JPH11220211A - 自励発振型半導体レーザ - Google Patents

自励発振型半導体レーザ

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JPH11220211A
JPH11220211A JP2122698A JP2122698A JPH11220211A JP H11220211 A JPH11220211 A JP H11220211A JP 2122698 A JP2122698 A JP 2122698A JP 2122698 A JP2122698 A JP 2122698A JP H11220211 A JPH11220211 A JP H11220211A
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self
current
semiconductor laser
type semiconductor
injection region
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JP2122698A
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Shoji Hirata
照二 平田
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】製造歩留りが高く、高温動作時や高出力動作時
においても安定に自励発振する自励発振型半導体レーザ
を提供する。 【解決手段】可飽和吸収領域を複数域分布させ、パルセ
ーションを安定に生じさせるために、電流注入構造を構
成するp側電極109のストライプ方向に沿って複数個
の電流非注入領域200を、p型GaAsキャップ層1
06およびp型GaInP中間層105をエッチングで
選択的に削除した構造で、その削除幅wは20μm以下
であり、電流非注入領域200中心がほぼ一定の間隔L
で、L≧2×wなる条件を満たすように分布させて配置
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自励発振させるこ
とでマルチモード化を実現する自励発振型半導体レーザ
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】半導体レーザは、光ディスク装置等の光
源として用いられるが、この際、戻り光ノイズをいかに
抑制するかが重要である。この戻り光ノイズを抑制する
ための対策を施した半導体レーザの一つに、半導体レー
ザを自励発振させることでマルチモード化を図った、い
わゆる自励発振型半導体レーザが知られている。
【0003】図8は、従来の自励発振型半導体レーザの
構成例を示す断面図である。なお、ここではAlGaI
nP系の材料により自励発振型半導体レーザを構成した
場合を示す。
【0004】図8に示すように、この自励発振型半導体
レーザ10は、n型GaAs基板11上に、n型AlG
aInPクラッド層12、GaInP活性層13、p型
AlGaInPクラッド層14、p型GaInP中間層
15およびp型GaAsキャップ層16が順次積層され
ている。そして、p型AlGaInPクラッド層14の
上層部、p型GaInP中間層15およびp型GaAs
キャップ層16は、一方向に延びるメサ型のストライプ
形状を有している。すなわち、これらのp型AlGaI
nPクラッド層14の上層部、p型GaInP中間層1
5およびp型GaAsキャップ層16からストライプ部
17が構成されている。このストライプ部17の両側の
部分にはn型GaAs電流狭窄層18が埋め込まれ、こ
れにより電流狭窄構造が形成されている。
【0005】p型GaAsキャップ層16およびn型G
aAs電流狭窄層18の上には、たとえばTi/Pt/
Au電極のようなp側電極19が設けられている。一
方、n型GaAs基板11の裏面には、たとえばAuG
e/Ni/Au電極のようなn側電極20が設けられて
いる。
【0006】図9は図8に示す自励発振型半導体レーザ
10の屈折率分布を示す略線図である。ここでは、自励
発振型半導体レーザ10のpn接合と平行で、かつ、共
振器長方向と垂直な方向(以下、この方向を横方向とい
う)の屈折率分布を、図8に対応させて示している。
【0007】図9に示すように、自励発振型半導体レー
ザ10は、横方向における屈折率が、ストライプ部17
に対応する部分における屈折率n1が高く、ストライプ
部17の両側に対応する部分における屈折率n2が低
い、いわゆるステップ状に屈折率分布を有している。
【0008】このように自励発振型半導体レーザ10で
は、横方向における屈折率をステップ状に変化させるこ
