチルカーボネート:0.1質量%、アニソール:0.1質量%、フェノール:6.6質量%)、メチルフェニルカーボネート33.8質量%、ジフェニルカーボネート59.4質量%。
:ジフェニルカーボネート41.0質量%、サリチル酸フェニル、キサントン、メトキシ安息香酸フェニル、1−フェノキシカルボニル−2−フェノキシカルボキシ−フェニレン等のジフェニルカーボネートより高沸点の副生物および、触媒成分を含む高沸点物質59.0質量%。
:ジメチルカーボネート0.25質量%、アニソール0.25質量%、フェノール15.6質量%、メチルフェニルカーボネート79.6質量%、ジフェニルカーボネート4.3質量%。
:ジフェニルカーボネート95.0質量%、高沸点物質5.0質量%。
サイドカット成分中のサリチル酸フェニル、キサントン、メトキシ安息香酸フェニルの含有量はいずれも1ppm以下であり、1−フェノキシカルボニル−2−フェノキシカルボキシ−フェニレンは4ppmであった。また、ハロゲンの含有量は1ppb以下であった。このことから、サイドカットから得られたジフェニルカーボネートの純度は99.999%以上であることがわかった。また、この高純度ジフェニルカーボネートの生産量は、1時間あたり7.17トンであった。
この条件で長期間の連続運転を行った。500時間後、2000時間後、4000時間後、5000時間後、6000時間後のジフェニルカーボネートの生産量および純度は実質的に全く変わっていなかった。
[実施例2]
<反応蒸留>
2基の反応蒸留塔(第1反応蒸留塔と第2反応蒸留塔)が接続された装置を用いて、触媒としてPb(OPh)を第1反応蒸留塔内の反応液中に250ppm含有させ、ジメチルカーボネートとフェノールを原料とする反応蒸留を行い、第2反応蒸留塔の塔底からジフェニルカーボネートを含む反応混合物を11.3トン/hrで連続的に抜出した。なお、この反応に用いた原料および触媒からは、ハロゲンは検出できなかった。
この反応混合物の組成は、メチルフェニルカーボネートより低沸点物質が2.7質量%(ジメチルカーボネート:0.1質量%、アニソール:0.1質量%、フェノール:2.5質量%)、メチルフェニルカーボネートが33.2質量%、ジフェニルカーボネートが62.5質量%、触媒を含むジフェニルカーボネートより高沸点物質が1.6質量%であった。
<分離・精製>
実施例1と同じ高沸点物質分離塔Aとジフェニルカーボネート精製塔Bからなる装置を用いて、上記の反応蒸留で得られた反応混合物を導入口A1から該分離塔Aに11.3トン/hrで連続的に導入した。該分離塔Aにおいて塔底部の温度(T)を205℃、塔頂部の圧力(P)を4000Paとし、還流比0.7で連続的に蒸留を行い、導管16を通して塔頂成分(A)を11.0トン/hrで連続的に抜き出し、導管11を通して塔底成分(A)を0.3トン/hrで連続的に抜き出した。該塔頂成分(A)は、そのまま導入口B1から該精製塔Bに連続的に導入された。該精製塔Bにおいて塔底部の温度(T)を210℃、塔頂部の圧力(P)を4500Paとし、還流比2.0で連続的に蒸留を行い、導管26を通して塔頂成分(B)を4.7トン/hrで連続的に抜き出し、導管31を通して塔底成分(B)を0.03トン/hrで連続的に抜き出し、導管33を通してサイドカット成分(B)を6.27トン/hrで連続的に抜き出した。
系が完全に安定した24時間後の各成分の組成は次のとおりであった。
:メチルフェニルカーボネートより低沸点物質2.8質量%(ジメチルカーボネート:0.1質量%、アニソール:0.1質量%、フェノール:2.6質量%)、メチルフェニルカーボネート34.1質量%、ジフェニルカーボネート63.1質量%。
:ジフェニルカーボネート40.2質量%、サリチル酸フェニル、キサントン、メトキシ安息香酸フェニル、1−フェノキシカルボニル−2−フェノキシカルボキシ−フェニレン等のジフェニルカーボネートより高沸点の副生物および、触媒成分を含む高沸点物質59.8質量%。
