JP2002309973A - 内燃機関の電磁式弁駆動装置 - Google Patents

内燃機関の電磁式弁駆動装置

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JP2002309973A
JP2002309973A JP2001118676A JP2001118676A JP2002309973A JP 2002309973 A JP2002309973 A JP 2002309973A JP 2001118676 A JP2001118676 A JP 2001118676A JP 2001118676 A JP2001118676 A JP 2001118676A JP 2002309973 A JP2002309973 A JP 2002309973A
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valve
speed
armature
target speed
electromagnetic force
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JP2001118676A
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English (en)
Inventor
Shigeo Nomura
重夫 野村
Yurio Nomura
由利夫 野村
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Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
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  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、サイクル間での急激な変動および
離脱後に発生する外乱を吸収して精度良く着座速度を制
御することが可能な内燃機関の電磁式弁駆動装置を提供
することを目的とする。 【解決手段】 ステップS110にて、検出されたバル
ブ速度が最大速度であるかを判定する。検出された速度
が最大速度であると判定されステップS120にて、最
大速度が検出されてから初回の演算タイミングであると
判定された場合には、ステップS160にて、検出され
た最大速度に応じた燃焼残圧等の外乱に応じた目標速度
軌道を再設定する。一方、ステップS130にて、初回
の演算タイミングではないと判定されると、再設定され
た目標速度軌道とバルブ速度とのエネルギ偏差に応じ
て、基本通電量に対する電流補正を行なう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電磁式弁駆動装置に
関し、特に弁の開閉時における駆動制御に関する。
【0002】
【従来技術】従来より、内燃機関の吸排気弁としては、
クランク軸の回転に基づいて駆動されるカム軸によるも
のが一般的である。そして、内燃機関の高性能化を図る
という観点から、運転状態に応じて最適な弁開閉時期に
制御することを目的として動弁系の可変機構が種々実用
化されつつあり、2段切り替え式(ON/OFF制御
式)のものを始めとして連続可変式のものも開発されて
いる。これら可変機構には、カム軸の回転位相をずらす
ものや、カム軸に複数のプロファイルを備えるもの等が
ある。
【0003】しかしながら、上述のようなカム軸により
駆動される吸排気弁では、弁リフト、弁開期間および弁
開閉時期の全てを独立かつ任意に設定することは不可能
である。そこで、近年においては、内燃機関に対する更
なる高性能化の要求に応えるべく、運転状態に応じてそ
れらのパラメータを理想的な値に設定可能な電磁駆動式
動弁系に関する研究が活発化してきている。
【0004】例えば、特開昭59−213913号公報
は、一対のばねによる付勢力により弁体を中立位置に弾
性的に支持するとともに、弁体と連結したプランジャに
電磁力を作用させることにより、弁体を中立位置から全
開方向または全閉方向へと移動させる構造の電磁駆動弁
について開示している。このようにプランジャを質量と
して含むばね−質量系(spring−mass sy
stem)を構成する電磁駆動弁は、消費電力が少ない
という点で優れている。
【0005】ばね質量系を構成する電磁駆動弁において
は、プランジャに作用する力は、電磁力とばねによる付
勢力とであるが、この電磁力は、プランジャと電磁力を
発生させる電磁石との間の距離が小さくなるにつれて付
勢力に比して急激に増大する。従って、他の電磁駆動弁
にも共通することであるが、プランジャが電磁石に吸着
すなわち着座せしめられるときの衝撃を低減するための
制御(着座制御)が必要となる。
【0006】この着座制御としては、従来より、例えば
US5742467特許に開示されるように、電磁コイ
ルに所定の電流を流す通電時期を正確に制御することを
目的として、フライバック電圧(電流)に基づいて電磁
コイルに吸引されていたアーマチャがアーマチャを吸引
していた電磁コイル側のコアから離れる時期(実離脱時
期)を判別して制御に用いる方法が考案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、この場合、
徐々に変化する変動における補正は可能であるが、サイ
クル間での急激な変動および離脱後に発生する外乱によ
る影響を吸収できず、着座速度のばらつきを起こしてし
まう。ばらつきが生じることにより着座時の電磁力が過
剰となる場合には打音の増大を招いてしまう。一方、ば
らつきにより電磁力が不足する場合にはアーマチャを吸
引できない状態、所謂キャッチミスをする虞がある。
【0008】また、同様に着座速度のばらつきは吸入空
気量にも影響するため、吸入空気量のばらつきによって
エミッションが悪化してしまう虞がある。
