JPH11214666A - 増幅型光電変換素子及び増幅型固体撮像装置 - Google Patents

増幅型光電変換素子及び増幅型固体撮像装置

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JPH11214666A
JPH11214666A JP10016208A JP1620898A JPH11214666A JP H11214666 A JPH11214666 A JP H11214666A JP 10016208 A JP10016208 A JP 10016208A JP 1620898 A JP1620898 A JP 1620898A JP H11214666 A JPH11214666 A JP H11214666A
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gate region
photoelectric conversion
gate electrode
region
conversion element
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JP10016208A
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Hiroaki Kudo
裕章 工藤
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Original Assignee
Sharp Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 第2のゲート電極下にポテンシャルの尾根が
発生するのを有効に防止できる結果、第2のゲート電極
を有し、低電圧駆動により蓄積電荷を効率よく排出でき
る利点を生かしながら、画素構成の小型化及び高密度化
を図ることができる増幅型光電変換素子を提供する。 【解決手段】 第2のゲート電極3を第1のゲート電極
を囲む櫛形形状に形成し、これにより、第2のゲート電
極3に隣接するドレイン領域部6に印加される電位によ
り発生する電界のゲート電極3下に与える影響を小さく
して、第2のゲート電極3の一部領域下にポテンシャル
の尾根が発生しない領域を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、増幅型光電変換素
子及びこの増幅型光電変換素子がマトリクス状に配置さ
れた増幅型固体撮像装置に関し、より詳しくは、多画素
化及び小型化を図ることができる増幅型光電変換素子及
び増幅型固体撮像装置に関する。
【0002】
【従来の技術】固体撮像装置としては、現在、電荷結合
素子(CCD)型のものが主流であり、様々な分野に広
く利用されている。CCD型固体撮像装置では、フォト
ダイオード又はMOSダイオードで入射光を光電変換
し、蓄積された信号電荷をCCD転送チャネルを介して
高感度の電荷検出部へ導き、そこで電圧信号に変換する
構成をとっている。このため、CCD型固体撮像装置
は、S/N比が高く、出力電圧も大きいという特徴を有
している。
【0003】しかしながら、最近では、固体撮像装置の
小型化及び多画素化が要請されており、かかる要請に応
えるためには、画素サイズを小さくする必要がある。と
ころで、画素サイズを小さくすると、CCDの転送可能
な電荷量は次第に少なくなるため、ダイナミックレンジ
の低下が深刻な問題となる。また、CCD型固体撮像装
置では、素子全体を数相のクロックで駆動するため多画
素になるほど消費電力が急激に大きくなるという問題も
ある。
【0004】これらの問題に対処するため、最近では、
各画素で発生した信号電荷そのものを読み出さず、画素
内で信号電荷を増幅した後、走査回路により読み出す増
幅型固体撮像装置が提案されている。この構成によれ
ば、読み出しによる信号量の制限はなくなり、ダイナミ
ックレンジはCCD型固体撮像装置より有利となる。ま
た、駆動は信号読み出し画素を含む水平ラインと、垂直
ラインのみの駆動でよく、その電圧も低いため、消費電
力はCCD型固体撮像装置よりも少ない。
【0005】ここで、画素内での増幅にはトランジスタ
を用いるのが一般的であり、トランジスタの種類により
SIT型、バイポーラ型及びMOS型に分けられる。
【0006】ところで、読み出しのための走査回路は、
通常MOS型のトランジスタが構造が簡単で、かつ作製
が容易であるため、MOS型が好ましく、画素内で信号
電荷の増幅を行うトランジスタもMOS型にすると、増
幅型固体撮像装置をモノリシックに作製できるため、装
置全体の構成上有利である。
【0007】更に、MOS型の増幅型固体撮像装置のな
かでは画素内に単一のMOSトランジスタのみを含むも
のが画素密度を高める上で有利となる。
【0008】このタイプの増幅型固体撮像装置として、
TGMIS(Twin GateMOS Image
Sensor)型のものがあり、その一例として、本願
出願人が特開平8−78653号公報で先に提案したも
のがある。図13は、このTGMIS型の増幅型固体撮
像装置の画素構造、つまり、増幅型光電変換素子を示
す。但し、同図(a)は平面図、同図(b)は同図
(a)のA−A’線断面図であり、以下にその構造を説
明する。
【0009】P型の半導体基板1上には絶縁膜(図示せ
ず)を介して第1のゲート電極2及び第2のゲート電極
3が形成されている。第1のゲート電極2下の半導体基
板1の表面側にはN型(より詳しくは、N-型)ウェル
層4が形成され、このN型ウェル層4内に第1のゲート
電極2をゲートとするMOS型トランジスタのソース5
及びドレイン6となるN+拡散層が形成されている。
【0010】このような構成の増幅型光電変換素子にお
いて、第1のゲート電極2を貫いて入射した光hνは、
光電変換されて電子・正孔対を発生するが、電子はドレ
イン領域6に流出する。一方、正孔はN型ウェル層4の
中程に形成されるポテンシャルバリア及び第2のゲート
電極3下のポテンシャルバリアにより閉じ込められ、N
型ウェル層4の半導体/絶縁膜界面に蓄積されて信号電
荷となる。
【0011】そして、蓄積された信号電荷量に応じてN
型ウェル層4のポテンシャルが変化するので、この変化
量をソース5の電位変化として読み出し、出力信号とす
る。
【0012】信号電荷の排出は、第2のゲート電極3下
のポテンシャルバリアを引き下げてやれば、同図(b)
