JPH11148327A - 電磁式弁駆動装置 - Google Patents

電磁式弁駆動装置

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JPH11148327A
JPH11148327A JP9330957A JP33095797A JPH11148327A JP H11148327 A JPH11148327 A JP H11148327A JP 9330957 A JP9330957 A JP 9330957A JP 33095797 A JP33095797 A JP 33095797A JP H11148327 A JPH11148327 A JP H11148327A
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JP
Japan
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valve
solenoid
closing
armature
opening
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JP9330957A
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English (en)
Inventor
Sachihiro Tsuzuki
祥博 都筑
Fumiaki Arikawa
文明 有川
Isao Matsumoto
功 松本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Soken Inc
Original Assignee
Nippon Soken Inc
Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 バルブの移動速度を任意に制御可能であり、
バルブ速度を速くしてバルブの開閉に要する時間を短縮
し、あるいは着座時のバルブ速度を遅くして振動や騒音
の発生を防止できる電磁式弁駆動装置を提供する。 【解決手段】 バルブ1を閉弁方向に付勢するロアスプ
リング21、開弁方向に付勢するアッパスプリング22
と、バルブ1と一体に移動するアーマチャ6を設け、ア
ーマチャ6の一端側に閉弁用のアッパソレノイド52
を、他面側に開弁用のロアソレノイド51を設ける。ア
ーマチャ6に、通電によりこれらソレノイド51、52
による磁界と同方向または逆方向の磁界を形成するサブ
コイル8を設置し、制御手段9でサブコイル8への通電
を制御する。例えば、開弁時には、ロアソレノイド51
への通電を停止すると同時にサブコイル8へ通電して、
ロアソレノイド51と逆方向の磁界を形成することで、
残留磁気を消去し、さらに反発力を発生させてバルブ速
度を速くする。開弁位置に近づいたら、通電、非通電を
交互に繰り返し、あるいは通電方向を切替えてバルブ速
度を遅くし、ソフトランディングを可能にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関用の電磁
式弁駆動装置、例えば車両用エンジンの吸気バルブまた
は排気バルブをソレノイドを用いて開閉作動させる電磁
式弁駆動装置に関し、特に、バルブの移動速度を制御可
能な電磁式弁駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の電磁式弁駆動装置としては、例
えば、特開平8−21220号公報に開示されるような
構成が知られている。この装置は、バルブのステム上部
に一体に設けたアーマチャを有し、バルブの閉弁方向に
アーマチャを付勢する閉弁用スプリングと、バルブの開
弁方向にアーマチャを付勢する開弁用スプリングとによ
り、バルブを中立位置に保持できるように構成されてい
る。バルブの開閉は、上記アーマチャを閉弁方向に吸引
する閉弁用ソレノイド、および開弁方向に吸引する開弁
用ソレノイドにより制御される。
【0003】上記構成において、バルブが開弁している
状態から、これを閉弁作動させる場合には、まず、バル
ブの開弁を保持している開弁用ソレノイドへの通電を停
止する。すると、押し縮められていた閉弁用スプリング
のバネ力によってバルブが閉弁方向に移動し、さらに、
