JPH11200826A - 内燃機関の電磁駆動弁制御装置 - Google Patents

内燃機関の電磁駆動弁制御装置

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JPH11200826A
JPH11200826A JP10007622A JP762298A JPH11200826A JP H11200826 A JPH11200826 A JP H11200826A JP 10007622 A JP10007622 A JP 10007622A JP 762298 A JP762298 A JP 762298A JP H11200826 A JPH11200826 A JP H11200826A
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    • F01LCYCLICALLY OPERATING VALVES FOR MACHINES OR ENGINES
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    • F01L9/20Valve-gear or valve arrangements actuated non-mechanically by electric means

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  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は内燃機関の吸気弁または排気弁を電
気的に開閉動作させる内燃機関の電磁駆動弁制御装置に
関し、安定した動作特性を確保しつつ消費電力の低減を
図ることを目的とする。 【解決手段】 アッパおよびロア電磁石24、26の発
する電磁力とアッパおよびロアスプリング18、38の
発する弾性力とを協働させることにより弁体12を開閉
動作させる内燃機関の電磁駆動弁10を設ける。アッパ
またはロア電磁石24、26が弁体12を引き付けるべ
き時期に、アッパまたはロア電磁石に所定の吸引電流を
供給する。弁体12の脱調を検出する。その脱調が検出
された場合は、次のサイクルの吸引電流を増大させる。
その脱調が検出されなかった場合は、次のサイクルの吸
引電流を減少させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関の電磁駆
動弁制御装置に係り、特に、内燃機関の吸気弁または排
気弁を電気的に開閉動作させる内燃機関の電磁駆動弁制
御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば特開平9ー19573
6号に開示される如く、内燃機関の吸気弁または排気弁
として機能する電磁駆動弁が知られている。従来の電磁
駆動弁は、弁体を中立位置に付勢するスプリング、弁体
を全開位置に吸引するアッパ電磁石、および、弁体を全
閉位置に吸引するロア電磁石を備えている。従来の電磁
駆動弁によれば、アッパ電磁石およびロア電磁石に、交
互に適当な励磁電流を流通させることにより弁体を開閉
動作させることができる。
【0003】内燃機関の弁体を開閉動作させるのに必要
な電磁力は、内燃機関の運転状態や電磁駆動弁の環境温
度等により変動する。電磁駆動弁を、少ない消費電力で
確実に作動させるためには、電磁石に供給される励磁電
流が、必要最小限の値に制御されることが望ましい。上
記従来の電磁駆動弁は、内燃機関の運転状態等に応じ
て、電磁石に供給する励磁電流の波形を適宜変更するこ
ととしている。このため、上記従来の電磁駆動弁によれ
ば、少ない消費電力で確実に弁体を開閉作動させること
ができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、弁体に作用す
る外乱の影響は、内燃機関の運転状態等が一定であって
も常に一定ではない。従って、弁体を開閉動作させるた
めに必要な最小限の電磁力は、内燃機関の運転状態等の
みに基づいて正確に検知することはできない。このた
め、上記従来の装置において、励磁電流の波形は、外乱
のバラツキを考慮した波形、より具体的には、弁体の動
作を妨げる最大の外乱を想定した波形とする必要があ
る。この点、上記従来の電磁駆動弁は、電力消費量の低
減を図るうえで未だ改良の余地を残すものであった。
【0005】本発明は、上述の点に鑑みてなされたもの
であり、従来の装置に比して更に消費電力を低減するこ
とのできる内燃機関の電磁駆動弁制御装置を提供するこ
とを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、請求項1
に記載する如く、電磁石の発する電磁力と弾性部材の発
する弾性力とを協働させることにより弁体を開閉動作さ
せる内燃機関の電磁駆動弁制御装置であって、前記電磁
石が前記弁体を引き付けるべき時期に、前記電磁石に所
定の吸引電流を供給する吸引電流供給手段と、前記弁体
の所定の開閉動作からの脱調を検出する脱調検出手段
と、前記脱調が検出された場合に、次のサイクルの吸引
電流を増大させる吸引電流増大手段と、前記脱調が検出
されなかった場合に、次のサイクルの吸引電流を減少さ
せる吸引電流減少手段と、を備える内燃機関の電磁駆動
弁制御装置により達成される。
【0007】本発明において、弁体を電磁石に引き付け
るべき時期には、電磁石に対して吸引電流が供給され
る。弁体の引き付けが正常に行われず、脱調が生ずる
と、次回のサイクルの吸引電流が増大される。一方、脱
調を生ずることなく弁体の引き付けが適正に行われる
と、次回のサイクルの吸引電流が減少される。上記の処
理によれば、吸引電流は、常に、弁体を適正に開閉動作
させるために必要最小限の値に維持される。
【0008】上記の目的は、請求項2に記載する如く、
前記脱調が検出された後に、前記電磁石に対して前記吸
引電流に比して大きな復帰電流を供給する復帰電流供給
手段を備える請求項1記載の内燃機関の電磁駆動弁制御
装置によっても達成される。本発明において、弁体の脱
調が検出されると、その後、電磁石に対して吸引電流よ
り大きな復帰電流が供給される。電磁石に復帰電流が供
給されると、電磁石と弁体との間には大きな電磁力が作
用し、脱調した弁体が適正に電磁石に引き寄せられるこ
とがある。このため、上記の処理によれば、弁体に脱調
が生じた後速やかに、弁体を正常な状態に復帰させるこ
とができる。
【0009】上記の目的は、請求項3に記載する如く、
前記電磁石に対して正方向の電圧を加える正方向スイッ
チ回路と、前記電磁石に対して逆方向の電圧を加える逆
方向スイッチ回路と、前記電磁石を流れる励磁電流が所
定の指令電流に一致するように前記正方向スイッチ回路
および前記逆方向スイッチ回路を選択的に作動状態とす
るスイッチ回路制御手段と、を備えると共に、前記前記
脱調検出手段は、前記励磁電流が保持または増加される
べき時期に前記電磁石の両端電圧が所定のしきい値に比
して小さい場合に前記脱調を検出する請求項1記載の内
燃機関の電磁駆動弁制御装置によっても達成される。
【0010】本発明において、励磁電流は、弁体を電磁
石に引き寄せるべき時期に増加が図られ、また、弁体を
電磁石の近傍に保持すべき時期に保持が図られる。弁体
が脱調せずに適性に作動する場合は、励磁電流が上記の
如く制御されることにより弁体が電磁石に接近し、その
後、電磁石の近傍に保持される。電磁石は、弁体が電磁
石に接近するほど大きな磁束Φを発生し易い状態とな
る。従って、弁体が電磁石に向かって適性に変位する場
合は、磁束Φに増加方向の変化 dΦ/dt (>0)が生ず
る。この場合、逆起電力-dΦ/dt (<0)を打ち消して
励磁電流Iを流通させ続けるべく正方向スイッチ回路が
作動状態とされ、電磁石の両端には、正の電圧V=R・
I+ dΦ/dt が現れる(R:電磁石の電気抵抗)。一
方、弁体が適性に電磁石の近傍に保持されている場合
は、磁束Φに変化が生じない。この場合、励磁電流Iを
流通させ続けるべく正方向スイッチ回路が作動状態とさ
れ、電磁石の両端には、正の電圧V=R・Iが現れる。
【0011】弁体が電磁石に接近すべき時期、および、
弁体が電磁石の近傍に保持されるべき時期に弁体に脱調
が生ずると、弁体と電磁石との距離が離間する。弁体と
電磁石との距離が離間すると、電磁石の発する磁束Φが
減少する。この際、電磁石は、磁束Φの減少を妨げるべ
く励磁電流を増大させる方向に逆起電力-dΦ/dt (>
0)を発生する。
【0012】この場合、スイッチ回路制御手段は、電磁
石の両端に、上記の逆起電力を打ち消して電流Iを流通
させ続けるための電圧V=R・I−(-dΦ/dt )が生ず
るように、正方向スイッチ回路または逆方向スイッチ回
路の一方を作動状態とする。つまり、本発明において、
弁体が適正に作動している場合は電磁石の両端にR・I
以上の電圧Vが現れ、一方、弁体に脱調が生じた場合は
電磁石の両端にR・Iに満たない電圧Vが現れる。脱調
検出手段は、電磁石の両端電圧をしきい値と比較するこ
とで、上記の何れの状況が生じているかを判断し、その
結果に基づいて脱調の有無を判断する。上記の手法によ
れば、弁体の脱調を正確に検出することができる。
【0013】上記の目的は、請求項4に記載する如く、
前記電磁石に対して正方向の電圧を加える正方向スイッ
チ回路と、前記電磁石に対して逆方向の電圧を加える逆
方向スイッチ回路と、前記電磁石を流れる励磁電流が所
定の指令電流に一致するように前記正方向スイッチ回路
および前記逆方向スイッチ回路を選択的に作動状態とす
るスイッチ回路制御手段と、を備えると共に、前記脱調
検出手段は、前記励磁電流が保持または増加されるべき
時期に前記逆方向スイッチ回路が作動状態とされた場合
に前記脱調を検出する請求項1記載の内燃機関の電磁駆
動弁制御装置により達成される。
【0014】本発明において、励磁電流が増大される過
程、および、その後、励磁電流が保持される過程で弁体
が正常に作動する場合は、電磁石の両端にV=R・I以
上の電圧が発生するように正方向スイッチ回路が作動状
態とされる。一方、励磁電流が増大または保持される過
程で弁体に脱調が生じた場合は、電磁石に、励磁電流を
正方向に流そうとする逆起電力-dΦ/dt (>0)が発生
する。この場合、電磁石の両端に、V=R・Iに比して
小さな電圧V=R・I−(-dΦ/dt )を発生させるべ
く、正方向スイッチ回路または逆方向スイッチ回路の一
方が作動状態とされる。つまり、本発明において、逆方
向スイッチ回路は、励磁電流が増大または保持されるべ
き状況下では、弁体に脱調が生じた場合にのみ作動状態
となる。脱調検出手段は、このような状況が生じている
か否かに基づいて脱調の有無を判断する。上記の手法に
よれば、弁体の脱調を正確に検出することができる。
【0015】上記の目的は、請求項5に記載する如く、
前記脱調検出手段は、前記弁体が前記電磁石の近傍に保
持されるべき時期に、前記電磁石の発する磁束密度が所
