JPH11218782A - アクティブマトリックス型液晶表示装置 - Google Patents

アクティブマトリックス型液晶表示装置

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JPH11218782A
JPH11218782A JP3538698A JP3538698A JPH11218782A JP H11218782 A JPH11218782 A JP H11218782A JP 3538698 A JP3538698 A JP 3538698A JP 3538698 A JP3538698 A JP 3538698A JP H11218782 A JPH11218782 A JP H11218782A
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pixel
liquid crystal
thin film
line
film transistor
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JP3538698A
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Yoshinaga Miyazawa
善永 宮澤
Yoshihisa Kato
喜久 加藤
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Casio Computer Co Ltd
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Casio Computer Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スイッチング素子として薄膜トランジスタを
備えたアクティブマトリックス型液晶表示装置におい
て、セルギャップのより一層の均一化を図る。 【解決手段】 薄膜トランジスタ基板1の上面全体に薄
膜トランジスタのゲート絶縁膜21を設けずに、すなわ
ち、画素周辺部Bにおいてゲート絶縁膜21を可及的に
取り除くこと等により、画素周辺部Bのセルギャップ状
態を画素部Aのセルギャップ状態に近づける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、セルギャップの
より一層の均一化を図ることができるアクティブマトリ
ックス型液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】アクティブマトリックス型の液晶表示装
置には、スイッチング素子として薄膜トランジスタを備
えたものがある。図18は従来のこのような液晶表示装
置における薄膜トランジスタを設けた基板(以下、薄膜
トランジスタ基板という)全体の主な電気回路を等価回
路的に示した平面図であり、図19はその一部の等価回
路的平面図である。薄膜トランジスタ基板1上の中央部
の図18及び図19において一点鎖線で囲まれた領域は
画素部Aとなっている。画素部Aの周囲において図18
において二点鎖線で示す枠状のシール材形成部2で囲ま
れた領域は画素周辺部Bとなっている。
【0003】画素部Aには、複数の信号ライン3と複数
の走査ライン4とが互いに直交する方向に配置され、両
ライン3、4の各交点近傍に画素電極5が薄膜トランジ
スタ6を介して対応する両ライン3、4に接続されて配
置され、さらに画素電極5との間で補助容量部Csを形
成する複数の補助容量ライン7が走査ライン4と平行す
る方向に配置されている。この場合、信号ライン3の上
端部は、薄膜トランジスタ基板1上のシール材形成部2
の上側の図18において点線で示す半導体チップ搭載エ
リア8内まで延ばされている。また、走査ライン4の左
端部は、薄膜トランジスタ基板1上のシール材形成部2
の左側の図18において点線で示す半導体チップ搭載エ
リア9内まで延ばされている。
【0004】画素周辺部Bには、枠状の短絡ライン11
と、短絡ライン11の上辺部の上側において短絡ライン
11の上辺部と各信号ライン3の上端部にそれぞれ接続
された各2つずつの第1の静電保護素子12と、短絡ラ
イン11の左辺部の左側において短絡ライン11の左辺
部と各走査ライン5の左端部にそれぞれ接続された各2
つずつの第1の静電保護素子13とが設けられている。
なお、補助容量ライン7の左端部は短絡ライン11に接
続されている。また、薄膜トランジスタ基板1上のシー
ル材形成部2の外側であって図18の右上部には、複数
の入力ライン14が設けられている。入力ライン14の
一端部は半導体チップ搭載エリア8、9内まで延ばされ
ている。
【0005】次に、この薄膜トランジスタ基板1を有す
る液晶表示装置の一部の具体的な構造について図20〜
