JP4281246B2 - 機関バルブの駆動制御装置 - Google Patents

機関バルブの駆動制御装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、機関バルブの駆動制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、内燃機関の吸気弁や排気弁といった機関バルブを電磁石の電磁力に基づいて駆動制御するようにした装置が知られている。この種の駆動装置にあっては、機関バルブの駆動に際して、良好な作動安定性を確保することに加え、その駆動に伴う電力消費を極力抑えること、機関バルブがその変位端に達するとき、即ち全閉或いは全開状態になるときに発生する騒音を抑えること等が望まれる。
【0003】
そこで、特開平9−217859号公報に記載される装置にあっては、機関バルブの実作動状態を検出するとともに、その実作動状態が目標作動状態と一致するように電磁石の電磁力を制御するようにしている。こうした制御により、電磁石の電磁力は上述したような各種の要求に見合った大きさに制御されるようになる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記公報に記載の装置によるように、電磁石の電磁力を制御する際には、例えば機関バルブの実変位と目標変位との間の変位偏差が求められ、この変位偏差に基づいて、電磁力が機関バルブの実変位を目標変位とする上で適切な大きさになるように電磁石が通電制御される。例えば、この変位偏差が大きい場合には、より大きな電磁力によって機関バルブが開閉駆動されるように、電磁石の励磁電流が増大される。
【0005】
但し、機関バルブには、燃焼室内の内圧や吸気圧、或いは排気圧に応じた力等の外力が作用している。このため、外力と目標変位といった目標作動状態との関係が適切でないと、電磁石の励磁電流が過度に増大され、消費電力量の増大やその開閉に伴う騒音の発生を招いたり、或いは必要な機関バルブの駆動力に対し電磁力が不足し、機関バルブの作動安定性を確保できなくなるおそれがある。
【0006】
例えば機関バルブに加わる外力が小さいときに対応して上記各種要求に見合うよう目標変位を設定すると、機関バルブに加わる外力が大きいときには機関バルブの変位速度が小さくなるため、実変位が目標変位通りに追従せず、電磁石の励磁電流が過度に増大される。その結果、消費電力量の増大やその開閉に伴う騒音の発生を招くこととなる。一方、機関バルブに加わる外力が大きいときに対応して上記各種要求に見合うよう目標変位を設定すると、機関バルブに加わる外力が小さいときには機関バルブの変位速度が大きくなるため、機関バルブの変位を抑えるように電磁石の励磁電流が減少される。このため、必要な機関バルブの駆動力に対し電磁力が不足し、機関バルブの作動安定性を確保できなくなるおそれがある。
【0007】
この発明はこうした従来の実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、機関バルブに働く外力に係わらず、同バルブの作動安定性を確保することができ、且つ同バルブを駆動するための消費電力の増大や同バルブの開閉に伴う騒音の発生を抑制することのできる機関バルブの駆動制御装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明では、内燃機関の機関バルブであって電磁石の電磁力によって開閉駆動される機関バルブの駆動制御装置において、前記機関バルブの実作動状態が目標作動状態と一致するように、これら実作動状態及び目標作動状態に応じて前記電磁石の通電制御を行い同電磁石の電磁力を制御する制御手段と、前記機関バルブに加わる外力の大きさを推定する推定手段と、前記推定される外力の大きさに応じて前記電磁力を変更すべく、前記推定される外力の大きさを加味して前記機関バルブの目標作動状態を設定する設定手段と、を備え、前記推定手段は、非通電状態となった前記電磁石に対して通電を開始する前の前記機関バルブの実作動状態に基づき前記外力の大きさを推定するものとした。
【0009】
上記の構成によれば、機関バルブの望ましい開閉作動が得られるよう、当該機関バルブの目標作動状態を同バルブに働く外力に応じて適切に設定することが可能になる。そのため、機関バルブの実作動状態が上記目標作動状態と一致するように電磁石を通電制御することで、機関バルブが上記外力に対応した適切な電磁力をもって駆動されるようになる。従って、必要な機関バルブの駆動力に対し電磁力が不足して同バルブの作動安定性を確保できなくなるのを抑制するとともに、過剰な電磁力で機関バルブが駆動されることに伴い電力消費量が増大したり開閉時に騒音及び振動が発生したりするのを抑制することができる。また、機関バルブに働く外力を推定するために新たにセンサを設ける必要がなくなる。
【0010】
