JP4584381B2 - フェルビナク含有貼付剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、外用の消炎鎮痛効果を目的としたフェルビナク含有貼付剤に関するものであり、より詳しくは腰痛、筋肉痛、関節周囲炎等の治療を目的とし、薬効成分として非ステロイド性消炎鎮痛剤であるフェルビナク(一般名:4−ビフェニル酢酸)を含有する貼付剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
フェルビナク(Felbinac、4−ビフェニル酢酸)は非ステロイド性消炎鎮痛薬フェンブフェンの活性代謝物であり、強い消炎鎮痛作用を示す薬物である。そして、この薬物は経口投与には適さないために経皮投与製剤としての検討が行われ、これまでに上記薬物を含有するゲル剤、液剤、パップ剤等が市販されている。しかしながら、ゲル剤、液剤においては、定量投与の困難さ、生物学的利用率の低さ、衣服への付着、投与回数の多さ(例えば1日に数回投与)といった問題があった。また、これらゲル剤、液剤の問題を改善するためにパップ剤が開発されているが、粘着力が弱いために長時間貼付することができない、生物学的利用率が低い、薬効の持続性が十分でないといった問題が残されていた。
【0003】
そこで、特開平4−321624号公報においては、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体を基剤の主成分とし、クロタミトンを必須の可溶化剤とした消炎鎮痛貼付剤の提案がなされている。また、国際公開番号WO98/24423号公報においては、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、ロジン系樹脂、可塑剤およびフェルビナクを含有しかつクロタミトンを含有しない消炎鎮痛貼付剤の提案がなされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開平4−321624号公報並びに国際公開番号WO98/24423号公報に記載の消炎鎮痛貼付剤であっても、以下に説明するように未だ十分なものではないことを本発明者らは見出した。すなわち、上記特開平4−321624号公報に記載の消炎鎮痛貼付剤にあっては、薬物に対する可溶化剤としてクロタミトンを使うことによる作業工程の煩雑さや、クロタミトンのブリード(表面への浸出)による経時的な粘着力の低下が見られ、また肘や膝等の屈曲部位等に対する付着性の点でも未だ十分なものではなかった。また、国際公開番号WO98/24423号公報に記載の消炎鎮痛貼付剤にあっては、可溶化剤としてのクロタミトンを含有しない割には薬物の放出性がある程度高いものの、恒常的に高い薬物放出性が安定して維持されるものではなく、薬効(消炎鎮痛効果)の持続性等の点で未だ十分なものではなかった。
【0005】
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、強い消炎鎮痛作用を示すフェルビナクによる十分な消炎鎮痛効果が、皮膚刺激等の弊害を招くことなく長時間にわたって安定して得られ、しかも製剤の安定性および付着性にも優れたフェルビナク含有貼付剤を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討を行った結果、薬効成分であるフェルビナクの1時間後、3時間後および6時間後の放出率が所定範囲内となるフェルビナク含有貼付剤によれば皮膚刺激等の弊害を招くことなく十分な消炎鎮痛効果が長時間にわたって安定して得られ、そしてこのようなフェルビナク含有貼付剤は特定の成分を特定の割合で含有することによって得られることを見出し、本発明に到達した。
【0007】
本発明のフェルビナク含有貼付剤は、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、ポリイソブチレン、ロジン系樹脂、可塑剤、更には合成ケイ酸アルミニウムおよび/または含水ケイ酸アルミニウムを含む基剤中に、薬効成分としてのフェルビナクを含有することによって得られる。
【0008】
また、本発明のフェルビナク含有貼付剤は、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体10〜30重量%、ポリイソブチレン5〜15重量%、ロジン系樹脂5〜30重量%、可塑剤30〜70重量%、フェルビナク1〜5重量%、並びに合成ケイ酸アルミニウムおよび/または含水ケイ酸アルミニウム0.01〜5重量%を含有することを特徴とする。貼付剤層の厚みは50〜300μmであることが好ましい。
【0009】
