JPH11219046A - 無端ベルトを用いた画像形成装置 - Google Patents

無端ベルトを用いた画像形成装置

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JPH11219046A
JPH11219046A JP27311398A JP27311398A JPH11219046A JP H11219046 A JPH11219046 A JP H11219046A JP 27311398 A JP27311398 A JP 27311398A JP 27311398 A JP27311398 A JP 27311398A JP H11219046 A JPH11219046 A JP H11219046A
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endless belt
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亮一 鶴岡
Norio Ogawara
則雄 小川原
Takeshi Douhata
剛 堂端
Iwao Kuriki
巌 栗城
Kazuyuki Ichikawa
和之 市川
Koichi Matsumoto
晃一 松本
Satoru Kato
悟 加藤
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  • Electrostatic Charge, Transfer And Separation In Electrography (AREA)
  • Discharging, Photosensitive Material Shape In Electrophotography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ウォークに起因する中間転写ベルトの破損を
防止する。 【解決手段】 中間転写ベルト4の側端部外周面にベル
ト補強テープ42を貼る。側端部内周面にはリブ41を
貼る。前記テープ42の重ね合わせ部LAPとリブ41
の突合わせ部BUTTとは互いに距離LBだけ離してあ
る。重ね合わせ部LAPは該テープ42に対する摺接体
の摺動方向に対して順方方向に構成して該摺接体がスム
ーズに摺動できるようにする。また、重ね合わせ部LA
Pではテープ先端部を互いに融着して接合している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真複写機や
レーザプリンタ等の画像形成装置に関し、詳細には、べ
ルト状画像形成部材、特にベルト状感光体およびベルト
状中間転写体等の無端ベルトを用いて画像を形成する画
像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真方式の複写機やプリンタ等の画
像形成装置では、感光体ドラム等の潜像担持体上に形成
された未定着トナー像を用紙等の記録媒体に転写して印
刷画像を得る方式がとられる。前記未定着トナー像を記
録媒体に転写する方式として、前記未定着トナー像を記
録媒体に直接転写する方式と、潜像担持体上に形成され
た未定着トナー像を、ドラム状あるいは無端ベルト状の
フィルム部材からなる中間転写体上に1次転写した後、
該中間転写体上の未定着トナー像を改めて記録媒体上に
2次転写して複写画像を得る方式とが知られている。
【0003】図8は、ベルト状中間転写体を用いた画像
形成装置の一例としてのカラープリンタの要部構成を示
す模式図である。同図において、感光体ドラム等の潜像
担持体(以下、「感光体ドラム」で代表して説明する)
1の表面は帯電器2により所定の電荷で一様に帯電さ
れ、レーザー光Lの書き込み走査で第1色の画像信号に
応じた静電潜像が形成される。この静電潜像は感光体ド
ラム1の、A方向への回転で現像装置ユニット3の第1
色の現像器との対向位置に到り、第1色の現像器でトナ
ー現像される。感光体ドラム1はトナー像Tを担持して
さらに回転する。
【0004】上記トナー現像動作に合わせて、中間転写
ベルト4は感光体ドラム1の周速と略同一の速度で移動
し、感光体ドラム1と中間転写ベルト4とが当接する位
置の直下付近で中間転写ベルト4に接して配置された1
次転写ロール5が配置されている1次転写部において、
該1次転写ロール5に印加される上記トナーの帯電極性
と逆極性の転写電界によって感光体ドラム1に担持され
ていたトナー像Tが中間転写ベルト4に1次転写され