とにより、横方向の光導波を行っている。この場合、ス
トライプ部17に対応する部分とその両側に対応する部
分との屈折率差Δn(=n1−n2)は0.003程度
以下とされ、GaInP活性層13の横方向での光の閉
じ込めが緩和されている。
【0009】上述のように構成された自励発振型半導体
レーザ10の動作時には、図8に示すように、GaIn
P活性層13の内部の利得領域21の幅WG に対して光
導波領域22の幅WP が大きくなり、利得領域21の外
側における光導波領域22が可飽和吸収領域23とな
る。
【0010】この自励発振型半導体レーザ10では、横
方向の屈折率変化を小さくすることで横方向への光のし
みだし量を多くし、光とGaInP活性層13の内部の
可飽和吸収領域23との相互作用を多くさせることによ
り自励発振を実現している。このため、可飽和吸収領域
23を十分に確保することが必要である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
の自励発振型半導体レーザ10は、図10に示すよう
に、いわゆるリッジ(Ridge) 構造を有し、可飽和吸収体
(SAR;Saturable AbsorbingReagion) を活性層内の光導
波路両脇に設けて自励発振を行わせている。この場合、
図10に示すように、電流広がりによって生じる活性層
内ゲイン領域(その幅をGとする)をできるだけ狭く
し、逆に光導波スポットサイズ(その幅をPとする)を
比較的大きめに設定して、P>Gなる関係を満たした場
合、この差分が可飽和吸収体として機能し、自励発振を
生じさせていた。このために具体的には導波の屈折率差
Δnを0.005〜0.001程度のインデックスガイ
ド(Index Guide) とゲインガイド(Gain Guide)の中間的
なガイドとしてこの関係を満足させている。
【0012】ところが、このような従来の半導体レーザ
では、可飽和吸収体の広さが光の広がり具合と電流の広
がり具合の程度の微妙な釣り合いで決まるため、「自励
発振を生じるレーザの歩留りが悪い」、「自励発振が高
温動作時に電流拡散が増え、可飽和吸収体を狭くするこ
とで抑制される」、「高出力動作時に同様に電流拡散が
増え、可飽和吸収体を狭くし抑制される」等の不安定性
が見られる。特に、高温、高出力時にいわゆるパルセー
ション(Pulsation) が停止し、ノイズの問題が発生す
る。
【0013】また、図11に示すように、いわゆる縦構
造に可飽和吸収層24を一層以上設けることによりパル
セーションを発生させるようにした自励発振型半導体レ
ーザ10A、あるいは、図12に示すように、共振器方
向の一部に大きな可飽和吸収体25を設けパルセーショ
ンを発生させるようにした自励発振型半導体レーザ10
Bが知られている。ところが、これらの構造では、可飽
和吸収領域の透明化のために、注入電流の寄与が少な
く、活性層からの光ポンピングに主として頼っているこ
とから、このような構造では、レート方程式解析におい
ても、また実験事実からもL−I特性に電流しきい値I
th付近で立上がりの鋭いキンクを生じるものであり、レ
ーザ応用上ネックになっている。
【0014】本発明は、かかる事情に鑑みてなされたも
のであり、その目的は、製造歩留りが高く、高温動作時
や高出力動作時においても安定に自励発振する自励発振
型半導体レーザを提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、第1導電型の第1のクラッド層と、上記
第1のクラッド層上に形成された活性層と、上記活性層
上に形成された第2導電型の第2のクラッド層と、上記
第2のクラッド層に設けられたストライプ部の両側の部
分に第1導電型の電流狭窄層が埋め込まれた電流狭窄構
造を有し、レーザ共振器内部に可飽和吸収体が形成さ
れ、ストライプ状の電流注入構造を備えた自励発振型半
導体レーザであって、上記電流注入構造が、ストライプ
方向に沿って複数個分布させた電流非注入領域を有す
る。
【0016】また、本発明では、上記電流非注入領域
は、上記第2のクラッド層と第2導電側電極に介在させ
るキャップ層を選択的に削除して構成されている。
【0017】また、本発明では、上記電流非注入領域
は、上記第2のクラッド層と第2導電側電極に電流非注
入層を介在させて構成されている。
【0018】また、本発明では、上記電流非注入領域
は、当該電流非注入領域のストライプ方向の幅wが20
μm以下であり、電流非注入領域中心がほぼ一定の間隔
Lで、L≧2×wなる条件を満たすように分布させて配
置されている。
【0019】また、本発明は、第1導電型の第1のクラ
ッド層と、上記第1のクラッド層上に形成された活性層
と、上記活性層上に形成された第2導電型の第2のクラ
