JPH11222443A - 経皮吸収促進組成物および経皮吸収製剤 - Google Patents

経皮吸収促進組成物および経皮吸収製剤

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JPH11222443A
JPH11222443A JP31736898A JP31736898A JPH11222443A JP H11222443 A JPH11222443 A JP H11222443A JP 31736898 A JP31736898 A JP 31736898A JP 31736898 A JP31736898 A JP 31736898A JP H11222443 A JPH11222443 A JP H11222443A
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pyrrolidone
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percutaneous absorption
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menthol
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JP31736898A
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Inventor
Takeshi Nagai
猛 永井
Akihiko Kusunoki
彰彦 楠
Hitoshi Yamauchi
仁史 山内
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Saitama Daiichi Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Saitama Daiichi Pharmaceutical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】新規な経皮吸収促進組成物および経皮吸収製剤
を提供することにある。 【解決手段】l−メントールおよびピロリドン類を含有
する経皮吸収促進組成物である。また、この組成物と生
理活性物質とを含有させた経皮吸収製剤である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な経皮吸収促
進組成物および経皮吸収製剤に関するものである。さら
に詳しくいえば、本発明は、生理活性を有する物質(薬
物)の経皮吸収を促進させ、局所部位、あるいは循環系
を通して全身に速やかに送達させうる経皮吸収促進組成
物および経皮吸収製剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】経皮的薬物送達(Transderma
l Drug Delivery,TDD)とは、皮膚
から薬物を吸収させることにより、全身循環系または局
所での薬物濃度を医療上有用な範囲にコントロールする
方法である。皮膚を投与経路とする薬物の投与方法は、
経口投与での初回通過効果を回避できる上に、消化管障
害を引き起こす恐れがなく、また、注射による投与と異
なり苦痛や薬物のショックを患者に与えない等の、従来
の経口または注射による投与では得られない幾つかの利
点を有することから、注目を集めている。
【0003】しかし、皮膚は異物に対するバリアーとし
て働くため、一般に薬物の皮膚透過性は低く、薬物のT
DDには限界がある。このため、効果的に薬物を経皮吸
収させるには、何らかの方法で薬物の経皮吸収を促進さ
せることが必要不可欠である。この経皮吸収を促進する
方法として、薬物のプロドラック化、複合体形成、イオ
ントフォレーシス等が試みられているが、最も多く行わ