更に、前記本発明のフェルビナク含有貼付剤は支持体を更に備えていることが好ましく、この場合はその支持体が、試料幅50mm、試料長200mmおよび伸長速度200mm/minの測定条件での30%伸張時荷重が縦方向100〜800gおよび横方向500〜2500gであり、50%伸張時回復率が縦方向75〜95%および横方向65〜85%を示すものであることが好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明のフェルビナク含有貼付剤は、薬効成分としてフェルビナク(すなわち4−ビフェニル酢酸)を1〜5重量%、好ましくは2〜4重量%、含有するものである。この配合割合にすることによって、薬物の経皮吸収性、薬効の持続性、薬物の分散性等が良好で、経済的にも優れることとなる。なお、フェルビナクの配合量が1重量%未満では十分な薬効が得られず、他方、配合量が5重量%を超えると過剰投与による皮膚刺激等の弊害の発現や経済性の面から適当でない。
【0011】
また、本発明のフェルビナク含有貼付剤は、米国薬局方放出試験法(USP)記載の回転シリンダーによる水放出試験を下記条件:
試験液 日局崩壊試験法第2液
液温 37±0.5℃
シリンダー下端と容器底内面との間の距離 12±2mm
回転数 50rpm
で実施した場合における試験開始から1時間後の薬物放出率が20±15重量%、3時間後の薬物放出率が40±15重量%、および6時間後の薬物放出率が60±20重量%のものである。薬物放出率が上記範囲の下限未満では十分な薬効が得られず、他方、上限を超えると薬物の過剰投与によって皮膚刺激等の弊害が引き起こされるおそれが生じる。従って、このように恒常的に高い薬物放出性が安定して維持される本発明のフェルビナク含有貼付剤によって始めて、投与した際に皮膚刺激等の弊害を招くことなく優れた治療効果が長時間にわたって安定して得られる医薬品を提供することが可能となる。
【0012】
このような本発明のフェルビナク含有貼付剤は、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、ポリイソブチレン、ロジン系樹脂、可塑剤、更には分散剤をそれぞれ特定の配合割合で含む基剤中に、薬効成分としてのフェルビナクを特定の配合割合で含有することによって得られる。以下に、本発明の貼付剤を構成するために用いる各種基剤成分について詳述する。
【0013】
本発明にかかるスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体とは、スチレン及びイソプレンのブロック共重合体であって両端部にポリスチレンを有するものであり、このようなスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体としては、クレイトンD−KX401CS又はD−1107CU(商品名、シェル化学(株)製)、JSR SIS−5000又は5002(商品名、日本合成ゴム(株)製)、クインタック3530、3421又は3570C(商品名、日本ゼオン(株)製)、ソルプレン428(商品名、フィリップぺトロリアム(株)製)等が挙げられ、1種又は2種以上の組合せを使用することができる。
【0014】
上記スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体の配合量は、貼付剤全体の10〜30重量%であり、好ましくは15〜25重量%である。なお、上記の配合量が10重量%未満では基剤の凝集力や保型性等が低下し、他方、上記の配合量が30重量%を超えると基剤の凝集力が増加して粘着力の低下や作業性の低下等を招く。
【0015】
本発明にかかるポリイソブチレンとは、イソブチレンの重合体であり、このようなポリイソブチレンとしては、ビスタネックスLM−MH、LM−H、MML−80、MML−100、MML−120(商品名、エクソン化学(株)製)、テトラックス4T、5T、6T(商品名、日本石油化学(株)製)、オパノールB−30、B−50、B−100、B−200(商品名、BASF(株)製)、等が挙げられ、1種又は2種以上の組合せを使用することができる。
【0016】
上記ポリイソブチレンの配合量は、貼付剤全体の5〜15重量%であり、好ましくは5〜10重量%である。なお、上記の配合量が5重量%未満では基剤の凝集力や保型性等が低下し、他方、上記の配合量が15重量%を超えると基剤の凝集力が増加して粘着力の低下や作業性の低下等を招く。
【0017】
本発明にかかるロジン系樹脂とは、ロジン又はロジン誘導体をベースとする樹脂であり、ロジンエステル、水添ロジンエステル、マレイン酸変性ロジンエステル等が好適に用いられ得る。このようなロジン系樹脂としては、エステルガムA、AA−G、H又はHP(商品名、荒川化学(株)製)、ハリエスターL、S又はP(商品名、ハリマ化成(株)製)、パインクリスタルKE−100又はKE−311(商品名、荒川化学(株)製)、ハーコリンD(商品名、理化ハーキュレス(株)製)、フォーラル85又は105(商品名、理化ハーキュレス(株)製)、ステベライトエステル7又は10(商品名、理化ハーキュレス(株)製)、ペンタリン4820又は4740(商品名、理化ハーキュレス(株)製)等が挙げられ、1種又は2種以上の組合せを使用することができる。
