JP4089614B2 - 電磁駆動弁の可変フィードバックゲイン通電制御方法 - Google Patents

電磁駆動弁の可変フィードバックゲイン通電制御方法 Download PDF

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Description

発明の背景
技術分野
本発明は、内燃機関に於ける吸気弁や排気弁の如き電磁駆動弁の通電を制御する方法に係る。
従来の技術
近年、内燃機関の分野に於いても、コンピュータ制御技術の発達に伴って、吸気弁あるいは排気弁を、旧来からのクランク軸より同期駆動されるカム軸のカムにて開閉駆動することに代えて、電磁アクチュエータにて開閉駆動し、それによって得られる開閉タイミングの自由度の拡大に応じて、内燃機関、特に車輌用内燃機関の運転を種々の態様にて制御することが提案されてきている。そのような運転制御の例は、特開平11−210916号公報、同2000−73800、同2000−234534、同2000−337177、同2001−182570、同2001−193504、同2002−81329、同2002−81569の各公報に記載されている。
添付の図1は、本件出願人と同一人の出願による上記特開2001−193504の公報に図2として示されている電磁駆動吸気弁の概略断面図を略同様に再現したものある。この図に於いて、吸気ポート26の開口端は、弁座200にて縁取られており、吸気弁の弁体28aにて開閉されるようになっている。弁体28aは弁軸28bにより担持されており、同図に於いて、弁軸28bは弁ガイド201により上下に移動可能に案内され、これにより、弁体28aは、30にて全体的に示された電磁駆動装置によって開弁位置と閉弁位置との間に移動されるようになっている。
電磁駆動装置30は、ハウジング300、その中に組み込まれた閉弁用コア301及び閉弁用コイル303から成る閉弁用電磁装置と、開弁用コア302及び開弁用コイル304から成る開弁用電磁装置と、弁軸28bにより担持されて閉弁用電磁装置と開弁用電磁装置との間を移動する接極子(アーマチュア)305と、圧縮コイルばね306および307とを有している。圧縮コイルばね306および307は、コイル303と304のいずれもが通電されていない状態では、図示の如く、接極子305を両電磁装置間の中間位置にもたらす。
尚、図示の例では、電磁駆動装置30に直接組み付けられた構造にて、吸気弁リフトセンサ40が設けられている。このリフトセンサは、電磁駆動装置30のハウジング300に取り付けられたハウジング400と、該ハウジング内にあって弁軸28bの上端に取り付けられた円板状のターゲット401と、このターゲットに向かい合ってハウジング400に取り付けられターゲットの偏差を検出するギャップセンサ402とを有している。
また、図には示されていないが、かかる吸気弁あるいは排気弁を構成する電磁駆動弁に於いては、一般的には、弁軸28bの下端部、即ち弁体28aとの接合部の近傍に、弁体と接極子との間に極く僅かの伸縮自由度を与える滑り継手が組み込まれている。これは、圧縮および爆発行程時に気筒内の圧力により弁体が弁座に押しつけられる際、もし接極子と弁体とが固定的に接続されていたとすると、閉弁用コア301や閉弁用コイル303に当接した接極子からの支持により弁座への弁体の密着が妨げられてしまう、ということを防止するためである。
この種の電磁駆動弁の開閉作動の制御は、開弁用コイルあるいは閉弁用コイルへの通電を制御することにより為される。この場合、かかる電磁駆動弁に於いては、それが吸気弁であれ或いは排気弁であれ、その作動状態は、特別の弁開閉制御を行う場合は別として、一般に開か閉の二者択一であり、その中間の状態は単なる過渡的状態である。従って、かかる電磁駆動弁は、通常、その作動中には、開閉途中にあるときを除き、開弁用コイルまたは閉弁用コイルに弱い保持電流が供給されることにより、開弁用コイルと開弁用コアよりなる開弁用電磁石に接極子が吸着された全開位置か、閉弁用コイルと閉弁用コアよりなる閉弁用電磁石に接極子が吸着された全閉位置かのいづれかに保持される。そして、弁体を全閉位置から全開位置へ移動する際には、先ず閉弁用コイルの保持電流が切られ(通常、更に閉弁用コイルに逆電流がかけられる)、これにより、弁体と接極子とは、ばねの作用により一体となって開弁側への移動を開始する。その後、接極子が開弁用電磁石と閉弁用電磁石の間の中間点近くに達し、接極子と開弁用電磁石との間の距離が縮まって開弁用コイルの通電により開弁用電磁石が有効に作用する状態となったとき、開弁用コイルへの通電が開始される。弁が全開位置より全閉位置へ移動されるときの要領も同様である。