る。以上で、1次転写サイクルが終了する。
【0005】中間転写ベルト4に1次転写されたトナー
像は中間転写ベルト4の周回移動によって2次転写ロー
ル6が配置されている2次転写部に到る。フルカラー画
像形成装置の場合には潜像の形成からトナー像の1次転
写までを予定色(一般にはイエロー(Y) 、マゼンタ(M)
、シアン(C) およびブラック(Bk))分だけ繰り返して
中間転写ベルト4上に多色トナーを重ね合わせたカラー
トナー像を形成する。
【0006】各色のトナー像を形成するため、現像装置
ユニット3はイエロー現像器3−1、マゼンタ現像器3
−2、シアン現像器3−3およびブラック現像器3−4
の4色現像器からなる回転装置で構成され、感光体ドラ
ム1に形成された各色の潜像を順次現像できるように構
成されている。
【0007】感光体ドラム1に担持された第1色のトナ
ー像が1次転写部で中間転写ベルト4上に転写された
後、感光体ドラム1上の残留トナーは感光体クリーナ7
で除去されるとともに図示しない除電器で電荷が中和さ
れた後、次の,第2色に対応する潜像の形成がなされ
る。第2色の静電潜像も第1色と同様にして現像され、
その第2色のトナー像が中間転写ベルト4上の、先に転
写された第1色のトナー像に重ねて転写される。以下、
第3色以降についても同様にして中問転写ベルト4に多
重転写され、その結果、中間転写べルト4には未定着の
複数色トナーが重畳したカラートナー像が形成される。
【0008】すべての色のトナー像が1次転写された中
間転写ベルト4が2次転写位置に達する時点で、タイミ
ングを合わせて給紙トレイ8から送り出された記録媒体
としての記録紙Pが2次転写位置に給送される。
【0009】記録紙Pを2次転写ロール6および中間転
写ベルト4によって挟持して搬送する際、2次転写ロー
ル6に印加される前記トナー像の帯電極性と逆極性の転
写電圧で形成される転写電界により中間転写ベルト4の
トナー像が記録紙Pに2次転写される。
【0010】トナー像が2次転写された記録紙Pは定着
器9に送られ、加熱・加圧処理によりトナー像を記録紙
Pに固定し、作像プロセスを終了する。なお、トナー像
が2次転写された記録紙Pを除電するための除電器(図
示せず)が2次転写ロール6の下流に配置される。
【0011】2次転写ロール6は、中間転写ベルト4に
対して矢印C方向に当接・離間自在に設けられていて、
記録紙Pの進入に合わせて当接し、排出に合わせて離間
する。2次転写ロール6は2次転写の終了とともに待避
位置に戻る。また、中間転写ベルト4に対向して配置さ
れているクリーナ10も記録紙Pへ転写されなかったト
ナー像をクリ−ニングすべく、中間転写ベルト4に対し
て2次転写ロールP同様、当接・離間する。
【0012】前記中間転写ベルト4は、駆動ロール1
1、アイドルロール12、2次転写バックアップロール
13およびテンションロール14により張架され、駆動
ロール11により矢印B方向に搬送される。中間転写ベ
ルト4には、該中間転写ベルト4が駆動ロール11等、
各ロールの軸方向での位置を規制するためのリブが設け
られている。
【0013】一方、前記駆動ロール11には、ベルトク
リーナ10や2次転写ロール6による負荷がかかったと
きにも中間転写ベルト4がスリップしないように、その
表面に高摩擦材料の被覆層が形成されている。
【0014】このような中間転写ベルトを用いたカラー
画像形成装置では、該中間転写ベルト上で既に多重転写
された合成トナー像(各色トナー像の重畳像)を記録媒
体に一括で転写しているので、潜像担持体から直接記録
媒体に各色のトナー像を順次転写する方式におけるトナ
ー像間の位置ずれや画像乱れの発生を効果的に防止でき
るといった利点を有している。
【0015】中間転写ベルト4の周回搬送に当たっては
該中間転写ベルト4端部の破断防止の観点から、従来よ
り各種の構成が提案されている。例えば、特開平5−1
34556号公報には、補強部材としてのテープを端部
に貼付けた転写ベルトが開示されている。この転写ベル
トでは、ロールと前記テープとの接触部で転写ベルトが
浮き上がるのを防止して、該転写ベルトと補強部材の境
目で亀裂が発生しないようにするため、前記テープ位置
と対応する部分において前記ロールの外径を細くしてい
る。また、特開平9−175686号公報および特開平
9−16512号公報には、中問転写ベルトとリブを縫
いあわせ、中間転写べルトからのリブの脱落を防止する
技術が開示されている。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】中間転写ベルトとそれ
