JP2003134782A - 電磁駆動弁の脱調防止通電制御方法 - Google Patents

電磁駆動弁の脱調防止通電制御方法

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JP2003134782A
JP2003134782A JP2001327701A JP2001327701A JP2003134782A JP 2003134782 A JP2003134782 A JP 2003134782A JP 2001327701 A JP2001327701 A JP 2001327701A JP 2001327701 A JP2001327701 A JP 2001327701A JP 2003134782 A JP2003134782 A JP 2003134782A
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Keiji Yotsueda
啓二 四重田
Isao Matsumoto
功 松本
Kazuhiko Shiratani
和彦 白谷
Masaji Katsumata
正司 勝間田
Tametoshi Mizuta
為俊 水田
Masato Ogiso
誠人 小木曽
Hideyuki Nishida
秀之 西田
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Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 運転状態が常時激しく変化しまた摩擦摺動部
の滑り特性が随時変動しまた経年変化を生ずることが避
けられない電磁駆動弁を、開閉移動の中間部にては開閉
が高速にて行なわれ、開閉移動の終端部では開閉速度が
0に収束するよう、接極子の移動位置に対する目標移動
速度のマップに基づいて開閉する制御のマップからの脱
調を防止する。 【解決手段】 接極子が電磁石により吸引されて弁体を
開閉弁位置へ移動させる電磁駆動弁の通電制御に於い
て、電磁石により吸引されつつある接極子の移動方向が
逆転したとき、電磁石への通電を強める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関に於ける
吸気弁や排気弁の如き電磁駆動弁の通電を制御する方法
に係る。
【0002】
【従来の技術】近年、内燃機関の分野に於いても、コン
ピュータ制御の発達に伴って、吸気弁あるいは排気弁
を、旧来からのクランク軸より同期駆動されるカム軸の
カムにて開閉駆動することに代えて、電磁アクチュエー
タにて開閉駆動し、それによって得られる開閉タイミン
グの自由度の拡大に応じて、内燃機関、特に車輌用内燃
機関の運転を種々の態様にて制御することが提案されて
きている。
【0003】かかる電磁駆動式の吸気弁あるいは排気弁
は、一般に弁軸に円板状の接極子(アーマチュア)を取
り付け、弁軸に沿って接極子の両側に弁の開閉ストロー
ク+接極子の厚みだけ隔置された開弁用電磁石と閉弁用
電磁石とを対向配置し、開弁時には開弁用電磁石を励磁
してこれに接極子を吸着させ、閉弁時には閉弁用電磁石
を励磁してこれに接極子を吸着させる構造を基本とす
る。しかし、接極子は通常軟鉄等の常磁性材より作ら
れ、開弁用電磁石および閉弁用電磁石のいづれより接極
子へ及ぼされる力も吸引力のみであり、即ち、反発力を
生ずることはできない。ところが、弁の開閉ストローク
は比較的大きく、磁気的吸引力の強さは距離の2乗に反
比例するので、開弁に当って閉弁用電磁石による吸着か
ら解放された接極子をその位置から開弁用電磁石により
引き付けるには大型の開弁用電磁石を要し、同様に閉弁
に当って開弁用電磁石による吸着から解放された接極子
をその位置から閉弁用電磁石により引き付けるには大型
の閉弁用電磁石を要する。そこで、この種の電磁駆動式
吸気弁あるいは排気弁に於いては、閉弁用電磁石による
吸着から解放された接極子を閉弁用電磁石より離れる方
へ押しやる開弁方向付勢ばねと、開弁用電磁石による吸
着から解放された接極子を開弁用電磁石より離れる方へ
押しやる閉弁方向付勢ばねとが設けられており、これら
一対のばねは結局接極子を開閉の中間位置へ付勢するば
ねとなっている。かかる構造は、接極子とそれに連結さ
れた弁軸および弁体がなす質量が一対のばね間に挟まれ
て浮遊した振動系を構成するので、弁の開閉のための開
弁用電磁石および閉弁用電磁石への通電タイミングには
格別のタイミングを要し、このタイミングを外れると、
弁は開閉の中間位置に立ち往生した状態となる。これ
は、この技術分野においては、脱調と称されている。
【0004】更にまた、この種の電磁駆動式吸気弁ある
いは排気弁に於いては、弁の開閉の終端に於いて接極子
や弁体が電磁石や弁座に激しく衝突することを避けるよ
う、接極子や弁体の開閉速度をその終端に於いて可及的
に0に近づけることが望まれる。
【0005】上記の如き電磁駆動式吸気弁あるいは排気
弁の開閉制御に関する要求に応えるものとして、特開2
000‐234534公報には、電磁石と、該電磁石に
より駆動される可動子(接極子)と、該可動子により駆
動される弁とを備えた電磁駆動弁を制御する電磁駆動弁
の制御装置であって、前記可動子または弁である可動部
の位置を検出する位置検出手段と、前記可動部の速度を
検出または推定する速度検出手段と、前記可動部の位置
に応じて前記可動部の速度目標値を生成する速度目標値
生成手段と、前記検出された速度と前記生成された速度
目標値とを比較する比較手段と、該比較手段の比較結果
