JP3864544B2 - 像担持体ベルト - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真技術を用いて画像を形成するプリンター、ファクシミリ、複写機等の画像形成装置に用いられる感光体ベルト、中間転写ベルト等の像担持体ベルトに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、像担持体ベルトは、回転駆動されつつその表面に像が形成されあるいは像を担持するため、その位相を検出する必要がある。その検出は光学的に行なうことができる。
【0003】
従来は、像担持体ベルトの一部に他の部分とは反射特性の異なるマークを貼付してそのマークを反射型の光センサで検出する、あるいは、像担持体ベルトの一部に穴を開けてその穴を透過型の光センサで検出することによって像担持体ベルトの位相を検出していた。
【0004】
すなわち、従来の像担持体ベルトとしては、その一部に反射用のマークが貼付されているものと、その一部に光透過用の穴が開けられているものとが知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来の像担持体ベルトのうち、その一部に反射用のマークが貼付されているものでは、マークの表面が汚れ防止のためのクリーニング部材との接触あるいは感光体等の他部材との接触によりマークが剥離し、検出不良が発生し易いという問題があった。
【0006】
一方、その一部に光透過用の穴が開けられているものでは、穴の開口縁に応力が集中するために、ベルトの強度が低下するという問題があった。この問題は、穴を透明フィルムで覆って補強することによって解決し得るとも考えられる。しかしながら、穴を開けてこれをさらに透明フィルムで覆うという作業は煩雑であり、また、一旦穴が開けられると、その周辺に歪が発生してこの部分における画像に乱れが生ずるおそれがあるので望ましくない。
【0007】
本発明の目的は、以上のような問題を解決し、検出不良が発生し難く強度低下も生じない像担持体ベルトを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1記載の像担持体ベルトは、シームベルトで構成されている像担持体ベルトであって、シーム部が、このシーム部以外の部分とは光透過率の異なる透明材料で構成されているとともに,前記シーム部の一面が凸湾曲状となっていることを特徴とする。
【0009】
請求項2記載の像担持体ベルトは、請求項1記載の像担持体ベルトにおいて、前記シームベルトは、透明材料層と不透明材料層とからなる複層構造のベルトの両端部のうちの少なくとも一端部における前記不透明材料が除去されたベルトの両端部を溶着または接着することによって構成されていることを特徴とする。
【0010】
ここで、「除去された」ということの意味は、透明材料層の一端部に予め不透明材料層を形成しないでおくこと、あるいは一旦形成した後に除去すること、の両者を含む意味である。
【0011】
請求項3記載の像担持体ベルトは、請求項1記載の像担持体ベルトにおいて、前記シームベルトは、不透明なベルトの両端部を、透明材料からなる接合部材を介して接合することにより構成されていることを特徴とする。
【0013】
【作用効果】
請求項1記載の像担持体ベルトは、シームベルトで構成されており、そのシーム部(ベルトの継ぎ目部)が、シーム部以外の部分とは光透過率の異なる材料で構成されているので、光透過型の光センサによってシーム部を検出することができる。
【0014】
そして、シーム部は、光透過型の光センサによって検出されるので、検出不良が発生し難い。また、シーム部を検出するので、検出用の穴を開ける必要がなく、したがって、強度低下も生じない。
【0015】
しかも、次のような作用効果も得られる。
【0016】
(i)従来の穴開きベルトでは、穴をベルトの中央部に設けると、これが例えばクリーナブレード等に引っかかってブレードを傷つける等の不具合が生じるため、穴をベルトの縁部近辺にしか設けることができなかった。ベルトの縁部は、ベルトのガイド等によって変形し易く、したがって、穴の形状も変形し易くなるので、検出タイミングの精度が悪くなるという難点があった。
【0017】
これに対し、この発明の像担持体ベルトによれば、ベルト幅方向に亙って存在するシーム部が検出対象となるので、検出器を例えばベルトの中央部に対して配置することも可能となる。
【0018】
したがって、検出精度のさらなる向上を図ることができる。
【0019】
(ii)従来の穴開きベルトでは、穴からトナーが飛散して検出器を汚してしまうという不具合があったが、この発明の像担持体ベルトは、穴が開いていないので、穴からトナーが飛散して検出器を汚すという不具合が生じない。