なお、ここでいう機関バルブの作動状態とは、例えばバルブの駆動速度や変位によって表されるものである。
請求項2記載の発明では、請求項1記載の発明において、前記制御手段は、前記実作動状態と前記目標作動状態との偏差に応じた電流値であるフィードバック電流を算出し、その算出されるフィードバック電流に基づき前記電磁石を通電制御するものとした。
【0011】
上記の構成によれば、機関バルブに働く外力を加味して設定された目標作動状態に対して同バルブの実作動状態が一致するよう、機関バルブを駆動するための電磁石の通電制御に用いられるフィードバック電流が算出される。そして、このフィードバック電流に基づき電磁石を通電制御することで、機関バルブが外力に対応した適切な電磁力をもって駆動されるようになるため、同電磁力の不足や過剰に伴う不具合を的確に抑制することができる。
【0012】
請求項3記載の発明では、請求項2記載の発明において、前記制御手段は、前記機関バルブと前記電磁石との間のエアギャップが大きいときほど、前記フィードバック電流を算出する際のフィードバックゲインを大きく設定するものとした。
【0013】
機関バルブに作用する電磁力は同機関バルブと電磁石との間のエアギャップの大きさに応じて変化する。即ち、電磁石の励磁電流が同じ大きさであっても、エアギャップが大きくなるほど機関バルブに作用する電磁力は小さくなる。このエアギャップが大きいときほどフィードバックゲインを大きく設定する上記構成によれば、エアギャップの大きさに応じた適切な大きさの電磁力を発生させることができ、より高い追従性並びに収束性をもって実作動状態を目標作動状態に制御することができる。
【0014】
請求項4記載の発明では、請求項2又は3に記載の発明において、前記制御手段は、前記フィードバック電流に加え、前記実作動状態を前記目標作動状態とするための電流値としてフィードフォワード電流を算出し、その算出されるフィードフォワード電流に基づき前記電磁石を通電制御するものとした。
【0015】
上記の構成によれば、機関バルブの実作動状態が目標作動状態と一致するよう電磁石を通電制御する際、フィードフォワード電流に基づくフィードフォワード制御が行われることから、上記電磁石の通電制御を時間遅れのないものとすることができるようになる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を内燃機関の吸気バルブ及び排気バルブの駆動制御装置に適用するようにした一実施形態について説明する。
【0019】
本実施形態において、吸気バルブ及び排気バルブはいずれも電磁石の電磁力によって開閉駆動される電磁駆動バルブとして構成されている。これら吸気バルブ及び排気バルブは構成及びその駆動制御態様が同じであるため、以下では排気バルブに関してのみ説明する。
【0020】
図1に示されるように、排気バルブ10は、シリンダヘッド18において往復動可能に支持された弁軸20、この弁軸20の一端に設けられた弁体16、並びに弁軸20を往復駆動する電磁駆動部21を備えている。シリンダヘッド18には、燃焼室12に通じる排気ポート14が形成されており、また同排気ポート14の開口近傍には弁座15が形成されている。弁軸20の往復動に伴って弁体16が弁座15に離着座することにより排気ポート14が開閉される。
【0021】
弁軸20において、弁体16が設けられた端部と反対側の端部には、ロアリテーナ22が設けられている。このロアリテーナ22とシリンダヘッド18との間には、ロアスプリング24が圧縮状態で配設されている。弁体16及び弁軸20は、このロアスプリング24によって閉弁方向(図1の上方向)に付勢されている。
【0022】
電磁駆動部21は、弁軸20と同軸上に配設されたアーマチャシャフト26を備えている。このアーマチャシャフト26の略中央部分には高透磁率材料からなる円板状のアーマチャ28が固定され、またその一端にはアッパリテーナ30が固定されている。アーマチャシャフト26においてこのアッパリテーナ30が固定された端部と反対側の端部は、弁軸20のロアリテーナ22側の端部に当接されている。
【0023】
電磁駆動部21のケーシング(図示略)内には、アッパコア32がアッパリテーナ30とアーマチャ28との間に位置して固定されている。同じくこのケーシング内には、ロアコア34がアーマチャ28とロアリテーナ22との間に位置して固定されている。これらアッパコア32及びロアコア34はいずれも高透磁率材料によって環状に形成されており、それらの各中央部にはアーマチャシャフト26が往復動可能に貫通されている。
【0024】
上記ケーシングに設けられたアッパキャップ36とアッパリテーナ30との間には、アッパスプリング38が圧縮状態で配設されている。アーマチャシャフト26は、このアッパスプリング38により弁軸20側に付勢されている。更に、このアーマチャシャフト26の付勢力によって、弁軸20及び弁体16は開弁方向(図1の下方向)に付勢されている。