定値に満たない場合に前記脱調を検出する請求項1記載
の内燃機関の電磁駆動弁制御装置により達成される。本
発明において、電磁石は、弁体が電磁石に接近するほど
大きな磁束を発生し易い状態となる。従って、弁体が電
磁石の近傍に保持されるべき時期に弁体に脱調が生じて
いると、電磁石の発する磁束密度は、弁体が適正に電磁
石の近傍に保持されている場合に比して小さな値とな
る。本発明において、脱調検出手段は、電磁石が適正な
磁束密度を発生しているか否かに基づいて脱調の有無を
判断する。上記の手法によれば、弁体の脱調を正確に検
出することができる。
【0016】また、上記の目的は、請求項6に記載する
如く、前記電磁石に対して正方向の電圧を加える正方向
スイッチ回路と、前記電磁石に対して逆方向の電圧を加
える逆方向スイッチ回路と、前記弁体を前記電磁石から
離脱させるべき時期に、所定期間前記逆方向スイッチ回
路を作動状態とする消磁電圧印加手段と、前記逆方向ス
イッチ回路が作動状態とされた後に前記電磁石に流れる
励磁電流の状態に基づいて、前記弁体が前記電磁石の近
傍に保持されていたか否かを判断する保持状態判断手段
と、を備える請求項1記載の内燃機関の電磁駆動弁制御
装置により達成される。
【0017】本発明において、電磁石から弁体を離脱さ
せる時期が到来すると、逆方向スイッチ回路が作動状態
とされることにより電磁石に逆方向の電圧が印加され
る。上記の電圧が印加される前に、弁体が適正に電磁石
に吸引されている場合は、電磁石において大きなインダ
クタンスが確保される。従って、この場合は、逆方向の
電圧が印加された後、励磁電流は緩やかな減少傾向を示
す。
【0018】一方、上記の電圧が印加される前に弁体に
脱調が生じている場合、すなわち、弁体が電磁石から離
間している場合は、電磁石のインダクタンスが小さな値
となる。この場合、逆方向の電圧が印加された後、励磁
電流は急激な増加傾向を示す。このように、励磁電流に
は、逆方向の電圧が印加された後異なる変化が現れる。
本発明において、脱調検出手段は、上述した差異に基づ
いて弁体の作動状態を検出する。
【0019】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の第1実施例の電
磁駆動弁10のシステム構成図を示す。電磁駆動弁10
は、内燃機関の吸気弁または排気弁として用いられる弁
体12を備えている。弁体12は、その底面が内燃機関
の燃焼室に露出するように吸気ポートまたは排気ポート
に配設される。
【0020】弁体12には、弁軸14が一体に設けられ
ている。弁軸14の上端部にはロアリテーナ16が固定
されている。ロアリテーナ16の下部には、弁体12を
閉弁方向(図1における上方)に付勢するロアスプリン
グ18が配設されている。また、ロアリテーナ16の上
部には、アーマチャ軸20が配設されている。アーマチ
ャ軸20は、非磁性材料で構成された部材である。アー
マチャ軸20には、アーマチャ22が固定されている。
アーマチャ22は、磁性材料で構成された環状の部材で
ある。アーマチャ22の上下には、アッパ電磁石24お
よびロア電磁石26が配設されている。アッパ電磁石2
4およびロア電磁石26は、それぞれ、アッパコア28
およびアッパコイル30、または、ロアコア32および
ロアコイル34を備えている。
【0021】アーマチャ軸20の上端部には、アッパリ
テーナ36が固定されている。アッパリテーナ36の上
部にはアッパスプリング38が配設されている。アッパ
スプリング38は、アッパリテーナ36等を介して弁体
12を開弁方向(図1における下方)に付勢している。
アッパ電磁石24およびロア電磁石26は、ハウジング
40により所定の位置関係に保持されている。電磁駆動
弁10において、アッパスプリング38およびロアスプ
リング18は、アーマチャ22の中立位置がアッパ電磁
石24とロア電磁石26の中央となるように調整されて
いる。また、電磁駆動弁10は、アーマチャ22がアッ
パ電磁石24と当接する場合に弁体12が内燃機関のポ
ートを全閉状態とするように構成されている。
【0022】本実施例のシステムにおいて、弁軸14の
近傍には、バルブ位置センサ42が配設されている。バ
ルブ位置センサ42は、弁体12の位置に応じた電気信
号を出力するセンサである。バルブ位置センサ42の出
力信号はコントローラ44に供給されている。コントロ
ーラ44は、バルブ位置センサは、の出力信号に基づい
てバルブ12の位置を検出する。
【0023】コントローラ44には、駆動装置46が接
続されている。駆動装置46には、アッパコイル30お
よびロアコイル34が接続されている。駆動装置46
は、コントローラ44から発せられる指令に応じてアッ
パコイル30およびロアコイル34の両端に、適当な駆
動電圧を印加する。アッパコイル30およびロアコイル
34には、上記の駆動電圧に応じた励磁電流が流通す
る。
【0024】アッパコイル30に励磁電流が流通する
と、アッパ電磁石24とアーマチャ22との間に電磁力
が発生する。一方、ロアコイル34に励磁電流が流通す
ると、ロア電磁石26とアーマチャ22との間に電磁力
が発生する。従って、アッパコイル30およびロアコイ
ル34に交互に励磁電流を供給すると、弁体12を適当
に開閉動作させることができる。
【0025】図2(A)は、弁体12の変位を表すタイ
ムチャートを示す。また、図2(B)は、ロアコイル3
4に供給すべき励磁電流の指令値(以下、指令電流Iop
と称す)のタイムチャートを示す。図2(A),(B)
に示すタイムチャートは、弁体12を全閉位置から全開
位置に変位させる際に実現される。図2に示す如く、指
令電流Iopは、弁体12に対して開弁指令が発せられた
後、所定のオフ期間tOFF だけ“0”に維持される。オ
フ期間tOFF は、アッパスプリング38およびロアスプ
リング18に付勢されることにより変位する弁体12
が、全開位置から所定距離だけ離間した位置に到達する
時点で終了するように設定されている。
【0026】指令電流Iopは、その後、所定の吸引期間
A だけ吸引電流IA に維持された後、所定の過渡期間
T をかけて保持電流IH に低減される。吸引期間tA
は、弁体12が全開位置に到達するのに要する時間に設
定されている。また、吸引電流IA および保持電流IH
は、それぞれ、変位中の弁体12を全開位置まで吸引す
るのに必要な電磁力、および、全開位置に到達した弁体
12を全開位置に保持するのに必要な電磁力を発生させ
るために必要な指令電流Iopとして設定された値であ
る。
【0027】指令電流Iopが上記の如く制御されると、
アーマチャ22とロア電磁石26との間に、弁体12が
全開位置に向かって変位する過程で大きな電磁力を発生
させることができると共に、弁体12が全開位置に到達
した後に、不要な電力消費を伴うことなくその状態を維
持するに足る電磁力を発生させることができる。このた
め、指令電流Iopを上記の如く制御することによれば、
少ない消費電力で弁体12を全開状態に維持することが
できる。
【0028】コントローラ44は、弁体12が全閉位置
から全開位置に向かって変位する過程で、ロアコイル3
4に対する指令電流Iopを上記の如く制御すると共に、
弁体12が全閉位置から全開位置に向かって変位する過
程で、アッパコイル30に対する指令電流Iopを同様に
制御する。このため、電磁駆動弁10によれば、少ない
消費電力で適正に弁体12を開閉動作させることができ
る。
【0029】図3は、電磁駆動弁10の指令電流Iopの
波形と電磁駆動弁10の特性との関係を示す。より具体
的には、指令電流Iopと電磁駆動弁10の作動音との関
係、指令電流Iopと電磁駆動弁10の消費電力との関
係、および、指令電流Iopと電磁駆動弁10の動作安定
正との関係を示す。電磁駆動弁10の弁体12は全閉位
置に到達する際に弁座に着座する。また、電磁駆動弁1
0のアーマチャ22は、弁体12が全開位置または全閉
位置に到達する際にアッパ電磁石24またはロア電磁石
26に当接する。この際、電磁駆動弁10は、それらの
着座または当接に起因する作動音を発生する。上記の作
動音は、弁体12が変位端に到達する際にアーマチャ2
2に大きな電磁力が作用しているほど大きなものとな
る。
【0030】アーマチャ22に作用する電磁力は、指令
電流Iopが大電流であるほど大きくなる。このため、電
磁駆動弁10の作動音は、図3に示す如く、指令電流I
opを小電流とすることにより、すなわち、指令電流Iop
のオフ期間tOFF を長時間とし、吸引時間tA および過
渡時間tT を短時間とし、また、吸引電流IA および保
持電流IH を小さくするほど抑制することができる。
【0031】同様に、電磁駆動弁10の消費電力も、指
令電流Iopを小電流とするほど、すなわち、指令電流I
opのオフ期間tOFF を長時間とし、吸引時間tA および
過渡時間tT を短時間とするほど、また、吸引電流IA
および保持電流IH を小さくするほど抑制することがで
きる。一方、電磁駆動弁10の弁体12には、指令電流
Iopが小電流となるほど脱調が生じ易くなる。このた
め、電磁駆動弁10の動作安定性は、図3に示す如く、
指令電流Iopが小電流となるほど、すなわち、指令電流
Iopのオフ期間tOFF が長期化し、吸引時間tA および
過渡時間tT を短期化し、また、吸引電流IA および保
持電流IH が小さくなるほど悪化する。
【0032】従って、電磁駆動弁10において優れた省
電力特性と高い動作安定性を得るためには、指令電流I
opの波形を、弁体12に脱調を生じさせることのない必
要最小限の波形に制御することが適切である。しかしな
がら、脱調を回避し得る必要最小限の電磁力は、内燃機
関の運転状態等の環境的な条件が一定であっても、例え
ば、燃料の燃焼状態が変化すること等により大きく変化
する。
【0033】このため、必要最小限の指令電流Iopを、
内燃機関の運転状態等の環境的な条件から正確に設定す
ることは困難である。本実施例の電磁駆動弁10は、内
燃機関の作動中に弁体12の脱調の有無を判断し、その
判断結果に基づいて指令電流Iopの波形を補正すること
で、指令電流Iopを上述した必要最小限の値に制御する
点に特徴を有している。
【0034】以下、図4および図5を照して、上述した
特徴的機能を実現するための処理の内容について説明す
る。図4は、弁体12に脱調が生じているか否かを判別
すべくコントローラ44が実行する制御ルーチンのフロ
ーチャートを示す。図4に示すルーチンは、所定時間毎
に繰り返し実行される定時割り込みルーチンである。図
4に示すルーチンが起動されると、先ずステップ100
の処理が実行される。
【0035】ステップ100では、目標バルブ位置が検
出される。コントローラ44は、内燃機関のクランク角
と同期して、適当な時期に弁体12の開弁要求および閉
弁要求を発する。コントローラ44には、それらの要求
が生じた後の経過時間と、目標バルブ位置との関係が記
