JPH11218203A - 摩擦車式無段変速機 - Google Patents

摩擦車式無段変速機

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JPH11218203A
JPH11218203A JP10016622A JP1662298A JPH11218203A JP H11218203 A JPH11218203 A JP H11218203A JP 10016622 A JP10016622 A JP 10016622A JP 1662298 A JP1662298 A JP 1662298A JP H11218203 A JPH11218203 A JP H11218203A
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春仁 森
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正樹 中野
Atsushi Sugihara
杉原  淳
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    • F16H15/02Gearings for conveying rotary motion with variable gear ratio, or for reversing rotary motion, by friction between rotary members without members having orbital motion
    • F16H15/04Gearings providing a continuous range of gear ratios
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    • F16H15/36Gearings providing a continuous range of gear ratios in which a member A of uniform effective diameter mounted on a shaft may co-operate with different parts of a member B in which the member B has a curved friction surface formed as a surface of a body of revolution generated by a curve which is neither a circular arc centered on its axis of revolution nor a straight line with concave friction surface, e.g. a hollow toroid surface
    • F16H15/38Gearings providing a continuous range of gear ratios in which a member A of uniform effective diameter mounted on a shaft may co-operate with different parts of a member B in which the member B has a curved friction surface formed as a surface of a body of revolution generated by a curve which is neither a circular arc centered on its axis of revolution nor a straight line with concave friction surface, e.g. a hollow toroid surface with two members B having hollow toroid surfaces opposite to each other, the member or members A being adjustably mounted between the surfaces
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 摩擦車支持部材の変形が、摩擦車支持部材と
ピストンとの間の当接部において吸収され、ピストン側
に伝わらないようにすることができる上、誤組み付けも
防止し、摩擦車支持部材とピストンとの適切な位置決め
を可能にする。 【解決手段】 ピストン108aによりシャフト86d
を介しトラニオン86を上下させると、トラニオン上の
パワーローラがオフセットされ、入出力ディスクからの
分力で傾転されることにより無段変速を行う。パワーロ
ーラは入出力ディスクからの挟圧力によりトラニオンを
変形させようとするが、入出力ディスクから受けるスラ
スト力によっても変位することのないよう、トラニオン
端部をリンクにて連結し、トラニオンとピストンとの当
接部にトラニオンのスラスト方向の揺動を可能にする当
接曲面86fe,108eを設定し、かつトラニオンと
ピストンとを位置決めするためにピストン下端に切り欠
き108fを設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トロイダル型無段
変速機に代表される摩擦車式無段変速機に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】複数の摩擦車を介して入出力ディスク間
で回転動力の受け渡しを行って、無段変速を実現する無
段変速機は、例えば、特開平1−295070号公報に
より知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】図8は、この種無段変
速機の変速制御部、特に変速制御を司るサーボピストン
部を含むその周辺構造を、トロイダル型無段変速機につ
いて例示したものである。同図において、1,2は、軸
線O1 上に配置した入出力コーンディスク(入出力ディ
スク)、20は、これら入出力ディスク間で回転動力の
受渡しを行う2個のパワーローラ(摩擦車)をそれぞれ
示す。
【0004】各摩擦車20は、両ディスクによって形成
されるトロイド状のみぞ内に両ディスクと摩擦接触する
ように対向配置する。これら摩擦車20は、それぞれの
摩擦車支持部材(トラニオン)86によって、個々に偏
心軸82を介して回転自在に支持する。なお、これら入
出力ディスクと2個の摩擦車よりなるトロイダル伝動ユ
ニットを2組用いるダブルキャビティ式トロイダル型無
段変速機とする場合は、それぞれの出力ディスク2が相
互に背中合わせとなるよう入出力ディスク回転軸線O1
上の前後に当該ユニットを同軸配置する構成とすること
ができる。
【0005】各摩擦車を個々に回転自在に支持する摩擦
車支持部材86は、それら隣接端部相互間をリンク連結
するものとし、図示の如くにその上端間をアッパリンク
80によって、また下端間をロアリンク81によって、
それぞれ連結し、さらに当該連結に当たっては、摩擦車
支持部材86が摩擦車回転軸線O2 を入出力ディスク
1,2の回転軸線O1 と交差した図示の中立位置から、
摩擦車回転軸線O2 と直交する首振り軸線O3 の方向へ
オフセットさせ得るよう、当該軸線O3 の方向へ変位可
能にし、かつ、首振り軸線O3 の周りに傾転し得るよう
にする。
【0006】上記オフセットのために、摩擦車支持部材
の一端に延設したシャフトに挿入し摩擦車支持部材に当
接するよう組み付けられるピストンを設ける。ここに、
摩擦車支持部材86下端から延在するようにこれにピン
86eで結合されたシャフト86dと、シャフト86d
外側に挿入されシリンダボディ15内に位置するピスト
ン108aとを用いて、摩擦車支持部材86にそれぞ
れ、首振り軸線O3 の方向へ延在するシャフト86dを
ピン86eにより閂結合して設けるとともに、該シャフ
ト86dにピストン108aを嵌着する。また、少なく
とも一つの摩擦車支持部材の先端に、変速リンク21を
介して、摩擦車支持部材の首振り軸線O3 方向のオフセ
ット量および首振り軸線O3 周りにおける傾転量をコン
トロールバルブボディ18の変速制御弁17にフィード
