JPH11220210A - 自励発振型半導体レーザ - Google Patents
自励発振型半導体レーザInfo
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Abstract
においても安定に自励発振する自励発振型半導体レーザ
を提供する。 【解決手段】パルセーションを安定に生じさせるため
に、電流は活性層横方向に広がらず、光スポットは広が
らせその差を大きくして、可飽和吸収領域を広く確保す
るように、p型AlGaInPクラッド層104の電流
狭窄層108との間の厚さdを、たとえばd≦400n
m、好適にはd≦350nm程度に設定し、さらに、横
方向の導波に関して、ストライプ部107に対応する部
分とその両側に対応する部分との屈折率差Δn(=n1
−n2)を、パルセーションを持続して発生可能な0.
001〜0.003の範囲内の小さな値を維持できるよ
うに、n型AlGaInPクラッド層102側のガイド
層102aの厚みを増やし、SCH構造を非対称化させ
る。
Description
とでマルチモード化を実現する自励発振型半導体レーザ
に関するものである。
源として用いられるが、この際、戻り光ノイズをいかに
抑制するかが重要である。この戻り光ノイズを抑制する
ための対策を施した半導体レーザの一つに、半導体レー
ザを自励発振させることでマルチモード化を図った、い
わゆる自励発振型半導体レーザが知られている。
構成例を示す断面図である。なお、ここではAlGaI
nP系の材料により自励発振型半導体レーザを構成した
場合を示す。
レーザ10は、n型GaAs基板11上に、n型AlG
aInPクラッド層12、GaInP活性層13、p型
AlGaInPクラッド層14、p型GaInP中間層
15およびp型GaAsキャップ層16が順次積層され
ている。そして、p型AlGaInPクラッド層14の
上層部、p型GaInP中間層15およびp型GaAs
キャップ層16は、一方向に延びるメサ型のストライプ
形状を有している。すなわち、これらのp型AlGaI
nPクラッド層14の上層部、p型GaInP中間層1
5およびp型GaAsキャップ層16からストライプ部
17が構成されている。このストライプ部17の両側の
部分にはn型GaAs電流狭窄層18が埋め込まれ、こ
れにより電流狭窄構造が形成されている。
aAs電流狭窄層18の上には、たとえばTi/Pt/
Au電極のようなp側電極19が設けられている。一
方、n型GaAs基板11の裏面には、たとえばAuG
e/Ni/Au電極のようなn側電極20が設けられて
いる。
10の屈折率分布を示す略線図である。ここでは、自励
発振型半導体レーザ10のpn接合と平行で、かつ、共
振器長方向と垂直な方向(以下、この方向を横方向とい
う)の屈折率分布を、図7に対応させて示している。
ザ10は、横方向における屈折率が、ストライプ部17
に対応する部分における屈折率n1が高く、ストライプ
部17の両側に対応する部分における屈折率n2が低
い、いわゆるステップ状に屈折率分布を有している。
は、横方向における屈折率をステップ状に変化させるこ
とにより、横方向の光導波を行っている。この場合、ス
トライプ部17に対応する部分とその両側に対応する部
分との屈折率差Δn(=n1−n2)は0.003程度
以下とされ、GaInP活性層13の横方向での光の閉
じ込めが緩和されている。
レーザ10の動作時には、図7に示すように、GaIn
P活性層13の内部の利得領域21の幅WG に対して光
導波領域22の幅WP が大きくなり、利得領域21の外
側における光導波領域22が可飽和吸収領域23とな
る。
方向の屈折率変化を小さくすることで横方向への光のし
みだし量を多くし、光とGaInP活性層13の内部の
可飽和吸収領域23との相互作用を多くさせることによ
り自励発振を実現している。このため、可飽和吸収領域
23を十分に確保することが必要である。
の自励発振型半導体レーザ10は、図9に示すように、
いわゆるリッジ(Ridge) 構造を有し、可飽和吸収体(SA
R;Saturable Absorbing Reagion) を活性層内の光導波
路両脇に設けて自励発振を行わせている。この場合、図
9に示すように、電流広がりによって生じる活性層内ゲ
イン領域(その幅をGとする)をできるだけ狭くし、逆
に光導波スポットサイズ(その幅をPとする)を比較的