に応じて前記電磁石に通電する電流値を制御する電流制
御手段とを有し、前記可動子が移動の終端近くの所定の
位置に達するまでは速度目標値を時間の関数として定
め、上記の所定位置を過ぎて終端位置に近づいたら速度
目標値を位置の関数として定めることにより、摩擦力の
違い等による移動経過の差異に拘わらず終端位置にて可
動子の速度が0に収束するような電磁駆動弁の開閉制御
を行なうことが記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】この種の電磁駆動弁の
開閉作動は、その作動中には、開閉途中にあるときを除
き、開弁用コイルまたは閉弁用コイルに弱い保持電流が
供給されることにより、開弁用コイルと開弁用コアより
なる開弁用電磁石に接極子が吸着された全開状態、また
は閉弁用コイルと閉弁用コアよりなる閉弁用電磁石に接
極子が吸着された全閉状態のいづれかに保持されてい
る。そして、弁体が全閉位置より全開位置へ移動される
べきときには、先ず閉弁用コイルの保持電流が切られる
(通常、更に閉弁用コイルに残留磁気消去のための逆電
流がかけられる)ことにより、弁体と接極子とがばねの
作用により一体となって開弁側への移動を開始し、接極
子が開弁用電磁石と閉弁用電磁石の間の中間点近くに達
し、接極子と開弁用電磁石との間の距離が縮まって開弁
用コイルの通電により開弁用電磁石がより有効に作用す
る状態となったとき、開弁用コイルへの通電が開始され
る。弁体が全開位置より全閉位置へ移動されるときの要
領も同様である。
【0007】従って、弁体が全閉位置より全開位置へ向
けてあるいは逆に全開位置より全閉位置へ向けて移動し
始めるときには、弁体の移動速度は弁体の移動距離の増
大に伴って次第に増大する。開閉移動の中間部にては、
弁体と接極子の移動速度は、迅速な弁の開閉作動が得ら
れるようなるべく大きくされるのが好ましいが、弁体が
開作動あるいは閉作動の終点に達するときには、接極子
が開弁用あるいは閉弁用電磁石のコイルやコアに激しく
衝突しないよう(また特に閉弁時には弁体が弁座に激し
く衝突しないよう)、弁体や接極子の移動速度は開作動
あるいは閉作動の終点にて丁度ほぼ0となるよう減速さ
れることを要する。
【0008】以上のことから、弁体あるいは接極子の移
動位置と移動速度との間の関係については、一般に図1
に示されている如き相互関係が好ましい特性として認識
されている。尚、図1は弁を開くときの例であり、その
ため弁体あるいは接極子の移動位置はリフトとして示さ
れ、またその移動速度は開弁速度として示されている。
この場合、より小容量の電磁装置にて往復動の中間部に
於ける接極子の移動速度をできるだけ高くするために
は、接極子とそれに連なる弁軸や弁体を含む質量体がそ
れとばねとによって構成される振動系の共振モードに従
って往復動されるのが有利であり、そのためこれまで一
般には図1に示されている如き接極子の往復動位置に対
する所望の目標移動速度は、上記の共振を起こさせる関
係に設定されている。尚、「距離」、「移動」および
「速度」の如き概念には、数理的には正および負の値が
あり、まして本件における如く弁の開閉に係わる問題に
おいては、弁体の移動方向に応じて距離、移動および速
度には正負の別があるが、今ここでの課題は、如何にし
て弁体の開閉移動を迅速にし且つその移動の終端にて衝
撃なくそれを終わらせるかということであるので、本件
明細書および図面に於いては、記載の簡明化のため、上
記のリフトとして表された弁体あるいは接極子の移動は
開弁のための移動と閉弁のための移動の両方を含む正の
移動距離とし、該移動距離が増大する方向の移動速度を
正の値として表す。
【0009】このように、内燃機関の吸気弁あるいは排
気弁として作動する電磁駆動弁に於いては、一対のばね
にて開閉の中間位置に付勢された接極子の移動速度を、
開閉移動の中間部にてはなるべく大きくし、開閉移動の
終端部では0に収束させるという特異な命題が存在する
が、更に、車輌用内燃機関ではその運転状態が常時激し
く変化し、またこの種の電磁駆動弁では、その摩擦摺動
部の滑り特性の随時の変動と経年変化とが避けられない
ので、たとえ図1に示す如き弁体あるいは接極子の移動
位置に対する目標移動速度のマップが設定され、弁体あ
るいは接極子の移動位置に応じて電磁石への通電が、目
標移動速度を目指すフィードフォワード制御と、目標移
動速度からの実移動速度の偏倚に基づくフィードバック
制御との組み合わせにより制御がなされても、常時、制
御された通電量を過剰とさせたり不足とさせる外乱が付
き纏い、開閉移動の終端速度を常に0に収束させること
はなかなかに困難である。
【0010】本発明は、内燃機関の吸気弁あるいは排気
弁として作動する電磁駆動弁に於ける上記の困難に対処
し、これを解決する電磁駆動弁の通電制御方法を提供す
ることを課題としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するも
のとして、本発明は、電磁石と、該電磁石に吸引される
ことにより弁体を開弁位置または閉弁位置のいづれか一
方へ移動させる接極子とを有する電磁駆動弁の通電を制
御する方法にして、前記電磁石により吸引されつつある
前記接極子の移動方向が逆転したとき、前記電磁石への
通電を強めることを特徴とする電磁駆動弁通電制御方法
を提供するものである。
【0012】上記の電磁駆動弁通電制御方法に於いて、
接極子の移動が弁体を閉弁位置より開弁位置へ移動させ
る開弁移動であり、上記の接極子移動方向逆転による通
