JP2005012898A - 電磁駆動式動弁系の制御 - Google Patents

電磁駆動式動弁系の制御 Download PDF

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Yoshimichi Ito
義通 伊藤
Moriyasu Goto
守康 後藤
Michiyasu Moritsugu
通泰 森次
Masato Ogiso
誠人 小木曽
Shigeo Kikori
茂男 樵
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Abstract

【課題】電磁駆動方式のアクチュエータにおいて、アクチュエータの作動状態を計測するための技術を提供する。
【解決手段】本発明は、電磁駆動方式のアクチュエータである。本アクチュエータは、可動子と、励磁電流に応じて前記可動子を電磁気的に吸引する電機子と、
前記吸引力の反作用として前記電機子に加えられた荷重を計測する電機子荷重センサとを備えることを特徴とする。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電磁駆動式のアクチュエータの制御技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、内燃機関のバルブを開閉する動弁機構の駆動に電磁駆動方式を採用することが提案されている。このような提案の中には、たとえば電機子が有するコイルに流れる電流値の一時的な低下に応じて電磁駆動方式の動弁機構(以下、電磁駆動弁と呼ぶ)を制御し、電磁駆動弁の開閉動作を確実にしつつ消費電力を低減させるものもある(特開2000−46230)。
【特許文献1】特開7−332044号公報
【特許文献2】特開2001−349463号公報
【特許文献3】特開2001−159332号公報
【特許文献4】特開2000−46230号公報
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、コイルに流れる電流値に応じた制御では、電流値の一時的な低下量のばらつきやノイズに起因して制御対象の計測の信頼性が低下する場合があり、これにより制御系の安定性が損なわれるという問題が生じていた。このような計測系の問題は、内燃機関に使用される電磁駆動弁に限られず、一般に、電磁駆動方式で駆動されるアクチュエータに共通する問題でもあった。
【0004】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、電磁駆動方式のアクチュエータにおいて、アクチュエータの作動状態を計測するための技術を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
上記課題を解決するために、本発明は、電磁駆動方式のアクチュエータであって、
可動子と、
励磁電流に応じて前記可動子を電磁気的に吸引する電機子と、
前記吸引力の反作用として前記電機子に加えられた荷重を計測する電機子荷重センサと、
を備えることを特徴とする。
【0006】
本発明のアクチュエータでは、電磁気的な吸引力の反作用として電機子に加えられた荷重を計測することができるので、電磁気的な吸引力を利用して作動するアクチュエータの作動状態を観測することができる。このようなアクチュエータを利用すれば、たとえばアクチュエータが有する電機子の状態量を制御入力として利用することができるので、制御性能の高い制御系を実現することができる。
【0007】
上記アクチュエータにおいて、さらに、
前記可動子を所定の位置に安定させるように付勢する付勢部を備え、
前記付勢部は、前記吸引された可動子から前記付勢部に加えられた荷重を計測する付勢部荷重センサを備えるようにしても良い。
【0008】
こうすれば、可動子を所定の位置に安定させるように付勢する付勢部を有するアクチュエータにおいて、吸引された可動子から付勢部に加えられた荷重を計測することができるので、付勢部の作動状態を観測することができる。こうすれば、アクチュエータの主要構成部品の1つである付勢部の状態量を制御入力として利用することができるので、さらに高性能な制御系を実現することができる。
【0009】
