JP2001123808A - 電磁式弁駆動装置 - Google Patents

電磁式弁駆動装置

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JP2001123808A
JP2001123808A JP2000192379A JP2000192379A JP2001123808A JP 2001123808 A JP2001123808 A JP 2001123808A JP 2000192379 A JP2000192379 A JP 2000192379A JP 2000192379 A JP2000192379 A JP 2000192379A JP 2001123808 A JP2001123808 A JP 2001123808A
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armature
solenoid
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closing
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Tetsuo Masuyama
哲男 増山
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Nippon Piston Ring Co Ltd
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Nippon Piston Ring Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 バルブの開閉時間の調整範囲が広く、着座時
の騒音、振動の発生が少ないコンパクトな電磁式弁駆動
装置を提供する。 【解決手段】 バルブと一体に開弁方向または閉弁方向
に移動可能に配設されるロッドと、ロッドと一体に配設
され永久磁石または永久磁石を埋め込んだ磁性材料から
なる1つまたは複数のアーマチャと、通電によりアーマ
チャを反発または吸引しバルブを開弁方向に移動させる
複数のソレノイドと、それらを収納するハウジングとか
らなるアクチュエータ部と、ソレノイドへの通電を制御
する制御手段とを備える。また、制御手段により、バル
ブが開弁位置、あるいは閉弁位置に近づいた時に、ソレ
ノイドへの通電量を減少あるいは印加または通電方向を
切替える制御を行い、バルブの移動速度を低減する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関用の電磁
式弁駆動装置に係り、例えば、車両用エンジンの吸気バ
ルブまたは排気バルブをソレノイドを用いて開閉作動さ
せる電磁式弁駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電磁式弁駆動装置としては、例えば、特
開平8-21220号公報に、バルブのステム上部に、ステム
と一体に設けられたアーマチャと、バルブの閉弁方向に
アーマチャを付勢する閉弁用スプリングと、バルブの開
弁方向にアーマチャを付勢する開弁用スプリングとを有
し、アーマチャを閉弁方向に吸引する閉弁用ソレノイド
と、アーマチャを開弁方向に吸引する開弁用ソレノイド
とにより、バルブの開閉を制御する構成が開示されてい
る。
【0003】しかし、このような構成の電磁式弁駆動装
置においては、バルブの開弁動作または閉弁動作に要す
る時間は、バネ−質量系の固有振動数によって振り子状
の共振現象を作動原理としているため、可動部の質量と
スプリングのバネ定数によって決定される。このため、
エンジンの回転数にあわせて速度を調整することはでき
ず、開弁または閉弁を保持する時間を調整することによ
って、エンジンの回転数にあわせた開弁時間または閉弁
時間を作りだしていた。
【0004】したがって、高速回転にあわせて、バルブ
を高速で動作するように設計すると、アイドリング時等
の低速回転時には、バルブの動作速度が速すぎて、ピス