【0020】
(iii)穴を開ける工程が不要となる。
【0021】
以上のように、この請求項1記載の像担持体ベルトによれば、シーム部を被検出部として活用することによって、上記種々の効果を得ることができる。
【0022】
請求項2記載の像担持体ベルトによれば、請求項1記載の像担持体ベルトにおいて、前記シームベルトは、透明材料層と不透明材料層とからなる複層構造のベルトの両端部のうちの少なくとも一端部における前記不透明材料が除去されたベルトの両端部を溶着または接着することによって構成されているので、これを容易に作製することができる。
【0023】
請求項3記載の像担持体ベルトによれば、請求項1記載の像担持体ベルトにおいて、前記シームベルトは、不透明なベルトの両端部を、透明材料からなる接合部材を介して接合することにより構成されているので、ベルトが不透明なベルトであっても、上記像担持体ベルトを容易に作製することができる。
【0024】
請求項4記載の像担持体ベルトによれば、請求項1記載の像担持体ベルトにおいて、前記シームベルトは、透明なベルトの両端部を、不透明材料からなる接合部材を介して接合することにより構成されているので、ベルトが透明なベルトであっても、上記像担持体ベルトを容易に作製することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0026】
<第1の実施の形態>
図1は本発明に係る像担持体ベルトの第1の実施の形態およびその作製工程を示す模式図で、(a)は両端部が接合される前のベルトの両端部を主として示す断面図、(b)は両端部を溶着して接合した場合のシーム部を示す断面図、(c)は両端部を接着して接合した場合のシーム部を示す断面図である。
【0027】
図1(a)において、1はベルトであり、透明材料層1aと不透明材料層1bとからなる複層構造のベルトである。透明材料層1aは、ベルトの基材であり、透明で溶着可能な材料、例えばPETで構成されている。不透明材料層1bは、像担持層であり、その表面に像を形成しあるいは像を担持させることのできる材料を、透明材料層1aに塗布し、あるいはラミネートすることにより形成されている。
【0028】
この実施の形態の像担持体ベルトB1は、上記ベルト1の両端部1c1,1c2のうちの少なくとも一端部1c1における前記不透明材料1bが除去(1d)されたベルトの両端部1c1,1c2を、図(b)に示すように溶着することによって構成されている。図(a)において、1dは不透明材料1bの除去部である。この除去部1dは、透明材料層1aの一端部1c1に予め不透明材料層1bを形成しないでおくことにより、あるいは一旦形成した後に除去するすることによって形成することができる。
【0029】
この実施の形態の像担持体ベルトB1によれば次のような作用効果が得られる。
【0030】
(i) 図(b)に示すように、そのシーム部(ベルトの継ぎ目部)Sが、シーム部S以外の部分とは光透過率の異なる材料(この場合透明材料)で構成されているので、光透過型の光センサ41a,41bによってシーム部Sを検出することができる。
【0031】
そして、シーム部Sは、光透過型の光センサによって検出されるので、検出不良が発生し難い。また、シーム部Sを検出するので、検出用の穴を開ける必要がなく、したがって、強度低下も生じないという効果が得られる。
【0032】
(ii)ベルト幅方向(図1の紙面と直交する方向)に亙って存在するシーム部Sが検出対象となるので、検出器41a,41bを例えばベルトB1の中央部に対して配置することも可能となる。
【0033】
したがって、検出精度のさらなる向上を図ることができる。
【0034】
(iii)穴が開いていないので、穴からトナーが飛散して検出器を汚すという不具合が生じない。
【0035】
(iv)穴を開ける工程が不要となる。
【0036】
(v)ベルトの両端部1c1,1c2を、溶着(あるいは後述するように接着)することによって構成されているので、容易に作製することができる。
【0037】
以上のように、この実施の形態の像担持体ベルトB1によれば、シーム部Sを被検出部として活用することによって、上記種々の効果を得ることができる。
【0038】
なお、以上のような像担持体ベルトは、図(c)に示すように、前記ベルト1の両端部1c1,1c2のうちの少なくとも一端部1c1における前記不透明材料1bが除去されたベルトの両端部1c1,1c2を、接着(接着部を1eで示す)することによって構成することもでき、これによっても上記作用効果を得ることができる。ただしこの場合、シーム部Sに僅かではあるけれども段差が生じるので、ベルトの循環方向を図示矢印a方向とすることが望ましい。