上記アクチュエータにおいて、前記電機子荷重センサは、前記吸引力の反作用として前記電機子に加えられたモーメント荷重を計測することが可能であるようにしても良い。
【0010】
こうすれば、アクチュエータの作動時において、吸引力の反作用として発生したモーメント荷重を計測することができる。このような計測値を得ることができれば、アクチュエータの制御器は、たとえば故障診断や制御内容の変更といった処理を行うことができる。
【0011】
上記アクチュエータにおいて、前記電機子は、前記可動子にモーメント荷重を加えるように電磁気的に吸引することが可能であるようにしても良い。
【0012】
こうすれば、アクチュエータの制御器は、たとえばモーメント荷重を軽減するようにアクチュエータを作動させることができる。
【0013】
本発明の制御装置は、電磁駆動方式のアクチュエータを制御する制御装置であって、
前記アクチュエータは、可動子と、励磁電流に応じて前記可動子を電磁気的に吸引する電機子と、前記吸引力の反作用として前記電機子に加えられた荷重を計測する電機子荷重センサとを備え、
前記制御装置は、
前記可動子が前記電機子に着座する際における前記荷重に応じて、前記アクチュエータの機械的特性の変動を推定する状態推定部と、
前記推定された機械的特性の変動に応じて、前記機械的特性の変動を補償するように励磁電流を制御する特性変動補償部と、
を備えることを特徴とする。
【0014】
こうすれば、アクチュエータの径時変化や製造誤差の影響を抑制して安定的に制御することができる。
【0015】
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能であり、たとえば動弁機構等の態様で実現することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について、実施例に基づいて以下の順序で説明する。
A.本発明の第1実施例における制御:
B.本発明の第2実施例における制御:
C.本発明の第3実施例における制御:
D.本発明の第4実施例における制御:
E.変形例:
【0017】
A.本発明の第1実施例における制御:
図1は、本発明の第1実施例における動弁機構を備えた内燃機関を示す説明図である。この内燃機関は、シリンダヘッド251と、ピストン250とで燃焼室を形成している。この燃焼室への空気の吸入は、バルブ20をバルブ軸CLの方向に機械的に駆動することによって制御される。この駆動は、動弁機構によって行われる。この動弁機構は、バルブ20と、バルブ軸CLの方向に摺動可能に支持するバルブガイド19と、バルブ20をバルブ20の軸方向に機械的に駆動するアクチュエータ100とを備えている。
【0018】
図2は、本発明の第1実施例におけるアクチュエータ100を示す説明図である。アクチュエータ100は、バルブ20を開弁方向に付勢する開弁付勢部30と、バルブ20を閉弁方向に付勢する閉弁付勢部50と、バルブ20を電磁的に駆動する電磁駆動部40と、これらの部品を収納するハウジング90とを備えている。図1および図2では、バルブ20は、開弁位置にある。
【0019】
電磁駆動部40は、アーマチャ10と、アーマチャ10を開弁方向に駆動する開弁電機子11と、アーマチャ10を閉弁方向に駆動する閉弁電機子9と、アーマチャ10をバルブ軸CLの方向に摺動可能に支持する2つのアーマチャガイド7、13とを備えている。電磁駆動部40は、さらに、閉弁電機子9に反作用として加わる電磁的な吸引力を計測する閉弁電機子側ロードセル8と、開弁電機子11に反作用として加わる電磁的な吸引力を計測する開弁電機子側ロードセル12と、閉弁電機子側ロードセル8と開弁電機子側ロードセル12の一端の位置を固定する2つのロードセル固定部1、4を備えている。開弁電機子11は、開弁電機子11を励磁するための励磁コイル11cを備えている。閉弁電機子9は、閉弁電機子9を励磁するための励磁コイル9cを備えている。なお、アーマチャ10は、特許請求の範囲における可動子に相当する。
【0020】