バックするプリセスカム116を配するようになし(図
中の左側の摩擦車支持部材)、かかるプリセスカム11
6の取り付けられるプリセスカム付き摩擦車支持部材8
6側では、そのシャフト86dおよびこれを包套するピ
ストン108aのボス部108bは、ピストン108a
を受容したシリンダボディ15、およびピストン108
aの作動圧を発生させるための変速制御用コントロール
バルブボディ18に順次貫通させ、プリセスカム116
を取り付けられていないプリセスカム無し摩擦車支持部
材86(図中の右側の摩擦車支持部材)側では、そのシ
ャフト86dおよびこれを包套するピストン108aの
ボス部108bは、シリンダボディ15に貫通させる。
それぞれのシャフト86d下端にはナット32を螺着さ
せる。
【0007】コントロールバルブボディ18は、変速制
御弁17が変速比指令を入力されることで、変速比指令
に応じた作動圧をピストン108aに向かわせ、ピスト
ン108aはシャフト86dを介して摩擦車支持部材8
6を、摩擦車回転軸線O2 が入出力ディスク回転軸線O
1 と交差した図示の中立位置から、変速比指令に対応し
た首振り軸線(O3 )方向へオフセットされるよう変位
させる。この時、摩擦車20は、入出力ディスク1,2
からの分力で軸線O3 の周りに対応方向へ傾転され、入
出力ディスク1,2に対する接触軌跡円弧径の連続的な
変化により無段変速を行うことができる。
【0008】また、この場合、コントロールバルブボデ
ィ18から突出するシャフト先端に配置したプリセスカ
ム116、および変速リンク21を介して上記のオフセ
ットおよび傾転がコントロールバルブボディ18の変速
制御弁17にフィードバックされ、このフィードバック
により、変速の進行につれて摩擦車支持部材86がピス
トン108aを介し原位置に戻され、変速比が変速比指
令に一致したところで、摩擦車20を上記の中立位置に
復帰せしめ、変速比を変速比指令に対応した値に保持す
ることができる。
【0009】しかして、上記したトロイダル型無段変速
機の構造にあっては、摩擦車20が入出力ディスク1,
2から受けるスラスト力を、両端部をリンク80,81
により接触支持される摩擦車支持部材86が受け止め、
結果図9に示す如く変形を生ずる。
【0010】つまりここで、入出力ディスク1,2と摩
擦車20との間における回転伝動を考察するに、これ
が、入出力ディスク1,2と摩擦車20との間における
油膜の剪断によってなされることから、摩擦車20は、
入出力ディスク1,2間に伝達トルク対応の強大な力で
挟圧するを要する(なお、摩擦車20には潤滑油が供給
されるものである)。これがため摩擦車20は、図9に
示すように入出力ディスク1,2間から追い出される方
向の大きなスラストFを受けることになる。そこで、こ
のスラストによっても各摩擦車支持部材86が横方向に
位置ずれすることのないようにするために、各摩擦車支
持部材86は前記した如く上端同士をアッパリンク80
により横方向に拘束するとともに、下端同士も同様なロ
アリンク81により横方向に拘束する。
【0011】したがって、摩擦車支持部材86は図9に
2点鎖線で示すように、上記のスラストFに起因しアッ
パリンク80およびロアリンク81を支点として変形す
るのを禁じ得ず、この変形でシャフト86dおよびピス
トン108aは傾斜することになって、図9に示す如く
の変形を生ずる懸念があるといえる。
【0012】かかる変形を生ずるとき、ピストン108
aのボス部108bが嵌合孔内周面に対しこじられ、両
者間に大きな摩擦力が発生し、この摩擦力は、ボス部1
08bを含むピストン108aの偏摩耗を惹起し、耐久
性を低下させるだけでなく、ピストン108aの動きを
阻害して変速制御精度を低下させる原因となる。また、
この傾向は、プリセスカム116を有するプリセスカム
付き摩擦車支持部材86に対するピストン108aのよ
うにボス部108bが長くなる場合、特に顕著となる。
【0013】ここに、上述した如くの、複数の摩擦車2
0を介して入出力ディスク1,2間で回転動力の受渡し
を行い、各摩擦車20を個々に回転自在に支持した摩擦
車支持部材86を、該摩擦車支持部材86の一端に延設
したシャフトに嵌挿されて摩擦車支持部材に当接するよ
う組付けられたピストン108aにより、摩擦車回転軸
線O2 が入出力ディスク回転軸線O1 と交差した中立位
置から、摩擦車回転軸線と直交する首振り軸線O3 の方
向へオフセットするよう変位させる時に生起される、摩
擦車20の首振り軸線O3 周りにおける傾転により無段
変速を行うことができ、前記摩擦車20が入出力ディス
ク1,2から受けるスラスト力によっても変位すること
のないよう、前記摩擦車支持部材86の隣接端部相互間
をリンク連結した摩擦車式無段変速機において、前記摩
擦車支持部材およびピストン間の当接部に、該ピストン
に対する摩擦車支持部材の前記スラスト方向の揺動を可
能にする当接曲面を設定する構成とすると、これは、そ
うした変形の影響排除のための有効な手段となる(特願
平9ー147354号)。
【0014】これによれば、摩擦車支持部材86(もし
くは摩擦車支持部材下端に配設されるワッシャ)および
ピストン108a間の当接部を、ピストン108aに対
する摩擦車支持部材86のスラスト方向の揺動が可能な
凸面および凹面による関節構造となすことができて、入
出力ディスク1,2間の挟圧力に起因して摩擦車20に
入力されるスラストに伴う摩擦車支持部材86の変形
が、摩擦車支持部材86とピストン108aとの間の当
接部において吸収され得ることとなって、これがピスト
ン108a側に伝わらないようにすることができる。
【0015】こうして、前記の変形が変速制御を司るサ
ーボピストンや、さらにはプリセスカム付き摩擦車支持
部材であればそのプリセスカムに影響を与えないよう
に、摩擦車支持部材およびピストン間の当接部をスラス
ト方向の揺動を可能に当接曲面とする(もしくは、上記
摩擦車支持部材下端に配設されるワッシャおよびピスト
ン間の当接面を、該ピストンに対する摩擦車支持部材の
前記スラスト方向における揺動が可能な曲面に構成す
る)考え方は、上記の点で効果を発揮するものである
が、さらに、次のような点を考えると、なお改良、改善
を加えられる余地がある。
【0016】すなわち、例えば摩擦車支持部材とピスト
ンとは、その当接部の当接曲面の関係(それらはスラス
ト方向の揺動を可能にするべく方向性をもったもので、
球面状の凹凸曲面ではなく、かまぼこ形の凸面とこれに
応じたかまぼこ形の凹面との関係)で、位置が正しく決
まらなければならないところ、該曲面の凹面と凸面がず
れた状態で組み付けると、結果、サーボピストンが正常
の中立位置にないこととなるため、変速制御が不安定に
なる可能性がある。また、摩擦車支持部材への潤滑油が
漏れるために、摩擦車への潤滑油が減少することにな
る。
【0017】よって、より望ましいのは、摩擦車支持部
材の上記変形が、摩擦車支持部材とピストンとの間の当
接部において吸収され、ピストン側に伝わらないように
することができる上、さらに加えて、組み付けに当たっ
ても、上述の如き不利もなく、摩擦車支持部材とサーボ
ピストンとの位置決めが可能となることである。
【0018】また、特に、フィードバック制御のため、
少なくとも一つ設けるプリセスカム付き摩擦車支持部材
の側にあっては、そのプリセスカムは、変速制御精度
上、対象摩擦車支持部材の動きを正確にコントロールバ
ルブ系にフィードバックする部材であるところから、こ
の点でプリセスカムが摩擦車支持部材と位置精度良く付
いていることが重要となる。ゆえに、この場合は、摩擦
車支持部材とピストンとの位置決めのほか、摩擦車支持
部材とプリセスカムとの位置決めも必要であり、したが
って、摩擦車支持部材、ピストンおよびプリセスカムの
3者の位置決めがなされ、かつまた、他のプリセスカム
無し摩擦車支持部材側に比し、位置決めの対象となる部
材が1点(プリセスカム)多くなっても、組み付け性な
どに不利がないようにするのがよい。よって、より望ま
しいのは、これらにも適切に応え得て、摩擦車支持部
材、ピストンおよびプリセスカムの3者の正しい位置決
めもできる、この種摩擦車式無段変速機を実現できるこ
とである。
【0019】本発明は、上述の点から改良、改善を加え
ようとするものであり、摩擦車支持部材およびピストン