憶されている。本ステップ100では、上記の関係に基
づいて目標バルブ位置が検出される。
【0036】ステップ102では、バルブ位置センサ4
2の出力信号に基づいて実バルブ位置が検出される。ス
テップ104では、目標バルブ位置と実バルブ位置との
偏差ΔLが検出される。ステップ106では、偏差ΔL
が所定のしきい値L0 以上であるか否かが判別される。
その結果、ΔL≧L0 が成立すると判別される場合は、
弁体12の位置が目標バルブ位置から大きく外れている
と判断することができる。この場合、次にステップ10
8の処理が実行される。一方、ΔL≧L0 が成立しない
と判別される場合は、弁体12の位置がほぼ目標バルブ
位置に一致していると判断できる。この場合、次にステ
ップ110の処理が実行される。
【0037】ステップ108では、弁体12に脱調が生
じていることを表すべく、脱調フラグXSTEPOUT
に“1”がセットされる。上記の処理が終了すると、今
回のルーチンが終了される。ステップ110では、弁体
12に脱調が生じていないことを表すべく、脱調フラグ
XSTEPOUTが“0”にリセットされる。上記の処
理が終了すると、今回のルーチンが終了される。
【0038】上記の処理によれば、弁体12に脱調が生
じているか否かに対応して、脱調フラグXSTEPOU
Tを適正に“1”または“0”とすることができる。図
5は、ロアコイル34に対する指令電流Iopを必要最小
限の値に制御すべくコントローラ44が実行する制御ル
ーチンのフローチャートを示す。図5に示すルーチン
は、その処理が終了する毎に繰り返し起動されるルーチ
ンである。図5に示すルーチンが起動されると、先ずス
テップ112の処理が実行される。
【0039】ステップ112では、ロアコイル34に対
する指令電流Iopの波形が演算される。本ステップ11
2で演算される波形は、弁体12を全閉位置から全開位
置まで変位させ、その後、所定期間にわたって弁体12
を全開位置に保持するための指令電流Iopの波形であ
る。以下、上述した一連の状態変化を弁体12の開弁サ
イクルと称す。
【0040】本実施例において、コントローラ44は、
弁体12の開弁サイクルの実行に伴って指令電流Iopの
波形を規定する各種パラメータを演算する。上記ステッ
プ112において、指令電流Iopは、前回の開弁サイク
ル時に演算された各種パラメータを基に、既定の基本波
形を下回ることがないように演算される。上記の処理に
よれば、指令電流Iopの波形を、基本波形以上にガード
しつつ、適正な波形とすることができる。尚、各種パラ
メータの内容、および、その演算方法については後に詳
細に説明する。
【0041】ステップ114では、弁体12の開弁要求
が生じたか否かが判別される。本ステップ114の処理
は、弁体12の開弁要求が生じたと判別されるまで繰り
返し実行される。その結果、開弁要求の発生が判別され
ると、次にステップ116の処理が実行される。ステッ
プ116では、上記ステップ112で演算された波形に
従って、指令電流Iopが出力される。本ステップ116
の処理が実行されると、ロアコイル34に流れる励磁電
流は、駆動回路46によって指令電流Iopと一致するよ
うに制御される。
【0042】ステップ118では、弁体12に脱調が生
じているか否か、具体的には、脱調フラグXSTEPO
UTに“1”がセットされているか否かが判別される。
その結果、弁体12に脱調が生じていないと判別された
場合は、次にステップ120の処理が実行される。ステ
ップ120では、弁体12の開弁サイクルに必要な指令
電流Iopの出力が終了したか否かが判別される。その結
果、未だ指令電流Iopの出力が終了していないと判別さ
れる場合は、再び上記ステップ116の処理が実行され
る。上記の処理によれば、弁体12の脱調が検出されな
い限り、指令電流Iopを上記ステップ112で演算され
た波形に沿って変化させる処理が実行される。
【0043】弁体の開弁サイクルの過程で弁体12に脱
調が生ずると、上記ステップ118に次いでステップ1
22の処理が実行される。ステップ122では、指令電
流Iopを所定時間だけ所定の復帰電流IR に維持する処
理が実行される。復帰電流IR は、吸引電流IA に比し
て大きな電流である。閉弁サイクルの過程で脱調した弁
体12は、目標バルブ位置より閉弁側に位置する。かか
る状況下で、弁体12を目標バルブ位置に近づけるため
には、指令電流Iopを吸引電流IA に比して大きな値に
制御することが必要である。本ステップ122の処理が
実行されると、上記の要求が満たされるため、脱調した
弁体12を正常な状態に復帰させることができる。
【0044】ステップ124では、記憶フラグXMEM
ORYに“1”がセットされる。記憶フラグXMEMO
RYは、開弁サイクル中に弁体12に脱調が生じたこと
を表すフラグである。本ステップ124の処理が終了す
ると、次に上記ステップ120の処理が実行される。上
記ステップ120で、指令電流Iopの出力が終了したと
判別されると、次にステップ126の処理が実行され
る。
【0045】ステップ126では、記憶フラグXMEM
ORYに“1”がセットされているか否かが判別され
る。その結果、XMEMORY=1が成立しないと判別
される場合は、今回の開弁サイクル中に弁体12の脱調
が生じなかったと判断できる。また、この場合は、今回
の開弁サイクルで用いられた指令電流Iopが、内燃機関
の現在の状態に対して十分な値であったと判断できる。
この場合、次にステップ128の処理が実行される。一
方、XMEMORY=1が成立すると判別される場合
は、今回の開弁サイクルで用いられた指令電流Iopが、
内燃機関の現在の状態に対して過少であったと判断でき
る。この場合、次にステップ130の処理が実行され
る。
【0046】ステップ128では、指令電流Iopを減少
させる処理が実行される。本ステップ128では、具体
的には、吸引時間tA および過渡時間tT を短期化し、
かつ、吸引電流IA および保持電流IH を低下させる処
理が実行される。尚、本実施例において、指令電流IOP
は、オフ期間tOFF と、吸引時間tA と、過渡時間t T
との和が常に一定時間となるように設定される。従っ
て、本ステップ128の処理が実行されると、必然的に
オフ期間tOFF が長期化される。
【0047】上記の処理によれば、今回の開弁サイクル
において指令電流IOPが十分な値であった場合に、次回
の開弁サイクルで用いられる指令電流IOPを減少方向に
補正することができる。このため、本実施例の処理によ
れば、指令電流IOPが過剰な値のまま維持されるのを防
止することができる。ステップ130では、指令電流I
opを増大させる処理が実行される。本ステップ130で
は、具体的には、吸引時間tA および過渡時間tT を長
期化し、かつ、吸引電流IA および保持電流IH を増加
させる処理が実行される。上記の処理が実行されると、
オフ期間tOFF は必然的に短期化される。
【0048】上記の処理によれば、今回の開弁サイクル
において指令電流IOPが過少であった場合に、次回の開
弁サイクルで用いられる指令電流IOPを増大方向に補正
することができる。このため、本実施例の処理によれ
ば、弁体12に作用する外乱の影響で弁体12が作動し
難い状態となった場合に、指令電流IOPを弁体12の脱
調が回避できる値となるまで増大させることができる。
【0049】図6乃至図9は、上記の処理が実行される
ことにより実現されるタイムチャートを示す。各図
(A)は、弁体12のタイムチャートを、また、各図
(B)は、ロアコイル34に対する指令電流を示す。図
6および図7は、それぞれ、第N開弁サイクル、およ
び、第N+1開弁サイクルのタイムチャートである。第
Nサイクルおよび第N+1開弁サイクルでは、弁体12
が脱調することなく開閉動作している。このため、これ
らの開弁サイクルが繰り返される間は、サイクル毎に指
令電流Iopが減少方向に更新される。
【0050】図8は、第N+ΔN開弁サイクルのタイム
チャートである。第N+ΔN開弁サイクルでは、前回の
開弁サイクルの実行に伴って指令電流Iopが減少方向に
更新された結果、弁体12の保持期間中に脱調が生じて
いる。電磁駆動弁10は、弁体12の脱調を検出する
と、その後、指令電流Iopを復帰電流とする。図8は、
上記の処理が実行されることにより、脱調した弁体12
が正常な状態に復帰した場合を示す。
【0051】図9は、第N+ΔN+1開弁サイクルのタ
イムチャートである。指令電流Iopは、本サイクルで用
いられる指令電流Iopは、前回の開弁サイクルで用いら
れた指令電流Iopに比して増大方向に更新されている。
このため、本開弁サイクルでは、弁体12を脱調させる
ことなく開弁させ、かつ、所定期間にわたり適正に弁体
12を全開位置に保持することができる。
【0052】このようにして、本実施例の電磁駆動弁1
0によれば、ロアコイル34に対する指令電流IOPの波
形を、閉弁サイクル中に弁体12を脱調させることのな
い必要最小限の波形とすることができる。コントローラ
44は、弁体12が全開位置から全閉位置に向かって変
位し、その後、所定期間にわたった全閉位置に保持され
る間に、すなわち、弁体12の閉弁サイクルの間に、ア
ッパコイル30に対する指令電流IOPに対して上記図5
に示す処理と同様の処理を実行する。
【0053】つまり、本実施例の電磁駆動弁10は、弁
体12が開閉動作を繰り返す際に、アッパコイル30お
よびロアコイル34に対する指令電流IOPを、常に必要
最小限の値に制御する。このため、本実施例の電磁駆動
弁10によれば、弁体12を確実に開閉動作させつつ、
不要な電力消費を抑制して、優れた省電力特性を実現す
ることができる。
【0054】ところで、上記の実施例においては、吸引
時間tA 、吸引電流IA 、保持電流IH および過渡時間
T の全てを変化させるとにより指令電流IOPの波形を
補正することとしているが、本発明は、これに限定され
るものではなく、これらのパラメータの一部のみを変化
させることにより指令電流IOPの補正を行うこととして
もよい。
【0055】尚、上記の実施例においては、コントロー
ラ44が、指令電流Iopを吸引電流IA として出力する
ことにより前記請求項1記載の「吸引電流供給手段」
が、上記ステップ100〜110の処理を実行すること
により前記請求項1記載の「脱調検出手段」が、前記ス
テップ126および130の処理を実行することにより
前記請求項1記載の「吸引電流増大手段」が、前記ステ
ップ126および128の処理を実行することにより前
記請求項1記載の「吸引電流減少手段」が、それぞれ実
現されている。
【0056】また、上記の実施例においては、コントロ
ーラ44が、上記ステップ118および122の処理を
実行することにより前記請求項2記載の「復帰電流供給
手段が実現されている。次に、図10乃至図12を参照
して、本発明の第2実施例について説明する。上述した
