JP2005529150A - 気管支拡張薬を有するマトリックスタイプパッチ - Google Patents
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Abstract
本発明は、支持層と、薬を含む感圧性粘着層と、剥離ライナーと、を有し、該感圧性粘着層はホルモテロール、サルメテロール、ツロブテロール、クレンブテロール等から選択される少なくとも1つの気管支拡張薬を含む薬成分と該薬成分の皮膚透過性を高める陽イオンポリマーと該薬成分の可溶化剤と感圧性粘着剤とを含む、気管支拡張薬の経皮投与用のマトリックスタイプパッチに関する。本発明のマトリックスタイプパッチは、陽イオンポリマーの吸収促進剤を使用することによって薬の皮膚透過性を高めて、薬物作用を長時間に亘って持続し、かつ皮膚を刺激することなく良好な粘着力を提供する。
Description
本発明は、喘息等の呼吸器疾患を治療するためのマトリックスタイプパッチに関し、陽イオンポリマーの吸収促進剤を使用することによって薬の高い皮膚透過性を提供する。さらに、当該パッチは、薬の徐放性を持続し、皮膚に対する優れた粘着力を維持することができる。
喘息は、短い息、咳、喘鳴、喀痰、胸部の絞めつけ感(chest tightness)等の様々な症状を伴う慢性呼吸器疾患である。
最近、喘息の罹患率は特に子供において増加しており、喘息に起因する死亡及び入院が増加する傾向にある。高い死亡率は、多くの場合、薬物療法のコンプライアンスが悪いことによって発生する。
喘息の治療に対するガイドラインは、持続的な喘息の管理を維持するために長期管理薬物療法(long-term control medications)に使用されるものと、症状および増悪に対処するための急速鎮静化薬物療法(quick relief medications)とがある。
喘息の治療に使用される薬には、気管支の平滑筋に存在するβ2受容体に選択的に作用するベータ‐2アドレナリン作用薬(β2‐作用薬)等の気管支拡張薬が概して含まれている。それらの中で、ホルモテロール(formoterol)は、他のβ2‐作用薬に比べて心臓に対する副作用が相対的に低く、β2‐アドレナリン作用受容体に対する選択性が高く、作用開始が早く、コスト効果を有する。
しかし、大部分の抗喘息薬は、経口投与、経静脈投与および吸入の形で商品化されている。経口投与には、体内に到達した後の初回通過肝代謝(first-pass hepatic metabolism)により薬が肝臓において容易に分解されること、投与後に一時的に薬の血中濃度が過剰に高くなること、およびこれによって胃腸内の障害が生じうること、などの幾つかの欠点がある。加えて、経口抗喘息薬は、喘息の症状の管理のための薬理効果を維持するために、1日に2‐3回投与されなければならない。
長時間作用性のβ2‐作用薬は、ほとんどが経口投薬の形式でまたは吸入の形で利用されており、その投与が特に子供および高齢の患者において問題となり得る。子供及び高齢の患者に対する経口投与および吸入投与が不便であること、長期治療には持続的な喘息の管理が必要であること、副作用、および投与後の血中レベルの突然の上昇による許容範囲を考慮すると、長期治療を楽にして、所定の期間にわたって有効血中濃度が維持されることと同様に投薬頻度を低減することによる簡便さを提供する新規の喘息治療薬剤が求められている。経皮的なパッチは当該目的に適しており、夜間の喘息発作および運動誘発性喘息の発生を防ぐことにも有効である。
抗喘息薬を含む経皮的な薬剤に関する従来技術として、特許協力条約国際公開公報第WO97/14411号は、溶解度以上の過剰量で薬を充填することによって、粘着剤における微晶質状態の薬が薬物作用の持続時間をより長くすることができることを開示している。しかしながら、当該薬剤の薬物作用の持続時間は、24時間と短くて不十分である。加えて、粘着力および薬の透過性は、粘着層において直ちに形成される薬の結晶化のために、時間が経過するにつれて望ましくなく減少する。