間の当接部に、該ピストンに対する摩擦車支持部材のス
ラスト方向の揺動を可能にする当接曲面を設定して、摩
擦車支持部材の変形が、摩擦車支持部材とピストンとの
間の当接部において吸収され、ピストン側に伝わらない
ようにする構成とすることができるのに加えて、誤組み
付けを防止し得て、組み付けに当たっても、上述の如く
不利なく摩擦車支持部材とピストンとの位置決めを適切
に可能ならしめようというものである。また、プリセス
カム無し摩擦車支持部材のほか少なくとも一つ設けるプ
リセスカム付き摩擦車支持部材側にあっても、上記のこ
とを実現しつつ、組み付け性などに不利が生じずに、こ
れに適切に応え得て、摩擦車支持部材、ピストンおよび
プリセスカムの3者の正しい位置決めも可能ならしめる
摩擦車式無段変速機を提供しようというものである。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明によって、下記の
如くの摩擦車式無段変速機が提供される。すなわち、本
発明は、複数の摩擦車を介して入出力ディスク間で回転
動力の受け渡しを行い、各摩擦車を個々に回転自在に支
持した摩擦車支持部材を、該摩擦車支持部材の一端に延
設したシャフトに挿入し摩擦車支持部材に当接するよう
組み付けられたピストンにより、摩擦車回転軸線が入出
力ディスク回転軸線と交差した中立位置から、摩擦車回
転軸線と直交する首振り軸線の方向へオフセットするよ
う変位させる時に起こる摩擦車の前記首振り軸線周りに
おける傾転により無段変速を行うことができ、前記摩擦
車が入出力ディスクから受けるスラスト力によっても変
位することのないよう、前記摩擦車支持部材の端部をリ
ンクにて連結し、前記摩擦車支持部材とピストンとの当
接部に、該ピストンに対する摩擦車支持部材の前記スラ
スト方向の揺動を可能にする当接曲面を設定した構成の
摩擦車式無段変速機であって、前記摩擦車支持部材とピ
ストンとを位置決めするために、ピストン下端に切り欠
きを設けたことを特徴とするものである(請求項1)。
【0021】また、前記摩擦車支持部材とピストンとの
位置決めをツメ付き二面巾ワッシャにて行う、ことを特
徴とするものである(請求項2)。
【0022】さらにまた、複数の摩擦車を介して入出力
ディスク間で回転動力の受け渡しを行い、各摩擦車を個
々に回転自在に支持した摩擦車支持部材を、該摩擦車支
持部材の一端に延設したシャフトに挿入し摩擦車支持部
材に当接するよう組み付けられたピストンにより、摩擦
車回転軸線が入出力ディスク回転軸線と交差した中立位
置から、摩擦車回転軸線と直交する首振り軸線の方向へ
オフセットするよう変位させる時に起こる摩擦車の前記
首振り軸線周りにおける傾転により無段変速を行うこと
ができ、前記摩擦車が入出力ディスクから受けるスラス
ト力によっても変位することのないよう、前記摩擦車支
持部材の端部をリンクにて連結し、前記摩擦車支持部材
とピストンとの当接部に、該ピストンに対する摩擦車支
持部材の前記スラスト方向の揺動を可能にする当接曲面
を設定した構成の摩擦車式無段変速機であって、少なく
とも一つの摩擦車支持部材の先端に、摩擦車支持部材の
首振り軸線方向のオフセット量および首振り軸線周りに
おける傾転量をコントロールバルブボディの変速制御弁
にフィードバックするプリセスカムを配置され、当該摩
擦車支持部材、ピストンおよびプリセスカムを位置決め
するためにシャフトおよびプリセスカムに溝を形成し、
ピストン下端に切り欠きを設けたことを特徴とするもの
である(請求項3)。
【0023】また、前記摩擦車支持部材、ピストンおよ
びプリセスカムをすべりキーにより相対的に位置決めし
たことを特徴とするものである(請求項4)。
【0024】また、前記摩擦車支持部材、ピストンおよ
びプリセスカムを沈みキーにより相対的に位置決めした
ことを特徴とするものである(請求項5)。
【0025】また、前記摩擦車支持部材とピストンとの
位置決めをツメ付き二面巾ワッシャにて行い、前記摩擦
車支持部材とプリセスカムとの位置決めをキーで行うこ
とを特徴とするものである(請求項6)。
【0026】また、請求項1または請求項3において、
プリセスカムの取り付けられないプリセスカム無し摩擦
車支持部材側の構成として、請求項2に記載の態様によ
り、摩擦車支持部材とピストンとの位置決めのなされ
た、当該プリセスカム無し摩擦車支持部材側の構成を備
え、プリセスカムの取り付けられるプリセスカム付き摩
擦車支持部材側の構成として、請求項4ないし請求項6
のいずれかに記載の態様により、摩擦車支持部材とピス
トンとプリセスカムとの位置決めのなされた、当該プリ
セスカム付き摩擦車支持部材側の構成を備えてなる、こ
とを特徴とするものである。
【0027】
【発明の効果】本発明においては、摩擦車式無段変速機
は、摩擦車を介して入出力ディスク間で回転動力の受渡
しを行う。この動力伝達中に摩擦車支持部材を、該摩擦
車支持部材の一端に延設したシャフトに嵌挿されて摩擦
車支持部材に当接するよう組付けられたピストンによ
り、摩擦車回転軸線が入出力ディスク回転軸線と交差し
た中立位置から、首振り軸線の方向へオフセットするよ
う変位させると、摩擦車は首振り軸線周りにおける傾転
を生起され、変速比を無段階に変化させることができ
る。
【0028】ところで、本発明によれば、摩擦車支持部
材およびピストン間の当接部に、当該ピストンに対する
摩擦車支持部材のスラスト方向の揺動を可能にする当接
曲面を設定すると、入出力ディスク間の挟圧力に起因し
て摩擦車に入力されるスラストに伴う摩擦車支持部材の
前記変形が、摩擦車支持部材とピストンとの間の当接部
において吸収され得ることとなり、これがピストン側に
伝わらないようにすることができ、これがため、摩擦車
支持部材の変形でピストンがこじられて耐久性が低下す
るという点や変速制御精度が低下するといった既述の現
象を解消することができるのに加えて、摩擦車支持部材
とピストンとの当接部に当該当接曲面を設定する構成で
も、それら摩擦車支持部材とピストンとの位置決めが可
能となり、誤組み付けが防止でき、組み付けに際しずれ
て組み付けた場合の既述のような不利も、同時に、これ
を回避できる(第1〜第3実施例)。
【0029】さらに、これに加えて、請求項2の場合
は、ツメ付き二面巾ワッシャにより摩擦車支持部材とピ
ストンとの位置決めを行うことができ、上述の作用効果
を良好に達成できる(第1〜第3実施例)。また、この
場合において、プリセスカム無し摩擦車支持部材側の構
成として、本請求項2の態様によって摩擦車支持部材と
ピストンとの位置決めのなされたそのプリセスカム無し
摩擦車支持部材側の構成と、プリセスカム付き摩擦車支
持部材側の構成として、下記の請求項4ないし請求項6
のいずれかの態様によって摩擦車支持部材とピストンと
プリセスカムとの位置決めのなされたそのプリセスカム
付き摩擦車支持部材側の構成とを組み合わせて本発明は
好適に実施でき(請求項7)、さらに、その好適実施例
の一態様では、ツメ付き二面巾ワッシャは、プリセスカ
ム無し摩擦車支持部材側でも、プリセスカム付き摩擦車
支持部材側でも、その摩擦車支持部材とピストンとの位
置決めを行うのに利用する態様とすることができる(第
3実施例)。
【0030】さらにまた、請求項3の場合は、プリセス
カム付き摩擦車支持部材、ピストンおよびプリセスカム
の3者の正しい位置決めを可能にすることができる(第
1〜第3実施例)。また、摩擦車支持部材の構成によら
ず、共通のピストン(下端に切り欠き有する形態)の使
用を可能ならしめ得て、そのようにするときは、例え
ば、摩擦車支持部材下側に形成される曲面、あるいは摩
擦車支持部材下端に配設される曲面を有するワッシャ
と、ピストン上部の曲面との位置決めが、その共通のピ
ストンすべてについて可能となり、誤組み付けの防止が
より効果的に達成できる。
【0031】この場合において、請求項4のものでは、
すべりキーにより相対的に位置決めする態様で、その摩
擦車支持部材、ピストンおよびプリセスカムの位置決め
を行い得て、誤組み付けが防止でき、また、変速制御精
度の向上を図ることができる。また、請求項2の態様に
よる摩擦車支持部材とピストンとの位置決めのなされた
プリセスカム無し摩擦車支持部材側の構成と組み合わせ
て好適に実施できる(請求項7)。
【0032】また、請求項5記載の場合は、沈みキーに