【0039】
<第2の実施の形態>
図2は本発明に係る像担持体ベルトの第2の実施の形態およびその作製工程を示す模式図で、(a)は両端部が接合される前のベルトの両端部を主として示す断面図、(b)は両端部を溶着して接合した場合のシーム部を示す断面図、(c)は両端部を接着して接合した場合のシーム部を示す断面図である。図2において、前述した第1の実施の形態と同じ部分あるいは相当する部分には同じ符号を付してある。
【0040】
この実施の形態が上述した第1の実施の形態と異なる点は、ベルト1の両端部1c1,1c2を、透明材料(例えばPETシート)からなる接合部材2を介して接合した点にあり、その他の点に変わりはない。
【0041】
接合部材2を介しての接合は、図(b)に示すように溶着による接合としてもよいし、図(c)に示すように接着による接合としてもよい。
【0042】
この実施の形態によっても上記第1の実施の形態によって得られる作用効果が得られる。
【0043】
また、除去部1dを形成する必要がないので、一層簡単に作製することができるという効果も得られる。
【0044】
<第3の実施の形態>
図3は本発明に係る像担持体ベルトの第3の実施の形態およびその作製工程を示す模式図で、(a)は両端部が接合される前のベルトの両端部を主として示す断面図、(b)は両端部を溶着して接合した場合のシーム部を示す断面図、(c)は両端部を接着して接合した場合のシーム部を示す断面図である。図3において、前述した第2の実施の形態と同じ部分あるいは相当する部分には同じ符号を付してある。
【0045】
この実施の形態が上述した第2の実施の形態と異なる点は、ベルト1が不透明な単層シートで構成されている点にあり、その他の点に変わりはない。
【0046】
すなわち、この実施の形態の特徴は、不透明なベルト1の両端部1c1,1c2を、透明材料からなる接合部材2を介して接合した点にある。接合部材2を介しての接合は、図(b)に示すように溶着による接合としてもよいし、図(c)に示すように接着による接合としてもよい。
【0047】
この実施の形態によっても上記第2の実施の形態によって得られる作用効果が得られる。
【0048】
また、ベルト1を、透明材料層を有する複層構造とする必要なないので、一層簡単に作製することができるという効果も得られる。
【0049】
しかも、図(b)に示すように、接合部材2を用いて溶着する際、その一面2aが凸湾曲状となるように溶着すれば、溶着後の接合部材2が凸レンズとしての役割を果たすこととなるので、その面2a側に投光器41bを配置し、他面側に受光器41aを配置することによって集光効果が得られて検出信号のS/N比が増大し、結果としてより一層検出精度の向上を図ることができる。
【0050】
<第4の実施の形態>
図4は本発明に係る像担持体ベルトの第4の実施の形態およびその作製工程を示す模式図で、(a)は両端部が接合される前のベルトの両端部を主として示す断面図、(b)は両端部を溶着して接合した場合のシーム部を示す断面図、(c)は両端部を接着して接合した場合のシーム部を示す断面図である。図4において、前述した第3の実施の形態と同じ部分あるいは相当する部分には同じ符号を付してある。
【0051】
この実施の形態が上述した第3の実施の形態と異なる点は、ベルト1が透明な単層シートで構成されている点、および接合部材3が不透明材料からなる点にあり、その他の点に変わりはない。
【0052】
すなわち、この実施の形態の特徴は、透明なベルト1の両端部1c1,1c2を、不透明材料からなる溶着可能な接合部材3を介して接合した点にある。接合部材3を介しての接合は、図(b)に示すように溶着による接合としてもよいし、図(c)に示すように接着による接合としてもよい。
【0053】
この実施の形態によっても上記第3の実施の形態によって得られる作用効果と同様な作用効果が得られる。
【0054】
また、ベルト1を不透明材料層を有する複層構造とする必要なないので、簡単に作製することができるという効果も得られる。
【0055】
なお、この場合、シーム部Sが光を透過しないことによって、これを検出することができる。
【0056】
【使用例および実施例】
図5は、図1(a)(b)または図2(a)(b)で説明したようにして作製した像担持体ベルトB1を中間転写ベルトとして用いた画像形成装置の一例を示す模式図、図6は図5におけるVI−VI拡大部分端面図である。
【0057】
この画像形成装置は、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの4色のトナーによる現像器を用いてフルカラー画像を形成することのできる装置である。