【0018】
上記ロジン系樹脂の配合量は、貼付剤全体の5〜30重量%であり、好ましくは10〜25重量%である。なお、上記の配合量が5重量%未満では粘着力が低下し、長時間にわたる皮膚への付着が困難となる。他方、上記の配合量が30重量%を越えると薬物の経皮吸収性や凝集性が低下する。
【0019】
本発明にかかる可塑剤とは、他の基剤成分と相溶性がよく、基剤に柔軟性を与えるものであり、アーモンド油、オリーブ油、ツバキ油、パーシック油、ラッカセイ油、オレフィン酸、流動パラフィン等が好適に用いられ得る。このような可塑剤としては、1種又は2種以上の組合せを使用することができるが、中でも特に流動パラフィンが好ましい。
【0020】
上記可塑剤の配合量は、貼付剤全体の30〜70重量%であり、好ましくは40〜60重量%である。なお、上記の配合量が30重量%未満では膏体粘度の増加により膏体の不均一化、作業性の低下を招く。他方、上記の配合量が70重量%を越えると製剤の凝集力が低下すると共にベタツキ等が増加する。
【0021】
本発明のフェルビナク含有貼付剤においては、上述のスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、ポリイソブチレン、ロジン系樹脂および可塑剤を含む基剤中に更に分散剤が特定の配合割合で含有されている。本発明にかかる分散剤とは、製剤中の諸成分、特にスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体およびポリイソブチレンの分散性を高めるものであり、合成ケイ酸アルミニウムおよび/または含水ケイ酸アルミニウムが好適に用いられ得る。このような分散剤としては、1種又は2種の組合せを使用することができるが、中でも特に合成ケイ酸アルミニウムが好ましい。
【0022】
上記分散剤の配合量は、貼付剤全体の0.01〜5重量%であり、好ましくは0.1〜2重量%であり、より好ましくは0.3〜1重量%である。なお、上記の配合量が0.01重量%未満では製剤中のスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体とポリイソブチレンの凝集により分散性が不均一となり、フェルビナクの均一性が十分でなく、一定した薬物放出性が得られない。他方、上記の配合量が5重量%を越えると分散剤とフェルビナクとの相互作用により薬物の放出率が低下する。
【0023】
本発明の貼付剤においては、上記基剤中に薬効成分としてのフェルビナク、すなわち4−ビフェニル酢酸、が前述の通り1〜5重量%含有されている。
【0024】
そして、上記組成を有する本発明の貼付剤においては、上記分散剤が含有されているため、製剤中の諸成分、特にスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体およびポリイソブチレンが凝集することなく均一に分散されており、フェルビナクの均一分散性も十分に保たれている。これにより、本発明の貼付剤においては、恒常的に高い薬物放出性が安定して維持されることとなり、フェルビナクによる十分な消炎鎮痛効果が皮膚刺激等の弊害を招くことなく長時間にわたって安定して得られ、しかも製剤の優れた安定性および付着性も実現される。
【0025】
本発明の貼付剤は、上記のスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、ポリイソブチレン、ロジン系樹脂、可塑剤、分散剤及びフェルビナクに加えて、無機充填剤、合成高分子、粘着付与剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、抗ヒスタミン剤、抗菌剤、香料等の他の添加成分を必要に応じてさらに含有していてもよく、中でも酸化防止剤をさらに含有していることが好ましい。
【0026】
このような他の添加成分としては、無機充填剤(カオリン、酸化チタン、タルク、酸化亜鉛、含水シリカ、炭酸マグネシウム、リン酸水素カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイソウ土、無水ケイ酸、ベントナイト等)、合成高分子(ポリアクリル酸系ポリマー、合成ポリイソプレンゴム、ポリスチレン、ポリブタジエンゴム、シリコーンゴム、スチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレンブロック共重合体等)、粘着付与剤(テルペン樹脂、石油系樹脂等)、酸化防止剤(アスコルビン酸、没食子酸プロピル、ブチルヒドロキシアニソール、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