韓国特許出願公開公報第1999‐0062986号は、少なくとも5重量%のツロブテロール(tulobuterol)を粘着剤に完全に溶解させるために、薬に対する溶解度が高いアクリル系の又はゴム系の粘着剤を選択的に使用した若しくはミリスチン酸イソプロピル等の可溶化剤を大量に使用した薬剤を開示している。しかし、当該薬剤の薬物作用の持続時間は、24時間に限定されている。大量の可溶化剤を含有する上記薬剤に対しては、粘着層の凝集力が低下し、皮膚から当該薬剤を除去することによってその上に残留物が残ってしまう。
通常、上記の如き従来技術において開示されている気管支拡張薬は従来の粘着剤に対する溶解度が低い故、薬を粘着剤に均一に溶かすことは困難である。また、当該薬は均一に溶かすことができたとしても、所望のパッチを設計することは困難である。なんとなれば、当該気管支拡張薬は、特に塩の形態である場合において、非常に低い経皮透過性を呈して、薬効を遅くするからである。
したがって、気管支拡張薬の経皮的な透過性は、皮膚を介して薬を効果的に到達させるために適切な吸収促進剤を使用して高めなければならない。かかる経皮的な薬剤に関する従来技術として、韓国特許出願公開公報第1998‐015057号は、クレンブテロール(clenbuterol)と、可溶化剤と、ジエチルトルアミド,ジメチルホルムアミド,N‐メチル‐2‐ピロリドン,プロピレングリコールなどからなる群から選択される吸収促進剤と、を含む経皮パッチならびに該パッチの製法を開示している。当該製剤に使用される吸収促進剤および低分子の極性溶媒は皮膚を刺激し、幾つかの化合物は自身の低い揮発温度により調合の過程で望ましくなく気化する。
米国特許第5,079,008号は、不透過性の支持層と、吸収促進剤として1,8‐シネオールおよびN‐メチル‐2‐ピロリドンを使用して作製されたホルモテロールを含有する粘着層と、剥離ライナーと、を含むマトリックス‐タイプの一体的なシステムを開示している。さらに、米国特許第5,079,008号における薬の透過率が低いことおよび不安定性の欠点を解決するために、米国特許第6,211,425号は、エチレン/ビニルアセテート共重合体の溶剤としてN‐メチル‐2‐ピロリドンが使用されていて、薬の吸収を促進するための充填剤および/又は可塑剤としてL−メントール又はミリスチン酸イソプロピルが使用されているホルモテロールパッチを開示している。
薬を自由塩基の形態に変換するために生理的に安定な酸性若しくはアルカリ性材料を添加することによって、塩の状態の薬の皮膚透過率を向上せしめる他の従来技術がある。適切な酸性材料若しくはアルカリ性材料には、クエン酸,コハク酸,酒石酸,マレイン酸,フマル酸,安息香酸,サリチル酸および乳酸などの化合物、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウム等の無機塩基、トリエチルアミン,トリエタノールアミン,ジエタノールアミンおよびトリイソプロパノールアミン等のアミン類、またはアルギニンのような基本的なアミノ酸類が含まれる。
米国特許第5,834,010号は、少なくとも8.0の解離定数(pKa)を有する基本的な薬に吸収促進剤としてのトリアセチン(triacetine)を加えその後にこれらに感圧性粘着剤を混合することによって作製される経皮的な薬剤を開示している。米国特許第6,255,502号は、基本的な薬若しくはそれらの塩に胆汁酸または脂肪酸が含まれている経皮的な粘液質の吸収薬剤を開示している。
しかしながら、当該従来技術は、粘着層における薬の溶解度および皮膚透過性を向上せしめるために、低分子量の酸性材料または強力な有機溶媒または有機アミン類を可溶化剤として使用している。しかし、それらが大量に使用される場合、これらの材料が皮膚に刺激を与えるだけでなく、粘着剤の量が減少することに起因して凝集力および粘着力のような構造上の特性が悪化する。したがって、経皮的な薬剤として適切な構造上の特性を維持することが非常に困難であり、さらに粘着剤の量を削減することによって粘着力が突然に低下することから、長期間にわたって薬の有効血中濃度を維持することができる経皮的な薬剤を作製するために前述した可溶化剤を用いることは難しい。
したがって、本発明は、薬の遅延放出性、低い皮膚透過性および皮膚に対する粘着層の低い粘着特性という問題を解決したマトリックスタイプパッチを提供することを目的とする。