電の強化を所定期間行っても弁体が開弁位置に達しない
ときには、弁体を閉弁位置へ移動させる制御を開始する
ようにしてよい。
【0013】また、上記の接極子移動方向逆転による通
電の強化を行ったときには、次回より接極子移動方向逆
転を生じないよう通電態様を学習修正するようにしてよ
い。
【0014】この場合、学習修正は、接極子の実移動距
離の最大値が所定の最大目標移動距離以下であるときに
は通電を増大する側に行われ、接極子の実移動距離の最
大値が所定の最大目標移動距離に達しているときには通
電を低減する側に行なわれてよい。
【0015】更にまた、上記の電磁駆動弁通電制御は、
電磁石に対する接極子の隔置距離に対応して電磁石に対
する接極子の目標移動速度を定め、電磁駆動弁の通電を
少なくとも一部に於いて電磁石に対する接極子の実移動
速度が目標移動速度に整合するようフィードフォワード
制御すると共に少なくとも他の一部に於いて目標移動速
度からの実移動速度の偏倚に応じてフィードバック制御
することにより行われ、上記の接極子移動方向逆転によ
る通電の強化はフィードフォワード制御およびフィード
バック制御による電流に追加の電流を加算することによ
り行なわれてよい。
【0016】
【発明の作用及び効果】今上記の如き基本構造を有する
電磁駆動弁が、その開弁作動を、そのリフトに応じてそ
の開弁速度が図1に示されている如く変化することを目
指して制御されるものとすると、制御が予定通り達成さ
れるときの時間に対する開弁速度の変化は、図2に示す
如きものとなる筈であり、またこれに応じてリフトの時
間的変化は図3に示す如きものとなるはずである。この
場合、接極子の移動方向は、弁が全開に至ったところで
その移動が停止するまで、常にそれを吸引する電磁石へ
向かう方向である。
【0017】しかし、もし電磁石の吸引力が不足してい
ると、接極子は、図4に示されている如く全開位置に至
る前に電磁石へ向かう方向の速度が0まで低下し、次の
瞬間から接極子はばねの作用により閉弁位置へ向けて押
し戻され、その移動方向は逆転する。このときのリフト
の時間的経過は図5に示されている通りである。尚、図
4および5のいずれに於いても、最後の破線により示さ
れている部分は、以下に詳細に説明される如く本発明に
より修正される部分である。
【0018】一方、もし電磁石の吸引力が強すぎると、
接極子は、図6に示されている如く速度が0に収束する
前に電磁石に突き当たり、ここで速度は瞬間的に0まで
急落し、更に電磁石により弾かれることにより接極子の
移動方向に逆転が生ずる。このときのリフトの時間的経
過は図7に示されている通りである。かかる事情は接極
子を弁の全開位置より全閉位置へ向けて移動させる場合
にも同様である。尚、図6および7に於いても、最後の
破線により示されている部分は、本発明により修正され
る部分である。
【0019】前者の場合には、接極子が全開位置または
全閉位置に達しないとして電磁石への通電が通常の制御
スケジュール通りそのまま続けられても、接極子はばね
により中間位置へ向けて押し戻されるだけである。また
後者の場合にも、接極子が一度全開位置または全閉位置
に達したとして通電がここで終了されると、接極子はや
はりばねにより中間位置へ向けて押し戻される。そこ
で、これらいずれの場合にも、接極子の移動方向が逆転
したことに応じて電磁石への通電を強める制御が行われ
れば、接極子を改めて電磁石へ向けて強力に引きつけ、
接極子を全開位置または全閉位置にもたらすことができ
る。
【0020】ただ、上記の如く接極子の移動方向の逆転
に応じて電磁石への通電を強める制御を行っても、内燃
機関の運転上許される所定期間内に接極子を全開位置ま
たは全閉位置にもたらすことができない場合もあろう。
この場合には、上記の如き制御をそれ以上続けることは
無駄であり、また内燃機関の運転上有害となる。そこ
で、かかる状況では、上記の制御を中止することが望ま
れるが、その場合、特に接極子の移動が弁体を閉弁位置
より開弁位置へ移動させる開弁移動あるときには、上記
の制御を中止した後、引き続いて、弁体を閉弁位置へ移
動させる制御を行っておくのが好ましい。内燃機関に於
いては、吸気弁にしろ排気弁にしろ、それが半開状態に
て制御不能となることは甚だ好ましくなく、制御不能の
場合には、弁は閉弁状態にあるのが望まれる。また吸気
弁あるいは排気弁が対として設けられている場合には、
その一方が閉弁状態に止まっても、内燃機関の作動性能
が損なわれる程度は軽微で済む。
【0021】また、この種の電磁駆動弁に於いては、そ
の作動性能に摩擦摺動部の滑り具合が大きく影響し、か
かる摩擦摺動部の滑り具合は、同一の設計になる製品で
あっても製品ごとにある程度の差が生ずることが止むを
得ず、またそれは使用時間の経過に伴って変化するの
で、作動性能の調整が各製品に於いて作動結果に基づく
学習によりに自ら調整されるのが好ましい。そこで、上
記の如く接極子移動方向逆転による通電の強化を行った
ときには、次回より接極子移動方向逆転を生じないよう
通電態様を学習修正するようにしておくことにより、電
磁駆動弁の作動性能をより一層高めることができる。
【0022】かかる通電態様を学習修正は、図4と図6
の対比より理解される通り、図4の場合のように接極子
の実移動距離の最大値が所定の最大目標移動距離以下で
あるのは、電磁石の吸引力が不足している場合であるの
で、通電を増大する側に行われればよく、一方、図6の
場合のように接極子の実移動距離の最大値が所定の最大