トン頭部を強打することによりエンジンを破損すること
を防止するため、吸排気効率を無視して開弁時期を遅ら
せる必要が生じる、あるいは中低速回転時にあわせる
と、高速回転時には、バルブの動作速度が遅く充分な開
弁時間を確保することができず、出力低下を招くことに
なるという問題があった。
【0005】また、上記した構成の電磁式弁駆動装置に
おいては、着座時にはアーマチャと閉弁用ソレノイドと
の隙間が小さくなるにつれて、発生する吸引力が増大す
ることから、バルブの速度が次第に増加し、着座時に大
きな振動や騒音が発生するという問題があった。また、
開弁時においても、アーマチャと開弁用ソレノイドとの
隙間が小さくなるにつれて、同様にバルブの速度が大き
くなり、アーマチャが開弁用ソレノイドの端面に当接す
る際に当接音が発生するという問題があった。
【0006】このような問題に対し、特開平11-148327
号公報には、バルブと一体に移動するロッド周りに、ロ
ッドと一体に設けられる磁性材料よりなるアーマチャ
と、バルブを閉弁方向にアーマチャを付勢する閉弁用ス
プリングと、バルブの開弁方向にアーマチャを付勢する
開弁用スプリングと、アーマチャの一方の端面側に設け
られた閉弁用ソレノイドと、アーマチャの他方の端面側
に設けられた開弁用ソレノイドとを有し、かつアーマチ
ャには通電により閉弁用ソレノイドまたは開弁用ソレノ
イドによる磁界と同じ極性または逆極性の磁界を形成す
るコイルを設け、さらに該コイルへの通電を制御する制
御手段を備えた構成の電磁式弁駆動装置が提案されてい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】特開平11-148327 号公
報に記載された、図5に示す構成の電磁式弁駆動装置で
は、バルブ1の閉弁方向にアーマチャ6を付勢する閉弁
用スプリング21と、バルブの開弁方向にアーマチャを付
勢する開弁用スプリング22の2つのスプリングが配設さ
れている。このため、閉弁用ソレノイド(アッパーソレ
ノイド)52または開弁用ソレノイド(ロアソレノイド)
53に通電しない状態(無通電状態)では、バルブ1およ
びアーマチャ6は両スプリングの力が釣り合う位置、す
なわち、アッパーソレノイド52とロアソレノイド52(ス
トローク)の中間位置で停止する。この位置では、バル
ブ1が座面から突出した状態となっている。なお、図5
は多気筒エンジンの1つの気筒における吸気バルブ構成
を示しているが、各気筒の吸気、排気バルブはいずれも
同様の構成を有している。
【0008】この構成の電磁式弁駆動装置では、この状
態から、エンジン始動前に、一旦全ての気筒のバルブを
閉とする起動制御を行う必要がある。この起動制御は、
可動部のバネと質量で決まるバネ−質量系の固有振動を
利用して、アッパーソレノイド52とロアソレノイド52へ
固有振動数に相当する共振周波数で、上下交互に通電す
ることによりなされる。起動制御を行うとバルブ1が振
動しはじめ、振幅が大きくなり、やがてアッパーソレノ
イド52とロアソレノイド52で規制される最大位置まで振
動するようになる。ここで、アッパーソレノイド52でア
ーマチャ6を吸引された状態で保持することで、バルブ
1の閉状態が保持できる。
【0009】その後、エンジンを始動し、エンジンの各
種センサ出力を基に、エンジンの吸気バルブおよび排気
バルブを所定のタイミングで開閉するように制御手段9
で制御する。しかしながら、前記したように、この構成
の電磁式弁駆動装置では、エンジン停止時にはバルブが
座面から突出した状態となっているため、電気系統の故
障等でソレノイドに通電できず制御系が作動しない状態
でエンジンが始動されると、ピストンとバルブが衝突
し、バルブの曲がり、ピストンの損傷等が発生し、エン
ジンの機能停止に至るという問題がある。
【0010】また、この構成の装置では、バルブを開弁
側に作動させる力と、閉弁側に作動させる力が略等しく
設計されており、確実にバルブを閉弁側に作動させるこ
とが保証されていないという問題がある。バルブを開弁