を駆動するための駆動ロール、ならびに中間転写ベルト
の蛇行を防止するためのリブおよびリブガイドを有する
画像形成装置において、中間転写ベルトは、ポリカーボ
ネート系樹脂、ボリイミド系樹脂をベースに、抵抗調整
材料を含有する厚さ50から100ミクロンの半導電性
フィルムである。駆動ロールの表面にはべルトとのスリ
ップ防止のため、一般的には高摩擦処理がなされてい
る。
【0017】この高摩擦処理としては、アルミニウム製
ロールの表面に、ウレタンゴム等の高摩擦樹脂をコーテ
イングしたりして、長期に渡って駆動ロールと中間転写
ベルトの摩擦係数を維持できるようにしている。しか
し、駆動ロールやべルトが新品のうちは駆動ロール表面
の摩擦係数が高すぎるために、駆動ロール上でベルトが
軸方向でスティックスリップを繰り返し、きしみ音が発
生することがあった。
【0018】さらに、複数のロールにより張架されてい
る中間転写ベルトは搬送される間に、軸方向の動き(ウ
ォーク)を生ずる。一定量以上のウォークは、上述のリ
ブおよびリブガイドによって規制されている。しかし、
ウォークによってリブおよびリブガイドが互いに押し合
う状態が長期間継続されると、特に、中間転写ベルトの
端部の機械的強度が不足していた場合に、この状態に耐
えられず破断してしまい、画像形成動作が続けられなく
なるおそれがあるという問題点があった。
【0019】一般に、ベルトが破断に至るような強い力
は、装置本体の水平度の不良によるベルト装置の平面度
の精度低下、装置本体の前後側板の部品積み上げや組み
立て誤差によるねじれ、ベルト自体の軸方向両端での周
長差などにより発生する。しかし、画像形成装置におけ
る画像担持体としての中間転写ベルト等は、さらに該中
間転写ベルト等に特有の要因によって中間転写ベルト等
が破断するおそれがある。
【0020】中間転写ベルトが破断するという問題点の
発生メカニズムについて説明する。新品の駆動ロールと
新品の中間転写ベルトとの組み合わせは摩擦係数が高
く、駆動ロールと中間転写ベルトとのグリップ力が大き
い。したがって、中間転写ベルトを張架している各ロー
ルのアラインメント(軸の平行度)がわずかに所定値か
ら外れている場合でも、ベルトはウォークを起こしやす
い。したがって、初期から数十サイクルの周回という短
時間のうちにベルトは片側に移動し、リブとリブガイド
が強いグリップ力によって突き当たる。
【0021】ベルトが駆動ロールにかかる位置、および
駆動ロールから外れる位置において、リブの側面には次
のような力が働く。図9は駆動ロールと接した状態での
中間転写ベルト4の断面図であり、図10は駆動ロール
11と中間転写ベルト4の接触部の側面図である。両図
において、中間転写ベルト4の裏面両側端部には駆動ロ
ール11の側端面に当接して該中間転写ベルト4のウォ
ークを防止するためのリブ41が設けられている。
【0022】中間転写ベルト4がウォークして駆動ロー
ル11の側面に当接した場合、該中間転写ベルト4が駆
動ロール11にかかり始める部分R1では、リブ41の
側面には力F1が作用する。つまり、中間転写ベルト4
が浮き上がって駆動ロール11に乗り上げるような力が
作用する。一旦、浮き上がった中間転写ベルト4は駆動
ロール11を外れる位置R2ではリブ41の側面に力F
2が作用して中間転写ベルト4の浮き上がりはなくな
る。
【0023】図11は浮き上がりが生じた場合の中間転
写ベルト4の断面図であり、中間転写ベルト4は浮き上
がるとともに、リブ41の側面に駆動ロール11の強い
押しつけ力が作用するため、盛り上がり部分RUが生じ
る。この盛り上がり部分RUは、前記部分R2では解消
する。すなわち、中間転写ベルト4の側端部には、駆動
ロール11の付近で、一方向への変形と、その反対方向
への変形とが交互に発生し、応力集中と応力解放が繰り
返されている。
【0024】前記リブ41を駆動ロール11の側面に押
しつける力は、前記グリップ力が大きいほど大きくな
り、中間転写ベルト4を浮き上がらせやすくなる。前記
リブ41が駆動ロール11の側面に強く押しつけられる
と、前記応力集中と応力解放が繰り返されるだけでな
く、中間転写ベルト4と駆動ロール11とのきしみ音が
発生する。
【0025】前記盛り上がり部分RUで応力集中と応力
解放が繰り返され、そのまま運転を続けると疲労による
局部的な亀裂CRが起こる(図12参照)。この局部的
な亀裂CRはやがて中間転写ベルト4全体の破断に至