目標移動距離に達しているときには、電磁石の吸引力が
過剰の場合であるので、通電を低減する側に行なわれれ
ばよい。
【0023】以上いずれの場合にも、電磁駆動弁が内燃
機関の吸気弁あるいは排気弁として作動する場合には、
開弁用電磁石と閉弁用電磁石の間にある接極子は、内燃
機関のより高い速度での運転を可能にすべく、開弁用電
磁石と閉弁用電磁石の間を移動の終端にては速度を0に
収束させつつ高速にて長時間繰り返し往復動しなければ
ならず、しかもより小容量の電磁装置にてより高い接極
子移動速度を得なければならないことから、接極子とそ
れに連なる弁軸や弁体を含む質量体は、それとばねとに
よって構成される振動系の共振モードに従って往復動さ
れるよう、その移動制御は図1に示されている如き接極
子の往復動位置に対する所望の目標移動速度を達成する
要領にて行われるのが好ましい。そこで、その制御は、
電磁石に対する接極子の隔置距離に対応して電磁石に対
する接極子の目標移動速度を定め、電磁駆動弁の通電を
少なくとも一部に於いて電磁石に対する接極子の実移動
速度が目標移動速度に整合するようフィードフォワード
制御すると共に少なくとも他の一部に於いて目標移動速
度からの実移動速度の偏倚に応じてフィードバック制御
することにより行われることが望まれるが、その場合、
更に、接極子移動方向が逆転しことを検出し、かかる逆
転が生じたときには、フィードフォワード制御およびフ
ィードバック制御による電流に追加の電流を加算するよ
うにすれば、弁開閉作動の終りに再度電磁石を強力に作
動させ、電磁石の吸引力が弱すぎたり強すぎたりするこ
とによる図4〜7に示す如き接極子の挙動不良を簡単な
制御動作により克服することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】図8は、本発明の対象となる電磁
駆動吸気弁の一例を示す概略断面図である。図8に於い
て、26は吸気ポートであり、弁座200にて縁取られ
たその開口端が吸気弁の弁体28aにて開閉されるよう
になっている。弁体28aは弁軸28bにより担持されて
おり、弁軸28bは弁ガイド201により図にて上下に
移動可能に案内されており、30にて全体的に示された
電磁駆動装置により、弁体28aは開弁位置と閉弁位置
との間に移動されるようになっている。
【0025】電磁駆動装置30は、ハウジング300、
その中に組み込まれた閉弁用コア301、開弁用コア3
02、閉弁用コイル303、開弁用コイル304、これ
らのコアおよびコイルにより構成された閉弁用電磁装置
と開弁用電磁装置の間に弁軸28bにより担持されて移
動する接極子(アーマチュア)305、コイル303と
304のいずれもが通電されていない状態では接極子3
05を図示の如く両電磁装置間の中間位置にもたらす圧
縮コイルばね306および307を有している。
【0026】尚、図示の例では、電磁駆動装置30に直
接組み付けられた構造にて、吸気弁リフトセンサ40が
設けられている。このリフトセンサは電磁駆動装置30
のハウジング300に取り付けられたハウジング40
0、同ハウジング内にあって弁軸28bの上端に取り付
けられた円板状のターゲット401、このターゲットに
向かい合ってハウジング400に取り付けられターゲッ
トの偏倚を検出するギャップセンサ402を有してい
る。
【0027】また、弁軸28bの一部には、弁体と接極
子との間に極く僅かの伸縮自由度を与える滑り継手29
が組み込まれている。これは、圧縮および爆発行程時に
気筒内の圧力により弁体が弁座に押しつけられるとき、
弁座への弁体の密着が、閉弁用コア301や閉弁用コイ
ル303に当接した接極子からの支持により妨げられる
ことを防止するためである。
【0028】図9は、車輌用内燃機関に於いて本発明の
電磁駆動弁通電制御方法を実施する制御構成を本発明に
係る構成要素のみについて示す概略図である。かかる車
輌用内燃機関に於いては、内燃機関の運転制御は車輌運
転制御装置により行われる。図にて車輌運転制御装置1
00はマクロコンピュータを備えた制御装置であり、そ
れには運転者によるアクセルペダルの踏み込み量を検出
するアクセル開度センサ1よりアクセル開度を示す信
号、機関回転数センサ2より内燃機関の回転数を示す信
号、車速センサ3より車速を示す信号、縦加速度センサ
4より車輌の前後方向の加速度を示す信号、機関冷却水
温センサ5より内燃機関の温度状態を示す信号、クラン
ク軸角度センサ6よりクランク軸の回転位置を示す信
号、吸気弁リフトセンサ7(図8の例では40)より吸
気弁の開度を示す信号、排気弁リフトセンサ8より排気
弁の開度を示す信号が供給される。車輌運転制御装置1
00はこれらの入力値信号により与えられる車輌および
内燃機関の運転状態に関する情報に基づいて時々刻々に
内燃機関をどのように運転すべきかを判断し、内燃機関
の吸気通路に設けられた絞り弁9、内燃機関の吸気中に
燃料を噴射する燃料噴射弁10、内燃機関の点火栓を作
動させる点火コイル11、吸気弁閉弁用コイル12(図
8の例では303)、吸気弁開弁用コイル13(同30
4)、排気弁閉弁用コイル弁14、排気弁開弁用コイル
15の作動を制御する。
【0029】以下に図9に示す如き車輌運転制御装置に
より本発明の電磁駆動弁通電制御方法を実行する要領を
その一つの実施例について更に詳細に説明する。図10
はそれを示すフローチャートである。尚、この実施例は
開弁時の例であるが、制御の実質は、ここでのリフトL
が所謂弁の開き量を表す語ではなく、図1について記載
した通り、弁の開閉に於ける移動距離を表すものである