大きめに設定して、P>Gなる関係を満たした場合、こ
の差分が可飽和吸収体として機能し、自励発振を生じさ
せていた。このために具体的には導波の屈折率差Δnを
0.005〜0.001程度のインデックスガイド(Ind
ex Guide) とゲインガイド(Gain Guide)の中間的なガイ
ドとしてこの関係を満足させている。
では、可飽和吸収体の広さが光の広がり具合と電流の広
がり具合の程度の微妙な釣り合いで決まるため、「自励
発振を生じるレーザの歩留りが悪い」、「自励発振が高
温動作時に電流拡散が増え、可飽和吸収体を狭くするこ
とで抑制される」、「高出力動作時に同様に電流拡散が
増え、可飽和吸収体を狭くし抑制される」等の不安定性
が見られる。特に、高温、高出力時にいわゆるパルセー
ション(Pulsation) が停止し、ノイズの問題が発生す
る。
に電流しきい値Ithが通常のインデックスガイド型やゲ
インガイド型に比べてかなり高く(1.5倍程度)、ま
た方式によってはいわゆるL−I特性に電流しきい値I
th付近で立上がりの鋭いキンクを生じるものであり、レ
ーザ応用上ネックになっている。
のであり、その目的は、製造歩留りが高く、高温動作時
や高出力動作時においても安定に自励発振する自励発振
型半導体レーザを提供することにある。
め、本発明は、第1導電型の第1のクラッド層と、上記
第1のクラッド層上に形成された活性層と、上記活性層
上に形成された第2導電型の第2のクラッド層と、上記
第2のクラッド層に設けられたストライプ部の両側の部
分に第1導電型の電流狭窄層が埋め込まれた電流狭窄構
造を有し、レーザ共振器内部に可飽和吸収体が活性層の
両脇に形成された自励発振型半導体レーザであって、上
記pn接合と平行で、かつ、共振器長方向と垂直な横方
向の導波に関して作りつけの屈折率差Δnをパルセーシ
ョンを維持して発生可能な範囲内に保持する保持機構を
有し、かつ上記導波の外側にあたる上記第2のクラッド
層の厚さdが、上記ストライプ部を通して活性層に対し
て注入される電流の横方向の広がりを略上記ストライプ
部の底部のストライプ幅Wの近傍に抑止可能な狭さに設
定されている。
ッド層と、上記第1のクラッド層上に形成された活性層
と、上記活性層上に形成された第2導電型の第2のクラ
ッド層と、上記第2のクラッド層に設けられたストライ
プ部の両側の部分に第1導電型の電流狭窄層が埋め込ま
れた電流狭窄構造を有し、レーザ共振器内部に可飽和吸
収体が活性層の両脇に形成された自励発振型半導体レー
ザであって、上記pn接合と平行で、かつ、共振器長方
向と垂直な横方向の導波に関して作りつけの屈折率差Δ
nをパルセーションを維持して発生可能な範囲内に保持
するように、上記第1導電型の第1のクラッド層側のガ
イド層の厚さを上記第2導電型の第2のクラッド層側の
ガイド層の厚さより厚くした非対称構造を備えた保持機
構を有し、かつ上記導波の外側にあたる上記第2のクラ
ッド層の厚さdが、上記ストライプ部を通して活性層に
対して注入される電流の横方向の広がりを略上記ストラ
イプ部の底部のストライプ幅Wの近傍に抑止可能な狭さ
に設定されている。
ッド層と、上記第1のクラッド層上に形成された活性層
と、上記活性層上に形成された第2導電型の第2のクラ
ッド層と、上記第2のクラッド層に設けられたストライ
プ部の両側の部分に第1導電型の電流狭窄層が埋め込ま
れた電流狭窄構造を有し、レーザ共振器内部に可飽和吸
収体が活性層の両脇に形成された自励発振型半導体レー
ザであって、上記pn接合と平行で、かつ、共振器長方
向と垂直な横方向の導波に関して作りつけの屈折率差Δ
nをパルセーションを維持して発生可能な範囲内に保持
するように、上記第1導電型の第1のクラッド層中に、
光モードを第1の導電側に引き込むモード引き込み層が
設けられ、かつ、上記導波の外側にあたる上記第2のク
ラッド層の厚さdが、上記ストライプ部を通して活性層
に対して注入される電流の横方向の広がりを略上記スト
ライプ部の底部のストライプ幅Wの近傍に抑止可能な狭
さに設定されている。
ッド層と、上記第1のクラッド層上に形成された活性層
と、上記活性層上に形成された第2導電型の第2のクラ
ッド層と、上記第2のクラッド層に設けられたストライ
プ部の両側の部分に第1導電型の電流狭窄層が埋め込ま
れた電流狭窄構造を有し、レーザ共振器内部に可飽和吸
収体が活性層の両脇に形成された自励発振型半導体レー
ザであって、上記pn接合と平行で、かつ、共振器長方