図23を参照して説明する。この場合、図20は薄膜ト
ランジスタ基板1の第1の静電保護素子12の部分にお
いて配向膜35及びオーバーコート膜34を省略した状
態の平面図を示す。図21は図20のX−X線に沿う部
分に相当し且つ短絡ライン11の外側における信号ライ
ン3の引き回し線の部分の断面図を示す。図22は薄膜
トランジスタ基板1の第2の静電保護素子13の部分に
おいて配向膜35及びオーバーコート膜34を省略した
状態の平面図を示す。図23は液晶表示装置の薄膜トラ
ンジスタ6及び画素電極5の部分の断面図を示す。
【0006】薄膜トランジスタ基板1の上面の薄膜トラ
ンジスタ6形成領域にはAl−Ti合金からなるゲート
電極Gが形成されている。また、薄膜トランジスタ基板
1の上面の各所定の箇所には、ゲート電極Gの形成と同
時に、走査ライン4、補助容量ライン7及び短絡ライン
11の上辺部と下辺部がAl−Ti合金によって形成さ
れている。ゲート電極G等を含む薄膜トランジスタ基板
1の上面全体には窒化シリコンからなるゲート絶縁膜2
1が形成されている。ゲート電極Gに対応する部分にお
けるゲート絶縁膜21の上面にはアモルファスシリコン
からなる半導体薄膜22が形成されている。また、第1
の静電保護素子12形成領域におけるゲート絶縁膜21
の上面にもアモルファスシリコンからなる半導体薄膜2
3が形成されている。なお、第2の静電保護素子13の
構造は第1の静電保護素子12の構造とほぼ同じである
ので、同一名称部分には同一の符合を付し、その説明を
適宜省略する。
【0007】半導体薄膜22、23の上面中央部には窒
化シリコンからなるブロッキング層24、25が形成さ
れている。薄膜トランジスタ6形成領域におけるブロッ
キング層24の上面両側にはn+シリコンからなるコン
タクト層26、27が形成されている。また、第1の静
電保護素子12形成領域におけるブロッキング層25の
上面両側にもn+シリコンからなるコンタクト層28、
29が形成されている。薄膜トランジスタ6形成領域に
おけるコンタクト層26、27の上面にはAl−Ti合
金またはCrからなるドレイン電極D及びソース電極S
が形成されている。また、第1の静電保護素子12形成
領域におけるコンタクト層28、29の上面にはAl−
Ti合金またはCrからなる一方の接続電極30及び他
方の接続電極31が形成されている。さらに、ゲート絶
縁膜21の上面の各所定の箇所には、各電極S、D、3
0、31の形成と同時に、信号ライン3、入力ライン7
及び短絡ライン11の左辺部と右辺部がAl−Ti合金
またはCrによって形成されている。
【0008】そして、図20及び図21に示すように、
第1の静電保護素子12の一方の接続電極30はゲート
絶縁膜21に形成されたコンタクトホール部32を介し
て短絡ライン11に接続され、他方の接続電極30は信
号ライン3に接続されている。また、図22に示すよう
に、第2の静電保護素子13の一方の接続電極30は短
絡ライン11に接続され、他方の接続電極30はゲート
絶縁膜21に形成されたコンタクトホール部33を介し
て走査ライン4に接続されている。さらに、図19を参
照して説明すると、短絡ライン11の左辺部上下端及び
右辺部上下端は、ゲート絶縁膜21に形成されたコンタ
クトホール部(図示せず)を介して短絡ライン11の上
辺部左右端及び下辺部左右端に接続されている。なお、
薄膜トランジスタ6の近傍におけるゲート絶縁膜21の
上面には、ソース電極S等の形成前に、ITOからなる
画素電極5が形成され、この画素電極5にソース電極S
が接続されている。
【0009】薄膜トランジスタ基板1上であって画素電
極5の所定の部分を除く領域にはオーバーコート膜34
が形成されている。画素電極5の上面及びオーバーコー
ト膜34の上面の所定の箇所には配向膜35が形成され
ている。一方、対向基板41の下面にはCrからなるブ
ラックマスク42が形成され、その下面の所定の箇所に
はITOからなる対向電極43が形成され、その下面の
所定の箇所には配向膜44が形成されている。そして、
薄膜トランジスタ基板1と対向基板41とは図示しない
枠状のシール材を介して貼り合わされ、シール材の内側
における両基板1、41間には液晶45が封入されてい
る。なお、図20に示すように、短絡ライン11上のゲ
ート絶縁膜21と信号ライン3との間には、ブロッキン
グ層25の形成と同時に、窒化シリコンからなる絶縁層
46が形成されている。また、図22に示すように、走
査ライン4上のゲート絶縁膜21と短絡ライン11との
間にも窒化シリコンからなる絶縁層47が形成されてい
る。
【0010】次に、以上のような構造の液晶表示装置に
おけるセルギャップの具体的な一例について説明する。
まず、ゲート電極Gを含む走査ライン4等の膜厚は0.