れている方法として経皮吸収促進剤の利用がある。
【0004】今までに、エタノール、ジメチルスルホキ
シド、1−ドデシルアザシクロヘプタン−2−オン(商
品名Azone)やテルペン類、界面活性剤等が薬物の
経皮吸収促進剤として、単独もしくは組み合せて検討さ
れている。例えば、特開平4−217926には麻薬鎮
痛剤および非麻薬性鎮痛剤に対して、l−メントールと
エタノールと水との混合系における促進効果が、特開平
1−81693にはオレイン酸とエタノールとの混合系
における促進効果が示されている。さらに、d−リモネ
ンがインドメタシンやケトプロフェンのような脂溶性薬
物の経皮吸収に対して著明な促進効果を示すことが知ら
れている(特開平2−207024)。しかしながら、
従来報告されている吸収促進剤では、薬物(例えば、イ
ンドメタシンやエテンザミド等)の吸収促進効果は未だ
十分であるとはいえなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、生理活性物
質(薬物)の優れた皮膚透過性を示す経皮吸収促進組成
物及び経皮吸収製剤を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上述の状
況を鑑みて種々研究を重ねた結果、l−メントールおよ
びピロリドン化合物を含む組成物は薬物の皮膚透過速度
を著しく増大させること、さらにこの組成物に薬物を配
合した経皮吸収製剤は薬物の経皮吸収性に極めて優れて
いることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】すなわち、本発明は、(a)l−メントー
ルと、(b)ピロリドンまたはその誘導体の少なくとも
1種とを含有することを特徴とする経皮吸収促進組成物
を提供するものであり、さらに、(a)l−メントール
と、(b)ピロリドンまたはその誘導体の少なくとも1
種と、(c)生理活性物質とを含有することを特徴とす
る経皮吸収製剤を提供するものである。
【0008】本発明において、上記(a)l−メントー
ルは、純品だけではなく、これを主成分とするハッカ油
のような精油成分等も用いられる。これらのl−メント
ール類の配合量は、特に限定されないが、一般に組成物
の0.1〜30重量%、好ましくは0.2〜15重量
%、特に好ましくは0.5〜5重量%の範囲で配合す
る。
【0009】また、上記(b)ピロリドンまたはその誘
導体としては、ピロリドンカルボン酸、ピロリドンカル
ボン酸ナトリウム、ピロリドンカルボン酸トリエタノー
ルアミン、ピロリドンカルボン酸エチル、ピロリドンカ
ルボン酸オクチル、N−ピロリドンカルボン酸エチル、
2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−エ
チル−2−ピロリドン、N−ジメチル−2−ピロリドン
等を使用することができるが、特に2−ピロリドン、N
−メチル−2−ピロリドンを用いるのが好適である。こ
れらのピロリドン化合物の配合量は、特に限定されない
が、一般に組成物の0.1〜60%、好ましくは0.2
〜40%、特に好ましくは0.5〜20%の範囲で配合
する。
【0010】本発明は、上記成分(a)l−メントール
と(b)ピロリドンまたはその誘導体の少なくとも1種
との(a)・(b)両成分を含むことを特徴とする。両
成分の含有比率は特に限定されないが、成分(b)を1
としたとき成分(a)が成分(b)に対して0.15〜
1.0(重量比)の割合であるのが好ましい。
【0011】本発明は、従来知られていた経皮吸収促進
剤である上記2成分を組み合わせることにより、意外に
も単独では得られない優れた経皮吸収促進効果を見出し
たものである。本発明の組成物が経皮吸収を促進させる
作用機構の詳細は解明されていないが、l−メントール
による皮膚角質層バリアー能を低下させる作用と、ピロ
リドン化合物による薬物溶解作用との相乗効果によっ