向と垂直な横方向の導波に関して作りつけの屈折率差Δ
nをパルセーションを維持して発生可能な範囲内に保持
するように、上記第1導電型の第1のクラッド層側のガ
イド層の厚さを上記第2導電型の第2のクラッド層側の
ガイド層の厚さより厚くした非対称構造を備えた保持機
構と、上記第1導電型の第1のクラッド層中に設けら
れ、光モードを第1の導電側に引き込むモード引き込み
層とを有し、かつ、上記導波の外側にあたる上記第2の
クラッド層の厚さdが、上記ストライプ部を通して活性
層に対して注入される電流の横方向の広がりを略上記ス
トライプ部の底部のストライプ幅Wの近傍に抑止可能な
狭さに設定されている。
0.003以下0.001以上である。
の厚さdは、400nm以下である。
部のストライプ幅Wが、4μm以下である。
は、その屈折率を第1のクラッド層の屈折率をより高く
設定して構成されている。
の動作時に、電流はストライプ部を流れるが、この場
合、第2のクラッド層の電流狭窄層との間の厚さdがた
とえば400nm以下の十分に小さい値に設定されてい
ることから、横方向の電流の広がりは、ストライプ幅W
程度に抑えられる。また、第1のクラッド層側のガイド
層の厚みを増やし、SCH構造が非対称化され、あるい
は光モードを第1導電側に引き込むように、たとえば第
1のクラッド層より屈折率を高くしたモード引き込み層
が設けられていることから、横方向の導波に関して、ス
トライプ部に対応する部分とその両側に対応する部分と
の屈折率差Δnが、パルセーションを持続して発生可能
な0.001〜0.003の範囲内の小さな値に維持さ
れている。したがって、横方向への光の広がりは、スト
ライプ幅Wより大きくなり、いわゆるインデックスガイ
ドにように光が絞り込まれ、パルセーションが発生しな
くなるということがなく、パルセーションが安定に持続
して発生される。すなわち、自励発振が安定に行われ
る。
実施形態を示す断面図である。なお、ここではAlGa
InP系の材料により レーザ共振器内部に可飽和吸収
体が活性層の両脇に形成された自励発振型半導体レーザ
を構成した場合を示す。
レーザ100は、n型(第1導電型)GaAs基板10
1上に、n型AlGaInPクラッド層(第1のクラッ
ド層)102、GaInP活性層103、p型(第2導
電型)AlGaInPクラッド層(第2のクラッド層)
104、p型GaInP中間層105およびp型GaA
sキャップ層106が順次積層されている。そして、p
型AlGaInPクラッド層104の上層部、p型Ga
InP中間層105およびp型GaAsキャップ層10
6は、一方向に延びるメサ型のストライプ形状を有して
いる。すなわち、これらのp型AlGaInPクラッド
層104の上層部、p型GaInP中間層105および
p型GaAsキャップ層106からストライプ部107
が構成されている。このストライプ部107の両側の部
分にはn型GaAs電流狭窄層108が埋め込まれ、こ
れにより電流狭窄構造が形成されている。
GaAs電流狭窄層108の上には、たとえばTi/P
t/Au電極のようなp側電極109が設けられてい
る。一方、n型GaAs基板101の裏面には、たとえ
ばAuGe/Ni/Au電極のようなn側電極110が
設けられている。
おいては、パルセーションを安定に生じさせるために、
電流は活性層横方向に広がらず、光スポットは広がらせ
その差を大きくして、可飽和吸収領域を広く確保するよ
うに、p型AlGaInPクラッド層104の電流狭窄
層108との間の厚さdが、たとえばd≦400nm、
好適にはd≦350nm程度に設定される。さらに、い
わゆる横方向(pn接合と平行で、かつ、共振器長方向
と垂直な方向)の導波に関して、ストライプ部107に
対応する部分とその両側に対応する部分との屈折率差Δ
n(=n1−n2)を、パルセーションを持続して発生
可能な0.001〜0.003の範囲内の小さな値を維
持できるように、n型AlGaInPクラッド層102
側のガイド層102aの厚みを増やし、SCH構造が非
対称化されている。
1の自励発振型半導体レーザ100のn型AlGaIn
Pクラッド層102、GaInP活性層103、p型A
lGaInPクラッド層104に亘る屈折率分布を示す
図である。このような非対称化構造を実現することによ
り、いわゆる光モードがn側に引き込まれ、p型AlG
aInPクラッド層104の電流狭窄層108との間の
