JP2000170952A - 電磁駆動装置 - Google Patents

電磁駆動装置

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JP2000170952A JP10347405A JP34740598A JP2000170952A JP 2000170952 A JP2000170952 A JP 2000170952A JP 10347405 A JP10347405 A JP 10347405A JP 34740598 A JP34740598 A JP 34740598A JP 2000170952 A JP2000170952 A JP 2000170952A
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    • F01LCYCLICALLY OPERATING VALVES FOR MACHINES OR ENGINES
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    • F01L9/20Valve-gear or valve arrangements actuated non-mechanically by electric means

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、内燃機関の電磁駆動装置に関し、
永久磁石による省電力化を図りつつ、応答性の低下を防
止することを目的とする。 【解決手段】 電磁駆動装置100は、弁体12と連動
するアーマチャ38、及び、アーマチャ38の上下に配
設されたアッパコア40及びロアコア42を備える。ア
ッパコア40及びロアコア42には、それぞれ、アッパ
コイル48及びロアコイル50が保持されると共に、ア
ーマチャ38を全閉位置及び全開位置に保持するアッパ
磁石56及びロア磁石58が設けられる。アーマチャ3
8をアッパコア40又はロアコア42から開放させる
際、対応するアッパコイル48又はロアコイル50に、
アッパ磁石56又はロア磁石58の磁束を打ち消すよう
な開放電流を供給する。開放電流の供給はアーマチャ3
8が変位を開始した後まで継続する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電磁駆動装置に係
り、特に、電磁石が発する電磁力とバネが発するバネ力
とを協働させることにより弁体を開閉駆動する電磁駆動
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば、特開平7−3354
37号に開示される如く、電磁駆動弁が知られている。
電磁駆動弁は、軸方向に変位可能に保持された弁体、弁
体と共に変位するアーマチャ、アーマチャを中立位置に
付勢する一対のバネ、及び、アーマチャの両側に配設さ
れた一対の電磁石を備えている。この電磁駆動弁におい
て、電磁石に励磁電流が供給されると、アーマチャには
電磁石に向かう電磁力が作用する。従って、上記従来の
電磁駆動弁によれば、一対の電磁石に交互に励磁電流を
供給することにより、弁体を開閉駆動することができ
る。
【0003】上記電磁駆動弁において、電磁駆動弁の省
電力化を図る観点から、電磁石を構成するコアの内部に
永久磁石を設けることが考えられる。コア内に永久磁石
が設けられると、この永久磁石が発する磁束によりアー
マチャと電磁石との間に磁気吸引力が作用する。この磁
気吸引力の分だけ、アーマチャを電磁石に吸引及び保持
するのに必要な通電量が低減されることで、電磁駆動弁
の消費電力を抑制することが可能となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、コア内に永久
磁石を設ける構成において、アーマチャを電磁石から開
放させる場合には、永久磁石によりアーマチャと電磁石
との間に作用する磁気吸引力が、アーマチャの変位を妨
げる向きに作用することになる。このため、弁体が一方
の変位端から他方の変位端へ変位するまでの時間が長く
なり、応答性が低下してしまう。
【0005】本発明は、上述の点に鑑みてなされたもの
であり、電磁石に永久磁石を設けることにより省電力化
を図りつつ、弁体変位の応答性を向上することが可能な
電磁駆動装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、請求項1
に記載する如く、弁体と、該弁体と連動するアーマチャ
と、該アーマチャに開弁方向及び閉弁方向の電磁力をそ
れぞれ付与する一対の電磁石と、前記アーマチャを前記
一対の電磁石の間の中立位置に向けて付勢する一対のス
プリングと、前記アーマチャが前記電磁石の少なくとも
一方の近傍に達した際に該電磁石と前記アーマチャとの
間に磁気吸引力を作用させる永久磁石と、を備える電磁
駆動装置であって前記アーマチャが前記少なくとも一方
の電磁石から開放される際に、該電磁石に、前記永久磁
石の磁束とは逆方向の磁束を発生させる向きの開放電流
を供給する制御手段を設けた電磁駆動装置により達成さ
れる。
【0007】請求項1記載の発明において、電磁駆動装
置は、アーマチャが少なくとも一方の電磁石(以下、助