33μmであり、ゲート絶縁膜21の膜厚は0.25μ
mであり、半導体薄膜22、23の膜厚は0.05μm
であり、ブロッキング層24、25等の膜厚は0.10
μmであり、n+シリコン層26、27、28、29の
膜厚は0.025μmであり、ドレイン電極Dを含む信
号ライン3等の膜厚は0.355μmであり、画素電極
5の膜厚は0.05μmであり、オーバーコート膜34
の膜厚は0.20μmであり、配向膜35、43の膜厚
は0.10μmであり、ブラックマスク42の膜厚は
0.20μmであり、共通電極43の膜厚は0.14μ
mであるとする。
【0011】さて、図23に示すように、画素部Aにつ
いて見ると、画素電極5のブラックマスク42と対向し
ない領域における液晶45の層厚は最大であり、この領
域におけるゲート絶縁膜21、画素電極5、両配向膜3
5、44及び共通電極43の合計厚さは0.64μmで
ある。この合計厚さは両基板1、41間の実質的な間隔
を狭めている値であり、以下このような合計厚さを段差
というが、画素電極5のブラックマスク42と対向しな
い領域を基準とし、この基準領域における段差を0とみ
なす。一方、画素部Aにおける液晶45の層厚の最小の
領域は薄膜トランジスタ6形成領域であり、この領域に
おけるゲート電極G、ゲート絶縁膜21、半導体薄膜2
2、ブロッキング層24、n+シリコン層26(または
27)、ドレイン電極D(またはソース電極S)、オー
バーコート膜34、両配向膜35、44、ブラックマス
ク42及び共通電極43の合計厚さは1.85μmであ
り、したがってこの領域の段差は1.85−0.64=
1.21μmである。なお、ゲート電極Gとしてその表
面に陽極酸化膜が形成されたものを用いた場合には、そ
の膜厚が0.35μmとなるので、この場合の段差は
1.23μmとなる。このようにして、画素部Aの全域
の段差を調べるとともに各段差の面積分布比を調べたと
ころ、図24に示す結果が得られた。この図から明らか
なように、段差0の領域の面積分布比は約78%であ
る。
【0012】次に、図21に示すように、画素周辺部B
の第1の静電保護素子12形成領域について見ると、液
晶45の層厚の最大領域におけるゲート絶縁膜21、オ
ーバーコート膜34、両配向膜35、44、ブラックマ
スク42及び共通電極43の合計厚さは0.99μmで
あり、したがってこの領域の段差は0.99−0.64
=0.35μmである。そして、画素周辺部Bの第1の
静電保護素子12形成領域の全域の段差を調べるととも
に各段差の面積分布比を調べたところ、図25に示す結
果が得られた。この図から明らかなように、段差が最低
(0.35μm)の領域の面積分布比は約56%であ
る。また、画素周辺部Bの第2の静電保護素子13形成
領域の全域の段差を調べるとともに各段差の面積分布比
を調べたところ、図26に示す結果が得られた。この図
から明らかなように、段差が最低(0.35μm)の領
域の面積分布比は約45%である。さらに、画素周辺部
の信号ライン3の引き回し線形成領域(図21の右部参
照)の全域の段差を調べるとともに各段差の面積分布比
を調べたところ、図27に示す結果が得られた。この図
から明らかなように、段差が最低(0.35μm)の領
域の面積分布比は約45%である。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図24に示
す画素部Aの段差特性と図25〜図27に示す画素周辺
部Bの段差特性とを比較すると、図24に示す画素部A
では最低の段差が0であるのに対し、図25〜図27に
示す画素周辺部Bでは最低の段差が0.35μmである
ので、その差は0.35μmであり、例えばゲート絶縁
膜21の膜厚(0.25μm)よりも大きい。しかも、
図24に示す画素部Aでは段差0の領域が約78%もあ
るのに対し、図25〜図27に示す画素周辺部Bでは最
低の段差の領域が約56%、約45%、約45%で全体
的に見ると50%未満と少ない。この結果、画素周辺部
Bのセルギャップ状態が画素部Aのセルギャップ状態と
大きく異なり、高精細化等を図る際の大きな支障になっ
ているという問題があった。この発明の課題は、セルギ
ャップのより一層の均一化を図ることである。
【0014】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
画素部の液晶の層厚の最大値と画素周辺部の液晶の層厚