【0025】
また、アッパキャップ36には変位センサ52が取り付けられている。この変位センサ52は、同センサ52とアッパリテーナ30との間の距離に応じて変化する電圧信号を出力する。従って、この電圧信号に基づいてアーマチャシャフト26の変位、換言すれば、排気バルブ10の変位を検出することができる。
【0026】
アッパコア32においてアーマチャ28と対向する面には、アーマチャシャフト26の軸心を中心とする環状の溝40が形成されている。また、この溝40内にはアッパコイル42が配置されている。このアッパコイル42とアッパコア32とによって排気バルブ10を閉弁方向に駆動するための電磁石61が構成されている。
【0027】
一方、ロアコア34においてアーマチャ28と対向する面には、アーマチャシャフト26の軸心を中心とする環状の溝44が形成されている。また、この溝44内にはロアコイル46が配置されている。このロアコイル46とロアコア34とによって排気バルブ10を開弁方向に駆動するための電磁石62が構成されている。
【0028】
これら各電磁石61,62のコイル42,46は、内燃機関の各種制御を統括して行う電子制御装置50によって通電制御される。この電子制御装置50は、CPUやメモリ、電磁石61,62の各コイル42,46に励磁電流を供給する駆動回路の他、変位センサ52の検出信号が取り込まれる入力回路、この検出信号をA/D変換するA/D変換器(いずれも図示略)等を備えて構成されている。
【0029】
図1は、アッパコイル42及びロアコイル46のいずれにも励磁電流が供給されず、各電磁石61,62に電磁力が発生していないときの排気バルブ10の状態を示している。この状態では、アーマチャ28は、各電磁石61,62の電磁力によって吸引されることはなく、各スプリング24,38の付勢力が釣り合う、各コア32,34の間の中間位置で静止している。また、この状態では、弁体16は弁座15から離間しており、排気ポート14は半開状態となっている。以下、この排気バルブ10の状態を中立位置という。
【0030】
次に、各コイル42,46の通電制御を通じて駆動される排気バルブ10の動作態様について説明する。
排気バルブ10を開閉駆動する際には、その開閉駆動に先立ち、上記中立位置にある排気バルブ10をその変位端である全閉位置にまで変位させ、同位置で静止させるための初期駆動処理が実行される。この初期駆動処理においては、各コイル42,46に、電子制御装置50の駆動回路から励磁電流が所定周期をもって交互に供給される。こうした通電制御を通じてアーマチャ28、アーマチャシャフト26、及び弁軸20等は、各スプリング24,38の付勢力と各電磁石61,62において交互に発生する電磁力との協働によって強制振動するようになる。そして、このアーマチャ28の振動振幅が徐々に増大し、同アーマチャ28がアッパコア32に当接するようになると、その当接のタイミングに合わせてロアコイル46の通電が停止されるとともに、アッパコイル42には一定の励磁電流が連続的に供給されるようになる。その結果、アーマチャ28は、電磁石62に発生する電磁力によってアッパコア32に吸着され、同コア32に当接した状態で静止するようになる。従って、排気バルブ10は全閉位置に保持され、その後に開閉駆動が可能な初期状態となる。
【0031】
そして、こうした全閉位置にある排気バルブ10を内燃機関の運転に同期させて開閉駆動する際には、フィードフォワード電流成分(以下、「FF電流If」という)とフィードバック電流成分(以下、「FB電流Ib」という)との和として設定される励磁電流(以下、「指令電流I」という)が電子制御装置50の駆動回路から各電磁石61,62のコイル42,46に選択的に供給される。
【0032】
ここで、排気バルブ10を開閉駆動する際の駆動力は、基本的には、各スプリング24,38の付勢力や、弁体16、弁軸20、アーマチャ28、アーマチャシャフト26等々の質量によって決定されるが、その他に、アーマチャシャフト26と各コア32,34との間や弁軸20とシリンダヘッド18との間等、各摺動部における摩擦抵抗の大きさによっても変化する。また、弁体16には、燃焼室12や排気ポート14の内圧に基づく外力が作用するため、排気バルブ10の駆動力はこの外力の影響を受けて変化する。
【0033】
従って、排気バルブ10の作動安定性を確保するためには、こうした各摺動部の摩擦抵抗の大きさや、燃焼室12等の内圧に基づく外力の大きさが反映されたかたちで各電磁石61,62の電磁力、換言すれば各コイル42,46に供給される励磁電流の大きさを設定する必要がある。
【0034】