勢付き電磁石と称す)の近傍に達した際に、この電磁石
とアーマチャとの間に磁気吸引力を作用させる永久磁石
を備える。このため、アーマチャを助勢付き電磁石に吸
引するために助勢付き電磁石に供給すべき励磁電流を低
減できる。一方、アーマチャを助勢付き電磁石から開放
する場合には、永久磁石による磁気吸引力は、アーマチ
ャの変位を妨げる向きに作用する。請求項1記載の発明
によれば、制御手段は、アーマチャが助勢付き電磁石か
ら開放される際に、この電磁石に永久磁石の磁束とは逆
方向の磁束を発生させる向きの開放電流を供給する。こ
のため、アーマチャの変位を妨げる向きの磁気吸引力が
低減されることで、弁体が一方の変位端から他方の変位
端へ変位するのに要する時間(以下、バルブ遷移時間と
称す)が短縮され、弁体の応答性が向上する。
【0008】また、上記の目的は、請求項2に記載する
如く、請求項1記載の電磁駆動装置において、前記弁体
は内燃機関の吸気弁又は排気弁として機能し、前記制御
手段は、前記内燃機関の運転状態に応じて、前記開放電
流の通電量を制御する電磁駆動装置により達成される。
【0009】請求項2記載の発明において、開放電流の
通電量が大きくなるほど、永久磁石による磁気吸引力が
低減される度合いが増加することで、バルブ遷移時間は
短くなる。また、開放電流の通電量が大きくなると、開
放電流に伴う消費電力は増加するのに対して、アーマチ
ャを他方の電磁石に吸引するためにその電磁石に供給す
べき吸引電流は小さくなる。このため、電磁駆動弁の消
費電力を最小とする開放電流の通電量は、開放電流に伴
う消費電力と、吸引電流に伴う消費電力との均衡で定ま
る値となる。すなわち、最適なバルブ遷移時間を実現す
る開放電流の通電量と、消費電力を最小とする開放電流
の通電量とは一致しない。従って、請求項2記載の発明
によれば、制御手段が内燃機関の運転状態に応じて開放
電流の通電量を制御することにより、内燃機関の運転状
態により要求されるバルブ遷移時間を実現しつつ電磁駆
動装置の省電力化を図ることができる。
【0010】また、上記の目的は、請求項3に記載する
如く、請求項1又は2記載の電磁駆動装置において、前
記弁体は内燃機関の排気弁として機能し、前記永久磁石
を、前記アーマチャに開弁方向の電磁力を付与する電磁
石にのみ対応して設けた電磁駆動装置により達成され
る。
【0011】請求項3記載の発明において、弁体は内燃
機関の排気弁として機能する。弁体を開弁させるには、
高い燃焼残圧に対抗すべく、アーマチャに大きな開弁方
向の電磁力を付与することが必要である。請求項3記載
の発明によれば、アーマチャに開弁方向の電磁力を付与
する電磁石(以下、開弁用電磁石と称す)にのみ対応し
て永久磁石が設けられることで、弁体を開弁させる際の
消費電力が低減される。また、アーマチャに閉弁方向の
電磁力を付与する電磁石(以下、閉弁用電磁石と称す)
については永久磁石が設けられないので、アーマチャを
閉弁用電磁石から開放させる際に、アーマチャにその変
位を妨げる向きの磁気吸引力が作用するのを防止でき
る。このため、弁体を開弁させる場合のバルブ遷移時間
を短縮することができる。更に、開弁用電磁石の消費電
力が低減されることで、開弁用電磁石及び閉弁用電磁石
の発熱量が均衡化される。
【0012】また、上記の目的は、請求項4に記載する
如く、請求項1又は2記載の電磁駆動装置において、前
記弁体は内燃機関の吸気弁として機能し、前記永久磁石
を、前記アーマチャに閉弁方向の電磁力を付与する電磁
石にのみ対応して設けた電磁駆動装置により達成され
る。
【0013】請求項4記載の発明において、弁体は内燃
機関の吸気弁として機能する。内燃機関の吸気弁におい
ては、全閉位置に保持される時間が長いため、弁体を全
閉位置に保持するための消費電力が全消費電力の中で大
きな割合を占める。請求項4記載の発明によれば、閉弁
用電磁石にのみ永久磁石が設けられるので、弁体を全閉
位置に保持するための消費電力が低減される。すなわ
ち、全消費電力の中で比較的大きな割合を占める閉弁用
電磁石の消費電力が低減されることで、閉弁用電磁石及
び開弁用電磁石の消費電力が均衡化される。また、開弁
用電磁石に永久磁石が設けられないため、アーマチャを
開弁用電磁石から開放させる際に、アーマチャにその変
位を妨げる向きの磁気吸引力が作用するのを防止でき
る。このため、弁体を閉弁させる場合のバルブ遷移時間
を短縮することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】図1は本発明の一実施例である電
磁駆動装置100の構成図である。図1に示す如く、電
磁駆動装置100は弁体12を備えている。本実施例に
おいて、弁体12は内燃機関の吸気弁又は排気弁として
機能する。弁体12は、内燃機関の燃焼室14内に露出
するようにシリンダヘッド16に配設されている。シリ
ンダヘッド16には弁体12に対する弁座18が形成さ
れている。弁体12は、弁座18から離座することによ
り開弁状態となり、また、弁座18に着座することによ
り閉弁状態となる。
【0015】弁体12には図1における上方に延びる弁
軸20が固定されている。弁軸20は、バルブガイド2
2により軸方向に摺動可能に保持されている。バルブガ