開弁付勢部30は、開弁するようにアーマチャ10に付勢力を伝える開弁リテーナ6と、開弁リテーナ6を付勢するスプリング5とを備えている。閉弁付勢部50は、閉弁するようにアーマチャ10に付勢力を伝える閉弁リテーナ14と、閉弁リテーナ14を付勢するスプリング15とを備えている。閉弁リテーナ14は、バルブ20に回動可能に固定されている。バルブ20は、閉弁電機子9および開弁電機子11が励磁されていないときには、開弁付勢部30と閉弁付勢部50とによって閉弁位置と開弁位置の中間的な位置で安定するように付勢されている。
【0021】
荷重計測部21は、閉弁電機子側ロードセル8と開弁電機子側ロードセル12から入力した信号に応じて開弁電機子11と閉弁電機子9に印加されている荷重を計測する。制御部25は、荷重計測部21から受信した計測値に応じてアクチュエータ100の2つの励磁コイル9c、11cに励磁電流を流してアクチュエータ100を制御する。
【0022】
図3は、本発明の第1実施例における開弁操作の制御処理の内容を示すフローチャートである。「開弁操作」とは、バルブ20を閉弁位置から開弁位置に移動させる操作をいう。本明細書では、「閉弁位置」とは、バルブ20が完全に閉弁されたときのバルブ20の作動位置を意味し、「開弁位置」とは、バルブ20が完全に開弁されたときのバルブ20の作動位置を意味する。
【0023】
図4は、電磁駆動部40の開弁操作時における作動状態を示す説明図である。図4(a)は、開弁電機子11と閉弁電機子9が電磁的にアーマチャ10を吸引する力を示している。図4(b)は、バルブ20のリフト量を示している。リフト量とは、バルブ20が閉弁位置から開弁位置の方向にバルブ軸CLに沿って移動した移動量であり、アーマチャ10の移動量に一致する。図4(c)は、開弁電機子11と閉弁電機子9のそれぞれが有する励磁コイル9c、11cに流れる励磁電流を示している。実線は、閉弁電機子9の励磁電流や吸引力を示している。点線は、開弁電機子11の励磁電流や吸引力を示している。
【0024】
ステップS110では、制御部25(図2)は、時刻t0において閉弁電機子9の励磁をオフにする。閉弁電機子9の励磁をオフにするのは、バルブ20を閉弁位置から移動可能とするためである。閉弁位置で閉弁電機子9が励磁されているのは、バルブ20を閉弁位置に固定させるためである。
【0025】
閉弁電機子9の励磁をオフにするとは、図4(c)に示されるように、制御部25が閉弁電機子9の励磁電流の目標値をゼロにすることを意味する。ただし、閉弁電機子9に実際に流れる電流は、ステップ状にゼロになるわけでなく少し遅れてゼロとなる(レンツの法則)。このため、閉弁電機子9の電磁的な吸引力は、図4(a)に示されるように少し遅れてゼロになる。
【0026】
ステップS120では、制御部25は、時刻t1において開弁電機子11(図2)の励磁をオンにする。励磁をオンにするとは、制御部25が励磁電流の目標値を電流値I2(15アンペア)にすることを意味する。時刻t1は、時刻t0から時間P1(図4(a))だけ経過した後の時刻である。時間P1は、閉弁電機子9の励磁がオフとなってから閉弁電機子9の電磁的な吸引力が所定の値より小さくなるまでの時間である。開弁電機子11の励磁がオンにされると、制御部25は、開弁電機子11の吸引力の監視を開始する(ステップS130)。
【0027】
開弁電機子11の励磁がオンにされると、開弁電機子11の励磁電流が目標電流値I2に向かって増加し始める。開弁電機子11の励磁電流が増加すると、開弁電機子11がアーマチャ10を電磁的に吸引する吸引力が増大する(図4(a))。アーマチャ10は、これに応じて移動を開始する(図4(b))。
【0028】
一方、アーマチャ10の移動によって開弁電機子11とアーマチャ10の間の距離(以下、クリアランスと呼ぶ。)が小さくなると、これによっても吸引力が大きくなる。この結果、開弁電機子11の吸引力は、アーマチャ10の移動と励磁電流の増大に応じて相乗的に大きくなることが分かる。
【0029】
アーマチャ10は、アーマチャ10が図示しないストッパに底付きすることによって停止する。アーマチャ10が底付きする際には、吸引力の増大速度が低下する。この低下は、アーマチャ10が開弁電機子11に接近する際において、励磁電流が一時的に低下するからである。励磁電流が一時的に低下するのは、上記接近によって開弁電機子11の磁束密度が急激に上昇するため開弁電機子11に自己誘導逆起電力が発生するからである。なお、閉弁操作時においては、バルブ20が燃焼室の吸気口に底付きすることによってアーマチャ10は停止することになる。