の最大値との差が薄膜トランジスタのゲート絶縁膜の厚
さ以下となるようにしたものである。請求項2記載の発
明は、請求項1記載の発明において、画素部における液
晶層厚最大領域が当該画素部の面積の50%以上を占
め、且つ、画素周辺部における液晶層厚最大領域が当該
画素周辺部の面積の50%以上を占めるようにしたもの
である。この発明によれば、画素周辺部のセルギャップ
状態を画素部のセルギャップ状態に近づけることができ
るので、セルギャップのより一層の均一化を図ることが
できる。
【0015】
【発明の実施の形態】(第1実施形態)図1〜図3はこ
の発明の第1実施形態を説明するために示したものであ
る。この場合、図1は図20に対応する図であり、図2
は図21に対応する図であり、図3は図22に対応する
図である。そこで、図1〜図3において、図20〜図2
2と同一名称部分には同一の符合を付し、その説明を適
宜省略する。この実施形態では、画素周辺部Bにおいて
つまり画素部Aの周囲からシール材形成部の幅方向中心
までの領域において、ゲート絶縁膜21が可及的に取り
除かれており、すなわち、図1及び図2に示すように、
短絡ライン11と信号ライン3との交差部及び第1の静
電保護素子12の主要部にのみゲート絶縁膜21が設け
られ、また図3に示すように、走査ライン4と短絡ライ
ン11との交差部及び第2の静電保護素子13の主要部
にのみゲート絶縁膜21が設けられている。
【0016】この結果、この実施形態の液晶表示装置の
画素部Aの段差特性は、当該画素部Aではゲート絶縁膜
21を除去していないから、図24に示す従来の場合と
同じである。しかるに、図2に示すように、画素周辺部
Bの第1の静電保護素子12形成領域について見ると、
液晶45の層厚の最大領域におけるオーバーコート膜3
4、両配向膜35、44、ブラックマスク42及び共通
電極43の合計厚さは0.74μmであり、したがって
この領域の段差は0.74−0.64=0.10μmで
ある。そして、画素周辺部Bの第1の静電保護素子12
形成領域の段差特性を調べたところ、図4に示す結果が
得られた。この図から明らかなように、段差が最低
(0.10μm)の領域の面積分布比は約67%であ
る。また、画素周辺部Bの第2の静電保護素子13形成
領域の段差特性を調べたところ、図5に示す結果が得ら
れた。この図から明らかなように、段差が最低(0.1
0μm)の領域の面積分布比は約66%である。さら
に、画素周辺部Bの信号ライン3の引き回し線形成領域
(図2の右部参照)の段差特性を調べたところ、図6に
示す結果が得られた。この図から明らかなように、段差
が最低(0.10μm)の領域の面積分布比は約87%
である。
【0017】次に、図24に示す画素部Aの段差特性と
図4〜図6に示す画素周辺部Bの段差特性とを比較する
と、図24に示す画素部Aでは最低の段差が0であるの
に対し、図4〜図6に示す画素周辺部Bでは最低の段差
が0.10μmであるので、その差は0.10μmであ
り、ゲート絶縁膜21の膜厚(0.25μm)よりも小
さい。しかも、図24に示す画素部Aでは段差0の領域
が約78%であるのに対し、図4〜図6に示す画素周辺
部Bでは最低の段差の領域が約67%、約66%、約8
7%で全体的に見ても50%以上である。この結果、画
素周辺部Bのセルギャップ状態を画素部Aのセルギャッ
プ状態に近づけることができ、セルギャップのより一層
の均一化を図ることができ、ひいては高精細化等を図る
ことができる。
【0018】すなわち、画素周辺部Bの不要なゲート絶
縁膜21を除去しない状態で、画素部Aと画素周辺部B
の各最低段差の差、つまり、画素部Aの液晶層厚の最大
値と画素周辺部Bの液晶層厚の最大値との差が、ゲート
絶縁膜21の膜厚の2倍以上である場合は、画素周辺部
Bの不要なゲート絶縁膜21を除去してもセルギャップ
が表示ムラを解消できる程度に均一化されないのである
が、画素部Aの液晶層厚の最大値と画素周辺部Bの液晶
層厚の最大値との差が、ゲート絶縁膜21の膜厚の2倍
以下の状態、つまり、画素周辺部Bの不要なゲート絶縁
膜21を除去することにより画素部Aの液晶層厚の最大
値と画素周辺部Bの液晶層厚の最大値との差がゲート絶
縁膜21の膜厚以下となるセルギヤップに対しては、画
素周辺部Bの不要なゲート絶縁膜21を除去することに
より両領域のセルギャップ状態が、表示ムラを解消でき
る程度に均一化されるのである。