イド22はシリンダヘッド16に固定されている。弁軸
20の上端部にはロアリテーナ26が固定されている。
ロアリテーナ26とシリンダヘッド16に設けられたス
プリング保持面16aとの間には、両者を離間させる向
きの付勢力を発生するロアスプリング28が配設されて
いる。ロアスプリング28はロアリテーナ26を介して
弁軸20及び弁体12を上向き、すなわち、弁体12の
閉弁方向に付勢している。
【0016】弁軸20の上端面には、アーマチャシャフ
ト30の下端面が当接している。アーマチャシャフト3
0はロッド状に形成された非磁性部材である。また、ア
ーマチャシャフト30の上端部には、アッパリテーナ3
2が固定されている。アッパリテーナ32の上部には、
アッパスプリング34の下端部が当接している。アッパ
スプリング34の上端部は、シリンダヘッド16に保持
されたアッパキャップ36に当接している。アッパスプ
リング34はアッパリテーナ32を介してアーマチャシ
ャフト30を下向きに付勢している。従って、アッパス
プリング34は弁軸20及び弁体12を下向き、すなわ
ち、弁体12の開弁方向に付勢している。
【0017】アーマチャシャフト30の軸方向中間部の
外周面には、アーマチャ38が接合されている。アーマ
チャ38は軟磁性材料から構成された円盤状の部材であ
る。アーマチャ38の上方にはアッパコア40が配設さ
れている。また、アーマチャ38の下方にはロアコア4
2が配設されている。アーマチャシャフト30は、アッ
パコア40及びロアコア42の中央部を貫通し、その貫
通穴に設けられたブッシュ44、46により軸方向に摺
動可能に保持されている。
【0018】アッパコア40及びロアコア42のアーマ
チャ38と対向する側の面には、それぞれ、環状溝40
a及び42aが設けられている。環状溝40a及び42
aには、それぞれ、アッパコイル48及びロアコイル5
0が収容されている。アッパコイル48及びロアコイル
50は駆動回路52に接続されている。駆動回路52に
は、電子制御ユニット(以下、ECUと称す)54から
供給される制御信号に応じて、アッパコイル48及びロ
アコイル50に所定の指令電流を供給する。
【0019】ECU54には、回転数センサ55が接続
されている。回転数センサ55は内燃機関の回転数(以
下、機関回転数NEと称す)に応じた信号をECU54
に向けて出力する。ECU54は回転数センサ55の出
力信号に基づいて機関回転数NEを検出する。アッパコ
ア40は、その上底面から環状溝40aの底面へ至る環
状スリット40bを備えている。同様に、ロアコア42
は、その下底面から環状溝42aの底面へ至る環状スリ
ット42bを備えている。環状スリット40b、42b
には、それぞれ、アッパ磁石56及びロア磁石58が収
容されている。アッパ磁石56及びロア磁石58は環状
に形成された永久磁石である。
【0020】アッパ磁石56及びロア磁石58は、それ
らの発する磁束がアーマチャ38を互いに逆方向に通る
ように、径方向に(例えば、アッパ磁石56については
内径側がS極、外径側がN極となるように、また、ロア
磁石58については内径側がN極、外径側がS極となる
ように)着磁されている。アッパ磁石56及びロア磁石
58の発する磁束がアーマチャ38を互いに逆方向に通
ることで、アーマチャ38における磁束の集中が軽減さ
れ、これにより、渦電流に伴う電力損失が小さく抑制さ
れている。
【0021】次に、電磁駆動装置100の動作について
説明する。電磁駆動装置100において、アーマチャ3
8がアッパコア40に当接した状態では、アッパ磁石5
6が発する磁束がアッパコア40とアーマチャ38との
間を循環することで、アーマチャ38とアッパコア40
との間に磁気吸引力が作用する。アッパ磁石56は、こ
の磁気吸引力が、アッパスプリング34の付勢力に抗し
てアーマチャ38とアッパコア40とが当接した状態を
維持するのに十分な大きさとなるように着磁されてい
る。このため、アッパコイル48に通電されることな
く、アーマチャ38がアッパコア40に当接した状態が
維持される。この状態では、弁体12は弁座18に着座
する。以下、アーマチャ38がアッパコア40に当接し
た位置を、アーマチャ38又は弁体12の全閉位置と称
す。
【0022】アーマチャ38が全閉位置に維持されてい
る状態で、アッパ磁石56が発する磁束を打ち消すよう
な磁束を生じさせる指令電流がアッパコイル48に供給
されると、アーマチャ38とアッパコア40との間に作
用していた磁気吸引力がアッパスプリング34の付勢力
より小さくなる。このため、アーマチャ38は、アッパ
スプリング34に付勢されることにより図1における下
方へ向けて変位する。アーマチャ38の変位量が所定値
に達した時点で、ロア磁石58が発する磁束と同方向の
磁束を生じさせる方向の指令電流がロアコイル50に供
給されると、今度はアーマチャ38をロアコア42側へ
吸引する吸引力、すなわち、弁体12を図1において下
方へ変位させる吸引力が発生する。
【0023】アーマチャ38に対して上記の吸引力が作
用すると、アーマチャ38は、弁体12と共に、ロアス
プリング28の付勢力に抗して図1における下方へ向け
て変位する。この際、上記の如く、ロアコイル50が発