【0030】
図5は、所定の条件における開弁電機子11や閉弁電機子9の静的吸引力とクリアランスの間の関係の実験結果を示すグラフである。静的吸引力とは、開弁電機子11や閉弁電機子9がアーマチャ10を電磁的に吸引する荷重を意味する。クリアランスとは、開弁電機子11や閉弁電機子9とアーマチャ10の間の距離である。この図から分かるように、励磁電流が目標値である電流値I2(15アンペア)に達してもアーマチャ10が移動しなければ少なくとも吸引力が400Nを超えることはない。この点に着目して、本実施例では、制御部25は、吸引力の監視を通じてアーマチャ10の移動を確認するように構成されている。
【0031】
たとえば開弁電機子11の吸引力は、開弁電機子11に接続された開弁電機子側ロードセル12(図2)を用いて荷重計測部21が計測することができる。計測された吸引力は、前述のように吸引力を監視している制御部25に送られる。制御部25は、具体的には、吸引力が所定の閾値である800Nを超えたか否かを監視している。吸引力が所定の閾値である800Nを超えると(時刻t2)、時間P2の計測が開始される。時間P2は、アーマチャ10が閉弁電機子9から離れた後に底付きして完全に停止するとともに、励磁電流が安定するまでの時間である。
【0032】
ステップS140では、制御部25は、時刻t2から時間P2経過後の時刻t3において開弁電機子11の励磁電流の目標値を低下させる。時刻t3においては、クリアランスが極めて小さいので、励磁電流の目標値を低下させてもアーマチャ10の停止に要求される吸引力を得ることができるからである。これにより、無駄な電力を削減してエネルギ効率を高めることができる。
【0033】
図6は、本発明の第1実施例における励磁電流I1、I3(図4(c))の設定方法の一例を示す説明図である。図6(a)は、開弁電機子11と閉弁電機子9が電磁的にアーマチャ10を吸引する力を示している。図6(b)は、バルブ20のリフト量を示している。図6(c)は、開弁電機子11と閉弁電機子9のそれぞれに流れる励磁電流を示している。ここで、励磁電流I1、I3は、それぞれ閉弁電機子9と開弁電機子11がアーマチャ10を固定して保持するための電流である。
【0034】
励磁電流I1、I3は、アクチュエータ100の作動の安定性と、エネルギ効率や応答速度のトレードオフとして決定される。具体的には、励磁電流I1、I3を小さくすればエネルギ効率は高くなり応答速度は速くなるが、作動の安定性は低下するというトレードオフの関係にある。作動の安定性が低下するのは、励磁電流I1、I3を小さくすると、アーマチャ10が不意に移動する可能性が高くなるからである。一方、励磁電流I1、I3を大きくすると応答速度が低下するのは、励磁電流の目標値をゼロにしても励磁電流が十分に小さくなるまでの時間が長くなるからである。
【0035】
このため、励磁電流I1、I3は、エネルギ効率と応答速度といった2つの観点から設定することが好ましい。エネルギ効率の観点では、アーマチャ10を保持する吸引力に基づいて励磁電流I1、I3が設定される。具体的には、アーマチャ10が底付きして励磁電流値が安定しているときに、開弁電機子11や閉弁電機子9がアーマチャ10を吸引する力F2が所定の仕様値を超えているか否かで判断することができる。ここで、励磁電流値が安定しているか否かは、開弁電機子11や閉弁電機子9の吸引力が所定の値を超えることによりアーマチャ10の移動が確認されてから所定の時間T2が経過していることをもって決定される。
【0036】
一方、応答速度の観点では、励磁電流の目標値がゼロになってから吸引力が所定の値F1になるまでの時間T1に応じて設定することができる。具体的には、時間T1が所定の閾値よりも長いときには、応答速度を速くするために励磁電流I1、I3を所定の値だけ小さくすることが好ましい。
【0037】
なお、励磁電流を電流I2から電流I3に低下させるためのタイミングを決定するための時間P2は、たとえば吸引力が所定の閾値である800Nに2回目に達するまでの時間として設定することが可能である。
【0038】