ッド層と、上記第2のクラッド層に設けられたストライ
プ部の両側の部分に第1導電型の電流狭窄層が埋め込ま
れた電流狭窄構造を有し、レーザ共振器内部に可飽和吸
収体が形成され、ストライプ状の電流注入構造を備えた
自励発振型半導体レーザであって、上記電流注入構造
が、ストライプ方向に沿ってストライプ幅を狭くして複
数個分布させた電流少注入領域を有する。
【0020】また、本発明では、上記電流少注入領域に
おけるストライプ幅は、通常の光導波路として適性なス
トライプ幅の半分以下に設定されている。
【0021】また、本発明では、上記電流少注入領域
は、当該電流少注入領域のストライプ方向の幅wが20
μm以下であり、電流少注入領域中心がほぼ一定の間隔
Lで、L≧2×wなる条件を満たすように分布させて配
置されている。
【0022】本発明によれば、自励発振型半導体レーザ
の動作時に、電流はストライプ部を流れるが、この場
合、たとえば電流非注入領域あるいは電流少注入領域が
ほぼ一定の間隔Lで、L≧2×wなる条件を満たすよう
に分布させて配置されていることから、活性層内におい
て共振器長方向に弱く多数の可飽和吸収体が分布する。
したがって、L−I特性にキンクが生じることがなく、
安定なパルセーションが生じることになる。そして、電
流非注入領域あるいは電流少注入領域が複数個分布させ
て配置されていることから、電流非注入領域の所で横方
向電流拡散が減る。このため、ここでのゲイン幅は狭く
なる。しかし、光スポットサイズはストライプ幅Wが一
定のため、それほど大きな変化はない。これは活性層の
両脇に可飽和吸収体を形成する自励発振型半導体レーザ
にとっては、可飽和吸収領域が増えることになり、パル
セーションを発生させるために好都合となる。その結
果、自励発振が安定に行われる。
【0023】
【発明の実施の形態】第1実施形態 図1は本発明に係る自励発振型半導体レーザの第1の実
施形態を示す平面図、図2は図1のA−A線における断
面図、図3は図1のB−B線における断面図である。な
お、ここではAlGaInP系の材料により レーザ共
振器内部に可飽和吸収体が活性層の両脇に形成された自
励発振型半導体レーザを構成した場合を示す。
【0024】図に示すように、この自励発振型半導体レ
ーザ100は、n型(第1導電型)GaAs基板101
上に、n型AlGaInPクラッド層(第1のクラッド
層)102、GaInP活性層103、p型(第2導電
型)AlGaInPクラッド層(第2のクラッド層)1
04、p型GaInP中間層105およびp型GaAs
キャップ層106が順次積層されている。そして、p型
AlGaInPクラッド層104の上層部、p型GaI
nP中間層105およびp型GaAsキャップ層106
は、一方向に延びるメサ型のストライプ形状を有してい
る。すなわち、これらのp型AlGaInPクラッド層
104の上層部、p型GaInP中間層105およびp
型GaAsキャップ層106からストライプ部107が
構成されている。このストライプ部107の両側の部分
にはn型GaAs電流狭窄層108が埋め込まれ、これ
により電流狭窄構造が形成されている。
【0025】p型GaAsキャップ層106およびn型
GaAs電流狭窄層108の上には、たとえばTi/P
t/Au電極のようなp側電極109が設けられてい
る。一方、n型GaAs基板101の裏面には、たとえ
ばAuGe/Ni/Au電極のようなn側電極110が
設けられている。
【0026】そして、自励発振型半導体レーザ100に
おいては、可飽和吸収領域を複数域分布させ、パルセー
ションを安定に生じさせるために、電流注入構造を構成
するp側電極109のストライプ方向に沿って複数個の
電流非注入領域200が所定間隔をおいて周期的に形成
されている。なお、可飽和吸収領域を複数域分布できれ
ば、電流非注入領域200は非周期的に設けてもよい。
また、本実施形態においては、ストライプ部107の端
部は原則として非注入領域として構成している。
【0027】電流非注入領域200は、具体的には、電
流非注入領域200とするp型GaAsキャップ層10
6およびp型GaInP中間層105をエッチングで選
択的に削除した構造で、その削除幅wは20μm以下で
あり、電流非注入領域200中心がほぼ一定の間隔L
で、L≧2×wなる条件を満たすように分布させて配置
されている。以下、この条件について説明する。
【0028】電流非注入領域200の幅wは、図4に示
すように、活性層103内で共振器長方向に可飽和吸収
体300を僅かに作る程度にとどめられる。これは、図
12に示すように、一部に大きく作った場合、L−I特
性の立上がりに大きなキンクが生じてしまうためである
これを防ぐためには、活性層内電流拡散でこの可飽和吸