中に矢印で示す経路によりP型半導体基板1に流れるこ
とにより容易に達成される。即ち、信号電荷として蓄積
された正孔は、N型ウェル層4の表面からP型半導体基
板1に流れ込み、これで信号電荷のリセットが行われ
る。尚、本明細書では、一旦蓄積された信号電荷を排出
することをリセット動作と称する。
【0013】次に、図14(a)〜(c)に基づき上記
増幅型光電変換素子の信号蓄積動作、信号読み出し動作
及びリセット動作を今少し具体的に説明する。ここで、
同図(a)〜(c)の右側部分は、図13(b)のB−
B’線断面部、即ち、第1のゲート電極2下の深さ方向
ポテンシャル分布を示し、左側部分は図13(b)のC
−C’線断面部、即ち、第2のゲート電極3下の深さ方
向ポテンシャルを示している。
【0014】まず、図14(a)は信号電荷の蓄積時を
示す。第1のゲート電極2に低めの電圧VGA(L)を
印加し、第2のゲート電極3に中程の電圧VGB(M)
を印加する。第2のゲート電極3下には正孔に対して一
定値(半導体基板1がシリコンの場合は、〜0.5V:
以下ではシリコンの場合に限定して議論する。)以上の
ポテンシャルバリアΔφBが形成され、P型半導体基板
1からN型ウェル層4表面への正孔の流入を防止する。
【0015】さて、N型ウェル層4表面には光電変換に
より発生した正孔が信号電荷として蓄積され、同図
(a)の右側に示すように、N型ウェル層4表面のポテ
ンシャル分布を(1)から(2)へ引き上げる。N型ウ
ェル層4の表面ポテンシャルと第2のゲート電極3下の
表面ポテンシャルとの差ΔφABが大きい(>0.5
V)間は信号電荷は半導体基板1の表面に溜まるが、信
号電荷が蓄積されると、ポテンシャル分布が更に引き上
げられ、(3)で示す蓄積限界状態になる。
【0016】更に、信号電荷が蓄積され、限界値(〜
0.5V)を超えると、(3)に示すように、信号電荷
は第2のゲート電極3下のポテンシャルバリアを超えて
半導体基板1へ流出する。これにより、過剰電荷をオー
バーフローでき、ブルーミング抑圧が可能となる。な
お、(2)の時のN型ウェル層4のポテンシャル深さを
ΔφA(Sto)とする。
【0017】次に、図14(b)に基づき信号読み出し
動作について説明する。信号読み出し動作時には、第1
のゲート電極2に高めの電圧VGA(H)が印加され、
これにより第1のゲート電極2下のポテンシャル分布は
さらに引き上げられ、信号がゼロのときには(4)で示
すポテンシャル分布、信号蓄積時には(5)で示すポテ
ンシャル分布となる。なお、(4)の場合のN型ウェル
層4のポテンシャル深さをΔφA(Det)とする。こ
こで、VGA(H)の値は、ΔφA(Det)>ΔφA
(Sto)となるように選定される。
【0018】一方、第2のゲート電極3には高めの電圧
VGB(H)が印加されることにより、第2のゲート電
極3下には、信号蓄積時(5)のN型ウェル層4の表面
ポテンシャルに比べΔφAB(>0.5V)のポテンシ
ャルバリアが形成され、N型ウェル層4の表面からP型
半導体基板1への信号蓄積電荷の流入を防止する。
【0019】VGA(H)の値を、ΔφA(Det)>
ΔφA(Sto)の条件を満たすように設定すると、以
下に示す理由により、選択された画素の信号読み出しの
みが行われる。即ち、図13(a)に示すソース端子V
Sが複数の画素に共通接続されていても、特定のゲート
にVGA(H)が印加され、他のゲートにVGA(L)
が印加され、かつΔφA(Det)>ΔφA(Sto)
なる関係が成立する限り、検出されるソース電位はVG
A(H)がゲートに印加されたソース端子の値となるか
らである。
【0020】次に、図14(c)に基づきリセット動作
について説明する。リセット動作時には、第1のゲート
電極2には高めの電圧、例えば、信号読み出し時と同じ
VGA(H)を印加する。第2のゲート電極3には中程
の電圧、例えば、信号蓄積時と同じVGB(M)を印加
する。このとき、第2のゲート電極3下のポテンシャル
は、信号ゼロ時((4)’参照)のN型ウェル層4の表
面ポテンシャルより十分低い値(−ΔφAB)となる。
【0021】このため、N型ウェル層4表面の信号電荷
(正孔)は全て、第2のゲート電極3下を通り、P型半
導体基板1に排出される。即ち、リセット動作が達成さ
れる。これにより、一度画像情報がクリアされ、次の画
像情報の蓄積動作へ移ることが可能となる。更に、この
リッセト動作を光積分期間の中程で行えば、それまでの
画像情報がクリアされるため、それ以降の情報のみ蓄積
する、いわゆるシャッタ動作をすることができる。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、本願出
願人が先に提案した上記のTGMIS型の増幅型光電変
換素子において、画素密度を高めるために、画素面積を
小さくしていくと、以下に述べる問題点が生じる。図1
5及び図16に基づきこの問題点を説明する。但し、図
15はTGMIS型の増幅型光電変換素子の断面構造を
示し、図16は図15のB−B’線断面部、即ち、第1
のゲート電極2下の深さ方向ポテンシャル分布(右側)
及びC−C’線断面部、即ち、第2のゲート電極3下の
深さ方向ポテンシャル(左側)を示す。
【0023】上記構成のTGMIS型の増幅型光電変換
素子において、一層の高画素密度化及び小型化を図らん
とすれば、図15に示す第2のゲート電極3の幅を小さ
くし、かつ出力信号を検出するソース5とドレイン6と
の間隔を小さくして行く必要があるが、そうすると、リ
セット動作において、蓄積電荷が排出される経路にソー
ス5とドレイン6に印加されている電位に起因して(よ
り詳しくは、これに起因する電界に起因して)、図15
に示す3次元的なポテンシャルの尾根7が形成される。
【0024】この結果、第1のゲート電極2下の表面ポ
テンシャルよりも第2のゲート電極3下の表面ポテンシ
ャルバリアを低くしても、図16に示すように、第2の
ゲート電極3下のポテンシャル分布での表面と半導体基
板1との中程に上述のポテンシャルの尾根7が形成され
るため、蓄積電荷が半導体基板1へ完全に排出されない
リセット不良が生じる。このようなリセット不良が発生
すると、残像現象を引き起こすので、良好な画像情報を
得ることができる増幅型固体撮像装置を実現することが
できない。
【0025】上記のような、ポテンシャルの尾根7が形
成されないためには、ソース5とドレイン6の電位を5
Vとした場合、第2のゲート電極3の幅を、例えば3.