このように、第1実施例では、吸引力に基づいてアーマチャ10の位置を確認することができるので、アーマチャ10の位置の確認に応じて励磁電流を低下させてエネルギ効率の高い制御を実現することができる。換言すれば、本構成では、電磁的な吸引力に基づいて開弁電機子11や閉弁電機子9とアーマチャ10の位置関係といった状態が観測できるので、この観測結果を利用した性能の高い制御系が実現されている。
【0039】
さらに、本実施例は、特開2000−46230に開示された技術が有する以下の問題を解決することができる。すなわち、特開2000−46230に開示された技術では、アーマチャ10の底付きの際に生ずる励磁電流の一時的な低下に基づいてアーマチャ10の移動を確認している。しかし、励磁電流の一時的な低下は、前述のようにアーマチャ10の開弁電機子11への接近に応じて生ずる磁束密度の急激な増大に起因する自己誘導起電力のよるものである。このため、特に底付き時のショックを和らげるためにアーマチャ10の底付き時の速度が抑制されているような場合においては、励磁電流の一時的な低下量が小さくなるとともにばらつきが大きくなるので、ノイズとの区別が困難となるという問題がある。
【0040】
B.本発明の第2実施例における制御:
図7は、本発明の第2実施例におけるアクチュエータ100aを示す説明図である。アクチュエータ100aは、開弁付勢部30aを開弁付勢部30の代わりに、閉弁付勢部50aを閉弁付勢部50の代わりに備え、これらの部品がハウジング90の代わりにハウジング90aに収納されている点で第1実施例のアクチュエータ100と異なる。なお、電磁駆動部40は、第1実施例のアクチュエータ100が有する物と同一である。
【0041】
開弁付勢部30aは、開弁付勢部30aが有する開弁リテーナ6とスプリング5に加えて、さらにリテーナ4を介して開弁付勢部側ロードセル3を備えている。閉弁付勢部50aは、閉弁リテーナ14とスプリング15に加えて、さらにリテーナ16を介して閉弁付勢部側ロードセル17を備えている。開弁付勢部側ロードセル3は、アーマチャ10が開弁リテーナ6に加えている荷重を計測する。閉弁付勢部側ロードセル17は、アーマチャ10が閉弁リテーナ14に加えている荷重を計測する。
【0042】
計測されたこれらの荷重は、開弁付勢部30aや閉弁付勢部50aの状態観測に利用することができる。計測された荷重から観測可能な開弁付勢部30aや閉弁付勢部50aの状態量としては、たとえばスプリング5やスプリング15がアーマチャ10に加えている荷重やアーマチャ10のリフト量である。状態観測は、たとえばスプリング5やスプリング15のバネ係数や粘性係数を利用したモデルに基づいて静的あるいは動的な状態で行うことができる。
【0043】
さらに、以下の要素を用いた運動方程式を利用して、開弁付勢部30aや閉弁付勢部50a、電磁駆動部40といったアクチュエータ100aの主要構成部品をモデル化した状態観測モデルを生成することもできる。
(1)2つのスプリング5、15がアーマチャ10に加えている荷重、
(2)開弁電機子11や閉弁電機子9がアーマチャ10を吸引する吸引力、および
(3)アーマチャ10、2つのリテーナ6、14、および2つのスプリング5、15の慣性力
このような状態観測モデルを利用すれば、制御対象にたいするモデルの忠実性が高くなるので、アクチュエータ100aの作動状態をより正確に観測することができる。
【0044】
図8は、製造ばらつきや径時変化が表現されたアクチュエータ100aの主要部品を示す説明図である。製造ばらつきや径時変化は、たとえば軸の傾きやズレといった形で生じ、たとえば摩擦力の増大の原因となる。本実施例は、状態観測モデルを較正することによって、たとえば制御対象の機械的な特性の変化やばらつきをも補償するように制御系を構成することもできる。
【0045】
状態観測モデルの較正は、励磁コイル9c、11cやスプリング5、15の製造ばらつきや径時変化の補償については、たとえばバルブ20を開弁位置や閉弁位置を固定した状態における開弁電機子11や閉弁電機子9、開弁付勢部30、閉弁付勢部50aといった要素に加えられている荷重に応じて行うことができる。一方、摩擦力については、たとえば開弁電機子11や閉弁電機子9がオンにされてから吸引力が所定の閾値に達するまでの時間に応じて観測することができる。