:ジメチルカーボネート0.3質量%、アニソール0.2質量%、フェノール6.1質量%、メチルフェニルカーボネート79.8質量%、ジフェニルカーボネート13.6質量%。
:ジフェニルカーボネート96.0質量%、高沸点物質4.0質量%。
サイドカット成分中のサリチル酸フェニル、キサントン、メトキシ安息香酸フェニルの含有量はいずれも1ppm以下であり、1−フェノキシカルボニル−2−フェノキシカルボキシ−フェニレンは3ppmであった。また、ハロゲンの含有量は1ppb以下であった。このことから、サイドカットから得られたジフェニルカーボネートの純度は99.999%以上であることがわかった。また、この高純度ジフェニルカーボネートの生産量は、1時間あたり6.27トンであった。
この条件で長期間の連続運転を行った。500時間後、1000時間後、2000時間後のジフェニルカーボネートの生産量および純度は実質的に全く変わっていなかった。
[実施例3]
<反応蒸留>
2基の反応蒸留塔(第1反応蒸留塔と第2反応蒸留塔)が接続された装置を用いて、触媒としてPb(OPh)を第1反応蒸留塔内の反応液中に150ppm含有させ、ジメチルカーボネートとフェノールを原料とする反応蒸留を行い、第2反応蒸留塔の塔底からジフェニルカーボネートを含む反応混合物を17.2トン/hrで連続的に抜出した。なお、この反応に用いた原料および触媒からは、ハロゲンは検出できなかった。
この反応混合物の組成は、メチルフェニルカーボネートより低沸点物質が6.9質量%(ジメチルカーボネート:0.2質量%、アニソール:0.1質量%、フェノール:6.6質量%)、メチルフェニルカーボネートが30.2質量%、ジフェニルカーボネートが60.1質量%、触媒を含むジフェニルカーボネートより高沸点物質が2.8質量%であった。
<分離・精製>
実施例1と同じ高沸点物質分離塔Aとジフェニルカーボネート精製塔Bからなる装置を用いて、上記の反応蒸留で得られた反応混合物を導入口A1から該分離塔Aに17.2トン/hrで連続的に導入した。該分離塔Aにおいて塔底部の温度(T)を207℃、塔頂部の圧力(P)を4100Paとし、還流比0.61で連続的に蒸留を行い、導管16を通して塔頂成分(A)を16.4トン/hrで連続的に抜き出し、導管11を通して塔底成分(A)を0.8トン/hrで連続的に抜き出した。該塔頂成分(A)は、そのまま導入口B1から該精製塔Bに連続的に導入された。該精製塔Bにおいて塔底部の温度(T)を220℃、塔頂部の圧力(P)を6600Paとし、還流比1.49で連続的に蒸留を行い、導管26を通して塔頂成分(B)を7.1トン/hrで連続的に抜き出し、導管31を通して塔底成分(B)を0.05トン/hrで連続的に抜き出し、導管33を通してサイドカット成分(B)を9.25トン/hrで連続的に抜き出した。
系が完全に安定した24時間後の各成分の組成は次のとおりであった。
:メチルフェニルカーボネートより低沸点物質7.2質量%(ジメチルカーボネート:0.2質量%、アニソール:0.1質量%、フェノール:6.9質量%)、メチルフェニルカーボネート31.7質量%、ジフェニルカーボネート61.1質量%。
:ジフェニルカーボネート39.80質量%、サリチル酸フェニル、キサントン、メトキシ安息香酸フェニル、1−フェノキシカルボニル−2−フェノキシカルボキシ−フェニレン等のジフェニルカーボネートより高沸点の副生物および、触媒成分を含む高沸点物質61.2質量%。
:ジメチルカーボネート0.5質量%、アニソール0.2質量%、フェノール16.0質量%、メチルフェニルカーボネート73.2質量%、ジフェニルカーボネート10.1質量%。
:ジフェニルカーボネート94.0質量%、高沸点物質6.0質量%。