【0019】(第2実施形態)図7及び図8はこの発明
の第2実施形態を説明するために示したものである。こ
の場合、図7は図1に対応する図であり、図8は図3に
対応する図である。この実施形態では、画素周辺部Bに
おいて対向基板(図示せず)の共通電極43の所定の一
部が取り除かれており、すなわち、図7において一点鎖
線で示すように、短絡ライン11に対応し且つ相隣接す
る信号ライン3間の相隣接する第1の静電保護素子12
間に対応する部分における共通電極43に開口部43a
が設けられ、また図8において一点鎖線で示すように、
短絡ライン11に対応し且つ相隣接する走査ライン4間
の相隣接する補助容量ライン7間に対応する部分におけ
る共通電極43に開口部43bが設けられている。
【0020】そして、画素周辺部Bの第1の静電保護素
子12形成領域の段差特性を調べたところ、図9に示す
結果が得られた。また、画素周辺部Bの第2の静電保護
素子13形成領域の段差特性を調べたところ、図10に
示す結果が得られた。これらの図から明らかなように、
各段差曲線を、図4及び図5に示す第1実施形態の場合
と比較して、図24に示す画素部Aの段差曲線により一
層近づけることができる。
【0021】(第3実施形態)図11はこの発明の第3
実施形態における液晶表示装置の一部の平面図を示した
ものである。この液晶表示装置では、薄膜トランジスタ
基板51と対向基板52とが枠状のシール材53を介し
て貼り合わされている。なお、図中一点鎖線はシール材
53の幅方向中心53aを示す。薄膜トランジスタ基板
51の上面の所定の箇所には、二点鎖線で示すように、
画素部Aの信号ライン(図示せず)の上端部から延びる
引き回し線54が設けられ、また引き回し線54の左右
両側にはダミー配線55(一方は図示せず)が設けられ
ている。また、図示していないが、薄膜トランジスタ基
板51の上面の他の所定の箇所には、画素部Aの走査ラ
イン(図示せず)の左端部から延びる引き回し線が設け
られ、またこの引き回し線の上下両側にはダミー配線が
設けられている。対向基板52の下面の所定の箇所には
ブラックマスク56が設けられている。この場合、ブラ
ックマスク56の外周部はシール材53の幅方向中心5
3aの外側に配置されている。ブラックマスク56の下
面側であってシール材53の内側にはカラーフィルタ5
7が設けられている。このカラーフィルタ57はRGB
の各カラーフィルタ要素からなっている。カラーフィル
タ57の下面及びその周囲のブラックマスク56の下面
であってシール材53の幅方向中心53aのすぐ内側に
は共通電極58が設けられている。この場合、共通電極
58の角部はシール材53の外側まで延ばされ、クロス
材59との接続部58aとなっている。なお、この液晶
表示装置において、上記第1及び第2実施形態の場合と
基本的に異なる点(カラーフィルタ57を除く)は、信
号ライン用の引き回し線54の構造が異なる点と、ダミ
ー配線55を設けた点である。そこで、次に、この異な
る点について説明する。
【0022】図12は薄膜トランジスタ基板51の一部
の平面図を示したものである。引き回し線54は、走査
ラインの形成と同時に形成されたAl−Ti合金からな
る下部配線54aと、信号ラインの形成と同時に形成さ
れたAl−Ti合金またはCrからなる上部配線54b
との2層構造となっている。この場合、下部配線54a
はシール材53の外壁のすぐ内側まで設けられている。
また、下部配線54aは分断されている。これは、走査
ラインの表面に陽極酸化膜を形成するとき、下部配線5
4aの表面に陽極酸化膜が形成されないようにするため
である。ダミー配線55は、表面に陽極酸化膜を有する
走査ラインの形成と同時に形成された第1層55aと、
ブロッキング層の形成と同時に形成された第2層55b
と、信号ラインの形成と同時に形成された第3層55c
の3層構造となっている。この場合、ダミー配線55の
形成領域は、図11に示すように、カラーフィルタ57
の外周部のすぐ内側からシール材53の外壁のすぐ内側
までとなっている。
【0023】ところで、引き回し線54の上部配線54
bの幅は16μm程度となっている。これに対し、図1
8に示す従来の場合には、50μm程度となっている。
この場合、引き回し線54の上部配線54bの幅を16
μm程度と狭くしても、引き回し線54は下部配線54
aと上部配線54bの2層構造であるので、断線が生じ
ないようにすることができる。そして、画素周辺部Bの