【0046】
このように、第2実施例では、アクチュエータ100aが有する主要構成部品である開弁付勢部30a、閉弁付勢部50a、および電磁駆動部40の作動状態を観測できるので、これらの観測結果を利用したより高性能の制御系を実現することができる。具体的には、たとえば、これらの構成部品を表現する状態空間モデルを構成することによって状態フィードバックによる制御系を実現することも可能である。
【0047】
さらに、本実施例では、アーマチャ10の移動領域の全体でアーマチャ10のリフト量を計測することができるので、たとえばアーマチャ10が底付きする時の衝撃を和らげるように励磁電流を制御することも可能である。
【0048】
C.本発明の第3実施例における制御:
図9は、本発明の第3実施例におけるアクチュエータ100bを示す説明図である。図9(a)は、アクチュエータ100bの断面図を示している。図9(b)は、アクチュエータ100bを所定の方向(A視)から見た外観図を示している。
【0049】
アクチュエータ100bは、機械的な出力を行うアーマチャ10aと、アーマチャガイド13aと、アーマチャ10aを電磁的に吸引する電機子11aと、電機子11aの電磁的な吸引力を計測するための4つの電機子側ロードセル12aと、ハウジング90bと、スプリング15aと、スプリング側ロードセル17aと、4つの電機子側ロードセル12aを貫通しつつハウジング90bと電機子11aを結合する4つのボルト31とを備えている。電機子11aは、コイル11acを有している。
【0050】
アクチュエータ100bでは、アーマチャ10aの出力荷重を計測することができる。具体的には、アーマチャ10aの出力荷重は、電機子11aの電磁的な吸引力からスプリング15aに加えられた荷重を減ずることにより計測することができる。ここで、電機子11aの電磁的な吸引力は、4つの電機子側ロードセル12aのそれぞれに加えられた荷重を合計することによって計測することができる。スプリング15aに加えられた荷重は、スプリング側ロードセル17aに加えられた荷重を計測することによって計測することができる。
【0051】
アクチュエータ100bを制御する制御系は、5つのロードセル12a、17aの出力に応じて荷重を計測して制御部25aに送信する荷重計測部21aと、受信した荷重に応じてアクチュエータ100bの制御出力を出力する制御部25aとを備えている。
【0052】
このようなアクチュエータ100bは以下のような特徴を有する。すなわち、アーマチャ10aを機械的な出力部として利用すれば、既に実現され一般に利用されている位置フィードバック方式でなく、荷重フィードバック方式の制御系を簡易に実現することができる。
【0053】
このように、第3実施例のアクチュエータは、荷重フィードバック方式の制御系を簡易に実現することができるという利点を有する。
【0054】
なお、制御方式としては、上記各実施例利用されている状態空間法だけでなく、励磁電流の電流値、スプリング15aのバネ定数その他の状態量をパラメータとしたマップを生成し、生成されたマップを参照して制御するようにしても良い。
【0055】
また、状態空間法は、コンピュータシミュレーションその他のツールの使用によって制御系の開発負担を軽減できるという利点があり、一方、マップを参照して制御する方法は、特に非線形要素が多くモデルの生成が難しい場合においても試行錯誤によって制御系を実現できるという利点がある。
【0056】
D.本発明の第4実施例における制御:
図10は、本発明の第4実施例におけるアクチュエータ100cを示す説明図である。図10(a)は、アクチュエータ100cの断面図を示している。図10(b)は、アクチュエータ100cを所定の方向(A視)から見た外観図を示している。
【0057】
アクチュエータ100cは、アーマチャ10aに対してモーメント荷重を印可することができる電機子11bを備えている点でアクチュエータ100bと異なる。電機子11bは、独立して励磁可能な2つのコイル200、201を備えている。電機子11bは、2つのコイル200、201のそれぞれに流れる励磁電流の差に応じて磁力線の方向を傾けることができるので、アーマチャ10aに対してモーメント荷重を印可することができる。なお、スプリング側ロードセル17aは、本構成では削除されいている。
