JP4622260B2 - 内燃機関用の電気機械式バルブアクチュエータ及びそのようなアクチュエータを備える内燃機関 - Google Patents

Description

本発明は、内燃機関用の電気機械式バルブアクチュエータ及びそのようなアクチュエータを備える内燃機関に関する。

バルブ１１０用の電気機械式アクチュエータ１００（図１ａ）は、電気信号によりバルブ１１０の位置を制御するために、スプリング１０２及び１０４のような機械的手段と、電磁石１０６及び１０８のような電磁手段とを有する。

この目的のために、バルブ１１０のロッドが、２つの電磁石１０６及び１０８間に配置される磁気プレート１１４のロッド１１２に取り付けられる。

電磁石１０８のコイル１０９内を電流が通ると、後者（電磁石）が作動し磁気プレート１１４を引き寄せ、電磁石はプレート１１４と接触するようになる。

ロッド１１２が同時に移動することによりスプリング１０２はバルブ１１０を閉位置にすることができ、バルブ１１０のヘッドが弁座１１１に着座するようになり、シリンダ１１６の内部と外部との間のガスの行き来ができないようにする。

同様に（図示無し）、電磁石１０６のコイル１０７内を電流が流れる（電磁石１０８が非活性化される）と、電磁石１０６は活性化され、プレート１１４を引き寄せる。該プレート１１４は電磁石１０６と接触するようになり、スプリング１０４によりロッド１１２を移動させることにより、ロッド１１２はバルブ１１０に作用し後者を開位置にする。例えば、シリンダ１１６へガスを吸気又は噴射できるように、バルブのヘッドはその弁座１１１から離される。

電気機械式アクチュエータ１００が正しく機能しているときは、バルブ１１０は、切換位置と呼ばれる固定された開位置と閉位置とを往復し、この２つの位置間を過渡的に変位する。以後、この開状態又は閉状態のことを「切換状態」と呼ぶ。

アクチュエータ１５０（図１ｂ）もまた、プレート１６４を、切換位置、つまり、電磁石のうちの１つに接触した状態に保つのに必要なエネルギを減じるための磁石１６８（電磁石１５８）及び磁石１６６（電磁石１５６）を備えてもよい。

この目的のために、各磁石、例えば磁石１６６は、電磁石１５６の２つのサブエレメント１５６_ａ及び１５６_ｂの間に配置されるので、磁石１６６の磁界が電磁石により生じる磁界と組み合わされる。磁石を備える電磁石は、以後バイアスされた電磁石と呼ばれる。

本発明は、バルブの各切換時に起こる磁気プレート及び電磁石間の接触が、ノイズを発生させるということから見出されたものである。該ノイズは、一般的に、プレート及び電磁石間の接触面が増えるとその大きさも増し、この接触音は、モータ動作ノイズの大部分を占める。

本発明はまた、バイアスされた電磁石を使用することで、後者（バイアスされた電磁石）により、電磁石と関連するプレートに及ぼされる動作の範囲が増し、そのため、ストップにより生じるエアギャップの存在に関わらず、アクチュエータの電力供給が少なくても電磁石によるプレートの制御が得られるということからも見出される。

よって、本発明は、内燃機関用の電気機械式バルブアクチュエータに関するものである。該電気機械式バルブアクチュエータは、電磁石と、この電磁石の一部と接触するための可動磁気プレートとを有し、少なくとも１つのストップが電磁石上又はプレート上に配置されることによりプレート及び電磁石間の接触面を制限し、電磁石は、その磁気回路に磁石を有することを特徴とする。

よって、本発明は、プレート及び電磁石間の接触面を減じ、結果としてエンジンの動作音を減じることを可能にする一方で、磁石を用いることにより、ストップにより生じるエアギャップを補償することを可能にする。

実際、この音の面での改善は、様々な利益、中でも、乗客の快適性に関する利益をもたらす。その一方で、ストップにより生じる更なるエアギャップの存在による電磁石の電力消費量の増加は、電磁石の範囲を増加させる磁石の存在により補償される。

１つの実施形態によると、ストップは、実質的に電磁石の表面の中心に配置される。

１つの実施形態において、ストップは、プレートの平行移動軸と共線的な軸上に配置される。

１つの実施形態によると、複数のストップが電磁石及び／又はプレート上に配置され、それらはプレートの平行移動軸に対して対称に配列される。

１つの実施形態において、電磁石は３つの分岐を有するＥ字形状の支持体により形成され、ストップは、支持体の分岐のうちの１つの端に配置される。

１つの実施形態によると、電磁石及びプレートが相互に接触しているとき、ストップは、電磁石の支持体の各端分岐（end branch）及びプレート間のエアギャップを保つ。