本発明において、アルキルアミノ基を有する陽イオンポリマーがホルモテロール、ツロブテロール、クレンブテロール等に対して高い経皮的な吸収を促進する効果を有することが判り、それは従来の低い分子量の経皮的な吸収促進剤と同等であった。本発明のマトリックス・パッチ製剤はこの発見を基にして得られている。そして、当該製造物は、適当な可溶化剤および透過性促進剤を使用することにより粘着性混合物に対する薬の溶解度および皮膚透過性が改善されており、長時間にわたって薬理効果を発揮するパッチに適切である。さらに、薬の良好な長期安定性と、皮膚を刺激することなく優れた凝集力および粘着力と、を有する。
本発明の上記の如き目的、他の特徴および利点は、添付の図面を参照して記載された好適な実施例によってより明白になる。
本発明のマトリックスタイプパッチは、不透過性の支持層(1)と、薬を含む感圧性粘着層(2)と、剥離ライナー(3)とを含み、該感圧性粘着層はホルモテロール、サルメテロール(salmeterol)、ツロブテロール、クレンブテロールなどからなる群から選択される少なくとも1つの気管支拡張薬を含む薬成分と、該薬成分の皮膚透過性を高める陽イオンポリマーと、該薬成分の可溶化剤と、感圧性粘着剤とを含む。本発明において使用される薬は、気管支拡張薬に限定されずその塩であっても良い。
本発明において使用される支持層は、薬および薬剤の賦形剤(例えば可溶化剤、吸収促進剤など)に対して不透過でなければならず、薄くて可撓性を有さなければならず、かつ粘着層との反応性を有さない。これらには、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリウレタン、アルミニウム蒸着ポリエステルなどからなる一般に使用されているフィルムがある。
さらに、支持層は、上述の粘着層との粘着力を向上させるためにコロナ放電処理、プラスマ処理、酸化処理などの処理が施されても良い。長期にわたって薬効を作用させるために、パッチが長期間わたって皮膚に付着しなければならないという必要性を考慮すると、パッチが皮膚から発散される湿気によって剥離しないように上記フィルムの上に水分吸収性を有する織布、綿布および不織布等を貼り合わせることがより好ましい。
本発明のマトリックスタイプパッチにおいて、薬成分としての気管支拡張薬がホルモテロール(一日の経口投与量:160μg)、サルメテロール(一日の経口投与量:100〜200μg)、ツロブテロール(一日の経口投与量:2,000μg)、およびクレンブテロール(一日の経口投与量:40μg)、に限られている。なんとなれば、当該成分は気管支を弛緩するβ2‐作用薬に関連するβ2‐アドレナリン受容体に対して高い選択性を有し、優れた抗喘息効果を有するからである。
本発明に使用される薬成分の含有量は、粘着層の総重量を基にして0.1〜10重量%であり、好ましくは1〜5重量%である。含有量が0.1重量%未満である場合、薬の皮膚透過率が減少する故、薬の効果は十分ではない。一方、含有量が10重量%を超える場合、薬が結晶化するかまたは粘着層の凝集力および粘着力が低下する故、パッチの設計が難しくなる。
本発明のマトリックスタイプパッチにおいて、粘着層(2)に使用されるポリマーベース材料としては、アクリレートポリマーと、ゴム系ポリマー(例えばポリイソブチレン、ポリイソプレン、スチレン‐イソプレン‐ブタジエン共重合体、スチレン‐ブタジエン共重合体等)と、感圧性の医療用粘着剤として一般的に使用されているポリジメチルシロキサンをベースとしたシリコーンポリマーと、が含まれる。
本発明のベース材料として使用される粘着剤の含有量は、粘着層の総重量を基にして40〜90重量%である。含有量が40重量%未満である場合、粘着ベース材料としての十分な粘着力若しくは機械的特性が得られない。一方、含有量が90重量%を超える場合、皮膚透過性が低下し、薬物作用の持続時間が短くなる。なんとなれば、ポリマーの吸収促進剤および可溶化剤の含有量が比例して低下するからである。