厚さdを400nm以下の小さい値に設定しても、横方
向の屈折率差Δnを0.001〜0.003の範囲内の
小さな値を維持できる。
て0.003以下0.001以上、可能ならば0.00
2以下0.0012以上程度となるように構成される。
いては、メサ形状底部のストライプ幅Wが、W≦4.0
μmに設定されている。
00におけるn型AlGaInPクラッド層102、G
aInP活性層103、p型AlGaInPクラッド層
104部分の化合物の各組成比例を示す。図3に示すよ
うに、n型クラッド層102は(Al0.7 Ga0.3 )
0.5 In0. 5 P、活性層103を含むn型クラッド層側
の領域は(Al0.5 Ga0.5 )0.5In0.5 P/GaI
nP、p型クラッド層103は(Al0.7 Ga0.3 )
0.5 In0.5 Pとなるように構成される。
体レーザ100の製造は、周知の一般的な方法で行われ
る。以下に、製造方法の概略を簡単に説明する。
AlGaInPクラッド層102、GaInP活性層1
03、p型AlGaInPクラッド層104、p型Ga
InP中間層105およびp型GaAsキャップ層10
6を、たとえば有機金属化学気相成長(MOCVD)法
により順次成長させる。またこのとき、n型AlGaI
nPクラッド層102側のガイド層102aの厚みを増
やし、SCH構造が非対称化される。次に、p型GaA
sキャップ層106上に所定形状のレジストパターンを
形成した後、このレジストパターンをエッチングマスク
として用いて、臭酸系のエッチング液などを用いたウェ
ットエッチング法により、p型GaAsキャップ層10
6、p型GaInP中間層105およびp型AlGaI
nPクラッド層104を、p型AlGaInPクラッド
層104の厚さ方向の所定の深さまでエッチングする。
これにより、p型AlGaInPクラッド層104の上
層部、p型GaInP中間層105およびp型GaAs
キャップ層106が一方向に延びる所定幅のストライプ
形状にパターニングされる。すなわち、ストライプ部1
07が形成されるとともに、厚さdがたとえば400n
m以下に設定される。
ストパターンを成長マスクとして用いて、ストライプ部
107の両側の部分にn型GaAs電流狭窄層108を
形成する。次に、成長マスクとして用いたレジストパタ
ーンを除去した後、p型GaAsキャップ層106およ
びn型GaAs電流狭窄層108の上にp側電極109
を形成し、n型GaAs基板101の裏面にn側電極1
10を形成する。
0の製造が完了する。
励発振型半導体レーザ100の動作時に、電流はストラ
イプ部107を流れるが、この場合、p型AlGaIn
Pクラッド層104の電流狭窄層108との間の厚さd
が400nm以下の十分に小さい値に設定されているこ
とから、横方向の電流の広がりは、p型AlGaInP
クラッド層104のストライプ幅W程度に抑えられる。
一方、n型AlGaInPクラッド層102側のガイド
層102aの厚みを増やし、SCH構造が非対称化され
ていることから、横方向の導波に関して、ストライプ部
107に対応する部分とその両側に対応する部分との屈
折率差Δn(=n1−n2)が、パルセーションを持続
して発生可能な0.001〜0.003の範囲内の小さ
な値に維持されている。したがって、横方向への光の広
がりは、p型AlGaInPクラッド層104のストラ
イプ幅Wより大きくなり、いわゆるインデックスガイド
にように光が絞り込まれ、パルセーションが発生しなく
なるということがなく、パルセーションが安定に持続し
て発生される。すなわち、自励発振が安定に行われる。
体レーザの、ウェル(Well)数、屈折率差Δn、ス
トライプ幅Wの各構造パラメータを変化させた場合の構
造パラメータ依存性を示す図である。図4において、横
軸はウェル数(但し、Δn≒1.5×10-3に固定)
を、縦軸は相対ノイズRINをそれぞれ表している。ま
た、図5において、横軸は屈折率差Δn(但し、ウェル
数=6に固定)を、縦軸は相対ノイズRINをそれぞれ
表している。また、両図とも、常温(25°C)と高温
(60°c)におけるシミュレーション結果を示してい
る。
振を得られる構造は、ストライプ幅W=3.5μm、ウ
ェル数=7、屈折率差Δn=1.6×10-3(0.00
16)である。すなわち、シミュレーションの結果、前
述したメサ形状底部のストライプ幅Wが、W≦4.0μ
mに設定され、屈折率差Δnとして0.003以下0.