5μm以上にする必要があるので、増幅型光電変換素子
の高画素密度化及び小型化を図ることが困難になる。
【0026】図17は、以下に示す条件の増幅型光電変
換素子でリセット動作時のポテンシャル分布のシュミレ
ーションを行った結果を示す。
【0027】(条件) 基板濃度 :1.0×1015cm-3 N層濃度 :3.0Δ1015cm-3 第1ゲート電極幅 :2.0μm 第2ゲート電極幅 :1.5μm ドレイン電圧VD :5.0V 第1ゲート電極電圧VGA:5.0V 第2ゲート電極電圧VGB:2.0V このシュミレーション結果からも第2のゲート電極3下
に、ポテンシャルの尾根7が形成され、画素部の小型化
に伴ってリセット不良の問題が生じることが判る。
【0028】本発明は、このような現状に鑑みてなされ
たものであり、第2のゲート電極下にポテンシャルの尾
根が発生するのを有効に防止できる結果、第2のゲート
電極を有し、低電圧駆動により蓄積電荷を効率よく排出
できる利点を生かしながら、画素構成の小型化及び高画
素密度化を図ることができる増幅型光電変換素子及びこ
の増幅型光電変換素子をマトリクス状に備え、リセット
不良を完全になくせる結果、残存現象のない良好な画像
情報を得ることができる増幅型固体撮像装置を提供する
ことを目的とする。
【0029】
【課題を解決するための手段】本発明の増幅型光電変換
素子は、半導体基体上に形成されたMOS型トランジス
タの第1のゲート領域で光電変換し、該第1のゲート領
域に蓄積された信号電荷による該MOS型トランジスタ
のポテンシャル変化を低抵抗拡散層よりなるソース領域
及びドレイン領域によりセンサ出力とする増幅型光電変
換素子であって、該第1のゲート領域に隣接して第2の
ゲート領域が形成され、該第2のゲート領域を介して該
第1のゲート領域に蓄積された信号電荷を排出するよう
に構成された増幅型光電変換素子において、該第2のゲ
ート領域の形状が該第1のゲート領域を囲む形状に構成
されており、そのことにより上記目的が達成される。
【0030】好ましくは、前記第1のゲート領域が平面
視正方形状をなし、前記第2のゲート領域が該第1のゲ
ート領域の3辺を囲む櫛形形状である構成とする。
【0031】また、本発明の増幅型光電変換素子は、半
導体基体上に形成されたMOS型トランジスタの第1の
ゲート領域で光電変換し、該第1のゲート領域に蓄積さ
れた信号電荷による該MOS型トランジスタのポテンシ
ャル変化を低抵抗拡散層よりなるソース領域及びドレイ
ン領域によりセンサ出力とする増幅型光電変換素子であ
って、該第1のゲート領域に隣接して第2のゲート領域
が形成され、該第2のゲート領域を介して該第1のゲー
ト領域に蓄積された信号電荷を排出するように構成され
た増幅型光電変換素子において、該第1のゲート領域下
のポテンシャル変動を検出するためのドレイン用N+
散層が該第1のゲート領域の少なくとも一部に隣接する
ように形成され、該第1のゲート領域の隣接部以外を該
第2のゲート領域が囲むように構成されており、そのこ
とにより上記目的が達成される。
【0032】好ましくは、前記第2のゲート領域を隣接
する画素間で共有する構成とする。
【0033】また、好ましくは、前記第1のゲート領域
の下に、第1導電型のウェル層が形成され、且つ該ウェ
ル層の表面部に第2導電型の半導体層が形成され、該半
導体層は少なくともリセット動作時に空乏化される構成
とする。
【0034】また、本発明の増幅型固体撮像装置は、請
求項1〜請求項5記載の増幅型光電変換素子がマトリク
ス状に配置されて構成されており、そのことにより上記
目的が達成される。
【0035】好ましくは、請求項6記載の増幅型固体撮
像装置であって、画素部が行ごとに水平ピッチの1/2
ずつずらして配置され、前記ドレイン及び前記第2のゲ
ート領域が2行単位でジグザグ状に配置されている構成
とする。
【0036】以下に、本発明の作用を図1に基づき具体
的に説明する。
【0037】図1(a)に示すように、第1のゲート領
域(第1のゲート電極)2に隣接する第2のゲート領域
(第2のゲート電極)3の形状を、第1のゲート領域2
を囲む形状、例えば、櫛形形状に形成すると、以下に示
す理由により上記のポテンシャルの尾根は発生しない。
【0038】即ち、このような構成によれば、第2のゲ
ート電極3に隣接するドレイン領域部6に印加される電
位により発生する電界が第2のゲート電極3下へ影響す
る距離が一定となり、つまり、ドレイン領域部6から離
れた部分のゲート電極3下では電界による影響が小さく
なり、これは、実効的に第2のゲート領域長が大きくな
ったのと同じ効果をもたらす。このため、第2のゲート
領域3の一部領域下にポテンシャルの尾根が発生しない
領域が形成されることになるからである。よって、本発
明の構成によれば、リセットチャネルを確保することが
可能となるので、リセット不良の問題を確実に解消でき
る。
【0039】この結果、本発明によれば、多画素化及び
高画素密度化を図ることができる増幅型固体撮像装置を
実現できるのみならず、同一の画素サイズで比較した場
合、従来例のTGMIS型の増幅型固体撮像装置よりも
第1のゲート電極のゲート長を長くできるので、その
分、出力信号を大きく取り出すことが可能になる。
【0040】なお、本発明でいう半導体基板とは、図1
に示すようなP型半導体基板1及び基板厚みが厚く、そ
の表層部にウェル層が形成されたものの双方を含む概念
である。
【0041】また、第1のゲート領域下のポテンシャル
変動を検出するためのドレイン用N+拡散層が第1のゲ
ート領域に隣接するように少なくとも一部に形成し、そ
の隣接部以外を第2のゲート領域で囲む構成によって
も、第2のゲート領域長が長くなったのと同等の効果を
もたらすため、ポテンシャルの尾根の発生を抑止してリ
セットチャネルを確保することが可能となるので、リセ
ット不良の問題を確実に解消できる。
