JPH1180780A - 陰イオン性界面活性剤及びそれを含む洗浄剤組成物 - Google Patents

陰イオン性界面活性剤及びそれを含む洗浄剤組成物

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JPH1180780A
JPH1180780A JP9250060A JP25006097A JPH1180780A JP H1180780 A JPH1180780 A JP H1180780A JP 9250060 A JP9250060 A JP 9250060A JP 25006097 A JP25006097 A JP 25006097A JP H1180780 A JPH1180780 A JP H1180780A
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JP
Japan
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acid
anionic surfactant
coom
alkenyl
alkyl
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JP9250060A
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Masatoshi Takahashi
正利 高橋
Kenji Yokoi
健二 横井
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Lion Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 酸性〜弱アルカリ性(pH4〜8)の条件及
び高硬度の硬水中においても、優れた起泡力、泡安定性
及び洗浄力を有し、しかもすすぎ時の泡切れ、すすぎ時
のさっぱり感等の使用感触や、毛髪、皮膚に対する刺激
が少ない洗浄剤成分として有用な陰イオン界面活性剤を
提供するとともに、その陰イオン界面活性剤を含有する
洗浄剤組成物を提供する。 【解決手段】 下記一般式(1)で表される陰イオン界
面活性剤及びそれを含む洗浄剤組成物。 【化1】 〔式中、Rは平均炭素数8〜30の直鎖もしくは分岐の
アルキル基又はアルケニル基を示し、Aはエチレンオキ
シド基、プロピレンオキシド基又はエチレンオキシド基
及び/又はプロピレンオキシド基からなる平均付加モル
数が2〜20のポリアルキレンオキシド基を示し、Xは
H又はCH2COOMを示し、YはCH2COOM又はC
3を示し、Mは水素又は塩形成性陽イオンを示す〕

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、酸性〜弱アルカリ
性(pH4〜8)条件及び高硬度の硬水中においても、
優れた起泡力、泡安定性及び洗浄力を有し、しかもすす
ぎ時の泡切れ、すすぎ後のさっぱり感等の使用感触や、
毛髪、皮膚に対する非刺激性が良好で、洗浄剤成分とし
て有用な陰イオン界面活性剤及びそれを使用した洗浄剤
組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、毛髪、身体、衣類、食器等を洗浄
するための家庭用洗浄剤において、その洗浄剤の成分と
しては、石油系の陰イオン界面活性剤、両性界面活性剤
及びノニオン界面活性剤が広く用いられている。最近、
前記用途において使用される界面活性剤には、優れた洗
浄力、起泡力の他に、すすぎ時の泡切れ、すすぎ後のさ
っぱり感等の使用感触が良好で、しかも皮膚への刺激が
少ないこと、さらには、環境安全性など、多機能でかつ
高い性能レベルが要求されている。そのため、このよう
な要求を満たすために、洗浄剤組成物、界面活性剤の両
面から開発が進められている。洗浄剤組成物の場合に
は、pHを弱酸性から中性にして、皮膚に対する刺激を
抑えることが行われている。一方、界面活性剤には、同
条件で使用でき、洗浄性能、安全性、使用感触、及び環
境安全性の点から選定されており、構成元素が炭素、水