【0058】
図5において、10は潜像担持体としての感光体であり、図示しない適宜の駆動手段によって図示矢印方向に回転駆動可能である。
【0059】
感光体10の周りには、その回転方向に沿って、帯電手段としての帯電ローラ11、現像手段としての現像ローラ20(Y,M,C,K)、像担持体ベルトB1を中間転写ベルトとして用いた中間転写装置30、およびクリーニング手段12が配置されている。
【0060】
感光体10は、円筒状の導電性基材10a(図6参照)と、その表面に形成された感光層10bとを有している。
【0061】
帯電ローラ11は、感光体10の外周面に当接して外周面を一様に帯電させることが可能である(例えば−600V程度に帯電させることが可能である)。一様に帯電した感光体10の外周面には、図示しない露光ユニットによって所望の画像情報に応じた選択的な露光Lがなされ、この露光Lによって感光体10上に静電潜像が形成される。露光された部位すなわち静電潜像が形成された部位の電位は、例えば−100V程度となるようにすることができる。
【0062】
この静電潜像は、現像ローラ20で、「−」に帯電させられたトナーが付与されて現像される。
【0063】
現像ローラとしては、イエロー用の現像ローラ20Y、シアン用の現像ローラ20C、マゼンタ用の現像ローラ20M、およびブラック用の現像ローラ20Kが設けられている。これら現像ローラ20Y,20C,20M,20Kは、選択的に感光体10に当接し得るようになっており、当接したとき、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックのうちのいずれかのトナーを感光体10の表面に付与して感光体10上の静電潜像を現像する。
【0064】
現像されたトナー像は、後述する中間転写ベルトB1上に転写される。
【0065】
クリーニング手段12は、上記転写後に、感光体10の外周面に残留し付着しているトナーを掻き落とすクリーナブレード13と、このクリーナブレード13によって掻き落とされたトナーを受ける受け部14とを備えている。
【0066】
中間転写装置30は、駆動ローラ31と、4本の従動ローラ32,33,34,35と、これら各ローラの回りに張架された無端状の中間転写ベルトB1とを有している。
【0067】
駆動ローラ31は、その端部に固定された図示しない歯車が、感光体10の駆動用歯車(図示せず)と噛み合っていることによって、感光体10と略同一の周速で回転駆動され、したがって中間転写ベルトB1が感光体10と略同一の周速で図示矢印方向に循環駆動され得る。
【0068】
従動ローラ35は、駆動ローラ31との間で中間転写ベルトB1がそれ自身の張力によって感光体10に圧接される位置に配置されていおり、感光体10と中間転写ベルトB1との圧接部において一次転写部T1が形成されている。従動ローラ35は、中間転写ベルトB1の循環方向上流側において一次転写部T1の近くに配置されている。
【0069】
駆動ローラ31には、中間転写ベルトB1を介して電極ローラ37が配置されており、この電極ローラ37を介して、中間転写ベルトB1の後述する導電層1b1に上記感光体10の帯電極性と逆極性の転写電圧(一次転写電圧であり、例えば+500V程度の電圧)V1が印加可能である。
【0070】
従動ローラ32はテンションローラであり、図示しない付勢手段によって中間転写ベルトB1をその張り方向に付勢している。
【0071】
従動ローラ33は、二次転写部T2を形成するバックアップローラである。このバックアップローラ33には、中間転写ベルトB1を介して二次転写ローラ38が対向配置されている。二次転写ローラ38は、図示しない接離機構により中間転写ベルトB1に対して接離可能である。二次転写ローラ38には、二次転写電圧V2(一次転写電圧より大きな電圧であり例えば+1000V程度の電圧)が印加される。
【0072】
従動ローラ34は、ベルトクリーナ39のためのバックアップローラである。ベルトクリーナ39は、中間転写ベルトB1と接触してその外周面に残留し付着しているトナーを掻き落とすクリーナブレード39aと、このクリーナブレード39aによって掻き落とされたトナーを受ける受け部39bとを備えている。このベルトクリーナ39は、図示しない接離機構によって中間転写ベルトB1に対して接離可能である。
【0073】