【0058】
アーマチャ10aに印可されたモーメント荷重は、そのモーメント荷重の反作用として電機子11bに加えられたモーメント荷重を計測することによって観測可能である。電機子11bに加えられたモーメント荷重は、2つの電機子側ロードセル300、301のそれぞれで計測された荷重に基づいて算出することができる。
【0059】
アクチュエータ100cを制御する制御系は、2つのロードセル300、301の出力に応じて荷重を計測して荷重とモーメント荷重を観測する荷重計測部21aと、荷重計測部21aから受信した荷重とモーメント荷重に応じて2つのコイル200、201の電磁的な吸引力が等しくなるようにアクチュエータ100cの制御出力を出力する制御部25aとを備えている。
【0060】
このように、第4実施例のアクチュエータは、アーマチャ10aにバランス良く荷重を加えることができるので、アーマチャ10aとアーマチャガイド13aの間の摩擦力を小さくすることができるという利点がある。
【0061】
なお、本実施例では、モーメント荷重を印可することができる電機子11bを備えているが、これを備えず、たとえば電機子11bに加えられたモーメント荷重を計測するための複数の電機子側ロードセルだけを備えるようにしても良い。このような構成は、過大なモーメント荷重に基づくアクチュエータ100cの故障診断等に利用可能である。
【0062】
E.変形例:
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
【0063】
E−1.上記各実施例では、電機子の吸引力の計測にロードセルが使用されているが、たとえば圧電素子を利用するようにしても良い。一般に、本発明で使用するセンサは、荷重を計測できるものであれば良い。
【0064】
E−2.上記各実施例では、計測された開弁電機子や閉弁電機子の吸引力は、アクチュエータの制御に使用されているが、アクチュエータが脱調しているか否かの脱調判定にも利用することができる。これは、前述のように開弁電機子11や閉弁電機子9の静的吸引力とクリアランスの関係(図5)が予め分かっていることを利用したものである。
【0065】
図11は、脱調判定の方法を示す説明図である。図11(a)は、電機子の吸引力と時間の関係を示している。図11(b)は、アーマチャのリフト量と時間の関係を示している。脱調が発生すると、図11(b)に示されるようにアーマチャのリフト量が小さくなるが、これに伴って吸引力も小さくなる(図11(a))。このように、電機子の吸引力が計測できれば、吸引力の低下によって脱調が判定できることが分かる。
【0066】
さらに、可動子が電機子に着座する際における電機子の吸引力に応じて、アクチュエータの機械的特性の変動を推定することもできる。この推定は、たとえば製造誤差や径時変化によって可動子が傾くと、可動子が電機子に着座する際における電機子の吸引力が小さくなることに着目したものである。このような吸引力の低下は、可動子の傾きによって電機子と可動子の間のギャップが大きくなることに起因するものである。ここで、着座とは、可動子が電機子に最も近づく位置に達することをいい、物理的に衝突することも含まれる。
【0067】
このようなアクチュエータの機械的特性の変動が推定できれば、機械的特性の変動を補償するように励磁電流を制御することも可能である。こうすれば、アクチュエータの径時変化や製造誤差の影響を抑制して安定的に制御することができる。なお、このような推定や制御は、制御部25(図2)で行われる。
【0068】
なお、機械的特性の変動を推定するためには、たとえばシステムがオンにされたときに着座テストをすることが望ましい。着座テストは、たとえば開弁電機子(あるいは閉弁電機子)に所定の励磁電流が流れて電流が安定した時点で、閉弁電機子(あるいは開弁電機子)の励磁電流を停止することによって行うことが好ましい。こうすれば、着座時において励磁されている側の電機子の励磁電流のばらつきを小さくすることができるからである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例における動弁機構を備えた内燃機関を示す説明図。