一般的には、弁体が全閉位置から全開位置へ向けて、或いは逆に、全開位置から全閉位置へ向けて移動し始めるときには、弁体の移動速度は弁体の移動距離の増大に伴って次第に増大する(通常、通電された電磁石に近付くほど、接極子を吸引する電磁力は大きくなる)。しかしながら、弁体が開作動あるいは閉作動の終点に達するときには、接極子が開弁用あるいは閉弁用電磁石のコイルやコアに激しく衝突しないように、特に閉弁時には弁体が弁座に激しく衝突しないように、開作動あるいは閉作動の終点に於いては、弁体や接極子の移動速度をほぼ0となるよう減速するのが好ましい。一方、弁の開閉作動が迅速に行われるようにするためには、開閉移動の中間部にては、弁体と接極子の移動速度を大きくするのが好ましい。
以上のことから、一般に、弁体あるいは接極子の移動速度は、弁体あるいは接極子の移動位置に対して、図2に示されている如く変化することが好ましいと認識されている。ここで、図2においては、弁を開くときの例を示しており、横軸は、弁体又は接極子の移動位置、即ち、リフト(弁体と弁座との距離)を示し、縦軸は、開弁速度、即ち、開弁する際の接極子又は弁体の移動速度を示す。そして、図2に示されている如く、リフトに対してその移動速度を変化させるために、コイル(この場合開弁用コイル)に供給すべき励磁電流は、一般に、図3に示されている如きプロファイルになるよう弁体あるいは接極子の移動位置に対して変化させられる。
なお、「距離」、「移動」および「速度」の如き概念には、数理的には正および負の値があり、まして本件における如く弁の開閉に係わる問題においては、弁体の移動方向に応じて距離、移動および速度には正負の別があるが、今ここでの課題は、如何にして弁体の開閉移動を迅速にし且つその移動の終端にて衝撃なくそれを終わらせるかということであるので、本件明細書および図面に於いては、記載の簡明化のため、上記のリフトとして表された弁体あるいは接極子の移動距離および該移動距離が増大する方向の移動速度を正の値として表す。
更に、図2に示されている如き弁体あるいは接極子の移動位置と移動速度との間の関係を得るべく、コイルへの励磁電流は、移動位置に対して、フィードフォワード(FF)制御とフィードバック(FB)制御とを組み合わせて制御される。この場合、先ず、励磁電流は、図2に示す如き目標移動速度を目指すFF制御により制御される(図3のプロファイル)。実移動速度の目標移動速度からの偏差が生ずると、かかる偏差は、その値に基づき、励磁電流をFB制御して修正することにより打ち消される(ことが期待されている)。通常、励磁電流へのFB制御量は、目標移動速度Vtからの実移動速度Vの偏差ΔV(=V−Vt)に基づき、−Gb・ΔVとして与えられる。ここで、Gbは、正のFB制御ゲインである。従って、ΔVが正の値であるとき、即ち、実移動速度が目標移動速度を上回っているときには、励磁電流の制御は、FF制御による制御量からGb・ΔVを差し引く要領にて行われている。FB制御ゲインGbは、一定の係数とされる場合もあれば、また上記の特開2000−234534公報に記載されている如く、接極子とそれを吸引する電磁石との隔たる距離(隔置距離)が大きいほど大きくされる場合もある。また、特開2002−81329公報には、偏差ΔVと隔置距離との範囲により定められる領域を定め、その領域ごとに異なるFB制御ゲインを用いてフィードバックすることが提案されている。
ところで、上記の如く、FB制御量が−Gb・ΔVとして与えられることから理解されるように、FB制御ゲインGbが大きいほど、制御の応答性又は感度、即ち制御速度が高められ、FB制御による効果を高めることができる。しかしながら、制御速度が高められると、時として制御の行き過ぎによるハンチングを起こす恐れがある。他方、FB制御ゲインが小さすぎれば、実移動速度を目標移動速度に追従させるための時間を要し、或いは、最終的な移動速度が適正値であるはずの目標移動速度に到達させられない場合が有り得る。
また、本発明の制御対象である電磁駆動弁の開閉作動の速度制御においては、実移動速度と目標移動速度との相対的な関係、例えば、実移動速度と目標移動速度との偏差の向きや大きさによってFB制御の重要性又は必要性が異なる。既に述べた如く、弁体又は接極子が弁座又は電磁石に着座する際(即ち、開閉作動の終端時)に強い衝突を起こさないように、着座速度が実質的に0になるように目標移動速度が設定されるが、例えば、実移動速度がその目標値を上回っているときについては、着座速度が満足のいく速度に収まればよく、FB制御により実移動速度を緊急に修正する必要性は少ないであろう(弁の開閉に要する時間が短縮されるため好ましい場合も有り得る)。他方、実移動速度が目標移動速度を下回ると、接極子が電磁石に到達する前に速度が0になってしまうことが起き得る。そうなると、接極子は、ばねにより引き戻され、接極子および弁体は開閉の中間位置に浮遊した状態となり、吸気弁または排気弁の駆動が脱調するという重大な問題が生ずる。このような脱調状態を回避するためには、FB制御によって、制御ハンチングが発生しない限度で速やかに実移動速度の修正を行えるようにしておく必要があろう。
従って、電磁駆動弁の開閉速度制御において、FB制御ゲインは、例えば、実移動速度と目標移動速度との相対的な関係に基づいてFB制御の必要性を考慮しながら、制御ハンチングや脱調が回避されるよう設定されるべきである。