信号ラインの引き回し線54形成領域(ダミー配線55
形成領域を含む)の段差特性を調べたところ、図13に
示す結果が得られた。この図から明らかなように、段差
曲線を、図6に示す第1実施形態の場合と比較して、図
24に示す画素部Aの段差曲線により一層近づけること
ができる。
【0024】(第4実施形態)図14はこの発明の第4
実施形態における液晶表示装置の液晶注入口の部分の平
面図を示したものである。ただし、この場合、薄膜トラ
ンジスタ基板及び対向基板は複数の液晶セルに分断され
る前の大きさものであり、一点鎖線で示すラインに沿っ
て切断されると、複数の液晶セルが得られるようになっ
ている。そこで、液晶セルを形成する本来の薄膜トラン
ジスタ基板を符合61aで示し、切断されて除去される
不要な薄膜トランジスタ基板を符合61bで示す。ま
た、液晶セルを形成する本来の対向基板を符合62aで
示し、切断されて除去される不要な対向基板を符合62
bで示す。また、図14において、符合63はシール材
を示し、符合64はシール材63に形成された液晶注入
口を示す。
【0025】不要な薄膜トランジスタ基板61bの上面
の所定の箇所には、補助容量ライン(図示せず)の形成
と同時に、補助容量ラインに給電するための給電ライン
65が形成されている。そして、不要な薄膜トランジス
タ基板61b及び本来の薄膜トランジスタ基板61aの
上面の液晶注入口64及びその近傍において給電ライン
65と短絡ライン(図示せず)との間には、複数の細い
分岐給電ライン66及び複数の細いダミーライン67が
設けられている。この場合、分岐給電ライン66の給電
ライン65からシール材63の外壁のすぐ内側までは給
電ライン65と同時に形成された単層ラインで、それ以
外は例えば図12に示す引き回し線54の2層部分と同
じ2層ラインとなっている。ダミーライン67は2層ラ
インからなり、その一端部はシール材63の幅方向中心
に配置されている。一方、不要な対向基板62bの下面
の所定の箇所には、ブラックマスク68の形成と同時
に、ライン69がブラックマスク68に液晶注入口64
を介して接続されて形成されている。このライン69
は、例えば接地され、液晶セルの所定の製造工程におい
て発生する静電気を外部に逃がすものとして利用され
る。
【0026】ところで、図18に示す従来の場合には、
図14に示す複数の細い分岐給電ライン66に対応する
給電ラインは単層の1本でその幅が1000μmオーダ
ーの幅広のものとなっている。これに対し、図14に示
す液晶表示装置では、複数の細い分岐給電ライン66及
び複数の細いダミーライン67とし、且つ、シール材6
3の幅方向中心の内側における部分を2層構造としてい
るので、両ライン66、67の幅及びピッチ等を調整す
ることにより、画素周辺部Bの液晶注入口64の部分に
おける段差特性を画素部Aの段差特性により一層近づけ
ることができる。また、不要な対向基板62bの下面に
ブラックマスク68の形成と同時にライン69を形成し
ているので、ブラックマスク68形成領域と液晶注入口
64の部分を含むライン69形成領域との段差が少なく
なり、スペーサ散布の制御がしやすくなり、セルギャッ
プの均一化に寄与することができる。
【0027】(第5実施形態)図15はこの発明の第5
実施形態における液晶表示装置の一部の平面図を示した
ものである。ただし、この場合も、薄膜トランジスタ基
板及び対向基板は複数の液晶セルに分断される前の大き
さものであり、薄膜トランジスタ基板が一点鎖線で示す
ラインに沿って切断されるとともに、対向基板が二点鎖
線で示すラインに沿って切断されると、複数の液晶セル
が得られるようになっている。そこで、図15におい
て、図14と同一部分には同一の符合を付し、その説明
を適宜省略する。この液晶表示装置では、不要な対向基
板62bの下面において本来の対向基板62aの四角の
外側の各所定の箇所に、ブラックマスク68の形成と同
時に、一点鎖線で示す切断ラインの目安となる切断マー
ク71及び二点鎖線で示す切断ラインの目安となる切断
マーク72が形成されている。また、本来の薄膜トラン
ジスタ基板61aの上面の三点鎖線で示す各所定の領域
は、半導体チップ接続用の端子等が設けられた領域7
3、74(図18の半導体チップ搭載エリア8、9に相
当する領域)となっている。そして、不要な対向基板6
2bの下面において本来の対向基板62aの四角の外側