素、及び酸素から成り、環境への排出時にも問題がな
く、末端親水基がカルボキシル基であり、石鹸類似の性
質を有するアルキルエーテルカルボン酸が次世代の界面
活性剤として、注目されている。しかしながら、それら
のアルキルエーテルカルボン酸の場合は、皮膚への刺激
が少ない上に、すすぎ時に、ぬるつきが少なく、さっぱ
りした使用感触が得られるものの、既存の石油系界面活
性剤に比べ、洗浄力、起泡力が乏しく、特に、それらの
性能は、高硬度の硬水中において大幅に低下するという
問題点を有する。そのため、これらの実用上の重大な問
題を解決するために、多くの研究がなされている。洗浄
力の改善には、アルキルエーテルカルボン酸のオキシエ
チレン鎖の分布を狭くするなどの構造規定を加える方法
(米国特許第4098818号、特公平7−94674
号等)、二種以上のアルキルエーテルカルボン酸を混合
使用する等の方法(特開平53−104582号)、既
存の界面活性剤を併用する方法(特開平6−25695
号)等多数の方法が提案されている。起泡力の改善に
も、両性界面活性剤と併用する方法(特開平3−109
498号等)等が提案されている。
【0003】しかしながら、それらのアルキルエーテル
カルボン酸のオキシエチレン鎖の分布を規定する方法
や、二種以上のアルキルエーテルカルボン酸を混合使用
する方法では、その性能レベルは、いずれもアルキルエ
トキシサルフェート(AES)、及びアルキルアミンオ
キシドを配合した既存の界面活性剤組成物の洗浄力レベ
ルには及ばないため、実用には供されていない。また、
アルカノールアミドと併用する方法、両性界面活性剤を
併用する方法では、そのレベルは、AESとアルカノー
ルアミドを配合した既存の界面活性剤組成物の起泡力に
及ばないため、実用には、供されていない。特に、高硬
度の硬水中での起泡力、泡安定性及び洗浄力は、未だ満
足するものではなく、実用に供するためには、一段の性
能向上が求められていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、酸性〜弱ア
ルカリ性(pH4〜8)の条件及び高硬度の硬水中にお
いても、優れた起泡力、泡安定性及び洗浄力を有し、し
かもすすぎ時の泡切れ、すすぎ時のさっぱり感等の使用
感触や、毛髪、皮膚に対する刺激が少ない洗浄剤成分と
して有用な陰イオン界面活性剤を提供するとともに、そ
の陰イオン界面活性剤を含有する洗浄剤組成物を提供す
ることをその課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、下記一
般式(1)で表される陰イオン界面活性剤及びそれを含
む洗浄剤組成物が提供される。
【化1】 〔式中、Rは平均炭素数8〜30の直鎖もしくは分岐の
アルキル基又はアルケニル基を示し、Aはエチレンオキ
シド基、プロピレンオキシド基又はエチレンオキシド基
及び/又はプロピレンオキシド基からなる平均付加モル
数が2〜20のポリアルキレンオキシド基を示し、Xは
H又はCH2COOMを示し、YはCH2COOM又はC
3を示し、Mは水素又は塩形成性陽イオンを示す〕
【0006】
【発明の実施の形態】前記一般式(1)において、Rは
6から30の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基又はアル
ケニル基を示す。その最適な炭素鎖長は、末端カルボキ
シル基の種類、及び洗浄液pH等に大きく影響され、好
ましくは、起泡力及び洗浄力の点から、その炭素数は8
から24である。代表的なものとして、デシル基、ドデ
シル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシ
ル基、オクタデセニル基、ウンデシル基、2−ヘキシル
デシル基、2−オクチルウンデシル基、2−デシルテト
ラデシル基等を挙げることができる。Xは、H又はCH
2COOMである。Yは、CH2COOM又はCH3を示
す。
【0007】前記陰イオン界面活性剤において、その下
記一般式(2)
【化2】 (式中、X、Y及びMは前記と同じ意味を有する)で表