また、目標移動速度又はFF制御量(図3のプロファイルに基づき与えられる電磁石への通電量If)が、電磁駆動弁の経時変化や製品の個体差によって、実際の電磁駆動弁の特性に適合せず、その結果、FB制御量の大きさ(絶対値)が大きくなってしまうことがある。即ち、目標移動速度又はFF制御量は、電磁駆動弁の特性に基づき、予め定められた量であるところ、実際の電磁駆動弁は、多くの摩擦摺動部や電磁石及びばね等を有し、それらの状態又は特性が、製作時の状態又は特性から変化するため、設定された目標移動速度が実際の電磁駆動弁の特性に適合しなくなる場合がある。また、実際の製品に於いて、各製品ごとに幾分かの性能の差は避けられないため、設計された特性に基づいて設定された目標移動速度が実際の特性に適合しなくなることも有り得る。そうすると、実移動速度を目標移動速度へ追従させることが難しくなり、かくして、偏差ΔVも大きくなってしまうので、必然的にFB制御量も大きくなってしまう。そうなると、上記の如く、制御ハンチングを引き起こす危険性が高くなる。従って、FB制御によるハンチングが生ずる危険性を低減し、速やかに実移動速度をその目標値に追従できるようにするためには、目標移動速度又はFF制御量を電磁駆動弁の経時変化等その他の状態に合わせて修正できることが好ましいであろう。
また、FB制御ゲインGbを決定する(演算する)関数は、電磁駆動弁が製作又は設計される際に設定されるところ、上記の如き、経時変化又は製品の個体差により、FB制御量が、実移動速度を目標移動速度へ追従させるためには不充分となってしまうことが有り得る。従って、FB制御ゲインGbを決定する関数又は手段を、電磁駆動弁の使用開始後に適当に修正できることが好ましいであろう。
更に、内燃機関の使用中においては、吸/排気弁は、シリンダ内の作動流体の圧力変動を直接に受け、従って、弁体の運動も、作動流体により加減速力を受ける。加減速力は、制御対象である速度よりも一次進んだ量であり、FB制御量−GbΔVには、直接には反映されていない。従って、FB制御ゲイン制御に、かかる作動流体の圧力の影響を考慮して制御すれば、より適切な速度制御が達成される。
更にまた、既に述べた如く、上記の幾つかの特許公報に記載された電磁駆動弁の通電制御において、FB制御に用いられるFB制御ゲインを、常に一定にするのではなく、接極子と(励磁されている)電磁石との距離または実移動速度と目標移動速度との偏差(ΔV)によって幾つかのFB制御ゲインを適当に且つ選択的に採用することが提案されている。しかしながら、制御ハンチング又は脱調を防くためには、FB制御ゲインを急激に変化にさせることなく、偏差ΔV等が速やかに且緩やかに修正されることが望ましい。
発明の概要
本発明は、内燃機関の吸気弁あるいは排気弁として作動する電磁駆動弁の開閉制御における制御速度を高めることによりその開閉速度を高めるに当たって、FB制御の重要性が、実移動速度とその目標値との関係によって異なること、及び、その制御の一部をなすFB制御のゲインを制限するハンチング又は脱調に上記の如き方向性に関する特別の事情があることに着目し、また、電磁駆動弁の制御における経時変化等の影響を考慮に入れて電磁駆動弁の性能を更に高める通電制御方法を提供することを課題としている。
かかる課題を解決するものとして、本発明は、電磁石と、該電磁石に吸引されることにより弁体を開弁位置または閉弁位置のいづれか一方へ移動させる接極子とを有する電磁駆動弁の通電を制御する方法にして、前記電磁石に対する前記接極子の隔置距離に対応して前記電磁石に対する前記接極子の目標移動速度を定め、前記電磁駆動弁の通電を少なくとも一部に於いて前記電磁石に対する前記接極子の実移動速度が前記目標移動速度に整合するようフィードフォワード制御すると共に少なくとも他の一部に於いて前記目標移動速度からの前記実移動速度の偏差に応じてフィードバック制御し、その際前記フィードバック制御のゲインを前記実移動速度と前記目標移動速度との関係に基き変更することを特徴とする電磁駆動弁通電制御方法を提供するものである。
上記の如き電磁駆動弁の通電制御方法に於いて、FB制御ゲインは、該電磁駆動弁により制御される作動流体より弁体にその移動方向の力が作用しているときには該作動流体より弁体にその移動方向とは反対の方向の力が作用しているときより小さくされてよい。
上記の如き電磁駆動弁の通電制御方法に於いて、フィードバック制御のゲインは、前記実移動速度が前記目標移動速度を上回っているときには前記実移動速度が前記目標移動速度を下回っているときより相対的に小さく変更されてよい。
また、実移動速度の最終値(着座速度)が所定の速度しきい値より小さいときには、電磁石の通電量を、隔置距離に対する移動速度を増大する方向に学習修正してよい。ここで、学習修正とは、既に実行された制御の結果に基づいて以後の制御を修正することである。
更にまた、目標移動速度に対する実移動速度の偏差が所定の偏差しきい値以上であり且つ接極子の移動の最終速度が所定の速度しきい値以上であるとき、前記FB制御ゲインの算出を増大側に学習修正してよい。