であって、領域73、74に対応せず且つ切断マーク7
1、72形成領域を除く部分には、ブラックマスク68
の形成と同時に、ダミーブラックマスク75が形成され
ている。
【0028】このように、この液晶表示装置では、不要
な対向基板62bの下面において本来の対向基板62a
の四角の外側であって、領域73、74に対応せず且つ
切断マーク71、72形成領域を除く部分にダミーブラ
ックマスク75を設けているので、スペーサ散布後にお
いて両基板61a、61b、62a、62bをシール材
63を介して貼り合わせる際に圧力を加えるとき、ダミ
ーブラックマスク75を設けた部分において基板が凹ま
ないようにすることができ、ひいてはセルギャップの均
一化に寄与することができる。
【0029】(第6実施形態)図16はこの発明の第6
実施形態における液晶表示装置の一部の平面図を示した
ものである。ただし、この場合も、薄膜トランジスタ基
板及び対向基板は複数の液晶セルに分断される前の大き
さものである。このため、薄膜トランジスタ基板81と
対向基板82とは複数のシール材83を介して貼り合わ
されている。両基板81、82の左右両側は、両基板8
1、82を貼り合わせる際のアライメントマーク等が設
けられた領域84となっている。対向基板82の下面の
領域84を除く外周部には、ブラックマスク85及びラ
イン86(図14のライン69)の形成と同時に、ダミ
ーブラックマスク87が形成されている。また、対向基
板82の下面の領域84を含む外周部には、シール材8
3の形成と同時に、ダミーシール材88が形成されてい
る。
【0030】このように、この液晶表示装置では、対向
基板82の下面の外周部にダミーブラックマスク87及
びダミーシール材88を設けているので、スペーサ散布
後において両基板81、82をシール材83及びダミー
シール材88を介して貼り合わせる際に圧力を加えると
き、ダミーブラックマスク87及びダミーシール材88
を設けた部分において基板が凹まないようにすることが
でき、ひいてはセルギャップの均一化に寄与することが
できる。
【0031】(第7実施形態)図17はこの発明の第7
実施形態における液晶表示装置の一部の平面図を示した
ものである。ただし、この場合も、薄膜トランジスタ基
板及び対向基板は複数の液晶セルに分断される前の大き
さものである。そこで、図17において、図16と同一
部分には同一の符合を付し、その説明を適宜省略する。
薄膜トランジスタ基板81の上面の外周部においては、
陽極酸化膜を有する走査ライン形成用膜及び信号ライン
形成用膜をベターで設けると、この領域の段差が画素部
と異なることになる。そこで、薄膜トランジスタ基板8
1の上面の外周部の上辺部及び下辺部の一点鎖線で示す
領域91のみにおいて、信号ライン形成用膜によってダ
ミー信号ラインを信号ラインと平行に且つ同じピッチで
形成する。すると、薄膜トランジスタ基板81の外周部
における段差を画素部に近づけることができる。この結
果、スペーサ散布の制御がしやすくなり、セルギャップ
の均一化に寄与することができる。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、画素周辺部のセルギャップ状態を画素部のセルギャ
ップ状態に近づけることができるので、セルギャップの
より一層の均一化を図ることができ、ひいては液晶表示
装置の高精細化等を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施形態における液晶表示装置
の薄膜トランジスタ基板の第1の静電保護素子の部分に
おいて配向膜及びオーバーコート膜を省略した状態の平
面図。
【図2】第1実施形態の液晶表示装置の図1のX−X線
に沿う部分に相当し且つ短絡ラインの外側における信号
ラインの部分の断面図。
【図3】第1実施形態の液晶表示装置の薄膜トランジス
タ基板の第2の静電保護素子の部分において配向膜及び
オーバーコート膜を省略した状態の平面図。
【図4】第1実施形態の液晶表示装置の画素周辺部の第
1の静電保護素子形成領域の段差特性を示す図。
【図5】第1実施形態の液晶表示装置の画素周辺部の第
2の静電保護素子形成領域の段差特性を示す図。
【図6】第1実施形態の液晶表示装置の画素周辺部の信
号ラインの引き回し線形成領域の段差特性を示す図。
【図7】この発明の第2実施形態における液晶表示装置
の薄膜トランジスタ基板の第1の静電保護素子の部分に