て、経皮吸収性が著しく促進するものと推定される。
【0012】本発明に用いられる生理活性物質(薬物)
は、従来公知の薬物の中から任意のものを選択して用い
ることができる。これらの薬物を例示すると次のとおり
であるが、これらに限定されるものではない。
【0013】アスピリン、ジフルニサル、メフェナム
酸、トルフェナム酸、ジクロフェナク、スリンダク、イ
ンドメタシン、インドメタシンファンシネル、アセメタ
シン、プログルメタシン、ナブメトン、イブプロフェ
ン、フルルビプロフェン、ケトプロフェン、ナプロキセ
ン、プラノプロフェン、フェノプロフェン、チアプロフ
ェン、オキサプロジン、ロキソプロフェンナトリウム、
アルミノプロフェン、フェニルブタゾン、ピロキシカ
ム、チアラミド、エピリゾール、イブフェナック、ヒア
ルロン酸、サリチル酸、エテンザミド等の非ステロイド
性消炎鎮痛薬。
【0014】ヒドロコルチゾン、プレドニゾロン、トリ
アムシノロン等のステロイド系抗炎症薬。
【0015】エストラジオール、エチニルエストラジオ
ール、エストリオール、エストラムスチン、プロゲステ
ロン、ヒドロキシプロゲステロン、メドロキシプロゲス
テロン、クロルマジノン、アリルエストレノール、ジメ
チルステロン、ノルエチステロン、テストステロン、デ
ヒドロエピアンドロステロン、フルオキシメステロン、
オキシメトロン、メテノロン、ゴナドレン、プレチレリ
ン、ソマトレリン、コルチコレリン、オキシトシン、バ
ソプレシン、デスモプレシン、ブロモクリプチン、オク
トレオチド等のホルモン薬。
【0016】ビタラビン、アシクロビル、ガンシクロビ
ル等の抗ウイルス薬。グリセオフラビン、フルコナゾー
ル、ミコナゾール等の抗真菌薬。シクロフォスファミ
ド、フルオロウラシル等の抗癌薬。シクロホスファミ
ド、メトトレキサートタクロリムス水和物等の免疫抑制
薬。金チオリンゴ酸等の抗リウマチ薬。
【0017】コルヒチン、アロプリノール等の痛風治療
薬。プロメライン、塩化リゾチーム等の消炎酵素。ジフ
ェンヒドラミン、ジフェニルピラリン、ジメンヒドリナ
ート、クロルフェニラミン等の抗ヒスタミン薬。クロモ
グリク酸、トラニラスト、ケトチフェン等の抗アレルギ
ー薬。インスリン等の糖尿病治療薬。
【0018】プロピルチオウラシル、チアマゾール等の
抗甲状腺薬。アルファカルシドール、カルシトリオー
ル、カルシトニン、エルカルシトニン、サケカルシトニ
ン等の胃・カルシウム代謝薬。アドレノクロム、トラネ
キサム酸、トロンビン等の止血薬。ヘパリン、ワルファ
リン等の抗血栓薬。クロフィブラート、シンフィブラー
ト、コレスチラミン等の高脂血症薬。
【0019】ニトログリセリン、イソソルビド、ニフェ
ジピン、ジルチアゼム、ベラパミル、ニソルジピン、ニ
トレンジピン、ニコランジル等の狭心症治療薬。アルプ
ロスタジル、塩化カルプロニウム、ミノキシジル等の血
管拡張薬。ニルバジピン、ニフェジピン、ププラノロー
ル、ニプラジロール、クロニジン、メチルドパ、ヒドラ
ラジン、トドララジン、ブドララジン等の降圧薬。テオ
フィリン、サルブタモール、ツロブテロール、フォルモ
テロール、クレンブテロール等の気管支拡張薬。
【0020】モルヒネ等の麻薬性鎮痛薬。ペンタゾシ
ン、ブプレノルフィン、エプタゾシン、ブトルファノー
ル、オピオイド、ペプタイド、ジヒドロエトルフィン等
の非麻薬性鎮痛薬。スルピリン、アセトアミノフェン、
フェナセチン、ジメトチアジン等の解熱鎮痛薬。
【0021】アデノシンミリン酸二ナトリウム、イフェ
ンプロジル、ガンマーアミノ酪酸、ガンマーアミノベー
タヒドロキシ酪酸、アニラセタム、ニカルジピン等の脳
代謝改善薬。ダントロレンナトリウム等の骨格筋弛緩
薬。メシル酸プリジノール、バクロフェン、エペリゾ
ン、チザニジン、塩化アルクロニウム、塩化スキサメト
ニウム、塩化ツボクラリン、ダントロレンナトリウム、
臭化パンクロニウム、臭化ベマロニウム等の筋弛緩薬。