閉弁用ソレノイドに通電することにより、アーマチャが
吸引されて、着座、閉弁する。バルブを開弁作動させる
場合も同様である。このバルブの開閉のタイミングは、
内燃機関のピストン位置に応じて、吸気、排気が良好に
行われるように、電子制御ユニットECUで演算され、
その結果に基づいて閉弁用および開弁用ソレノイドへの
通電タイミングを切替えることにより制御される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の電磁
式弁駆動装置において、バルブを開閉させる駆動力の大
半は、押し縮められた閉弁用スプリングまたは開弁用ス
プリングのバネ力によるものである。この時、バルブの
開閉に要する時間は、可動部の質量とスプリングのバネ
定数によって決定され、従って、バネ−質量系の固有振
動数を上回ることは不可能である。このため、バルブの
開閉動作に一定の時間がかかることになり、内燃機関の
高速回転時などに問題となる可能性がある。
【0005】逆に、着座時には、アーマチャと閉弁用ソ
レノイドとの隙間が小さくなるにつれて発生する吸引力
は大きくなることから、バルブ速度が次第に増加する。
このため、着座の際に大きな振動や騒音が発生するおそ
れがあった。同様に、開弁動作時においても、バルブ速
度の大きいために、開弁用ソレノイドの端面にアーマチ
ャが当接する際に当接音が発生するおそれがあった。
【0006】しかして、本発明の目的は、バルブの移動
速度を任意に制御することが可能であり、バルブ速度を
増大してバルブの開閉に要する時間を短縮し、あるいは
着座時のバルブ速度を低減することにより振動や騒音の
発生を防止することの可能な電磁式弁駆動装置を提供す
ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明請求項1の構成に
おいて、電磁式弁駆動装置は、バルブと、該バルブと一
体に閉弁方向または開弁方向に移動するロッドと、該ロ
ッド周りに一体に設けられる磁性材料よりなるアーマチ
ャと、上記バルブを閉弁方向に付勢する閉弁用スプリン
グおよび開弁方向に付勢する開弁用スプリングを備え、
上記アーマチャの一方の端面側には上記アーマチャを吸
引して上記バルブの閉弁を保持する閉弁用ソレノイド
が、上記アーマチャの他方の端面側には上記アーマチャ
を吸引して上記バルブの開弁を保持する開弁用ソレノイ
ドを設けている。そして、上記アーマチャに保持せしめ
て、通電により上記閉弁用ソレノイドまたは開弁用ソレ
ノイドによる磁界と同方向または逆方向の磁界を形成す
るコイルを設け、このコイルへの通電を制御する制御手
段を設けたことを特徴とするものである。
【0008】上記構成において、上記コイルに通電して
ソレノイドによる磁界と同方向または逆方向の磁界を形
成すると、ソレノイドによる磁界の強さが強められある
いは弱められて、ソレノイドの吸引力を増減させる。さ
らに、上記コイルとソレノイドとの間に、磁界の向きに
応じて吸引力または反発力が生じ、これが上記コイルと
一体の上記アーマチャに作用して、バルブ速度が速くな
りあるいは遅くなる。従って、上記コイルへの通電をバ
ルブ位置に応じて制御することで、バルブ速度を増減さ
せることができる。
【0009】具体的には、請求項2のように、上記制御
手段は、上記閉弁用ソレノイドまたは開弁用ソレノイド
への通電が停止されると同時に、上記閉弁用ソレノイド
または開弁用ソレノイドによる磁界と逆方向の磁界を形
成するように上記コイルへ通電する。
【0010】上記構成において、上記閉弁用ソレノイド
または開弁用ソレノイドへの通電を停止すると、圧縮さ
れていた開弁用スプリングまたは閉弁用スプリングが伸
長し、バルブが開弁または閉弁方向へ移動する。この
時、上記コイルに通電すると、上記ソレノイドによる磁
界と逆方向、すなわち上記ソレノイドによる磁界を打ち
消す方向に磁界が形成される。これにより、上記ソレノ
イドへの通電停止後にも残っている残留磁気が消去され
るので、上記アーマチャがすみやかに移動を開始するこ
とができる。さらに、上記コイルと上記ソレノイドの磁
界の方向が逆方向であるので、両者の間に反発力が生
じ、上記アーマチャは、この反発力と上記スプリングの
バネ力の合力によって駆動されることになる。従って、