001以上、可能ならば0.002以下0.0012以
上程度となるように構成されるという条件の正当性を裏
付ける結果が得られている。
よれば、パルセーションを安定に生じさせるために、電
流は活性層横方向に広がらず、光スポットは広がらせそ
の差を大きくして、可飽和吸収領域を広く確保するよう
に、p型AlGaInPクラッド層104の電流狭窄層
108との間の厚さdを、たとえばd≦400nm、好
適にはd≦350nm程度に設定し、さらに、横方向の
導波に関して、ストライプ部107に対応する部分とそ
の両側に対応する部分との屈折率差Δn(=n1−n
2)を、パルセーションを持続して発生可能な0.00
1〜0.003の範囲内の小さな値を維持できるよう
に、n型AlGaInPクラッド層102側のガイド層
102aの厚みを増やし、SCH構造を非対称化させた
ので、製造歩留りが高く、高温動作時や高出力動作時に
おいても安定に自励発振する自励発振型半導体レーザを
実現できる利点がある。
実施形態を示す断面図である。
態と異なる点は、n型AlGaInPクラッド層102
中に、光モードをn側に引き込むため、すなわち横方向
の屈折率差Δnをパルセーションを持続して発生可能な
0.001〜0.003の範囲内の小さな値を維持でき
るようにするために、モード引き込み層102bを設け
たことにある。このモード引き込み層102bを持つ構
成は、それ単独、または第1の実施形態で示したn型A
lGaInPクラッド層102側のガイド層102aの
厚みを増やし、SCH構造を非対称化させた構造に加え
て設けることが可能である。特に、SCH構造を非対称
化させた構造に加えて設ける場合には、SCH構造を非
対称化させた構造のみでは屈折率差Δnの調整が困難な
場合に有効である。
クラッド層102中に屈折率がクラッド層より高い活性
層やガイド層に近い層を挿入にして構成される。具体的
には、AlGaInPにおけるAlの組成比xを(活性
層中のAlの組成比)<x<(クラッド層のAlの組成
比)、本実施形態においては、0<x<0.7の範囲内
にある値、たとえば0.5に設定される。したがって、
モード引き込み層102bは(Al0.5 Ga0.5 )0.5
In0.5Pのように構成される。なお、光の吸収を避け
るため活性層のバンドギャップにより大きい組成にする
ことが望ましい。
の実施形態の場合と同様に、パルセーションを安定に生
じさせるために、電流は活性層横方向に広がらず、光ス
ポットは広がらせその差を大きくして、可飽和吸収領域
を広く確保するように、p型AlGaInPクラッド層
104の電流狭窄層108との間の厚さdを、たとえば
d≦400nm、好適にはd≦350nm程度に設定
し、さらに、横方向の導波に関して、ストライプ部10
7に対応する部分とその両側に対応する部分との屈折率
差Δn(=n1−n2)を、パルセーションを持続して
発生可能な0.001〜0.003の範囲内の小さな値
を維持でき、これにより、製造歩留りが高く、高温動作
時や高出力動作時においても安定に自励発振する自励発
振型半導体レーザを実現できる利点がある。
においては、AlGaInP/GaInP系の自励発振
型半導体レーザを例に説明したが、本発明がAlGaA
s/GaAs、AlGaN/InGaN、ZnMgSS
e/ZnS系等、種々のレーザに適用できることはいう
までもない。
製造歩留りが高く、高温動作時や高出力動作時において
も安定に自励発振する自励発振型半導体レーザを実現で
きる利点がある。
実施形態を示す断面図である。
導体レーザのn型AlGaInPクラッド層、GaIn
P活性層、p型AlGaInPクラッド層に亘る屈折率
分布を示す図である。
n型AlGaInPクラッド層102、GaInP活性
層103、p型AlGaInPクラッド層104部分の
化合物の各組成比例を示す図である。
ell)数、屈折率差Δn、ストライプ幅Wの各構造パ
ラメータを変化または固定させた場合の構造パラメータ
依存性を示す図である。