る。また、中間転写ベルト4端部に存在していたノッチ
Nからも、容易に中間転写ベルト4全体の破断に至る危
険性がある(図13参照)。
【0026】中間転写ベルトのウォークを防止するため
には、中間転写べルトを張架する各ロール間の平行度を
ごく小さく保ったり、中間転写ベルトの周長差を高精度
に加工して手前側と奥側の寸法差を小さくするなどの、
部品精度や組み立て精度を厳しく維持する努力はもちろ
ん必要である。
【0027】しかし、中間転写ベルトやロール類の高精
度化は、加工、組立、調整工程の複雑化を招き、量産性
を考慮した場合には、目標達成は容易ではない。また、
たとえ製作上の問題点が解消されたとしても、画像形成
装置本体の設置面そのものの水平度が確保されていなか
ったりしていると、中間転写ベルトを張架する各ロール
間の平行度は結局確保できなくなってしまうという問題
点があった。
【0028】そこで、上述のように、ベルト端部をテー
プ等により補強することによりベルトの亀裂防止等を図
っている。しかし、この補強テープが、中間転写ベルト
を張架しているロール類を通過するときに変形され、そ
の繰り返しによって剥離することがある。
【0029】本発明は、上述の問題点を解消し、無端ベ
ルトの端部の補強を確実にし、無端ベルトが変形をして
破壊するということがない画像形成装置を提供すること
を目的とする。
【0030】
【課題を解決するための手段】本発明は、トナー像を保
持して搬送するトナー像担持体としての無端ベルトおよ
び該無端ベルトを張架搬送するための複数のロールから
なるベルト張架手段を有する画像形成装置において、前
記無端ベルトの外周面両端部に沿って設けられ、端部で
の重合わせ部を含むベルト補強テープを具備し、前記重
あわせ部が、該ベルト補強テープに対する摺接体に対し
て順方向に構成されている点に特徴がある。
【0031】上記特徴によれば、無端ベルトの外周面に
設けられたベルト補強テープは、該テープに当接して摺
動する摺接体が、前記重合わせ部を円滑に通過していく
ことができる。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に基づいて本発明
を適用したカラー画像形成装置を詳細に説明する。ここ
では、図8に関して説明した構成や動作等を援用し、適
宜図8を参照しつつ説明する。
【0033】図1は中間転写ベルト4の側端部の斜視図
である。同図に示すように中間転写ベルト4の側端部内
側には該側端部に沿ってリブ41が接着されている。ま
た、中間転写ベルト4の側端部外側つまり外周部には該
側端部に沿ってベルト補強手段としてのテープ42が接
着されている。リブ41およびテープ42は突合わせ部
BUTTおよび重合わせ部LAPをそれぞれ有してい
る。
【0034】突合わせ部BUTTの間隔は最大で4mm
になることがある。また、重ね合わせ部LAPは、接着
を十分にするため重ね代が最小10mm設けられる。突
合わせ部BUTTの間隙の中心と重合わせ部LAPの中
心とは距離LBだけ離されている。このように、突合わ
せ部BUTTと重合わせ部LAPとが重なり合わないよ
うに位置をずらせるのは次の配慮による。
【0035】すなわち、突合わせ部BUTTや重合わせ
部LAPは中間転写ベルト4の周回方向における他の部
分と比べて均質性が損なわれている部分である。換言す
れば、中間転写ベルト4の周回方向における強度および
延性等の特性が他の部分と異なっている部分である。こ
のような特異部分が重なりあっていると、特に、ロール
類を通過するときに、他とは異なる微小な振動を生じや
すく、色ずれに影響を与えかねない。突合わせ部BUT
Tと重合わせ部LAPとをずらすことによって、中間転
写ベルト4の周回方向における他の部分との特性の違い
の現れを少なくすることができる。突合わせ部BUTT
と重合わせ部LAPとの距離は、それぞれの端部から
7.5mm以上、好ましくは駆動ロール11等に突合わ
せ部BUTTと重合わせ部LAPとが同時にかかってい
ることがないように、すなわち、ロールとの接触角(ラ
ップ角)をカバーする長さ以上、例えば、100mm以
上とる。
【0036】図15は、突合わせ部BUTTおよび重合
わせ部LAPの距離を変化させたときの画像領域側端
部、つまり中間転写ベルト4の側端部近傍での色ずれの
評価を示した図である。同図から理解されるように、重
ね合わせ部LAPから突合わせ部BUTTの端部までの
距離が7.5mm以上になるまでは、許容範囲の色ずれ
の評価が得られなかった。したがって、前記距離は7.