より上記と同様のことを実現でき、例えば、キーをシャ
フトに圧入してピストンとシャフトの位置決めをする構
造とでき、かかる構造とすると、ピストン端部に形成し
た切り欠きとシャフトに形成した溝との位置決めが容易
にかつ確実に実施できる。また、請求項2の態様による
摩擦車支持部材とピストンとの位置決めのなされたプリ
セスカム無し摩擦車支持部材側の構成と組み合わせて好
適に実施できる(請求項7)。
【0033】また、請求項6の場合は、さらに改良され
た構成が提供され、摩擦車支持部材とピストンとの位置
決めをツメ付き二面巾ワッシャにて行い、摩擦車支持部
材とプリセスカムとの位置決めをキーで行う態様で実施
できる。このようにするときは、例えば、シャフト上の
二面巾とピストン端部の切り欠きとを、プリセスカムを
有さない摩擦車支持部材においてピストンの位置決めに
使用するツメ付き二面巾ワッシャにより位置決めし、シ
ャフトとプリセスカムとを平行にキーにより位置決めす
る構造とでき、組み付け時にプリセスカムがキーに引っ
掛かることでプリセスカムが正規の位置に組み付けられ
ない、あるいは組み付け時にプリセスカムがキーを引っ
かけることによりキーを脱落させてしまうというような
不具合をも防止できるとともに、プリセスカムとシャフ
トとの位置決めをキーにより行って変速制御精度の向上
を図ることができる。また、請求項2の態様による摩擦
車支持部材とピストンとの位置決めのなされたプリセス
カム無し摩擦車支持部材側の構成と本請求項による態様
とを組み合わせて実施すると、ピストンとツメ付き二面
巾ワッシャとのいずれもが共通部品として利用可能とな
り、より効果的なものとなる。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づき説明する。図1は、本発明の一実施例に係るト
ロイダル型無段変速機における摩擦車支持部材、サーボ
ピストン部周辺構造(トラニオンアクチュエータ)の一
例を示す要部断面図である。その基本的な構成は、図8
のトロイダル型無段変速機と同様であってよく、同図に
おけると同様の部分は同一符号にて示す。
【0035】適用できる摩擦車式無段変速機としてのト
ロイダル型無段変速機Aは、図8の場合と同様にして、
複数の摩擦車(パワーローラ)を介して入出力コーンデ
ィスク(入出力ディスク)間で回転動力の受け渡しを行
い、各摩擦車を個々に回転自在に支持した摩擦車支持部
材(トラニオン)を、当該個々の摩擦車支持部材の一端
に延設したシャフトに挿入されて摩擦車支持部材に当接
するよう組み付けられたピストンにより、摩擦車回転軸
線(O2 )が入出力ディスク回転軸線(O1 )と交差し
た中立位置から、摩擦車回転軸線(O2 )と直交する首
振り軸線(O3)の方向へオフセットするよう変位させ
る時に起こる、その摩擦車の首振り軸線(O3 )周りに
おける傾転により無段変速を行うことができるトロイダ
ル型無段変速機である。図8の場合と同様、本トロイダ
ル型無段変速機Aは、入力ディスクおよび出力ディスク
の入出力ディスク(1,2)と、両ディスクによって形
成されるトロイド状のみぞ内に両ディスクと摩擦接触す
るように配置される摩擦車(20)とを備える(なお、
図1〜4中では、これらはいずれも図示を省略してある
(この点は後記例でも同様である))とともに、各摩擦
車(20)を偏心軸(82)を介して回転自在に支持す
る摩擦車支持部材86と、ピストン108aとを備える
構造のものとできる。このうち、図1に示す摩擦車支持
部材86は、プリセスカムの取り付けられていない方の
プリセスカム無し摩擦車支持部材側の一の構成例であ
る。伝動容量を大きくするべく前記ダブルキャビティ式
としたトロイダル型無段変速機Aの場合、例えば一のプ
リセスカム付き摩擦車支持部材側を除き、他の残り3つ
すべてのプリセスカム無し摩擦車支持部材側について、
以下の構成は、これを同様に採用し適用できる。
【0036】図1図示の摩擦車支持部材86では、該摩
擦車支持部材下端から延在するようにこれにピン86e
で結合されシリンダボディ15を貫通するシャフト86
dと、シャフト86d外側に挿入されシリンダボディ1
5内に位置するピストン108aとを有する。本例で
は、摩擦車支持部材86の下端から延在するようこれに
ピン86eで閂結合されたシャフト86dには、順次、
ワッシャ86f(第1のワッシャ)、ピストン108a
(図2)のボス部108bを嵌合し、さらには、ツメ
(爪)付きワッシャ87(第2のワッシャ)(図3)を
嵌合し、これらを、シャフト86dの下端に螺合させた
ナット32により生ずるスラストにより締め上げるよう
になし、ワッシャ86fの上面はこれを摩擦車支持部材
86の下端面に当接させるものとする。
【0037】摩擦車支持部材86の下端には、摩擦車間
で傾転同期をとるために各摩擦車支持部材86間に張設
すべきワイヤ33を掛け渡すためのワイヤプーリ34を
設けることができる。このようなワイヤプーリ34を設
けるときは、該ワイヤプーリは、中心孔を非円形として
摩擦車支持部材86の対応下端に廻り止め嵌合するとと
もに、ワッシャ86fにより抜け止めするようになすこ
とができる。
【0038】本例においてはまた、摩擦車が入出力ディ
スクから受けるスラスト力によっても変位することのな
いよう、摩擦車支持部材86の端部をアッパおよびロア
の各リンク80,81にて連結し、摩擦車支持部材86
とピストン108aとの当接部、すなわち具体的には、
該摩擦車支持部材下端に配設されるワッシャ86fおよ
びピストン108a間の当接部に、ピストン108aに
対する摩擦車支持部材86のスラスト方向(図1中、横
方向)の揺動を可能にする当接曲面を設定するものと
し、ここでは、ピストンボス部108bとワッシャ86
fとの接触面108e(ピストンボス部上面側),86
fe(ワッシャ86f下面側)は、ピストンボス部10
8b側について図2に併せて示すような図1,図2中上
方に凸の円筒面108e(かまぼこ形凸曲面)、および
これを受け入れられるよう上側に向かってへこんだ円筒
面86fe(かまぼこ形凹曲面)とする。
【0039】ここに、図2は、ピストン108aを図1
の右側からみたピストン部分の外観図に相当する。な
お、ピストン上部曲面であるその円筒接触面108e
と、ワッシャ86f側の円筒接触面86feとは必ずし
も、図1あるいは図2図示のように面108eを凸面と
し、面86feを凹面とする必要はなく、これと逆の関
係として、面108eの方を凹面(かまぼこ形凹曲面)
とし、面86feを凸面(かまぼこ形凸曲面)にしても
よいこと、勿論である。
【0040】ワッシャ86fおよびピストンボス部10
8bの当接円筒面86fe,108eは、その中心線
が、図1の(紙面)直角方向(図2中では横方向)へ延
在するような向きとし、これにより、入出力ディスクか
らの挟圧力に起因して摩擦車にスラスト力が入力された
時に生ずる摩擦車支持部材86の変形を、摩擦車支持部
材86の当該スラスト方向への揺動により吸収するため
の関節構造を提供することができる。
【0041】ここに、図示例では、摩擦車支持部材86
下端に配設される曲面86feを有するワッシャ86f
を用いるが、かかる実施の形態におけるワッシャ86f
はこれを省略し、摩擦車支持部材86とピストン108
a(ピストンボス部108b)とを直接当接させて上記
関節構造をなす当接曲面を設定するようにしてもよい。
つまり、摩擦車支持部材86の下端面を、図1,図2に
示すような対応するピストン上端面108eの円筒形に
対応した円筒面として、これら摩擦車支持部材86下端
面、ピストン上端面108eを直接当接させる態様で実
施することもできる(この点は後記例でも同様であ
る)。
【0042】上記の如き構造に加えて、さらに、本例で
は、ピストン108aの嵌合された、摩擦車支持部材8
6のシャフト86d下端部分については、ピストン10
8a外周(ピストンボス部下端外周)に挿入されるカラ
ー35と、図3(a),(b)の平面図および横断面図
に示すようなツメ付き二面巾ワッシャ87とが図1図示
の如くに嵌合される。この部分については、以下のよう
な構成とすることができる。カラー35に関しては、例
えば、シリンダボディ15から丁度突出するピストンボ
ス部108bの箇所にアルミニューム等の軟材で作った
カラー35を嵌着するものとし、該カラー35の外径を