更にまた、目標移動速度に対する実移動速度の偏差が全般的に所定の偏差しきい値以下であるが、接極子の移動の最終速度が所定の速度しきい値以上であるとき、電磁石の通電量を、少なくとも移動の終端部近傍にて移動速度を低減する方向に学習修正してよい。
また、フィードバック制御ゲインは、目標移動速度からの実移動速度の偏差に応じて連続的に変化するよう制御されてよい。
尚、学習修正は、電磁石までの接極子の隔置距離に対応して電磁石に対する接極子の目標移動速度を設定し、電磁石に対する接極子の実移動速度が目標移動速度に整合するよう電磁駆動弁の通電を制御し、その際、目標移動速度からの実移動速度の偏差に基づき目標移動速度の設定を学習修正する要領にて行なわれてよい。
上記の通り、電磁石に対する接極子の隔置距離に対応して電磁石に対する接極子の目標移動速度を定め、接極子の実移動速度が目標移動速度に整合するよう電磁石の通電を制御するFF制御と、目標移動速度からの実移動速度の偏差に応じて電磁石の通電を修正するFB制御と行う電磁駆動弁通電制御において、実移動速度と目標移動速度との関係によって、FB制御自体の必要性が異なる。従って、FB制御ゲインを実移動速度と目標移動速度との関係に基づき設定することによって、より適切な弁体及び接極子の移動速度の制御を達成することができる。
特に、既に述べた如く、接極子の実移動速度が目標移動速度より外れる偏差の絶対値が同じであったとしても、実移動速度が目標移動速度を下回っている場合(ΔV<0)は、実移動速度が目標移動速度を上回っているとき場合(ΔV>0)よりも、脱調が発生する危険性が高く、できるだけ速やかに、移動速度を上げてやる必要がある。従って、実移動速度が目標移動速度を下回っている場合には、FB制御ゲインを高く設定し、可能限り速やかに実移動速度を目標移動速度に近付けるようにし、他方、実移動速度が目標移動速度を上回っている場合には、制御ハンチングが発生しないように、FB制御ゲインを、実移動速度が目標移動速度を下回っている場合よりも相対的に小さくすることにより、電磁駆動弁の開閉制御における脱調の恐れを確実に排除しつつ、実移動速度を目標移動速度に追従させることが可能となる。
また、既に述べた如く、吸気や排気の流れにより弁体に作用する力は、かかる力の作用方向が弁体の移動方向を同じであれば、電磁石による接極子の吸引作動を助け、弁体の移動方向と逆であれば、電磁石による接極子の吸引作動に抗することとなる。かくして、かかる作動流体により弁体に及ぼされる力の差に応じてFB制御ゲインを修正し、FB制御ゲインを作動流体より弁体にその移動方向の力が作用しているときには作動流体より弁体にその移動方向とは反対の方向の力が作用しているときより小さくすることにより電磁駆動弁に対する通電制御を作動流体からの影響に対応させることができる。
また、電磁駆動弁の製品の個体差あるいは経時変化により、実際の電磁駆動弁の特性が設定されたFF制御又はFB制御に適合しなくなる問題は、各製品に於いて随時自らの作動結果に基づいて以後の作動を自分で修正するという学習により制御量を修正することで解消される。
かかる学習により修正されるべき重要な事項の一つは、図2に示す如きリフトに対する開弁速度の線図で見て、接極子の実移動の軌跡がその最終部及びその近傍に於いて目標曲線を下回らないことである(図2において、着座速度(全開時)は、実質的に0となるよう記載されているが、実際には、接極子は、電磁石に損傷を与えない程度の或る低い速度にて電磁石に接着する。)。接極子の実移動速度の軌跡が最終部近傍に於いて目標曲線の下に入り込むと、接極子が全開点に達する前に実質的に速度0になる可能性が高くなる。この場合には、速度0になった瞬間に直ちに保持電流を高めにして掛ける等して、電磁力を増大しなければ、ばねにより接極子が中間点に押し戻され、かくして、接極子の接着に失敗し、上記の脱調が生ずる虞れがある。
そこで、実移動速度の最終値が所定の速度しきい値より小さいときには、上記の如く、移動速度を増大すべく電磁石への通電量を増大する方向に学習修正することにより、実移動速度の最終値を常に所定の速度しきい値以上に維持し、実移動速度が全開点に達する前に0になることを事前に防止することを可能にする。この場合、前記所定の速度しきい値は、制御誤差や制御の変動によっても誤って実移動速度が全開点に達する前に0にならないような範囲にて可及的に小さく設定されればよい。
制御の学習修正が望まれる他の一つの現象は、実移動速度が目標移動速度を上回っており、目標移動速度に対する実移動速度の偏差が所定の偏差しきい値以上であり且つ接極子の移動の最終速度も所定の速度しきい値以上となることである。かかる作動状態は、目標移動速度に対する電磁石への通電値が高すぎることによると推定されてよい。このような場合には、FB制御ゲインを現状よりも増大する側にFB制御ゲインを算出する関数を修正することにより、電磁石への通電を低減して実移動速度を目標移動速度に対し移動の全般にわたって下方修正し、目標移動速度に対し実移動速度が大きい側にずれるという不都合と、接極子の移動の最終速度が高過ぎるという不都合の両方を、同時に解決することを可能とする。