5mm以上とするのが好ましい。
【0037】前記重合わせ部LAPは、該重合わせ部L
APで上側になっているテープ42の先端面18が中間
転写ベルト4の周回方向Rに対して上流側に配置された
状態、つまり該テープ42に当接して摺動する構成物
(摺接体)に対して順方向に構成されている。中間転写
ベルト4の外周面側端部にはベルトクリーナ10のクリ
ーナブレード両側に配置されるサイドシール(後述)を
有する。該サイドシールは、前記摺接体に相当し、前記
テープの先端面18がベルト4の周回方向Rに対して下
流側に配置されていると、該サイドシールが前記先端面
18に当接してテープ42の重合わせ部LAPで剥離が
生じるおそれがあるので、重合わせ部LAPは上述のよ
うに順方向に構成されている。
【0038】中間転写ベルト4はポリイミド系樹脂で構
成され、その厚みを50〜100μm、体積抵抗率が1
〜1012Ω・cm、表面抵抗率が1011〜1
Ω/□に調整された半導電性フィルムである。こ
の中間転写ベルト4は、その厚み、体積抵抗率、表面抵
抗率が上記の値の範囲に入っている半導電性樹脂材料で
あれば、アクリル系樹脂、塩化ビニール系樹脂、あるい
はポリカーボネート系樹脂等に抵抗安定化材料を含有さ
せたものを使用できる。
【0039】リブ41の材質には熱硬化性樹脂が好適で
あり、一例として厚さ0.5〜1.5mmのポリウレタ
ン樹脂を使用することができる。補強部材としてのテー
プ142の材質は、一例として厚さ50〜100μmの
ポリエチレンテレフタレート(PET)を選択すること
ができる。
【0040】図2は、前記中間転写ベルト4を駆動ロー
ル11にかけた状態での断面図である。同図において、
駆動ロール11は、ロール本体11aとその表面に被覆
された高摩擦材料部分11bとからなる(拡大図参
照)。この高摩擦材料部分11bは、クリーナ10や2
次転写ロール6による負荷がかかったときにも中間転写
ベルト4をスリップさせないために設けられている。前
記ロール本体11aには、一例としてアルミニウムの管
が使用され、高摩擦材料部分11bとしてはポリウレタ
ンの被覆層(5〜50μm:好ましくは25μm)が使
用される。駆動ロール11の軸端には前記リブ41を周
回方向で案内するリブガイド17が設けられていて、中
間転写ベルト4の、駆動ロール11の軸方向での動きを
規制するように機能している。
【0041】リブガイド17は表面が滑らかで、摺動性
の良好な樹脂材料を使用するのが好ましい。一例とし
て、ポリアセタールを使用できる。また、リブガイド1
7はロール本体11bの側面とは固着されていないで分
離されているのがよい。なお、リブガイド17はアイド
ルロール12および2次転写バックアップロール13に
も同様に設けられている。
【0042】前記テープ42は、中間転写ベルト4の側
端部の微小な傷から破損が進展しないように、その側端
面が少なくとも中間転写ベルト4の側端面と合致するよ
うに中間転写ベルト4に沿って貼付けられているのがよ
い。また、テープ42の内側の面(中間転写ベルト4の
幅方向中央側の端面)は、リブ41の内側端面よりも中
間転写ベルト4の幅方向中央よりに位置していることが
好ましい。テープ42に、中間転写ベルト4の側端部を
保護する機能と前記盛り上がり部RUが発生しにくくす
る機能とをもたせるためである。
【0043】駆動ロール11との関連からいえば、駆動
ロール11のリブガイド17がリブ41に当接したとき
に、テープ42の内側の位置は、該リブガイド17の外
側端面よりも該駆動ロール11の軸方向中央側に位置す
るように設定されている。テープ42とリブガイド17
との重なり量RT(図2参照)はリブガイド17がリブ
41に当接した状態で2mm以上であるのが好ましい。
中間転写ベルト4がウォークしてリブガイド17が他方
のリブ41に当接したときにも、重なり部RTが十分に
確保されるようにするためである。
【0044】上記テープ42の位置設定の条件を満足す
るには、テープ42の幅を大きくすればよいのである
が、次の点にも留意しなければならない。すなわち、中
間転写ベルト4上にはベルトクリーナ10のクリーナブ
レードが当接し、その当接範囲は画像形成領域よりも幅
方向に広めに取ってある。そこで、テープ42,42間
の間隔L1をクリーナブレードの長さよりも大きく設定
して、クリーナブレードがテープ42と干渉しないよう
にしておく必要がある。
【0045】前記クリーナブレードについて説明をす
る。図14は、ベルトクリーナ10の正面図である。同
図において、クリーニングブレード101は、縁101
aが中間転写ベルト4に当接して残留トナーを掻き落と
す。該ベルトクリーナ10の長さL2は、中間転写ベル
ト4の最大画像領域の両端を10mm程度覆うことがで