サイドカット成分中のサリチル酸フェニル、キサントン、メトキシ安息香酸フェニルの含有量はいずれも1ppm以下であり、1−フェノキシカルボニル−2−フェノキシカルボキシ−フェニレンは4ppmであった。また、ハロゲンの含有量は1ppb以下であった。このことから、サイドカットから得られたジフェニルカーボネートの純度は99.999%以上であることがわかった。また、この高純度ジフェニルカーボネートの生産量は、1時間あたり9.25トンであった。
この条件で長期間の連続運転を行った。500時間後、1000時間後、2000時間後のジフェニルカーボネートの生産量および純度は実質的に全く変わっていなかった。
本発明は、ジアルキルカーボネートとフェノールを原料とするエステル交換反応等で得られた、触媒と反応副生物を含有する反応混合物から、高品質・高性能ポリカーボネートの原料として使用できる高純度のジフェニルカーボネートを、1トン/hrの工業的規模で長期間安定的に製造できる具体的な方法として好適に利用できる。
本発明を実施するための高沸点物質分離塔Aとジフェニルカーボネート精製塔Bとを連結した連続分離・精製装置の例を示す概略図である。例示として、各連続多段蒸留塔の内部には所定の理論段数を有する規則充填物からなるインターナルが設置されている。A1、B1:導入口、B2:抜出し口、11:高沸点物質分離塔Aの塔底成分抜出し口、13、23:塔頂ガス抜出し口、14、24、18、28、38:熱交換器、15、25:還流液導入口、16:高沸点物質分離塔Aの塔頂成分抜出し口、17、27:塔底液抜出し口、26:ジフェニルカーボネート精製塔Bの塔頂成分抜出し口、31:ジフェニルカーボネート精製塔Bの塔底成分抜出し口、33:ジフェニルカーボネート精製塔Bのサイドカット成分抜出し口

Claims (13)

  1. 均一系触媒の存在下、ジアルキルカーボネートとフェノールとのエステル交換反応および/またはアルキルフェニルカーボネートの不均化反応および/またはアルキルフェニルカーボネートとフェノールのエステル交換反応を行うことによって得られたジフェニルカーボネートを含む反応混合物から高純度ジフェニルカーボネートを連続的に製造する方法において、該反応混合物を高沸点物質分離塔Aに連続的に導入し、ジフェニルカーボネートを含む塔頂成分(AT)と触媒を含む塔底成分(AB)に連続的に蒸留分離し、次いで該塔頂成分(AT)を、サイドカット抜き出し口を有するジフェニルカーボネート精製塔Bに連続的に導入し、塔頂成分(BT)、サイドカット成分(BS)、塔底成分(BB)の3つの成分に連続的に蒸留分離するにあたり、
    (a)該反応混合物が、該反応混合物100質量%に対して、アルキルフェニルカーボネートより低沸点物質を1.1〜24質量%、アルキルフェニルカーボネートを10〜45質量%、ジフェニルカーボネートを50〜80質量%、ジフェニルカーボネートより高沸点物質と触媒成分を0.2〜10質量%含む混合物であり、
    (b)該高沸点物質分離塔Aに連続的に導入される該反応混合物の量が2.5トン/hr以上であり、
    (c)該高沸点物質分離塔Aが、下記式(1)−(3)を満足する、長さLA(cm)、内径DA(cm)で、内部に段数nAのインターナルを有する連続多段蒸留塔であり、
    800 ≦ LA ≦ 3000 式(1)
    100 ≦ DA ≦ 1000 式(2)
    20 ≦ nA ≦ 100 式(3)
    (d)該塔頂成分(AT)が、該塔頂成分(AT)100質量%に対して、アルキルフェニルカーボネートより低沸点物質を1.1〜25質量%、アルキルフェニルカーボネートを11〜47質量%、ジフェニルカーボネートを52〜84質量%含む混合物であり、
    (e)該高沸点物質分離塔Aの塔頂から連続的に抜出され、該ジフェニルカーボネート精製塔Bに連続的に導入される該塔頂成分(AT)の量が2.2トン/hr以上であり