ell)数、屈折率差Δn、ストライプ幅Wの各構造パ
ラメータを変化または固定させた場合の構造パラメータ
依存性を示す図である。
実施形態を示す断面図である。
断面図である。
布を示す略線図である。
スポット幅との関係を示す模式図である。
n型GaAs基板、102…n型AlGaInPクラッ
ド層、102a…ガイド層、102b…モード引き込み
層、103…GaInP活性層、104…p型AlGa
InPクラッド層、105…p型GaInP中間層、1
06…p型GaAsキャップ、107…ストライプ部、
108…n型GaAs電流狭窄層、109…p側電極、
110…n側電極。
Claims (26)
- 【請求項1】 第1導電型の第1のクラッド層と、上記
第1のクラッド層上に形成された活性層と、上記活性層
上に形成された第2導電型の第2のクラッド層と、上記
第2のクラッド層に設けられたストライプ部の両側の部
分に第1導電型の電流狭窄層が埋め込まれた電流狭窄構
造を有し、レーザ共振器内部に可飽和吸収体が活性層の
両脇に形成された自励発振型半導体レーザであって、 上記pn接合と平行で、かつ、共振器長方向と垂直な横
方向の導波に関して作りつけの屈折率差Δnをパルセー
ションを維持して発生可能な範囲内に保持する保持機構
を有し、かつ上記導波の外側にあたる上記第2のクラッ
ド層の厚さdが、上記ストライプ部を通して活性層に対
して注入される電流の横方向の広がりを略上記ストライ
プ部の底部のストライプ幅Wの近傍に抑止可能な狭さに
設定されている自励発振型半導体レーザ。 - 【請求項2】 上記屈折率差Δnは、0.003以下
0.001以上である請求項1記載の自励発振型半導体
レーザ。 - 【請求項3】 上記第2のクラッド層の厚さdは、40
0nm以下である請求項1記載の自励発振型半導体レー
ザ。 - 【請求項4】 上記第2のクラッド層の厚さdは、40
0nm以下である請求項2記載の自励発振型半導体レー
ザ。 - 【請求項5】 上記ストライプ部の底部のストライプ幅
Wが、4μm以下である請求項1記載の自励発振型半導
体レーザ。 - 【請求項6】 上記ストライプ部の底部のストライプ幅
Wが、4μm以下である請求項4記載の自励発振型半導
体レーザ。 - 【請求項7】 第1導電型の第1のクラッド層と、上記
第1のクラッド層上に形成された活性層と、上記活性層
上に形成された第2導電型の第2のクラッド層と、上記
第2のクラッド層に設けられたストライプ部の両側の部
分に第1導電型の電流狭窄層が埋め込まれた電流狭窄構
造を有し、レーザ共振器内部に可飽和吸収体が活性層の
両脇に形成された自励発振型半導体レーザであって、 上記pn接合と平行で、かつ、共振器長方向と垂直な横
方向の導波に関して作りつけの屈折率差Δnをパルセー
ションを維持して発生可能な範囲内に保持するように、
上記第1導電型の第1のクラッド層側のガイド層の厚さ
を上記第2導電型の第2のクラッド層側のガイド層の厚
さより厚くした非対称構造を備えた保持機構を有し、か
つ上記導波の外側にあたる上記第2のクラッド層の厚さ
dが、上記ストライプ部を通して活性層に対して注入さ
れる電流の横方向の広がりを略上記ストライプ部の底部
のストライプ幅Wの近傍に抑止可能な狭さに設定されて
いる自励発振型半導体レーザ。 - 【請求項8】 上記屈折率差Δnは、0.003以下
0.001以上である請求項7記載の自励発振型半導体
レーザ。 - 【請求項9】 上記第2のクラッド層の厚さdは、40
0nm以下である請求項7記載の自励発振型半導体レー
ザ。 - 【請求項10】 上記第2のクラッド層の厚さdは、4
00nm以下である請求項8記載の自励発振型半導体レ
ーザ。 - 【請求項11】 上記ストライプ部の底部のストライプ
幅Wが、4μm以下である請求項7記載の自励発振型半
導体レーザ。 - 【請求項12】 上記ストライプ部の底部のストライプ
幅Wが、4μm以下である請求項10記載の自励発振型
半導体レーザ。 - 【請求項13】 第1導電型の第1のクラッド層と、上