収体が無くなる程度のものである必要がある。実験的に
は、幅wが20μmを超えると活性層103内にできた
可飽和吸収体が大きく、L−I特性に立上がりキンクが
生じ始める結果が得られている。したがって、一個当た
りの電流非注入領域200の幅wは20μm以下にする
ことが望ましい。
【0029】ところで、この共振器長方向にできる可飽
和吸収体はパルセーションに有効なことは事実であるこ
とから、一部に強く入れてL−I特性にキンクを生じさ
せるのではなく、弱く多数を共振器長方向で分布させれ
ば、活性層の両脇に形成された可飽和吸収体のように、
L−I特性にキンクを生じることなく、安定なパルセー
ションを生じさせることができる。そこで、このような
電流非注入領域200をほぼLの間隔で分布する。Lの
長さは、幅w以下に設定することはできない。その理由
は、全てが電流非注入領域になってしまうためである。
現実的に、オーミックコンタクトを十分にとり、かつ活
性層103に十分電流を注入することを考えると、電流
非注入領域200の総面積と同程度のコンタクト面積を
持つ必要がある。そこで、電流非注入領域200中心が
ほぼ一定の間隔Lで、L≧2×wなる条件を満たすよう
に分布させている。
【0030】また、自励発振型半導体レーザ100にお
いては、メサ形状底部のストライプ幅Wが、たとえばW
≦4.0μmに設定されている。
【0031】以上のような構造を有する自励発振型半導
体レーザ100の製造は、周知の一般的な方法で行われ
る。以下に、製造方法の概略を簡単に説明する。
【0032】まず、n型GaAs基板101上に、n型
AlGaInPクラッド層102、GaInP活性層1
03、p型AlGaInPクラッド層104、p型Ga
InP中間層105およびp型GaAsキャップ層10
6を、たとえば有機金属化学気相成長(MOCVD)法
により順次成長させる。次に、p型GaAsキャップ層
106上に所定形状のレジストパターンを形成した後、
このレジストパターンをエッチングマスクとして用い
て、臭酸系のエッチング液などを用いたウェットエッチ
ング法により、p型GaAsキャップ層106、p型G
aInP中間層105およびp型AlGaInPクラッ
ド層104を、p型AlGaInPクラッド層104の
厚さ方向の所定の深さまでエッチングする。これによ
り、p型AlGaInPクラッド層104の上層部、p
型GaInP中間層105およびp型GaAsキャップ
層106が一方向に延びる所定幅のストライプ形状にパ
ターニングされる。すなわち、ストライプ部107が形
成される。
【0033】次に、エッチングマスクとして用いたレジ
ストパターンを成長マスクとして用いて、ストライプ部
107の両側の部分にn型GaAs電流狭窄層108を
形成する。次に、成長マスクとして用いたレジストパタ
ーンを除去した後、ストライプ方向における非電流注入
域とする複数領域において、p型GaAsキャップ層1
06(加えてp型GaInP中間層105)をエッチン
グで選択的に削除する。そして、p型GaAsキャップ
層106、非電流注入域とするp型AlGaInPクラ
ッド層104の上層部、n型GaAs電流狭窄層108
の上に、p側電極109を形成し、n型GaAs基板1
01の裏面にn側電極110を形成する。
【0034】以上により、自励発振型半導体レーザ10
0の製造が完了する。
【0035】次に、上記構成による動作を、図5に関連
付けて説明する。図5は、横方向電流拡散によるゲイン
幅が分布型電流非注入領域構造でどのように変化するか
を模式的に示す図である。
【0036】自励発振型半導体レーザ100の動作時
に、電流はストライプ部107を流れるが、この場合、
p型GaAsキャップ層106およびp型GaInP中
間層105をエッチングで選択的に削除した構造で、そ
の削除幅wは20μm以下であり、電流非注入領域20
0中心がほぼ一定の間隔Lで、L≧2×wなる条件を満
たすように分布させて配置されていることから、活性層
103内において共振器長方向に弱く多数の可飽和吸収
体が分布する。したがって、L−I特性にキンクが生じ
ることがなく、安定なパルセーションが生じることにな
る。
【0037】そして、電流非注入領域200が複数個分
布させて配置されていることから、図5に示すように、
電流非注入領域200の所で横方向電流拡散が減る。こ
のため、ここでのゲイン幅は狭くなる。しかし、光スポ
ットサイズはストライプ幅Wが一定のため、それほど大
きな変化はない。これは活性層の両脇に可飽和吸収体を
形成する自励発振型半導体レーザ100にとっては、可
飽和吸収領域が増えることになり、パルセーションを発
生させるために好都合となる。その結果、自励発振が安
定に行われる。
【0038】図6は、図1の自励発振型半導体レーザの