【0009】本発明は、上述の課題に鑑見てなされたも
のであり、サイクル間での急激な変動および離脱後に発
生する外乱を吸収して精度良く着座速度を制御すること
が可能な内燃機関の電磁式弁駆動装置を提供することを
目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明によれ
ば、バルブと一体に閉弁方向または開弁方向に移動する
ロッドと、該ロッド周りに一体に設けられるアーマチャ
と、上記バルブを閉弁方向に付勢する閉弁側のばねおよ
び開弁方向に付勢する開弁側のばねと、上記アーマチャ
の一方の端面側に所定間隔をおいて設けられ上記アーマ
チャを吸引して上記バルブの閉弁を保持する閉弁用のソ
レノイドと、上記アーマチャの他方の端面側に所定間隔
をおいて設けられ上記アーマチャを吸収して上記バルブ
の開弁を保持する開弁用ソレノイドと、前記開弁用のソ
レノイドおよび前記閉弁用のソレノイドを基本通電制御
する基本通電制御手段とを備える電磁式弁駆動装置にお
いて、アーマチャの速度を検出する速度検出手段と、速
度検出手段により検出されるアーマチャの速度又は、ア
ーマチャの所定の目標速度と速度検出手段により検出さ
れるアーマチャの実速度との偏差に基づいて、燃焼残圧
などのアーマチャに対する外乱を推定する外乱推定手段
と、外乱推定手段により推定される燃焼残圧などの外乱
に基づいて目標速度を再設定する目標速度再設定手段
と、前記目標速度再設定手段により再設定される目標速
度に基づいて前記基本通電制御手段による前記ソレノイ
ドへの基本通電量を補正する第1の補正手段とを備え
る。
【0011】これにより、アーマチャの所定の目標速度
と実速度とから燃焼残圧等の影響を算出することがで
き、その後の目標速度をアーマチャに対する燃焼残圧等
の影響を考慮した目標速度に設定することができる。故
に、サイクル間での急激な変化および離脱後に発生する
外乱による影響を吸収でき、着座速度のばらつき、着座
時の電磁力が過剰であれば打音の増大を防止することが
できるので、吸入空気量のばらつきによるエミッション
の悪化、また、電磁力の不足によるキャッチミスを防止
することができる。なお、目標速度再設定手段による目
標速度は、アーマチャがソレノイドに吸着されるまでの
速度軌道を演算やマップ等により設定しても良い。
【0012】さらに、請求項2の発明のように、外乱推
定手段は、位置検出手段により検出されるアーマチャの
位置が前記アーマチャが摺動運動可能な範囲の略中間位
置付近での目標速度と速度検出手段により検出されるア
ーマチャとの速度に基づいて燃焼残圧などの外乱を推定
すると良い。
【0013】通常、アーマチャの通電制御は、ソレノイ
ドへ通電することによりアーマチャを制御することがで
きる電磁力が成長する位置にアーマチャが到達してから
開始される。すなわち、アーマチャとソレノイドとのギ
ャップ長を考慮して通電制御が開始されるため、アーマ
チャの位置が略中間位置付近まではアーマチャを吸着す
るために出力される電磁力による影響を受けることがな
い。このため、略中間位置付近での目標速度と実速度と
の偏差は、燃焼残圧等の外乱のみによる影響であるとす
ることができる。
【0014】これにより、外乱の推定は、略中間位置付
近での目標速度と実速度との偏差に基づいて推定するこ
とができる。また、外乱の推定は、略中間位置付近まで
の偏差の積分値によって推定されても良い。さらに、精
度良く外乱の推定を行うために、アーマチャの最大速度
と最大速度位置での目標速度との偏差に基づいて推定さ
れても良い。
【0015】請求項3の発明によれば、第1の通電補正
手段は、再設定された目標速度と速度検出手段により検
出されるアーマチャの速度との偏差に基づいて基本通電
制御手段によるソレノイドへの基本通電量を補正する。
【0016】これにより、再設定された目標速度とアー
マチャの速度との偏差に基づいて、精度良くソレノイド
への通電量を補正することができるので、着座速度のば
らつき、打音の増大を防止することができる。故に、吸
入空気量のばらつきによるエミッションの悪化、また、
電磁力の不足によるキャッチミスを防止することができ
る。
【0017】また、請求項4の発明のように、目標速度
再設定手段により設定された目標速度と速度検出手段に
より検出されるアーマチャの速度とのエネルギ偏差に基
づいて、前記エネルギ偏差に相当する電磁力を算出する
補償電磁力算出手段を備え、通電補正手段は、補償電磁
力算出手段により算出される電磁力に基づいて基本通電
制御手段による前記ソレノイドへの基本通電量を補正す
ると良い。
【0018】これにより、再設定された目標速度とアー
マチャの速度とのエネルギ偏差に基づいて、目標速度へ
追従するように基本通電量を補正するので、アーマチャ
の速度をさらに精度良く目標速度へ追従させることがで
きる。
【0019】また、このとき、請求項5の発明のよう
に、補償電磁力算出手段により算出される電磁力を発生
させるのに必要な補償電流を算出する補償電流算出手段
を備え、補償電流算出手段により算出される補償電流
は、電磁力の特性を考慮した物理モデルにより求められ
る。これにより、電流と電磁力との関係を精度良く推定
することができるので、基本通電量の補正により精度良
く目標速度へアーマチャの速度を追従させることができ
る。
【0020】さらに、請求項6の発明のように、補償電
流と電磁力との特性をマップ化することにより精度良い
電磁力と電流との関係を推定できると共に、コンピュー
タの演算処理を軽減することができる。
【0021】請求項7の発明によれば、前記アーマチャ
の位置が前記ソレノイド付近になったときには、前記目
標速度再設定手段により設定された目標速度と前記速度
検出手段により検出される前記アーマチャの速度との偏
差に基づくゲインを設定して前記ソレノイドへの基本通
電量を補正する第2の通電補正手段を備える。
【0022】アーマチャの位置がソレノイド付近、すな