きるように設定されている。すなわち、前記テープ4
2,42間の間隔L1は長さL2よりも大きくとってあ
ることが必要となる。
【0046】クリーナブレード101で掻き落とされた
廃トナーはトナー受けまたは下方シール102によって
受けられ、ハウジング103内に回収される。クリーナ
ブレード101および下方シール102の両側面は廃ト
ナーがこぼれ落ちないように、サイドシール104,1
04が配置されている。このサイドシール104は、例
えば、ポリプロピレンの繊維等がプレートに植毛された
ものであり、この植毛部分がテープ42上に当接するよ
うになるので、上述のように、テープ42の重合わせ部
LAPを順方向に設定してある。
【0047】前記リブ41の突合わせ部BUTTは、こ
の突合わせ部BUTTをリブガイド17がスムーズに通
過するように、次のように構成されている。図3はリブ
41の突合わせ部を示す中間転写ベルト4の斜視図であ
り、図4は突合わせ部BUTTの拡大平面図である。突
合わせ部BUTTを構成するリブ41の先端部は、該リ
ブ41に対する摺接体としてのロール類の端面が引掛か
らないように逃げが形成されている。例えば、図4のよ
うに、面取りされていたり(図4(a))、斜めに形成
した面で突き合わされていたり(図4(b))、円弧に
形成されていたりする(図4(c))。
【0048】また、図4(d)に示した突合わせ部にお
いては、中間転写ベルト4の周回によって摺接物が引掛
かるおそれがある側のリブ41の先端41aには、この
先端41aに対向している他方の先端よりも、一層なだ
らかに面取りが施されている。すなわち、リブ41の先
端部側面41bには、点41cから端面41dにかけ
て、徐々にリブ41の幅が小さくなるように面取りが形
成されている。寸法L1は10〜30mm、寸法L2は
0.5〜1.0mmの範囲でそれぞれ設定するのがよ
い。一例として、寸法L1は15mm、寸法L2は0.
5mmとした。なお、点41cから端面41dまでは直
線的につないでもよいし、曲線的につないでもよい。一
例として、曲率半径225mmの円弧で形成した。
【0049】さらに、図4(e)に示した例では、リブ
41の一方の先端を、それに対向する他端に対して偏倚
(偏倚量δ)させることによって摺接体に対する逃げを
形成している。リブ41の一方の先端を偏倚させた場合
には面取りは小さくてもよいし、面取りをほどこさなく
てもよい。
【0050】図4において中間転写ベルト4の周回方向
は符号Rの方向であり、符号sfはリブガイド17の摺
動面を示す。したがって、前記リブ41の先端を偏倚さ
せていることにより、該リブ41の摺動面sfに対する
摺接物がリブ41の先端に引掛かるのを防止することが
できる。
【0051】図4に示した逃げは、リブ41の先端の双
方に設けてもよいし、摺接体が引掛かるおそれがある側
の先端にのみ形成してもよい。また、リブ41の中間転
写ベルト4の幅方向内側面、つまり摺接体が摺動する側
の面にのみ逃げのための面取りを設けてもよい。但し、
リブ41が中間転写ベルト4の周回方向に対して左右専
用にならないようにして部品の共通化を図るためには、
前記逃げはリブ41の先端に左右対象で形成するのが好
ましい。
【0052】リブ41の突合わせ部BUTTを上記のよ
うに構成することによって、リブ41の先端部は駆動ロ
ール11等ロール類のエッジまたはリブガイド17に引
掛かったり乗り上げたりしないでスムーズに突合わせ部
BUTTを通過することができ、中間転写ベルト4の振
動や応力集中を軽減することができる。
【0053】既述のように、テープ42の重合わせ部L
APは中間転写ベルト4の周回方向において摺接体に対
して順方向に構成してある。しかし、このように構成し
た場合でも、重合わせ部分LAPは次のような理由によ
り剥離するおそれがある。図5は中間ベルト端部の斜視
図である。
【0054】同図に示すように、駆動ロール11を通過
するときに、中間転写ベルト4の最も外周部に配置され
ているテープ42は駆動ロール11の外周に沿った方向
に大きな引張り力F3を受け、この引張り力F3はテー
プ42の重合わせ部LAPの接着を剥がすように作用す
る。この引張り力F3の印加および解放はアイドルロー
ル12やテンションロール14等他のロールを通過する
ときにも作用する。したがって、この繰り返しにより、
接着がはがれるおそれがある。
【0055】そこで、本実施形態では、重合わせ部LA
Pの接合を、接着に加えてまたは接着に代えて融着で行
うようにした。図6(a),(b)は,融着された重合
わせ部LAPを示す要部拡大平面図および側面図であ
る。同図において、テープ42の重合わせ部LAPの領
域WPは溶融・凝固して接合部を形成している。融着の
方法としては超音波融着が好ましいが、熱融着によって