される末端親水基は、乳酸、リンゴ酸及びクエン酸の中
から選ばれるオキシ酸からその水酸基除いたオキシ酸残
基を示す。これらオキシ酸残基は、使用目的により選定
される。いずれのオキシ酸残基を持つ陰イオン界面活性
剤も、酸性からアルカリ性の広いpH領域において、洗
浄力、起泡力に優れている他、すすぎ時の泡切れ、すす
ぎ後のさっぱり感などの使用感触や、毛髪、皮膚に対す
る刺激性に優れているが、特にpH4〜6の酸性におけ
る起泡力、及びアルカリ土類金属に対してキレート力を
持つことによるビルダー効果は、リンゴ酸及びクエン酸
を末端基としたものが優れている。
【0008】Aは、(i)エチレンオキシド基(−C2
5O−)、(ii)プロピレンオキシド基(−C36
−)又は(iii)エチレンオキシド基及び/又はプロピ
レンオキシド基からなるポリアルキレンオキシド基を示
す。このポリアルキレンオキシド基において、その平均
付加モル数(P)は2〜20である。また、このポリア
ルキレンオキシド基がエチレンオキシド基とプロピレン
オキシド基とからなる場合、両者の結合状態はブロック
結合であってもよく、ランダム結合であってもよい。前
記(ポリ)アルキレンオキシド基の種類及びそのアルキ
レンオキシドの平均付加モル数は、いずれも、末端カル
ボキシル基の種類、及び使用時の洗浄液pHに大きく影
響され、用途、使用条件、あるいは、それらからの要求
性能より選定される。末端カルボキシル基が乳酸残基の
場合は、Aを構成するアルキレンオキシドの種類は、起
泡力、泡安定性の点から、エチレンオキシドが好まし
く、また、その平均付加モル数は、1から20、好まし
くは、1から10である。末端カルボキシル基が親水性
の大きいリンゴ酸残基又はクエン酸残基の場合は、Aを
構成するアルキレンオキシドとしては、エチレンオキシ
ド及びプロピレンオキシドが、それぞれ単独、あるいは
混合して使用される。その付加モル数も、起泡力、泡安
定性の点から、1から10、好ましくは、1から5であ
る。
【0009】カルボキシル基の対イオンはM水素又は塩
形成性陽イオンである。塩形成性陽イオンには、ナトリ
ウム、カリウム、リチウム等のアルカリ金属;カルシウ
ム、マグネシウム等のアルカリ土類金属;アンモニウ
ム;置換アンモニウム等が包含される。置換アンモニウ
ムとしては、モノ、ジ、トリ−エタノールアミン、n,
イソ−プロパノールアミンのアルカノールアミン、その
他の有機アミンから誘導されたものを挙げるこどができ
る。塩形成性陽イオンは、それら二種以上を併用するこ
ともできる。
【0010】本発明の前記一般式(1)で表される陰イ
オン界面活性剤は、種々の方法で製造することができ
る。例えば、オキシ酸である乳酸、リンゴ酸あるいはク
エン酸と低級アルコールとのエステルを、塩基性触媒の
存在下、常法によりアルキレンオキシドと反応させて製
造したポリアルキレングリコールエーテルオキシ酸エス
テルを原料として、これに長鎖アルキル(又はアルケニ
ル)ハライドを塩基性触媒の存在下で反応後、続いてア
ルカリによりケン化することにより製造することができ
る。ポリアルキレングリコールエーテルオキシ酸エステ
ルと長鎖アルキル(又はアルケニル)ハライドとの反応
モル比は、1.0〜5.0、好ましくは、1.1〜2.
0であり、オキシ酸エステルを過剰に使用する。0.9
以下では長鎖アルキル(又はアルケニル)ハライドの反
応率が低下し、2.1以上では、過剰のオキシ酸エステ
ルの分離、回収に労力を要する。この反応は無溶媒で行
うことができるが、反応を円滑に進行させるために、ヘ
キサン、トルエン、キシレン、クロロホルム、四塩化炭
素、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなど
の溶媒を使用することが好ましい。その使用量は、ポリ
アルキレングリコールエーテルオキシ酸エステルに対し
て、重量比で、1.0〜10が適当である。ポリアルキ
レングリコールエーテルオキシ酸エステルと長鎖アルキ
ル(又はアルケニル)ハライドとの反応に使用する塩基