わち、ギャップ長が小さくなるアーマチャ位置では、電
磁力が急成長するために小さな通電量で大きな電磁力が
発生することとなる。そこで、上述のようにアーマチャ
の目標速度と実速度との偏差に応じてゲインを設定し、
設定されたゲインを用いてソレノイドへの基本通電量を
補正することで着座速度制御の微調整を実施することが
できる。
【0023】すなわち、燃焼残圧等の外乱が検出される
と、外乱に応じた目標速度を設定する。そして、アーマ
チャ位置が電磁力が急成長する位置よりも前では、第1
の通電補正手段によりアーマチャの速度が外乱に応じた
目標速度に追従するようにアーマチャを通電制御し、電
磁力が急成長する位置以降では、ハンチング等が生じな
いようにアーマチャの速度を微調整するための第2の通
電補正手段により制御する。
【0024】請求項8の発明では、前記電磁式弁駆動装
置は、内燃機関の吸気弁および/または排気弁に設けら
れると良い。
【0025】これにより、吸気弁、若しくは排気弁で
は、吸入空気圧の変動や燃焼残圧の変動による外乱が生
じても、バルブの着座速度を精度良く制御することがで
きる。
【0026】
【実施の形態】<第1の実施の形態>図1は、本発明の
電磁式弁駆動装置の一実施の形態を示したものであり、
以下、これに基づいて説明する。公知のエンジンヘッド
20には吸気口21が設けられており、この吸気口21
を開閉する吸気弁としてのバルブ1が配設されている。
バルブ1は、吸気口21端に形成されるバルブシート1
aと弁部を構成して排気口21を閉鎖する弁体22とそ
の上方に延びるステム23とからなり、ステム23は、
エンジンヘッド20に圧入固定されたバルブガイド2内
に上下方向に摺動自在に挿通保持されている。
【0027】バルブガイド2上方のエンジンヘッド20
内には、ステム23の上端部に設けたスプリングストッ
パ24との間に、閉弁側のばねとしてロアスプリング1
0が配設されており、バルブ1を閉弁方向(図の上方)
に付勢している。エンジンヘッド20の上面には上端が
カバー部材11により閉鎖され下端が開口するハウジン
グ25が固定され、ステム23の上端部は、ハウジング
25内に摺動自在に収容される可動子3の下端部に当接
している。可動子3の外周には、バルブ1を開弁作動
し、その状態を保持する開弁用のソレノイドたるロアコ
イル7が配設されている。
【0028】可動子3の上端部外周には、磁性体よりな
るプランジャ19が固定してあり、プランジャ19の下
面は、所定間隔をおいてロアコイル7とロアコア6とが
配設される。スペーサ8は、プランジャ19を上下方向
に摺動可能に保持する部材である。プランジャ19に対
してロアコア6とロアコイル7と対象側には、バルブ1
を閉弁側に作動し、その状態を保持するための閉弁用ソ
レノイドたるアッパコイル5とアッパコア4とが配設さ
れる。プランジャ19の上方には、ステム23と可動子
3との延長上に可動子26が配設される。可動子26は
カバー部材11により上下方向に摺動可能に保持されて
おり、その上端部はスプリングストッパ27に当接され
る。
【0029】カバー部材11の上端は、バルブ1を開弁
方向に付勢するアッパスプリング9の下端を収容するよ
うに構成されており、アッパスプリング9はカバー部材
11とハウジング27とにより収容される。ここで、両
スプリング8,9のばね力は等しく設定されており、ア
ッパコイル5,ロアコイル7に通電しない図示の状態に
おいて、プランジャ19は、両コイル5,7の略中間位
置で静止している。
【0030】アッパコイル5,ロアコイル7いずれか一
方に通電すると、プランジャ19が上方または下方に吸
引駆動され、これに伴ってバルブ1が閉弁または開弁す
る。
【0031】プランジャ19の外周には、筒状ハウジン
グ25内周面に沿って筒状のスペーサ8が配設され、ス
ペーサ8により、プランジャ19と両コア4,6との間
隔が設定され、プランジャ19のストローク長すなわち
バルブリフト量を調整している。
【0032】筒状ハウジング25の下端には、バルブ2
の位置を検出するためのバルブ位置検出センサ12が設
けてある。バルブ位置検出センサ12付近の可動子3に
は弁体方向に従って可動子の径が小さくなるように構成
されており、バルブ位置検出センサ12は、可動子3と
の距離に応じて出力値を出力するように構成される。バ
ルブ位置検出センサ12は、可動子3が閉弁方向に行く
に従って大きな値を出力し、開弁方向に行くに従って小
さな値を出力する。このときのバルブ位置検出センサ1
2の出力に応じてバルブ1の位置を検出している。ま
た、バルブ位置検出センサ12には図示しない微分回路
が設けられており、バルブ位置検出センサ12により出
力される出力値を微分することによりバルブ1の速度を
検出するようにしている。
【0033】つぎに、両コイル5,7への通電制御を行
う回路構成を13乃至18のブロック図を用いて概要を
説明する。振動発信器15は一定の周波数の波形を出力
する回路であり、制御回路13は、命令入力14からの
命令に従って振動発信器15の波形に対するスレッショ
ルドを設定する。スイッチ16は、振動発信器15の波
形が制御回路15が設定したスレッショルドよりも大き
な場合にオン信号を出力するように構成される。一方、
18は、エネルギ源としての例えば、バッテリであり、
バッテリ18からの電圧を増幅器17により増幅させ
る。そして、増幅器により増幅された電圧をスイッチ1
6のオン信号が出力されたときに、どちらかのコイル
5,7に通電するように構成される。
【0034】図1に示す非通電状態では、両スプリング
9,10の力がほぼ等しいため、プランジャ19は、両
コイル5,7の中間位置にある。ここから、エンジン始
動前に、一旦すべてのバルブ2を閉とする起動制御をす
る必要がある。起動制御は、このシステムの可動部の質
量とばねで決まるばね−質量系の固有振動を利用し、ア
ッパコイル5,ロアコイル7とへ固有振動に相当する共
振周波数にて、交互に通電することによりなされる。し