更に制御の学習修正が望まれる他のもう一つの現象は、目標移動速度に対する実移動速度の偏差は全般的に所定の偏差しきい値以下であるが、接極子の移動の最終速度が所定の速度しきい値以上になることである。かかる作動状態は、コイルへの励磁電流の設定が移動の終端部にて高速側にずれていることを示す。そこで、このような場合には、少なくとも移動の終端部及びその近傍にて移動速度を低減すべく電磁石への通電量を低減方向に学習修正することにより対処すればよい。
また、FB制御ゲインを、偏差ΔVに対し実質的に連続的に変化させることにより、偏差ΔVを打ち消す方向のFB制御量は、急激に変化することなく、連続的に変化し、且つ、偏差ΔVに対応して徐々に増減することになる。従って、FB制御ゲインが一定の場合に比して、より速やかに、偏差ΔVが消滅し、また、FB制御ゲインがステップ状に変更される場合に見られるような、FB制御量の急激な変化(場合によっては、一連のFB制御において、FB制御ゲインの切り替りの際に、FB制御量が逆転する場合も有り得る。)がないため、制御ハンチングが発生する危険性が低減される。
好ましい実施態様の説明
図4Aは、開弁の場合について、リフトLに対する目標移動速度が図2に例示する如く設定された場合に、本発明により、リフトLの増大とともにFB制御のゲインGbを小さくするように制御する一つの実施例を示す線図である。既に述べた如く、リフトLの増大とともに、即ち、接極子が電磁石に近付くほど、電磁力は、増大し、コイルへの励磁電流の変化は、電磁石で発生する電磁力も大きく変動する。従って、接極子が電磁石に近付くほど、FB制御量の電磁力への寄与、即ち、接極子の移動速度の寄与は大きくなるため、制御ハンチングの発生を防ぐためにも、図4Aに示す如く、接極子が電磁石に近付くほど、FB制御ゲインGbを漸減することが好ましい。
更に、図から明らかな如く、FB制御ゲインGbは、接極子の目標移動速度に対する実移動速度の偏差ΔVが正である場合(ΔV>0)には、ΔVが負である場合(ΔV<0)に比して相対的に小さく設定される。この点に関し、ΔV>0及びΔV<0の各々の場合において、それぞれΔVについて一定のFB制御ゲインを各々Gb(△V<0)、Gb(ΔV>0)の如く設定してもよい(ここで、Gb(ΔV<0)>Gb(ΔV>0))。この場合、FB制御ゲインが切り替る時点では、ΔV=0であるから、かかるゲインの変更によるFB制御量に急激な変化は実質的には発生しない。しかしながら、更に、偏差ΔVを打ち消す際に、急激な変化の発生を抑え、制御ハンチングを防ぎつつ、偏差ΔVが速やかに消滅するように、図4Bに示されている如く、偏差ΔVに対して、実質的に連続的にFB制御ゲインGbを変化させるようにしてもよい。従って、FB制御ゲインは、リフトLと偏差ΔVとの2変数関数として与えられてよく、リフトLの増大とともに低減し(図4Aの曲線又は図4Bの矢印参照)、偏差ΔVに対応して増減する(図4Aの矢印又は図4B参照)。
また、図示の実施例では、FB制御ゲインGbは弁により制御される作動流体より弁体に及ぼされる力に応じて修正されるようになっており、該力が弁体にその移動方向に作用するとき(P<0)には、それが弁体の移動方向とは反対の方向に作用するとき(P>0)ときより小さくされている。なお、Pについても、その正負における絶対値の大小が考慮されてよく、その値によってΔVに基づく設定線を修正するようにされてよい。
図5は、車輌用内燃機関で於いて本発明の電磁駆動弁通電制御方法を実施する制御構成を本発明に係る構成要素のみについて示す概略図である。かかる車輌用内燃機関に於いては、内燃機関の運転制御は車輌運転制御装置により行われる。図にて車輌運転制御装置100はマイクロコンピュータを備えた制御装置であり、それには運転者によるアクセルペダルの踏み込み量を検出するアクセル開度センサ1よりアクセル開度を示す信号、機関回転数センサ2より内燃機関の回転数を示す信号、車速センサ3より車速を示す信号、縦加速度センサ4より車輌の前後方向の加速度を示す信号、機関冷却水温センサ5より内燃機関の温度状態を示す信号、クランク軸角度センサ6よりクランク軸の回転位置を示す信号、吸気弁リフトセンサ7(図1の例では40)より吸気弁の開度を示す信号、排気弁リフトセンサ8より排気弁の開度を示す信号が供給される。車輌運転制御装置100はこれらの入力値信号により与えられる車輌および内燃機関の運転状態に関する情報に基づいて時々刻々に内燃機関をどのように運転すべきかを判断し、内燃機関の吸気通路に設けられた絞り弁9、内燃機関の吸気中に燃料を噴射する燃料噴射弁10、内燃機関の点火栓を作動させる点火コイル11、吸気弁閉弁用コイル12(図1の例では303)、吸気弁開弁用コイル13(同304)、排気弁閉弁用コイル弁14、排気弁開弁用コイル15の作動を制御する。
以下に図5に示す如き車輌運転制御装置により本発明の電磁駆動弁通電制御方法を実行する要領を、その一つの実施例について更に詳細に説明する。図6は該実施例による制御ステップの全体を示すフローチャートである。