【0042】また、第1のゲート領域に隣接し、これを
囲むように形成された第2のゲート領域を、例えば、隣
接する画素間で共通化する構成によれば、ドレイン領域
に印加される電位による第2のゲート領域下のポテンシ
ャルヘの影響を更に実効的に低減できるので、第2のゲ
ート領域下に形成されるポテンシャルの尾根の発生を更
に一層効果的に抑止することが可能となる。
【0043】加えて、この構成によれば、隣接する画素
間で第2のゲート領域部が共通化されていることによ
り、画素サイズの小型化を更に一層図ることができる。
或いは、同一の画素サイズで比較した場合、より以上に
第1のゲート長を長くすることができるので、出力信号
をより一層大きく取り出すことが可能になる。
【0044】また、第1のゲート領域の下に、第1導電
型のウェル層が形成され、且つウェル層の表面部に第2
導電型の半導体層が形成され、半導体層は少なくともリ
セット動作時に空乏化される構成によれば、正電圧駆動
のみで動作できる増幅型光電変換素子を実現できる。
【0045】また、本発明の増幅型固体撮像装置によれ
ば、リセット不良を完全になくせる結果、残存現象のな
い良好な画像情報を得ることができる増幅型固体撮像装
置を実現できる。
【0046】更に、画素部が行ごとに水平ピッチの1/
2ずつずらして配置され、ドレイン及び第2のゲート領
域が2行単位でジグザグ状に配置されている構成の増幅
型固体撮像装置によれば、より一層の多画素化及び高画
素密度化が可能になる。
【0047】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を図面
に基づき具体的に説明する。
【0048】(増幅型光電変換素子の実施形態1)図1
及び図2は本発明増幅型光電変換素子の実施形態1を示
す。まず、図1(a)、(b)に基づき本実施形態1の
増幅型光電変換素子の構成について説明する。但し、同
図(a)は増幅型光電変換素子の画素構成を示す平面
図、同図(b)は同図(a)のA−A’線断面図であ
る。
【0049】P型半導体基板(基板濃度:1.0×10
15/cm3)1上には、N型(より詳しくは、N-型)半
導体ウェル層(ウェル濃度:3.0×1015/cm3
4が形成され、その上に、酸化膜からなる絶縁膜を介し
て第1のゲート領域となる第1のゲート電極(N+Po
ly Si:60nm、酸化膜厚:80nm)2が形成
されている。同図(a)に示すように、第1のゲート電
極2は平面視正方形状に形成されている。なお、以下で
は、N-型半導体ウェル層4は単にN型ウェル層と称す
る。
【0050】加えて、P型半導体基板1上のN型ウェル
層4に隣接する部分には、酸化膜からなる絶縁膜を介し
て第2のゲート領域となる第2のゲート電極(N+Po
lySi:450nm、酸化膜厚:80nm)3が形成
されている。ここで、同図(a)に示すように、第2の
ゲート電極3は、第1のゲート電極2の3辺を囲むよう
に平面視櫛形形状に形成されている。
【0051】また、N型ウェル層4内には、第1のゲー
ト電極2をゲートとするMOS型トランジスタのソース
5及びドレイン6となるN+拡散層が形成されている。
【0052】次に、この増幅型光電変換素子の動作につ
いて説明する。第1のゲート電極2を貫いて入射した光
hνは、N型ウェル層4内の光電変換領域において、光
電変換され、電子・正孔対を発生する。電子はドレイン
領域6へ流出し、正孔はN型ウェル層4の中程に形成さ
れるポテンシャルバリア及び第2のゲート電極3下に形
成されるポテンシャルバリアにより閉じ込められ、第1
のゲート領域2の半導体/絶縁膜界面に蓄積されて信号
電荷となる。そして、蓄積された信号電荷量に応じてN
型ウェル層4のポテンシャルが変化する量を、ソース5
の電位変化として読み出し、出力信号とする。
【0053】信号電荷の排出は、第2のゲート電極3下
のポテンシャルバリアを引き下げてやれば、同図(b)
中に矢印で示す経路により第2のゲート電極3下を通
り、P型半導体基板1に排出される。
【0054】ここで、本実施形態1の増幅型光電変換素
子によれば、上記のポテンシャルの尾根は、第2のゲー
ト領域3の半導体表面とP型半導体基板1の中程との間
には形成されない。その理由は、第2のゲート電極3が
第1のゲート電極を囲む櫛形形状に形成されており、第
2のゲート電極3に隣接するドレイン領域部6に印加さ
れる電位により発生する電界が第2のゲート電極3下へ
影響する距離が一定となり、つまり、ドレイン領域部6
から離れた部分のゲート電極3下では電界による影響が
小さくなり、これは、実効的に第2のゲート領域長が大
きくなったのと同じ効果をもたらす。このため、第2の
ゲート領域3の一部領域下にポテンシャルの尾根が発生
しない領域が形成されることになるからである。よっ
て、本実施形態2の増幅型光電変換素子によれば、リセ
ットチャネルを確保することが可能となる。
【0055】ここで、リセットチャネルは、2次元平面
上の第2のリセット領域の全領域に形成される必要はな
く、第1のゲート領域2に蓄積された信号電荷の全てを
P型半導体基板1に排出できる一部の領域に形成できさ
えすればよい。
【0056】図2は、以下に示す条件の増幅型光電変換
素子でリセット動作時のポテンシャル分布のシュミレー
ションを行った結果を示す。
【0057】(条件) 基板濃度 :1.0×1015cm-3 N層濃度 :3.0×1015cm-3 第1のゲート電極幅 :1.0μm 第2のゲート電極幅 :1.0μm ドレイン領域Xj :0.3μm ドレイン電圧VD :5.0V 第1ゲート電圧VGA :5.0V 第2ゲート電圧VGB :2.0V このシュミレーション結果によれば、第2のゲート電極
3下にポテンシャルの尾根は形成されず、第2のゲート
電極幅を1μmまで縮小化しても動作可能であり、か
つ、リセット不良なく信号電荷をP型半導体基板1に排