    (f)該ジフェニルカーボネート精製塔Bが、下記式(4)−(9)を満足する、長さLB(cm)、内径DB(cm)で、内部にインターナルを有するものであって、塔の中段に導入口B1、該導入口B1と塔底との間にサイドカット抜き出し口B2を有し、導入口B1から上部のインターナルの段数がn1、導入口B1とサイドカット抜き出し口B2との間のインターナルの段数がn2、サイドカット抜き出し口B2から下部のインターナルの段数がn3で、段数の合計(n1+n2+n3)がnBである連続多段蒸留塔であり、
    1000 ≦ LB ≦ 5000 式(4)
    100 ≦ DB ≦ 1000 式(5)
    5 ≦ n1 ≦ 20 式(6)
    12 ≦ n2 ≦ 40 式(7)
    3 ≦ n3 ≦ 15 式(8)
    20 ≦ nB ≦ 70 式(9)
    (g)サイドカット成分(BS)として連続的に抜出される高純度ジフェニルカーボネートが、1時間あたり1トン以上である、
    ことを特徴とする、高純度ジフェニルカーボネートの工業的製造法。
  2. 該高沸点物質分離塔Aが、塔底温度(TA)185〜280℃、塔頂圧力(PA)1000〜20000Paで操作され、該ジフェニルカーボネート精製塔Bが、塔底温度(TB)185〜280℃、塔頂圧力(PB)1000〜20000Paで操作されることを特徴とする、請求項1記載の方法。
  3. 該高沸点物質分離塔AのLA、DA、nA がそれぞれ、1000≦LA≦2500、 200≦DA≦600、 30≦nA≦70 であり、
    該ジフェニルカーボネート精製塔BのLB、DB、n1、n2、n3、nB がそれぞれ、1500≦LB≦3000、 150≦DB≦500、 7≦n1≦15、 12≦n2≦30、 3≦n3≦10、 25≦nB≦55であり、
    Aが190〜240℃、PAが2000〜15000Paであり、
    Bが190〜240℃、PBが2000〜15000Paである、
    ことを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
  4. 該高沸点物質分離塔Aおよび該ジフェニルカーボネート精製塔Bが、それぞれ該インターナルとしてトレイおよび/または充填物を有する蒸留塔であることを特徴とする、請求項1ないし3のうち何れか一項に記載の方法。
  5. 該高沸点物質分離塔Aおよび該ジフェニルカーボネート精製塔Bのインターナルが、それぞれ充填物であることを特徴とする、請求項4に記載の方法。
  6. 該充填物が、メラパック、ジェムパック、テクノパック、フレキシパック、スルザーパッキング、グッドロールパッキング、グリッチグリッドから選ばれた少なくとも一種の規則充填物であることを特徴とする、請求項5に記載の方法。
  7. 高純度ジフェニルカーボネートの製造方法であって、
    (1)ジフェニルカーボネートを含む反応混合物を得るように、均一系触媒の存在下、ジアルキルカーボネートとフェノールとのエステル交換反応および/またはアルキルフェニルカーボネートの不均化反応および/またはアルキルフェニルカーボネートとフェノールのエステル交換反応を実行する工程と、
    (2)該反応混合物を高沸点物質分離塔Aに導入し、ジフェニルカーボネートを含む塔頂成分(AT)と触媒を含む塔底成分(AB)に蒸留分離する工程と、
    (3)該塔頂成分(AT)を、サイドカット抜き出し口を有するジフェニルカーボネート精製塔Bに導入し、塔頂成分(BT)、サイドカット成分(BS)、塔底成分(BB)の3つの成分に連続的に蒸留分離する工程と、含み、
    (a)該反応混合物が、該反応混合物100質量%に対して、アルキルフェニルカーボネートより低沸点物質を1.1〜24質量%、アルキルフェニルカーボネートを10〜45質量%、ジフェニルカーボネートを50〜80質量%、ジフェニルカーボネートより高沸点物質と触媒成分を0.2〜10質量%含む混合物であり、