第1実施例においては、弁体12の開弁サイクルおよび
閉弁サイクルが繰り返される毎に指令電流Iopの増減が
行われる。このような手法によると、指令電流Iopを必
要最小限の値に制御できる反面、復帰電流IR が要求さ
れる事態が頻繁に生ずる。本実施例のシステムは、復帰
電流IR が頻繁に要求されるのを防止すべく、指令電流
Iopの増大が要求された後は、所定期間にわたってその
指令電流Iopを維持する点に特徴を有している。
【0057】図10および図11は、上記の機能を実現
すべく本実施例において実行される一連の処理のフロー
チャートを示す。本実施例のシステムは、上記図1に示
すシステム構成において、コントローラ44に、上記図
5に示すステップ120に次いで、ステップ126〜1
32に代えて図10および図11に示す処理を実行させ
ることにより実現される。尚、図10および図11にお
いて、上記図5に示すステップと同一のステップについ
ては、同一の符号を付してその説明を省略または簡略す
る。
【0058】図10に示す如く、本実施例において、ス
テップ120で指令電流Iopの出力が終了したと判別さ
れると、次にステップ140の処理が実行される。ステ
ップ140では、保持フラグXKEEPに“1”がセッ
トされているか否かが判別される。保持フラグXKEE
Pは、指令電流Iopを増減させることなく維持すること
が適切な所定の場合に“1”とされるフラグである。従
って、XKEEP=1が成立しないと判別される場合
は、指令電流Iopを更新することが適切であると判断で
きる。この場合、次にステップ142の処理が実行され
る。
【0059】ステップ142では、変更フラグXCHA
NGEに“1”がセットされているか否かが判別され
る。変更フラグXCHANGEは、弁体12の脱調が認
められ、その結果、指令電流Iopが増加方向に更新され
た際に“1”とされるフラグである。従って、前回の処
理サイクル次に指令電流Iopが増加方向に更新されてい
ない場合はXCHANGE=1が不成立と判別される。
この場合、次にステップ126の処理が実行される。
【0060】ステップ126〜130では、第1実施例
の場合と同様に、今回の処理サイクルで弁体12の脱調
が認められていない場合(XMEMORY=0)に指令
電流Iopを減少させ(ステップ128)、一方、その脱
調が認められている場合(XMEMORY=1)に指令
電流Iopを増大させる処理が行われる(ステップ13
0)。ステップ128の処理が実行された場合は、以
後、ステップ132の処理が実行された後、今回のルー
チンが終了される。ステップ130の処理が実行された
場合は、次にステップ144の処理が実行され、その
後、ステップ132の処理が実行された後今回のルーチ
ンが終了される。
【0061】ステップ144では、変更フラグXCHE
NGEに“1”がセットされる。上記の処理によれば、
指令信号Iopが増加方向に更新された際に確実に変更フ
ラグXCHANGEに“1”をセットすることができ
る。上記ステップ144の処理が実行された後、本ルー
チンが起動されると、ステップ142でXCHANGE
=1が成立すると判別される。この場合、次に、図11
に示すステップ146の処理が実行される。
【0062】ステップ146では、演算カウンタCCA
Lをインクリメントする処理が実行される。演算カウン
タCCALは、新たに増加方向に更新された指令電流I
opの評価演算に必要なサイクル回数を計数するためのカ
ウンタである。ステップ148では、演算カウンタCC
ALの計数値が所定値C0 以上であるか否かが判別され
る。その結果、CCLA≧C0 が成立しないと判別され
る場合は、未だ指令電流Iopの評価演算が終了していな
いと判断できる。この場合、以後、上記ステップ132
の処理が実行された後、今回のルーチンが終了される。
上記の処理によれば、CCLA≧C0 が成立するまで、
指令電流Iopは、増減されることなく一定パターンに維
持される。一方、本ステップ148で、CCAL≧C0
が成立すると判別される場合は、次にステップ150の
処理が実行される。
【0063】ステップ150では、演算カウンタCCA
Lが“0”にリセットされる。ステップ152では、指
令電流Iopが増加方向に更新された後、演算カウンタC
CALにC0 が計数されるまでに弁体12に脱調が生じ
た確率Pが演算される。ステップ154では、確率Pが
所定のしきい値TH以下であるかが判別される。その結
果、P≦THが成立すると判別される場合は、指令電流
Iopが適正に設定されている、すなわち、指令電流Iop
が、弁体12に脱調を生じさせることの内必要最小限の
波形に設定されていると判断できる。この場合、次にス
テップ156の処理が実行される。
【0064】ステップ156では、変更フラグXCHA
NGEが“0”にリセットされる。ステップ158で
は、維持フラグXKEEPに“1”がセットされる。上
記の処理が終了すると、以後、上記ステップ132の処
理が実行された後、今回のルーチンが終了される。上記
ステップ154で、P≦THが成立しないと判別された
場合は、指令電流Iopが未だ過少であると判断できる。
この場合、次にステップ160の処理が実行される。
【0065】ステップ160では、上記ステップ130
と同様に、指令電流Iopを増大させる処理が実行され
る。上記の処理が終了すると、以後、上記ステップ13
2の処理が実行された後、今回のルーチンが終了され
る。上記の処理によれば、弁体12の脱調確率Pがしき
い値TH以下となるまで、指令電流Iopを増大させるこ
とができる。
【0066】上記ステップ158の処理が実行された後
本ルーチンが起動されると、図10に示す上記ステップ
140で、XKEEP=1が成立すると判別される。こ
の場合、ステップ140に次いでステップ162の処理
が実行される。ステップ162では、維持カウンタCK
EEPのインクリメントが行われる。維持フラグCKE
EPは、指令電流Iopが維持され始めた後の経過時間を
計数するカウンタである。
【0067】ステップ164では、維持カウンタCKE
EPの計数値が所定値C1 以上であるか否かが判別され
る。その結果、CKEEP≧C1 が成立しないと判別さ
れる場合は、未だ指令電流Iopを更新する時期が到来し
ていないと判断できる。この場合、以後、上記ステップ
132の処理が実行された後、今回のルーチンが終了さ
れる。一方、CKEEP≧C1 が成立すると判別される
場合は、次にステップ166の処理が実行される。
【0068】ステップ166では、維持フラグXKEE
Pが“0”にリセットされる。上記の処理が終了する
と、以後、上記ステップ132の処理が実行された後、
今回のルーチンが終了される。本ステップ166の処理
が実行された後、本ルーチンが起動されると、再び上記
ステップ142以降の処理が実行される。上記の処理に
よれば、内燃機関の作動中に、指令電流Iopを、弁体1
2に脱調を生じさせない必要最小限のパターンに更新す
ることができると共に、更新された適正な指令電流Iop
を所定期間にわたって維持することができる。このた
め、本実施例のシステムによれば、復帰電流IR の発生
を頻繁に要求することなく、指令電流Iopを必要最小限
のパターンに制御すること、すなわち、電磁駆動弁10
に優れた動作安定正と、優れた省電力特性の双方を付与
することができる。
【0069】本実施例のシステムにおいて、復帰電流I
R の要求頻度を下げるためには、指令電流Iopの維持期
間を長期間とすることが有利である。しかしながら、指
令電流Iopを、正確に必要最小限の値に維持するために
は、すなわち、電磁駆動弁10の電力消費量を削減する
うえでは、その維持期間が短いことが好ましい。ところ
で、電磁駆動弁10の消費電力は、その作動周期が短い
ほど、すなわち、内燃機関が高回転領域で作動している
ほど多量となる。従って、電磁駆動弁10には、機関回
転数NEが高いほど優れた省電力特性が要求される。こ
のため、指令電流Iopの維持期間は、機関回転数が高い
ほど短期間であることが望ましい。本実施例のシステム
は、上記の点に着目して、指令電流Iopの維持期間を機
関回転数NEに応じて変更することとしている。
【0070】図12は、上記の機能を実現すべくコント
ローラ44が実行する制御ルーチンのフローチャートを
示す。図12に示すルーチンは、所定時間毎に起動され
る定時割り込みルーチンである。図12に示すルーチン
が起動されると、先ずステップ110の処理が実行され
る。ステップ170では、機関回転数NEが検出され
る。
【0071】ステップ172では、機関回転数NEが、
所定値NE0 以上であるか否かが判別される。その結
果、NE≧NE0 が成立すると判別される場合は、内燃
機関が高回転領域で作動中であると判断できる。この場
合、次にステップ174の処理が実行される。一方、N
E≧NE0 が成立しないと判別される場合は、内燃機関
が低回転領域で作動中であると判断できる。この場合、
次にステップ176の処理が実行される。
【0072】ステップ174では、維持カウンタCKE
EPと比較される所定値Cに(ステップ164参照)、
短期間所定値CS が代入される。本ステップ174の処
理が終了すると、今回のルーチンが終了される。ステッ
プ176では、維持カウンタCKEEPと比較される所
定値Cに、短期間所定値CS に比して長い長期間所定値
L が代入される。本ステップ176の処理が終了する
と、今回のルーチンが終了される。
【0073】上記の処理によれば、機関回転数NEに応
じて適切に指令電流Iopの維持期間を変更することがで
きる。このため、本実施例のシステムによれば、内燃機
関の作動状態に応じて適切な省電力特性と、適切な動作
安定性とを実現することができる。次に、図13乃至図
15を参照して、本発明の第3実施例について説明す
る。
【0074】図13(A)および図13(B)は、それ
ぞれ、弁体12の変位を表すタイムチャート、および、
ロアコイル34に供給される指令電流Iopの基本波形を
示す。また、図13(C)は、ロアコイル34とアーマ
チャ22との間に発生する磁束密度Bの変化を示す。図
13(A)は、弁体12が開弁端に達した後に、開弁端
から閉弁端に向けて変位する状態、すなわち、弁体12
に脱調が生じた状態を示している。ロアコイル34とア
ーマチャ22との間には、両者が接近しているほど大き
な磁束が発生し易い。このため、指令電流Iopが保持電
流IH に維持された後に弁体12に脱調が生ずると、図
13(C)に示す如く、磁束密度Bには、その後減少傾
向が現れる。
【0075】一方、弁体12が適正に開弁端に保持され
る場合は、指令電流Iopが保持電流IH に制御された
後、磁束密度Bは、保持電流IH に対応する既定値に保
持される。従って、本実施例のシステムによれば、指令
電流Iopが保持電流IH に制御された後に、適正な磁束
密度Bが発生しているか否かを判別すれば、弁体12が
適切に作動しているか、或いは、弁体12に脱調が生じ