おいて配向膜及びオーバーコート膜を省略した状態の平
面図。
【図8】第2実施形態の液晶表示装置の薄膜トランジス
タ基板の第2の静電保護素子の部分において配向膜及び
オーバーコート膜を省略した状態の平面図。
【図9】第2実施形態の液晶表示装置の画素周辺部の第
1の静電保護素子形成領域の段差特性を示す図。
【図10】第2実施形態の液晶表示装置の画素周辺部の
第2の静電保護素子形成領域の段差特性を示す図。
【図11】この発明の第3実施形態における液晶表示装
置の一部の平面図。
【図12】第3実施形態の液晶表示装置の薄膜トランジ
スタ基板の一部の平面図。
【図13】第3実施形態の液晶表示装置の画素周辺部の
信号ラインの引き回し線形成領域の段差特性を示す図。
【図14】この発明の第4実施形態における液晶表示装
置の液晶注入口の部分の平面図。
【図15】この発明の第5実施形態における液晶表示装
置の一部の平面図。
【図16】この発明の第6実施形態における液晶表示装
置の一部の平面図。
【図17】この発明の第7実施形態における液晶表示装
置の一部の平面図。
【図18】従来の液晶表示装置の薄膜トランジスタ基板
全体の主な電気回路の等価回路的平面図。
【図19】図18に示すものの一部の等価回路的平面
図。
【図20】従来の液晶表示装置の薄膜トランジスタ基板
の第1の静電保護素子の部分において配向膜及びオーバ
ーコート膜を省略した状態の平面図。
【図21】図20のX−X線に沿う部分に相当し且つ短
絡ラインの外側における信号ラインの引き回し線の部分
の断面図。
【図22】従来の液晶表示装置の薄膜トランジスタ基板
の第2の静電保護素子の部分において配向膜及びオーバ
ーコート膜を省略した状態の平面図。
【図23】従来の液晶表示装置の薄膜トランジスタ及び
画素電極の部分の断面図。
【図24】従来の液晶表示装置の画素部の段差特性を示
す図。
【図25】従来の液晶表示装置の画素周辺部の第1の静
電保護素子形成領域の段差特性を示す図。
【図26】従来の液晶表示装置の画素周辺部の第2の静
電保護素子形成領域の段差特性を示す図。
【図27】従来の液晶表示装置の画素周辺部の信号ライ
ンの引き回し線形成領域の段差特性を示す図。
【符号の説明】
A 画素部 B 画素周辺部 1 薄膜トランジスタ基板 3 信号ライン 4 走査ライン 5 画素電極 6 薄膜トランジスタ 7 補助容量ライン 11 短絡ライン 12、13 静電保護素子 21 ゲート絶縁膜 41 対向基板 43 共通電極 45 液晶

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の信号ラインと複数の走査ラインと
    が互いに直交する方向に配置され、且つ、前記両ライン
    の各交点近傍に画素電極がスイッチング素子としての薄
    膜トランジスタを介して対応する前記両ラインに接続さ
    れて配置されてなる画素部と、該画素部の周囲に短絡ラ
    インが静電保護素子を介して前記両ラインの各一端部に
    接続されて配置されてなる画素周辺部とを備えた薄膜ト
    ランジスタ基板と、 前記画素電極と対向する共通電極を備えた対向基板と
    が、 前記画素部及び前記画素周辺部を囲む大きさの枠状のシ
    ール材を介して貼り合わされ、該シール材の内側におけ
    る前記両基板間に液晶が封入されてなるアクティブマト
    リックス型液晶表示装置であって、 前記薄膜トランジスタは基板上にゲート電極、ゲート絶
    縁膜、半導体層及びソース・ドレイン電極がこの順で積
    層されて形成され、 前記画素部の封入された前記液晶の層厚の最大値と前記
    画素周辺部の封入された前記液晶の層厚の最大値との差
    が前記薄膜トランジスタのゲート絶縁膜の厚さ以下であ
    ることを特徴とするアクティブマトリックス型液晶表示
    装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の発明において、前記画素
    部における液晶層厚最大領域が当該画素部の面積の50
    %以上を占め、且つ、前記画素周辺部における液晶層厚
    最大領域が当該画素周辺部の面積の50%以上を占める
    ことを特徴とするアクティブマトリックス型液晶表示装
    置。
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