特に、各摺動部の摩擦抵抗の大きさは、機関負荷によらず略一定とみなすことができるのに対し、燃焼室12等の内圧に基づく外力の大きさは、同機関負荷に応じて大きく変化する。例えば、機関負荷が大きくなると、燃焼圧が高圧になるため、排気バルブ10が開弁するときの燃焼室12の内圧や排気ポート14の排気圧もそれに応じて高くなり、それら圧力に基づく外力の大きさも大きくなる傾向がある。従って、この外力の大きさを考慮することなく上記励磁電流を設定するようにすると、排気バルブ10を駆動するための電磁力が不足してその作動安定性が確保されなくなったり、過剰な電磁力で排気バルブ10が駆動されることで、電力消費量の増大や、その開閉に伴う騒音(アーマチャ28と各コア32,34との当接音や、弁体16と弁座15との衝突音等)及び振動の発生を招くこととなる。
【0035】
そこで、本実施形態では、こうした摩擦抵抗や燃焼室12の内圧等に基づく外力の大きさを加味して上記FF電流If及びFB電流Ibを適切に設定することにより、排気バルブ10の作動安定性を確保しつつ、電力消費量の増大やその開閉に伴う騒音及び振動の発生を抑えるようにしている。
【0036】
次に、排気バルブ10の駆動制御態様の概要について、図2及び図5のタイムチャートを参照して、同バルブ10を開弁する場合(図2)と閉弁する場合(図5)とで別々に説明する。
【0037】
[排気バルブ10を開弁する場合]
図2において、(a)は排気バルブ10を開弁する際の同バルブ10の目標変位Xt及び実変位Xの時間経過に伴う推移を示すものであり、(b)、(c)、及び(d)はFB電流Ib、FF電流If、及び指令電流Iの時間経過に伴う推移を示すものである。
【0038】
同図に示されるタイミングt0〜t1の期間においては、FF電流Ifの大きさがアーマチャ28をアッパコア32に吸着したまま静止させ得る値(保持電流If2)に設定されるとともに、FB電流Ibが「0」に設定される。そのため、アッパコイル42に対して供給される指令電流Iが保持電流If2とされ、排気バルブ10は全閉位置に保持された状態となる。
【0039】
こうした状態から排気バルブ10を開弁させる際には、まずFF電流Ifが「0」とされることにより、アッパコイル42に対する指令電流Iの供給が停止され(タイミングt1)、排気バルブ10の全閉状態での固定が解除される。この固定解除の直後では指令電流Iが「0」であるため、排気バルブ10の可動部は、アッパスプリング38の付勢力に基づいて全開側に変位するようになる。そして、アーマチャ28とロアコア34との距離であるエアギャップGが所定値G1に達するまでの期間(タイミングt1〜t2)においては、FF電流If及びFB電流Ibがいずれも「0」のままに維持される。
【0040】
電子制御装置50は、排気バルブ10の全閉状態での固定が解除されたとき(タイミングt1)から時間Δtが経過した時点での排気バルブ10の実変位X(実線)に基づき、同バルブ10に働く外力の大きさを推定する。なお、上記時間Δtは、上記実変位Xに基づく外力の推定がタイミングt1〜t2の間で完了し得る値に設定される。そして、時間Δtが経過した時点での実変位Xが全閉側の値となるほど、排気バルブ10の開弁に抗して働く外力が大であると推定されることとなる。
【0041】
そして、電子制御装置50は、上記推定された外力、及び排気バルブ10の全閉状態での固定が解除されたときからの経過時間Tに基づき、FF電流Ifを算出するとともに、排気バルブ10の目標変位Xt(一転鎖線)を算出する。ここで、こうして算出された目標変位Xtにおける上記外力及び経過時間Tの変化に対する推移傾向を図3に示す。同図から明らかなように、目標変位Xtは、外力が大きくなるほど全閉位置から全開位置に至るまでの時間が長くなる推移傾向をとるようになる。
【0042】
この目標変位Xtに対して排気バルブ10の実変位X(実線)が一致するようにFB電流Ibが算出される。このFB電流Ib及び上記FF電流Ifは、上記外力を加味したものとして設定されるようになる。
【0043】
即ち、FF電流Ifは、上記推定される外力及び経過時間Tに基づき算出され、同外力に応じて可変とされる目標変位Xtに実変位Xを到達させるための電流値として設定される。ここで、こうして算出されたFF電流Ifにおける上記外力及び経過時間Tの変化に対する推移傾向を図4に示す。同図から明らかなように、FF電流Ifは、外力が大きくなるほど「0」以上になるタイミングが早められるとともに、そのときの大きさも大とされる。
【0044】
また、FB電流Ibは、上記エアギャップGが所定値G1に達すると(図2のタイミングt2)、それ以降は上記外力に応じて可変とされる目標変位Xtと実変位Xとの変位偏差ΔXを小さくするための電流値として当該偏差ΔXに基づき算出されるようになる。従って、タイミングt2からFF電流Ifが「0」以上になるとき(タイミングt3)までの期間は、指令電流IがFB電流Ibと等しくなり、ロアコイル46に対する通電制御としてFB電流Ibに基づくフィードバック制御のみが実行される。
【0045】