ばらく起動制御を行うとバルブ1が振動をはじめ、振幅
が大きくなっていく。やがて両コイル5,7間の距離で
規定される最大リフ位置まで作動するようになる。ここ
で、アッパコイル5にプランジャ19が吸引された状態
で保持することで、バルブ1の閉状態が保持でき、起動
制御が終了する。
【0035】その後、エンジンを始動し、アッパコイル
5,ロアコイル7への通電量をエンジンからの各センサ
出力を基にエンジンの吸気弁および排気弁を任意のタイ
ミングで開閉制御する。
【0036】ところで、バルブ1の開閉制御に際して
は、バルブ1もしくは、プランジャ19の着座制御が重
要となる。すなわち、着座速度が大きすぎると、アッパ
コア4,ロアコア6およびバルブシート1aとの衝突に
より、大きな打音が発生するばかりでなく、上記部材の
変形を促してしまう。そのため、着座速度を小さくなる
ように制御することが重要である。なお、着座時の目標
速度としては、例えば0.04m/s程度が好ましい。
【0037】本実施の形態では、説明の便宜上、バルブ
1を電磁駆動排気バルブであるとして、このバルブ1が
開く際の制御について記述する。ここで、リフト位置の
定義を行なう。バルブ位置検出センサ12が検出するリ
フト位置は、バルブ1が閉じている状態(以下、基準位
置と称する。)からの移動距離であり、中間位置はバル
ブが閉じた状態と開いた状態との中間位置のことであ
り、最大リフト位置はバルブ1が開いた状態のことであ
る。また、バルブ1が閉じている状態から最大リフト位
置に到達するまでを着座制御の1サイクルと称し、バル
ブが最大リフト位置に到達することを以下単に着座と言
う。
【0038】なお、速度検出手段としてのバルブの実速
度を検出する手段としてはバルブ位置検出センサ12の
出力値を微分回路等に入力し、算出する手段で良く、従
来より知られる方法で良い。
【0039】電磁駆動バルブにおいては、ばね−質量系
のエネルギーを一定にし、さらに着座時の速度を所望の
速度とするべく電磁力により制御を行なう。ところが、
1サイクルの制御期間中にばね−質量系は、様々な外力
を受ける。例えば、外力は、ばねの中心ずれが原因とな
って可動子3がバルブガイド2等に押さえつけられるこ
とにより発生する粘性力や、可動子3の摺動時に発生す
る摩擦力などである。
【0040】特に、電磁駆動排気バルブの場合には、燃
焼室内の燃焼残圧による外力が粘性力や摩擦力による外
力に比して、ばね−質量系のエネルギーを一定に保つた
めに行われる電磁力の制御に対して大きな影響を与える
という問題がある。より詳細には電磁駆動排気バルブの
開弁時の燃焼残圧が前回の1サイクルと今回の1サイク
ル間(以下、単にサイクル間と称する。)で5kPa変
動しても、バルブ1をキャッチミスする虞がある。
【0041】そこで、本実施の形態では、サイクル間で
燃焼残圧が変動してもバルブの着座速度を精度良く制御
することを目的とする。
【0042】まず、それぞれのサイクル毎に精度良い燃
焼残圧を検出するための燃焼残圧検出手法について説明
する。図4に示す図は、バルブ1のリフト位置に対する
バルブ速度軌道を示している。リフト位置が0mmから
4mm程度までの速度軌道によれば、燃焼残圧が0kP
aの速度軌道に比して、燃焼残圧が200kPa,40
0kPaと大きくなるほど、バルブ1の速度軌道が小さ
くなることが分かる。
【0043】実際の運転中の着座制御においては、燃焼
圧力が分からないためにこの速度軌道に着目し、この速
度軌跡に基づいて燃焼残圧を推定する。図4のそれぞれ
の燃焼残圧に応じた速度軌跡に着目すると、リフト位置
が中間位置となる約4mmの位置では、バルブ1の速度
が最大速度となっている。この最大速度と燃焼圧力との
関係を図示すると、図5に示されるような関係になる。
この図では、燃焼残圧が大きいほど、バルブ1の最大速
度が小さくなることを示しており、燃焼残圧は、バルブ
1の最大速度を検出することで推定可能となる。(ま
た、燃焼残圧の推定は、最大速度を検出することに限ら
ず速度の積分値を検出することにより燃焼残圧を推定す
るようにしても良い。) そこで、バルブ1の位置が中間位置のときのバルブ速度
を検出することにより燃焼残圧が推定できることから、
この燃焼残圧に応じたバルブ1の目標速度を再設定す
る。目標速度の設定では、燃焼残圧を考慮する前の目標
軌道を補正する方法と、燃焼残圧に応じた目標速度軌道
を設定する手法の2つが挙げられる。一つ目は、図5に
より推定される最大速度に応じた燃焼残圧に基づいて燃
焼残圧を考慮する前の目標軌道を補正する手法。そし
て、二つ目は、運転状態と燃焼残圧とに応じて、マップ
や演算によりバルブが着座するまでの目標速度を設定す
る手法である。(なお、目標速度の設定は、最大速度に
応じて設定する手法であれば、これに限るものではな
い。) このような手法により目標速度を設定すると、目標速度
に基づいて実際のバルブ速度が制御される。このバルブ
速度の制御について図3を用いて制御概要を説明する。
図3は、リフト位置が中間位置(4mm)から最大リフ
ト位置(8mm)までのが示されており、リフト位置に
対するバルブの目標速度軌道と実際のバルブ速度とを示
している。また、図中のポイントX(Tk-1),X
(Tk),…X(Tk+2)は、制御装置13の演算タイミ
ングに対応したバルブ位置を示しており、演算タイミン
グは約100μsec程度である。本実施の形態では、
制御装置13が行なう制御として2つの制御パターンを
実施している。一つには、外乱吸収モード、もう一つ
は、ソフトランディングモードである。
【0044】ソフトランディングモードは次のような理
由から行われる制御である。リフト位置が最大リフト位
置付近になると、プランジャ19とロアコイル7とのギ
ャップ長が小さくなるために電磁力が急成長する。ギャ
ップ長が小さいために電磁力が急成長すると、実際のバ
ルブ速度を目標速度に追従させるためにフィードバック
制御を実施てもハンチング等が生じ易くなる。このた