上記バルブの移動速度が速くなり、開閉に要する時間を
短縮することができる。
【0011】さらに、請求項3では、上記制御手段は、
上記閉弁用ソレノイドまたは開弁用ソレノイドの作動時
に、上記閉弁用または開弁用ソレノイドによる磁界と同
方向の磁界を発生するように上記コイルへ通電する。
【0012】上記バルブが開弁または閉弁方向へ移動を
開始したら、しかる後に、開弁用ソレノイドまたは閉弁
用ソレノイドを作動させて、上記アーマチャを吸引す
る。この時、上記コイルに通電して、形成されている磁
界と同方向の磁界を発生させると、磁界の強さが強ま
り、上記アーマチャの吸引力が増大する。同時に、上記
コイルと上記ソレノイドの間に吸引力が発生するため、
これらの力によって、上記バルブの移動速度をより速く
することができる。
【0013】請求項4の構成では、上記制御手段は、上
記バルブが閉弁または開弁位置に近づいた時に、上記コ
イルへの通電量を減少しまたは通電方向を切替える制御
を行う。
【0014】請求項3の構成において、上記コイルへの
通電によってバルブ速度が速くなるが、一方、開弁また
は閉弁位置に近づくにつれてソレノイドの吸引力が増大
するため、開弁または閉弁直前のバルブ速度が過剰とな
るおそれがある。これを防止するため、開弁または閉弁
位置に近づいたら、上記コイルへの通電量を減少、例え
ば通電を停止したり、通電、非通電を交互に切替え、あ
るいは、通電方向を切替えることで、バルブ速度を低減
する。これにより、上記バルブを十分遅い速度で着座さ
せるソフトランディングを可能にし、着座時やソレノイ
ド当接時の振動、騒音の発生を防止することができる。
また、衝撃によりバルブの耐久性が低下するのを防止す
ることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の一
実施の形態を詳細に説明する。図1は本発明の電磁式弁
駆動装置の概略構成を示すもので、公知の構造を有する
車両エンジンヘッドHに吸気口H1が設けられており、
この吸気口H1を開閉する吸気弁としてのバルブ1が配
設されている。バルブ1は、吸気口H1端に形成される
バルブシートH2に着座して吸気口H1を閉鎖する弁体
11とその上方に延びるステム12からなり、該ステム
12は、エンジンヘッドHに圧入固定された筒状ガイド
部材H3内に上下方向に摺動自在に挿通保持されてい
る。
【0016】上記ガイド部材H2上方のエンジンヘッド
H内には、上記ステム12の上端部外周に設けたスプリ
ングストッパ13との間に、上記弁体11を閉弁方向
(図の上方)に付勢する閉弁用スプリングたるロアスプ
リング21が配設されている。上記エンジンヘッドHの
上方には、円筒状の下部ハウジング31とその上端開口
内に嵌合固定される上端閉鎖の上部ハウジング32から
なるハウジング3が配設され、下部ハウジング31下端
縁に設けたフランジ部にて上記エンジンヘッドHの上面
に固定されている。上記ステム12の上端部は、下部ハ
ウジング31内に摺動自在に収容されるロアプッシュロ
ッド41の下端部に当接している。該ロアプッシュロッ
ド41の外周には、上記弁体11を開弁作動しその状態
を保持する開弁用ソレノイドたるロアソレノイド51が
配設されており、上記ロアプッシュロッド41の上端部
はロアソレノイド51を貫通してその上方に延びてい
る。
【0017】上記ロアプッシュロッド41の上端部に
は、磁性体よりなる円盤状のアーマチャ6が固定してあ
り、該アーマチャ6の下面は、所定間隔をおいて上記ロ
アソレノイド51の上面と対向している。上記アーマチ
ャ6の上面には、上記ロアプッシュロッド41上方のハ
ウジング3内に摺動自在に収容されるアッパプッシュロ
ッド42の下端部が当接している。このアッパプッシュ
ロッド42の下半部外周には、上記弁体11を閉弁作動
しその状態を保持する閉弁用ソレノイドたるアッパソレ
ノイド52が配設されており、上記アーマチャ6の上面
は、所定間隔をおいてこのアッパソレノイド52の下面
と対向している。
【0018】上記アッパソレノイド52およびロアソレ
ノイド51は、制御手段9の駆動手段91に接続されて
おり、駆動時期決定手段92からの駆動信号に基づいて
駆動されるようになしてある。上記アーマチャ6の外周