図には示されていないイグニションスイッチの閉成により制御が開始されると、ステップ10にてデータの読み込みが行われる。次いで、読み込まれたデータに基づき、ステップ20にて制御対象である弁が開弁されるべきときか否かが判断される。答がイエスのときには制御はステップ30へ進み、該弁のリフトLが所定の全開リフトLoに達したか否かが判断される。弁が全開に達するまでは答はノーであり、制御はステップ40へ進む。
ステップ40に於いては、フラグF1が1であるか否かが判断される。この種の制御に於いては、フラグF1等は制御の開始時に0にリセットされているので、制御開始後初めて制御がここに至ったときには、答はノーであり、制御はステップ50へ進み、ここで図2に例示されている如きリフトLに対する目標開弁速度Vtの対応を定めるマップが計算される。なお、かかるリフトL対目標開弁速度Vtの関係は当該電磁駆動弁の各開弁時にその瞬間に於ける内燃機関の運転状態に基づいて計算されるものであり、その計算は図5に示されている如き各センサからの信号に基づいて行なわれる。かかるマップの設定は、この実施例では、ステップ40に於けるフラグF1の判定とステップ60に於けるフラグF1の1への設定とにより、各開弁作動に対し最初に一度だけ行なわれる。
制御がステップ70に至ると、ここで上に設定されたリフトL対目標開弁速度Vtのマップと図3に例示されている如きリフトL対励磁電流のマップに基づき、開弁用コイルへの通電の内のフィードフォワード制御による供給分としての電流Ifが計算される。次いで制御はステップ80へ進む。
ステップ80に於いては、各フローの瞬間に於ける開弁速度Vがその瞬間に対応する目標開弁速度Vtと比較され、その差ΔV=V−Vtが計算される。
次いで制御はステップ90へ進み、各制御フローの瞬間に於けるリフトLと、そのとき上に計算されたΔVと、図5に例示した如き車輌運転制御装置によりなされる作動流体の流れ方向と弁体の移動方向の関係(図4に於けるPの正負)についての判断とに基づき、これらを変数パラメータとする関数Gb(L,ΔV,P)によりその瞬間に於けるFB制御ゲインGbが計算される。このFB制御ゲインGbの計算に於ける関数Gb(L,ΔV,P)は図4A又は4Bに例示した如きものとされ、即ち接極子がそれを引き付ける電磁石より隔置されている距離(=Lo−L)が大きいほどFB制御ゲインを大きくし、更にΔVおよびPによって上述の要領にて変化するFB制御ゲインGbを算出する。
次いでステップ100に於いて、上に計算された偏差ΔVとFB制御ゲインGbとに基づき、開弁用コイルへの通電の内のフィードバック制御による供給分としての電流Ibが計算される。Gbは正の値であるよう定められており、IbはIb=−Gb・ΔVとして計算される。
次のステップ110にて、開弁用コイルへの通電値IがI=If+Ibとして計算される。ΔV>0のとき、即ち、接極子の実移動速度が目標移動速度より大きいときのFB制御による電流供給分Ibは、コイルへの励磁電流を、FF制御による電流供給分IfからGb・ΔV(の絶対値)の分だけ低減する。逆にΔV<0とき、即ち、接極子の実移動速度が目標移動速度より小さいときのFB制御による電流供給分Ibは、FF制御による電流供給分IfにGb・ΔVの絶対値の分だけ追加することとなる。上に説明したとおり、同じリフト位置においてΔVの絶対値が同じであっても、ΔVが負のときのGb・ΔVの絶対値はΔVが正のときのGb・ΔVの絶対値より大きい。
こうして、ステップ120に於いて、FF制御による電流供給分として計算された電流IfとFB制御による電流供給分として計算された電流Ibの和による電流Iを開弁用コイルへ供給する。尚、図3に例示したFF制御に基づく開弁時の通電パターンの例に於いては、開弁が凡そ3分の1程進んだところで開弁用コイルの電流は高い値I1まで急速に立ち上げられ、その後暫く値I1に保持され、次いで開弁が全開に近ずくにつれて徐々に低い値I2まで下げられ、全開に至ったところで保持電流まで下げられる。開弁作動の初期において、電流を供給しないのは、かかる期間においては、接極子と通電されるべき電磁石との距離が長いため、電磁力が効果的に接極子の移動に寄与しないことによる。従って、開弁作動の初期においては、接極子は、ばねの作用により、全開位置へ向って移動することとなる。FB制御も、FF制御の場合と同様に、開弁作動の初期においては、接極子の運動に有効に寄与しない。従って、FB制御についても、任意の距離だけ接極子が移動した後(FF制御による励磁電流の供給開始の前であってもよい。)、開始されるよう設定されてよい。
以上の要領にて、接極子とそれに連なる弁軸や弁体を含む質量体とばねとが構成する振動系を振動させて、より小さい容量の電磁石を用いてより高速にて弁開閉を行なわせ、しかも弁開閉の終端にて接極子が電磁石に当接する際の速度、或いは、閉弁時には弁体が弁座に当接する瞬間の接極子や弁体の移動速度を限りなく0に近づける制御を、より高度に達成することができる。
次に、図7、8、9を参照して、図6のフローチャートの一部に修正を加えることにより、これに上記の学習修正の機能を付加する実施例について説明する.
