JPH11217352A - 多価アルコールエーテルカルボン酸化合物、陰イオン界面活性剤及びそれを含む洗浄剤組成物 - Google Patents

多価アルコールエーテルカルボン酸化合物、陰イオン界面活性剤及びそれを含む洗浄剤組成物

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JPH11217352A
JPH11217352A JP10034017A JP3401798A JPH11217352A JP H11217352 A JPH11217352 A JP H11217352A JP 10034017 A JP10034017 A JP 10034017A JP 3401798 A JP3401798 A JP 3401798A JP H11217352 A JPH11217352 A JP H11217352A
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Japan
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polyhydric alcohol
surfactant
acid
alcohol ether
compound
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JP10034017A
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Masatoshi Takahashi
正利 高橋
Kenji Yokoi
健二 横井
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Lion Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 酸性〜弱アルカリ性においても、泡立ちが良
好で、皮膚、毛髪に対しても刺激が少なく、すすぎ時の
ぬるつき感、皮膚への残留感等の使用感触が良好で、洗
浄成分として優れた陰イオン界面活性剤を提供する。 【解決手段】 下記一般式(1)で表される多価アルコ
ールエーテルカルボン酸化合物からなる陰イオン界面活
性剤。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、酸性〜弱アルカリ
性(pH4〜8)においても、泡立ちが良好で、皮膚、
毛髪に対しても低刺激性であり、しかも、すすぎ時のぬ
るつき感、皮膚への残留感が少ない等、使用感触に優れ
た洗浄成分として有用な多価アルコールエーテルカルボ
ン酸化合物、陰イオン界面活性剤及びそれを使用した洗
浄剤組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】身体、手等を洗う洗浄剤用の界面活性剤
としては、現在も石鹸が賞用されている。石鹸には、易
生分解性、皮膚への低刺激性、すすぎ時のさっぱり感等
の使用感触等が優れているという特徴を有するが、水溶
液pHが高く、毛髪を洗った場合には、毛髪がぱさつく
ばかりでなく、海水、あるいは高硬度の硬水中では、多
価金属塩と複分解反応を起こして脂肪酸金属塩を生成
し、それと汚垢の混合物であるスカムを生成し、美観上
好ましくないという問題点を有する。そのため、それら
スカムの生成を抑えるために、α−スルホ脂肪酸塩、あ
るいは脂肪酸アルカノールアミド等の界面活性剤と併用
することが知られている。しかしながら、スカムの生成
を抑制するためには、それらの界面活性剤を多量に使用
する必要があり、その結果、使用時にぬるつき感が発生
する上に、すすぎ時のさっぱり感が失われるばかりでな
く、すすぎ時に無限希釈された場合には、スカムの生成
が抑えられないという問題点を有する。そこで、界面活
性剤の併用では、抜本的解決にならず、それらの問題を
解消するためには化学構造を変えることが必要であり、
石鹸の持つ特徴を生かし、しかも、pH中性領域で使用
でき、上記問題点を解消した新しい化学構造を持つ界面
活性剤の開発が求められていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、酸性〜弱ア
ルカリ性(pH4〜8)においても、泡立ちが良好で、
皮膚、毛髪に対しても刺激が少なく、すすぎ時のぬるつ