する磁束とロア磁石58が発する磁束とが同方向とされ
ていることで、アーマチャ38がロアロア50の近傍に
達すると、磁石58が発する磁束の分だけ、アーマチャ
38を下方に変位させる吸引力が増加する。弁体12の
変位は、アーマチャ38がロアコア42と当接するまで
継続する。以下、アーマチャ38がロアコア42に当接
した位置を、アーマチャ38又は弁体12の全開位置と
称す。
【0024】アーマチャ38が全開位置に達した時点
で、ロアコイル50への通電が停止されると、ロアコイ
ル50による吸引力は消滅し、ロア磁石58が発する磁
束による磁気吸引力のみがアーマチャ38とロアコア4
2との間に作用する。ロア磁石58は、この磁気吸引力
が、ロアスプリング28の付勢力に抗してアーマチャ3
8とロアコア42とが当接した状態を維持するのに十分
な大きさとなるように着磁されている。このため、ロア
コイル50への通電が停止された後も、弁体12及びア
ーマチャ38は全開位置に維持される。
【0025】アーマチャ38及び弁体12が全開位置に
維持されている状態で、ロア磁石58の磁束を打ち消す
ような磁束を生じさせる方向の指令電流がロアコイル5
0に供給されると、アーマチャ38とロアコア42との
間に作用する吸引力は、ロアスプリング28の付勢力よ
り小さくなる。このため、アーマチャ38はロアスプリ
ング28に付勢されることにより、図1における上方へ
向けて変位する。アーマチャ38の変位量が所定値に達
した時点で、アッパ磁石56が発する磁束と同方向の磁
束を生じさせる方向の指令電流がアッパコイル48に供
給されると、今度はアーマチャ38をアッパコア40側
へ吸引する吸引力、すなわち、弁体12を図2において
上方へ変位させる吸引力が発生する。
【0026】アーマチャ38に対して上記の吸引力が作
用すると、アーマチャ38は、弁体12と共に、アッパ
スプリング34の付勢力に抗して図1における上方へ向
けて変位する。この際、上記の如く、アッパコイル48
が発する磁束とアッパ磁石56が発する磁束とが同方向
とされていることで、アーマチャ38がアッパコア40
の近傍に達すると、アッパ磁石56が発する磁束の分だ
け、アーマチャ38を上方に変位させる吸引力が増加す
る。弁体12の変位は、アーマチャ38がアッパコア4
0と当接するまで、すなわち、全閉位置に達するまで継
続する。そして、上記の如く、アッパコイル48への通
電が停止されると、弁体12及びアーマチャ38は全閉
位置に保持される。
【0027】このように、電磁駆動装置100によれ
ば、アッパコイル48及びロアコイル50に吸引電流及
び開放電流を供給することにより、弁体12を全開位置
と全閉位置との間で変位させることができる。なお、電
磁駆動装置100は、弁体12及びアーマチャ38が全
閉位置に保持された状態、すなわち、弁体12が弁座1
8に着座し、かつ、アーマチャ38がアッパコア40に
当接した状態で、アーマチャシャフト30と弁軸20と
の間に隙間(タペットクリアランス)が生ずるように構
成されている。かかるタペットクリアランスにより、シ
リンダヘッド16と弁軸20との熱膨張差や、弁座18
と弁体12の着座面の摩耗等に起因する弁軸20とアー
マチャシャフト30との相対位置の変化が吸収される。
【0028】以下の記載において、アーマチャ38を全
閉位置又は全開位置から開放すべくアッパコイル48又
はロアコイル50に供給される指令電流(すなわち、ア
ッパ磁石56又はロア磁石58が発する磁束を打ち消す
ような磁束を生じさせる指令電流)を開放電流と称し、
また、アーマチャ38を全閉位置又は全開位置に向けて
吸引すべくアッパコイル48又はロアコイル50に供給
される指令電流(すなわち、アッパ磁石56又はロア磁
石58が発する磁束と同方向の磁束を生じさせる方向の
指令電流)を吸引電流と称す。
【0029】上述の如く、本実施例では、アッパ磁石5
6及びロア磁石58が発する磁気吸引力によりアッパコ
イル48及びロアコイル50に通電することなく、アー
マチャ38を全開位置又は全閉位置に保持することがで
きる。また、アッパ磁石56及びロア磁石58が発する
磁気吸引力が、アーマチャ38を全閉位置又は全開位置
へ向けて変位させる際にアーマチャ38へ作用すること
で、アッパコイル48及びロアコイル50へ供給すべき
吸引電流が小さく抑制される。このように、本実施例で
は、アッパ磁石56及びロア磁石58が設けられている
ことにより、アーマチャ38を全開位置又は全閉位置に
保持するための電流が不要となり、かつ、吸引電流も抑
制されることで、電磁駆動装置100の省電力化が図ら
れる。
【0030】しかしながら、弁体12が全閉位置又は全
開位置から変位を開始する際には、それぞれアッパ磁石
56又はロア磁石58による磁気吸引力はアーマチャ3
8の変位を妨げる向きに作用する。このため、単にアッ
パ磁石56及びロア磁石58を設けることのみでは、弁
体12が全閉位置と全開位置との間を変位するのに要す
る時間、すなわち、バルブ遷移時間が増大し、弁体12
の変位の応答性が低下してしまう。
【0031】これに対して、本実施例では、上述の如
く、弁体12を全閉位置又は全開位置から変位させる際
にアッパコイル48又はロアコイル50に開放電流を供