ているかを正確に判断することができる。
【0076】図14は、本実施例のシステムにおいて用
いられるロア電磁石180の断面図を示す。尚、図14
において、上記図1に示す構成部分と同一の部分につい
ては、同一の符号を付してその説明を省略する。本実施
例のシステムは、上記図1に示すシステム構成におい
て、ロア電磁石26に代えてロア電磁石180を配設
し、アッパ電磁石24に代えてロア電磁石180と同様
の構成を有するアッパ電磁石を配設することで実現され
る。
【0077】図14に示す如く、ロア電磁石180は、
ロアコイル34の内周側に、環状のサーチコイル182
を備えている。上記の構成によれば、ロアコイル34の
内外を還流する磁束は、サーチコイル182の内部を貫
いて還流する。この場合、サーチコイル182によれ
ば、その内部を流れる磁束Φ、すなわち、ロア電磁石1
80の発する磁束Φを検出することができる。
【0078】サーチコイル182は、コントローラ44
に接続されている。従って、コントローラ44は、ロア
電磁石180の発する磁束Φを検出することができる。
磁束密度Bは、磁束Φをサーチコイル182の開口面積
Sで除することにより求めることができる。このため、
本実施例において、コントローラ44は、ロア電磁石1
80の発する磁束Φを検出することができる。
【0079】図15は、本実施例のシステムにおいて、
コントローラ44が実行する制御ルーチンのフローチャ
ートを示す。図15に示すルーチンは、アーマチャ22
を流れる磁束密度Bに基づいて弁体12に脱調が生じて
いるか否かを判別するために実行される。図15に示す
ルーチンは、所定時間毎に起動される定時割り込みルー
チンである。図15に示すルーチンが起動されると、先
ずステップ190の処理が実行される。
【0080】ステップ190では、弁体12の保持期間
であるか、すなわち、弁体12が開弁端または閉弁端に
保持されるべき期間であるか否かが判別される。その結
果、弁体12の保持期間でないと判別される場合は、以
後、何ら処理が進められることなく今回のルーチンが終
了される。一方、弁体12の保持期間であると判別され
た場合は、次にステップ192の処理が実行される。
【0081】ステップ192では、アッパ電磁石または
ロア電磁石180に内蔵されるサーチコイル182の出
力に基づいて、アーマチャ22を流れる磁束密度Bが検
出される。ステップ194では、磁束密度Bが所定値B
TH以上であるか否かが判別される。その欠課、B≧BTH
が成立する場合は、弁体12が適正に変位端に保持され
ていると判断できる。この場合、次にステップ196の
処理が実行される。一方、B≧BTHが成立しないと判別
される場合は、弁体12に脱調が生じていると判断でき
る。この場合、次にステップ198の処理が実行され
る。
【0082】ステップ196では、弁体12が正常に動
作していることを表すべく、脱調フラグXSTEPOU
Tが“0”にリセットされる。上記の処理が実行される
と、以後、コントローラ44は、弁体12を正常に動作
させつつ、消費電力を削減するための処理を実行する
(上記図5、図10および図11参照)。本ステップ1
96の処理が終了すると、今回のルーチンが終了され
る。
【0083】ステップ198では、弁体12に脱調が生
じたことを表すべく、脱調フラグXSTEPOUTに
“1”がセットされる。上記の処理が実行されると、以
後、コントローラ44は、弁体12を正常状態に復帰さ
せるための処理を実行する(上記図5、図10および図
11参照)。本ステップ198の処理が終了すると、今
回のルーチンが終了される。
【0084】上述の如く、本実施例のシステムによれ
ば、アーマチャ22を流れる磁束密度Bに基づいて、弁
体12の脱調を正確に検出することができる。このた
め、本実施例のシステムによれば、弁体12の状態に応
じた適正な制御を、正確に実行することができる。とこ
ろで、上記の実施例においては、磁束密度Bが所定値B
TH以上であるか否かに基づいて弁体12が正常に動作し
ているかを判別することとしているが、本発明は、これ
に限定されるものではなく、例えば、磁束Φがしきい値
以上であるか否かに基づいて上記の判別を行うこととし
てもよい。
【0085】また、本実施例のシステムにおいて、弁体
12の保持期間中は、弁体12に脱調が生じた場合に限
り磁束密度Bの微分値dB/dt が負の値となる。このた
め、弁体12が正常に動作しているか否かは、dB/dt ≧
0が成立するか否かに基づいて判断してもよい。また、
本実施例のシステムにおいて、アッパまたはロア電磁石
とアーマチャ22との間に作用する電磁力Femは、磁束
密度B、アッパまたはロアコアの断面積S、および、空
気の透磁率μ0 を用いてFem=B2 ・S/μ0 と表すこ
とができる。弁体12に脱調が生ずると、電磁力Fem
は、弁体12が適正に変位端に保持されている場合に比
して小さな値となる。このため、コントローラ44は、
電磁力Femが所定のしきい値Fem0 以上であるか否かに
基づいて弁体12が適正に作動しているか否かを判断す
ることができる。
【0086】また、本実施例のシステムにおいて、弁体
12の運動は、以下に示す運動方程式で表すことができ
る。 M・d2X/dt2 =K・X+Ck ・dX/dt +f+Fem+F 上記式中、Mは弁体12等の可動部の重量、Xは弁体1
2の変位位置、Kはバネ定数、Ck は摩擦係数、fは摩
擦定数、Fは燃焼圧等の外乱を表す。上記式中、M、
K、Ck およびfは、一定値として扱うことができる。
従って、F等の外乱を検出すれば、上記方程式を解くこ
とで弁体12の変位位置Xを求めることができる。コン
トローラ44は、このような手法で変位Xを検出し、そ
の値Xと目標の変位位置とを比較することで弁体12が
正常に作動しているか否かを判断してもよい。
【0087】更に、上記の実施例においては、サーチコ
イル182を用いて磁束Φおよび磁束密度Sを検出する
こととしているが、磁束Φおよび磁束密度Bを検出する
手法はこれに限定されるものではなく、例えば、図1に
示すシステム構成において、アッパコイル30またはロ
アコイル34の両端電圧V、および、それらを流れる励
磁電流Iに基づいて磁束Φ等を検出してもよい。
【0088】すなわち、電磁駆動弁10の動作中におい
て、ロアコイル34に励磁電流I1が流れている場合
は、ロアコイル34の両端電圧Vと励磁電流Iとの間に
次式の関係が成立する。 V=R・I+N・ Φ/dt 尚、Rはロアコイル34の電気抵抗であり、Nはロアコ
イル34のターン数である。上記の関係式によれば、磁
束Φは次式の如く表すことができる。
【0089】Φ=∫{(V−R・I)/N}dt 図1に示すシステムにおいて、両端電圧Vおよび励磁電
流Iは容易に検出することができる。このため、磁束Φ
は、サーチコイル182を用いなくとも、両端電圧Vお
よび励磁電流Iに基づいて容易に検出することができ
る。また、磁束密度Bは、磁束Φをアッパまたはロアコ
ア28,32の断面積Sで除することにより求めること
ができる。従って、磁束密度B等に基づいて脱調の有無
を判断する上記の手法は、サーチコイル182を備えて
いないシステムにおいても用いることができる。
【0090】尚、上記の実施例においては、コントロー
ラ44が上記図15に示すルーチンを実行することによ
り前記請求項5記載の「脱調検出手段」が実現されてい
る。次に、図16乃至図19を参照して、本発明の第4
実施例について説明する。図16は、上記図1に示す駆
動装置46に内蔵される回路である。図16に示す回路
は、ロアコイル34の駆動に用いられる。駆動装置46
には、図16に示す回路と共にアッパコイル30を駆動
するための同様の回路が内蔵されている。
【0091】図16に示す回路は、駆動回路200を備
えている。駆動回路200には、第1乃至第4トランジ
スタ202〜208のベース端子が接続されている。第
1および第3トランジスタ202、206のコレクタ端
子は、共に電源電圧に接続されている。また、それらの
エミッタ端子は、それぞれ、ロアコイル34の両端に接
続されている。
【0092】ロアコイル34の両端には電圧計210が
接続されている。また、ロアコイル34の両端には、そ
れぞれ、第2および第4トランジスタ204、208の
コレクタ端子が接続されている。第2および第4トラン
ジスタ204、208のエミッタ端子は共に接地されて
いる。図16に示す回路において、第1および第4トラ
ンジスタ202、208は、ロアコイル34に正方向
(図16において左から右へ向かう方向)の電圧を印加
するために用いられる。一方、第2および第3トランジ
スタ204、206は、ロアコイル34に逆方向(図1
6において右から左へ向かう方向)の電圧を印加するた
めに用いられる。また、第1および第3トランジスタ2
02、206は、電圧の印加方向を定めるべくオンオフ
制御される素子として、一方、第2および第4トランジ
スタ204、208は、励磁電流Iを制御すべくデュー
ティ制御される素子として用いられる。
【0093】すなわち、駆動回路200は、励磁電流I
を正方向に流したい場合は、第1トランジスタ202を
オン状態とし、かつ、第4トランジスタ208を適当に
デューティ駆動する。また、駆動回路200は、正方向
の励磁電流Iを減少させたい場合、および、励磁電流I
を逆方向に流通させたい場合は、第3トランジスタ20
6をオン状態とし、かつ、第2トランジスタ204を適
当にデューティ制御する。上述した回路によれば、ロア
コイル34に対して迅速に正逆両方向の電圧を印加し
て、励磁電流Iを精度良く制御することができる。
【0094】図17(A)〜図17(E)は、弁体12
が適正に閉弁端から開弁端まで変位した場合に実現され
るタイムチャートを示す。図17(A)〜図17(E)
は、それぞれ、弁体12の変位、指令電流Iop、ロアコ
イル34の発する磁束Φ、磁束Φの変化 dΦ/dt 、およ
び、ロアコイル34の両端電圧を示す。図17(B)に
示す如く、弁体12が閉弁端から開弁端に変位する過程
で、指令電流Iopは“0”から吸引電流IA に変化す
る。そして、弁体12が開弁端に到達する時期とほぼ同
期して、指令電流Iopは保持電流IH に減少される。上
記図16に示す駆動回路200は、ロアコイル34を流
れる励磁電流Iが、指令電流Iopと一致するように、適
宜第1乃至第4トランジスタ202〜208の制御を行
う。その結果、励磁電流Iは、指令電流Iopに追従した
変化を示す。
【0095】弁体12が適正に作動する場合、磁束Φ
は、図17(C)に示す如く、弁体12が開弁端に近づ
くに過程で増加し、弁体12が開弁端に到達した後に一
定値に維持される。この際、磁束Φの変化率 dΦ/dt
は、図17(D)に示す如く、常に“0”以上の値を示
す。磁束Φに正の変化率 dΦ/dt (>0)が生ずる間、
ロアコイル34は、励磁電流Iの増加を妨げる方向に、
逆起電力“−N・ dΦ/dt ”を発生する。これに対し