ノルジヒドログアヤレチン酸、トコフェロール、酢酸トコフェロール等)、紫外線吸収剤(パラアミノ安息香酸、パラアミノ安息香酸エステル、パラジメチルアミノ安息香酸アミル、サリチル酸エステル、アントラニル酸メチル、ウンベリフェロン、エスクリン、ケイヒ酸ベンジル、シノキサート、グアイアズレン、ウロカニン酸、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、オクタベンゾン、ジオキシベンゾン、ジヒドロキシジメトキシベンゾフェノン、スリンベンゾン、ベンゾレルシノール、オクチルジメチルパラアミノベンゾエート、エチルヘキシルパラメトキシサイナメート等)、抗ヒスタミン剤(塩化イソペンチル、塩酸ジフェンヒドラミン、塩酸イプロヘプチン、塩酸ジフェニルピラリン、塩酸シプロヘプタジン、塩酸トリプロリジン、塩酸プロメタジン、塩酸ホモクロルシクリジン、酒石酸アリメマジン、タンニン酸ジフェンヒドラミン、テオクル酸ジフェニルピラリン、フマル酸クレマスチン、マレイン酸クロルフェニラミン、マレイン酸ジメチンデン、メキタジン等)、抗菌剤(パラオキシ安息香酸エステル、安息香酸、安息香酸塩、サリチル酸塩、ソルビン酸、ソルビン酸塩、デヒドロ酢酸塩、4−イソプロピル−3−メチルフェノール、2−イソプロピル−5−メチルフェノール、ヒノキチオール、クレゾール、2,4,4−トリクロロ−2’−ヒドロキシジフェニルエーテル、3,4,4’−トリクロロカルバニド、クロロブタノール、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム等)、清涼剤又は香料(l−メントール等)等が挙げられる。
【0027】
このような他の添加成分の配合量は、貼付剤全体の好ましくは0.01〜7重量%、より好ましくは0.1〜5重量%である。これらの他の添加成分のうち、酸化防止剤の配合量は貼付剤全体の好ましくは0.1〜5重量%、より好ましくは0.5〜2重量%である。上記の配合量が上記下限未満では経時による基剤の劣化が起こり、膏体残り、ベタツキ等が増加する傾向にあり、他方、上記の配合量が上記上限を越えると製剤の凝集力、保型性が低下し、剥離時の痛み、ベタツキ等が増加する傾向にある。
【0028】
上記の諸成分を用いて調製される本発明の貼付剤(貼付剤層)の厚み(後述する支持体及び剥離被覆物の厚みは含まない)は50〜300μmであることが好ましく、より好ましくは80〜200μmである。なお、上記の厚みが50μm未満では粘着性や付着性の持続が低下する傾向にあり、他方、上記の厚みが300μmを超えると凝集力や保型性が低下する傾向にある。
【0029】
このような本発明の貼付剤は、後述する伸縮性に富んだ支持体を使用することにより縦横自由自在に伸縮し、高水準の貼付感が達成される。
【0030】
上記本発明のフェルビナク含有貼付剤は、以下の優れた諸特性:
1)消炎鎮痛作用に優れたフェルビナクがコンスタントにかつ高い放出性を示すため、治療効果の高い薬効が発現される;
2)基剤成分としてスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、ポリイソブチレン、ロジン系樹脂、可塑剤および分散剤を選択したことにより、恒常的に高い薬物放出性が安定して維持されると共に、製剤の安定性が良好となり、かつ皮膚刺激性の低減が実現される;
3)伸縮性を持つ支持体を採用することが可能となり、肘や膝などの屈曲部位にも十分追随しかつ長時間剥がれることなく貼付できる付着性が実現される。
を有する;
上記本発明の貼付剤の支持体としては、本発明の貼付剤からの薬物の放出に影響しないものが望ましく、伸縮性又は非伸縮性のものが用いられ得る。本発明に使用可能な支持体としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ナイロン、ポリウレタン等の合成樹脂のフィルム、シート、シート状多孔質体、シート状発泡体、織布又は不織布;紙;織布;不織布;これらの積層体等が挙げられる。
【0031】
これらの貼付剤支持体の中でも、伸縮性を有する支持体が好ましく、試料幅50mm、試料長200mm及び伸長速度200mm/minの測定条件での30%伸張時荷重(JIS L 1096に規定)が好ましくは縦方向(長辺方向)100〜800gおよび横方向(短辺方向)500〜2500gであり、より好ましくは縦方向100〜500gおよび横方向500〜2000gである。また、試料幅50mm、試料長200mm及び伸長速度200mm/minの測定条件での50%伸張時回復率(JIS L 1096に規定)が好ましくは縦方向75〜95%および横方向65〜85%であり、より好ましくは縦方向80〜95%および横方向70〜85%である。なお、これらの支持体の30%伸張時荷重が上記下限未満の場合には貼付時に支持体の腰がなくなってハンドリングが難しくなる傾向にある。他方、30%伸張時荷重が上記上限を超える場合には長時間にわたる屈曲部位への付着性が困難となる傾向にある。また、これらの支持体の50%伸張時回復率が上記下限未満の場合には屈曲部位への貼付の際に屈曲部位への追従性に乏しく良好な付着性が得られない傾向にある。他方、50%伸張時回復率が上記上限を超える場合には貼付時におけるハンドリングが難しくなる傾向にある。