出できることを確認できた。
【0058】(増幅型固体撮像装置の実施形態1)図3
は、実施形態1の増幅型光電変換素子10をマトリクス
状に配置した増幅型固体撮像装置の実施形態1を示す。
以下にその概略回路構成を説明する。
【0059】図3に示すように、各増幅型光電変換素子
10には、読み出しクロックライン14、リセットクロ
ックライン15及び信号線16が接続されている。読み
出しクロックライン14には、第1の垂直走査回路12
からクロック信号が印加される。また、リセットクロッ
クライン15には、第2の垂直走査回路13からのクロ
ック信号が与えられる。信号線16の一端には水平走査
回路11が接続されている。
【0060】このような、概略回路構成からなる増幅型
固体撮像装置によれば、上記作用を奏する増幅型光電変
換素子をマトリクス状に備えているので、リセット不良
による残像現象をなくすことができる。よって、良好な
画像情報を得ることが可能な増幅型固体撮像装置を実現
することができる。
【0061】(増幅型光電変換素子の実施形態2)図4
及び図5は本発明増幅型光電変換素子の実施形態2を示
す。まず、図4(a)、(b)に基づき本実施形態2の
増幅型光電変換素子の構成について説明する。但し、同
図(a)は増幅型光電変換素子の画素部の平面図、同図
(b)は同図(a)のA−A’線断面図である。
【0062】P型半導体基板(基板濃度:1.0×10
15/cm3)1上には、N型ウェル層(ウェル濃度:
3.0×1015/cm3)4が形成され、その上に、酸
化膜からなる絶縁膜を介して第1のゲート領域となる第
1のゲート電極(N+PolySi:60nm−、酸化
膜厚:80nm)2が形成されている。
【0063】P型半導体基板1上のN型ウェル層4に隣
接する部分には、酸化膜からなる絶縁膜を介して第2の
ゲート領域となる第2のゲート電極(N+Poly S
i:450nm、酸化膜厚:80nm)3が形成されて
いる。
【0064】加えて、第1のゲート電極2下に蓄積され
る信号電荷量に応じたN型ウェル層4のポテンシャル変
化量を検出し、第1のゲート電極2をゲートとするMO
S型トランジスタのドレイン領域6をN+拡散層により
第1のゲート電極2に隣接してN型チャネルを形成する
ように形成する。
【0065】より具体的には、図4(a)に示すよう
に、本実施形態2の第1ゲート電極2は、縦方向に隣接
する画素間において、横方向に延びる部分を有してお
り、この横方向延出部間の小さな領域(実施形態1のド
レイン領域よりも小さな領域)、即ち一部の領域にN+
拡散層からなるドレイン領域6が形成されている。
【0066】また、N型ウェル層4内には、MOS型ト
ランジスタのソース5となるN+拡散層も併せて形成さ
れている。
【0067】本実施形態2においても、同図(a)に示
すように、第1のゲート電極2は平面視正方形状に形成
されており、この第1のゲート電極2を囲むように、ド
レイン領域6を除く部分に全体として櫛形形状をなす第
2のゲート電極3が形成されている。
【0068】次に、本実施形態2の増幅型光電変換素子
の動作について説明する。
【0069】実施形態1同様に、第1のゲート電極2を
貫いて入射した光hνは、N型ウェル層4の光電変換領
域において光電変換されて電子・正孔対を発生する。電
子はドレイン領域6へ流出し、正孔はN型ウェル層4の
中程に形成されるポテンシャルバリア及び第2のゲート
電極3下に形成されるポテンシャルバリアにより閉じ込
められ、第1のゲート領域2の半導体/絶縁膜界面に蓄
積されて信号電荷となる。そして、この信号蓄積電荷量
に応じてN型ウェル層4のポテンシャルが変化する量
を、ソース5の電位変化として読み出し、出力信号とし
ている。
【0070】信号電荷の排出は、第2のゲート電極3下
のポテンシャルバリアを引き下げてやれば、信号電荷
は、図4(b)中に矢印で示す経路により第2のゲート
電極3下を通り、P型半導体基板1に排出される。
【0071】ここで、本実施形態2では、その形状によ
り、第2のゲート電極3が第1のゲート電極2を実施形
態1以上に多くの範囲にわたって囲むように構成されて
おり、隣接するドレィン領域部6に印加される電位によ
り発生する電界が第2のゲート電極3下へ影響する距離
が一定であり、つまり、ドレイン領域部6から離れた部
分のゲート電極3下では電界による影響が小さくなり、
実効的に第2のゲート領域長がさらに大きくなったのと
同じ効果をもたらすので、第2のゲート領域の一部領域
下に上記のポテンシャルの尾根が発生しない領域が形成
されることになる。
【0072】よって、本実施形態2の構成によっても、
この領域にリセットチャネルを確保することができる。
なお、本実施形態2においても、リセットチャネルは一
部の領域に形成しさえすればよい。
【0073】また、第1のゲート電極2下の信号蓄積電
荷量に応じたポテンシャルの変化量を検出するチャネル
も第1のゲート電極2下の一部に形成されればよく、ド
レイン領域6をストライプ状に形成する必要性はない。
【0074】このことから、より多くの第1のゲート領
域2の周囲領域を第2のゲート領域3で囲むことによ
り、一層の第2のゲート領域3下に影響を及ぼすドレイ
ン領域6からの印加電位による電界をより効率よく抑止
することが可能となるので、第2のゲート領域3下部に
より一層確実にリセットチャネルを形成することが可能
となる。
【0075】図5は、以下に示す条件の増幅型光電変換
素子でリセット動作時のポテンシャル分布のシュミレー
ションを行った結果を示す。
【0076】(条件) 基板濃度 :1.0×1015cm-3 N層濃度 :3.0×1015cm-3 第1のゲート電極幅 :1.0μm 第2のゲート電極幅 :1.0μm ドレイン領域Xj :0.3μm ドレイン電圧VD :5.0V 第1ゲート電圧VGA:5.0V 第2ゲート電圧VGB:2.0V このシュミレーション結果からも、第2のゲート電極3