て、駆動回路200は、その逆起電力“−N・ dΦ/dt
”を打ち消して、指令電流Iopと一致する正方向の励
磁電流Iを流通させ得る電圧Vがロアコイル34の両端
に印加されるべく、第1および第4トランジスタ20
2、208を駆動する。この際、ロアコイル34の両端
に印加される電圧Vは、次式の如く表すことができる。
【0096】V=R・I+N・ dΦ/dt 尚、上記式中、Rはロアコイル34の電気抵抗、Iはロ
アコイル34に流れるべき励磁電流、また、Nはロアコ
イル34のターン数である。上述の如く、磁束Φの変化
率 dΦ/dt は、弁体12が適正に作動する場合は(厳密
には、かつ、指令電流Iopが零または正の場合は) 、常
に“0”以上の値となる。従って、ロアコイル34の両
端電圧Vは、このような状況下では、常にR・I以上の
値を維持する。
【0097】図18(A)〜図18(E)は、弁体12
が開弁端に達した後、保持期間中に脱調が生じた場合に
実現されるタイムチャートを示す。図18(A)〜図1
8(E)は、それぞれ、弁体12の変位、指令電流Io
p、ロアコイル34の発する磁束Φ、磁束Φの変化 dΦ/
dt 、および、ロアコイル34の両端電圧を示す。開弁
期間中に弁体12に脱調が生ずると、ロア電磁石26と
アーマチャ22との間隔が離れることに起因して、磁束
Φには負の変化率− dΦ/dt が発生する(図18
(D))磁束Φに負の変化率 dΦ/dt (<0)が生ずる
間、ロアコイル34は、励磁電流Iの減少を妨げる方向
に、すなわち、励磁電流Iを正方向に流そうとする方向
に逆起電力“−N・ dΦ/dt ”を発生する。これに対し
て、駆動回路200は、ロアコイル34の両端電圧V
が、その逆起電力“−N・ dΦ/dt ”を相殺し得る電圧
となるように第1乃至第4トランジスタ202〜208
を駆動する。
【0098】この際、ロアコイル34の両端に印加され
る電圧Vは、ロアコイル34の電気抵抗Rと流通すべき
励磁電流Iとの乗算値R・Iに比して小さな値V=R・
I+N・ dΦ/dt ( dΦ/dt <0)となる。このよう
に、本実施例のシステムによれば、指令電流Iopが零以
上の値である状況下では、弁体12に脱調が生じた場合
にのみロアコイル34の両端電圧が乗算値R・Iに比し
て小さな値となる。
【0099】電磁駆動弁10の動作中に、アッパコイル
30またはロアコイル34に流通すべき励磁電流Iは、
予め所定のパターンとして記憶することができる。従っ
て、コントローラ44は、電磁駆動弁10の動作中に、
常に適正な乗算値R・Iをメモリから読みだすことがで
きる。従って、本実施例のシステムによれば、乗算値R
・Iと、ロアコイル34の両端電圧Vとを比較すること
で、弁体12に脱調が生じているか否かを正確に判別す
ることができる。本実施例のシステムは、かかる手法で
弁体12の脱調を検出する点に特徴を有している。
【0100】図19は、上記の機能を実現すべくコント
ローラ44が実行する制御ルーチンのフローチャートを
示す。図19に示すルーチンは、所定時間毎に繰り返し
起動される定時割り込みルーチンである。尚、図19に
おいて、上記図15に示すステップと同一の処理を実行
するステップについては、同一の符号を付してその説明
を省略する。図19に示すルーチンが起動されると、先
ずステップ220の処理が実行される。
【0101】ステップ220では、指令電流Iopが
“0”以上であるか否かが判別される。Iop≧0が成立
しない場合は、弁体12が正常に動作していても磁束Φ
に負の変化率が生ずることがある。従って、かかる状況
下では、弁体12が正常に動作していても、アッパまた
はロアコイル30,34の両端に乗算値R・Iに比して
小さな電圧Vが発生することがある。このため、Iop≧
0が成立しないと判別された場合は、以後、脱調の検出
処理が実行されることなく今回のルーチンが終了され
る。一方、上記の条件が成立すると判別される場合は、
次にステップ222の処理が実行される。
【0102】ステップ222では、アッパまたはロアコ
イル30、34の両端電圧Vが、所定のしきい値VTH
上であるか否かが判別される。所定のしきい値VTHは、
乗算値R・Iに基づいて設定される値、より具体的に
は、乗算値R・Iに比して僅かに小さな値である。従っ
て、上記の処理によりV≧VTHが成立すると判別される
場合は、弁体12に脱調が生じていないと判断すること
ができる。この場合、次に上記ステップ196の処理が
実行された後、今回のルーチンが終了される。一方、上
記の条件が成立しない場合は、弁体12に脱調が生じて
いると判断できる。この場合、次に上記ステップ198
の処理が実行された後、今回のルーチンが終了される。
【0103】上述の如く、本実施例のシステムによれ
ば、アッパまたはロアコイル30、34の両端電圧Vに
基づいて弁体12の脱調を正確に検出することができ
る。このため、本実施例のシステムによれば、弁体12
の状態に応じた適正な制御を正確に実行することができ
る。尚、上記の実施例においては、第1および第4トラ
ンジスタ202、208が前記請求項3記載の「正方向
スイッチ回路」に、第2および第3トランジスタ20
4、206が前記請求項3記載の「逆方向スイッチ回
路」に、駆動回路200が前記請求項3記載の「スイッ
チ回路制御手段」に、それぞれ相当していると共に、コ
ントローラ44が、上記ステップ220、222、19
6および198の処理を実行することにより前記請求項
3記載の「脱調検出手段」が実現されている。
【0104】次に、図20を参照して、本発明の第5実
施例について説明する。本実施例のシステムは、上記第
4実施例と同様のシステム構成において、コントローラ
44に、図19に示すルーチンに代えて図20に示すル
ーチンを実行させることにより実現される。上述の如
く、上記図16に示す回路は、ロアコイル34に対して
正方向に電圧を印加するための第1および第4トランジ
スタ202、208と、ロアコイル34に対して逆方向
に電圧を印加するための第2および第3トランジスタ2
04、206を備えている。
【0105】弁体12が正常に動作している場合、逆方
向電圧の印加は、励磁電流Iを減少させる必要がある場
合にのみ要求される。従って、弁体12が正常に動作し
ている場合は、指令電流Iopの増加中および保持中に第
2および第3トランジスタ2044、206がオン状態
とされることはない。一方、指令電流Iopの増加中また
は保持中であっても、弁体12に脱調が発生した場合
は、ロアコイル34の発する逆起電力を相殺すべく、第
2および第3トランジスタ204、206がオン状態と
される事態が生ずる。
【0106】換言すると、第2および第3トランジスタ
204、206は、指令電流Iopの増加中または保持中
は、弁体12に脱調が生じた場合にのみオン状態とされ
る。従って、本実施例のシステムにおいて、指令電流I
opの増加中または保持中に第2または第3トランジスタ
204、206がオン状態とされた場合は、弁体12に
脱調が生じたと判断することができる。本実施例のシス
テムは、弁体12に脱調が生じているか否かを上記の手
法で判別する点に特徴を有している。
【0107】図20は、上記の機能を実現すべくコント
ローラ44が実行する制御ルーチンのフローチャートを
示す。図20に示すルーチンは、所定時間毎に繰り返し
起動される定時割り込みルーチンである。尚、図20に
おいて、上記図15または図19に示すステップと同一
の処理を実行するステップには、同一の符号を付してそ
の説明を省略する。図20に示すルーチンが起動される
と、先ずステップ230の処理が実行される。
【0108】ステップ230では、指令電流Iopの増加
中または保持中であるかが判別される。その結果、上記
の条件が成立しない場合は、以後、脱調の検出処理が実
行されることなく今回のルーチンが終了される。一方、
上記の条件が成立すると判別される場合は、次にステッ
プ232の処理が実行される。ステップ232では、逆
方向トランジスタが非駆動状態であるか、より具体的に
は、第2および第3トランジスタ204、206が何れ
も非駆動状態であるかが判別される。その結果、逆方向
トランジスタが非駆動状態であると判別される場合は、
弁体12に脱調が生じていないと判断することができ
る。この場合、次に上記ステップ196の処理が実行さ
れた後、今回のルーチンが終了される。一方、上記の条
件が成立しない場合は、弁体12に脱調が生じていると
判断できる。この場合、次に上記ステップ198の処理
が実行された後、今回のルーチンが終了される。
【0109】上述の如く、本実施例のシステムによれ
ば、第2および第3トランジスタ204、206の動作
状態に基づいて、弁体12の脱調を正確に検出すること
ができる。このため、本実施例のシステムによれば、弁
体12の状態に応じた適正な制御を正確に実行すること
ができる。尚、上記の実施例においては、第1および第
4トランジスタ202、208が前記請求項4記載の
「正方向スイッチ回路」に、第2および第3トランジス
タ204、206が前記請求項4記載の「逆方向スイッ
チ回路」に、駆動回路200が前記請求項4記載の「ス
イッチ回路制御手段」に、それぞれ相当していると共
に、コントローラ44が上記ステップ230、232、
196および198の処理を実行することにより前記請
求項4記載の「脱調検出手段」が実現されている。
【0110】次に、図21乃至図24を参照して、本発
明の第6実施例について説明する。本実施例のシステム
は、上記図1に示すシステム構成において、駆動装置4
6に上記図16に示す回路を内蔵させ、かつ、コントロ
ーラ44に、図24に示すルーチンを実行させることに
より実現される。上述した第4実施例において、コント
ローラ44は、弁体12に脱調が生ずると、アッパまた
はロアコイル30、34の両端電圧Vが正常時に比して
低い値となることを利用して弁体12の脱調を検出す
る。また、上述した第5実施例において、コントローラ
44は、第2および第3トランジスタ204、206が
弁体12に脱調が生じた場合にのみオン状態とされるこ
とを利用して、弁体12の脱調を検出する。
【0111】弁体12の脱調に伴ってアッパまたはロア
コイル30、34の両端電圧Vが正常時に比して低くな
る現象、および、弁体12の脱調に伴って第2および第
3トランジスタ204、206がオン状態とされる現象
は、弁体12の脱調後に磁束Φの現象が生じ、アッパま
たはロアコイル30、34がその減少を妨げる方向に逆
起電力を発生することにより発生する。従って、弁体1
2が脱調した後、アーマチャ22が大きく変位端から離
間して磁束Φの変化が小さな値に収束した後は、上述し
た第4および第5実施例の手法によって弁体12の脱調
状態を検知することはできない。
【0112】コントローラ44は、弁体12の脱調が検
出された直後に、復帰電流IR を出力することで、弁体
12を正常な状態に復帰させようとする(上記ステップ
122、および、図8参照)。復帰電流IR の出力が要