更に、経過時間TがFF電流Ifが「0」以上になる時間に達すると(タイミングt3)、FF電流Ifが上記経過時間T及び上記推定される外力に応じた値として算出されるようになる。従って、指令電流IはFF電流IfとFB電流Ibとの和として算出されるようになり、このFF電流Ifに基づくフィードフォワード制御がロアコイル46に対する通電制御として上記フィードバック制御と併せて実行される。
【0046】
そして、排気バルブ10の実変位Xが全開位置に達すると(タイミングt4)、変位偏差ΔXが「0」になることからFB電流Ibは「0」として算出される。また、このときにはFF電流Ifが保持電流If2と等しく設定され、これにより排気バルブ10が全開位置に保持されるようになる。
【0047】
[排気バルブ10を閉弁する場合]
図5において、(a)は排気バルブ10を閉弁する際の同バルブ10の目標変位Xt及び実変位Xの時間経過に推移を示すものであり、(b)、(c)、及び(d)はFB電流Ib、FF電流If、及び指令電流Iの時間経過に伴う推移を示すものである。
【0048】
同図に示されるタイミングt5〜t6の期間においては、FF電流Ifが保持電流If2と等しく設定されるとともに、FB電流Ibが「0」に設定される。そのため、ロアコイル46に対して供給される指令電流Iが保持電流If2とされ、排気バルブ10は全開位置に保持された状態となる。
【0049】
こうした状態から排気バルブ10を閉弁させる際には、まずFF電流Ifが「0」とされることにより、ロアコイル46に対する指令電流Iの供給が停止され(タイミングt6)、排気バルブ10の全開状態での固定が解除される。この固定解除の直後では指令電流Iが「0」であるため、排気バルブ10の可動部は、ロアスプリング24の付勢力に基づいて全閉側に変位するようになる。そして、アーマチャ28とアッパコア32との距離であるエアギャップGが所定値G1に達するまでの期間(タイミングt6〜t7)においては、FF電流If及びFB電流Ibがいずれも「0」のままに維持される。
【0050】
電子制御装置50は、排気バルブ10の全開状態での固定が解除されたとき(タイミングt6)から時間Δtが経過した時点での排気バルブ10の実変位X(実線)に基づき、同バルブ10に働く外力の大きさを推定する。なお、上記時間Δtは、上記実変位Xに基づく外力の推定がタイミングt6〜t7の間で完了し得る値に設定される。そして、時間Δtが経過した時点での実変位Xが全開側の値となるほど、排気バルブ10の閉弁に抗して働く外力が大であると推定されることとなる。
【0051】
そして、電子制御装置50は、上記推定された外力、及び排気バルブ10の全開状態での固定が解除されたときからの経過時間Tに基づき、FF電流Ifを算出するとともに、排気バルブ10の目標変位Xt(一転鎖線)を算出する。ここで、こうして算出された目標変位Xtにおける上記外力及び経過時間Tの変化に対する推移傾向を図6に示す。同図から明らかなように、目標変位Xtは、外力が大きくなるほど全開位置から全閉位置に至るまでの時間が長くなる推移傾向をとるようになる。
【0052】
この目標変位Xtに対して排気バルブ10の実変位X(実線)が一致するようにFF電流If及びFB電流Ibが算出される。このFB電流Ib及び上記FF電流Ifは、上記外力を加味したものとして設定されるようになる。
【0053】
即ち、FF電流Ifは、上記推定される外力及び経過時間Tに基づき算出され、同外力に応じて可変とされる目標変位Xtに実変位Xを到達させるための電流値として設定される。こうして算出されたFF電流Ifの経過時間Tに対する推移傾向も図4に示すようなものとなる。
【0054】
また、FB電流Ibは、上記エアギャップGが所定値G1に達すると(図5のタイミングt7)、それ以降は上記外力に応じて可変とされる目標変位Xtと実変位Xとの変位偏差ΔXを小さくするための電流値として当該偏差ΔXに基づき算出されるようになる。従って、タイミングt7からFF電流Ifが「0」以上になるとき(タイミングt8)までの期間は、指令電流IがFB電流Ibと等しくなり、アッパコイル42に対する通電制御としてFB電流Ibに基づくフィードバック制御のみが実行される。
【0055】
更に、経過時間TがFF電流Ifが「0」以上になる時間に達すると(タイミングt8)、FF電流Ifが上記経過時間T及び上記推定される外力に応じた値として算出されるようになる。従って、指令電流IはFF電流IfとFB電流Ibとの和として算出されるようになり、このFF電流Ifに基づくフィードフォワード制御がアッパコイル42に対する通電制御として上記フィードバック制御と併せて実行される。
【0056】
そして、排気バルブ10の実変位Xが全閉位置に達すると(タイミングt9)、変位偏差ΔXが「0」になることからFB電流Ibは「0」として算出される。また、このときにはFF電流Ifが保持電流If2と等しく設定され、これにより排気バルブ10が全閉位置に保持されるようになる。
【0057】