側に作動させることに失敗してもエンジンの出力低下が
発生する程度でエンジンの継続運転が可能であるが、バ
ルブを閉弁側に作動させることに失敗すると、圧縮比の
低下、失火、バックファイヤ等が生じエンジン停止に至
る可能性が大きい。弁駆動装置では、バルブを確実に閉
弁側に作動させることが必要である。
【0011】さらに、この構成の装置では、アーマチャ
を、アッパーソレノイド52とロアソレノイド52(ストロ
ーク)の中間位置から閉弁位置までソレノイドの磁力で
両スプリングの共振を利用して吸引する必要がある。し
かし、中間位置に停止しているアーマチャとソレノイド
との距離は大きく、磁力による吸引力は距離の2乗に反
比例することから、大きな磁力を有するソレノイドを必
要とし、したがって電力消費が大きくなるという問題が
あった。
【0012】本発明は、上記した従来技術の問題を解決
し、電力消費が少なく、エンジン破損等のトラブル発生
の危険性が少なく、しかもバルブの移動速度および開閉
時期を任意に制御することが可能であり、バルブの開閉
時間が短く、着座時の騒音、振動の発生が少ない電磁式
弁駆動装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記した課
題を達成するために、鋭意検討した。その結果、バルブ
を確実に閉弁側に作動させるためには、スプリングを閉
弁用にのみ使用して装置をコンパクト化し、通電により
作動する電磁力を開弁用にのみ使用するのがよいことに
想到した。また、アーマチャに、永久磁石を使用するこ
とにより、構造を簡素化できることを見いだした。
【0014】本発明は、上記した知見に基づき、さらに
検討を加えて完成されたものである。すなわち、本発明
は、スプリング21により閉弁方向に付勢されたバルブ1
の開弁動作および開弁状態の保持を電磁力により行う電
磁式弁駆動装置であって、前記バルブ1を開弁方向に移
動する駆動力および開弁状態を保持する保持力とを発生
するアクチュエータ部7と、前記バルブ1の開弁および
閉弁時期に合わせて前記アクチュエータ部への通電を制
御する制御手段9とを備えることを特徴とする電磁式弁
駆動装置である。
【0015】また、本発明では、前記アクチュエータ部
7が、ハウジング3と、該ハウジング内に、バルブ1の
軸端部14に当接しバルブと一体に開弁方向または閉弁方
向に移動自在に配設されるロッド4と、該ロッド周りに
ロッドと一体に配設される1つまたは複数の、永久磁石
または永久磁石を埋め込んだ磁性材料で構成されるアー
マチャ6と、前記アーマチャの両端面側にそれぞれ配設
され、通電により前記アーマチャを反発または吸引し前
記バルブを開弁方向に移動させ、開弁状態に保持する複
数のソレノイド5とを備えてなることが好ましい。
【0016】また、本発明では、前記永久磁石または永
久磁石を埋め込んだ磁性材料で構成されるアーマチャに
代えて、磁性材料で構成され通電により前記ソレノイド
による磁界と同じ極性または逆極性の磁界を形成するコ
イルを保持するアーマチャとし、前記制御手段を前記複
数のソレノイドへの通電を制御することに加え、前記コ
イルへの通電をも制御する制御手段としてもよく、この
場合には、前記制御手段を、前記バルブが開弁位置、あ
るいは閉弁位置に近づいた時に、前記ソレノイドあるい
はさらに前記コイルへの通電量を減少あるいは印加また
は通電方向を切替える制御を行う制御手段とするのが好
ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の電磁式弁駆動装置は、ス
プリングにより閉弁方向に付勢されたバルブの開弁動作
および開弁状態の保持を電磁力により行う電磁式弁駆動
装置であり、バルブを開弁方向に移動する駆動力および
開弁状態を保持する保持力とを発生するアクチュエータ
部と、バルブの開弁および閉弁時期に合わせてアクチュ
エータ部への通電を制御する制御手段とを備える。
【0018】図面を用いて本発明の電磁式弁駆動装置に
ついて、詳細に説明する。図1は、本発明の電磁式弁駆