給することにより、アッパ磁石56及びロア磁石58に
よる磁気吸引力は速やかに打ち消される。従って、本実
施例によれば、アーマチャ38にその変位を妨げる向き
の吸引力が作用するのを防止することができ、これによ
り、弁体12を高い応答性で全閉位置又は全開位置から
変位させることができる。
【0032】図2は、弁体12を例えば全閉位置から全
開位置まで変位させる場合の、(A)弁体12の変位波
形、(B)アッパコイル48に供給する開放電流の波
形、(C)アッパ磁石56によりアーマチャ38に作用
する磁気力の時間変化、及び(D)アッパコイル48に
供給される開放電流によりアーマチャ38に作用する電
磁力の時間変化をそれぞれ示す。図2(A)に示す如
く、時刻t1において、弁体12が全閉位置から変位を
開始し、アーマチャ38がアッパコア40から開放され
た後も、アーマチャ38とアッパコア40との間にはア
ッパ磁石56による磁気吸引力が作用し続ける。
【0033】そこで、本実施例では、図2(B)及び
(C)に示す如く、弁体12が全閉位置から変位を開始
した後も、アッパ磁石56によりアーマチャ38とアッ
パコア40との間に作用する磁気吸引力が十分に小さく
なる程度にアーマチャ38がアッパコア40から離間す
る時刻t2まで、アッパコイル48への開放電流の供給
を継続することとしている。この場合、図2(C)及び
(D)からわかるように、アッパ磁石56による磁気吸
引力は、アッパコイル48による電磁吸引力によりほぼ
相殺され、弁体12を高い応答性で全閉位置から全開位
置まで変位させることができる。同様に、弁体12を全
開位置から変位させる場合にも、アーマチャ38がロア
コア42から開放された後もロアコイル50への開放電
流を供給を継続することにより、弁体12を高い応答性
で全開位置から全閉位置まで変位させることができる。
【0034】上述の如く、本実施例では、アーマチャ3
8が全閉位置又は全開位置から変位する際に、アーマチ
ャ38にその変位を妨げる向きの吸引力が作用するのを
防止することができる。従って、本実施例の電磁駆動装
置100によれば、弁体12を高い応答性で変位させる
こと、すなわち、バルブ遷移時間を短縮することができ
る。また、アッパ磁石56又はロア磁石58による磁気
吸引力によりアーマチャ38の運動エネルギーが失われ
ることが防止されるので、その損失分を補償すべく反対
側のロアコイル50又はアッパコイル48に供給する吸
引電流を増加させることが不要となる。この点で、本実
施例によれば、電磁駆動装置100の省電力化を図るこ
ともできる。
【0035】ところで、上記した開放電流の通電量(以
下、開放電流通電量と称す)を変化させると、弁体12
のバルブ遷移時間、及び、電磁駆動装置100の消費電
力も変化する。図3は、開放電流通電量と、バルブ遷移
時間及び電磁駆動装置100の消費電力との関係を、そ
れぞれ実線及び破線で示す。なお、開放電流通電量は、
開放電流の時間積分値に相当する値であり、開放電流を
供給する時間長及び開放電流の大きさの何れか一方又は
双方が変化すると、開放電流通電量も変化する。
【0036】開放電流の通電量が大きくなるほど、アッ
パ磁石56又はロア磁石58によりアーマチャ38に作
用する磁気吸引力は大きな度合いで打ち消される。この
ため。図3に実線で示す如く、開放電流通電量の増加に
応じて、バルブ遷移時間は減少する。また、電磁駆動装
置100の消費電力については、例えばアッパコイル4
8に対する開放電流通電量が増加すると、開放電流に伴
う消費電力は増加する。この場合、上述の如く、アッパ
磁石56によりアーマチャ38に作用する電磁吸引力が
大きな度合いで打ち消されることで、ロアコイル50に
供給すべき吸引電流は小さくなり、ロアコイル50への
吸引電流に伴う消費電力は減少する。同様に、ロアコイ
ル50に対する開放電流通電量が増加すると、開放電流
に伴う消費電力は増加するのに対して、アッパコイル4
8への吸引電流に伴う消費電力は減少する。すなわち、
開放電流通電量の変化に対して、開放電流に伴う消費電
力と吸引電力に伴う消費電力とが逆方向に増減するた
め、図3に破線で示す如く、電磁駆動装置100の消費
電力は、開放電流通電量のある値Mにおいて極小となる
ような変化を示す。
【0037】このように、開放電流通電量に応じて、バ
ルブ遷移時間及び電磁駆動装置100の消費電力は変化
する。従って、例えば、機関回転数NEが所定回転数を
越えるような内燃機関の高回転運転時には、開放電流通
電量を大きく設定してバルブ遷移時間を短くすることに
より、弁体12の応答性を確保することができる。ま
た、機関回転数NEが所定回転数以下となるような内燃
機関の低回転運転時には、弁体12の高い応答性は要求
されないため、開放電流通電量を上記の値Mに設定する
ことにより、電磁駆動装置100の省電力化を図ること
ができる。
【0038】なお、上述の如く、開放電流通電量は開放
電流の時間積分値に相当する値であり、開放電流の電流
値及び開放電流の通電時間の一方又は双方を変化させる
ことにより、開放電流通電量を変化させることができ
る。以上説明したように、本実施例によれば、アーマチ
ャ38を全閉位置又は全開位置から変位させる際に、ア