【0032】
前述のように本発明の貼付剤は、伸縮性に富んだ支持体を使用することにより肘や膝等の動きが激しい屈曲部位等に長時間にわたってしっかりと貼着される。なお、本発明にかかる前記支持体の目付(単位面積当たりの重量)は100±30g/m2であることが好ましい。
【0033】
次に、本発明のフェルビナク含有貼付剤の製造方法の好適な一例について説明する。
【0034】
先ず、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、ポリイソブチレン、ロジン系樹脂、可塑剤および分散剤(他の添加成分等を含有させる場合はさらにそれらの成分)をそれぞれ所定の割合で混合して混合物とし、窒素等の不活性雰囲気下で加熱攪拌して溶解物とする。撹拌時の温度は110〜200℃が好ましく、撹拌時間は30〜120分間が好ましい。続いて、薬効成分であるフェルビナクを前記溶解物中に添加し、好ましくは110〜200℃で好ましくは5〜30分間撹拌して均一な溶解物を得る。また、上記諸成分をそれぞれ所定の割合となるようにトルエンや酢酸エチル等の有機溶剤に添加し、攪拌して均一な溶解物を得てもよい。
【0035】
次に、この溶解物を通常の方法で直接支持体上に展延した後に剥離被覆物で覆うか、あるいは一旦この溶解物を剥離被覆物上に展延した後に支持体上に被せて溶解物を支持体上に圧着転写させても良い。また、有機溶剤を用いて均一な溶解物を得ている場合は、剥離被覆物に展延後乾燥機により乾燥し、有機溶剤を揮発除去させた後に支持体を圧着転写させることが好ましい。このような剥離被覆物としては、剥離処理(剥離しやすくするための処理)を施した剥離紙、セロファン、又はポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル等の合成樹脂フィルム等が挙げられる。
【0036】
なお、前記製造方法における各基剤成分、薬効成分、その他の添加成分を配合する順序は、その一例を述べたに過ぎず、本発明の貼付剤の製造方法はこの配合順序の方法に限定されるものではない。
【0037】
【実施例】
以下、本発明のフェルビナク含有貼付剤について実施例及び比較例を示してより具体的に説明するが、本発明のフェルビナク含有貼付剤は下記の実施例に記載のものに限定されるものではない。なお、実施例及び比較例中、「部」とは特に明記しない限り「重量部」を意味する。
【0038】
実施例1
スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体 21.0部
(クレイトンD KX401CS)
ポリイソブチレン 7.0部
ロジン系樹脂 15.0部
(フォーラル 85)
流動パラフィン 53.0部
合成ケイ酸アルミニウム 1.0部
フェルビナク 3.0部
上記の処方で前記製造方法に従って貼付剤を作製した。すなわち、上記処方中のフェルビナク以外の諸成分を混合して混合物とし、窒素雰囲気下で加熱攪拌して溶解物とした。続いて、薬効成分であるフェルビナクを前記溶解物中に添加し、加熱攪拌して均一な溶解物を得た。次に、この溶解物を支持体(ポリプロピレンからなる不織布)上に、得られる貼付剤層の厚みが150μmとなるように展延した後に剥離被覆物(ポリエステルフィルム)で覆い、冷却後に所望の大きさに裁断してフェルビナク含有貼付剤を得た。また、使用した支持体は、前述の30%伸張時荷重が縦方向250gおよび横方向1200gであり、50%伸張時回復率が縦方向90%および横方向75%のものであった。
【0039】
実施例2
スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体 20.0部
(SIS−5000)
ポリイソブチレン 5.0部
ロジン系樹脂 16.0部
(エステルガム H)
流動パラフィン 55.8部
合成ケイ酸アルミニウム 0.2部
フェルビナク 3.0部
上記の処方で前記製造方法に従って貼付剤を作製した。すなわち、上記処方中のフェルビナク以外の諸成分を混合して混合物とし、窒素雰囲気下で加熱攪拌して溶解物とした。続いて、薬効成分であるフェルビナクを前記溶解物中に添加し、加熱攪拌して均一な溶解物を得た。次に、この溶解物を支持体(ポリエステルからなる織布)上に、得られる貼付剤層の厚みが150μmとなるように展延した後に剥離被覆物(ポリエステルフィルム)で覆い、冷却後に所望の大きさに裁断してフェルビナク含有貼付剤を得た。また、使用した支持体は、前述の30%伸張時荷重が縦方向500gおよび横方向1800gであり、50%伸張時回復率が縦方向80%および横方向70%のものであった。