中間転写ベルトB1は、図6に示すように、絶縁性基体1aと、この絶縁性基体1a上に形成された導電層1b1と、この導電層1b1上に形成され、感光体10に圧接される抵抗層1b2とを有する複層ベルトで構成されている。絶縁性基体1aは前述した透明材料層1aを構成しており、導電層1b1および抵抗層1b2は、前述した不透明材料層1bを構成している。絶縁性基体1aは、透明性(光透過性)を有する合成樹脂で構成されている。導電層1b1は、例えば金属層で形成されており、この導電層1b1に、前述した電極ローラ37を介して、一次転写電圧V1が印加される。なお、ベルトB1側縁部において抵抗層1b2が無端の帯状に除去されていることによって導電層1b1が無端の帯状に露出しており、この露出部に電極ローラ37が接触するようになっている。
【0074】
中間転写ベルトB1は、具体的には、その絶縁性基体1aをシート状の透明なPETで構成し、その上にAL蒸着して導電層1b1を形成し、その上に、ウレタンをベースとしフッ素微粒子および導電剤としてのSnOを分散させた塗料を10〜100μm程度の厚さで塗布して抵抗層1b2を形成したベルト1の両端を図1(a)(b)または図2(a)(b)にて説明したようにして超音波融着で溶着して無端状に構成してある。
【0075】
なお、塗料は、ベルトの側端縁部を帯状に残して塗布することにより導電層1b1を帯状に露出させ、この露出部に電極ローラ37を接触させるようにしてある。
【0076】
この中間転写ベルトB1は、前述したシーム部Sを有しているので、このシーム部Sをベルトの位置検出用のマークとして利用することができる。
【0077】
図5において、41は透過型の光センサであり、シーム部Sを検出する検出手段を構成している。この検出手段41でシーム部Sが検出された時点を基準として所定のタイミングで前述した露光Lが開始される。
【0078】
中間転写ベルトB1が循環駆動される過程で、一次転写部T1において、感光体10上のトナー像が中間転写ベルトB1上に転写され、中間転写ベルトB1上に転写されたトナー像は、二次転写部T2において、二次転写ローラ38との間に供給される用紙等の記録媒体Pに転写される。記録媒体Pは、図示しない給紙装置から給送され、ゲートローラ対40によって所定のタイミングで二次転写部T2に供給される。
【0079】
以上のような画像形成装置全体の基本的作動は次の通りである。
【0080】
(i)図示しないホストコンピュータ等(パーソナルコンピュータ等)からの印字指令信号(画像形成信号)が画像形成装置の制御部に入力されると、感光体10、現像ローラ20、および中間転写ベルトB1が回転駆動される。
【0081】
(ii)感光体10の外周面が帯電ローラ11によって一様に帯電される。
【0082】
(iii)一様に帯電した感光体10の外周面に、図示しない露光ユニットによって第1色目(例えばイエロー)の画像情報に応じた選択的な露光Lがなされ、イエロー用の静電潜像が形成される。
【0083】
(iv)感光体10には、第1色目(例えばイエロー)用の現像ローラ20Yのみが接触し、これによって上記静電潜像が現像され、第1色目(例えばイエロー)のトナー像が感光体10上に形成される。
【0084】
(v)中間転写ベルトB1には上記トナーの帯電極性と逆極性の一次転写電圧V1が印加され、感光体10上に形成されたトナー像が、一次転写部すなわち、感光体10と中間転写ベルトB1との圧接部T1において中間転写ベルトB1上に転写される。このとき、二次転写ローラ38およびベルトクリーナ39は、中間転写ベルトB1から離間している。
【0085】
(vi)感光体10上に残留しているトナーがクリーニング手段12によって除去された後、図示しない除電手段からの除電光によって感光体10が除電される。
【0086】
(vii)上記(ii)〜(vi)の動作が必要に応じて繰り返される。すなわち、上記印字指令信号の内容に応じて、第2色目、第3色目、第4色目、と繰り返され、上記印字指令信号の内容に応じたトナー像が中間転写ベルトB1上において重ね合わされて中間転写ベルトB1上に形成される。
【0087】
(viii)所定のタイミングで記録媒体Pが供給され、記録媒体Pの先端が第2転写部T2に達する直前にあるいは達した後に(要するに記録媒体P上の所望の位置に、中間転写ベルトB1上のトナー像が転写されるタイミングで)二次転写ローラ38が中間転写ベルトB1に押圧されるとともに二次転写電圧V2が印加され、中間転写ベルトB1上のトナー像(基本的にはフルカラー画像)が記録媒体P上に転写される。また、ベルトクリーナ39が中間転写ベルトB1に当接し、二次転写後に中間転写ベルトB1上に残留しているトナーが除去される。
【0088】
(ix)記録媒体Pが図示しない定着装置を通過することによって記録媒体P上にトナー像が定着し、その後、記録媒体Pが装置外に排出される。
【0089】