L−I温度特性を示す図である。図6において、横軸は
電流を、軸は出力パワーをそれぞれ表している。
【0039】図からわかるように、図1の自励発振型半
導体レーザ100は、立上がりキンクがほとんどない。
これは、APC(Automatic Power Control) を駆ける実
用上の利益があり、また低温時に低パワー領域でノイズ
を増やさないという利益がある。
【0040】以上説明したように、本第1の実施形態に
よれば、可飽和吸収領域を複数域分布させ、パルセーシ
ョンを安定に生じさせるために、電流注入構造を構成す
るp側電極109のストライプ方向に沿って複数個の電
流非注入領域200を、p型GaAsキャップ層106
およびp型GaInP中間層105をエッチングで選択
的に削除した構造で、その削除幅wは20μm以下であ
り、電流非注入領域200中心がほぼ一定の間隔Lで、
L≧2×wなる条件を満たすように分布させて配置した
ので、製造歩留りが高く、高温動作時や高出力動作時に
おいても安定に自励発振する自励発振型半導体レーザを
実現できる利点がある。
【0041】なお、電流非注入領域200は、p型Ga
Asキャップ層106およびp型GaInP中間層10
5をエッチングで選択的に削除した構造の他に、たとえ
ば絶縁性の電流非注入層をp側電極109の下面側に介
在させて構成させることも可能である。
【0042】第2実施形態 図7は、本発明に係る自励発振型半導体レーザの第2の
実施形態を示す平面図である。
【0043】本第2の実施形態が上述した第1の実施形
態と異なる点は、分布型電流非注入領域を設けるのでは
なく、ストライプ幅自身を周期的(あるいは非周期的)
に変化させた、いわゆる電流少注入領域210を設け
て、電流の横方向拡散を減少させるようにしたことにあ
る。
【0044】具体的には、通常の導波ストライプ幅をX
としたとき、この幅Wより狭いY(X/2以下)の幅の
ストライプを形成して構成している。ただしこの場合、
電流は狭いなながらも注入されていて、また光スポット
サイズがこの部分では本来は狭くなる点が異なる。
【0045】このような構成において、導波機構は、タ
イトなインデックスガイドではないことから、このスト
ライプ方向の幅(長さ)wが20μm以下と狭い場合
は、実験してみると、L−I特性に大きな劣化はみられ
ないことがわかった。したがって、本第2の実施形態の
場合においても、電流少注入領域210中心がほぼ一定
の間隔Lで、L≧2×wなる条件を満たすように分布さ
せている。一方、電流の横方向の拡散は確実に減少する
ため、可飽和吸収領域は増え、パルセーションの発生に
は有利となる。その結果、自励発振が安定に行われる。
【0046】本第2の実施形態によれば、上述した第1
の実施形態の場合と同様に、パルセーションを安定に生
じさせるために、ストライプ幅自身を周期的(あるいは
非周期的)に変化させた、いわゆる電流少注入領域21
0を設けて、電流の横方向拡散を減少させるようにした
ので、製造歩留りが高く、高温動作時や高出力動作時に
おいても安定に自励発振する自励発振型半導体レーザを
実現できる利点がある。
【0047】なお、上述した第1および第2の実施形態
においては、AlGaInP/GaInP系の自励発振
型半導体レーザを例に説明したが、本発明がAlGaA
s/GaAs、AlGaN/InGaN、ZnMgSS
e/ZnS系等、種々のレーザに適用できることはいう
までもない。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
製造歩留りが高く、高温動作時や高出力動作時において
も安定に自励発振する自励発振型半導体レーザを実現で
きる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る自励発振型半導体レーザの第1の
実施形態を示す断面図である。
【図2】図1のA−A線における断面図である。
【図3】図1のB−B線における断面図である。
【図4】図1の自励発振型半導体レーザにおいて共振器
長方向にできる可飽和吸収体を模式的に示す図である。
【図5】図1の自励発振型半導体レーザのゲイン領域分
布、光スポットサイズを模式的に示す図である。
【図6】図1の自励発振型半導体レーザのL−I温度特
性を示す図である。
【図7】本発明に係る自励発振型半導体レーザの第2の
実施形態を示す平面図である。
【図8】従来の自励発振型半導体レーザの構成例を示す
断面図である。
【図9】図7に示す自励発振型半導体レーザの屈折率分
布を示す略線図である。
【図10】従来の自励発振型半導体レーザのゲイン幅と
光スポット幅との関係を示す模式図である。
【図11】従来の自励発振型半導体レーザの他の構成例