【0040】
実施例3
スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体 18.0部
(SIS−5000)
スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体 3.0部
(クレイトンD KX401CS)
ポリイソブチレン 5.0部
ロジン系樹脂 15.0部
(パインクリスタル KE−311)
流動パラフィン 53.2部
ジブチルヒドロキシトルエン 1.0部
合成ケイ酸アルミニウム 1.8部
フェルビナク 3.0部
上記の処方で前記製造方法に従って貼付剤を作製した。すなわち、上記処方中のフェルビナク以外の諸成分を混合して混合物とし、窒素雰囲気下で加熱攪拌して溶解物とした。続いて、薬効成分であるフェルビナクを前記溶解物中に添加し、加熱攪拌して均一な溶解物を得た。次に、この溶解物を支持体(ポリウレタンからなるフィルム)上に、得られる貼付剤層の厚みが150μmとなるように展延した後に剥離被覆物(ポリエステルフィルム)で覆い、冷却後に所望の大きさに裁断してフェルビナク含有貼付剤を得た。また、使用した支持体は、前述の30%伸張時荷重が縦方向300gおよび横方向850gであり、50%伸張時回復率が縦方向85%および横方向75%のものであった。
【0041】
実施例4
スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体 10.5部
(SIS−5000)
スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体 10.5部
(クレイトンD KX401CS)
ポリイソブチレン 5.0部
ロジン系樹脂 14.2部
(ステベライトエステル7)
流動パラフィン 55.0部
ジブチルヒドロキシトルエン 1.0部
合成ケイ酸アルミニウム 0.8部
フェルビナク 3.0部
上記の処方で前記製造方法に従って貼付剤を作製した。すなわち、上記処方中のフェルビナク以外の諸成分を混合して混合物とし、窒素雰囲気下で加熱攪拌して溶解物とした。続いて、薬効成分であるフェルビナクを前記溶解物中に添加し、加熱攪拌して均一な溶解物を得た。次に、この溶解物を支持体(ポリエステルからなる不織布)上に、得られる貼付剤層の厚みが150μmとなるように展延した後に剥離被覆物(ポリエステルフィルム)で覆い、冷却後に所望の大きさに裁断してフェルビナク含有貼付剤を得た。また、使用した支持体は、前述の30%伸張時荷重が縦方向600gおよび横方向1800gであり、50%伸張時回復率が縦方向90%および横方向85%のものであった。
【0042】
実施例5
スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体 4.0部
(SIS−5000)
スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体 15.0部
(クレイトンD KX401CS)
ポリイソブチレン 5.93部
ロジン系樹脂 16.0部
(ステベライトエステル7)
流動パラフィン 55.0部
ジブチルヒドロキシトルエン 1.0部
合成ケイ酸アルミニウム 0.07部
フェルビナク 3.0部
上記の処方で前記製造方法に従って貼付剤を作製した。すなわち、上記処方中のフェルビナク以外の諸成分を混合して混合物とし、窒素雰囲気下で加熱攪拌して溶解物とした。続いて、薬効成分であるフェルビナクを前記溶解物中に添加し、加熱攪拌して均一な溶解物を得た。次に、この溶解物を支持体(ポリエステルからなる不織布)上に、得られる貼付剤層の厚みが150μmとなるように展延した後に剥離被覆物(ポリエステルフィルム)で覆い、冷却後に所望の大きさに裁断してフェルビナク含有貼付剤を得た。また、使用した支持体は、前述の30%伸張時荷重が縦方向600gおよび横方向1800gであり、50%伸張時回復率が縦方向90%および横方向85%のものであった。
【0043】
比較例1
スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体 18.0部
(SIS−5000)
ポリイソブチレン 5.0部
ロジン系樹脂 25.0部
(パインクリスタル KE−311)
流動パラフィン 49.0部
フェルビナク 3.0部
上記の処方で前記製造方法に従って貼付剤を作製した。すなわち、上記処方中のフェルビナク以外の諸成分を混合して混合物とし、窒素雰囲気下で加熱攪拌して溶解物とした。続いて、薬効成分であるフェルビナクを前記溶解物中に添加し、加熱攪拌して均一な溶解物を得た。次に、この溶解物を支持体(ポリエステルからなる織布)上に、得られる貼付剤層の厚みが150μmとなるように展延した後に剥離被覆物(ポリエステルフィルム)で覆い、冷却後に所望の大きさに裁断してフェルビナク含有貼付剤を得た。また、使用した支持体は、前述の30%伸張時荷重が縦方向290gおよび横方向1460gであり、50%伸張時回復率が縦方向82%および横方向70%のものであった。