次に、排気バルブ10を駆動制御する手順について図7及び図8のフローチャートを参照して説明する。なお、このフローチャートに示される一連の処理は、電子制御装置50により所定の時間周期をもって繰り返し実行される。
【0058】
この一連の処理では、まず、排気バルブ10の全閉若しくは全開状態での固定が解除された直後か否かが判断され(図7のS101)、肯定判定であれば当該固定が解除された時点からの経過時間Tを計測するためのタイマがリセットされる(S102)。続いて、経過時間Tが上述した時間Δtであるか否かが判断され(S103)、肯定判定であれば「T=Δt」となった時点での排気バルブ10の実変位Xに基づき、同バルブ10の作動に抗して働く外力の大きさが推定される(S104)。
【0059】
更に、経過時間Tが時間Δtよりも大であるか否かが判断され(図8のS105)、肯定判定であれば上記推定された外力及び経過時間Tに基づきFF電流Ifが算出される(S106)。こうして算出されるFF電流Ifは、外力及び経過時間Tに応じて図4に示されるように推移することから明らかなように、上記外力が大となるほど大きい値となり、当該外力による影響を補償するのに適した大きさに設定されることとなる。
【0060】
一方、先のステップS105の処理で否定判定がなされた場合には、経過時間Tが時間ΔT以下である旨判断され、FF電流Ifが「0」として算出される(S107)。
【0061】
続いて、アーマチャ28と各電磁石61,62とのエアギャップGが所定値G1以下であるか否かが判断される(S108)。このエアギャップGは、アッパコア32とロアコア34とのうちアーマチャ28の移動方向側にあるコアと同アーマチャ28との距離を表すものである。即ち、このエアギャップGは、排気バルブ10を開弁させる際にあってはアーマチャ28とロアコア34との間の距離に相当し、排気バルブ10を閉弁させる際にあってはアーマチャ28とアッパコア32との間の距離に相当する。
【0062】
上記ステップS108の判断は、エアギャップGの大きさに応じて上記FB電流Ibに基づくフィードバック制御を開始するか否かを判断するためのものである。ここで、このようにフィードバック制御の開始をエアギャップGの大きさに基づいて判断するのは次の理由による。
【0063】
即ち、各電磁石61,62に供給される励磁電流が同じ場合でも、エアギャップGが大きくなるほど、アーマチャ28に作用する電磁力の大きさは小さくなる。換言すれば、エアギャップGが大きくなるほど、各電磁石61,62に供給される電気的エネルギのうち、アーマチャ28の吸引駆動に寄与せず無駄に消費されるものの割合が多くなる傾向がある。そこで、この一連の処理においては、エアギャップGが所定値G1以下であると判断される場合にのみ、上記変位偏差ΔXに応じたFB電流Ibに基づくフィードバック制御を実行する一方、エアギャップGが所定値G1よりも大きく、各電磁石61,62によりアーマチャ28を吸引駆動する際の電気的効率が低いと判断される場合には、FB電流Ibを「0」に設定することでフィードバック制御を実質的に停止し、電力消費量の増大を極力抑えるようにしている。
【0064】
そして、ステップS108の処理で肯定判定がなされた場合には、上記推定された外力及び経過時間Tに基づき目標変位Xtが算出される(S109)。こうして算出される目標変位Xtは、排気バルブ10の開弁時であれば外力及び経過時間Tに応じて図3に示されるように推移し、排気バルブ10の閉弁時であれば外力及び経過時間Tに応じて図6に示されるように推移する。
【0065】
その後、以下の式(1)に従って上記変位偏差ΔXが算出される(S110)。
ΔX=Xt−X …(1)
そして、この変位偏差ΔXに基づき以下の演算式(2)からFB電流Ibが算出される(S111)。
【0066】
Ib=K・ΔX …(2)
上記演算式(2)において、「K」はフィードバックゲインであり、本実施形態では一定の値に設定されている。
【0067】
ここで、変位偏差ΔXの算出に用いられる目標変位Xtは、排気バルブ10に働く同バルブ10の作動に抗した外力が大となるほど、排気バルブ10の変位が緩やかに行われる値となるように算出される。従って、FB電流Ibは上記外力の影響を補償するのに適した大きさの電流値として設定されるようになる。
【0068】
一方、先のステップS107の処理で否定判定がなされた場合には、FB電流Ibが「0」として設定される(S112)。
このようにしてステップS111、或いはステップS112においてFB電流Ibが求められた後、次式(3)に基づいて各電磁石61,62を通電制御するための最終的な指令電流Iが算出される(S113)。
【0069】
I=Ib+If …(3)
そして、この指令電流Iに基づいて各電磁石61,62が通電制御される(S114)。即ち、排気バルブ10を開弁駆動する際にはロアコイル46に対して指令電流Iが供給され、同バルブ10を閉弁駆動する際にはアッパコイル42に対して指令電流Iが供給される。このように各電磁石61,62の通電制御を通じて、これら各電磁石61,62の電磁力の大きさを制御した後、この一連の処理は一旦終了される。