との前提に於いて、閉弁時でも同じである。また以下の
フローチャートにおける各ステップは、本発明による電
磁駆動弁通電制御方法の作動における各機能的局面を一
連の作動の流れに分解して説明するためのものであり、
本発明の実行の手順を特定するものではない。
【0030】図には示されていないイグニションスイッ
チの閉成により制御が開始されると、ステップ10にて
データの読み込みが行われる。次いで、読み込まれたデ
ータに基づき、ステップ20にて制御対象である弁が開
弁(閉弁制御では閉弁)されるべきときか否かが判断さ
れる。答がイエスのときには制御はステップ21へ進
み、接極子リフトLが閉弁用電磁石(閉弁時には開弁用
電磁石、以下同様)より確実に離れたことを示す所定の
小さなリフトLa(図3参照)以内にあるか否かが判断
される。答がイエスである間、制御はステップ22へ進
み、それまでの閉弁中閉弁用電磁石へ供給されていた保
持電流を遮断し、更に残留磁気を消去すべく該電磁石に
逆電流をかける保持解除処理が行なわれる。次のステッ
プ23においては、接極子が開弁用電磁石の所定の高効
率作動圏内に達する前のリフトLb(図3参照)以内に
あるか否かが判断される。答がイエスである間は、制御
はステップ10へ戻る。そして答がイエスよりノーに転
じると、制御はステップ30へ進む。
【0031】ステップ30においては、リフトLが所定
の全開リフトLoに達したか否かが判断される。但し、
本発明では、弁リフトが全開リフトに達し、接極子が電
磁石に衝突して跳ね返る現象についても考慮しているの
で、接極子が電磁石に衝突した瞬間とこのフローチャー
トに沿う制御の流れが丁度ステップ30に至った瞬間と
のずれについても注意が必要である。従って、この場
合、リフトLが全開リフトLoに達したときには、その
ような瞬間のずれを克服してそのことを検出する何らか
の手段が講じられているものとする。そのような手段の
一つとして、接極子が電磁石に衝突して跳ね返るときの
接極子の予想される速度とフローチャートに沿う制御の
流れのサイクルタイムとの積に相当する距離だけLoが
真の全開リフトより小さく設定されることが考えられて
よい(図3参照)。弁がこの所定開度を過ぎるまでは答
はイエスであり、制御はステップ40へ進む。
【0032】ステップ40に於いては、フラグF1が1
であるか否かが判断される。この種の制御に於いては、
フラグF1等は制御の開始時に0にリセットされている
ので、制御開始後初めて制御がここに至ったときには、
答はノーであり、制御はステップ50へ進み、ここで図
1に例示されている如きリフトLに対する目標開弁速度
Vtの対応を定めるマップが計算される。この実施例で
は、かかるリフトL対目標開弁速度Vtの関係は当該電
磁駆動弁の各開弁時にそのときの内燃機関の運転状態に
基づいて計算されるものであり、その計算は図9に示さ
れている如き各センサからの信号に基づいて行なわれ
る。かかるマップの設定は、特にこの実施例では、ステ
ップ40に於けるフラグF1の判定とステップ60に於
けるフラグF1の1への設定とにより、各開弁作動に対
し最初に一度だけ行なわれる。
【0033】制御がステップ70に至ると、ここで上に
設定されたリフトL対目標開弁速度Vtのマップと図1
1に例示されている如きリフトL対励磁電流のマップに
基づき、開弁用コイルへの通電の内のフィードフォワー
ド制御による供給分としての電流Ifが計算される。次
いで制御はステップ80へ進む。
【0034】ステップ80に於いては、各フローの瞬間
に於ける開弁速度Vがその瞬間に対応する目標開弁速度
Vtと比較され、その差ΔV=V−Vtが計算される。
【0035】次いで制御はステップ90へ進み、各制御
フローの瞬間に於けるリフトLと、そのとき上に計算さ
れたΔVと、弁体に作用する作動流体の流れ方向と弁体
の移動方向の関係についての判断とに基づき、両者が同
一の場合をP正とし、両者が互いに反対の場合をP負と
し、これらをパラメータとする関数K(L,ΔV,P)によ
りその瞬間に於けるフィードバックゲインGbが計算さ
れる。このフィードバックゲインGbの計算に於ける関
数K(L,ΔV,P)は図12に例示した如きものであって
よく、即ち接極子がそれを引き付ける電磁石より隔置さ
れている距離(=Lo−L)が大きいほどフィードバッ
クゲインは大きくされ、またΔVが小さいときにはΔV
が大きいときより大きくされ、またPが正のときにはPが
負のときより大きくされるものであってよい。
【0036】次いでステップ100に於いて、Vが0ま
たは正の値であるか否かが判断される。ここで、Vが正
であるとは、接極子がそれを引き付ける電磁石へ向けて
移動していることを示す。当初は答は当然イエスであ
り、制御はステップ110へ進む。
【0037】ステップ110に於いては、Vがある小さ
な値Vsあるいはそれ以下まで下がったか否かが判断さ
れる。この速度値Vsは、接極子の移動速度がほぼ0に
収束したと見做してよい値である。答がノーであると
き、即ちVがVsより大きい正の値である限り、制御は
ステップ120へ進み、ここでフラグF2は0にセット
される。(F2は制御開始時に0にリセットされている
ので、F2が1にセットされた後制御がこのステップに
至った場合を除き、F2は0に留まるだけである。)一
方、答がイエスのときには、制御はステップ130へ進
み、フラグF2が1にセットされる。
【0038】次いで制御はステップ135へ進み、タイ
マのタイムアウトがチェックされる。但し、このタイマ