本発明のマトリックスタイプパッチにおいて、薬の経皮的な透過性を高めるために使用される陽イオンポリマーの吸収促進剤には、ホモポリマー若しくは共重合体が含まれ、例えば、ジメチルアミノエチルアクリレート(DMAEA),ジメチルアミノエチルメタクリレート(DMAEMA)およびジメチルアミノプロピルアクリルアミド(DMAPAAm)等のモノ‐,ジ‐,トリ‐アルキルアミノ基を有する(メタ)アクリル系モノマー、ジメチルアミノスチレン(DMASt)およびジメチルアミノエチルスチレン(DMAESt)等のモノ‐,ジ‐,トリ‐アルキルアミノ基を有するスチレンモノマーがある。
ポリ(ビニルピロリドン‐コ‐ジメチルアミノエチルメタクリレート)(米国のアイエスピー・テクノロジーズ社(ISP TECHNOLOGIES, INC.)のCOPOLYMER 958)、ポリ(ビニルピロリドン‐コ‐ビニルカプロラクタム‐コ‐ジメチルアミノエチルメタクリレート)(米国のアイエスピー・テクノロジーズ社のGAFFIX VC−713)およびポリ(ビニルピロリドン‐コ‐メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド)(米国のアイエスピー・テクノロジーズ社のGAFQUAT HS−100)から選択される1又は2つの陽イオンポリマーを使用することが好ましい。
本発明において使用される陽イオンポリマーの吸収促進剤の含有量は、粘着層の総重量を基にして1〜20重量%である。含有量が1重量%未満である場合、皮膚透過の促進効果は十分ではない。一方、含有量が20重量%を超える場合、適切な粘着特性および薬の皮膚透過性を制御することが困難になる。なんとなれば、薬成分、粘着ベース材料および溶剤の含有量が比例して低下するからである。
上記の陽イオンポリマーは、これらの塩が含まれるものとして理解されなければならず、かつ他の治療薬と同様に気管支拡張薬に使用することができる。
本発明のマトリックスタイプパッチに使用される可溶化剤は、N‐メチル‐2‐ピロリドン、ラウリルピロリドン、トリエタノールアミン、プロピレングリコール、グリセリン、トリアセチン(triacetine)、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、一般的な脂肪酸または脂肪アルコール誘導体から選択される1以上の溶剤であってもよい。当該可溶化剤は、粘着剤における薬の溶解度を高める。その結果、当該可溶化剤は、粘着剤における有効薬濃度が上昇して薬の皮膚透過性が向上することに伴ってもたらされる粘着剤における薬の結晶化を防止する。
当該可溶化剤の含有量は、粘着層の総重量を基にして1〜25重量%である。含有量が1重量%未満の場合、薬は結晶化することができる。一方、含有量が25重量%を超える場合、粘着層の粘着力の如き物理的特性はパッチとして適切ではなく、そして、皮膚からパッチを除去した後に、残留物が皮膚に残されてしまう。
本発明のマトリックスタイプパッチにおいて、剥離ライナー(3)はシリコーンまたはフッ素化合物で覆われている薄いポリエチレンまたはポリエステルフィルムからなる。該剥離ライナーは、粘着層(2)に取り付けられた状態で保管されている間に粘着層に含まれる薬の放出を防止し、かつ使用の前に取り外される。
剥離ライナー(3)に使用される材料は、経皮的な薬剤に従来から使用されているあらゆる材料若しくはあらゆる種類のものとすることができる。
また、本発明のマトリックスタイプパッチにおいて、その他の材料が選択的に使用されても良い。例えば、ポリビニルアルコール,ヒドロキシプロピルセルロース,カルボキシルメチルセルロース,ポリアクリラート,ポリビニールピロリドン,ポリ(ビニルピロリドン‐コ‐エチレンビニルアセテート)(米国のアイエスピー社(ISP)のPVP/VA I−735, I−535, I−335)などの凝集力および粘着力を向上せしめるために本発明の分野において従来から使用されている高分子添加剤、ロジン系樹脂,ポリテルペン系樹脂,石油系樹脂,テルペンフェノール系樹脂等の粘着付与剤、液状ポリブテン,液状ポリアクリレート,鉱油,ラノリン等の可塑剤、ベントナイト,タルク,酸化亜鉛,酸化カルシウム,シリカゲル,カオリン,チタン酸化物等の無機材料などの充填剤、が使用されても良い。
上記材料に加えて、従来から使用されている脂肪酸、脂肪酸アルコール、脂肪酸エステル、ピロリドン誘導体等が、薬の皮膚透過性を高めるために任意に使用されても良い。更に、香料、防腐剤、酸化防止剤、安定化剤、顔料などが、薬学的に許容される範囲内で添加されても良い。