【0070】
なお、排気バルブ10の構成及びその駆動制御態様について詳細に説明したが、吸気バルブについてもその構成及び駆動制御態様はこの排気バルブ10の場合と同じである。
【0071】
以上詳述した本実施形態によれば、以下に示す効果が得られるようになる。
(1)吸気バルブや排気バルブ10等、機関バルブの目標変位Xtは、同バルブに働く外力が大となるほど当該バルブを緩やかに作動させる値となるように設定される。そのため、機関バルブの実変位Xが目標変位Xtと一致するよう、それらの変位偏差ΔXに応じて算出されるFB電流Ibは、上記外力の影響を補償する上で最適な大きさの値として設定されることになる。そして、このFB電流Ib等から算出される指令電流Iに基づき電磁石61,62を通電制御することで、機関バルブが上記外力に対応した適切な電磁力をもって駆動されるようになる。従って、必要な機関バルブの駆動力に対し電磁力が不足して同バルブの作動安定性が確保できなくなるのを抑制するとともに、過剰な電磁力で機関バルブが駆動されることに伴い電力消費が増大したり開閉時に騒音及び振動が発生したりするのを抑制することができる。
【0072】
(2)機関バルブを開閉させるための電磁石61,62の通電制御では、上記外力及び経過時間Tに基づき同バルブの実変位Xを目標変位Xtとするための電流値としてFF電流Ifが設定され、このFF電流If等から算出される指令電流Iに基づき上記通電制御が行われる。このように機関バルブを開閉させるための電磁石61,62の通電制御として、FF電流Ifに基づくフィードフォワード制御が行われることから、当該通電制御を時間遅れのないものとすることができる。
【0073】
(3)機関バルブに働く外力は、保持電流If2と等しい値となっている指令電流Iが「0」とされるとき(図2、図5のタイミングt1,t6)を基準に時間Δtが経過したときの機関バルブの実変位Xに基づき推定される。この時間Δtは、上記のように「0」とされた指令電流Iが再び「0」よりも大とされる時点(タイミングt3)、即ちエアギャップGが所定値G1よりも大となってFB電流Ibに基づくフィードバック制御が開始される時点よりも前に経過し得る値である。そのため、上記外力の推定は、保持電流If2が供給された状態にある電磁石が非通電状態になってから再び通電状態になる前において、上記時間Δtが経過した時点での機関バルブの実変位Xに基づき推定されることになる。このときの実変位Xは、電磁石による電磁力の影響を受けていないことから、機関バルブに働く外力に対応したものとして的確な値をとるようになる。従って、機関バルブに働く外力を推定するために新たにセンサを設けずとも、上記実変位Xに基づいて当該外力を的確に推定することができる。
【0074】
なお、本実施形態は、例えば以下のように変更することもできる。
・変位偏差ΔXに基づきFB電流Ibを算出する際のフィードバックゲインKを、例えば図9に示されるマップを参照してエアギャップG及び変位偏差ΔXのそれぞれの大きさに応じて可変設定してもよい。この場合、フィードバックゲインKは、エアギャップG及び変位偏差ΔXに応じて定まる図9の各領域A、B、C、Dに対応して各所定値K0,K1,K2,K3のいずれかに設定される。なお、これら各所定値K0,K1,K2,K3は、以下の式(4)に基づく関係が予め設定されている。
【0075】
K0<K1<K2<K3 …(4)
(K0=0)
フィードバックゲインKは、上記のように可変設定されることにより、変位偏差ΔXが極小さいときには「0」に設定され、変位偏差ΔXがある程度大きいときにはエアギャップGが大きくなるにつれて段階的に大きくされる。このようにエアギャップGが大きくなるにつれてフィードバックゲインKを大きくするのは、エアギャップGが大であるときほど所定の指令電流Iを電磁石に供給したときに機関バルブに作用する電磁力が小さくなるためである。即ち、機関バルブに作用する電磁力は、仮に電磁石に対して一定の指令電流Iを供給したとしても、エアギャップGが大となるにつれて小さくなる。従って、上記のようにエアギャップGが大となるほどフィードバックゲインKを大とすることで、同ゲインKはエアギャップGの大きさに応じた適切な大きさの電磁力を発生させることの可能な値となる。そのため、機関バルブの実変位Xを高い追従性及び収束性をもって目標変位Xtに制御することができるようになる。また、上記のようにフィードバックゲインKを可変とすることで、電磁石にはエアギャップGに対応した必要とされる分の指令電流Iだけが供給されるようになり、電磁石への過剰な電流供給に起因して変位センサ52にセンサノイズ等の悪影響が生じるのを抑制することもできる。
【0076】