は、後述の通り制御がステップ180に至ったとき始動
されるものであり、それまではタイマは作動していない
ので、それまで答はノーである。次いでステップ140
に於いて、上に計算された偏倚ΔVとフィードバックゲ
インGbとに基づき、開弁用コイルへの通電の内のフィ
ードバック制御による供給分としての電流Ibが計算さ
れる。但し、GbはΔVが正のとき正の値になるよう定
められており、IbはIb=−Gb・ΔVとして計算され
た後、次のステップ150にて開弁用コイルへの通電値
IがI=If+Ib+Irとして計算されるので、ΔVが
正のとき、即ち接極子の実移動速度が目標移動速度より
に大きいときのフィードバック制御による電流供給分I
bとは、フィードフォワード制御による電流供給分If
よりGb・ΔVの絶対値を差し引くことである。従って
また、ΔVが負のとき、即ち、実移動速度が目標移動速
度より小さいときには、フィードバックゲインGbによ
るフィードバック制御は、ΔVの絶対値に比例する電流
をフィードフォワード制御による電流に加えるものであ
る。
【0039】こうしてフィードフォワード制御による電
流供給分として計算された電流Ifと、フィードバック
制御による電流供給分として計算された電流Ibと、後
述のステップ200にて電流値I3とされるまでは0で
ある電流Irとがステップ150にて加算され、これら
の和による電流Iに基づき、ステップ160に於いて、
図11に例示した如き通電パターン(実線)に従ってリ
フトLに対応して開弁用コイルへの通電が行なわれる。
尚、図11に例示し開弁時の通電パターンの例に於いて
は、開弁が凡そ3分の1程進んだところで開弁用コイル
の電流は高い値I1まで急速に立ち上げられ、その後暫
く値I1に保持され、次いで開弁が全開に近づくにつれ
て徐々に低い値I2まで下げられ、全開に至ったところ
で保持電流まで下げられる。
【0040】以上の如きステップ10〜160は数十な
いし数百マイクロセカンドの周期にて繰り返し実行さ
れ、接極子の移動速度がリフトに対し図2に示されてい
る如きマップに従うように電磁石への通電が制御される
と、接極子と弁軸と弁体とはそれがばねと共に構成する
振動系の共振運動に沿って付勢され、より小さい容量の
電磁石によってもより高速にて加速され、しかも弁開閉
の終端にては移動速度が0に収束するよう制御される筈
である。
【0041】しかし、かかる電磁駆動弁の作動には、特
に摩擦に基づく種々の不確定要件が影響し、制御は必ず
しも予定通りには進行せず、上に図4〜7を参照して説
明したような事態が生ずる。
【0042】即ち、図4および5に示す如く、接極子と
弁軸と弁体からなる質量体の運動に対し電磁石の吸引力
が不足した状態が生ずると、接極子がほぼ弁の全開位置
に達してステップ30の答がノーとなる前に接極子の移
動速度Vが0以下となり、ステップ100の答がイエス
よりノーに転ずる。かかる事態が生ずると、制御はステ
ップ100よりステップ170へ進み、ここでフラグF
3が1であるか否かが判断される。制御が初めてこのス
テップに至ったときには答はノーであり、制御はステッ
プ180へ進み、図9に示す車輌運転制御装置を構成す
るコンピュータの一部により構成されたタイマがセット
される。そして制御はステップ190へ進み、フラグF
3が1にセットされる。そして更に制御はステップ20
0へ進み、Irの値がI3にセットされ、また同時にこ
のときのリフトLが後述の制御の学習修正のための最大
リフトLmとして記憶される。制御はこれよりステップ
135へ戻され、制御が続けられる。セット値I3によ
る電流Irは、例えば図11に於いて破線にて示されて
いる如きものであってよい。尚、Irは制御の開始時に
0にリセットされている。
【0043】こうして、ここで一段と通電電流を上げて
通電制御が続行されると、電磁石の近傍にあって電磁石
より離れようとしていた接極子には強力な吸引力が及さ
れるので、接極子はほぼ確実に電磁石に吸着される。
尚、このとき接極子が電磁石により強く吸引されても、
その運動は電磁石に極く近接した位置から始まるので、
接極子が慣性力の下に勢いよく電磁石に衝突するような
状態は生じない。
【0044】ステップ170〜200を通った後、制御
は当初はVがなお負であることによってステップ100
よりステップ170へ進み、ここでの答がイエスである
ことによりステップ135へ進み、ステップ180にて
セットされたタイマがタイムアウトしたか否かが判断さ
れる。当初は答はノーであり、制御はステップ140へ
進んで続けられる。こうして制御が順調に進めば、その
うちVが負より正に転じ、それ以降は制御はステップ1
00よりステップ110へ進み、更にVがVs以下であ
る間、制御はステップ130を通って続けられる。そし
て更に制御が順調に進むと、やがてステップ30の答が
ノーとなり、制御はステップ220へ進む。このときス
テップ220の答はイエスである。
【0045】一方、図6および7に示す如く、接極子と
弁軸と弁体からなる質量体の運動に対し電磁石の吸引力
が強すぎる状態が生ずると、制御がステップ110より
ステップ130へ進んでフラグF2が1にセットされる
前、即ち接極子の移動速度VがVs以下まで下がる前に
接極子が移動の終端に達し、ステップ30の答がノーと
なる。このときには制御はステップ220へ進むが、こ
こでの答はノーであり、制御はこれよりステップ170
へ進み、上記のVが負になったときと同じ制御が行なわ
れる。この場合にも、接極子の電磁石への衝突の跳ね返
りにより負となったVは電流Irを付加した追加の制御