き感、皮膚への残留感等の使用感触が良好で、洗浄成分
として優れた陰イオン界面活性作用化合物を提供すると
ともに、その陰イオン界面活性作用化合物を含有する洗
浄剤組成物を提供することをその課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、下記一
般式(1)で表される多価アルコールエーテルカルボン
酸化合物が提供される。
【化1】 また、本発明によれば、前記多価アルコールエーテルカ
ルボン酸化合物からなる陰イオン界面活性剤が提供され
る。さらに、本発明によれば、前記陰イオン界面活性剤
を少なくとも1種含有する洗浄剤組成物が提供される。
【0005】
【発明の実施の形態】一般式(1)において、R1は、
6から30の脂肪族基を示し、この脂肪族基はヒドロキ
シル基を含有してしてもよい。脂肪族基R1には、直鎖
もしくは分岐鎖のアルキル基やアルケニル基、ヒドロキ
シアルキル基が含有される。その最適な炭素鎖長は、末
端カルボキシル基の種類、および洗浄液pH等に大きく
影響され、好ましくは、起泡力、および泡安定性の点か
ら、炭素数10から24の脂肪族基、例えば、デシル
基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オ
クタデシル基、オクタデセニル基、ウンデシル基、2−
ヘキシルデシル基、2−オクチルウンデシル基、2−デ
シルテトラデシル基、2−ヒドロキシデシル基、2−ヒ
ドロキシドデシル基、2−ヒドロキシテトラデシル基、
2−ヒドロキシヘキサデシル基、2−ヒドロキシオクタ
デシル基等が用いられる。これらの脂肪族基は、単独、
あるいは混合して使用することができる。
【0006】R2及びR3は、H、CH3、C2H5、CH2OH、ある
いはCH2OCH(R4)COOMを示す。前記一般式(1)における
下記一般式(2)
【化2】 で表される2価の基は多価アルコール残基を示し、この
基において、そのR2及びR3がH、CH3、C25又は
CH2OHであるものは、ネオメチロールプロパン、ト
リメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタ
エリスリトール等の多価アルコールから誘導される多価
アルコール残基を示す。オキシ酸誘導基〔−CH2OC
H(R4)COOM〕は、前記多価アルコールにオキシ
酸ハライド〔XCH(R4)COOM〕を2〜3倍モル
反応させた場合に得られる。また、前記オキシ酸〔HO
CH(R4)COOM〕には、グリコール酸、乳酸及び
リンゴ酸が包含される。
【0007】Aは炭素数2又は3のアルキレン基であ
る。従って、AOはエチレンオキシド又はプロピレンオ
キシドであり、単独、あるいは、混合して使用すること
ができる。mはそれらアルキレンオキシドの付加モル数
であり、0〜10、好ましくは0〜5の数を示す。nは
多価アルコールの平均縮合数であり、1〜5の数を示
す。好ましい平均縮合数は、多価アルコール残基の種類
によって選定され、親水性の比較的少ないネオメチロー
ルプロパン、トリメチロールエタン、およびトリメチロ
ールプロパンから誘導される多価アルコール残基の場合
には、低温下での洗浄力、および起泡力の点から2〜
3、親水性の比較的高いペンタエリスリトールから誘導
される多価アルコール残基の場合には、1〜2である。
4は、水素、メチル基又はCH2COOMを示す。前記
オキシ酸残基〔−CH(R4)COOM〕は、グリコー
ル酸、乳酸又はリンゴ酸よりその水酸基を除いた親水基
である。このオキシ酸残基の種類は、使用条件及び使用
目的により選定される。いずれのオキシ酸残基を持つ陰
イオン界面活性剤も、酸性から弱アルカリ性の広いpH
領域において起泡力、すすぎ時のぬるつき感、皮膚への
残留感等の使用感触に優れている他、毛髪、皮膚に対す
る刺激性に優れているが、特に、高硬度の硬水中での起
泡力は、乳酸及びリンゴ酸を残基としたものが優れてお
り、pH4〜6の酸性における起泡力、及びアルカリ土
類金属とキレート力を持つことによるビルダー効果は、
リンゴ酸を残基としたものが優れている。
【0008】カルボキシル基の対イオンMは水素又は塩
形成性陽イオンを示す。塩形成性陽イオンには、ナトリ
ウム、カリウム、リチウム等のアルカリ金属のイオン;
カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属のイオ