動装置の概略構成の1例を示す断面図である。なお、図
1に示す例は吸気口に設けられた吸気弁についての例を
説明するが、排気口に設けられる排気弁についても全く
同様である。EHは、公知の構造を有するエンジンヘッド
であり、このエンジンヘッドEHには、吸気口EH1 と、吸
気口EH1 を開閉する吸気弁としてのバルブ1が配設され
ている。バルブ1は、吸気口EH1 の一端に配設されるバ
ルブシートEH2 に着座して吸気口EH1 を閉鎖する弁体11
と該弁体11の上方に延びるステム12とからなる。ステム
12は、エンジンヘッドEHに圧入固設されたバルブガイド
部材EH3 により、上下方向に摺動自在に挿通保持されて
いる。
【0019】バルブガイド部材EH3 上方のエンジンヘッ
ドEH内には、ステム12の上端部外周に配設されたスプリ
ングリテーナー13との間に、バルブ1を閉弁方向(図1
では図の上方)に付勢するスプリング21が配設されてい
る。エンジンヘッドEHの上方には、本発明の電磁式弁駆
動装置の一部材であるアクチュエータ部7が設けられ
る。図1にしめされたアクチュエータ部7は、円筒状ま
たは角筒状の下部ハウジングと、その上端開口内に嵌合
固定される上端閉鎖の上部ハウジングからなるハウジン
グ3を有する。アクチュエータ部7は、下部ハウジング
下端縁に設けられたフランジ部でエンジンヘッドEHの上
面に固定されるのが好ましい。また、ハウジング3は1
体としてもよい。
【0020】アクチュエータ部7のハウジング3内に
は、ロッド4と、1つまたは複数のアーマチャ6と、複
数のソレノイド5とが備えられる。ロッド4は、ステム
12の同一軸線上に、バルブ1の軸端部14に当接して、バ
ルブと一体に開弁方向または閉弁方向(図1では図の上
下方向)に移動自在に配設される。
【0021】ロッド4には、ロッドと一体に移動可能に
1つまたは複数の円盤状または角形状のアーマチャ6
(図1では1つ)が配設固定される。アーマチャ6のロ
ッド4への固定は、ロッド4を円盤状または角形状のア
ーマチャの中心部に貫通させて固定しても、あるいはロ
ッド4を軸方向に半割し、半割れロッド4のそれぞれの
端面を円盤状または角形状のアーマチャの両端面に接合
固定してもよい。
【0022】本発明ではアーマチャ6は、永久磁石また
は永久磁石を埋め込んだ磁性材料で構成される。これに
より、ソレノイドからアーマチャへの吸引力、反発力の
制御が容易になり、装置の簡素化が図れる。アーマチャ
6の両端面側には、アーマチャ6を挟むように、複数の
ソレノイド5(図1では2個:ロアソレノイド51、アッ
パーソレノイド52)が配設、固定される。アーマチャが
1つの場合には2個のソレノイドが、アーマチャが2つ
の場合には3個のソレノイドが配設される。これらソレ
ノイドは、アーマチャ6の永久磁石の極性に対応して、
通電によりアーマチャ6を反発または吸引するように極
性が配置され、バルブ1を開弁方向(図1では図の下
方)に移動させる。図1においては、アッパーソレノイ
ド52は、通電によりアーマチャ6の磁界と同じ極性の磁
界を発生しアーマチャ6を反発し、ロアソレノイド51は
アーマチャ6の磁界と逆極性の磁界を発生しアーマチャ
6を吸引するように、それぞれのソレノイドの極性を配
置する。なお、ソレノイド5は、ハウジングに固定し
て、あるいは複数のソレノイド間に筒状のスペーサ(図
示せず)を配設し該スペーサにより固定して、ソレノイ
ド間の間隔、すなわちバルブリフト量を規制するのが好
ましい。
【0023】また、これらソレノイド5(図1ではロア
ソレノイド51、アッパーソレノイド52)は、それぞれロ
ッド4を囲みあるいはロッド4を貫通させ、ロッド4を
摺動自在に支持するように配設される。ロッド4はこれ
らソレノイド5(図1ではロアソレノイド51、アッパー
ソレノイド52)を貫通して上方に延びている。ここで、
アッパーソレノイド51側のロッド41およびアッパーソレ
ノイドの穴は、ロアソレノイドの貫通穴の軸受作用によ
り円滑な作動が得られる場合には、省略することができ
る。