【図2】本発明の第1実施例におけるアクチュエータ100を示す説明図。
【図3】本発明の第1実施例における開弁操作の制御処理の内容を示すフローチャート。
【図4】電磁駆動部40の開弁操作時における作動状態を示す説明図。
【図5】所定の条件における開弁電機子11や閉弁電機子9の静的吸引力とクリアランスの間の関係の実験結果を示すグラフ。
【図6】本発明の第1実施例における励磁電流I1、I3(図4(c))の設定方法の一例を示す説明図。
【図7】本発明の第2実施例におけるアクチュエータ100aを示す説明図。
【図8】製造ばらつきや径時変化が表現されたアクチュエータ100aの主要部品を示す説明図。
【図9】本発明の第3実施例におけるアクチュエータ100bを示す説明図。
【図10】本発明の第4実施例におけるアクチュエータ100cを示す説明図。
【図11】脱調判定の方法を示す説明図。
【符号の説明】
1、4…ロードセル固定部
3…開弁付勢部側ロードセル
5…スプリング
6…開弁リテーナ
7、13a…アーマチャガイド
8…閉弁電機子側ロードセル
9…閉弁電機子
10、10a…アーマチャ
11…開弁電機子
11a、11b…電機子
12…開弁電機子側ロードセル
12a…電機子側ロードセル
14…閉弁リテーナ
15、15a…スプリング
17…閉弁付勢部側ロードセル
17a…スプリング側ロードセル
19…バルブガイド
20…バルブ
21、21a…荷重計測部
25、25a…制御部
30、30a…開弁付勢部
31…ボルト
40…電磁駆動部
50、50a…閉弁付勢部
90、90a…ハウジング
90b…ハウジングボディ
91…ハウジングヘッド
100…アクチュエータ
100a…アクチュエータ
100b…アクチュエータ
100c…アクチュエータ
200、201…コイル
250…ピストン
251…シリンダヘッド
300、301…コイル側ロードセル

Claims (6)

  1. 電磁駆動方式のアクチュエータであって、
    可動子と、
    励磁電流に応じて前記可動子を電磁気的に吸引する電機子と、
    前記吸引力の反作用として前記電機子に加えられた荷重を計測する電機子荷重センサと、
    を備えることを特徴とする、アクチュエータ。
  2. 請求項1記載のアクチュエータであって、さらに、
    前記可動子を所定の位置に安定させるように付勢する付勢部を備え、
    前記付勢部は、前記吸引された可動子から前記付勢部に加えられた荷重を計測する付勢部荷重センサを備える、アクチュエータ。
  3. 請求項1または2に記載のアクチュエータであって、
    前記電機子荷重センサは、前記吸引力の反作用として前記電機子に加えられたモーメント荷重を計測することが可能である、アクチュエータ。
  4. 請求項3記載のアクチュエータであって、
    前記電機子は、前記可動子にモーメント荷重を加えるように電磁気的に吸引することが可能である、アクチュエータ。
  5. 内燃機関の吸気と排気の少なくとも一方を制御する動弁機構であって、
    吸気と排気の少なくとも一方を制御するために開閉するバルブと、
    前記バルブを開閉する請求項1ないし4のいずれかに記載のアクチュエータと、
    を備えることを特徴とする、動弁機構。
  6. 電磁駆動方式のアクチュエータを制御する制御装置であって、
    前記アクチュエータは、可動子と、励磁電流に応じて前記可動子を電磁気的に吸引する電機子と、前記吸引力の反作用として前記電機子に加えられた荷重を計測する電機子荷重センサとを備え、
    前記制御装置は、
    前記可動子が前記電機子に着座する際における前記荷重に応じて、前記アクチュエータの機械的特性の変動を推定する状態推定部と、
    前記推定された機械的特性の変動に応じて、前記機械的特性の変動を補償するように励磁電流を制御する特性変動補償部と、
    を備えることを特徴とする、制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN107332424A (zh) * 2017-08-15 2017-11-07 李良杰 程控直线电机

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