め、着座制御を実施する上では、ハンチング等が発生す
ることから制御性が悪化する以前にバルブ速度が目標速
度となることが望ましい。すなわち、ソフトランディン
グモードは、リフト位置が最大リフト位置付近で行われ
る制御であり、バルブ速度の微調整を行うための制御で
ある。
【0045】従って、図3に示すように外乱吸収モード
によって実際のバルブ速度を目標速度軌道へ追従させ
て、その後、リフト位置が最大リフト位置付近にて、実
際のバルブ速度を目標速度軌道に維持するためのソフト
ランディングモードを実施する。まず、ソフトランディ
ングモードが実施される前の外乱吸収モードについて図
2の制御ブロック図を用いて説明する。外乱吸収モード
は、リフト位置検出センサ12により検出されるリフト
位置信号とエンジン回転速度Neとアクセル開度Thw
とが入力される。入力されたリフト位置信号は、100
の速度演算ブロックに入力される。速度演算ブロック1
00では、リフト位置信号に基づいてバルブ1の実際の
速度Vpが演算される。演算された実際のバルブ速度V
pは120の運動エネルギ演算ブロックと110の外乱
推定ブロックとに入力される。
【0046】まず、外乱推定ブロック110では、バル
ブ速度の最高速度から燃焼残圧を推定する。ここで、前
述したように燃焼残圧に応じた目標速度軌道を設定する
ので、130の目標エネルギ算出ブロックは、目標速度
軌道とリフト位置とからばね−質量系の目標運動エネル
ギEmを算出する。すなわち、外乱推定ブロック110
は、バルブ速度の最高速度に基づいて外乱が推定される
と、その後は実行されない処理である。一方、120の
運動エネルギ算出ブロックでは入力される実際のバルブ
速度Vpから実際の運動エネルギEpを算出する。
【0047】目標速度軌道が設定されてからの処理で
は、目標速度軌道から求まる目標運動エネルギEmと実
運動エネルギEpとを算出する。そして、目標運動エネ
ルギEmと実運動エネルギEpとが算出されると、14
0のエネルギ偏差算出ブロックでは、(1)式にしたが
って目標速度軌道に対する実際のバルブ速度Vpのエネ
ルギ偏差を算出する。
【0048】 ここで、速度Vm(Tk)は目標速度軌道から求められ
る時刻Tkでの速度である。このようにして算出される
エネルギ偏差ΔE(Tk)は、燃焼残圧や前回までの通
電制御では、補償することができなかったエネルギの不
足分である。このため、実バルブ速度Vmを目標速度軌
道のVpに追従させるためには、次回以降のソレノイド
への通電により、ばね−質量系にエネルギ偏差ΔE(T
k)分を補償する電磁力を算出する必要がある。
【0049】目標速度軌道へバルブ速度を追従させるた
めに必要な不足分のエネルギを補償するための電磁力
は、(2)式に従って算出される。
【0050】 ΔE(Tk)は、(1)式により算出されたエネルギで
あり、dxは演算周期でのバルブの移動距離である。補
償分の電磁力ΔFe(Tk)はこのようにして算出され
る。エネルギー偏差ΔE(Tk)が算出されると、次
に、160の補正電流算出ブロックにて補正電流を算出
する。補正電流は、170の電流フィードフォワード
(以下、F/Fと称する。)ブロックにて決定される基
本電流マップの電流値を補正するための電流である。電
流F/Fブロック170では、エンジン回転速度Neと
スロットル開度Thwとから設定される電流F/F用の
基本通電マップにより、ソレノイドへ通電する電流値を
設定する。
【0051】以下では、補正電流算出ブロック160で
の補正電流を算出する処理について図7を用いて説明す
る。図7はバルブ位置X(Tk+1)に応じた通電電流に
対して発生する電磁力を示している。電流値im 0(T
k+1)は、基本電流マップにより設定される目標電流値
である。位置X(Tk+1)でのこの目標電流値に対応し
た電磁力は、図に示す通り目標電磁力Fem 0(Tk+1)と
なる。この目標電磁力F em 0(Tk+1)に(2)式で算出
される補償分の電磁力ΔFe(Tk)を加えた最終電磁力
が、制御装置13の次回の演算タイミングでの目標値と
なる。この目標値に対応した電流値は、図に示すように
最終電流値im 00(Tk+1)となる。
【0052】ここで、図7の対応関係は、実際には、ソ
レノイドへ通電する電流値とその状態、アーマチャとコ
アとのギャップ長等により決定される。このため、電磁
力の応答遅れ等を考慮した電磁力の物理モデルを設定す
る必要があり、また、制御装置13の演算処理速度等を
考慮すると高応答フィードバックに対応できる簡素性を
持ち、精度の高い物理モデルが必要となる。
【0053】以下では、電磁力の物理モデルについて図
8乃至図11を用いて説明する。図8は、1msec所
定電圧を与えたときに、ソレノイドに発生する電流値の
変化をバルブ位置X(Tk)毎に示した図である。ま
た、図9は、このときのバルブ位置X(Tk)毎の電磁
力である。この2つの電流と電磁力との関係から電磁力
等の応答遅れを考慮した電流−電磁力の近似物理モデル
を図10と図11とに示す。図10は、電流増加時の電
磁力をバルブ位置X(Tk)毎に示すマップであり、図
11は、電流減少時の電磁力をバルブ位置X(Tk)毎
に示すマップである。
【0054】このような電磁力の近似物理モデルを使用
して、補正電流算出ブロック160と電流F/Fブロッ
クとから最終電流値im 00(Tk+1)を決定する。そし
て、指示電流算出ブロック300にて、最終電流値im
00(Tk+1)を出力するために電圧のPWM率を310
のエンジンドライブユニット等に出力する。
【0055】つぎに、ソフトランディングモードの説明
を行なう。前述した通り、ソフトランディングモード
は、バルブ位置X(Tk)が着座直前で行われる制御で
ある。本実施の形態では、ソフトランディングモード
は、例えばバルブ着座前6.5mmで実施される。ま
ず、外乱推定ブロック110により設定される目標速度
軌道から、200の目標速度算出ブロック手段では、バ