下にポテンシャルの尾根が形成されず、第2のゲート電
極幅を1μmまで縮小化しても動作可能であり、かつ、
リセット不良なく動作させることが可能であることを確
認できた。
【0077】以上の本実施形態2では、図4(a)中に
ハッチングの方向を違えて示すように、第2のゲート電
極3を(i)ラインと、これに隣接する(i+1)ライ
ンとで別のレイヤーで構成、つまり、2層方式で構成し
ているが、図6に示すように同一レイヤーにより形成す
ることも可能である。なお、図6において、図4(a)
と対応する部分には同一の符号を付してある。
【0078】(増幅型光電変換素子の実施形態3)図7
及び図8は本発明増幅型光電変換素子の実施形態3を示
す。まず、図7(a)、(b)に基づき本実施形態2の
増幅型光電変換素子の構成について説明する。但し、同
図(a)は増幅型光電変換素子の画素部の平面図、同図
(b)は同図(a)のA−A’線断面図である。
【0079】実施形態1同様、P型半導体基板(基板濃
度:1.0×1015/cm3)1上には、N型ウェル層
(ウェル濃度:3.0×1015/cm3)4が形成さ
れ、その上に、酸化膜からなる絶縁膜を介して第1のゲ
ート領域となる第1のゲート電極(N+Poly S
i:60nm、酸化膜厚:80nm)2が形成されてい
る。
【0080】また、P型半導体基板1上には、N型ウェ
ル層4に隣接して、酸化膜からなる絶縁膜を介して、第
2のゲート領域となる第2のゲート電極(n+Poly
Si:450nm、酸化膜厚:80nm)3が、縦方
向に隣接する画素に共通に形成されている。即ち、この
方向に隣接する画素で第2のゲート電極を共有してい
る。
【0081】加えて、N型ウェル層4内にはMOS型ト
ランジスタのソース5及びドレイン6となるN+拡散層
が形成されている。本実施形態3においても、平面視正
方形状をなす第1のゲート電極2は、第2のゲート電極
3によって囲まれている。
【0082】次に、本実施形態3の増幅型光電変換素子
の動作について説明する。
【0083】実施形態1同様、第1のゲート電極2を貫
いて入射した光hνは、N型ウェル層4の光電変換領域
において光電変換されて、電子・正孔対を発生する。電
子はドレイン領域6へ流出し、正孔はN型ウェル層4の
中程に形成されるポテンシャルバリア及び第2のゲート
電極3下に形成されるポテンシャルバリアにより閉じ込
められ、第1のゲート領域2の半導体/絶縁膜界面に蓄
積されて信号電荷となる。そして、上記同様に、蓄積さ
れた信号電荷量に応じてN型ウェル層4のポテンシャル
が変化する量を、ソース5の電位変化として読み出し、
出力信号としている。
【0084】信号電荷の排出は、第2のゲート電極3下
のポテンシャルバリアを引き下げてやれば、図7(b)
中に矢印で示す経路により第2のゲート電極3下を通
り、P型半導体基板1に排出される。
【0085】ここで、本実施形態3によっても、第2の
ゲート電極3が第1のゲート電極2を囲んでおり、上記
同様の理由により、第2のゲート領域3の一部領域下に
ポテンシャルの尾根が発生しない領域が形成されるの
で、リセットチャネルを確保することが可能となる。
【0086】図8は、以下に示す条件の増幅型光電変換
素子でリセット動作時のポテンシャル分布のシュミレー
ションを行った結果を示す。
【0087】(条件) 基板濃度 :1.0×1015cm-3 N層濃度 :3.0×1015cm-3 第1のゲート電極幅 :1.0μm 第2のゲート電極幅 :1.0μm ドレイン領域Xj :0.3μm ドレイン電圧VD :5.0V 第1ゲート電圧VGA:5.0V 第2ゲート電圧VGB:2.0V このシュミレーション結果からも第2のゲート電極3下
にポテンシャルの尾根が形成されず、第2のゲート電極
幅を1μmまで縮小化することが可能であり、かつ、リ
セット不良なく動作させることが可能であることが確認
できた。
【0088】加えて、本実施形態3では、第2のゲート
電極3を縦方向に隣接する画素で共通配置させているの
で、実施形態1、実施形態2以上に画素領域の縮小化及
び高密度化を容易に行える利点がある。
【0089】なお、図9は本実施形態3の変形例を示
す。この変形例では、縦方向に隣接する画素で共有化し
た第2のゲート電極3と、このゲート電極3と横方向に
隣接するゲート電極3とを接続した構成をとっている。
この変形例によれば、第1のゲート電極2を囲む領域を
更に大きくできる利点がある。
【0090】(増幅型固体撮像装置の実施形態2)図1
0は本発明増幅型固体撮像装置の実施形態2を示す。こ
の増幅型固体撮像装置は、図10に示すように、各増幅
型光電変換素子を構成する第1のゲート電極2及び第2
のゲート電極3を共に縦方向に隣接する画素間で共通接
続し、且つ横方向に隣接する画素間で、これらを1/2
(半ピッチ)ずつシフトして配置させ、且つドレイン6
及び第2のゲート領域3が2行単位でジグザグ状に配置
される構成になっている。
【0091】この構成によれば、同一面積の半導体基板
に対して、実施形態1〜実施形態3の増幅型光電変換素
子に比べてより多くの増幅型光電変換素子を配置できる
ので、より一層の高密度化が可能になる増幅型固体撮像
装置を実現できる利点がある。
【0092】加えて、この構成によれば、上記従来の画
素を格子状に配列するものに比べて空間的な解像度を向
上できる利点もある。
【0093】(増幅型光電変換素子の実施形態4)図1
1及び図12は本発明増幅型光電変換素子の実施形態4
を示す。まず、図11(a)、(b)に基づき本実施形
態4の増幅型光電変換素子の構成について説明する。但
し、同図(a)は増幅型光電変換素子の画素部の平面
図、同図(b)は同図(a)のA−A’線断面図であ
る。
【0094】上記各実施形態同様に、P型半導体基板
(基板濃度:1.0×1015/cm3)1上には、N型