本発明は実施例および比較例によって更に詳細に説明されている。しかし、当該実施例は、説明を提供することだけを目的として示されており、したがって、本発明の範囲を制限することを企図しているのではない。
実施例1
本発明のマトリックスタイプパッチは、以下の如く調合された。
実施例1
本発明のマトリックスタイプパッチは、以下の如く調合された。
薬として400mgのフマル酸ホルモテロールが、4mlのメタノールに加えられて完全に溶解され、均一な溶液が得られた。陽イオンポリマーの吸収促進剤として1.4gのビニルピロリドンジメチルアミノエチルメタクリレート共重合体(米国のアイエスピー・テクノロジーズ社によって製造されている「COPOLYMER 958」(ポリ(ビニルピロリドン‐コ‐ジメチルアミノエチルメタクリレート)))と、可溶化剤として0.4gのトリエタノールアミンおよび2gのラウリルピロリドンと、粘着層の粘着力および凝集力を高める高分子添加剤として0.6gのビニルピロリドンエチレンビニルアセテート共重合体(米国のアイエスピー・テクノロジーズ社によって製造されているPVP/VA I−735,I−535,I−335(ポリ(ビニルピロリドン‐コ‐エチレンビニルアセテート)))と、酸化防止剤として50mgのブチルヒドロキシトルエン(BHT)および50mgのブチルヒドロキシアニソール(BHA)が使用されているベース材料として15.1gのアクリル系粘着ポリマー溶液「Duro−TAK 87−4098」(米国のナショナルスターチ社(National Starch Co.)製)とが、上記混合物に加えられ、薬を含有する粘着性溶液を得るために1時間にわたって十分に撹拌された。
作製された粘着性溶液は、ドクターブレード(a knife doctor)を使用してポリエステルの剥離ライナーに塗布され、60℃乃至100℃の温度に徐々に上昇されて乾燥された。アルミニウム蒸着ポリエチレンフィルム(スリーエム社(3M)によって製造されたSchotchpak 1109)が、前述のフィルム上にカバーされて、それから最終製品を得るために20cm2の大きさに切断された。
実施例2〜9
実施例2〜9において使用された成分の組成(%)が、表1に示されており、作製手順は実施例1において規定したものと同様である。
比較例1〜3
経皮的なパッチが本発明の実施例1〜9と同様の方法によって作製され、比較例1乃至3の組成(%)が表1に示されている。
実施例2〜9
実施例2〜9において使用された成分の組成(%)が、表1に示されており、作製手順は実施例1において規定したものと同様である。
比較例1〜3
経皮的なパッチが本発明の実施例1〜9と同様の方法によって作製され、比較例1乃至3の組成(%)が表1に示されている。
* Gaffix VC−713:ポリ(ビニルピロリドン‐コ−ビニルカプロラクタム‐コ‐ジメチルアミノエチルメタクリレート)(アイエスピー、米国)
* Gafquat HS−100:ポリ(ビニルピロリドン‐コ−メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド)(アイエスピー、米国)
* PVP/VA I−735:ポリ(ビニルピロリドン‐コ−エチレンビニルアセテート)(アイエスピー、米国)
* アクリル系粘着剤1:Duro−TAK 87−4098(ナショナルスターチケミカル社(National Starch Chem. Co.)、米国)
* アクリル系粘着剤2:Gelva 737(ソルーシア(Solutia)、モンサント、米国)
* ゴム系粘着剤:Duro−TAK 87−3500(ナショナルスターチケミカル社、米国)
試験1:皮膚透過性試験
薬の皮膚透過性試験が、実施例1乃至9および比較例1乃至3のパッチの有効性を評価して行われた。
フランツ型拡散セルのレセプターフェーズ(receptor phase)は、リン酸緩衝液(pH7.4)に満たされ、32±0.5℃の温度に維持された。実施例および比較例のパッチは、d拡散セルの大きさに適当に切断された後に、人死体皮膚に貼り付けられた。所定の時間間隔ごとに、300μlのレセプター液を取り出して、液体クロマトグラフィーによって皮膚を透過した薬の量を測定した。その結果が、表2および図2に示されている。