性触媒としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、
炭酸ナトリウム、ナトリウムメチラート、ナトリウムエ
チラート、水素化ナトリウム等が挙げられる。これら塩
基性触媒は、モル比で、アルキル(又はアルケニル)ハ
ライドに対して、1.0〜5が適当である。反応は、6
0〜200℃の範囲で行うのが好ましい。反応温度が6
0℃未満では反応速度が遅く、200℃を超えると、生
成物が着色するので好ましくない。オキシ酸エステルに
用いられるアルコールは低級アルコールが用いられる。
好ましくは回収、精製の点から、メタノール、エタノー
ル、イソプロパノール、ブタノールなどが用いられる。
【0011】ポリオキシアルキレンアルキルエーテルオ
キシ酸エステルの加水分解には、苛性アルカリを使用す
ることができる。この反応は、無溶媒でも進行するが、
反応を円滑に進行させるためには、溶媒を使用すること
ができる。このような溶媒には、メタノール、エタノー
ル、イソプロパノール、ブタノール、ヘキサン、トルエ
ン、キシレンなどを挙げることができる。その使用量
は、エステルに対して、重量比で、1.0〜10が適当
である。加水分解に使用される苛性アルカリには、水酸
化ナトリウム、水酸化カリウムなどが挙げられる。それ
らの使用量は、エステルに対して、モル比で、1.0〜
2が適当である。加水分解温度は、20〜100℃の範
囲が適当である。加水分解生成物は、溶媒で洗浄後、塩
酸、硫酸、リン酸などの無機酸を加えて、残存する塩基
性触媒を中和することで、陰イオン界面活性剤としての
ポリオキシアルキレンアルキルエーテルオキシ酸塩が得
られる。
【0012】前記のようにして得られた本発明の陰イオ
ン界面活性剤には、反応副生成物であるポリアルキレン
グリコールエーテルオキシ酸塩、オキシ酸塩あるいは長
鎖アルコールを少量含有している。この陰イオン界面活
性剤は、そのまま使用することもできるが、臭気の点か
ら、溶媒抽出、シリカゲルカラムクロマトグラフィー等
の公知の精製方法を用いて精製して使用することが好ま
しい。
【0013】本発明の陰イオン界面活性剤は、酸性から
弱アルカリ性領域(pH4〜8)の条件及び高硬度の硬
水中においても、起泡力、泡安定性、及び洗浄力に優れ
ている他、使用感触が良好で、皮膚に対する刺激が少な
いという特徴を有する。特に、原料オキシ酸をリンゴ酸
あるいはクエン酸としたものを界面活性剤として用いる
場合には、pH4〜6の酸性領域において、豊かで、安
定した起泡が得られる他に、下記の界面活性剤を併用す
ることにより、予想外にも、相乗的に優れた洗浄力、起
泡力が得られることが判明した。このような界面活性剤
としては、高級アルコールエトキシレート、高級アルコ
ールエトキシプロポキシレート、ノニルフェノールエト
キシレート、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアル
キル硫酸塩、高級脂肪酸塩、α−オレフィンスルホン酸
塩、α−スルホ脂肪酸エステル塩、アルキル又はヒドロ
キシアルキルエーテルカルボン酸塩、脂肪酸アルカノー
ルアミド、アシルアミノ酸塩等があげられる。前記一般
式(1)で表される陰イオン界面活性剤に対する既存の
界面活性剤の混合比率は、重量比で、100/0〜10
/90、好ましくは、80/20〜30/70である。
9/91以下の混合比では、本発明の陰イオン界面活性
剤の特徴が十分に発揮できない。
【0014】本発明の陰イオン界面活性剤の洗浄剤組成
物中への配合量は、洗浄剤の剤形によって異なるが、液
状の場合、組成物中の0.5〜50重量%、ペースト状
の場合、1〜70重量%、固形の場合、1〜80重量%
が好適である。洗浄剤のpHは、配合する活性剤の種
類、用途により異なるが、シャンプー、ボディシャンプ
ー、台所洗剤では、pH5〜8、衣類用洗浄剤では、7
〜11が好ましい。pH4.9未満では起泡力が低下
し、pH11.1以上では、皮膚への刺激性、被洗物の
損傷の点から好ましくない。他に併用できる陰イオン界
面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ア