学習修正を行なうには、先ず、図7に示す通り、ステップ40から制御がステップ50へ進むとき、即ちこの例では開弁作動の開始時に、制御を同時にステップ51へ進め、学習条件が成立しているか否か、即ち内燃機関が学習修正を行なってよい運転状態にあるか否か、の判断が行なわれる。かかる学習条件を満たす運転状態とは、例えば機関停止の直前、燃料遮断運転時、機関始動時の如く、機関運転がアクセル開度の影響を受けず、作動流体より弁体に作用する力が定まっているような運転状態が採用されてよい。そして、答がイエスのときには、制御をステップ52へ進め、ここでフラグF2を1にセットしておく。
そして、図8に示す通り、ステップ120より制御をステップ10へ戻す前に制御をステップ130へ進め、ここでフラグF2が1にセットされているか否かが判断され、答がイエスのときには、制御をステップ131へ進めて、更にフラグF3が1にセットされているか否かが判断される。フラグF3は制御が後述のステップ134を通ったとき1にセットされるものである。制御が始めてステップ131に至ったときには答はノーであるので、制御はステップ132へ進み、ここでリフトLが全開リフトLoよりΔL手前のLo−ΔLに達したか否かが判断される。このΔLの値は、例えば全開リフトLoの1〜2割程度の大きさとされ、接極子の目標移動速度に対する実移動速度の全般的偏差を把握するのに適するよう選定される。ステップ132の答がイエスになるまでは、制御はそのままリターンを続ける。
ステップ132の答がイエスに転ずると、制御はステップ133へ進み、そのときの接極子の目標移動速度に対する実移動速度の偏差ΔVがΔVoとして記憶される。このとき制御はステップ134へ進んでフラグF3が1にセットされるので、以後は制御はステップ131よりステップ132をバイパスしてリターンを続ける。
図6に示すフローチャートによる制御が進行し、弁が全開に至ってステップ30の答がイエスになると、制御は図9に示す如くステップ31へ進み、フラグF2が1にセットされているか否かが判断される。開弁開始時に学習条件が成立していなかったときには、答はノーであり、制御はそのまま終る。
F2が1にセットされていたときには、制御はステップ32へ進み、接極子の実移動速度の最終値Veが所定の速度しきい値Va以上であるか否かが判断される。答がイエスのときには、制御はステップ33へ進み、先にステップ133にて記憶された偏差ΔVoが所定の偏差しきい値ΔVb以上であるか否かが判断される。答がイエスのときには、制御はステップ34へ進む。制御がここに至ったことは、接極子の目標移動速度に対する実移動速度の偏差が所定の偏差しきい値以上であり且つ接極子の移動の最終速度が所定の速度しきい値以上であることである。そこで、ステップ34に於いては、FB制御ゲインを増大する方向にFB制御ゲインの算出関数Gb(L,ΔV,P)を修正する学習修正が行なわれる。
ステップ33の答がノーであるときには、制御はステップ35へ進む。制御がここに至ったことは、接極子の目標移動速度に対する実移動速度の偏差は全般的に所定の偏差しきい値以下であるが、接極子の移動の最終速度が所定の速度しきい値以上であることである。そこで、ステップ35に於いては、接極子の移動の最終速度Veに基づいて、少なくとも移動の終端部近傍に於ける移動速度を低減するようFF制御量を低減する方向にリフトL対励磁電流If(図3)のマップが学習修正される。なお、ここで、FF制御量の学習だけでなく、図2に示されている如きリフトL対目標開弁速度Vtのマップの学習修正が行われてもよく、その場合、速度制御を、より精度良く且スムーズなものとすることができる。
ステップ32の答がノーであるときには、制御はステップ36へ進む。制御がここに至ったことは、接極子の実移動速度の最終値が所定の速度しきい値より小さいことである。そこで、ステップ36に於いては、接極子の移動の最終速度Veに基づいて、少なくとも移動の終端部近傍に於いて、移動速度を増大すべくFF制御量を増大する方向にリフトL対励磁電流のマップが学習修正される。なお、ステップ35の場合と同様に、ステップ36に於いてもリフトL対目標開弁速度Vtのマップの学習修正が行われてよく、その場合、速度制御を、より精度良く且スムーズなものとすることができる。
以上に説明した図6〜9は弁を閉弁状態から開く場合の制御を示すものであるが、弁を開弁状態から閉じる場合の制御も、ステップ20における開弁判断を閉弁判断に変更すること、リフトLは全開位置から全閉位置向かう移動距離とされること等の形式的な変更にて、実質的に同じ要領にて行われてよいことは明らかであろう。
以上に於いては本発明をいくつかの実施例について詳細に説明したが、本発明の範囲内にて他に種々の実施例が可能であることは当業者にとって明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