シリンダボディ15の対応する孔内径よりも若干小さく
する。かくて、鉄系の材料で作るピストン108a(ピ
ストンボス部108b)が直接、アルミニュームで作る
シリンダボディ15の孔内周に接触することのないよう
にする。
【0043】また、図1および図2に示すように、ピス
トン108aには、摩擦車支持部材86と当該ピストン
108aとを位置決めするために、そのピストン下端に
切り欠き108f(ピストンボス部108b下端縁の筒
状部分の一部切り欠き溝)を形成せしめてある。これ
は、摩擦車支持部材86側との当接部における当該ピス
トン108a上部に形成するべき上部曲面108eの向
きとあらかじめ所定の位置関係となるように、設定して
形成することができる。ここでは、図1の正規の組み立
て状態におけるとおりの上記当接部でのピストン上部曲
面108eの向きとの関係では、切り欠き108fは、
図1中真横側(図2では紙面中最も手前側位置に相当す
る箇所)に位置するように、ピストン108aの下端に
形成されている。
【0044】さらに、本例では、上記摩擦車支持部材8
6のシャフト86dの下端部には、図1図示のように、
該下端部に嵌合する図3のツメ付き二面巾ワッシャ87
の非円形のシャフト貫通孔87bにおける二面巾辺部8
7cと合致する、横断面形状の二面巾部86dcが形成
されている。ここに、シャフト86dは、前述のとおり
摩擦車支持部材86下端とピン結合されるものであると
ころ、かかるシャフト86d下端における二面巾部86
dcの形成の方向性と、該シャフト二面巾部86dc部
分に挿入、嵌合させるべき、二面巾辺部87cを形成し
たシャフト貫通孔87bを有するツメ付き二面巾ワッシ
ャ87におけるその二面巾辺部87cおよびツメ87a
(図3(a),(b))の形成方向および位置とは、当
該シャフト86dに挿入されてそのピストン上部曲面1
08e(かまぼこ形凸面)を相手当接部86fe(かま
ぼこ形凹面)に対し、ずれのない正常な方向性の状態で
当接せしめられるよう組み付けられるべき上記ピストン
108a側における切り欠き108fの形成位置をも考
慮し、あらかじめ所定の位置関係となるように設定して
ある。
【0045】ここでは、シャフト86dの二面巾部86
dcは図1中紙面と直角方向の向きに形成してある。一
方、ツメ付き二面巾ワッシャ87は、かかるシャフト二
面巾部86dcに合わせてそのシャフト貫通孔87bを
嵌挿して該ワッシャを取り付けたときに、そのツメ87
aが、図1図示の如くに正規の組み付け状態で、丁度、
ピストン108a下端の切り欠き108f部分に嵌入す
ることとなるよう、図3に示す如くに、ツメ付き二面巾
ワッシャ87の二面巾辺部87cの形成方向と直交する
方向上(図2中横方向)におけるワッシャ外周縁部近傍
の一部を切り起こし形成することで、当該ツメ87aを
設けてある。したがって、組み付けに当たっては、図1
に示されるように、ツメ87aをピストン108a下端
の切り欠き108fに嵌入させて、ナット32でシャフ
ト86下端から締め上げれば、ピストン108aを摩擦
車支持部材86側に対し、その間に設定した当接曲面同
士が合致した状態で正しく当接させることができる。
【0046】かくして、以上の摩擦車支持部材86およ
びピストン108a間の当接部、シャフト86dの二面
巾部86dc、二面巾辺部87cを有するシャフト貫通
孔87bを形成したツメ87a付き二面巾ワッシャ8
7、およびピストン108a下端の切り欠き108fの
関係は、組み付けに際し、容易に正確な位置合わせをも
たらし、ピストン108aに対する摩擦車支持部材86
のスラスト方向の揺動を可能にすると同時に、その当接
曲面の凹面86fe、凸面108eがずれた状態で組み
付けられるといった誤組み付けをも、防止し得る。よっ
て、摩擦車支持部材86と当該ピストン108aとを位
置決めするため該ピストン下端に切り欠き108fを設
ける構造として、図1に如くに組み付けることができ、
摩擦車支持部材86下端に配設されるワッシャ86fに
形成された曲面86fe(あるいは、摩擦車支持部材8
6下側に直接に形成れさる曲面)と、ピストン上部の曲
面108eとの適切な位置決めは可能となる。したがっ
て、これら曲面がずれた状態で組み付けられたとしたな
ら生ずる可能性のある既述の如くの、サーボピストンが
正常な位置にないこと等に起因する変速制御の不安定な
どの不利も回避でき、ピストン108aを正しく正規の
位置状態に組み付けての本トロイダル型無段変速機Aに
よる安定した変速制御も確保される。
【0047】コントロールバルブ系等の構成については
本トロイダル型無段変速機Aにおいても、図8の場合と
同様のものとでき、コントロールバルブボディ(18;
図4)は、変速制御弁(17;図1〜4中では図示を省
略)を内蔵し、この変速制御弁は変速比指令に応じた作
動圧をトロイダル伝動ユニットにおける各ピストン10
8aに向かわせる。これにより、前記もしたようにピス
トン108aは、シャフト86dを介して対応する摩擦
車支持部材86を、摩擦車回転軸線(O2 )が入出力デ
ィスク回転軸線(O1 )と交差した中立位置から変速比
指令に対応した首振り軸線O3 方向へオフセットされる
ようストロークさせる。この時、摩擦車は、入出力ディ
スクからの分力で首振り軸線O3 の周りに対応方向へ傾
転され、入出力ディスクに対する接触軌跡円弧径の連続
的な変化により無段変速を行うことができる。
【0048】そして、かかる変速中、少なくとも一つ具
備せしめられた、プリセスカム付き摩擦車支持部材86
側(図4)に関するシャフト86dに設けられたプリセ
スカム116は、上記のストロークおよび傾転を変速制
御弁にフィードバックする。このフィードバックによ
り、変速の進行につれて摩擦車支持部材86がピストン
108aを介し原位置に戻され、変速比が変速比指令に
一致したところで、摩擦車を上記の中立位置に復帰せし
め、変速比を変速比指令に対応した値に保持する。ここ
に、上述した摩擦車支持部材86−ピストン108aの
作動系に関する誤組み付け防止は、こうした変速制御の
前提となるサーボピストンの正常な作動を確保する上か
らも、効果的なものともなる。
【0049】しかして、本例では、特に、摩擦車支持部
材86およびピストン108a間にワッシャ86fを介
在させ、該ワッシャ86fとピストン108a(ピスト
ンボス部108b)との当接部を円筒面86fe,10
8eとして、ピストン108aに対する摩擦車支持部材
86の摩擦車スラスト方向の揺動が可能となるような当
接曲面の設定による関節構造とできることから、入出力
ディスク間の挟圧力に起因して摩擦車に入力されるスラ
スト力に伴う摩擦車支持部材86の、図9につき前述し
たような変形が、円筒面86fe,108eにおいて生
起される摩擦車支持部材86の上記揺動により吸収され
得ることとなり、これがピストン108a側に伝わらな
い。これがため、摩擦車支持部材86の変形でピストン
108aがこじられて耐久性が低下するという既述の現
象や、変速制御精度が低下するといった既述の状態を解
消することができる。
【0050】さらには、上述のような当接曲面の設定に
よる関節構造を採用する構成とした場合でさえも、既述
したような観点からの改良も加えられおり、ピストン1
08a(ピストンボス部108b)の下端に切り欠き1
08fを設けたため、ピストン108aの位置決めを、
シャフト86d下端に配置したツメ87a付き二面巾ワ
ッシャ87によって行う構造とでき、これがため、図1
図示の如く摩擦車支持部材86下端に配設される曲面8
6feを有するワッシャ86fとピストン上部の曲面1
08eとの位置決めが容易に可能となり、誤組み付けが
防止できる。よって、かかる点での改良・改善も図れる
結果、その組み付けに当たっても、正確な位置決めも確
保でき、したがって、その当接曲面の設定による関節構
造によりもたらされる上述の作用効果をより一層発揮さ
せることを確保できるものとなる。
【0051】図4は、プリセスカム116付き摩擦車支
持部材86側の構成例である。図3の場合と同様、入力
ディスクと、出力ディスクと、両ディスクによって形成
されるトロイド状のみぞ内に両ディスクと摩擦接触する
ように配置される摩擦車と、摩擦車を偏心軸を介して回
転自在に支持する摩擦車支持部材86と、摩擦車支持部
材86下端から延在するようにこれにピン86eで結合