実施例のパッチの皮膚透過率は、陽イオンポリマーの吸収促進剤を含まない比較例1の本発明のパッチに比べて略2〜4倍高かった。
比較例3のパッチは、付着された最初の時間に比較的高い皮膚透過率を示したものの、48時間以後に皮膚透過率が段階的に減少した。更に、その中に含まれる大量の脂肪酸誘導体によって、望ましくない皮膚の刺激が生じた。
試験2:皮膚刺激性試験
実施例および比較例のパッチによって扱われる領域の皮膚刺激性が評価された。実施例および比較例のパッチは、2.5cm2の大きさに切断された後、健康な成人の胸部の上部に24時間にわたって付着された。皮膚反応は、24時間後および72時間後に評価された。刺激の強さは、ドレイズ法の「一次刺激指標(P.I.I.)」を用いて評価された。その結果が、表3に示されている。
P.I.I.による皮膚刺激性の評価
0:刺激性なし
2未満:低度の刺激性
2〜5:中度の刺激性
5より大:重度の刺激性
産業上の利用可能性
本発明は、陽イオンポリマーの吸収促進剤を使用して気管支拡張薬の高い皮膚透過性を備えた喘息等の呼吸器疾患を治療するためのパッチを提供する。
該パッチの抗喘息薬物作用は、粘着力および凝集力を低下させることなく長期間にわたって有効であり、皮膚刺激性がほとんどない。
Claims (6)
- 不透過性の支持層と粘着層と剥離ライナーとを有する喘息等の呼吸器疾患を治療するためのマトリックスタイプパッチであって、
前記粘着層は、(a)ホルモテロール、サルメテロール、ツロブテロールおよびクレンブテロールからなる群から選択される少なくとも1つの気管支拡張薬と、(b)前記気管支拡張薬の吸収促進剤としての陽イオンポリマーと、(c)前記気管支拡張薬の可溶化剤と、(d)感圧性粘着剤と、を含むことを特徴とする喘息等の呼吸器疾患を治療するためのマトリックスタイプパッチ。 - 前記陽イオンポリマーはモノ‐,ジ‐,トリ‐アルキルアミノ基を有する(メタ)アクリル系モノマー、およびモノ‐,ジ‐,トリ‐アルキルアミノ基を有するスチレンモノマーからなる群から選択される少なくとも1つのホモポリマー若しくは共重合体である、ことを特徴とする請求項1記載の喘息等の呼吸器疾患を治療するためのマトリックスタイプパッチ。
- 前記モノ‐,ジ‐,トリ‐アルキルアミノ基を有する(メタ)アクリル系モノマーはジメチルアミノエチルアクリレート,ジメチルアミノエチルメタクリレート若しくはジメチルアミノプロピルアクリルアミドであり、前記モノ‐,ジ‐,トリ‐アルキルアミノ基を有するスチレンモノマーはジメチルアミノスチレン若しくはジメチルアミノエチルスチレンである、ことを特徴とする請求項2記載の喘息等の呼吸器疾患を治療するためのマトリックスタイプパッチ。
- 前記陽イオンポリマーはビニルピロリドン‐ジメチルアミノエチルメタクリレート共重合体、ビニルピロリドン‐ビニルカプロラクタム‐ジメチルアミノエチルメタクリレート共重合体およびビニルピロリドン‐メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド共重合体からなる群から選択される少なくとも1つの共重合体である、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の喘息等の呼吸器疾患を治療するためのマトリックスタイプパッチ。
- 前記薬を含有する前記粘着層の総重量を基にして、前記気管支拡張薬の含有量が0.1〜10重量%であり、前記陽イオンポリマーの含有量が1〜20重量%であり、前記可溶化剤の含有量が1〜25重量%である、ことを特徴とする請求項1記載の喘息等の呼吸器疾患を治療するためのマトリックスタイプパッチ。
- 前記可溶化剤はN−メチル‐2‐ピロリドン,ラウリルピロリドン,トリエタノールアミン,プロピレングリコール,グリセリン,トリアセチン,ジエチレングリコールモノエチルエーテル,脂肪酸および脂肪アルコール誘導体からなる群から少なくとも1つ選択される、ことを特徴とする請求項1記載の喘息等の呼吸器疾患を治療するためのマトリックスタイプパッチ。
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