ルブ位置X(Tk)に応じた目標速度Vmを算出する。そ
して、速度演算ブロック100で算出されたバルブの実
速度Vpと目標速度Vmとに基づいて、210の速度偏差
演算ブロックにて、速度偏差ΔV(=目標速度Vm−実
速度Vp)を算出する。
【0056】ソフトランディングモードでは、この速度
偏差ΔVに応じたフィードバック電流を算出する。速度
偏差ΔVに応じたフィードバックゲインを設定するため
の図を図6に示す。図6によれば、速度偏差Δが大きい
ほどゲインを大きく設定し、速度偏差が負の値では、ゲ
インを負の値に切り換える。このようにして、ゲインを
設定するので、速度偏差ΔVに応じたバルブ速度の制御
を実施することができる。(3)式に、速度偏差ΔVに
応じたバルブ制御の電流を算出するための演算式を示
す。 電流値im 0(Tk)は、基本電流マップにより設定され
る目標電流値である。このようにして、リフト位置が最
大リフト位置付近になると、バルブ速度の微調整を行う
ためのソフトランディングモード制御を実施して目標速
度軌道へ維持させる制御を実施する。故に精度良い着座
制御を可能としている。
【0057】つぎに、上述の制御内容を示す図12のフ
ローチャートを用いて本実施の形態の制御を説明する。
図12のフローチャートは、100μsec毎に起動さ
れるプログラムである。まず、ステップS100では、
基準位置からのリフト位置が所定位置1に到達したか否
かが判定される。ここで、バルブ位置が所定位置に到達
していないと判定されると、そのまま本ルーチンを終了
する。一方、バルブ位置が所定位置に到達したと判定さ
れると、ステップS110以降の処理を実行する。
【0058】ステップS110では、バルブの実速度V
mが最大速度に達したか否かを判定する。判定方法とし
ては、例えば、前回の実速度Vmと今回の実速度Vmとを
比較して前回値よりも今回値の方が小さい場合に、最大
速度であると判定しても良いし、これに限られるもので
はない。バルブの最大速度が検出されなければ、ステッ
プS150にて、図2の電流F/Fブロック170にて
設定される基本通電量マップにより電流値を設定して本
ルーチンを終了する。
【0059】一方、最大速度が検出されると、ステップ
S120では、最大速度を検出後、1回目の演算タイミ
ングであるか否かを判定する。1回目の演算タイミング
である場合には、ステップS160に進み、検出された
最大速度から図5に示されるマップにより筒内圧を算出
し、筒内圧に応じた目標速度軌道のマップを選択する。
このようにして、最大速度検出後に筒内圧に応じた目標
速度軌道のマップが選択されると、これ以降では、ステ
ップS130の処理を繰り返し実施する。ステップS1
30では、所定位置2に到達したか否かが判定される。
【0060】所定位置2に到達していなければ、ステッ
プS170へ進み、外乱吸収モード制御を実施して本ル
ーチンを終了する。外乱吸収モード制御についての説明
は、前述した通りであるので、ここでは省略する。一
方、所定位置2に到達した場合には、ステップS140
へ進み、最大リフト位置に到達したか否かが判定され
る。最大リフト位置に到達していなければ、ステップS
180へ進み、ソフトランディングモードを実施して本
ルーチンを終了する。一方、最大リフトに到達した場合
には、そのまま本ルーチンを終了する。
【0061】つぎに、外乱吸収モード制御とソフトラン
ディングモード制御とを実施した場合のタイミングチャ
ートについて、図13を用いて説明する。図13の
(a)では、バルブ速度とリフト位置との関係が示して
ある。リフト位置が図中の所定位置Aとなると、図13
(b)に示すように基本電流マップにより電流指示電圧
をソレノイドへ印加して、所望の電流を出力する。基本
電流マップによる制御は、図中のB点まで実施される。
【0062】その後、図中のB点に到達するとバルブ速
度の最大速度が検出される。B点は約4mm付近であ
り、この点にてバルブ速度の最大値が検出される。最大
速度が検出されると、筒内圧力などの外乱を推定して、
外乱に応じた目標速度軌道を選択する。そして、図中の
B点以降では、外乱吸収モードが開始される。外乱吸収
モードでは、目標速度軌道と実速度とから算出されるエ
ネルギ偏差に基づいて、エネルギ偏差に相当する電磁力
を基本電流マップにより発生される電磁力に加えて出力
することで、バルブ速度を目標速度軌道に追従させる。
【0063】図中のC点では、バルブ位置が約6.5m
mを示しており、このC点で外乱吸収モードから、バル
ブ速度を微調整するためのソフトランディングモードに
切り替える。その後、バルブが着座したことを検知した
ら、バルブのキャッチミスを防止するために保持電流を
出力する。
【0064】以上のように、本実施の形態では、バルブ
の最大速度を検出して、検出された最大速度に基づいて
外乱を推定することで、外乱に応じた目標速度軌道を精
度良く設定することができる。そして、目標速度軌道に
対して外乱吸収モード制御とソフトランディングモード
制御とを実施することでバルブが着座するまでに精度良
くバルブ速度を目標速度軌道に追従させることができ
る。
【0065】本実施の形態において、基本通電制御手段
は図12のフローチャートのステップS150に、位置
検出手段は位置センサ12に、速度検出手段は位置セン
サ12からの出力を微分回路等に入力することでバルブ
速度を検出する手段に、外乱推定手段は図5に、目標速
度再設定手段は図12のフローチャートのステップS1
60に、第1の通電補正手段は外乱吸収モードに、第2
の通電補正手段はソフトランディングモードに、補償電
磁力算出手段は(2)式に、補償電流算出手段は図7
に、それぞれ相当し、機能する。
【0066】<第2の実施の形態>第1の実施の形態で
は、バルブの目標速度軌道から設定される目標速度と実
速度とのエネルギ偏差を、次回の演算タイミングにて電
磁力を印加することで目標速度軌道にバルブ速度が追従
するように制御した。本実施の形態では、外乱吸収モー