【0024】ソレノイド5は、制御手段9の駆動手段91
に接続されて、駆動時期決定手段92からの駆動信号に基
づいて通電され、駆動する。図1に示した状態は、ロア
ソレノイド51、アッパーソレノイド52のいずれにも通電
されない状態であり、アーマチャ6は、アッパーソレノ
イド52の下面に、アーマチャ自体の磁力により吸着し静
止している。駆動信号を与え、ロアソレノイド51、アッ
パーソレノイド52の両方に通電すると、アーマチャ6が
アッパーソレノイド52に反発され、ロアソレノイド51に
吸引されて、これによりロッド4が下方に移動し、それ
に伴いバルブ1が下方に移動して開弁する。ロアソレノ
イド51、アッパーソレノイド52への通電を中止すると、
スプリング21の力によりバルブ1が閉弁方向に移動す
る。
【0025】本発明では、アーマチャ6は永久磁石で構
成あるいは永久磁石を有しており、ソレノイド5が通電
されているときは、アーマチャ6は常に反発力あるいは
吸引力をソレノイドから受けることになる。図6に、定
格電力におけるソレノイド5による駆動力と、スプリン
グ21による閉弁方向の力(スプリング力)との関係を示
す。
【0026】図6から、ソレノイドによる駆動力は、閉
弁位置から開弁位置までの全域において、スプリング力
を上回っており、ソレノイド5に供給する通電量を調整
することにより、アーマチャ6が受ける力を調節するこ
とができ、ソレノイドによる駆動力とスプリング力との
バランスで開弁または閉弁の移動速度および開閉時間を
任意に調整可能となる。
【0027】つぎに、本発明の電磁式弁駆動装置の作動
について説明する。図1に示した状態は、ロアソレノイ
ド51、アッパーソレノイド52のいずれにも通電されない
状態で、バルブは全閉状態となっており、アーマチャ6
は、アッパーソレノイド52の下面に吸着し静止してい
る。まず、エンジン始動前にアッパーソレノイド52に微
小電圧をかけ、アーマチャ6とアッパーソレノイド52と
の間に反発力を発生させ、ロッド4と軸端部14との間の
隙間をなくすとともに、アッパーソレノイドの残留磁気
を消去する。
【0028】その後、エンジンを始動し、エンジンの各
種センサ出力(回転数、気筒判別等)を基に、エンジン
の吸気バルブおよび排気バルブを所定のタイミングで開
閉するように制御手段9で制御する。図2に、バルブ位
置とソレノイドへの駆動電圧制御との関係の1例を示
す。図2のa点ではバルブは全閉状態にある。この状態
から開弁動作を行う場合には、ロアソレノイド51、アッ
パーソレノイド52のいずれにも通電(同じ方向の電圧)
する(図2のb点)。これにより、アッパーソレノイド
52はアーマチャ6の磁界と同じ極性の磁界を発生しアー
マチャ6を反発し、バルブ1を押し下げ開弁させる方向
に移動させる。また、ロアソレノイド51はアーマチャ6
の磁界と逆極性の磁界を発生しアーマチャ6を吸引し、
バルブ1を押し下げ開弁させる方向に移動させる。この
ように、本発明の装置では、両ソレノイドが同じ極性の
力を発生し、バルブの駆動力が従来よりも増加するた
め、バルブの移動速度を増加でき、バルブの応答性が向
上する。
【0029】その後、アーマチャ6がロアソレノイド51
に近づいた時点(図2のc点)で、両ソレノイドへの通
電、非通電を数回繰り返す。これにより、アーマチャ6
がロアソレノイド51に当接する直前の速度が十分小さく
なり、ソフトランディングが可能となる。アーマチャ6
がロアソレノイド51に近づくにつれ、ロアソレノイド51
による吸引力が増大し、そのままではバルブの移動速度
が速すぎるため、両ソレノイドへの通電、非通電を細か
く制御することにより、両ソレノイドによる吸引力、反
発力の作用を間欠的とし、バルブ移動速度を徐々に減速
させる。
【0030】このようにすれば、アーマチャ6がロアソ
レノイド51に当接する際の当接音の発生を防止でき、し
かも開弁に要する時間を大幅に短縮できる。開弁状態
(図2のd点)から、閉弁動作を行う場合は、開弁動作
の場合とは逆に、ロアソレノイド51、アッパーソレノイ