求される時点では、磁束Φに大きな変化が生じている。
このため、かかるタイミングにおいては、上述した第4
および第5実施例の手法で弁体12の脱調を正確に検出
することができる。
【0113】しかし、復帰電流IR の出力により弁体1
2が正常な状態に復帰しなかった場合は、弁体12が大
きく変位端から離間して、磁束Φの変化が小さな値に収
束する事態が生ずる。磁束Φの変化は、復帰電流IR
出力により弁体12が正常な状態に復帰した場合にも小
さな値に収束する。このため、上述した第4および第5
実施例の手法によっては、復帰電流IR の出力により弁
体12が正常な状態に復帰したか否かを正確に判断する
ことができない。
【0114】本実施例のシステムは、開弁側または閉弁
側で弁体12の脱調が検出された場合に、その後、弁体
12を閉弁端または開弁端に向けて変位させる制御と共
に、アッパコイル30またはロアコイル34の端子間電
圧に基づいて、弁体12が正常に動作しているか、或い
は、弁体12に脱調が生じているかを判断する点に特徴
を有している。
【0115】図21は、本実施例のシステムの動作を説
明するためのタイムチャートを示す。図21(A)は、
開弁端から閉弁端へ変位する弁体12の変位を示す。ま
た、図21(B)および図21(C)は、それぞれ、ア
ッパコイル30およびロアコイル34に対する指令電流
Iopを示す。弁体12が開弁端に保持される保持期間中
は、ロアコイル34に対する指令電流Iopが保持電流I
H に制御される。この間、ロア電磁石26とアーマチャ
22との間には、弁体12を開弁端に保持するための電
磁力が作用する。弁体12の閉弁要求が生じた後に、弁
体を開弁端から閉弁端に向けて速やかに変位させるため
には、ロア電磁石26とアーマチャ22との間に作用し
ている電磁力を速やかに消滅させることが必要である。
【0116】ロア電磁石26とアーマチャ22との間に
作用している電磁力を速やかに消滅させるためには、弁
体12の開弁要求が生じた後に、ロアコイル34に対し
て逆方向の電圧を印加して、ロアコイル34を流れる励
磁電流Iを速やかに消滅させることが有効である。この
ため、本実施例のシステムにおいて、コントローラ44
は、図21(C)に示す如く、弁体12の閉弁要求が生
じた後に、指令電流Iopを所定期間負の逆電流IN に制
御する。コントローラ44は、弁体12が閉弁端に保持
された後、弁体12の開弁要求が生じた際には、アッパ
コイル30に対する指令電流Iopを所定期間逆電流IN
に制御する。上記の処理によれば、開弁または閉弁要求
が生じた後にアーマチャ22に作用する残留磁気を速や
かに消滅させて、弁体12を優れた応答性の下に作動さ
せることができる。
【0117】図22は、閉弁要求の生ずる前に弁体12
が適正に開弁端に保持されていた場合に実現されるタイ
ムチャートを示す。また、図23は、閉弁要求の生ずる
前に弁体12に脱調が生じていた場合に実現されるタイ
ムチャートを示す。尚、図22(A)および図23
(A)は、共に上記図16に示す正方向トランジスタ、
すなわち、第1および第4トランジスタ202、208
の作動状態を示す。一方、図22(B)および図23
(B)は、ロアコイル34に対する指令電流Iop(実
線)およびロアコイル34を流れる励磁電流I(破線)
を示す。
【0118】弁体12が適正に開弁端に保持されている
場合は、すなわち、ロア電磁石26にアーマチャ22が
密着している場合は、保持期間中にロア電磁石26に大
きな磁束Φが流通する。この場合、ロアコイル34に対
する指令電流Iopが逆電流I N とされた後に、ロア電磁
石26は大きな逆起電力を発生する。このため、閉弁要
求が生ずる前に弁体12が適正に開弁端に保持されてい
た場合は、図22(B)に示す如く、ロアコイル34対
する指令電流Iopが逆電流IN とされた後、ロアコイル
34を流れる励磁電流Iは、緩やかな減少傾向を示す。
【0119】指令電流Iopを逆電流IN に維持する期間
は、励磁電流Iが上記の減少傾向を示す場合に、励磁電
流Iが僅かに負の値となる期間に設定されている。この
ため、閉弁要求が生ずる前に弁体12が適正に開弁端に
維持していた場合は、図22(B)に示す如く、ロアコ
イル34を流れる励磁電流Iが僅かに負の値となった時
点で指令電流Iopが逆電流IN から“0”に切り換えら
れる。
【0120】上記図16に示す駆動回路200は、励磁
電流Iが指令電流Iopと一致するように第1乃至第4ト
ランジスタ202〜208を駆動する。このため、指令
電流Iopが逆電流IN から“0”に切り換えられた後、
I<I op=0が成立する間、すなわち、負の励磁電流が
消滅するまでの間は、ロアコイル34に正方向の電圧を
印加する第1および第4トランジスタ202、208が
作動状態とされる。
【0121】開弁要求の生ずる前に弁体12が適正に開
弁端に保持されていた場合は、指令電流Iopが逆電流I
N から“0”に切り換えられた後、負の励磁電流は速や
かに消滅する。このため、かかる状況下では、指令電流
Iopの切り換えが行われた後、第1および第4トランジ
スタ202〜208が駆動される期間は、図22(A)
に示す如く、極短期間となる。
【0122】弁体12を開弁端に保持すべき保持期間中
に弁体12に脱調が生じている場合、すなわち、ロア電
磁石26とアーマチャ22とが密着していない場合は、
その保持期間中にロア電磁石26が発する磁束Φが小さ
な値に抑制される。この場合、ロアコイル34に対する
指令電流Iopが逆電流IN とされた後に、ロア電磁石2
6は、小さな逆起電力を発生する。このため、かかる状
況下では、指令電流Iopの切り換えが行われた後、ロア
コイル34を流れる励磁電流Iは、図23(C)に示す
如く急激な減少傾向を示す。
【0123】指令電流Iopが逆電流IN に切り換えられ
た後、励磁電流Iが上記の如く急激な減少傾向を示す
と、指令電流Iopが逆電流IN から“0”に切り換えら
れるまでに、励磁電流Iは、図23(B)に示す如く負
の大きな値に到達する。このため、かかる状況下では、
指令電流Iopが逆電流IN から“0”に切り換えられた
後、第1および第4トランジスタ202〜208は、図
23(A)に示す如く、長期間継続して駆動される。
【0124】上述の如く、本実施例のシステムでは、弁
体12の閉弁要求が生ずる前に弁体12が適正に開弁端
に保持されていたか否かに応じて、指令電流Iopが逆電
流I N から“0”に切り換えられた後に第1および第4
トランジスタ202、208が駆動される期間に大きな
差が生ずる。本実施例のシステムでは、弁体12の閉弁
要求が生じた後にも、アッパコイル30に対する回路に
おいて同様の現象が生ずる。このため、本実施例のシス
テムにおいては、アッパコイル30およびロアコイル3
4に対応する第1および第4トランジスタタジスタ20
2、208の駆動状態に基づいて、開弁または閉弁要求
の生ずる前に、弁体12に脱調が生じていたか否かを正
確に検知することができる。
【0125】上述した手法によれば、弁体12に脱調が
発生し、その後磁束Φが十分に小さな値に収束した時点
で、弁体12の脱調の有無を正確に判別することができ
る。従って、上記の手法によれば、弁体12の脱調に伴
って復帰電流IR が発生された後に、続く開弁または閉
弁サイクル時に、弁体12が正常な状態に復帰している
か否かを正確に判断することができる。
【0126】図24は、上記の機能を実現すべくコント
ローラ44が実行する制御ルーチンのフローチャートを
示す。コントローラ44は、アッパコイル30およびロ
アコイル34のそれぞれに対して本ルーチンを実行す
る。本ルーチンは、その処理が終了する毎に繰り返し起
動されるルーチンである。本ルーチンが起動されると、
先ずステップ240の処理が実行される。
【0127】ステップ240では、制御対象とされるコ
イルに対する指令電流Iopが逆電流IN から“0”に切
り換えられたか否かが判別される。その結果、上記の切
り換えが実行されていないと判別される場合は、以後、
何ら処理が進められることなく今回のルーチンが終了さ
れる。一方、上記の切り換えが実行されたと判別される
場合は、次にステップ242の処理が実行される。
【0128】ステップ242では、作動カウンタCON
のインクリメントが行われる。作動カウンタCONは、
制御対象のコイルに対する正方向トランジスタ、すなわ
ち、第1および第4トランジスタ202、208が作動
状態とされる期間を計数するためのカウンタである。ス
テップ244では、上記の正方向トランジスタが作動状
態から非作動状態に変化したか否かが判別される。その
結果、未だその変化が生じていないと判別される場合
は、再び上記ステップ242の処理が実行される。一
方、上記の変化が生じていると判別される場合は、次に
ステップ246の処理が実行される。
【0129】ステップ246では、作動カウンタCON
の計数値が所定のしきい値CFAIL以上であるか否か
が判別される。その結果、CON≧CFAILが成立し
ないと判別される場合は、弁体12が正常な状態で作動
していると判断できる。この場合、以後、何ら処理が進
められることなく今回のルーチンが終了される。一方、
CON≧CFAILが成立すると判別される場合は、弁
体12が脱調していると判断できる。この場合、次にス
テップ248の処理が実行される。
【0130】ステップ248では、復帰電流IR による
復帰動作が失敗したことを認識すると共に、内燃機関に
対する燃料をカットする処理、電磁駆動弁10に対する
電流をカットする処理等、弁体12の脱調に対処するた
めの処理が実行される。本ステップ248の処理が終了
すると、今回のルーチンが終了される。上記の処理によ
れば、弁体12の作動状態を直接監視するセンサ等を設
けることなく、復帰動作により正常状態に復帰しなかっ
た脱調を即座に検出し、かつ、かかる脱調が検出された
場合に内燃機関の運転を停止させることができる。この
ため、本実施例のシステムによれば、弁体12が脱調し
たまま内燃機関の動作が継続するのを避ける機能を安価
に実現することができる。
【0131】ところで、上記の実施例においては、正方
向トランジスタが作動状態とされる期間の長短に応じて
弁体12の脱調の有無を判別することとしているが、弁
体12の脱調を検出する手法はこれに限定されるもので
はない。すなわち、上記の実施例において、脱調の有無
に対応して正方向トランジスタの作動時間に差異が生ず
るのは、脱調の有無に応じて、指令電流Iopが保持電流
H から逆電流IN に変化した後に励磁電流Iに生ずる
変化の傾向に差異が生ずるからである。
【0132】従って、脱調の有無は、指令電流Iopが保
持電流IH から逆電流IN に変化した後に励磁電流Iに
生ずる変化率や、指令電流Iopが逆電流IN から“0”
に切り換えられた時点で生じていた励磁電流Iの値等に
基づいて判別することも可能である。尚、上記の実施例
においては、第1および第4トランジスタ202、20