ルキルスルホン酸塩、モノアルキル燐酸エステル塩、ア
ルキルアミドエーテル硫酸エステル塩、N−アシルタウ
ライド、N−アシル−N−メチルタウライド、アルキル
ザルコシネート、脂肪酸モノグリセライド硫酸エステル
塩、アルキルイミノジカルボン酸塩、二級アミド型N−
アシルアミノ酸塩、酒石酸アルキルアミド、リンゴ酸ア
ルキルアミド、クエン酸アルキルアミドなどがあげられ
る。
【0015】併用できる非イオン界面活性剤としては、
庶糖脂肪酸エステル、アルキル(ポリ)グリコシド、ポ
リグリセリン脂肪酸エステル、脂肪酸2、3−ジヒドロ
キシプロピルアミド、脂肪酸ポリオキシエチレンアミ
ド、アルキルアミンオキシド、アルキルアミドアミンオ
キシド、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、メチルあ
るいはエチルグリコシド、脂肪酸エステル、アシルグル
カミドなどが挙げられる。
【0016】併用できる両性界面活性剤としては、カル
ボキシベタイン、スルホベタイン、ホスホベタイン、ア
ミドアミノ酸、イミダゾニリウムベタイン系界面活性剤
などがあげられる。
【0017】本発明の洗浄剤組成物には、必要に応じて
洗浄剤に配合される公知の補助成分を配合することもで
きる。この様な補助成分としては、ビルダー類、保湿
剤、粘度調節剤、防腐剤、抗炎症剤、酸化防止剤、紫外
線吸収剤、金属イオン封鎖剤、移染防止剤、殺菌剤、水
溶性高分子化合物、水溶性無機塩、pH調節に用いられ
る有機及び無機化合物、パール光沢剤、色素、香料、酵
素、漂白剤等があげられる。
【0018】
【発明の効果】本発明によれば、酸性から弱アルカリ性
領域(pH4〜8)及び高硬度の硬水中においても、起
泡力、泡安定性及び洗浄力に優れている他、すすぎ時に
さっぱりした使用感触が得られ、皮膚や毛髪にもマイル
ドな界面活性剤として有用な新規な陰イオン界面活性剤
が提供される。従って、本発明の界面活性剤を含有する
洗浄剤組成物は、シャンプー、ボディーシャンプー、ハ
ンドソープ、衣類用洗浄剤、食器野菜用洗浄剤、住居用
洗浄剤などとして幅広く利用できる。
【0019】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳細
に説明する。 合成例1 酸化エチレン導入管、窒素吹き込み管、及び温度計を装
備した500mlのガラス製オートクレーブに、乳酸エ
チル100g、水酸化ナトリウム2gを仕込み密閉し
て、窒素ガスで系内を置換後、1mmHgの減圧下、1
05℃まで徐々に加温して水酸化ナトリウムを溶解する
と共に、副生した水分を留去した。続いて酸化エチレン
(エチレンオキシサイド)112gを反応温度160〜
180℃に保ちながら加えた。同温度でさらに1時間撹
拌、熟成して、ポリオキシエチレン(POE)乳酸メチ
ル(P=3)を得た。このポリオキシエチレン乳酸メチ
ル100gと、水素化ナトリウム9.6gを500ml
のフラスコに入れ、窒素で系内を置換後、170℃に加
温して溶解した。これに、ラウリルブロマイド75gを
1時間かけて滴下した後、同温度でさらに3時間撹拌し
て熟成させた。反応終了後、反応生成物にエタノール1
50mlを加え、溶解後、液温を60に保ちながら、2
0wt%苛性ソーダ水溶液を少しずつ加えエステルをケ
ン化した。析出物を95wt%エタノール・水混合液で
洗浄後、減圧乾燥機で水分、及びエタノールを留去し
て、ポリオキシエチレンラウリルエーテル乳酸ナトリウ
ム、粗生成物を得た。この粗生成物の一部を80wt%
エタノールに溶解し、アニオン交換樹脂(ダウエックス
IX4)を充填したカラムに流し、ノニオン分を分離し
た。続いて、酢酸・メタノール混合溶媒を用いて、アニ
オン分の副生物を分離後、酢酸で目的物を溶出させた。
同溶液を集めて、溶媒を留去後、苛性ソーダ水溶液に溶
解して、ポリオキシエチレンラウリルエーテル乳酸ナト
リウム水溶液(収率70%)を得た。尚、生成物の同定
は、試料をメチルエステル化後、赤外線分光度計(I
R)、及び高速原子衝撃イオン化装置を装備した質量分