ド52のいずれも非通電とする(図2のe点)。これによ
り、ソレノイドの磁力によるアーマチャ6を吸引、ある
いは反発する力がなくなり、スプリング21の作用が強く
なり、バルブ1を押し上げ閉弁させる方向に移動させ
る。本発明の装置では、閉弁時のバルブ移動の駆動力
は、スプリング力のみであり、ソレノイド等による力が
作用しないため、バルブの移動速度は大きくなる。ま
た、さらに高い移動速度を要求する場合には、前記とは
逆位相の極性の磁力をソレノイドに発生させることもで
きる。
【0031】その後、バルブ1が着座寸前の時点(図2
のf点)で、開弁動作時と同様に両ソレノイドへの通
電、非通電を数回繰り返す。これにより、バルブ1の着
座直前の速度が十分小さくなり、ソフトランディングが
可能となる。これにより、バルブ1の着座に伴う振動や
騒音の発生を防止できるとともに、閉弁時間を短縮する
ことができる。また、バルブ1が着座する際の衝撃を緩
和でき、弁の耐久性が向上する。
【0032】なお、開弁または閉弁に近づいた際のバル
ブの移動速度を減速する制御では、両ソレノイドへの通
電、非通電を繰り返す制御について説明したが、本発明
では、必ずしもこれに限定されるものではない。非通電
とする代わりに通電量を減少させる制御を行ってもよ
い。また、通電、非通電の繰り返し回数もとくに制限さ
れるものでもない。なお、図2に示すようにバルブのラ
ッシュアジャスト用としてエンジン運転中はVL の微小
電圧をかけておくのが好ましい。
【0033】また、本発明では、複数のアーマチャを配
設してもよい。図3には、ロッド4に2個のアーマチャ
61、62を配設した例を示す。図3の例では、アーマチャ
をロアアーマチャ61、アッパーアーマチャ62の2個と
し、ロアアーマチャ61に対応して、ロアソレノイド51、
ミドルソレノイド53を、アッパーアーマチャ62に対応し
て、ミドルソレノイド53、アッパーソレノイド52を、ア
ーマチャの両端面側に配設している。これらソレノイド
は、アーマチャが1個の場合と同様に、アーマチャ61、
62の永久磁石の極性に対応して、通電によりアーマチャ
61、62を反発または吸引するように極性が配置され、バ
ルブ1を開弁方向(図3では図の下方)に移動させる。
【0034】このように、複数のアーマチャを配設する
ことにより、弁駆動力が増加する。エンジンのより高速
化やバルブの大型化に伴い、閉弁用スプリングを強化す
ることが指向されており、弁駆動力を補強する必要か
ら、弁駆動装置は大径化する傾向であるが、複数のアー
マチャを配設することにより、弁駆動力が増加し、装置
の大径化を防止できる。また、4弁化等によるバルブ配
置間隙が少ない場合にも対処が可能となる。
【0035】また、本発明では、アーマチャ6を、永久
磁石または永久磁石を埋め込んだ磁性材料で構成するの
に代えて、図4に示すように、アーマチャ6を磁性材料
で構成し、内部に、通電によりソレノイドによる磁界と
同極性または逆極性の磁界を形成するコイル66を保持す
る構造としてもよい。コイル66は、制御手段9の駆動手
段91に接続されて、駆動時期決定手段92からの駆動信号
に基づいて通電され、駆動する。アーマチャ6の位置に
より、前記したソレノイドへの通電制御に加えて、コイ
ルに通電する方向を切替えて発生する磁界の方向を制御
することにより、バルブの移動速度をさらに細かく制御
できる。
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、バルブの応答性が向上
し、エンジンの高速運転にも追従でき、産業上格段の効
果を奏する。また、バルブの移動速度を任意に制御する
ことができ、開弁、閉弁直前で、バルブ移動速度を遅く
し、ソフトランディングにより、振動、騒音の発生を大
幅に低減できるという効果もある。さらに、スプリング
を1つにしたことにより、駆動装置をコンパクトにでき
るという効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電磁式弁駆動装置の1実施例を示す断
面図である。