ッパコイル48又はロアコイル50に開放電流を供給す
ることで、弁体12の変位の応答性を向上させることが
できる。その際、弁体12が全閉位置又は全開位置から
変位を開始した後も、開放電流を供給し続けることによ
り、弁体12の応答性の更なる向上を図ることができ
る。また、上述の如く、本実施例によれば、開放電流通
電量に応じてバルブ遷移時間及び電磁駆動装置100の
消費電力を変化させることができる。従って、本実施例
によれば、内燃機関の運転状態に基づいて開放電流通電
量を変化させることのみで、高回転運転時には弁体12
の高い応答性を実現すると共に、低回転運転時には電磁
駆動装置100の省電力化を図ることができる。
【0039】次に、本発明の第2実施例について説明す
る。図4は、本実施例の電磁駆動装置200の構成図で
ある。なお、図4において、図1と同様の機能を有する
構成部分については同一の符号を付してその説明を省略
する。図4に示す如く、本実施例の電磁駆動装置200
は、上記第1実施例の電磁駆動装置100において、ア
ッパ磁石56を省略し、ロアコア42側にのみ永久磁石
(すなわち、ロア磁石58)を設けることにより実現さ
れる。電磁駆動装置200が備える弁体12は、内燃機
関の排気弁として機能する。
【0040】一般に、排気弁は燃焼室に高い燃焼残圧が
存在する状態で開弁される。このため、弁体12を開弁
させる際に、アーマチャ38に開弁方向の大きな電磁力
を付与することが必要となり、ロアコイル50に対する
吸引電流の通電量が増大する。すなわち、弁体12が排
気弁として機能する電磁駆動装置200においては、ロ
アコイル50の消費電力が電磁駆動装置200の総消費
電力に占める割合が大きくなる。
【0041】本実施例では、上述の如く、永久磁石とし
てロア磁石58のみが設けられ、アッパ磁石56が省略
されていることにより、弁体12を開弁させる際に、ア
ーマチャ38の変位を妨げる向きの磁気吸引力が作用す
ることが防止される。従って、磁気吸引力によりアーマ
チャ38及び弁体12の運動エネルギーが失われること
がないので、失われた運動エネルギーを補償すべくロア
コイル50に対する吸引電流を増加させることは不要で
ある。また、上記第1実施例の電磁駆動装置100の場
合と同様に、ロアコア42にはロア磁石58が設けられ
るため、ロア磁石58による磁気吸引力がアーマチャ3
8とロアコア42との間に作用することで、ロアコイル
50に供給すべき吸引電流は小さく抑制されている。従
って、本実施例によれば、総消費電力において大きな割
合を占めるロアコイル50の消費電力が低減されること
で、電磁駆動装置200の省電力化を有効に図ることが
可能となっている。
【0042】また、アッパ磁石56が設けられないこと
で、アーマチャ38を全閉位置から変位させるべくアッ
パコイル48に供給すべき開放電流の通電量も抑制され
る。この点においても、電磁駆動装置200の省電力化
が図られる。図5は、排気弁として機能する弁体12を
全閉位置から全開位置まで変位させる場合の、(A)弁
体12の変位波形、及び(B)アッパコイル48又はロ
アコイル50に対する指令電流の波形を、ロアコア42
にのみ永久磁石を設けた構成(すなわち、本実施例の電
磁駆動装置200)、及び、アッパコア40及びロアコ
ア42の双方に永久磁石を設けた構成(すなわち、上記
第1実施例の電磁駆動装置100と同様の構成;以下、
対比電磁弁と称す)について、それぞれ、実線及び破線
で示す。
【0043】図5(A)及び(B)に示す如く、電磁駆
動装置200によれば、弁体12が全閉位置から開弁方
向に変位する際に、アーマチャ38とアッパコア40と
の間に永久磁石による磁気吸引力が作用しないため、対
比電磁弁と比較して、高い応答性で開弁方向に変位する
と共に、アッパコイル48に供給すべき開放電流が低減
されている。また、弁体12が高い応答性で開弁方向に
変位するので、弁体12を全開位置まで変位させるべく
ロアコイル50に供給すべき吸引電流も対比駆動弁と比
較して低減されている。ただし、対比駆動弁では、アッ
パ磁石56による磁気吸引力により、アッパコイル48
に通電することなく弁体12を全閉位置に保持できるの
に対して、電磁駆動装置200では、弁体12を全閉位
置に保持するためアッパコイル48に通電することが必
要である。
【0044】図6は、電磁駆動装置200及び対比駆動
弁の消費電力を、アッパコイル48側及びロアコイル5
0側の配分と共に示す図である。図6に示す如く、本実
施例の電磁駆動装置200では、ロアコイル50側の消
費電力が低減されることにより、消費電力を小さく抑制
することが可能となっている。なお、アッパコイル48
側については、上記したように、開放電流は低減される
が、弁体12を全閉位置に保持する場合に通電すること
が必要となり、消費電力は対比電磁弁と比較して若干大
きくなる。しかしながら、上述の如く、アッパコイル4
8側に比して大きな割合を占めるロアコイル50側の消
費電力が低減されることにより、電磁駆動装置200全
体としての消費電力は小さく抑制されている。
【0045】また、電磁駆動装置200によれば、ロア
コイル50側の消費電力が低減されることで、アッパコ
イル48側及びロアコイル50側での発熱量の均衡化が