ン;アンモニウムイオン;アルキルアミン、アルカノー
ルアミン(モノ、ジ、トリ−エタノールアミン、n−、
イソ−プロパノールアミン等)等の有機アミンから誘導
される有機アンモニウムイオン等が包含される。
【0009】本発明の前記一般式(1)で表わされる陰
イオン界面活性剤は、中村他、油化学討論会予稿集、第
29回、P36(1990)、同、油化学、39
(2)、20(1990)等に記載の下記反応式の
(I)式や(II)式等の種々の反応方法で製造すること
ができる。 (1)反応式(I)
【化3】
【0010】(2)反応式(II)
【化4】
【0011】前記反応式(I)の方法においては、ハロ
ゲン化アルキルと多価アルコール(縮合多価アルコール
を含む)とを塩基性触媒の存在下で反応させて、アルキ
ル多価アルコールエーテルを作り、これにα−ハロゲン
カルボン酸又はその塩を塩基性触媒の存在下で反応させ
る。これにより、前記一般式(1)の化合物を得ること
ができる。前記反応においては、ハロゲン化アルキルの
代りに、高級アルコールやアルキル硫酸塩等の他のアル
キル化剤を用いることもできる。
【0012】また、前記一般式(1)において、(A
O)mを含む化合物を得るには、ポリオキシエチレンアル
キルエーテル硫酸塩RO(AO)nSO3Mを用いることに
より調製することができる。
【0013】前記反応式(II)の方法においては、エポ
キシアルカンと多価アルコール(縮合多価アルコールを
含む)とを塩基性触媒の存在下で反応させて、ヒドロキ
シアルキル多価アルコールエーテルを作り、これにα−
ハロゲンカルボン酸又はその塩を塩基性触媒の存在下で
反応させる。これにより、前記一般式(1)の化合物を
得ることができる。
【0014】ハロゲン化アルキル〔R1X〕に使用され
るハロゲン元素は、塩素、臭素又はヨウ素である。好ま
しくは、経済性及び反応性の点から、塩素又は臭素であ
る。α−ハロゲノカルボン酸又はその塩〔XCH
(R4)COOM〕としては、モノクロル酢酸、モノブ
ロム酢酸、α−クロルプロピオン酸、α−ブロムプロピ
オン酸、モノクロルコハク酸、モノブロムコハク酸及び
その塩が挙げられる。好ましくは、経済性及び反応性の
点から、モノクロル酢酸、α−クロルプロピオン酸、モ
ノクロルコハク酸及びその塩が有利に用いられる。
【0015】モノハロゲノオキシ酸又はその塩とアルキ
ル多価アルコールエーテル、あるいは、ヒドロキシアル
キル多価アルコールエーテルとの反応方法は、モノハロ
ゲノオキシ酸塩と、それらアルキル多価アルコールエー
テルとの混合物を加熱、減圧下に塩基性触媒水溶液を徐
々に滴下する方法、それら両原料及び固体塩基性触媒の
混合物を加熱、減圧下に反応させる方法、それらアルキ
ル多価アルコールエーテルを加熱、減圧下に、モノハロ
ゲノオキシ酸あるいは、その水溶液と、塩基性触媒水溶
液を徐々に滴下してする反応方法等いずれの方法も使用
できる。
【0016】塩基性触媒としては、アルカリ金属アルコ
キシド、水酸化アルカリ、炭酸アルカリ等が挙げられ、
反応方法等より選定される。好ましくは、経済性、ハン
ドリングの点から水酸化ナトリウムあるいは、水酸化カ
リウムである。これら塩基性触媒の使用量は、モノハロ
ゲノオキシ酸に対して、等モルから、1.5倍モルであ
る。また、反応中のpHは、7〜13に保つことが好ま
しい。前記反応は無溶媒で行うことができるが、反応の
後半での生成物粘度の低減化や、水分を留去し、反応を
円滑に進行させるためには、反応の初期、あるいは後半
より、ヘキサン、トルエン、キシレン、クロロホルム、
四塩化炭素、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジメチ
ルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどの溶媒を使
用することもできる。その使用量は、アルキル多価アル
コールエーテルに対して、重量比で、1.0〜5.0が
適当である。それらのアルキル多価アルコールエーテル
に対するモノハロゲノオキシ酸の反応モル比は、未反応
物として残存させるアルキル多価アルコールエーテルの
量、オキシ酸の付加モル数及びそれらの反応性の点から
選定され、モル比で0.1〜2.0、好ましくは、起泡
力、反応性等の点から0.2〜1.5である。反応温度