【0044】
比較例2
スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体 19.0部
(クレイトンD KX401CS)
ポリイソブチレン 6.0部
ロジン系樹脂 14.0部
(パインクリスタル KE−100)
流動パラフィン 50.0部
ジブチルヒドロキシトルエン 2.0部
合成ケイ酸アルミニウム 6.0部
フェルビナク 3.0部
上記の処方で前記製造方法に従って貼付剤を作製した。すなわち、上記処方中のフェルビナク以外の諸成分を混合して混合物とし、窒素雰囲気下で加熱攪拌して溶解物とした。続いて、薬効成分であるフェルビナクを前記溶解物中に添加し、加熱攪拌して均一な溶解物を得た。次に、この溶解物を支持体(ポリエステルからなる織布)上に、得られる貼付剤層の厚みが150μmとなるように展延した後に剥離被覆物(ポリエステルフィルム)で覆い、冷却後に所望の大きさに裁断してフェルビナク含有貼付剤を得た。また、使用した支持体は、前述の30%伸張時荷重が縦方向250gおよび横方向1200gであり、50%伸張時回復率が縦方向90%および横方向75%のものであった。
【0045】
比較例3
ポリアクリル酸ナトリウム 5.0部
カルボキシメチルセルロースナトリウム 5.0部
ソルビトール 15.0部
ゼラチン 10.0部
酸化チタン 5.0部
グリセリン 15.0部
精製水 40.0部
フェルビナク 5.0部
上記の処方で前記製造方法に従って貼付剤を作製した。すなわち、上記処方中のフェルビナク以外の諸成分を混合し、続いて薬効成分であるフェルビナクを前記混合物中に添加し、均一な混合物を得た。次に、この溶解物を支持体(ポリエステルからなる織布)上に、得られる貼付剤層の厚みが1000μmとなるように展延した後に剥離被覆物(ポリエステルフィルム)で覆い、冷却後に所望の大きさに裁断してフェルビナク含有貼付剤を得た。また、使用した支持体は、前述の30%伸張時荷重が縦方向250gおよび横方向1200gであり、50%伸張時回復率が縦方向90%および横方向75%のものであった。
【0046】
比較例4
2−エチルヘキシルアクリレート96.5部、アクリル酸3.0部、および過酸化ベンゾイル0.5部を酢酸エチル中にて重合せしめ、固形分濃度50.0%のアクリル系粘着剤を得た。このアクリル系粘着剤を用いて下記の処方:
アクリル系粘着剤溶液 96.0部
ジブチルヒドロキシトルエン 1.0部
フェルビナク 3.0部
に従って貼付剤を作製した。すなわち、上記処方中の諸成分を混合して混合物とし、加熱攪拌して均一な溶解物を得た。次に、この溶解物を剥離被覆物(ポリエステルフィルム)上に、得られる貼付剤層の厚みが80μmとなるように展延した後に温風乾燥により酢酸エチルを揮発除去し、支持体(ポリエステルからなる織布)で覆い、所望の大きさに裁断してフェルビナク含有貼付剤を得た。また、使用した支持体は、前述の30%伸張時荷重が縦方向250gおよび横方向1200gであり、50%伸張時回復率が縦方向90%および横方向75%のものであった。
【0047】
試験例1(薬物放出性試験)
実施例1、2、3、4、5および比較例2、4で得られた貼付剤の薬物放出性を、米国薬局方放出試験法(USP)記載の回転シリンダー法により下記条件:
試験液 日局崩壊試験法第2液
液温 37±0.5℃
シリンダー下端と容器底内面との間の距離 12±2mm
回転数 50rpm
で実施した。得られた結果を図1に示す。横軸は試験開始からの時間、縦軸はフェルビナクの放出率を示している。
【0048】
図1に示した結果からも明らかなように、実施例1、2、3、4および5で得られた本発明の貼付剤の試験開始から1時間後の薬物放出率はそれぞれ23.5%、23.8%、24.5%、21.0%および18.0%、試験開始から3時間後の薬物放出率はそれぞれ40.7%、45.0%、47.0%、38.0%および35.0%、試験開始から6時間後の薬物放出率はそれぞれ59.4%、66.1%、68.0%、57.0%および52.0%であり、恒常的に高い薬物放出性が安定して維持されていることが確認された。
【0049】
それに対して、分散剤を6.0重量%含有する比較例2で得られた貼付剤、並びにアクリル系粘着剤を用いた比較例4で得られた貼付剤はいずれも、薬物放出率が低く、しかも時間の経過にしたがって更に薬物放出率が低下してしまうことが確認された。
【0050】
試験例2(官能貼付試験)