には、上記ロアソレノイド51とアッパソレノイド52
との間に、筒状のスペーサ7が配設され、該スペーサ7
により、上記アーマチャ6と両ソレノイド51、52と
の間隔、すなわちバルブリフト量を調整している。な
お、上記ステム12と上記ロアプッシュロッド41、ア
ッパプッシュロッド42は同一軸線上にある。
【0019】上記アッパプッシュロッド42は、上記ア
ッパソレノイド52上方の上部ハウジング32内に延び
ており、その中間部外周には、スプリングストッパ43
が設けてある。このスプリングストッパ43と、上端が
閉鎖する上部ハウジング32の上面との間には、開弁用
スプリングたるアッパスプリング22が配設されてお
り、上記弁体11を開弁方向(図の下方)に付勢してい
る。ここで、上記ロアスプリング21とアッパスプリン
グ22のばね力はほぼ等しく設定される。このため、上
記ロアソレノイド51およびアッパソレノイド52のい
ずれにも通電しない図示の状態において、上記アーマチ
ャ6は、これらロアソレノイド51およびアッパソレノ
イド52の略中間位置で静止している。上記ロアソレノ
イド51またはアッパソレノイド52のいずれかに通電
すると、上記アーマチャ6が上方または下方に吸引駆動
され、これに伴って上記弁体11が閉弁または開弁す
る。
【0020】本発明の特徴は、上記アーマチャ6の内部
に、サブコイル8を配設し、その通電のタイミングおよ
び通電方向を制御手段9にて制御することで、バルブ1
の移動速度を任意に制御可能としたことにある。上記ア
ーマチャ6は、図2のように、ロアアーマチャ61とア
ッパアーマチャ62とからなり、ロアアーマチャ61に
は上端面に開口する環状溝63が設けられている。アッ
パアーマチャ62は、上記サブコイル8をこの環状溝6
3内に挿入配置した後、ロアアーマチャ61上に溶接に
て固定される。上記サブコイル8には、これに通電する
ためのリード線81の一端が接続され、リード線81の
他端は、上記環状溝63に連通するロアアーマチャ61
上端面の溝64を経て、図1の下部ハウジング31側部
に設けた貫通穴より外部へ取り出され、制御手段9の駆
動手段91に接続される。駆動手段91には、駆動時期
決定手段92から駆動信号が出力され、これに基づいて
サブコイル8が駆動される。
【0021】図3(a)、(b)に上記サブコイル8を
駆動するための駆動回路図と、パルスに対する駆動電流
をそれぞれ示した。図3(a)中、101はDC−DC
コンバータ(または電源でもよい)、102はダイオー
ド、103はコンデンサであり、104は逆電流発生用
の電源である。SW1〜SW4はスイッチで、サイリス
タ、トランジスタ、リレーなどを用いることができる。
サブコイル8へ通電される正方向の電流は、タイミング
とパルス幅はスイッチSW1、SW2への入力信号によ
り決定され、DC−DCコンバータ101の電圧により
ピーク電流が決まる。また、負方向の電流は、同様に、
スイッチSW3、SW4への入力信号によりタイミング
とパルス幅が決定され、電源104の電圧によりピーク
電流が決まる。
【0022】以下、本実施の形態の電磁式弁駆動装置の
作動について説明する。図1に示す状態ではロアソレノ
イド51、アッパソレノイド52のいずれにも通電され
ていない無通電状態である。この時、ロアスプリング2
1とアッパスプリング22の力はほぼ等しいため、上記
アーマチャ6は、ロアソレノイド51とアッパソレノイ
ド52の中間の中立位置で静止している。この状態か
ら、エンジン始動前に、一旦全ての気筒のバルブを閉と
する起動制御をする必要がある。なお、図1には多気筒
エンジンの一つの気筒における吸気バルブ構成を示した
が、各気筒の吸気、排気バルブはいずれも同様の構成を
有しており、この全てについて起動制御を行う。
【0023】この起動制御は、このシステムの可動部の
バネと質量で決まるバネ−質量系の固有振動を利用し、
ロアソレノイド51とアッパソレノイド52へ固有振動
数に相当する共振周波数にて、上下交互に通電すること
によりなされる。しばらく起動制御を行うとバルブ1が
振動しはじめ、振幅が大きくなっていく。やがてアッパ
ソレノイド52とロアソレノイド51で規制される最大
リフト位置まで作動するようになる。ここで、アッパソ
レノイド52にアーマチャ6が吸引された状態で保持す