を示す断面図である。
【図12】従来の自励発振型半導体レーザの他の構成例
を示す断面図である。
【符号の説明】
100,100A…自励発振型半導体レーザ、101…
n型GaAs基板、102…n型AlGaInPクラッ
ド層、103…GaInP活性層、104…p型AlG
aInPクラッド層、105…p型GaInP中間層、
106…p型GaAsキャップ、107…ストライプ
部、108…n型GaAs電流狭窄層、109…p側電
極、110…n側電極、200…電流非注入領域、21
0…電流少注入領域、300…可飽和吸収体。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1導電型の第1のクラッド層と、上記
    第1のクラッド層上に形成された活性層と、上記活性層
    上に形成された第2導電型の第2のクラッド層と、上記
    第2のクラッド層に設けられたストライプ部の両側の部
    分に第1導電型の電流狭窄層が埋め込まれた電流狭窄構
    造を有し、レーザ共振器内部に可飽和吸収体が形成さ
    れ、ストライプ状の電流注入構造を備えた自励発振型半
    導体レーザであって、 上記電流注入構造が、ストライプ方向に沿って複数個分
    布させた電流非注入領域を有する自励発振型半導体レー
    ザ。
  2. 【請求項2】 上記電流非注入領域は、上記第2のクラ
    ッド層と第2導電側電極に介在させるキャップ層を選択
    的に削除して構成されている請求項1記載の自励発振型
    半導体レーザ。
  3. 【請求項3】 上記電流非注入領域は、上記第2のクラ
    ッド層と第2導電側電極に電流非注入層を介在させて構
    成されている請求項1記載の自励発振型半導体レーザ。
  4. 【請求項4】 上記電流非注入領域は、当該電流非注入
    領域のストライプ方向の幅wが20μm以下であり、電
    流非注入領域中心がほぼ一定の間隔Lで、L≧2×wな
    る条件を満たすように分布させて配置されている請求項
    2記載の自励発振型半導体レーザ。
  5. 【請求項5】 上記電流非注入領域は、当該電流非注入
    領域のストライプ方向の幅wが20μm以下であり、電
    流非注入領域中心がほぼ一定の間隔Lで、L≧2×wな
    る条件を満たすように分布させて配置されている請求項
    3記載の自励発振型半導体レーザ。
  6. 【請求項6】 第1導電型の第1のクラッド層と、上記
    第1のクラッド層上に形成された活性層と、上記活性層
    上に形成された第2導電型の第2のクラッド層と、上記
    第2のクラッド層に設けられたストライプ部の両側の部
    分に第1導電型の電流狭窄層が埋め込まれた電流狭窄構
    造を有し、レーザ共振器内部に可飽和吸収体が形成さ
    れ、ストライプ状の電流注入構造を備えた自励発振型半
    導体レーザであって、 上記電流注入構造が、ストライプ方向に沿ってストライ
    プ幅を狭くして複数個分布させた電流少注入領域を有す
    る自励発振型半導体レーザ。
  7. 【請求項7】 上記電流少注入領域におけるストライプ
    幅は、通常の光導波路として適性なストライプ幅の半分
    以下に設定されている請求項6記載の自励発振型半導体
    レーザ。
  8. 【請求項8】 上記電流少注入領域は、当該電流少注入
    領域のストライプ方向の幅wが20μm以下であり、電
    流少注入領域中心がほぼ一定の間隔Lで、L≧2×wな
    る条件を満たすように分布させて配置されている請求項
    6記載の自励発振型半導体レーザ。
  9. 【請求項9】 上記電流少注入領域は、当該電流少注入
    領域のストライプ方向の幅wが20μm以下であり、電
    流少注入領域中心がほぼ一定の間隔Lで、L≧2×wな
    る条件を満たすように分布させて配置されている請求項
    7記載の自励発振型半導体レーザ。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006108528A1 (en) * 2005-04-12 2006-10-19 Nl Nanosemiconductor Gmbh Fundamental-frequency monolithic mode-locked diode laser including multiple gain and absorber pairs
JP2011204914A (ja) * 2010-03-25 2011-10-13 Sony Corp 光発振装置及び記録装置

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