されシリンダボディ15およびコントロールバルブボデ
ィ18の双方に貫通するシャフト86dと、シャフト8
6d外側に挿入されシリンダボディ15内に位置するピ
ストン108aと、ピストン108aの外周に挿入する
カラー35とを備えるとともに、コントロールバルブボ
ディ18から突出するシャフト86d先端にプリセスカ
ム116を配置し、シャフト86d下端に締め上げるナ
ット32を備えるトロイダル型無段変速機にして、摩擦
車支持部材86とピストン108aとの当接部に、ワッ
シャ86fを用いて、該ピストン108aに対する摩擦
車支持部材86のスラスト方向の揺動を可能にする当接
曲面86fe,108eを設定する構成としたのに加え
て、かかるトロイダル型無段変速機Aにおいて、摩擦車
支持部材86の先端に、変速リンクを介して、首振り軸
線O3 方向のオフセット量および首振り軸線O3 周りに
おける傾転量をコントロールバルブボディ18の変速制
御弁(17)にフィードバックするプリセスカム116
を有する当該摩擦車支持部材86と、ピストン108a
と、プリセスカム116とを位置決めするために、その
シャフト86dおよびプリセスカム116に溝86d
g,116gを形成し、ピストン108a下端に切り欠
き108fを設ける構成としたものである。
【0052】ここに、シャフト86d側の溝86dg
は、例えば、シャフト86dの側周面の一部分にキー用
の部分溝86dgとして形成することができる(図4、
図7)。また、プリセスカム116側の溝116gの形
成は、そのプリセスカム116のシャフト嵌合部分をピ
ストンボス部108b下端縁へと当接せしめる程度の長
さ、すなわちコントロールバルブボディ18中程までに
至る長さとして、その中心孔(シャフト貫通孔)の内周
面にプリセスカム嵌挿方向に沿って延在するキー用の条
溝として形成することができる((図4、図7、あるい
は図5(b)中の符号116g参照)。
【0053】また、ピストン108aは、図1及び2図
示のものと同一部材である。共用の部品としての該ピス
トン108aのボス部108b下端縁の切り欠き108
f(切り欠き溝)は、この場合は、図4に示されるよう
に、キー88の一方の端側(図3では同図中上側に位置
するキー88端部箇所側、図7では同図中下側に図示さ
れたキー88端部箇所側)を嵌入・係合させるためのキ
ー溝として使用する。
【0054】本例では、摩擦車支持部材86のシャフト
86dに溝86dgを、またプリセスカム116に溝1
16gを、またピストン108a下端に切り欠き108
fを、ぞれぞれ設けて、それらの摩擦車支持部材86、
ピストン108aおよびプリセスカム116の3者(3
部材)を沈みキー88(半月キー)により相対的に位置
決めする。すなわち、シャフト86d、ピストン108
aおよびプリセスカム116の位置を相対的に拘束する
キーを沈みキー88とし、あらかじめピストン108a
とシャフト86dを位置合せした上でキー88を圧入
し、次にカラー35を挿入した後、コントロールバルブ
ボディ18を組み付け、しかる後、既にシャフト86d
上に圧入したキー88に、プリセスカム側溝116gを
合わせてプリセスカム116を組み付ける構造としたも
のである。
【0055】したがって、シャフト86dおよびプリセ
スカム116に溝86dg,116gを形成し、ピスト
ン108aの下端に切り欠き108fを設けたため、ピ
ストン108aの位置決めを、シャフト86d側面に挿
入したキー88によって行う構造とでき、前述のプリセ
スカム無し摩擦車支持部材側の場合と同様、摩擦車支持
部材86下端に配設される曲面86feを有するワッシ
ャ86f(あるいは摩擦車支持部材86下側に形成され
た曲面)と、ピストン上部の曲面108eとの位置決め
が可能となり、誤組み付けが防止できる。さらに、かか
る作用効果に加えて、フィードバック部材としてのプリ
セスカム116との位置決めも該キー88によって、プ
リセスカム付き摩擦車支持部材86、ピストン108
a、当該プリセスカム116の3者の正しい位置決めも
可能となる。
【0056】この場合において、特に、本例では、キー
88をシャフト86dに圧入してピストン108dとシ
ャフト86dの位置決めをする構造としたため、ピスト
ン108a端部に形成した切り欠き108fとシャフト
86dに形成した溝86dgとの位置決めが容易にかつ
確実に実施できる。。
【0057】ここに、前記図1〜3によるプリセスカム
無し摩擦車支持部材86側の構成による態様のものと、
図4のプリセスカム付き摩擦車支持部材86側の構成に
よる態様のものとを、それぞれ、トロイダル型無段変速
機のうちの該当するプリセスカム付き摩擦車支持部材側
の構成、およびそのプリセスカムの取り付けられない側
の残りの一または二以上のプリセスカム無し摩擦車支持
部材側の構成として採用すると、かかるトロイダル型無
段変速機Aは、それぞれの上述した作用効果が得られる
上、さらに、以下のような点でも有利な作用効果を奏す
る。
【0058】この場合は、シャフト86dおよびプリセ
スカム116に溝86dg,116gを形成し、ピスト
ン108a(ピストンボス部108b)の下端に切り欠
き108fを設けたため、ピストン108aの位置決め
を、プリセスカム116が取り付けられる摩擦車支持部
材86(図4)においてはシャフト86d側面に挿入し
たキー88によって、かつまた、プリセスカム116が
取り付けられることのない摩擦車支持部材86(図1)
においてはシャフト86d下端に配置したツメ付き二面
巾ワッシャ87によって行う構造とできるため、摩擦車
支持部材86下端に配設される曲面86feを有するワ
ッシャ86fや、もしくは摩擦車支持部材下側に形成さ
れた曲面と、ピストン108a上部の曲面108eとの
位置決めが、部品点数を増やすことなくすべてピストン
108aについて可能となり、誤組み付けが防止でき
る。よって、これによれば、シャフト86dおよびプリ
セスカム116に溝を形成し、ピストン108a下端に
切り欠き108fを設けた構造としたことにより、摩擦
車支持部材の構成によらず、共通のピストン108aで
摩擦車支持部材86下端に配設されるワッシャ86fに
形成された曲面86fe(あるいは摩擦車支持部材下側
に形成された曲面)と、ピストン108a上部の曲面1
08eとの位置決めが可能となるという作用効果も得ら
れる。
【0059】図5は、本発明の他の実施例を示すもの
で、前述したような当接局面を設定した構成のトロイダ
ル型無断変速機Aにおいて、プリセスカム付き摩擦車支
持部材のシャフト、ピストンおよびプリセスカムに溝を
形成し、該溝部にキーを挿入してシャフトとピストンと
の位置決めを行う構造としようというものである。同図
(a)、同摩擦車支持部材およびサーボピストン部周辺
構造を示し、同図(b)はプリセスカムのシャフト嵌合
部分の断面を表してあり、同様の部分は同一の符号を付
してその説明は省略し、以下に本実施例の要部を述べ
る。
【0060】図示のように、プリセスカム116付き摩
擦車支持部材86のシャフト86dの下端の外周側面に
は、その下端縁から図中上方へ延在するキー88S(す
べりキー)挿入用の条溝としての溝86dgを有する。
一方、プリセスカム116は、ここでは、プリセスカム
アッパ116Aとプリセスカムロア116Bからなるも
のとして示されるが、そのプリセスカムアッパ116A
のシャフト嵌合部分には、同図(b)に示すように、そ
の中心孔(シャフト貫通孔)の内周面にプリセスカム嵌
挿方向に沿って延在する当該キー88S挿入用の条溝と
しての溝116gを有する。また、ピストン108a
は、そのボス部108b下端縁に切り欠き108f(切
り欠き溝)を有し、これを当該キー88S挿入用の溝と
する。
【0061】本例では、摩擦車支持部材86のシャフト
86d、ピストン108aおよびプリセスカムアッパ1
16Aの3点を、まず、図5(a)の状態に組み付け、
嵌合させた状態とした後から、一度に、キー88Sの挿
入を行うものである。すなわち、それら3者による溝部
86dg,116g,108fに対し、シャフト86d
およびプリセスカムアッパ116Aの下端縁側から、キ
ー88S先端がピストン108a下端の切り欠き108
f(切り欠き溝)内にまで達するようすべり込ませるも
ので、これにより、摩擦車支持部材86、ピストン10
8aおよびプリセスカム116をすべりキー88Sによ