もよい。超音波融着方法に関しては、例えば特開平7−
266422号公報に記載されているものを利用して、
スポット融着することができる。
【0056】前記領域WPは1点に限らず複数点で接合
部を形成するようにしてもよい。また、接合部の領域W
は重合せ部LAPの中央付近にのみ形成するのではな
く、テープ42の幅方向全域にわたる領域でテープ42
を溶融・凝固して接合部を形成するのがより好ましい。
図16は領域WPをテープ42の幅方向に拡張した例を
示す中間転写ベルト4の要部拡大図である。同図におい
て、領域WPの長さL3は2mm以上とするのが好まし
く、一例として3,5mmとした。なお、重合せ部LA
Pの端部まで溶融・凝固して接合部の領域WPが形成さ
れているのが好ましいが、一例として2mm程度の未融
着長さ(L4)は許容される。
【0057】図17は、テープ42の幅方向全域に領域
WPを形成した場合(図16の例)のる破断強度および
T型剥離強度を、重合わせ部LAPの中央部に領域WP
を形成した場合(図6の例)との比較において示した図
である。なお、破断強度は,融着されたテープ42に対
して中間転写ベルト4の周回方向に引張力を印加したと
きの破断強度である。また、T型剥離強度は、接着力の
試験方法を規定したJIS(K6854)に従って試験
した強度である。同図に示すように、破断強度およびT
型剥離強度のいずれをとっても、融着領域WPをテープ
42の幅方向全域にまで拡大したものは、重合せ部LA
Pの中央付近のみを融着したものの2倍となっている。
【0058】前記引張り力F3による剥離を回避するた
め、上記融着に代えて、次の手段をとることができる。
前記引張り力F3はテープ42の剛性が大きいほど、該
テープ42を剥離するように作用する。そこで、テープ
42の剛性を小さくする手段として、図7の手段を対策
とすることができる。同図では、テープ42の両先端の
うち、重合わせ部LAPで上側になる側の先端の該テー
プ幅方向での断面積を小さくしている。同図(a)では
先端を細くし、図7(b)では、櫛状にして剛性を小さ
くしている。このように重合わせ部LAPで上側になる
テープ42の先端の平面積を小さくすることによって、
重合わせ部LAPにおいてロール類を通過するときの引
張り力F3による伸びを容易にして剥離をなくすること
ができる。
【0059】上記実施形態では、無端ベルトの一例とし
て中間転写ベルトに関して説明したが、これに限らず、
例えば前記感光体1に代えて感光体ベルトを用いる画像
形成装置にも本発明を適用することはできる。
【0060】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、無端ベルトの外周面に設けられたベルト補強
テープは、該テープに当接して摺動する摺接体が、前記
重合わせ部を円滑に通過していくことができる。したが
って、ベルト補強テープは摺接体を設けた場合にも容易
に剥離することなく、ベルト側端部の保護機能を十分に
果たすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係る中間転写ベルトの
要部斜視図である。
【図2】 中間転写ベルトおよび駆動ロールの断面図で
ある。
【図3】 中間転写ベルトの内周面を示す要部斜視図で
ある。
【図4】 中間転写ベルトに設けられたリブの突合わせ
部を示す要部平面図である。
【図5】 駆動ロールと中間転写ベルトとの係合部の斜
視図である。
【図6】 ベルト補強テープの重合せ部の接合状態を示
す図である。
【図7】 ベルト補強テープの重合せ部の形状を示す斜
視図である。
【図8】 カラープリンタの要部構成を示す模式図であ
る。
【図9】 中間転写ベルトの断面図である。
【図10】 駆動ロールと中間転写ベルトとの係合部の
要部側面図である。
【図11】 中間転写ベルト側端部の盛り上がりを示す
図である。
【図12】 中間転写ベルトの亀裂の状態を示す斜視図
である。
【図13】 中間転写ベルトの側端部から親展した亀裂
の状態を示す斜視図である。
【図14】 ベルトクリーナの正面図である。
【図15】 重ね合わせ部LAPと突合わせ部BUTT
の距離LBと色ずれ評価の関連を示す図である。
【図16】 ベルト補強テープの重合せ部の接合状態を
示す図である。
【図17】 ベルト補強テープの強度試験結果を示す図
である。
【符号の説明】
1…感光体、 4…中間転写ベルト、 11…駆動ロー
ル、 10…ベルトクリーナ、 17…リブガイド、