プロカイン、コカイン、テトラカイン、リドカイン、ジ
ブカイン、プリロカイン等の局所麻酔薬等。これらの薬
学的に許容される塩。
【0022】上記薬物のうち、特に非ステロイド性消炎
鎮痛薬、就中インドメタシン、エテンザミドは最も好適
な薬物である。また、これらの薬物は、必要に応じて、
1種用いてもよいし2種以上の組み合わせで用いてもよ
く、その配合量は薬効を発揮するのに十分な量であれば
よい。
【0023】本発明において、経皮吸収型製剤の剤型は
特に限定されず、例えば軟膏剤、クリーム剤、液剤、ロ
ーション剤、リニメント剤、硬膏剤(プラスタ−剤)、
パップ剤、パッチ剤、ゲル剤、又はテープ剤を挙げるこ
とができるが、特にゲル剤、液剤、硬膏剤(プラスタ−
剤)、パップ剤は優れた効果を示し、好ましい。また、
これらの製剤は、本発明による組成物と、製造する剤型
に必要な製剤成分、すなわち基剤、補助剤、添加剤等を
必要に応じて組み合わせることにより、常法により製造
することができる。
【0024】例えば、ゲル剤に使用される基剤として
は、アルコール類(例:エタノール、プロパノール、八
アセチル化しょ糖変性アルコール等)、ゲル化剤(例:
カルボキシビニル重合体、エチルセルロース等)、水等
が挙げられる。また、液剤に使用される基剤としては、
アルコール類(例:エタノール、プロパノール等)、グ
リコール類(例:ブチレングリコール、プロピレングリ
コール等)、植物油(例:オリーブ油、大豆油等)、液
状高級脂肪酸類(例:オレイン酸、リノール酸等)、高
級アルコール類(例:オクチルアルコール等)、水等が
挙げられる。また、硬膏剤(プラスタ−剤)に使用され
る基剤としては、粘着剤(例:エチレン酢酸ビニル系粘
着剤、アクリル系粘着剤、スチレン−イソプレン−スチ
レンブロック共重合体等)、粘着付与剤(例:ロジン
系、テルペン系、合成石油樹脂系等)等が挙げられ、パ
ップ剤に使用される基剤としては、粘着剤(例:ポリア
クリル酸、ポリアクリル酸部分中和物、ポリアクリル酸
ナトリウム、カルボキシビニルポリマ−、ゼラチン、無
水マレイン酸共重合体等)等が挙げられる。
【0025】また、ゲル剤、液剤、硬膏剤(プラスタ−
剤)またはパップ剤に用いる補助剤あるいは添加剤とし
ては、界面活性剤(例:ポリオキシエチレンソルビタン
脂肪酸エステル等)、pH調整剤(例:ジイソプロパノ
ールアミン等)、防腐剤(例:パラオキシ安息香酸エス
テル等)、抗酸化剤(例:ブチルヒドロキシトルエ
ン)、軟化剤(例:流動パラフィン)、増量剤(例:カ
オリン、酸化チタン、軽質無水ケイ酸等)、保湿剤
(例:グリセリン、プロピレングリコ−ル等)等、一般
に外用剤に用いられるものが挙げられる。
【0026】
【実施例】以下、本発明を実施例を用いて更に詳細に説
明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。
【0027】「実施例1」N−メチル−2−ピロリドン
と水が5:95(重量比)からなる溶媒100重量部
に、インドメタシン1重量部、l−メントール3重量部
およびポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル
(日光ケミカルズ社製、TL−10)0.1重量部をそ
れぞれ添加し、42℃の水浴上で12時間撹拌し、イン
ドメタシンを均一に分散した懸濁液を得た。
【0028】「実施例2」N−メチル−2−ピロリドン
と水の重量比を10:90にした以外は、実施例1と同
様にしてインドメタシンを均一に分散した懸濁液を得
た。
【0029】「実施例3」N−メチル−2−ピロリドン
と水の重量比を20:80にした以外は、実施例1と同
様にしてインドメタシンを均一に分散した懸濁液を得
た。
【0030】「比較例1」N−メチル−2−ピロリドン
と水の重量比を0:100にし、l−メントールを添加
しない以外は、実施例1と同様にしてインドメタシンを