記第1のクラッド層上に形成された活性層と、上記活性
層上に形成された第2導電型の第2のクラッド層と、上
記第2のクラッド層に設けられたストライプ部の両側の
部分に第1導電型の電流狭窄層が埋め込まれた電流狭窄
構造を有し、レーザ共振器内部に可飽和吸収体が活性層
の両脇に形成された自励発振型半導体レーザであって、 上記pn接合と平行で、かつ、共振器長方向と垂直な横
方向の導波に関して作りつけの屈折率差Δnをパルセー
ションを維持して発生可能な範囲内に保持するように、
上記第1導電型の第1のクラッド層中に、光モードを第
1の導電側に引き込むモード引き込み層が設けられ、か
つ上記導波の外側にあたる上記第2のクラッド層の厚さ
dが、上記ストライプ部を通して活性層に対して注入さ
れる電流の横方向の広がりを略上記ストライプ部の底部
のストライプ幅Wの近傍に抑止可能な狭さに設定されて
いる自励発振型半導体レーザ。 - 【請求項14】 上記屈折率差Δnは、0.003以下
0.001以上である請求項13記載の自励発振型半導
体レーザ。 - 【請求項15】 上記第2のクラッド層の厚さdは、4
00nm以下である請求項13記載の自励発振型半導体
レーザ。 - 【請求項16】 上記第2のクラッド層の厚さdは、4
00nm以下である請求項14記載の自励発振型半導体
レーザ。 - 【請求項17】 上記ストライプ部の底部のストライプ
幅Wが、4μm以下である請求項13記載の自励発振型
半導体レーザ。 - 【請求項18】 上記ストライプ部の底部のストライプ
幅Wが、4μm以下である請求項16記載の自励発振型
半導体レーザ。 - 【請求項19】 上記モード引き込み層は、その屈折率
を第1のクラッド層の屈折率をより高く設定して構成さ
れている請求項13記載の自励発振型半導体レーザ。 - 【請求項20】 第1導電型の第1のクラッド層と、上
記第1のクラッド層上に形成された活性層と、上記活性
層上に形成された第2導電型の第2のクラッド層と、上
記第2のクラッド層に設けられたストライプ部の両側の
部分に第1導電型の電流狭窄層が埋め込まれた電流狭窄
構造を有し、レーザ共振器内部に可飽和吸収体が活性層
の両脇に形成された自励発振型半導体レーザであって、 上記pn接合と平行で、かつ、共振器長方向と垂直な横
方向の導波に関して作りつけの屈折率差Δnをパルセー
ションを維持して発生可能な範囲内に保持するように、
上記第1導電型の第1のクラッド層側のガイド層の厚さ
を上記第2導電型の第2のクラッド層側のガイド層の厚
さより厚くした非対称構造を備えた保持機構と、 上記第1導電型の第1のクラッド層中に設けられ、光モ
ードを第1の導電側に引き込むモード引き込み層とを有
し、かつ上記導波の外側にあたる上記第2のクラッド層
の厚さdが、上記ストライプ部を通して活性層に対して
注入される電流の横方向の広がりを略上記ストライプ部
の底部のストライプ幅Wの近傍に抑止可能な狭さに設定
されている自励発振型半導体レーザ。 - 【請求項21】 上記屈折率差Δnは、0.003以下
0.001以上である請求項20記載の自励発振型半導
体レーザ。 - 【請求項22】 上記第2のクラッド層の厚さdは、4
00nm以下である請求項20記載の自励発振型半導体
レーザ。 - 【請求項23】 上記第2のクラッド層の厚さdは、4
00nm以下である請求項21記載の自励発振型半導体
レーザ。 - 【請求項24】 上記ストライプ部の底部のストライプ
幅Wが、4μm以下である請求項20記載の自励発振型
半導体レーザ。 - 【請求項25】 上記ストライプ部の底部のストライプ
幅Wが、4μm以下である請求項23記載の自励発振型
半導体レーザ。 - 【請求項26】 上記モード引き込み層は、その屈折率
を第1のクラッド層の屈折率をより高く設定して構成さ
れている請求項20記載の自励発振型半導体レーザ。
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