は、50〜120℃、特に、60〜100℃の範囲で行
うのが好ましい。反応温度が50℃未満では反応速度が
遅く、120℃以上では、生成物が着色するので好まし
くない。反応時間は、反応方法及び反応試薬により異な
るが1〜10時間、好ましくは、2〜6時間である。
【0017】前記した反応により得られた反応生成物に
は、前記一般式(1)の化合物の他に、未反応物である
アルキル多価アルコールエーテル(あるいはアルキルポ
リ多価アルコールエーテル)反応副生成物である高級ア
ルコール、ジヒドロキシアルカン、オキシ酸塩及び無機
塩等が少量含有されている。この反応生成物は、pH調
整するだけでそのまま起泡力の優れた陰イオン界面活性
剤として使用することもできるが、液体洗浄用界面活性
剤など、高純度品を使用する場合には、溶剤抽出、シリ
カゲルカラムクロマトグラフィー等の公知の精製方法を
用いて精製することもできる。
【0018】本発明の陰イオン界面活性剤は、既存の陰
イオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、両性界面活性
剤等と併用することができる。この場合、既存の陰イオ
ン界面活性剤は、洗浄力及び起泡力を一段と向上させる
目的で使用される。このような陰イオン界面活性剤とし
ては、アルキル硫酸エステル、ポリオキシエチレンアル
キル硫酸エステル、α−スルホ脂肪酸エステル塩、α−
オレフィンスルホン酸塩、アルキル又はヒドロキシアル
キルエーテルカルボン酸塩、N−アシル化タウリン、N
−アシル化メチルタウリン、N−アシル化グルシン、N
−アシル化アスパラギン酸、N−アシル化ザルコシン、
N−アシル化グルタミン酸、モノアルキル燐酸エステル
塩、アルキルアミドエーテル硫酸エステル塩、脂肪酸モ
ノグリセライド硫酸エステル塩、アルキルイミノジカル
ボン酸塩、二級アミド型N−アシルアミノ酸塩、酒石酸
アルキルアミド、リンゴ酸アルキルアミド、クエン酸ア
ルキルアミド等が挙げられる。ノニオン界面活性剤につ
いても、陰イオン界面活性剤と同様、洗浄剤、起泡力の
他に、皮膚、毛髪に対する刺激性の一層の低減化の目的
でも使用される。このようなものとしては、本発明の陰
イオン界面活性剤の前駆体であるアルキル多価アルコー
ルエーテル、ヒドロキシアルキル多価アルコールエーテ
ルの他に、高級アルコールエトキシレート、高級アルコ
ールエトキシプロポキシレート、ノニルフェノールエト
キシレート、脂肪酸アルカノールアミド、蔗糖脂肪酸エ
ステル、アルキル(ポリ)グリコシド、ポリグリセリン
脂肪酸エステル、脂肪酸2,3−ジヒドロキシプロピル
アミド、脂肪酸ポリオキシエチレンアミド、アルキルア
ミンオキシド、アルキルアミドアミンオキシド、ポリオ
キシエチレン脂肪酸エステル、メチルあるいはエチルグ
リコシド、脂肪酸エステル、アシルグルカミド等が挙げ
られる。両性界面活性剤は、起泡力及び皮膚に対するマ
イルド性を一段と向上させる目的で使用される。このよ
うなものとしては、アミドアミノ酸型両性界面活性剤、
長鎖アルキルジメチルカルボキシメチルベタイン、スル
ホベタイン、イミダゾリウムベタイン、グリシン型、ア
ラニン型のアミド酸型両性界面活性剤、カルボキシベタ
イン、スルホベタイン、ホスホベタイン、アミドアミノ
酸、イミダゾリニウムベタイン系界面活性剤などが挙げ
られる。
【0019】前記一般式(1)で表される陰イオン界面
活性剤(A)と既存の界面活性剤(B)とを混合して使
用する場合、その混合比率(A)/(B)は、重量比
で、98/2〜10/90、好ましくは、80/20〜
30/70である。前記より低い混合比では、本発明の
陰イオン界面活性剤の特徴が十分に発揮できない。本発
明の陰イオン界面活性剤の洗浄剤組成物中への配合量
は、洗浄剤の剤形によって異なるが、液状の場合、組成
物中の0.5〜50重量%、ペースト状の場合、1〜7
0重量%、固型の場合、1〜80重量%が好適である。
洗浄剤を水に溶解した時のpHは、配合する活性剤の種
類、用途により異なるが、好ましい範囲は、シャンプ
ー、ボディシャンプー、台所洗剤では、pH5〜8、衣
類用洗浄剤では、7〜11が好ましい。前記pH範囲を
逸脱すると、皮膚への刺激性、被洗物の損傷の点から好
ましくない。
【0020】本発明の洗浄剤組成物には、必要に応じて
洗浄剤に配合される公知の補助成分を配合することもで