・上記フィードバックゲインKを可変設定する場合の設定態様は任意に選択することができる。例えば、エアギャップGのみに基づいて、このフィードバックゲインKを同エアギャップGが大きくなるほど段階的に大きく設定するようにしてもよい。また、マップ演算によらず、例えば次のような関係式(5)を用いて、フィードバックゲインKをエアギャップGに応じて連続的に変化するように設定することもできる。
【0077】
K=Ka・G+Kb …(5)
G:エアギャップ
Ka,Kb:定数
・本実施形態では、各電磁石61,62を通電制御する際の指令電流IをFB電流Ib及びFF電流Ifに基づき設定することで、フィードバック制御及びフィードフォワード制御の双方を実行するようにしたが、例えばFB電流Ibのみに基づいて各電磁石61,62を通電制御する等、フィードバック制御のみを実行するようにしてもよい。
【0078】
・本実施形態では、変位偏差ΔXに基づいてFB電流Ibを算出する際、PID制御のP項(比例項)のみを算出するようにしたが、これに併せてI項(積分項)やD項(微分項)を算出するようにしてもよい。
【0079】
・本実施形態では、保持電流If2と等しい値となった状態での指令電流Iが「0」となったときから時間Δtが経過した時点での機関バルブの実変位Xに基づき、同バルブに働く外力の大きさを推定したが、本発明はこれに限定されない。例えば燃焼室12内の圧力や、吸気ポート及び排気ポート内の圧力に基づき、機関バルブに働く外力の大きさを推定することも考えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】排気バルブ及びその制御装置を示す概略構成図。
【図2】排気バルブが開弁する際の同バルブの目標変位や実変位、並びに、フィードバック電流、フィードフォワード電流、及び指令電流の時間的推移を示すタイムチャート。
【図3】排気バルブが開弁する際における目標変位の外力及び経過時間に応じた推移傾向を示すグラフ。
【図4】フィードフォワード電流の外力及び経過時間に応じた推移傾向を示すグラフ。
【図5】排気バルブが閉弁する際の同バルブの目標変位や実変位、並びに、フィードバック電流、フィードフォワード電流、及び指令電流の時間的推移を示すタイムチャート。
【図6】排気バルブが閉弁する際における目標変位の外力及び経過時間に応じた推移傾向を示すグラフ。
【図7】バルブ駆動制御の手順を示すフローチャート。
【図8】バルブ駆動制御の手順を示すフローチャート。
【図9】フィードバックゲインを設定する際に参照されるマップ。
【符号の説明】
10…排気バルブ、12…燃焼室、14…排気ポート、15…弁座、16…弁体、18…シリンダヘッド、20…弁軸、21…電磁駆動部、22…ロアリテーナ、24…ロアスプリング、26…アーマチャシャフト、28…アーマチャ、30…アッパリテーナ、32…アッパコア、34…ロアコア、36…アッパキャップ、38…アッパスプリング、40,44…溝、42…アッパコイル、46…ロアコイル、50…電子制御装置、52…変位センサ、61,62…電磁石、X…実変位、Xt…目標変位、ΔX…変位偏差、K…フィードバックゲイン、G…エアギャップ。

Claims (4)

  1. 内燃機関の機関バルブであって電磁石の電磁力によって開閉駆動される機関バルブの駆動制御装置において、
    前記機関バルブの実作動状態が目標作動状態と一致するように、これら実作動状態及び目標作動状態に応じて前記電磁石の通電制御を行い同電磁石の電磁力を制御する制御手段と、
    前記機関バルブに加わる外力の大きさを推定する推定手段と、
    前記推定される外力の大きさに応じて前記電磁力を変更すべく、前記推定される外力の大きさを加味して前記機関バルブの目標作動状態を設定する設定手段と、
    を備え、
    前記推定手段は、非通電状態となった前記電磁石に対して通電を開始する前の前記機関バルブの実作動状態に基づき前記外力の大きさを推定する
    ことを特徴とする機関バルブの駆動制御装置。
  2. 前記制御手段は、前記実作動状態と前記目標作動状態との偏差に応じた電流値であるフィードバック電流を算出し、その算出されるフィードバック電流に基づき前記電磁石を通電制御する
    請求項1記載の機関バルブの駆動制御装置。
  3. 前記制御手段は、前記機関バルブと前記電磁石との間のエアギャップが大きいときほど、前記フィードバック電流を算出する際のフィードバックゲインを大きく設定する
    請求項2記載の機関バルブの駆動制御装置。
  4. 前記制御手段は、前記フィードバック電流に加え、前記実作動状態を前記目標作動状態とするための電流値としてフィードフォワード電流を算出し、その算出されるフィードフォワード電流に基づき前記電磁石を通電制御する
    請求項2又は3に記載の機関バルブの駆動制御装置。
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