ウェル層(ウェル濃度:3.0×1015/cm3)4が
形成され、その上に、酸化膜からなる絶縁膜を介して第
1のゲート領域となる第1のゲート電極(N+Poly
Si:60nm、酸化膜厚:80nm)2が形成され
ている。
【0095】また、N型ウェル層4の半導体基板1の表
面領域部には、P型半導体表面層(濃度:5.0×10
16/cm3、Xj:0.5μm)8が形成され、その上
に、酸化膜からなる絶縁膜を介して第2のゲート領域と
なる第2のゲート電極(N+Poly Si:450n
m、酸化膜厚:80nm)3がN型ウェル層4に隣接し
て形成されている。
【0096】同図(a)に示すように、本実施形態4に
おいても、第1のゲート領域2は平面視正方形状に形成
され、その3辺を囲むように、第2のゲート領域3が櫛
形形状に形成されている。
【0097】加えて、P型半導体表面層8内には、第1
のゲート電極2をゲートとするMOS型トランジスタの
ソース5及びドレイン6用のN+拡散層が形成されてい
る。
【0098】上記構造の増幅型光電変換素子の動作原理
は、本願出願人が、例えば、特開平8−78653号公
報で先に提案したTGMIS型の増幅型光電変換素子と
同様であり、動作駆動電圧を正電圧駆動のみで動作させ
ることが可能となるように構成された増幅型光電変換素
子である。
【0099】次に、本実施形態4の増幅型光電変換素子
の動作について説明する。実施形態1同様に第1のゲー
ト電極2を貫いて入射した光hνは、N型ウェル層4の
光電変換領域において光電変換されて電子・正孔対を発
生する。電子はドレイン領域6へ流出し、正孔はN型ウ
ェル層4の中程に形成されるポテンシャルバリア及び第
2のゲート電極3下に形成されるポテンシャルバリアに
より閉じ込められ、第1のゲート領域2の半導体中程に
形成されるポテンシャルポケットに蓄積されて信号電荷
となる。そして、この信号蓄積電荷量に応じてN型ウェ
ル層4のポテンシャルが変化する量を、同様にソース5
の電位変化として読み出し、出力信号とする。
【0100】信号電荷の排出は、第2のゲート電極3下
のポテンシャルバリアを引き下げてやれば、同図(b)
中に矢印で示す経路により第2のゲート電極3下を通
り、P型半導体基板1に排出される。
【0101】本実施形態4においても、上記同様の理由
により、第2のゲート領域3の半導体表面とP型半導体
基板1の中程にポテンシャルの尾根は発生しない。ま
た、本実施形態4においても、リセットチャネルは、2
次元平面上の第2のリセット領域3の全領域に形成する
必要はない。
【0102】本実施形態4においては、P型半導体表面
層8は、少なくとも信号電荷のリセット時には空乏化さ
れるようになっている。
【0103】図12は、以下に示す条件の増幅型光電変
換素子でリセット動作時のポテンシャル分布のシュミレ
ーションを行った結果を示す。
【0104】(条件) 基板濃度 :1.0×1015cm-3 N層濃度 :3.0×1015cm-3 P層濃度 :3.0×1016cm-3 第1のゲート電極幅 :1.0μm 第2のゲート電極幅 :1.0μm ドレイン領域Xj :0.3μm ドレイン電圧VD :5.0V 第1ゲート電圧VGA:5.0V 第2ゲート電圧VGB:2.0V このシュミレーション結果からも第2のゲート電極3下
にポテンシャルの尾根が形成されることなく、第2のゲ
ート電極幅を1μmまで縮小化しても動作可能であり、
かつ、リセット不良なく動作させることが可能であるこ
とが確認できた。
【0105】
【発明の効果】以上の本発明増幅型光電変換素子によれ
ば、第2のゲート領域が第1のゲート領域によって囲ま
れているので、従来例で問題となっていたポテンシャル
の尾根が信号電荷を半導体基体に排出する経路に発生す
ることがない。よって、本発明増幅型光電変換素子によ
れば、信号電荷を半導体基体に確実にリセットできるの
で、この増幅型光電変換素子がマトリクス状に配置され
る増幅型固体撮像装置の高画素化及び高密度化を一層促
進することが可能になる結果、増幅型固体撮像装置の小
型化に大いに寄与できる。
【0106】また、本発明増幅型光電変換素子によれ
ば、同一の画素サイズで比較した場合、従来例のTGM
IS型の増幅型固体撮像装置よりも第1のゲート電極の
ゲート長を長くできるので、その分、出力信号を大きく
取り出すことが可能になる。
【0107】また、特に請求項4記載の増幅型光電変換
素子によれば、第1のゲート領域に隣接し、これを囲む
ように形成された第2のゲート領域を、隣接する画素間
で共通化する構成をとり、ドレイン領域に印加される電
位による第2のゲート領域下のポテンシャルヘの影響を
更に実効的に低減できるので、第2のゲート領域下に形
成されるポテンシャルの尾根の発生を更に一層効果的に
抑止することが可能となる。
【0108】加えて、この構成によれば、隣接する画素
間で第2のゲート領域部が共通化されていることによ
り、画素サイズの小型化を更に一層図ることができる。
或いは、同一の画素サイズで比較した場合、より以上に
第1のゲート長を長くすることができるので、出力信号
をより一層大きく取り出すことが可能になる。
【0109】また、特に請求項5記載の増幅型光電変換
素子によれば、第1のゲート領域の下に、第1導電型の
ウェル層が形成され、且つウェル層の表面部に第2導電
型の半導体層が形成され、半導体層は少なくともリセッ
ト動作時に空乏化される構成をとるので、正電圧駆動の
みで動作できる増幅型光電変換素子を実現できる。
【0110】また、本発明の増幅型固体撮像装置によれ
ば、リセット不良を完全になくせる結果、残存現象のな
い良好な画像情報を得ることができる増幅型固体撮像装
置を実現できる。
【0111】また、特に請求項7記載の増幅型固体撮像
装置によれば、画素部が行ごとに水平ピッチの1/2ず
つずらして配置され、ドレイン及び第2のゲート領域が