図られている。このため、電磁駆動装置200の冷却シ
ステムに要求される冷却性能を低減できると共に、その
冷却能力を一定とした場合に各コイルに通電可能な電力
量の上限値が増加することで、電磁駆動装置200を内
燃機関の高負荷・高回転運転領域まで作動させることが
できる。
【0046】更に、上記第1実施例に関連して述べたよ
うに、アッパコア40及びロアコア42にそれぞれアッ
パ磁石56及びロア磁石58を設ける場合には、渦電流
に起因する電力損失を抑制するため、アッパ磁石56及
びロア磁石58の磁束がアーマチャ38を互いに逆方向
に通るように、各磁石の着磁方向を設定することが要求
される。この場合、アッパ磁石56とロア磁石58の着
磁方向が互いに逆向きになり、また、着磁の大きさも相
違するため、構成部品として2種類の磁石が必要とな
る。これに対して、電磁駆動装置200では、ロア磁石
58のみが設けられるため、構成部品として必要な永久
磁石の種類を1種類に低減することができる。この点
で、本実施例によれば、電磁駆動装置200の低コスト
化を図ることも可能となっている。
【0047】次に、本発明の第3実施例について説明す
る。図7は、本実施例の電磁駆動装置300の構成図で
ある。なお、図7において、図1と同様の機能を有する
構成部分については同一の符号を付してその説明を省略
する。図7に示す如く、本実施例の電磁駆動装置300
は、上記第1実施例の電磁駆動装置100において、ロ
ア磁石58を省略し、アッパコア40側にのみ永久磁石
(すなわち、アッパ磁石56)を設けることにより実現
される。電磁駆動装置300が備える弁体12は、内燃
機関の吸気弁として機能する。
【0048】一般に、吸気弁は、開弁している時間より
も、全閉位置に保持されている時間の方が長い。また、
上述の如く、アーマチャ38及び弁体12が全閉位置に
保持された状態では、弁軸20とアーマチャシャフト3
0との間にタペットクリアランスが形成される。このた
め、ロアスプリング28の付勢力はアーマチャ38を全
閉位置に保持する力として寄与せず、その分だけ、弁体
12を全閉位置に保持するためにアーマチャ38に付与
すべき吸引力は増大する。一方、内燃機関の吸気弁につ
いては、排気弁と異なり、開弁時に燃焼残圧が作用する
ことはない。これらの理由により、弁体12が吸気弁と
して機能する電磁駆動装置300においては、全消費電
力の中で弁体12を全閉位置に保持するのに要する消費
電力が大きな割合を占めることになる。
【0049】本実施例の電磁駆動装置300では、アッ
パコア40にアッパ磁石56を設けることにより、弁体
12を全閉位置に保持するのに必要なアッパコイル48
への通電量が低減され、これにより、アッパコイル48
側での消費電力が抑制される。特に、内燃機関の吸入空
気量が小さい状態では一部の吸気弁を休止させて全閉位
置に保持する制御が行われるが、アッパ磁石56が設け
られることによりアッパコイル48に通電することなく
上記の制御を実現できる。一方、ロアコア42には永久
磁石が設けられないため、弁体12を開弁させる際に、
アーマチャ38とロアコア42との間に永久磁石による
磁気吸引力を作用させることはできず、その分だけ、ロ
ア磁石58を設けた場合と比較してロアコイル50側で
の消費電力は増大する。
【0050】すなわち、本実施例の電磁駆動装置300
においては、全消費電力の中で比較的大きな割合を占め
るアッパコイル48側での消費電力が抑制され、比較的
小さな割合を占めるロアコイル50側での消費電力が増
大することで、アッパコイル48側とロアコイル50側
における発熱量の均衡化が図られることになる。従っ
て、本実施例の電磁駆動装置300によれば、上記第2
実施例の電磁駆動装置200と同様に、電磁駆動装置3
00を冷却する冷却システムに要求される冷却性能を低
減できると共に、電磁駆動装置300を内燃機関の高負
荷・高回転運転領域まで作動させることができる。
【0051】また、本実施例の電磁駆動装置300で
は、ロアコア42には永久磁石が設けられないことで、
弁体12を全開位置から閉弁方向に変位させる際に、ア
ーマチャ38とロアコア42との間に永久磁石による磁
気吸引力が作用することが防止される。このため、電磁
駆動装置300によれば、弁体12を全開位置から高い
応答性で閉弁方向に変位させることができる。
【0052】更に、永久磁石としてアッパ磁石56のみ
が設けられるので、上記第2実施例の電磁駆動装置20
0と同様に、必要な永久磁石の種類を1種類に低減する
ことができる。なお、上記第1〜第3実施例において
は、アッパコイル48とアッパコア40、及び、ロアコ
イル50とロアコア42が特許請求の範囲に記載した電
磁石に、アッパ磁石56及びロア磁石58が特許請求の
範囲に記載した永久磁石に、それぞれ相当し、また、E
CU10が駆動回路52によってアッパコイル48又は
ロアコイル50に開放電流を供給することにより特許請
求の範囲に記載した制御手段が実現されている。
【0053】
【発明の効果】上述の如く、請求項1記載の発明によれ
ば、永久磁石を設けることにより電磁駆動装置の省電力
化を図りつつ、弁体を高い応答性で変位させることがで
きる。また、請求項2記載の発明によれば、内燃機関の