析計で行った。
【0020】IR(KBr液膜法、cm-1): νC−H(CH2、CH3) 2840、2925 νC=O(COO) 1745 δC−H(CH2、CH3) 1425、1475 νC−O(C−O−C) 1100
【0021】質量分析(プロトン補正値) 分子量:316(エチレンオキシド1モル付加体)、3
60(同2モル付加体)、404(同3モル付加体)、
448(同4モル付加体)、492(同5モル付加体)
【0022】合成例2 合成例1において、乳酸エチルの代わりにリンゴ酸ジエ
チルを用い、ラウリルブロマイドの代わりにミリスチル
ブロマイドを用いて、合成例1の方法に準じ、ポリオキ
シエチレン(POE)ミリスチルエーテルリンゴ酸ナト
リウム水溶液(P=2、収率68%)を得た。
【0023】合成例3 合成例1において、乳酸エチルの代わりにリンゴ酸ジエ
チルを用い、ラウリルブロマイドの代わりにステアリル
ブロマイドを用いて、合成例1の方法に準じ、ポリオキ
シエチレンステアリルエーテルリンゴ酸ナトリウム水溶
液(P=3、収率54%)を得た。
【0024】合成例4 合成例1において、乳酸エチルの代わりにクエン酸トリ
エチルを用い、ラウリルブロマイドの代わりにステアリ
ルブロマイドを用いて、合成例1の方法に準じ、ポリオ
キシエチレンステアリルエーテルクエン酸ナトリウム
(P=3、収率62%)を得た。
【0025】次に、前記で得られた各カルボン酸化合物
について、その界面活性剤としての評価を行った。この
場合の評価方法は、以下の通りである。 1.評価方法A(シャンプー用界面活性剤としての評価
方法) 1)起泡力 Cacl2を用いて硬度10°DHに調整した人工硬水
を使用し、pH5.5に調整した界面活性剤濃度0.9
wt%水溶液に、汚れ成分として、混合汚垢(ラノリン
/パラフィン/トリオレイン/トリステアリン=90/
4/4/2)0.2wt%を添加した溶液を20ml調
製し、100mlの栓付きエプトン管に入れ、室温にお
いて、20回、10秒間で振とうさせ、その1分後の泡
容積を測定した。 2)使用感触 毛束(30g)を用いて、pH5.5の各試料10wt
%溶液で、洗浄後、水道水ですすいでから、乾燥して、
毛束のしっとり感、及びさっぱり感について、官能評価
を行った。男女5名のパネラーの平均値を算出し、平均
値が2.5以上の場合を(○)、2.4〜1.5の場合
を(△)、1.4以下の場合を(×)と判定した。尚、
評価は以下の基準を用いた。 3:優れている 2:ふつう 1:劣る
【0026】2.評価方法B(衣類用界面活性剤として
の評価方法) 1)洗浄力 市販の「湿式人工汚染布」、[児玉化工(株)製]を用
いて下記の洗浄条件において評価した。評価用試料水溶
液900ミリリットルに、上記「湿式人工汚染布」:5
枚(5cm×5cm)と、チャージ布(綿メリヤス、5
cm×5cm、油性汚垢60mg/枚付着)で浴比30
倍とし、ターゴトメーターにて120rpmで洗浄し
た。 洗浄時間 10分 水の硬度 10°DH 水温 25℃ すすぎ 3分2回 洗浄力は汚染前の清浄布及び洗浄前後の汚染布の反射率
を色彩計(カールスツワイス社製)にて測定し、次式に
よって洗浄率(%)を求め、5枚の測定平均値を洗浄力
とした示した。 2)起泡力 評価用試料水溶液(300ミリリットル、温度25℃、
10°dH)に、有機汚垢10mg、チャージ布(綿メ
リヤス、5cm×5cm、油性汚垢60mg/枚付着)
を入れ、浴比30倍として、ターゴトメーターにて12
0rpm、5分洗浄、5秒後の泡高(mm)を測定し
た。
【0027】実施例1〜2、比較例1〜2 各種カルボン酸化合物について、その界面活性剤として
の性能評価を、前記評価方法Aで行った。その結果を表
1に示す。
【0028】
【表1】
【0029】実施例4〜5、比較例3〜6 各種化合物を用いて下記ヘビー用洗浄剤組成物を作り、
前記評価方法Bによってその化合物の性能評価を行っ
た。その結果を表2に示す。 ラウリルエトキシレート(p=10) 0.020(重量%) 試験化合物 0.015 アルカリビルダー(無水炭酸ナトリウム) 0.035