2行単位でジグザグ状に配置されている構成をとるの
で、より一層の多画素化及び高画素密度化が可能にな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明増幅型光電変換素子の実施形態1を示
す、(a)は画素平面図、(b)は(a)のA−A’線
断面図。
【図2】実施形態1の増幅型光電変換素子におけるリセ
ット動作時のポテンシャル分布のシュミレーション結果
を示す断面図。
【図3】実施形態1の増幅型光電変換素子がマトリクス
状に配置された増幅型固体撮像装置の実施形態1を示す
回路図。
【図4】本発明増幅型光電変換素子の実施形態2を示
す、(a)は画素平面図、(b)は(a)のA−A’線
断面図。
【図5】実施形態2の増幅型光電変換素子におけるリセ
ット動作時のポテンシャル分布のシュミレーション結果
を示す断面図。
【図6】実施形態2の増幅型光電変換素子の変形例を示
す画素平面図。
【図7】本発明増幅型光電変換素子の実施形態3を示
す、(a)は画素平面図、(b)は(a)のA−A’線
断面図。
【図8】実施形態3の増幅型光電変換素子におけるリセ
ット動作時のポテンシャル分布のシュミレーション結果
を示す断面図。
【図9】実施形態3の増幅型光電変換素子の変形例を示
す断面図。
【図10】増幅型固体撮像装置の実施形態2を示す画素
平面図。
【図11】本発明増幅型光電変換素子の実施形態4を示
す、(a)は画素平面図、(b)は(a)のA−A’線
断面図。
【図12】実施形態4の増幅型光電変換素子におけるリ
セット動作時のポテンシャル分布のシュミレーション結
果を示す断面図。
【図13】本願出願人が先に提案したTGMIS型の増
幅型固体撮像装置を示す、(a)は画素平面図、(b)
は(a)のA−A’線断面図。
【図14】図13(b)のB−B’線断面部及びC−
C’線断面部のポテンシャル分布を示す図であり、
(a)は信号蓄積動作を、(b)は信号検出動作を、
(c)はリセット動作をそれぞれ示す。
【図15】TGMIS型の増幅型固体撮像装置の問題点
を示す素子断面図。
【図16】図15のB−B’線断面部及びC−C’線断
面部の深さ方向ポテンシャルを示す図。
【図17】図15の増幅型固体撮像装置におけるリセッ
ト動作時のポテンシャル分布のシュミレーション結果を
示す断面図。
【符号の説明】
1 P型半導体基板 2 第1のゲート電極(第1のゲート領域) 3 第2のゲート電極(第2のゲート領域) 4 N-型半導体ウェル層 5 ソース 6 ドレイン 7 ポテンシャルの尾根 8 P型半導体表面層 10 増幅型光電変換素子 11 水平走査回路 12 第1の垂直走査回路 13 第2の垂直走査回路 14 読み出しクロックライン 15 リセットクロックライン 16 信号線

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基体上に形成されたMOS型トラ
    ンジスタの第1のゲート領域で光電変換し、該第1のゲ
    ート領域に蓄積された信号電荷による該MOS型トラン
    ジスタのポテンシャル変化を低抵抗拡散層よりなるソー
    ス領域及びドレイン領域によりセンサ出力とする増幅型
    光電変換素子であって、 該第1のゲート領域に隣接して第2のゲート領域が形成
    され、該第2のゲート領域を介して該第1のゲート領域
    に蓄積された信号電荷を排出するように構成された増幅
    型光電変換素子において、 該第2のゲート領域の形状が該第1のゲート領域を囲む
    形状に構成されている増幅型光電変換素子。
  2. 【請求項2】 前記第1のゲート領域が平面視正方形状
    をなし、前記第2のゲート領域が該第1のゲート領域の
    3辺を囲む櫛形形状である請求項1記載の増幅型光電変
    換素子。
  3. 【請求項3】 半導体基体上に形成されたMOS型トラ
    ンジスタの第1のゲート領域で光電変換し、該第1のゲ
    ート領域に蓄積された信号電荷による該MOS型トラン
    ジスタのポテンシャル変化を低抵抗拡散層よりなるソー
    ス領域及びドレイン領域によりセンサ出力とする増幅型
    光電変換素子であって、 該第1のゲート領域に隣接して第2のゲート領域が形成
    され、該第2のゲート領域を介して該第1のゲート領域
    に蓄積された信号電荷を排出するように構成された増幅
    型光電変換素子において、 該第1のゲート領域下のポテンシャル変動を検出するた
    めのドレイン用N+拡散層が該第1のゲート領域の少な
    くとも一部に隣接するように形成され、該第1のゲート
    領域の隣接部以外を該第2のゲート領域が囲むように構
    成された増幅型光電変換素子。
  4. 【請求項4】 前記第2のゲート領域を隣接する画素間
    で共有する請求項1〜請求項3のいずれかに記載の増幅
    型光電変換素子。
  5. 【請求項5】 前記第1のゲート領域の下に、第1導電
    型のウェル層が形成され、且つ該ウェル層の表面部に第
    2導電型の半導体層が形成され、該半導体層は少なくと
    もリセット動作時に空乏化される請求項1〜請求項4の
    いずれかに記載の増幅型光電変換素子。
  6. 【請求項6】 請求項1〜請求項5記載の増幅型光電変
    換素子がマトリクス状に配置されてなる増幅型固体撮像
    装置。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の増幅型固体撮像装置であ
    って、 画素部が行ごとに水平ピッチの1/2ずつずらして配置
    され、前記ドレイン及び前記第2のゲート領域が2行単
    位でジグザグ状に配置されている増幅型固体撮像装置。
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