り相対的に位置決めすることができる。かくて、こうす
ると、同時に、3部材(86d,108a,116A)
にわたって一本の差し込み用のキー88Sを挿入し、シ
ャフト86dとピストン108aとの位置決めを行う構
造とできることで、前述と同様に、摩擦車支持部材86
下端に配設される曲面86feを有するワッシャ86f
(あるいは摩擦車支持部材下側に形成された曲面)と、
ピストン108a上部の曲面108eとの位置決めが可
能となり、誤組み付けが防止できる構造となり、しかも
また、このとき、プリセスカム116とシャフト86d
との位置決めも該キー88S(平行キー)により可能と
なるため、従来の二面巾による締結に比べ変速制御精度
が向上する。
【0062】また、プリセスカム116無し摩擦車支持
部材86側の構成として、前記図1〜3のツメ付き二面
巾ワッシャ87を用いる態様に従い摩擦車支持部材86
とピストン108aとの位置決めのなされるものを採用
するとともに、他方、プリセスカム116付き摩擦車支
持部材86側の構成として、本実施例に従い図5図示の
如くに摩擦車支持部材86とピストン108aとプリセ
スカム116との位置決めのなされるものを採用するト
ロイダル型無段変速機とすると、前記実施例と同様の有
利な作用効果を奏し得る。この場合も、摩擦車支持部材
86の構成によらず、共通の構成のピストン108aで
前述の当接局面すなわち摩擦車支持部材86下端に配設
されるワッシャ86fに形成された曲面86fe(ある
いは摩擦車支持部材下側に形成れさた曲面)と、ピスト
ン108上部の曲面108eとの位置決めが可能となる
という作用効果が得られ、さらに、特に、本実施例で
は、これに加えて、シャフト86、ピストン108aお
よびプリセスカム116に溝を形成し、該溝部にキー8
8Sを挿入して位置決めを行う構造としたことにより、
摩擦車支持部材86下端に配設されるワッシャ86fに
形成された曲面86fe(あるいは摩擦車支持部材下側
に形成れさた曲面)と、ピストン108上部の曲面10
8eとの位置決めが可能となり、誤組み付けが防止で
き、また、変速制御精度が向上するという作用効果も得
られる。
【0063】図6は、本発明のさらに他の実施例を示
す。本実施例は、前述したような当接局面を設定した構
成のトロイダル型無断変速機Aにおいて、プリセスカム
付き摩擦車支持部材とピストンとの位置決めをツメ付き
二面巾ワッシャにて行い、当該摩擦車支持部材とプリセ
スカムとの位置決めをキーで行おうというものである。
以下、本実施例の要部について述べる。
【0064】前記図5の場合、作業者は、そのシャフト
86dおよびプリセスカム116の下端縁側から、一度
に、キー88Sを挿入することができる。よって、かか
る一回の作業で、摩擦車支持部材86のシャフト86d
とピストン108aとの間、および摩擦車支持部材86
のシャフト86dとプリセスカム116との間の取り付
け関係における3部材の位置を同時に位置決めできる利
点がある方法であるものの、他方、キー88Sの挿入先
端が果してピストン108a下端の切り欠き溝108f
内に完全に嵌入したかどうかが把握しにくい等の点で、
さらに改良の余地があるといえる。ところで、前記図4
による方法に従うと、その場合は、3者の位置決めは2
段階で分けて順次行え、よってそうした不利は少ないも
のの、反面、図7に示すように、サーボピストン108
a←→摩擦車支持部材86(トラニオン)←→プリセス
カム116の位置決めを1個の半月キー88(圧入キ
ー)で行っており、組み付け時に、図7(a)の正常な
場合に対し、同図(b)のように半月キー88を下に倒
しすぎの場合、同図(c)のように半月キー88を上に
倒しすぎの場合の如くに、キー88の引っかかり、脱落
等の不具合の発生のおそれを考えれば、この点ではさら
なる改良を加えることができる(なお、実際のプリセス
カム挿入時のアッセンブリー(Assy)では、図7図
示のような上下の関係とした状態が採用され、図7では
そのような上下位置関係で部材を図示してある)。
【0065】これにつき、補足的に説明すると、図4の
場合のAssy工順は次のようである。 ′半月キー88を摩擦車支持部材86のシャフト86
dに挿入 ′カラー35(カラーピストン)を挿入 ′コントロールバルブAssy組み付け ′プリセスカム116(プリセスカムアッパ116
A)挿入
【0066】ここに、′の手順で、このとき、図7
(a)のような「正常」な状態でないと、プリセスカム
116A(116)がキー88に引っかかり入らず(図
7(b))、最悪の場合は、キー88が脱落することが
ある(図7(c))。また、プリセスカム挿入時は、す
でにコントロールバルブボディ18がアッセンブリーさ
れているために、作業上、作業者がキー88を指等でお
さえることもできない。
【0067】そこで、本実施例では、かかる考察をも踏
まえて、サーボピストンおよびプリセスカムの組み付け
性の向上をも狙って、さらなる改良を実現しようとする
ものである。これがため、上記図4,5の場合のそれぞ
れの難点はこれを排除し、それぞれの有利な点はこれを
できるだけ活かしつつ、かつ前記図1〜3の位置決めの
態様による利点を活用するべく、図6に示すように、シ
ャフト86d上の二面巾部86dcとピストン108a
(ピストンボス部108b)下端部の切り欠き108f
とを、プリセスカム116を有さない摩擦車支持部材8
6側においてピストン108aの位置決めに使用する前
記のツメ付87aき二面巾ワッシャ87(図1〜3)に
より位置決めし(第1段階)、シャフト86dとプリセ
スカム116とをキー88S(平行キー)によりシャフ
ト側溝86dgとプリセスカム側溝116g(図6では
図示省略;図5(b)参照)を介して位置決めする(第
2段階)構造としたものである。
【0068】これにより、本実施例に従うと、具体的に
は、次のようなAssy工順を実現できる。 摩擦車支持部材86のシャフト86dとピストン10
8aとを組み合わせた状態のもの対しカラー35を挿入
する。 ツメ87a付き二面巾ワッシャ87を挿入し、ツメ8
7aをピストン108a(ピストンボス部108b)下
端部の切り欠き108fに嵌入する(ピストン108a
とシャフト86dの位置決め)。 コントロールバルブAssyを組み付ける。 プリセスカムアッパ116Aを挿入する。 平行キー88Sを、シャフト側溝86dgとプリセス
カム側溝116gにより形成される溝部にすべり込ませ
るよう挿入する(摩擦車支持部材86のシャフト86d
とプリセスカム116の位置決め)。
【0069】かくして、本実施例では、ピストン108
aと摩擦車支持部材86のシャフト86dの位置決め
を、ツメ付き二面巾ワッシャ87により行うことができ
(図1〜3参照)、変速制御性能上からガタを小さくす
る必要のある該摩擦車支持部材86のシャフト86dと
それに取り付けられるべきプリセスカム116(プリセ
スカムアッパ116A)との締結を、平行キー88Sに
よって位置決めすることができ、これにより、上述した
不具合も良好に解消され、組み付け性も大幅に向上させ
ることができる。
【0070】また、プリセスカム116の付かないプリ
セスカム無し摩擦車支持部材86、すなわち、例えばダ
ブルキャビティ式トロイダル型無段変速機の場合の他の
3箇所(例えば右後、左前後のサーボピストンとトラニ
オンシャフト)での位置決めも、図6のプリセスカム付
き摩擦車支持部材86側で使用したのと同一のツメ付き
二面巾ワッシャ87にて行う。
【0071】したがって、本実施例でも、プリセスカム
116無し摩擦車支持部材86側は、かかるツメ付き二
面巾ワッシャ87を用いる態様に従い摩擦車支持部材8
6とピストン108aとの位置決めのなされた構成とし
(上記手順,参照)、かつ、プリセスカム116付
き摩擦車支持部材86側の構成として、図6により摩擦
車支持部材86とピストン108aとプリセスカム11
6との位置決めのなされた構成(上記手順〜参照)
としたトロイダル型無段変速機を実現でき、前記各実施
例と同様の有利な作用効果を奏し得る。この場合、本実
施例によれば、上述の如くに、シャフト86dおよびプ
リセスカム116に溝86dg,116gを形成し、ピ
ストン108下端に切り欠き108fを設けた構造とし
たことにより、摩擦車支持部材86の構成によらず、そ
れぞれの摩擦車支持部材86側において、共通の構成の