実施例1および比較例3で得られた貼付剤を用いて、健康成人男性30名を対象にした官能貼付試験を実施した。すなわち、各貼付剤(大きさ10×14cm)を各人の膝に貼付し、約8時間後における剥離の状況、並びに貼付している間のフィット感についての評価を得た。得られた結果を表1に示す。
【0051】
表1に示した結果から明らかなように、実施例1で得られた本発明の貼付剤は付着性およびフィット感のいずれにおいても評価が高く、使用上非常に優れた貼付剤であることが確認された。それに対して、水系の基剤を用いた比較例3で得られた貼付剤は長時間にわたる付着性に乏しく、フィット感も満足できるものではなかった。
【0052】
【表1】
【0053】
試験例3(皮膚刺激性試験)
実施例2、3、4および比較例4で得られた貼付剤を用いて、健康成人男性30名を対象にした48時間パッチテストを実施し、皮膚刺激性を評価した。すなわち、各貼付剤(大きさ:直径2.5cmの円)を各人の背中に貼付し、48時間後における皮膚刺激指数を得た。なお、皮膚刺激指数は須貝式(皮膚、第27巻、第4号、昭和60年8月参照)により求めた。得られた結果を表2に示す。
【0054】
表2に示した結果から明らかなように、実施例2、3、4で得られた本発明の貼付剤は皮膚刺激指数が15以下と低く、安全性が高いことが確認された。それに対して、アクリル系粘着剤を用いた比較例4で得られた貼付剤は皮膚刺激指数が32.8と高く、皮膚刺激が強いことが確認された。
【0055】
【表2】
【0056】
試験例4(粘着力安定性試験)
実施例1、3、4および比較例1、3で得られた貼付剤を用いて、プローブタック試験法により粘着力安定性を評価した。すなわち、ASTM D 2979に規定されるプローブタック試験法にしたがって各貼付剤を40℃の条件下で保存し、初期、3ヶ月保存後および6ヶ月保存後の粘着力をASTM D 2979に規定される粘着力測定法にしたがって測定した。得られた結果を表3に示す。
【0057】
表3に示した結果から明らかなように、実施例1、3、4で得られた本発明の貼付剤の粘着力は加速試験実施後もほとんど変化せず、粘着力の安定性が極めて高いことが確認された。それに対して、分散剤を含有しない比較例1で得られた貼付剤の粘着力は経時的に低下し、粘着力の安定性が低いことが確認された。また、水系の基剤を用いた比較例3で得られた貼付剤は粘着力がはじめから低く、満足されるものではなかった。
【0058】
【表3】
【0059】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、強い消炎鎮痛作用を示すフェルビナクによる十分な消炎鎮痛効果が、皮膚刺激等の弊害を招くことなく長時間にわたって安定して得られ、しかも製剤の安定性および付着性にも優れたフェルビナク含有貼付剤を得ることが可能となる。従って、本発明によって、消炎鎮痛を目的とする医薬品(外用貼付剤)として有用なフェルビナク含有貼付剤を提供できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】薬物放出性試験の結果を示すグラフである。
Claims (4)
- スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、ポリイソブチレン、ロジン系樹脂、可塑剤、フェルビナク、並びに合成ケイ酸アルミニウムおよび/または含水ケイ酸アルミニウムを含有することを特徴とする、フェルビナク含有貼付剤。
- スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体10〜30重量%、ポリイソブチレン5〜15重量%、ロジン系樹脂5〜30重量%、可塑剤30〜70重量%、フェルビナク1〜5重量%、並びに合成ケイ酸アルミニウムおよび/または含水ケイ酸アルミニウム0.01〜5重量%を含有することを特徴とする、フェルビナク含有貼付剤。
- スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体10〜30重量%、ポリイソブチレン5〜15重量%、ロジン系樹脂5〜30重量%、可塑剤30〜70重量%、フェルビナク1〜5重量%、並びに合成ケイ酸アルミニウムおよび/または含水ケイ酸アルミニウム0.01〜5重量%を含有する、フェルビナク含有貼付剤であって、貼付剤層の厚みが50〜300μmであることを特徴とする、フェルビナク含有貼付剤。
- 前記フェルビナク含有貼付剤が支持体を更に備えており、該支持体が、試料幅50mm、試料長200mmおよび伸長速度200mm/minの測定条件での30%伸張時荷重が縦方向100〜800gおよび横方向500〜2500gであり、50%伸張時回復率が縦方向75〜95%および横方向65〜85%を示すものであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の貼付剤。
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