により0まで戻され、0とVsの間となる状態を経て、
再度ステップ30の答がノーになる状態がもたらされる
と、制御はステップ220へ進み、そのときステップ2
20の答はイエスとなる。
【0046】こうして電磁石の吸引力不足により接極子
が電磁石に到達する前にVが負になったとき、あるいは
電磁石の吸引力が強すぎて接極子が電磁石に当たって弾
かれることによりVが負になったときのいづれの場合に
も、電流Irの追加による通電が開始された後、ステッ
プ180にてセットされたタイマがタイムアウトするま
でに制御がステップ30よりステップ220へ向かい、
ここでの答がイエスとなれば、制御は順調に終了へ向か
う。
【0047】ステップ220の答がイエスとなったと
き、制御はそのまま終了されてもよいが、この実施例で
は、ステップ220の答がイエスになったときには、ス
テップ230にてフラグF3が1であるが否かが判断さ
れ、答がノーのとき、即ち、制御がステップ10〜16
0のみで終了したときには、制御はそのまま終わるが、
ステップ230の答がイエスのときには、制御はステッ
プ240へ進み、以下の要領にて制御結果に基づく学習
修正が行なわれる。
【0048】即ち、ステップ240にては、ステップ1
90にてセットされたタイマによる計測時間を読み取っ
た後、タイマをリセットすることが行なわれ、制御はス
テップ250へ進む。ステップ250においては、ステ
ップ200にて記憶されたリフトLの最大値LmがLo
未満であるかLo以上であるによって、電磁石の吸引力
が図4および5に示されている如く不足した状態にあっ
たか、あるいは図6および7に示されている如く過剰な
状態にあったかの区別がなされる。その上で、フィード
フォワード電流Ifとフィードバック電流Ibのいずれ
か一方または両方の計算が、タイマによる計測時間に基
づいて増減修正されてよい。即ち、電流Irの付加によ
る作動の修正に要した時間が長かったときほど、フィー
ドフォワード電流Ifやフィードバック電流Ibに対す
る増減修正の度合いが大きくされればよい。フィードフ
ォワード電流Ifの増減修正は図11パターンを全体と
して修正すること、あるいは特に増大修正の場合には、
破線にて示されている如く追加電流を加えることにより
行われてよい。またフィードバック電流Ibの増減修正
はフィードバックゲインGbを計算する関数K(L,Δ
V,P)を修正することにより行われてよい。
【0049】一方、電流Irによる増減修正によっても
タイマにてセットされた時間内にステップ30の答がノ
ーにならず、ステップ135にてタイムアウトが生じた
ときには、制御は終了へ向かうが、この実施例では、制
御はステップ260へ進み、ここで制御は弁を閉弁する
閉弁制御に切り換えられる。この場合の閉弁制御は、図
1に示した如き最適動弁特性でなくとも、弁を可及的に
速やか且つ確実に閉じるような制御であってよい。
【0050】そして更に、この実施例においては、制御
はステップ270へ進み、ステップ250において行な
われるのと同様のリフトLの最大値Lmに基づく電流の
過不足判断に応じて、フィードフォワード電流Ifとフ
ィードバック電流Ibのいずれか一方または両方の計算
を増減修正することが行なわれる。この場合の増減修正
量はタイムアウトの事実を考慮して適当な上限値に定め
られてよい。
【0051】以上に説明した図10は弁を閉弁状態から
開く場合の制御を示すものであるが、弁を開弁状態から
閉じる場合の制御も、ステップ20における開弁判断を
閉弁判断に変更すること、リフトLは全開位置から全閉
位置向かう移動距離とされること等の形式的な変更に
て、実質的に同じ要領にて行われてよいことは明らかで
あろう。尚、ステップ260については、やはりこのま
までよい。但し、このステップにおける「閉弁」制御と
は、ステップ50〜90の如き過程を経て閉弁速度をリ
フトに応じて図1に示すように目標制御する閉弁制御で
はなく、上に開弁時について記載したとおり、弁を可及
的に速やか且つ確実に閉じるような制御であってよい。
【0052】以上に於いては本発明をそのいくつかの局
面を含むフローチャートに沿って詳細に説明したが、か
かる実施例について本発明の範囲内にて種々の修正が可
能であることは当業者にとって明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】電磁駆動吸気弁とそれに組み付けられた吸気弁
リフトセンサの一つの構造例を示す解図的断面図。
【図2】電磁駆動弁に於ける接極子の移動位置と移動速
度との間の好ましい関係を弁の開弁時についてリフトと
開弁速度の間の関係として示す線図。
【図3】図1に示す如き電磁駆動吸気弁が図2に示す如
き接極子の移動位置と移動速度との間の関係を保って開
弁されるときの接極子移動速度の時間経過に対する変化
を示す線図。
【図4】図3に対応してリフトの時間経過に対する変化
を示す線図。
【図5】電磁石の吸引力が不足する場合の図3の線図の
変化を示す線図。
【図6】図5に対応してリフトの時間経過に対する変化
を示す線図。
【図7】電磁石の吸引力が過剰である場合の図3の線図
の変化を示す線図。
【図8】図7に対応してリフトの時間経過に対する変化
を示す線図。
【図9】本発明による電磁駆動弁の通電制御を車輌用内
燃機関に於いて実施する場合の制御構成を制御に関与す
る構成要素のみについて例示する概略図。
【図10】本発明による電磁駆動弁の通電制御方法を一
つの実施例について示すフローチャート。
【図11】図1に示す如き電磁駆動吸気弁が図2に示す