ドの演算方法を異なる方法で実施する。以下、図14の
フローチャートを用いて、詳細に説明する。
【0067】図14のフローチャートは、第1の実施の
形態における図12のステップS170の処理、すなわ
ち、外乱吸収モードのサブルーチンである。図12のス
テップS170の処理が実施されると、まず、図14の
ステップS200にて、バルブの目標速度軌道から決ま
る目標速度Vpが呼び出される。同様にしてバルブの実
速度Vmが検出され、ステップS210へ進む。ステッ
プS210では、ステップS200にて検出される目標
速度Vpと実速度Vmとに基づいて、第1の実施の形態
の(1)式にしたがってエネルギ偏差ΔEを演算する。
【0068】そして、ステップS220では、第1の実
施の形態の(2)式にしたがって補正分の電磁力ΔFe
(Tk)を演算する。この補正分の電磁力ΔFe(Tk
は、第1の実施の形態で詳述したので説明を省略する。
つぎに、ステップS230では、1回目先のリフト位置
X(Tk+1)を、ステップS240では、2回目先のリ
フト位置X(Tk+2)を演算する。それぞれ、(4)
式、(5)式従って演算する。 ここで、dXは、(6)式にて{X(Tk+1)−X
(Tk)}の代用として用いられる。 すなわち、次回と次々回の演算タイミングTk+1,Tk+2
でのバルブ位置X(T k+1),X(Tk+2)は、(4)
式,(5)式を用いて推定される。そして、(4)式,
(5)式で推定されるバルブ位置X(Tk+1),X(T
k+2)に基づいて図15に示される基本電流マップか
ら、バルブ位置X(Tk+1),X(Tk+2)での基本電流
m 0(Tk+1),im 0(Tk+2)をステップS250,ス
テップS260にて推定する。
【0069】そして、それぞれの基本電流i
m 0(Tk+1),im 0(Tk+2)を推定すると、つぎに、ス
テップS270にて、基本電流im 0(Tk+1),i
m 0(Tk+2)のどちらが大きいかを判定する。基本電流
m 0(Tk+1),im 0(Tk+2)の大小を判定する理由
は、第1の実施の形態と同様に電磁力モデルを利用する
ためであり、第1の実施の形態では電流増加時と減少時
とに分類して電流に応じた電磁力を推定する。
【0070】ステップS270にて基本電流im 0(T
k+2)が基本電流im 0(Tk+1)より大きいと判定される
と、ステップS280へ進む。ステップS280では、
第1の実施の形態の図10に示した電流増加時の電流−
電磁力マップを用いて、バルブ位置X(Tk+1)での電
磁力Fem 0(Tk+1)を推定し、ステップS300へ進
む。一方、基本電流im 0(Tk+2)が基本電流im 0(T
k+1)よりも小さいと判定されると、ステップS290
へ進む。ステップS290では、図11に示した電流減
少時の電流−電磁力マップを用いて、バルブ位置X(T
k+1)での電磁力Fem 0(Tk+1)を推定し、ステップS
300へ進む。
【0071】ステップS300では、図7に示すよう
に、ステップS280、若しくはステップS290にて
算出された電磁力Fem 0(Tk+1)に、ステップS22
0にて算出された補償分の電磁力ΔFe(Tk)を加算し
て、目標電磁力Fem 00(Tk+1)を推定する。そして、
ステップS310にて、目標電磁力Fem 00(Tk+1)に
応じた電流im 00(Tk+1)を図7に従って算出する。つ
ぎに、ステップS320にて、電流補正量Δimを電流
m 00(Tk+1)と基本電流im 0(Tk+1)との偏差から
算出する。電流補正量Δimは、補償分の電磁力ΔF
e(Tk)を出力するために必要な電流補正量である。
【0072】そして、最終的な指示電流値として最終指
示電流im(Tk+1)を演算により求める。演算は、基本
電流値im 0(Tk+2)に電流補正量Δimを加えることに
より、最終指示電流im(Tk+1)を算出する。
【0073】以上のように、本実施の形態では次回の演
算タイミングでの基本電流から電磁力を推定すること
で、2回目の演算タイミングでの電磁力の制御に反映さ
せる。このことで、制御装置13の演算負荷を軽減する
ことができる。
【0074】本実施の形態において、第1の通電補正手
段は外乱吸収モードに、補償電磁力算出手段は図14の
フローチャートのステップS220に、補償電流算出手
段は図14のフローチャートのステップS320に、そ
れぞれ相当し、機能する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の概略構成図。
【図2】本発明の外乱吸収モードとソフトランディング
モードを示すブロック図。
【図3】第1の実施の形態において、基準速度にバルブ
速度を追従させるために外乱吸収モードとソフトランデ
ィングモードとにより制御した図。
【図4】筒内圧とバルブ速度との関係を示す図。
【図5】筒内圧とバルブの最大速度との関係を示す図。
【図6】バルブの目標速度と実速度との偏差に応じてゲ
インを設定するための図。
【図7】位置X(Tk+1)での電磁力と電流との関係を
示し、目標速度と実速度とのエネルギ偏差に対応した電
磁力による補正後の電磁力に対応した電流値を算出する
ことを説明する図。
【図8】ギャップ長毎に所定の電圧を印加したときに、
電流の時間変化を示す図。
【図9】ギャップ長毎に所定の電圧を印加したときに発
生する電磁力の時間変化を示す図。
【図10】ギャップ長毎に電流増加時の電流−電磁力の
特性を示す図。
【図11】ギャップ長毎に電流減少時の電流−電磁力の
特性を示す図。
【図12】本発明の制御を示すフローチャート。
【図13】本発明の制御を適用したときのタイムチャー
ト。
【図14】第2の実施の形態における外乱吸収モードの
フローチャート。
【図15】本発明のリフト位置に応じたソレノイドへの
通電量を設定する基本電流マップ図。
【符号の説明】