ピストン108aで、しかも、共通の構成のツメ付き二
面巾ワッシャ87を用いて、摩擦車支持部材86下端に
配設されるワッシャ86fに形成された曲面86fe
(あるいは摩擦車支持部材下側に形成れさた曲面)と、
ピストン108上部の曲面108eとの位置決めを可能
とし得て、たとえ、既述の如く当接曲面を、摩擦車支持
部材86およびピストン108a間の当接部に設定する
構成でも、誤組み付けが防止できるという作用効果が得
られるのは、いうまでもない。
【0072】さらに、上記に加え、特に、本実施例は、
以下のような作用効果がある。すなわち、シャフト86
d上の二面巾部86dcとピストン108a下端部の切
り欠き108fとを、プリセスカム116を有さない摩
擦車支持部材86においてピストン108aの位置決め
に使用するツメ付き二面巾ワッシャ87により位置決め
し、シャフト86dとプリセスカム116とを平行キー
88Sにより位置決めする構造としたため、組み付け時
にプリセスカム116がキーに引っ掛かることでプリセ
スカム116が正規の位置に組み付けられないといった
ような状況、あるいは組み付け時にプリセスカム116
がキーを引っかけることによりキーを脱落させてしまう
という不具合(図7(b),(b))を防止できるとと
もに、プリセスカム116とシャフト86dとの位置決
めをキー88Sにより行うため、従来の二面巾による締
結に比べ変速制御精度が向上するという作用効果も、一
層良好なものとして得れられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例(第1実施例)に係るトロイ
ダル型無段変速機における摩擦車支持部材、サーボピス
トン部周辺構造(トラニオンアクチュエータ)の一例を
示す要部断面図である。
【図2】本発明において適用できるピストンの一例の説
明に供する図である。
【図3】同じく、適用できるツメ付き二面巾ワッシャの
一例の説明に供する平面図(a)および断面図(b)で
ある。
【図4】同じく、適用できるプリセスカム付き摩擦車支
持部材側の構成を示すもので、同摩擦車支持部材および
サーボピストン部周辺構造(トラニオンアクチュエー
タ)の一例を示す要部断面図である。
【図5】本発明の他の実施例(第2実施例)におけるプ
リセスカム付き摩擦車支持部材側の構成を示すもので、
同摩擦車支持部材、サーボピストン部周辺構造(トラニ
オンアクチュエータ)の一例を示す要部断面図(a)、
およびプリセスカム要部断面図(b)である。
【図6】本発明のさらに他の実施例(第3実施例)にお
けるプリセスカム付き摩擦車支持部材側の構成を示すも
ので、同摩擦車支持部材およびサーボピストン部周辺構
造(トラニオンアクチュエータ)の一例を示す要部断面
図である。
【図7】シャフト−ピストン−プリセスカムの組み付け
工順の説明に供する図である。
【図8】従来のトロイダル型無段変速機を例示する要部
縦断正面図である。
【図9】同トロイダル型無段変速機の摩擦車支持部材が
変形した状態を示す説明図である。
【符号の説明】
A トロイダル型無段変速機 15 シリンダボディ 17 変速制御弁 18 コントロールバルブボディ 20 摩擦車 21 変速リンク 32 ナット 33 ワイヤ 34 ワイヤプーリ 35 カラー 80,81 リンク 82 偏心軸 86 摩擦車支持部材(トラニオン) 86d シャフト 86dc シャフト二面巾部 86dg 溝 86e ピン 86f ワッシャ 86fe ワッシャ円筒面 87 ツメ(爪)付き二面巾ワッシャ 87a ツメ 87b シャフト貫通孔 87c 二面巾辺部 88 キー 88S キー 108a ピストン 108b ピストンボス部 108e ピストン上部曲面(ピストンボス部円筒面) 108f 切り欠き(溝) 116 プリセスカム 116A プリセスカムアッパ 116B プリセスカムロア 116g 溝

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の摩擦車を介して入出力ディスク間
    で回転動力の受け渡しを行い、 各摩擦車を個々に回転自在に支持した摩擦車支持部材
    を、該摩擦車支持部材の一端に延設したシャフトに挿入
    し摩擦車支持部材に当接するよう組み付けられたピスト
    ンにより、摩擦車回転軸線が入出力ディスク回転軸線と
    交差した中立位置から、摩擦車回転軸線と直交する首振
    り軸線の方向へオフセットするよう変位させる時に起こ
    る摩擦車の前記首振り軸線周りにおける傾転により無段
    変速を行うことができ、 前記摩擦車が入出力ディスクから受けるスラスト力によ
    っても変位することのないよう、前記摩擦車支持部材の
    端部をリンクにて連結し、前記摩擦車支持部材とピスト
    ンとの当接部に、該ピストンに対する摩擦車支持部材の
    前記スラスト方向の揺動を可能にする当接曲面を設定し
    た構成の摩擦車式無段変速機であって、 前記摩擦車支持部材とピストンとを位置決めするため
    に、ピストン下端に切り欠きを設けたことを特徴とする
    摩擦車式無段変速機。
  2. 【請求項2】 前記摩擦車支持部材とピストンとの位置
    決めをツメ付き二面巾ワッシャにて行う、ことを特徴と
    する請求項1に記載の摩擦車式無段変速機。
  3. 【請求項3】 複数の摩擦車を介して入出力ディスク間
    で回転動力の受け渡しを行い、 各摩擦車を個々に回転自在に支持した摩擦車支持部材
    を、該摩擦車支持部材の一端に延設したシャフトに挿入
    し摩擦車支持部材に当接するよう組み付けられたピスト
    ンにより、摩擦車回転軸線が入出力ディスク回転軸線と
    交差した中立位置から、摩擦車回転軸線と直交する首振
    り軸線の方向へオフセットするよう変位させる時に起こ
    る摩擦車の前記首振り軸線周りにおける傾転により無段
    変速を行うことができ、 前記摩擦車が入出力ディスクから受けるスラスト力によ
    っても変位することのないよう、前記摩擦車支持部材の
    端部をリンクにて連結し、前記摩擦車支持部材とピスト
    ンとの当接部に、該ピストンに対する摩擦車支持部材の
    前記スラスト方向の揺動を可能にする当接曲面を設定し
    た構成の摩擦車式無段変速機であって、 少なくとも一つの摩擦車支持部材の先端に、摩擦車支持
    部材の首振り軸線方向のオフセット量および首振り軸線
    周りにおける傾転量をコントロールバルブボディの変速
    制御弁にフィードバックするプリセスカムを配置され、 当該摩擦車支持部材、ピストンおよびプリセスカムを位
    置決めするためにシャフトおよびプリセスカムに溝を形
    成し、ピストン下端に切り欠きを設けたことを特徴とす
    る摩擦車式無段変速機。
  4. 【請求項4】 前記摩擦車支持部材、ピストンおよびプ
    リセスカムをすべりキーにより相対的に位置決めしたこ
    とを特徴とする請求項3に記載の摩擦車式無段変速機。
  5. 【請求項5】 前記摩擦車支持部材、ピストンおよびプ
    リセスカムを沈みキーにより相対的に位置決めしたこと
    を特徴とする請求項3に記載の摩擦車式無段変速機。
  6. 【請求項6】 前記摩擦車支持部材とピストンとの位置
    決めをツメ付き二面巾ワッシャにて行い、前記摩擦車支
    持部材とプリセスカムとの位置決めをキーで行うことを
    特徴とする請求項3に記載の摩擦車式無段変速機。
  7. 【請求項7】 請求項1または請求項3において、 プリセスカムの取り付けられないプリセスカム無し摩擦
    車支持部材側の構成として、請求項2に記載の態様によ
    り、摩擦車支持部材とピストンとの位置決めのなされ
    た、当該プリセスカム無し摩擦車支持部材側の構成を備
    え、 プリセスカムの取り付けられるプリセスカム付き摩擦車
    支持部材側の構成として、請求項4ないし請求項6のい
    ずれかに記載の態様により、摩擦車支持部材とピストン
    とプリセスカムとの位置決めのなされた、当該プリセス
    カム付き摩擦車支持部材側の構成を備えてなる、ことを
    特徴とする摩擦車式無段変速機。
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