如き接極子の移動位置と移動速度との間の関係を保って
開弁されるときのリフトに対する電流の変化の一例を示
す線図。
【図12】電磁石への通電のフィードバック制御のゲイ
ンを接極子の電磁石からの隔置距離、接極子の目標移動
速度に対する実移動速度の偏倚、および作動流体が弁体
に及ぼす力の方向に応じて制御する一例を示す線図。
【符号の説明】
26…吸気ポート 28a…弁体 28b…弁軸 30…電磁駆動装置 300…ハウジング 301…閉弁用コア 302…開弁用コア 303…閉弁用コイル 304…開弁用コイル 305…アーマチュア 306,307…圧縮コイルばね 40…吸気弁リフトセンサ 400…ハウジング 401…ターゲット 402…ギャップセンサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 白谷 和彦 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 勝間田 正司 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 水田 為俊 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 小木曽 誠人 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 西田 秀之 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 Fターム(参考) 3G018 AB08 AB09 AB16 CA11 CA12 DA45 EA22 EA32 FA01 FA06 FA07 FA11 GA01 GA03 GA04 GA15 GA38 3G301 HA01 HA19 JA03 JA07 JA11 JA14 LA07 LC01 LC10 NB06 NE01 NE02 PA11Z PE01Z PE03Z PE08Z PE10Z PF01Z PF03Z 3H106 DA07 DA25 DB02 DB12 DB26 DB32 DC02 FB27 FB28 FB43 5H633 BB07 BB10 GG02 GG06 GG09 GG23 JA02 JA07

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電磁石と、該電磁石に吸引されることによ
    り弁体を開弁位置または閉弁位置のいづれか一方へ移動
    させる接極子とを有する電磁駆動弁の通電を制御する方
    法にして、前記電磁石により吸引されつつある前記接極
    子の移動方向が逆転したとき、前記電磁石への通電を強
    めることを特徴とする電磁駆動弁通電制御方法。
  2. 【請求項2】前記接極子の移動は前記弁体を前記閉弁位
    置より前記開弁位置へ移動させる開弁移動であり、前記
    の接極子移動方向逆転による通電の強化を所定期間行っ
    ても前記弁体が前記開弁位置に達しないときには、前記
    弁体を前記閉弁位置へ移動させる制御を開始することを
    特徴とする請求項1に記載の電磁駆動弁通電制御方法。
  3. 【請求項3】前記の接極子移動方向逆転による通電の強
    化を行ったときには、次回より接極子移動方向逆転を生
    じないよう通電態様を学習修正することを特徴とする請
    求項1または2に記載の電磁駆動弁通電制御方法。
  4. 【請求項4】前記学習修正は、前記接極子の実移動距離
    の最大値が所定の最大目標移動距離以下であるときには
    通電を増大する側に行われ、前記接極子の実移動距離の
    最大値が所定の最大目標移動距離に達しているときには
    通電を低減する側に行なわれることを特徴とする請求項
    3に記載の電磁駆動弁通電制御方法。
  5. 【請求項5】前記電磁駆動弁の通電制御は、前記電磁石
    に対する前記接極子の隔置距離に対応して前記電磁石に
    対する前記接極子の目標移動速度を定め、前記電磁駆動
    弁の通電を少なくとも一部に於いて前記電磁石に対する
    前記接極子の実移動速度が前記目標移動速度に整合する
    ようフィードフォワード制御すると共に少なくとも他の
    一部に於いて前記目標移動速度からの前記実移動速度の
    偏倚に応じてフィードバック制御することにより行わ
    れ、前記の接極子移動方向逆転による通電の強化は前記
    フィードフォワード制御および前記フィードバック制御
    による電流に追加の電流を加算することにより行なわれ
    ることを特徴とする請求項1〜4のいづれかに記載の電
    磁駆動弁通電制御方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008057454A (ja) * 2006-08-31 2008-03-13 Toyota Motor Corp 可変バルブタイミング装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008057454A (ja) * 2006-08-31 2008-03-13 Toyota Motor Corp 可変バルブタイミング装置
JP4668150B2 (ja) * 2006-08-31 2011-04-13 トヨタ自動車株式会社 可変バルブタイミング装置

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