ることで、バルブ1の閉状態が保持でき、起動制御が終
了する。
【0024】その後、エンジンを始動し、エンジンから
の各種センサ出力(回転数、気筒判別等)を基に、エン
ジンの吸気バルブおよび排気バルブを所定のタイミング
で開閉するよう、制御手段9で制御する。ロアソレノイ
ド51、アッパソレノイド52の駆動時期は駆動時期決
定手段92にて決定され、駆動手段91に信号を出力す
る。すると、駆動手段91はロアソレノイド51、アッ
パソレノイド52への通電を交互に切替え、バルブ1の
開閉を制御する。同時に、制御手段9は、本発明の特徴
であるサブコイル8の駆動時期を駆動時期決定手段92
にて決定し、駆動手段91に信号を出力することで、バ
ルブ1の移動速度を制御する。
【0025】図4は、このサブコイル8への通電の制御
方法の一例を示すものである。サブコイル8は通電の方
向を切替えることができるようになしてあり、図の+方
向に通電した場合には、ロアソレノイド51による磁界
と同方向に、−方向に通電した場合には、アッパソレノ
イド52による磁界と同方向に磁界が形成される。
【0026】図4のa点において、バルブ1は全閉状
態、すなわち、アッパソレノイド52に通電されアーマ
チャ6が上方に吸引された状態にある。この状態から、
バルブ1を開弁動作させる場合には、まず閉弁用のアッ
パソレノイド52への通電を停止し、同時にサブコイル
8に通電する(図4のb点)。この時のサブコイル8へ
の通電方向は、+方向、つまりアッパソレノイド52が
通電時に形成していた磁界と逆方向の磁界が形成される
方向とする。すると、圧縮されていた開弁用のアッパス
プリング22が伸長し、アッパプッシュロッド42、ロ
アプッシュロッド41を介してバルブ1を下方に押し下
げる。この時、サブコイル8により、アッパソレノイド
52が通電時に形成していた磁界を打ち消す方向の磁界
が形成されるので、アッパソレノイド52への通電を停
止した後も残っている残留磁気を消去して、すみやかに
アーマチャ6が動き出せるようにすることができる。さ
らに、サブコイル8とアッパソレノイド52の磁界の方
向が逆方向であるので、両者の間に反発力が発生し、こ
の力がサブコイル8と一体のアーマチャ6に作用する。
すなわち、アーマチャ6は、アッパスプリング22のバ
ネ力とサブコイル8に発生する反発力の合力によって駆
動されることになり、従来のようにバネ力のみを駆動力
とする場合に比べ、バルブ1のより速い作動が可能とな
る。
【0027】その後、上記アーマチャ6が中立位置を過
ぎたタイミングで(図4のc点)、開弁用のロアソレノ
イド51へ通電する。そして、アーマチャ6がロアソレ
ノイド51へ近づいた時点(図4のd点)において、サ
ブコイル8への通電、非通電を数回、交互に繰り返す。
アーマチャ6がロアソレノイド51へ近づくにつれてロ
アソレノイド51の吸引力が増大し、そのままではバル
ブ速度が速くなりすぎるため、このようにON−OFF
を細かく制御することで、サブコイル8による吸引力を
間欠的に作用させ、バルブ速度を徐々に減速させる。そ
して、全開位置の直前(図4のe点)において十分速度
が小さくなるようにして、ソフトランディングを可能に
する。
【0028】このようにすれば、アーマチャ6がロアソ
レノイド51に当接する際の当接音の発生が防止でき、
しかも、開弁に要する時間を大幅に短縮することができ
る。また、閉弁時についても、同様の制御を行うことに
より、バルブ1の着座に伴う振動や騒音を防止しつつ、
閉弁時間を短縮することができる。また、弁体11が着
座する際の衝撃が緩和されるので、弁の耐久性が向上す
る。
【0029】なお、上記実施の形態では、開弁または閉
弁に近づいた時に、サブコイル8への通電、非通電を交
互に繰り返してバルブ速度を減速させる制御を行った
が、必ずしもこれに限るものではなく、非通電とするか
わりに通電量を減少させる制御を行ってもよい。また、
通電、非通電の繰り返しの回数も特に制限されるもので
はない。
【0030】また、ロアソレノイド51の吸引力が大き
く、バルブ速度が十分遅くならない場合には、図5に示
すように、アーマチャ6がロアソレノイド51へ近づい
た時点で、サブコイル8に−方向、つまりロアソレノイ
ド51による磁界を打ち消す方向に通電することもでき