41…リブ、 42…ベルト補強テープ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 栗城 巌 埼玉県岩槻市府内3丁目7番1号 富士ゼ ロックス株式会社内 (72)発明者 市川 和之 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内 (72)発明者 松本 晃一 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内 (72)発明者 加藤 悟 神奈川県海老名市本郷2274番地 富士ゼロ ックス株式会社内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トナー像を保持して搬送するトナー像担
    持体としての無端ベルトおよび該無端ベルトを張架搬送
    するための複数のロールからなるベルト張架手段を有す
    る画像形成装置において、 前記無端ベルトの外周面両端部に沿って設けられ、端部
    での重合わせ部を含むベルト補強テープを具備し、 前記重あわせ部が、該ベルト補強テープに対する摺接体
    に対して順方向に構成されていることを特徴とする無端
    ベルトを用いた画像形成装置。
  2. 【請求項2】 前記無端ベルトの内周面両端部に沿って
    設けられ、端部での突合わせ部を含むリブ部材をさらに
    具備し、 前記ベルト補強テープの重合わせ部および前記リブ部材
    の突合わせ部を、該無端ベルトの周回方向で互いに予定
    距離離間させたことを特徴とする請求項1記載の無端ベ
    ルトを用いた画像形成装置。
  3. 【請求項3】 前記予定距離は、前記ロールのうち、最
    大のラップ角を有するロールの該ラップ角に対応するロ
    ール外周長以上に設定したことを特徴とする請求項2記
    載の無端ベルトを用いた画像形成装置。
  4. 【請求項4】 前記突合わせ部を形成する前記リブ部材
    の先端には該リブ部材に摺接する摺接体に対する逃げが
    形成されていることを特徴とする請求項2または3記載
    の無端ベルトを用いた画像形成装置。
  5. 【請求項5】 前記摺接体に対する逃げは、前記リブ部
    材の先端側面に形成された勾配または弧状の面取りによ
    って形成されていることを特徴とする請求項4記載の無
    端ベルトを用いた画像形成装置。
  6. 【請求項6】 前記重合わせ部を形成しているベルト補
    強テープの先端同士は互いに融着によって接合されてい
    ることを特徴とする請求項1記載の無端ベルトを用いた
    画像形成装置。
  7. 【請求項7】 前記融着による接合部は、前記ベルト補
    強テープの幅方向全域にわたって形成されているこを特
    徴とする請求項6記載の無端ベルトを用いた画像形成装
    置。
  8. 【請求項8】 前記重合わせ部を形成しているベルト補
    強テープの先端部分のうち上に重ねられる方は、該ベル
    ト補強テープの幅方向での断面積が減少させられている
    ことを特徴とする請求項1記載の無端ベルトを用いた画
    像形成装置。
  9. 【請求項9】 前記ベルト補強テープは、その幅が前記
    リブ部材の幅よりも大きく、かつ、その内側端面が前記
    リブ部材の内側端面よりも前記無端ベルトの幅方向中央
    部側に張り出して設けられていることを特徴とする請求
    項2〜5のいずれかに記載の無端ベルトを用いた画像形
    成装置。
  10. 【請求項10】 前記ベルト補強テープが前記リブ部材
    よりも張り出している量は、前記無端ベルトが該無端ベ
    ルトを張架しているロール上で他方のリブ部材側に最大
    限ウォークした場合に、前記ベルト補強テープが前記ロ
    ールとの重なり部を有していることを特徴とする請求項
    9記載の無端ベルトを用いた画像形成装置。
  11. 【請求項11】 前記ロールはその両端部に前記リブ部
    材の内側面に摺接するリブガイドを有していて、前記ベ
    ルト補強テープが前記リブ部材よりも張り出している量
    は、前記無端ベルトが該無端ベルトを張架しているロー
    ル上で他方のリブ部材側に最大限ウォークした場合に、
    前記ベルト補強テープが前記リブガイド周面との重なり
    部を有していることを特徴とする請求項9記載の無端ベ
    ルトを用いた画像形成装置。
  12. 【請求項12】 前記無端ベルトの外周面に当接して該
    無端ベルトの表面を清浄化するクリーナブレードを有す
    るベルトクリーナを具備し、前記ベルト補強テープ間の
    間隔が、前記クリーナブレードの長手方向寸法よりも大
    きく設定されていることを特徴とする請求項1記載の無
    端ベルトを用いた画像形成装置。
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