以上のような画像形成装置によれば、感光体10に対して、中間転写ベルトB1がローラ31,35間で圧接され、この中間転写ベルトB1には感光体10の帯電極性と逆極性の転写電圧V1が印加されるので、圧接部(一次転写部)T1において、中間転写ベルトB1は、それ自体の張力および、前記転写電圧V1による吸着力によって感光体10に圧接されることとなる。
【0090】
したがって、上記圧接部T1において中間転写ベルトB1を感光体10に圧接させるための圧接ローラ(一次転写ローラ)を設けることなく、感光体10上の可視像を中間転写ベルトB1上に転写させることができる。
【0091】
以上、本発明の実施の形態および実施例について説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において適宜変形実施可能である。
【0092】
【発明の効果】
請求項1〜4記載のいずれの像担持体ベルトによっても、検出不良が発生し難く、強度低下も生じないという効果が得られる。しかも、検出精度のさらなる向上を図ることができる。
【0093】
さらに、
請求項2記載の像担持体ベルトによれば、これを容易に作製することができる。
【0094】
請求項3記載の像担持体ベルトによれば、ベルトが不透明なベルトであっても、これを容易に作製することができる。
【0095】
請求項4記載の像担持体ベルトによれば、ベルトが透明なベルトであっても、上これを容易に作製することができる。
【0096】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る像担持体ベルトの第1の実施の形態およびその作製工程を示す模式図で、(a)は両端部が接合される前のベルトの両端部を主として示す断面図、(b)は両端部を溶着して接合した場合のシーム部を示す断面図、(c)は両端部を接着して接合した場合のシーム部を示す断面図である。
【図2】本発明に係る像担持体ベルトの第2の実施の形態およびその作製工程を示す模式図で、(a)は両端部が接合される前のベルトの両端部を主として示す断面図、(b)は両端部を溶着して接合した場合のシーム部を示す断面図、(c)は両端部を接着して接合した場合のシーム部を示す断面図である。
【図3】本発明に係る像担持体ベルトの第3の実施の形態およびその作製工程を示す模式図で、(a)は両端部が接合される前のベルトの両端部を主として示す断面図、(b)は両端部を溶着して接合した場合のシーム部を示す断面図、(c)は両端部を接着して接合した場合のシーム部を示す断面図である。
【図4】本発明に係る像担持体ベルトの第4の実施の形態およびその作製工程を示す模式図で、(a)は両端部が接合される前のベルトの両端部を主として示す断面図、(b)は両端部を溶着して接合した場合のシーム部を示す断面図、(c)は両端部を接着して接合した場合のシーム部を示す断面図である。
【図5】像担持体ベルトB1を中間転写ベルトとして用いた画像形成装置の一例を示す模式図である。
【図6】図5におけるVI−VI拡大部分端面図である。
【符号の説明】
B1 像担持体ベルト
S シーム部
1 ベルト
1a 透明材料層
1b 不透明材料層
1c1,1c2 両端部
2 透明材料からなる接合部材
3 不透明材料からなる接合部材
Claims (3)
- シームベルトで構成されている像担持体ベルトであって、シーム部が、このシーム部以外の部分とは光透過率の異なる透明材料で構成されているとともに,前記シーム部の一面が凸湾曲状となっていることを特徴とする像担持体ベルト。
- 前記シームベルトは、透明材料層と不透明材料層とからなる複層構造のベルトの両端部のうちの少なくとも一端部における前記不透明材料が除去されたベルトの両端部を溶着または接着することによって構成されていることを特徴とする請求項1記載の像担持体ベルト。
- 前記シームベルトは、不透明なベルトの両端部を、透明材料からなる接合部材を介して接合することにより構成されていることを特徴とする請求項1記載の像担持体ベルト。
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JP06627098A JP3864544B2 (ja) | 1998-03-02 | 1998-03-02 | 像担持体ベルト |
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JP06627098A JP3864544B2 (ja) | 1998-03-02 | 1998-03-02 | 像担持体ベルト |
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