る。図5において、a点よりc点までは上記図4と同様
であり、アーマチャ6がロアソレノイド51へ近づいた
ら(図5のd点)、サブコイル8への通電方向を数回、
交互に切替える制御を行う。通電量は、+方向、−方向
とも同じとした。このように、サブコイル8の通電方向
をロアソレノイド51と逆方向とすることで、アーマチ
ャ6に作用する磁界の強さが弱まる。また、サブコイル
8とロアソレノイド51の間に発生する反発力が制動力
となって、バルブ1の移動速度を十分遅くすることがで
きる。
【0031】以上のように、本発明によれば、サブコイ
ル8への通電、非通電および通電方向をバルブ位置に応
じて制御することでバルブ速度を任意に制御することが
できる。よって、開閉作動時のバルブ速度を速くして、
開閉に要する時間を短縮することができるので、バルブ
の応答性が向上し、内燃機関の高速運転時まで追従でき
る電磁式弁駆動装置を提供することができる。逆に、開
弁、閉弁直前においては、バルブ速度を遅くすることが
できるので、ソフトランディングを可能にし、振動、騒
音の発生を大幅に低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示す電磁式弁駆動装置
の全体断面図である。
【図2】アーマチャの拡大断面図である。
【図3】(a)はサブコイルの駆動回路図、(b)はサ
ブコイルへの通電信号を図である。
【図4】サブコイルへの通電方法の一例を示す図であ
る。
【図5】サブコイルへの通電方法の他の例を示す図であ
る。
【符号の説明】
H エンジンヘッド H1 吸気口 H2 バルブシート 1 バルブ 11 弁体 12 ステム 21 ロアスプリング(閉弁用スプリング) 22 アッパスプリング(開弁用スプリング) 3 ハウジング 41 ロアプッシュロッド 42 アッパプッシュロッド 51 ロアソレノイド(開弁用スプリング) 52 アッパソレノイド(閉弁用スプリング) 6 アーマチャ 61 ロアアーマチャ 62 アッパアーマチャ 7 スペーサ 8 サブコイル(コイル) 9 制御手段 91 駆動手段 92 駆動時期決定手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松本 功 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 バルブと、該バルブと一体に閉弁方向ま
    たは開弁方向に移動するロッドと、該ロッド周りに一体
    に設けられる磁性材料よりなるアーマチャと、上記バル
    ブを閉弁方向に付勢する閉弁用スプリングおよび開弁方
    向に付勢する開弁用スプリングと、上記アーマチャの一
    方の端面側に設けられ上記アーマチャを吸引して上記バ
    ルブの閉弁を保持する閉弁用ソレノイドと、上記アーマ
    チャの他方の端面側に設けられ上記アーマチャを吸引し
    て上記バルブの開弁を保持する開弁用ソレノイドとを備
    える電磁式弁駆動装置において、上記アーマチャに保持
    せしめられ、通電により上記閉弁用ソレノイドまたは開
    弁用ソレノイドによる磁界と同方向または逆方向の磁界
    を形成するコイルと、該コイルへの通電を制御する制御
    手段を設けたことを特徴とする電磁式弁駆動装置。
  2. 【請求項2】 上記制御手段は、上記閉弁用ソレノイド
    または開弁用ソレノイドへの通電が停止されると同時
    に、上記閉弁用ソレノイドまたは開弁用ソレノイドによ
    る磁界と逆方向の磁界を形成するように上記コイルへ通
    電する請求項1記載の電磁式弁駆動装置。
  3. 【請求項3】 上記制御手段は、上記閉弁用ソレノイド
    または開弁用ソレノイドの作動時に、上記閉弁用または
    開弁用ソレノイドによる磁界と同方向の磁界を発生する
    ように上記コイルへ通電する請求項1または2記載の電
    磁式弁駆動装置。
  4. 【請求項4】 上記制御手段は、上記バルブが閉弁また
    は開弁位置に近づいた時に、上記コイルへの通電量を減
    少しまたは通電方向を切替える制御を行う請求項3記載
    の電磁式弁駆動装置。
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