均一に分散した懸濁液(すなわち、N−メチル−2−ピ
ロリドン、l−メントールを全く含まない水懸濁液)を
得た。
【0031】「比較例2」N−メチル−2−ピロリドン
と水の重量比を0:100(すなわち、N−メチル−2
−ピロリドンを全く含まない)にした以外は、実施例1
と同様にしてインドメタシンを均一に分散した懸濁液を
得た。
【0032】「比較例3」l−メントール3重量部を添
加しない以外は、実施例1と同様にしてインドメタシン
を均一に分散した懸濁液を得た。
【0033】実験1 Wistar系雄性ラット(8週令)の腹部摘出皮膚
(摘出前日除毛)を37℃の水を循環させた横型拡散セ
ル(適用面積:0.95cm2 )に挟み、レシーバー
(真皮)側に1/15mol/1リン酸緩衝液を3ml
入れ、マグネティックスターラーにより撹拌しておい
た。ドナー(角質)側に、実施例1〜3および比較例1
〜3で調製した懸濁液をそれぞれ3ml適用した。レシ
ーバー中の溶液を経時的に採取して、その中の薬物濃度
を高速液体クロマトグラフィーにより測定し、ラット皮
膚を透過した薬物の量を求めた。
【0034】実施例1〜3および比較例1〜3の各懸濁
液からラット皮膚を透過したインドメタシンの累積量を
図1に示す。図1から明らかなように、l−メントール
とN−メチル−2−ピロリドンを併用した実施例1〜3
は、l−メントールとN−メチル−2−ピロリドンを用
いていない比較例1、l−メントール単独で用いた比較
例2、N−メチル−2−ピロリドン単独で用いた比較例
3のいずれよりも高い皮膚透過性が認められる。
【0035】「実施例4」N−メチル−2−ピロリドン
を2−ピロリドンにした以外は、実施例1と同様にして
インドメタシンを均一に分散した懸濁液を得た。
【0036】実験2 実施例4、比較例1および2の各懸濁液を用い、実験1
と同様の実験を行い、各懸濁液からラット皮膚を透過し
たインドメタシンの累積量を求めた。その結果を図2に
示す。
【0037】図2から明らかなとおり、l−メントール
と2−ピロリドンを併用した実施例4は、l−メントー
ルと2−ピロリドンを用いていない比較例1およびl−
メントール単独で用いた比較例2よりも高い透過性を示
している。
【0038】「実施例5」インドメタシン1重量部、l
−メントール3重量部を八アセチル化しょ糖変性アルコ
ール40重量部に溶解させた溶液(A)と、水43重量
部とN−メチル−2−ピロリドン10重量部との混合液
にカルボキシビニルポリマー2重量部を溶解させた溶液
(B)とを各調製し、AをBに加えて撹拌した後、ジイ
ソプロパノールアミンを1重量部加えて中和し、10分
間撹拌して均一な親水性ゲル軟膏を調製した。
【0039】「比較例4」インドメタシン1重量部を八
アセチル化しょ糖変性アルコール40重量部に溶解させ
た溶液(C)と、水56重量部にカルボキシビニルポリ
マー2重量部を溶解させた溶液(D)とを各調製し、C
をDに加えて撹拌した後、ジイソプロパノールアミンを
1重量部加えて中和し、10分間撹拌して均一な親水性
ゲル軟膏を調製した。
【0040】実験3 Wistar系雄性ラット(7週令)の腹部摘出皮膚
(摘出前日除毛)を37℃の水を循環させた縦型拡散セ
ル(適用面積:3.14cm2 )に挟み、レシーバー
(真皮)側に1/15mol/1リン酸緩衝液を19m
l入れ、マグネティックスターラーにより撹拌しておい
た。ドナー(角質)側に、実施例5および比較例4で調
製したゲルを各0.5g適用した。レシーバー中の溶液
を経時的に採取して、その中の薬物濃度を高速液体クロ
マトグラフィーにより測定し、ラット皮膚を透過した薬
物の量を求めた。
【0041】実施例5および比較例4からラット皮膚を
透過したインドメタシンの累積量を図3に示す。図3か
ら明らかなように、インドメタシンを用いたゲルにおい
て、l−メントールとN−メチル−2−ピロリドンを併
用した実施例5は、l−メントールとN−メチル−2−