運転状態に応じて弁体の応答性を確保しつつ、電磁駆動
装置の省電力化を図ることができる。また、請求項3記
載の発明によれば、開弁用電磁石にのみ対応して永久磁
石を設けることにより、内燃機関の排気弁を開弁させる
のに要する消費電力を抑制して排気弁を駆動する電磁駆
動装置の省電力化を図ることができると共に、排気弁が
開弁する際の応答性の低下を防止することができる。ま
た、一対の電磁石の発熱量を均衡化できるため、電磁駆
動装置をより広い範囲で作動させることができると共
に、電磁駆動装置の冷却システムに必要とされる冷却能
力を低減することができる。更に、請求項4記載の発明
によれば、開弁用電磁石にのみ対応して永久磁石を設け
ることにより、内燃機関の吸気弁が閉弁する際の応答性
の低下を防止できる。また、一対の電磁石の発熱量を均
衡化できるため、電磁駆動装置をより広い範囲で作動さ
せることができると共に、電磁駆動装置の冷却システム
に必要とされる冷却能力を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例である電磁駆動弁の構成図
である。
【図2】図2(A)は、弁体が全閉位置から全開位置ま
で変位する場合の弁体の変位波形を示す図である。図2
(B)は、アッパコイルに供給される開放電流の波形を
示す図である。図2(C)は、アッパ磁石によりアーマ
チャに作用する磁気力の時間変化を示す図である。図2
(D)は、アッパコイルに開放電流が供給されることに
よりアーマチャに作用する電磁力の時間変化を示す図で
ある。
【図3】開放電流通電量とバルブ遷移時間及び消費電力
との関係を示す図である。
【図4】本発明の第2実施例である電磁駆動弁の構成図
である。
【図5】図5(A)は、弁体が全閉位置から全開位置ま
で変位する場合の弁体の変位波形を示す図である。図5
(B)は、アッパコイル及びロアコイルにそれぞれ供給
される開放電流及び吸引電流の波形を示す図である。
【図6】対比駆動弁及び本実施例の電磁駆動弁の消費電
力を、アッパコイル側及びロアコイル側の配分と共に示
す図である。
【図7】本発明の第3実施例である電磁駆動弁の構成図
である。
【符号の説明】
100、200、300 電磁駆動装置 12 弁体 38 アーマチャ 40 アッパコア 42 ロアコア 48 アッパコイル 50 ロアコイル 54 ECU 56 アッパ磁石 58 ロア磁石
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 浅野 昌彦 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 飯田 達雄 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 新田 彰一郎 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 Fターム(参考) 3H106 DA07 DA25 DA26 DB02 DB12 DB26 DB32 DC02 DC17 DD03 EE22 FB43 KK17 5E048 AA08 AB01 AC05 AD07

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 弁体と、該弁体と連動するアーマチャ
    と、該アーマチャに開弁方向及び閉弁方向の電磁力をそ
    れぞれ付与する一対の電磁石と、前記アーマチャを前記
    一対の電磁石の間の中立位置に向けて付勢する一対のス
    プリングと、前記アーマチャが前記電磁石の少なくとも
    一方の近傍に達した際に、該電磁石と前記アーマチャと
    の間に磁気吸引力を作用させる永久磁石と、を備える電
    磁駆動装置であって前記アーマチャが前記少なくとも一
    方の電磁石から開放される際に、該電磁石に、前記永久
    磁石の磁束とは逆方向の磁束を発生させる向きの開放電
    流を供給する制御手段を設けたことを特徴とする電磁駆
    動装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の電磁駆動装置において、 前記弁体は内燃機関の吸気弁又は排気弁として機能し、 前記制御手段は、前記内燃機関の運転状態に応じて、前
    記開放電流の通電量を制御することを特徴とする電磁駆
    動装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の電磁駆動装置にお
    いて、 前記弁体は内燃機関の排気弁として機能し、 前記永久磁石を、前記アーマチャに開弁方向の電磁力を
    付与する電磁石にのみ対応して設けたことを特徴とする
    電磁駆動装置。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2記載の電磁駆動装置にお
    いて、 前記弁体は内燃機関の吸気弁として機能し、 前記永久磁石を、前記アーマチャに閉弁方向の電磁力を
    付与する電磁石にのみ対応して設けたことを特徴とする
    電磁駆動装置。
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