1…バルブ、 1a…バルブシート、 2…バルブガイド、 3…可動子、 4…アッパコア、 5…アッパコイル、 6…ロアコア、 7…ロアコイル、 8…スペーサ、 9…アッパスプリング、 10…ロアスプリング、 11…ハウジング、 12…センサ、 13…制御装置、 14…命令入力、 15…振動発信器、 16…スイッチ、 17…増幅器、 18…エネルギ源、 19…プランジャ、 20…エンジンヘッド、 21…吸気口、 22…弁体、 23…ステム、 24…スプリングストッパ、 25…筒状ハウジング、 26…可動子、 27…スプリングストッパ、 28…ハウジング。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01F 7/18 H01F 7/16 R Fターム(参考) 3G018 AB09 AB16 BA38 CA12 DA41 DA45 DA70 EA02 EA11 EA18 EA19 EA20 EA22 EA24 EA26 EA31 EA35 FA01 FA06 FA07 GA02 GA03 GA14 GA18 GA36 GA38 3G092 AA01 AA11 AB02 BB06 DA03 DA07 DF05 DG09 EA01 EA11 EC02 EC09 FA06 FA09 FA11 FA12 HA01Z HA03Z HA13Z HB01Z HC01Z 3G301 HA01 HA02 HA19 JA03 JA20 LC01 NB20 NC02 ND02 PE10Z 5E048 AB01 AD07

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 バルブと一体に閉弁方向または開弁方向
    に移動するロッドと、該ロッド周りに一体に設けられる
    アーマチャと、前記バルブを閉弁方向に付勢する閉弁側
    のばねおよび開弁方向に付勢する開弁側のばねと、前記
    アーマチャの一方の端面側に所定間隔をおいて設けられ
    前記アーマチャを吸引して前記バルブの閉弁を保持する
    閉弁用のソレノイドと、前記アーマチャの他方の端面側
    に所定間隔をおいて設けられ前記アーマチャを吸収して
    前記バルブの開弁を保持する開弁用ソレノイドと、前記
    開弁用のソレノイドおよび前記閉弁用のソレノイドを基
    本通電制御する基本通電制御手段とを備える電磁式弁駆
    動装置において、 前記アーマチャの速度を検出する速度検出手段と、 前記速度検出手段により検出される前記アーマチャの速
    度又は、前記アーマチャの所定の目標速度と、前記アー
    マチャの実速度との偏差に基づいて、燃焼残圧などの前
    記アーマチャに対する外乱を推定する外乱推定手段と、 前記外乱推定手段により推定される燃焼残圧などの外乱
    に基づいて前記目標速度を再設定する目標速度再設定手
    段と、 前記目標速度再設定手段により再設定される目標速度に
    基づいて前記基本通電制御手段による前記ソレノイドへ
    の基本通電量を補正する第1の通電補正手段とを備える
    ことを特徴とする内燃機関の電磁式弁駆動装置。
  2. 【請求項2】 前記アーマチャの位置を検出する位置検
    出手段を備え、 前記外乱推定手段は、前記位置検出手段により検出され
    る前記アーマチャの位置が前記アーマチャが摺動運動可
    能な範囲の略中間位置付近での前記目標速度と前記速度
    検出手段により検出される前記アーマチャとの速度に基
    づいて前記燃焼残圧などの外乱を推定することを特徴と
    する請求項1に記載の内燃機関の電磁式弁駆動装置。
  3. 【請求項3】 前記第1の通電補正手段は、前記目標速
    度再設定手段により設定された目標速度と前記速度検出
    手段により検出される前記アーマチャの速度との偏差に
    基づいて前記基本通電制御手段による前記ソレノイドへ
    の基本通電量を補正することを備えることを特徴とする
    請求項1または請求項2のいずれか一方に記載の内燃機
    関の電磁式弁駆動装置。
  4. 【請求項4】 前記目標速度再設定手段により設定され
    た目標速度と前記速度検出手段により検出される前記ア
    ーマチャの速度とのエネルギ偏差に基づいて、前記エネ
    ルギ偏差に相当する電磁力を算出する補償電磁力算出手
    段を備え、 前記通電補正手段は、前記補償電磁力算出手段により算
    出される電磁力に基づいて前記基本通電制御手段による
    前記ソレノイドへの基本通電量を補正することを特徴と
    する請求項3に記載の内燃機関の電磁式弁駆動装置。
  5. 【請求項5】 前記補償電磁力算出手段により算出され
    る電磁力を発生させるのに必要な補償電流を算出する補
    償電流算出手段を備え、 前記補償電流算出手段により算出される補償電流は、電
    磁力の特性を考慮した物理モデルにより求められること
    を特徴とする請求項4に記載の内燃機関の電磁式弁駆動
    装置。
  6. 【請求項6】 前記補償電流と前記電磁力との特性をマ
    ップ化することを特徴とする請求項5に記載の内燃機関
    の電磁式弁駆動装置。
  7. 【請求項7】 前記アーマチャの位置が前記ソレノイド
    付近になったときには、前記目標速度再設定手段により
    設定された目標速度と前記速度検出手段により検出され
    る前記アーマチャの速度との偏差に基づくゲインを設定
    して前記ソレノイドへの基本通電量を補正する第2の通
    電補正手段を備えることを特徴とする請求項1乃至請求
    項6のいずれか一つに記載の内燃機関の電磁式弁駆動装
    置。
  8. 【請求項8】 前記電磁式弁駆動装置は、内燃機関の吸
    気弁および/または排気弁に設けられることを特徴とす
    る請求項1乃至請求項7のいずれか一つに記載の内燃機
    関の電磁式弁駆動装置。
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