    (b)該高沸点物質分離塔Aに導入される該反応混合物の量が2.5トン/hr以上であり、
    (c)該高沸点物質分離塔Aが、下記式(1)−(3)を満足する、長さLA(cm)、内径DA(cm)で、内部に段数nAのインターナルを有する連続多段蒸留塔であり、
    800 ≦ LA ≦ 3000 式(1)
    100 ≦ DA ≦ 1000 式(2)
    20 ≦ nA ≦ 100 式(3)
    (d)該塔頂成分(AT)が、該塔頂成分(AT)100質量%に対して、アルキルフェニルカーボネートより低沸点物質を1.1〜25質量%、アルキルフェニルカーボネートを11〜47質量%、ジフェニルカーボネートを52〜84質量%含む混合物であり、
    (e)該高沸点物質分離塔Aの塔頂から抜出され、該ジフェニルカーボネート精製塔Bに導入される該塔頂成分(AT)の量が2.2トン/hr以上であり
    (f)該ジフェニルカーボネート精製塔Bが、下記式(4)−(9)を満足する、長さLB(cm)、内径DB(cm)で、内部にインターナルを有するものであって、塔の中段に導入口B1、該導入口B1と塔底との間にサイドカット抜き出し口B2を有し、導入口B1から上部のインターナルの段数がn1、導入口B1とサイドカット抜き出し口B2との間のインターナルの段数がn2、サイドカット抜き出し口B2から下部のインターナルの段数がn3で、段数の合計(n1+n2+n3)がnBである連続多段蒸留塔である、
    1000 ≦ LB ≦ 5000 式(4)
    100 ≦ DB ≦ 1000 式(5)
    5 ≦ n1 ≦ 20 式(6)
    12 ≦ n2 ≦ 40 式(7)
    3 ≦ n3 ≦ 15 式(8)
    20 ≦ nB ≦ 70 式(9)
    ことを特徴とする、高純度ジフェニルカーボネートの製造方法。
  8. サイドカット成分(BS)として抜出される高純度ジフェニルカーボネートが、1時間あたり1トン以上である、ことを特徴とする請求項に記載の方法。
  9. 該高沸点物質分離塔Aが、塔底温度(TA)185〜280℃、塔頂圧力(PA)1000〜20000Paで操作され、該ジフェニルカーボネート精製塔Bが、塔底温度(TB)185〜280℃、塔頂圧力(PB)1000〜20000Paで操作されることを特徴とする、請求項またはに記載の方法。
  10. 該高沸点物質分離塔AのLA、DA、nA がそれぞれ、1000≦LA≦2500、 200≦DA≦600、 30≦nA≦70 であり、
    該ジフェニルカーボネート精製塔BのLB、DB、n1、n2、n3、nB がそれぞれ、1500≦LB≦3000、 150≦DB≦500、 7≦n1≦15、 12≦n2≦30、 3≦n3≦10、 25≦nB≦55であり、
    Aが190〜240℃、PAが2000〜15000Paであり、
    Bが190〜240℃、PBが2000〜15000Paである、
    ことを特徴とする、請求項ないしのうち何れか一項に記載の方法。
  11. 該高沸点物質分離塔Aおよび該ジフェニルカーボネート精製塔Bが、それぞれ該インターナルとしてトレイおよび/または充填物を有する蒸留塔であることを特徴とする、請求項ないし10のうち何れか一項に記載の方法。
  12. 該高沸点物質分離塔Aおよび該ジフェニルカーボネート精製塔Bのインターナルが、それぞれ充填物であることを特徴とする、請求項11に記載の方法。
  13. 該充填物が、メラパック、ジェムパック、テクノパック、フレキシパック、スルザーパッキング、グッドロールパッキング、グリッチグリッドから選ばれた少なくとも一種の規則充填物であることを特徴とする、請求項12に記載の方法。
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