きる。この様な補助成分としてはビルダー類、保湿剤、
粘度調節剤、防腐剤、抗炎症剤、酸化防止剤、紫外線吸
収剤、金属イオン封鎖剤、移染防止剤、抗菌剤、水溶性
高分子化合物、水溶性無機塩、pH調節に用いられる有
機及び無機化合物、パール光沢剤、色素、香料、酵素、
漂白剤等があげられる。
【0021】
【発明の効果】本発明によれば、酸性〜弱アルカリ性
(pH4〜8)においても、泡立ちが良好で、皮膚や毛
髪に対して低刺激性であり、しかもすすぎ時のぬるつき
感、皮膚への残留性が少ない等、使用感触に優れ、洗浄
成分として有用な新規な陰イオン界面活性剤が提供され
る。従って、本発明の界面活性剤を含有する洗浄剤組成
物は、ボディシャンプー、ハンドソープ、シャンプー、
食器野菜洗浄剤及び住居様洗浄剤等として幅広く利用で
きる。
【0022】
【実施例】以下本発明を実施例に基づいて詳細に説明す
る。
【0023】合成例1 真空撹拌機、リービッヒ冷却管及び温度計を装備した5
00mlの四つ口のフラスコに、ドデシルペンタエリス
リトールエーテル100g、モノクロル酢酸ナトリウム
45.5gを仕込み、80℃、25mmHgの条件下、
撹拌しながら40wt%NaOH水溶液39.8gを2
時間で滴下反応して、留出した水を除去した。続いて、
ジオキサン150mlを加え、同条件下に、水、および
ジオキサンを留去させながら1.5時間反応、熟成し
た。生成物を純水で溶解後、6N塩酸でpH7.0に調
整して、ドデシルペンタエリスリトールエーテルグリコ
ール酸ナトリウム(一般式(1)において、R1;−C
1225、R2;−CH2OH、R3;−CH2OH、R4
H、M;Na、m;0、n;1)27.0wt%水溶液
369.6g(収率79%、液相クロマトグラフィー分
析による)を得た。
【0024】合成例2 合成例1において、モノクロル酢酸ナトリウムの代わり
に、α−クロルプロピオン酸ナトリウム、ドデシルペン
タエリスリトールエーテルの代わりに、ドデシルトリメ
チロールプロパンエーテルを用いて、合成例1に準じ、
pH7.0のドデシルトリメチロールエーテル乳酸ナト
リウム25wt%水溶液(収率85%、定量法は合成例
1に準拠)を得た。
【0025】合成例3 合成例1において、モノクロル酢酸ナトリウムの代わり
に、モノクロルコハク酸ナトリウム、ドデシルペンタエ
リスリトールエーテルの代わりに、テトラデシルトリメ
チロールプロパンを用いて、合成例1に準じ、pH5.
5のテトラデシルトリメチロールプロパンエーテルリン
ゴ酸ナトリウム25wt%水溶液(収率87%、定量法
は合成例1に準拠)を得た。
【0026】合成例4 合成例1において、ドデシルペンタエリスリトールエー
テルの代わりに、ヒドロキシドデシルトリメチロールプ
ロパンエーテルを用いて、合成例1に準じ、pH7.0
のヒドロキシドデシルトリメチロールエタンエーテルグ
リコール酸ナトリウム27wt%水溶液(収率75%、
定量法は合成例1に準拠)を得た。
【0027】実施例1〜4、比較例1〜2 前記合成例1〜4で得た化合物において、その起泡力及
び使用感触を以下のようにして評価した。その結果を表
1に示す。また、比較のために、ラウリン酸ナトリウム
又はポリオキシエチレン(P=3)ラウリルエーテル硫
酸ナトリウムについての結果も表1に示した。
【0028】(1)起泡力 CaCl2を用いて硬度5°DHに調製した人工硬水を
使用し、pH7.0に調整した界面活性剤濃度0.9重
量%水溶液に、汚れ成分として、混合汚垢(ラノリン/
パラフィン/トリオレイン/トリステアリン=90/4
/4/2)0.2重量%を添加した溶液を20ml調製
し、100mlの栓付きエプトン管に入れ、室温におい
て、20回、10秒間で振とうさせ、その1分後の泡容
積を測定した。尚、評価は、ポリオキシエチレンラウリ
ルエーテルサルフェート(P=3)の気泡量と比較し、
以下の基準を用いた。 ◎:泡が多い ○:泡が同等である ×:泡が少ない (2)使用感触 5名のパネラーにより、pH7.0に調整した界面活性
剤濃度0.5重量%水溶液を用いて、手洗い試験を行
い、洗浄後のすすぎ時のぬるつき感、さっぱり感につい
て官能評価を行った。パネラーの平均値を算出し、平均
値が2.5以上の場合を(○)、2.4〜1.5の場合
を(△)、1.4以下の場合を(×)と判定した。尚、
評価は以下の基準を用いた。 3:優れている 2:ふつう 1:劣る