【図2】バルブ位置とソレノイドへの駆動電圧制御との
関係を示す説明図である。
【図3】本発明の電磁式弁駆動装置の他の実施例を示す
断面図である。
【図4】本発明の電磁式弁駆動装置の他の実施例を示す
断面図である。
【図5】従来の電磁式弁駆動装置の例を示す断面図であ
る。
【図6】本発明の電磁式弁駆動装置における定格電力で
のソレノイドによる駆動力、スプリング力とストローク
との関係を示すグラフである。
【符号の説明】 EH エンジンヘッド EH1 吸気口 EH2 バルブシート EH3 バルブガイド部材 1 バルブ 11 弁体 12 ステム 13 スプリングリテーナー 14 軸端部 21 スプリング 22 開弁用スプリング 3 ハウジング 31 下部ハウジング 32 上部ハウジング 4、41 ロッド 5 ソレノイド 51 ロアソレノイド 52 アッパーソレノイド 53 ミドルソレノイド 6 アーマチャ 61 ロアアーマチャ 62 アッパーアーマチャ 66 コイル 7 アクチュエータ部 8 コイル 9 制御手段 91 駆動手段 92 駆動時期決定手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3G018 AB09 AB16 BA38 CA12 DA35 DA36 DA41 DA44 DA45 EA31 EA32 EA33 FA02 FA07 GA03 GA14 GA32 GA37 3H106 DA08 DA13 DA25 DA26 DB26 DB32 DC02 DD05 EE15 EE20 EE22 EE33 FA08 GA23 GC03 KK18

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スプリング(21)により閉弁方向に付
    勢されたバルブ(1)の開弁動作および開弁状態の保持
    を電磁力により行う電磁式弁駆動装置であって、前記バ
    ルブ(1)を開弁方向に移動する駆動力および開弁状態
    を保持する保持力とを発生するアクチュエータ部(7)
    と、前記バルブ(1)の開弁および閉弁時期に合わせて
    前記アクチュエータ部への通電を制御する制御手段
    (9)とを備えることを特徴とする電磁式弁駆動装置。
  2. 【請求項2】 前記アクチュエータ部(7)が、ハウジ
    ング(3)と、該ハウジング内に、バルブ(1)の軸端
    部(14)に当接しバルブと一体に開弁方向または閉弁
    方向に移動自在に配設されるロッド(4)と、該ロッド
    周りにロッドと一体に配設される1つまたは複数の、永
    久磁石または永久磁石を埋め込んだ磁性材料で構成され
    るアーマチャ(6)と、前記アーマチャの両端面側にそ
    れぞれ配設され、通電により前記アーマチャを反発また
    は吸引し前記バルブを開弁方向に移動させ、開弁状態に
    保持する複数のソレノイド(5)とを備えてなることを
    特徴とする請求項1に記載の電磁式弁駆動装置。
  3. 【請求項3】 前記永久磁石または永久磁石を埋め込ん
    だ磁性材料で構成されるアーマチャ(6)に代えて、磁
    性材料で構成され通電により前記ソレノイドによる磁界
    と同じ極性または逆極性の磁界を形成するコイルを保持
    するアーマチャ(6)とし、前記制御手段を前記複数の
    ソレノイドへの通電を制御することに加え、前記コイル
    への通電をも制御する制御手段とすることを特徴とする
    請求項1または2に記載の電磁式弁駆動装置。
  4. 【請求項4】 前記制御手段は、前記バルブが開弁位
    置、あるいは閉弁位置に近づいた時に、通電量を減少あ
    るいは印加または通電方向を切替える制御を行う制御手
    段であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか
    に記載の電磁式弁駆動装置。
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