ピロリドンを用いていない比較例4よりも高い透過性を
示すことがわかる。
【0042】「実施例6」エテンザミド2重量部、l−
メントール3重量部を八アセチル化しょ糖変性アルコー
ル40重量部に溶解させた溶液(E)と、水42重量部
とN−メチル−2−ピロリドン10重量部との混合液に
カルボキシビニルポリマー2重量部を溶解させた溶液
(F)とを各調製し、EをFに加えて撹拌した後、ジイ
ソプロパノールアミンを1重量部加えて中和し、10分
間撹拌して均一な親水性ゲル軟膏を調製した。
【0043】「比較例5」エテンザミド2重量部を八ア
セチル化しょ糖変性アルコール40重量部に溶解させた
溶液(G)と、水55重量部にカルボキシビニルポリマ
ー2重量部を溶解させた溶液(H)とを各調製し、Gを
Hに加えて撹拌した後、ジイソプロパノールアミンを1
重量部加えて中和し、10分間撹拌して均一な親水性ゲ
ル軟膏を調製した。
【0044】実験4 実施例6、および比較例5を用い、実験3と同様の実験
を行い、実施例6および比較例5からラット皮膚を透過
したエテンザミドの累積量を求めた。その結果を図4に
示す。
【0045】図4から明らかなように、エテンザミドを
用いたゲルにおいて、l−メントールとN−メチル−2
−ピロリドンを併用した実施例6は、l−メントールと
N−メチル−2−ピロリドンを用いていない比較例5よ
りも高い皮膚透過性を示している。
【0046】「実施例7」トルエンにエチレン酢酸ビニ
ル共重合体樹脂(LEVAPREN 450;バイエル
社製)とロジン系粘着付与剤(エステルガム;荒川化学
工業社製)を加え攪拌しながら溶解させた後、インドメ
タシン、l−メント−ル(高砂香料工業社製)、N−メ
チル−2−ピロリドン(和光純薬工業社製)を加え十分
攪拌を行った。この溶液をPET(ポリエチレンテレフ
タレ−ト)フィルム上に均一に塗工した後、70度10
分間の乾燥を行い、シリコン処理したPETフィルムで
覆い、10cm×7cmに裁断して、均一な硬膏剤を調
製した。 実施例7の処方(トルエン除去後の組成重量部) インドメタシン 9.0部 N−メチル−2−ピロリドン 3.0部 l−メント−ル 3.0部 エチレン酢酸ビニル共重合体樹脂 50.0部 ロジン系粘着付与剤 35.0部
【0047】「比較例6」天然ゴムラテックス40重量
部、流動パラフィン9.5重量部、ロジン系粘着付与剤
(エステルガム)35重量部からなる基剤成分に、あら
かじめインドメタシン9重量部、l−メント−ル3重量
部、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン3重
量部、ジブチルヒドロキシトルエン0.5重量部を混合
した組成物を添加混合し、PET(ポリエチレンテレフ
タレ−ト)フィルム上に均一に塗工した後、シリコン処
理したPETフィルムで覆い、10cm×7cmに裁断
して、均一な硬膏剤を調製した。
【0048】実験5 実施例7および比較例6を用い、実験3と同様の実験を
行い、実施例7および比較例6からラット皮膚を透過し
たインドメタシンの累積量を求めた。その結果を図5に
示す。
【0049】図5から明らかなように、インドメタシン
含有硬膏剤において、l−メント−ルとN−メチル−2
−ピロリドンとを併用した実施例7は、N−メチル−2
−ピロリドンを用いていない比較例6よりも高い皮膚透
過性を示している。
【0050】「実施例8」精製水にカルボキシメチルセ
ルロ−スナトリウムをグリセリンに分散した液を加えた
後、ゼラチンを加え溶解した。ついでポリアクリル酸部
分中和物、乾燥水酸化アルミニウムゲル、ポリオキシエ
チレン硬化ヒマシ油をグリセリンに分散した液を加え、
充分練合した。さらに、あらかじめインドメタシンとl
−メント−ルとをN−メチル−2−ピロリドンに溶解し
た液を加えた後、乳酸を加えて充分練合し、得られた混
合物を不織布に展延した後、ポリプロピレンフィルムで