8が前記請求項6記載の「正方向スイッチ回路」に、第
2および第3トランジスタ204、206が前記請求項
6記載の「逆方向スイッチ回路」にそれぞれ相当してい
ると共に、コントローラ44が指令電流Iopを逆電流I
N とすることにより前記請求項6記載の「消磁電圧印加
手段」が、コントローラ44が上記ステップ240〜2
48の処理を実行することにより前記請求項6記載の
「保持状態判断手段」が、それぞれ実現されている。
【0133】
【発明の効果】上述の如く、請求項1記載の発明によれ
ば、引き付け電流を常に必要最小限の値に制御すること
により、電磁駆動弁に優れた省電力特性を付与すること
ができる。請求項2記載の発明によれば、弁体に脱調が
生じた後に、速やかに正常な状態を復元させることがで
きる。このため、本発明によれば、引き付け電流を必要
最小限の値に制御しつつ、弁体を適正に開閉動作させる
ことができる。
【0134】請求項3記載の発明によれば、電磁石の両
端電圧に基づいて、弁体の脱調を正確に検出することが
できる。請求項4記載の発明によれば、電磁石に励磁電
流を供給する正方向および逆方向スイッチ回路の作動状
態に基づいて、弁体の脱調を正確に検出することができ
る。
【0135】請求項5記載の発明によれば、電磁石が適
正な磁束密度を発生しているか否かに基づいて、弁体の
脱調を正確に検出することができる。また、請求項6記
載の発明によれば、電磁石に逆方向電圧を印加した後に
励磁電流に生ずる変化の状態に基づいて、弁体が適正に
電磁石の近傍に保持されていたか否かを正確に判断する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1および第2、および、第4乃至第
6実施例の電磁駆動弁のシステム構成図である。
【図2】図2(A)は第1実施例の電磁駆動弁の弁体の
変位を示すタイムチャートである。図2(B)は第1実
施例の電磁駆動弁のロアコイルに対する指令電流Iopの
タイムチャートである。
【図3】第1実施例の電磁駆動弁の特性を説明するため
の図である。
【図4】第1実施例の電磁駆動弁において弁体の脱調を
検出するために実行される制御ルーチンのフローチャー
トである。
【図5】第1実施例の電磁駆動弁において指令電流Iop
を更新するために実行される制御ルーチンのフローチャ
ートである。
【図6】図6(A)は第1実施例の電磁駆動弁の弁体の
第Nサイクルにおける変位を示すタイムチャートであ
る。図6(B)は第1実施例の電磁駆動弁のロアコイル
に対する第Nサイクルにおける指令電流Iopのタイムチ
ャートである。
【図7】図7(A)は第1実施例の電磁駆動弁の弁体の
第N+1サイクルにおける変位を示すタイムチャートで
ある。図7(B)は第1実施例の電磁駆動弁のロアコイ
ルに対する第N+1サイクルにおける指令電流Iopのタ
イムチャートである。
【図8】図8(A)は第1実施例の電磁駆動弁の弁体の
第N+ΔNサイクルにおける変位を示すタイムチャート
である。図8(B)は第1実施例の電磁駆動弁のロアコ
イルに対する第N+ΔNサイクルにける指令電流Iopの
タイムチャートである。
【図9】図9(A)は第1実施例の電磁駆動弁の弁体の
第N+ΔN+1サイクルにおける変位を示すタイムチャ
ートである。図9(B)は第1実施例の電磁駆動弁のロ
アコイルに対する第N+ΔN+1サイクルにける指令電
流Iopのタイムチャートである。
【図10】第2実施例の電磁駆動弁において指令電流I
opを更新するために実行される制御ルーチンのフローチ
ャート(その1)である。
【図11】第2実施例の電磁駆動弁において指令電流I
opを更新するために実行される制御ルーチンのフローチ
ャート(その2)である。
【図12】第2実施例の電磁駆動弁において更新後の指
令電流Iopの維持期間を設定するために実行される制御
ルーチンのフローチャート(その2)である。
【図13】図13(A)は第3実施例の電磁駆動弁にお
いて脱調が生じた際の弁体の変位を示すタイムチャート
である。図13(B)は第3実施例の電磁駆動弁のロア
コイルに対する指令電流Iopのタイムチャートである。
図13(C)は第3実施例の電磁駆動弁において脱調が
生じた際にロア電磁石に現れる磁束密度の変化を示すタ
イムチャートである。
【図14】第3実施例の電磁駆動弁に用いられるロアコ
イルの断面図である。
【図15】第3実施例の電磁駆動弁において弁体の脱調
を検出するために実行される制御ルーチンのフローチャ
ートである。
【図16】第4乃至第6実施例のシステムにおいてロア
コイルに対応して配設される回路の回路図である。
【図17】図17(A)は第4実施例の電磁駆動弁が正
常に動作する際の弁体の変位を示すタイムチャートであ
る。図17(B)は第4実施例の電磁駆動弁のロアコイ
ルに対する指令電流Iopのタイムチャートである。図1
7(C)は第4実施例の電磁駆動弁が正常に動作する際
のロア電磁石の磁束のタイムチャートである。図17
(D)は第4実施例の電磁駆動弁が正常に動作する際の
ロア電磁石の磁束の変化率のタイムチャートである。図
17(E)は第4実施例の電磁駆動弁が正常に動作する
際のロアコイルの両端電圧のタイムチャートである。
【図18】図18(A)は第4実施例の電磁駆動弁に脱
調が生じた際の弁体の変位を示すタイムチャートであ
る。図18(B)は第4実施例の電磁駆動弁のロアコイ
ルに対する指令電流Iopのタイムチャートである。図1
8(C)は第4実施例の電磁駆動弁に脱調が生じた際の
ロア電磁石の磁束のタイムチャートである。図18
(D)は第4実施例の電磁駆動弁に脱調が生じた際のロ
ア電磁石の磁束の変化率のタイムチャートである。図1
8(E)は第4実施例の電磁駆動弁に脱調が生じた際の
ロアコイルの両端電圧のタイムチャートである。
【図19】第4実施例の電磁駆動弁において弁体の脱調
を検出するために実行される制御ルーチンのフローチャ
ートである。
【図20】第5実施例の電磁駆動弁において弁体の脱調
を検出するために実行される制御ルーチンのフローチャ
ートである。
【図21】図21(A)は第6実施例の電磁駆動弁の弁
体の変位を示すタイムチャートである。図21(B)は
第6実施例の電磁駆動弁のアッパコイルに対する指令電
流Iopのタイムチャートである。図21(C)は第6実
施例の電磁駆動弁のロアコイルに対する指令電流Iopの
タイムチャートである。
【図22】図22(A)は第6実施例の電磁駆動弁が正
常に動作している場合における正方向トランジスタの動
作状態を示すタイムチャートである。図22(B)は第
6実施例の電磁駆動弁が正常に動作している場合におけ
る指令電流Iopおよび励磁電流Iのタイムチャートであ
る。
【図23】図23(A)は第6実施例の電磁駆動弁に脱
調が生じている場合における正方向トランジスタの動作
状態を示すタイムチャートである。図23(B)は第6
実施例の電磁駆動弁に脱調が生じている場合における指
令電流Iopおよび励磁電流Iのタイムチャートである。
【図24】第6実施例の電磁駆動弁において弁体の脱調
を検出するために実行される制御ルーチンのフローチャ
ートである。
【符号の説明】
10 電磁駆動弁 24 アッパ電磁石 26;180 ロア電磁石 28 アッパコア 30 アッパコイル 32 ロアコア 34 ロアコイル 44 コントローラ 182 サーチコイル 202 第1トランジスタ 204 第2トランジスタ 206 第3トランジスタ 208 第4トランジスタ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電磁石の発する電磁力と弾性部材の発す
    る弾性力とを協働させることにより弁体を開閉動作させ
    る内燃機関の電磁駆動弁制御装置であって、 前記電磁石が前記弁体を引き付けるべき時期に、前記電
    磁石に所定の吸引電流を供給する吸引電流供給手段と、 前記弁体の所定の開閉動作からの脱調を検出する脱調検
    出手段と、 前記脱調が検出された場合に、次のサイクルの吸引電流
    を増大させる吸引電流増大手段と、 前記脱調が検出されなかった場合に、次のサイクルの吸
    引電流を減少させる吸引電流減少手段と、 を備えることを特徴とする内燃機関の電磁駆動弁制御装
    置。
  2. 【請求項2】 前記脱調が検出された後に、前記電磁石
    に対して前記吸引電流に比して大きな復帰電流を供給す
    る復帰電流供給手段を備えることを特徴とする請求項1
    記載の内燃機関の電磁駆動弁制御装置。
  3. 【請求項3】 前記電磁石に対して正方向の電圧を加え
    る正方向スイッチ回路と、 前記電磁石に対して逆方向の電圧を加える逆方向スイッ
    チ回路と、 前記電磁石を流れる励磁電流が所定の指令電流に一致す
    るように前記正方向スイッチ回路および前記逆方向スイ
    ッチ回路を選択的に作動状態とするスイッチ回路制御手
    段と、を備えると共に、 前記前記脱調検出手段は、前記励磁電流が保持または増
    加されるべき時期に前記電磁石の両端電圧が所定のしき
    い値に比して小さい場合に前記脱調を検出することを特
    徴とする請求項1記載の内燃機関の電磁駆動弁制御装
    置。
  4. 【請求項4】 前記電磁石に対して正方向の電圧を加え
    る正方向スイッチ回路と、 前記電磁石に対して逆方向の電圧を加える逆方向スイッ
    チ回路と、 前記電磁石を流れる励磁電流が所定の指令電流に一致す
    るように前記正方向スイッチ回路および前記逆方向スイ
    ッチ回路を選択的に作動状態とするスイッチ回路制御手
    段と、を備えると共に、 前記脱調検出手段は、前記励磁電流が保持または増加さ
    れるべき時期に前記逆方向スイッチ回路が作動状態とさ
    れた場合に前記脱調を検出することを特徴とする請求項
    1記載の内燃機関の電磁駆動弁制御装置。
  5. 【請求項5】 前記脱調検出手段は、前記弁体が前記電
    磁石の近傍に保持されるべき時期に、前記電磁石の発す
    る磁束密度が所定値に満たない場合に前記脱調を検出す
    ることを特徴とする請求項1記載の内燃機関の電磁駆動
    弁制御装置。
  6. 【請求項6】 前記電磁石に対して正方向の電圧を加え
    る正方向スイッチ回路と、 前記電磁石に対して逆方向の電圧を加える逆方向スイッ
    チ回路と、 前記弁体を前記電磁石から離脱させるべき時期に、所定
    期間前記逆方向スイッチ回路を作動状態とする消磁電圧
    印加手段と、 前記逆方向スイッチ回路が作動状態とされた後に前記電
    磁石に流れる励磁電流の状態に基づいて、前記弁体が前
    記電磁石の近傍に保持されていたか否かを判断する保持
    状態判断手段と、 を備えることを特徴とする請求項1記載の内燃機関の電
    磁駆動弁制御装置。
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