【0029】
【表1】
【0030】次に、本発明の陰イオン界面活性剤を洗浄
剤成分として用いた具体的処方の例を示す。
【0031】 実施例5 ボディーソープ 合成例1の化合物 10(重量%) ラウロイルグルタミン酸Na 7 椰子脂肪酸ジエタノールアミド 3 エチレングリコール脂肪酸エステル 3 エタノール 3 プロピレングリコール 5 色素、香料 適量 精製水 バランス このボディーソープは、皮膚に対して刺激が少なく、使
用時には、豊富な泡立ちがあり、しかも、すすぎ時に皮
膚への残留感が少なく、使用感触が良好であった。
【0032】 実施例6 シャンプー組成物 合成例2の化合物 8(重量%) NラウロイルメチルタウリンNa 4 椰子脂肪酸ジエタノールアミド 2 アルキルイミドゾリニウムベタイン 2 プロピレングリコール 5 色素、香料 適量 精製水 バランス このシャンプーは、皮膚に対して低刺激性で、泡立ちが
良好であり、しかも、すすぎ後の肌はさっぱりしてお
り、使用感触が良好であった。
【0033】 実施例7 シャンプー組成物 合成例3で得られた陰イオン界面活性剤 10(重量%) ラウロイルNメチルタウリンNa 6 2−デシルテトラデシルトリメチルアンモニウム クロライド 0.2 クエン酸 適量 色素、香料 適量 精製水 バランス このシャンプーは、皮膚に対して低刺激性で、泡立ちが
良く、洗髪後の毛髪の感触も良好であった。
【0034】 実施例8 食器野菜用洗浄組成物 合成例1の化合物 12(重量%) ポリオキシエチレンラウリルアルコール(P=3) 13 ラウリン酸アミドプロピルトリメチルアミンキシド 3 エタノール 5 色素、香料 適量 精製水 バランス この食器野菜用洗剤は、皮膚に対して低刺激性であり、
洗浄力、および泡立ちが良く使用感触も良好であった。
【0035】 実施例9 食器野菜用洗浄組成物 合成例4で得られた陰イオン界面活性剤 12 ラウリルジメチルアミン酢酸ベタイン 5 ラウリン酸ジエタノールアミド 3 エタノール 3 色素、香料 適量 精製水 バランス この食器野菜用洗剤は、皮膚に対する刺激が少なく、洗
浄力、及び起泡力が良好であった。
【0036】 実施例10 液体毛糸用洗浄組成物 ポリオキシエチレンラウリルアルコール(P=10) 13(重量%) 合成例3で得られた陰イオン界面活性剤 5 ラウリルアルコールエトキシサルフェート・ モノエタノールアミン塩 5 エタノール 2 色素、香料 適量 精製水 バランス この毛糸用洗剤は、洗浄力、および泡立ちが良好であっ
た。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)で表される多価アルコ
    ールエーテルカルボン酸化合物。 【化1】
  2. 【請求項2】 請求項1の多価アルコールエーテルカル
    ボン酸化合物からなる陰イオン界面活性剤。
  3. 【請求項3】 請求項2の陰イオン界面活性剤を少なく
    とも1種含有する洗浄剤組成物。
JP10034017A 1998-01-30 1998-01-30 多価アルコールエーテルカルボン酸化合物、陰イオン界面活性剤及びそれを含む洗浄剤組成物 Pending JPH11217352A (ja)

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JP10034017A Pending JPH11217352A (ja) 1998-01-30 1998-01-30 多価アルコールエーテルカルボン酸化合物、陰イオン界面活性剤及びそれを含む洗浄剤組成物

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JP (1) JPH11217352A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2903408A1 (fr) * 2006-07-10 2008-01-11 Seppic Sa Nouveaux derives de sucre, procede pour leur preparation, leur utilisation comme agents tensioactifs

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