カバ−して10cm×14cmに裁断し、インドメタシ
ン含有パップ剤を得た。 実施例8の処方(組成重量部) インドメタシン 0.3部 N−メチル−2−ピロリドン 2.5部 l−メント−ル 0.4部 ポリアクリル酸部分中和物 6.5部 カルボキシメチルセルロ−スナトリウム 1.0部 ゼラチン 3.0部 グリセリン 29.7部 乾燥水酸化アルミニウムゲル 0.08部 ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 0.5部 乳酸 1.0部 水 55.02部
【0051】
【発明の効果】以上の結果からも明らかなように、本発
明によれば、薬物の皮膚透過性を著しく促進することが
でき、従来の技術では十分な皮膚透過性が得られなかっ
た薬物でも、十分な吸収量が得られる。さらに、本発明
によれば、治療上十分な量の薬物を経皮投与することが
可能となり、薬物を注射投与した場合に患者が受ける精
神的な不安ならびに肉体的な苦痛を取り除くことでQO
L(quality of life)を改善すること
ができ、臨床上有利な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1〜3および比較例1〜3をラット腹部
摘出皮膚に適用した場合の薬物の累積透過量を示す図。
【図2】実施例4および比較例1ならびに2をラット腹
部摘出皮膚に適用した場合の薬物の累積透過量を示す
図。
【図3】実施例5および比較例4のインドメタシンを用
いたゲルをラット腹部摘出皮膚に適用した場合のインド
メタシンの累積透過量を示す図。
【図4】実施例6および比較例5のエテンザミドを用い
たゲルをラット腹部摘出皮膚に適用した場合のエテンザ
ミドの累積透過量を示す図。
【図5】実施例7および比較例6のインドメタシン含有
硬膏剤をラット腹部摘出皮膚に適用した場合のインドメ
タシンの累積透過量を示す図。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)l−メントールと、(b)ピロリ
    ドンまたはその誘導体の少なくとも1種とを含有するこ
    とを特徴とする経皮吸収促進組成物。
  2. 【請求項2】 (b)ピロリドンまたはその誘導体が2
    −ピロリドンまたはN−メチル−2−ピロリドンであ
    る、請求項1記載の経皮吸収促進組成物。
  3. 【請求項3】 成分(a)と成分(b)との含有割合
    が、重量比で成分(b)1に対して成分(a)0.15
    〜1.0であることを特徴とする、請求項1または2記
    載の経皮吸収促進組成物。
  4. 【請求項4】 (a)l−メントールと、(b)ピロリ
    ドンまたはその誘導体の少なくとも1種と、(c)生理
    活性物質とを含むことを特徴とする経皮吸収製剤。
  5. 【請求項5】 (b)ピロリドンまたはその誘導体が2
    −ピロリドンまたはN−メチル−2−ピロリドンであ
    る、請求項4記載の経皮吸収製剤。
  6. 【請求項6】 成分(a)と成分(b)との含有割合
    が、重量比で成分(b)1に対して成分(a)0.15
    〜1.0であることを特徴とする、請求項4または5記
    載の経皮吸収製剤。
  7. 【請求項7】 (c)生理活性物質が非ステロイド性消
    炎鎮痛薬である請求項4〜6のいずれかに記載の経皮吸
    収製剤。
  8. 【請求項8】 非ステロイド性消炎鎮痛薬がインドメタ
    シンまたはエテンザミドである請求項7記載の経皮吸収
    製剤。
  9. 【請求項9】 製剤の剤型がゲル剤または液剤である請
    求項4〜8のいずれかに記載の経皮吸収製剤。
  10. 【請求項10】 製剤の剤型が硬膏剤またはパップ剤で
    ある請求項4〜8のいずれかに記載の経皮吸収製剤。
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