図1は、電磁駆動吸気弁とそれに組み付けられた吸気弁リフトセンサの一つの構造例を示す解図的断面図である。
図2は、電磁駆動弁に於ける接極子の移動位置と移動速度との間の好ましい関係を、弁の開弁時についてリフトと開弁速度の間の関係として示す線図である。
図3は、電磁駆動弁に於ける接極子の移動位置に対する励磁電流の制御を弁の開弁時についてリフトに対する励磁電流の関係として示す線図である。
図4Aは、接極子の電磁石からの隔置距離(リフトL)に対するFB制御ゲインの変化を示すグラフ図であり、目標移動速度に対して実移動速度が小さい場合のFB制御ゲインが(ΔV<0)目標移動速度に対して実移動速度が大きい場合(ΔV>0)のFB制御ゲインよりも相対的に大きく設定されることを示す。
図4Bは、目標移動速度に対する実移動速度の偏差ΔVに対するFB制御ゲインの変化を示すグラフ図であり、接極子の電磁石へ向う移動距離(リフト)が大きくなるほどFB制御ゲインを小さく設定することを示す。
図5は、本発明による電磁駆動弁の通電制御を車輌用内燃機関において実施する場合の制御構成を制御に関与する構成要素のみについて例示する概略図である。
図6は、本発明による電磁駆動弁の通電制御方法の基本構成を一つの実施例について示すフローチャートを示す。
図7は、図6のフローチャートによる制御に学習修正を組み込む場合の同フローチャートの一部についての修正を示す部分フローチャートを示す。
図8は、図7と同趣旨の部分フローチャートを示す。
図9は、図8と同趣旨の部分フローチャートを示す。

Claims (7)

  1. 内燃機関に於ける吸気弁や排気弁のための電磁駆動弁にして、電磁石と、該電磁石に吸引されることにより弁体を開弁位置または閉弁位置のいづれか一方へ移動させる接極子とを有する電磁駆動弁の通電を制御する方法にして、前記電磁石に対する前記接極子の隔置距離に対応して前記電磁石に対する前記接極子の目標移動速度を定め、前記電磁駆動弁の通電を少なくとも一部に於いて前記電磁石に対する前記接極子の実移動速度が前記目標移動速度に整合するようフィードフォワード制御すると共に少なくとも他の一部に於いて前記実移動速度から前記目標移動速度を差し引いて得られる前記実移動速度の偏差に応じてフィードバック制御し、その際前記フィードバック制御のゲインを前記実移動速度が前記目標移動速度を下回っているときには前記実移動速度が前記目標移動速度を上回っているときより相対的に大きくすることを特徴とする電磁駆動弁通電制御方法。
  2. 請求項1に記載の電磁駆動弁通電制御方法であって、前記フィードバック制御ゲインは該電磁駆動弁により制御される作動流体から前記弁体にその移動方向の力が作用しているときには該作動流体より該弁体にその移動方向とは反対の方向の力が作用しているときより小さくされることを特徴とする電磁駆動弁通電制御方法。
  3. 請求項1または2に記載の電磁駆動弁通電制御方法であって、前記実移動速度の前記偏差に応じて連続的にフィードバック制御ゲインを変化させることを特徴とする電磁駆動弁通電制御方法。
  4. 請求項1または2に記載の電磁駆動弁通電制御方法であって、前記実移動速度の最終値が所定の速度しきい値より小さいときには、前記電磁駆動弁の通電量を増大する方向に学習修正することを特徴とする電磁駆動弁通電制御方法。
  5. 請求項1または2に記載の電磁駆動弁通電制御方法であって、前記弁体の開弁移動時又は閉弁移動時の前記実移動速度の前記偏差が所定の偏差しきい値以上であると検出され且つその移動時の前記実移動速度の最終値が所定の速度しきい値以上であるとき、前記フィードバックゲインの算出を増大側に学習修正することを特徴とする電磁駆動弁通電制御方法。
  6. 請求項1または2に記載の電磁駆動弁通電制御方法であって、前記弁体の開弁移動時又は閉弁移動時の前記実移動速度の前記偏差が所定の偏差しきい値以下であると検出されたがその移動時の前記実移動速度の最終値が所定の速度しきい値以上であるとき、前記電磁駆動弁の通電量を低減する方向に学習修正することを特徴とする電磁駆動弁通電制御方法。
  7. 請求項1または2に記載の電磁駆動弁通電制御方法であって、前記実移動速度の最終値が所定の速度しきい値より小さいときには、前記電磁駆動弁の通電量を増大する方向に学習修正し、前記弁体の開弁移動時又は閉弁移動時の前記実移動速度の前記偏差が所定の偏差しきい値以上であると検出され且つその移動時の前記実移動速度の最終値が所定の速度しきい値以上であるとき、前記フィードバックゲインの算出を増大側に学習修正し、前記弁体の開弁移動時又は閉弁移動時の前記実移動速度の前記偏差が所定の偏差しきい値以下であると検出されたが、その移動時の前記実移動速度の最終値が所定の速度しきい値以上であるとき、前記電磁駆動弁の通電量を低減する方向に学習修正することを特徴とする電磁駆動弁通電制御方法。
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