【0030】
【表2】
【0031】次に本発明の陰イオン界面活性剤を洗浄剤
成分として用いた具体的処方の例を示す。
【0032】 実施例6 ・シャンプー組成物 POEラウリルエーテル乳酸ナトリウム(P=3) 8(重量%) ポリオキシエチレン(P=3)ラウリルエーテル グリコール酸Na 4 椰子脂肪酸ジエタノールアミド 2 アルキルイミドゾリニウムベタイン 2 プロピレングリコール 5 色素、香料 適量 精製水 バランス ───────────────────────────────── pH(原液) 6.8 このシャンプーは、皮膚に対して低刺激性で、洗浄時の
泡立ちが豊かで、しかもすすぎ時の泡切れが良く、すす
ぎ後のさっぱり感があり、使用感触が良好であった。
【0033】 実施例7 ・ボディーソープ POEラウリルエーテル乳酸ナトリウム(P=3) 20(重量%) ラウリン酸カリウム 5 椰子脂肪酸ジエタノールアミド 2 エチレングリコール脂肪酸エステル 3 エタノール 3 プロピレングリコール 5 色素、香料 適量 精製水 バランス ───────────────────────────────── pH(原液) 5.5 このボディーソープは、皮膚に対して刺激が少なく、キ
メ細かく豊かな泡で、しかも、すすぎ時の泡切れも良
く、すすぎが容易で、すすぎ後の肌がさっぱりした感触
があり良好であった。
【0034】 実施例8 ・食器野菜用洗剤組成物 ポリオキシエチレンラウリルアルコール(p=10) 13(重量%) POEミリスチルエーテルリンゴ酸ナトリウム(P=3)12 ラウリン酸アミドプロピルトリメチルアミンキシド 3 エタノール 5 色素、香料 適量 精製水 バランス ───────────────────────────────── pH(原液) 7.5 この食器野菜用洗剤は、皮膚に対する刺激が少なく、洗
浄力、泡立ちが良好で、すすぎ時の泡切れも良好であっ
た。
【0035】 実施例9 ・液体毛糸用洗剤組成 ポリオキシエチレンラウリルアルコール(p=10) 10(重量%) POEステアリルエーテルリンゴ酸ナトリウム(P=3) 5 ラウリルアルコールエトキシサルフェート・ モノエタノールアミン塩 5 エタノール 2 色素、香料 適量 精製水 バランス ───────────────────────────────── pH(原液) 7.5 この毛糸用洗剤は、洗浄力、泡立ちが良好で、しかもす
すぎ時の泡切れが速く、すすぎが容易であった。
【0036】 実施例1 ・液体衣類用洗剤組成物 アルコールエトキシレート (合成二級アルコール、p=8) 20(重量%) アルコールエトキシレート (C12アルコール、p=12) 5 POEステアリルエーテルクエン酸ナトリウム(P=3) 7.5 トリエタノールアミン 3 塩化ナトリウム 1.5 エタノール 2 プロピレングリコール 3 色素、香料 適量 精製水 バランス ───────────────────────────────── pH(原液) 10.3 この液体ヘビー洗剤は、洗浄力が強く、洗浄時の泡立ち
にも優れ、皮膚に対して低刺激であった。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)で表される陰イオン界
    面活性剤。 【化1】 〔式中、Rは平均炭素数8〜30の直鎖もしくは分岐の
    アルキル基又はアルケニル基を示し、Aはエチレンオキ
    シド基、プロピレンオキシド基又はエチレンオキシド基
    及び/又はプロピレンオキシド基からなる平均付加モル
    数2〜20のポリアルキレンオキシド基を示し、XはH
    又はCH2COOMを示し、YはCH2COOM又はCH
    3を示し、Mは水素又は塩形成性陽イオンを示す〕
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の陰イオン界面活性剤の
    少なくとも1種を含有する洗浄剤組成物。
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