１つの実施形態において、磁石は、支持体の分岐のうちの１つの表面に、磁気プレートの反対側に配置される。

１つの実施形態によると、２つの磁石が支持体の表面に配置され、ストップは、これら２つの磁石の間に固定される。

１つの実施形態において、ストップは磁気材料により作られる。

１つの実施形態によると、ストップは、例えばエラストマ型材料等の弾性材料で作られる。

本発明はまた、電気機械式バルブアクチュエータを備える内燃機関にも関する。該電気機械式バルブアクチュエータは、電磁石と、その電磁石と接触する可動磁気プレートとを有する。本発明によると、そのようなエンジンのアクチュエータは、以下に詳述されるアクチュエータの実施形態のうちの１つによるものである。

本発明のその他の特徴及び利点は、添付図面に関連して、限定しない例として以下に示される説明において明らかにされる。

既に詳述されるように、図１ａ及び１ｂは従来の電気機械式アクチュエータを示す。

図２は、バイアスされた電磁石及びバイアスされていない電磁石により、磁気プレートに及ぼされる異なる動作を示す図である。

図３ａ、３ｂ、４ａ、４ｂ、５ａ、そして５ｂは、本発明の様々な変更例を示す。

以下に詳述される本発明の詳細は、バイアスされた電磁石に関する。そのようなバイアスされた電磁石は、図２に示されるように、実際、バイアスされていない電磁石と比べて、磁気プレート及び電磁石間のエアギャップの変化による影響が少ない動作を及ぼすという利点を提供する。

この図２は、当該電磁石をプレートから離しているエアギャップｅの機能として、活性のバイアスされた電磁石（曲線２０２）（つまり自身のコイルにより磁界を生じさせる電磁石）又は非活性の電磁石（曲線２０４）、及びバイアスされていない電磁石（曲線２０６）が、磁気プレートに及ぼす吸引力（縦軸２００、単位Ｎ／ｍ）を示す。

バイアスされた電磁石により及ぼされる動作の範囲（曲線２０２）は、バイアスされていない電磁石により及ぼされる動作の範囲より大きいことが見てとれる。より具体的には、３ｍｍのエアギャップを有するバイアスされた電磁石により磁気プレートに及ぼされる動作は、１．７ｍｍのエアギャップを有するバイアスされていない電磁石により及ぼされる動作と等しい。

図３ａ及び３ｂは、本発明による電磁石式アクチュエータ３００の第１の実施形態を上面（図３ａ）及び側面（図３ｂ）から見た図である。

電磁石３０１の支持体３０４及びプレート３０６間のエアギャップを保つための単一ストップＢ_３００が、本第１の実施形態において、支持体３０４上で、同一の表面に配置される２つの磁石３０２の間に配置される。

図３ｂに示されるように、プレート３０６及び支持体のこれら分岐Ｅ_３００の表面の間のギャップｅが制限されることに対応して支持体３０４の端分岐Ｅ_３００が制限される。

よって、プレート３０６がストップＢ_３００と接触するとき、これら分岐Ｅ_３００とは接触しないため、プレート３０６及び支持体３０４間の接触面が制限される。

磁石３０２を衝撃から保護するため、これら磁石及びプレート３０６の間にもエアギャップが保たれなければならないことにも注目するべきだろう。

本実施形態において、接触点としての働きをするストップは、更なるエアギャップを発生させないように磁気材料でできている。

しかし、１つの変更例においては、ストップはエラストマ材料で作られる。それは、プレート及びストップ間の接触時のエネルギを吸収し、発生音を制限するためである。

図４ａ（上面図）及び図４ｂ（正面図）は、本発明の第２の変更例を示す。該変更例では、４つのストップＢ_４００がアクチュエータ４００の電磁石４０１の支持体４０４の表面上に配置される。

多数のストップを用いることは、プレート４０６の表面及び支持体４０４の表面が相互に接触するときそれらの間の平行性を確保することを可能にする。

よって、これらストップは、支持体４０４の表面の中心軸Ｃに対して対称に配置される。それ（該軸）は、この電磁石により制御される磁気プレート４０６の平行移動軸に共線的である。

図５ａ及び図５ｂに示される変更例では、プレート５０６及び電磁石５０１の支持体５０４間の接触を更に改善するために、アクチュエータ５００において５つのストップＢ_５００が用いられており、図３ａ及び３ｂに示されるような中心ストップと、図４ａ及び４ｂに示されるような４つの周辺ストップとが組み合わされる。

図３ａ、３ｂ、４ａ、４ｂ、５ａ、そして５ｂに示されるアクチュエータは、磁気プレートの反対側にもうけられ電磁石のＥ字形状の支持体上に配置される磁石によりバイアスされ、これにより、これら磁石の固定及び／又は交換が容易になる。

従来の電気機械式アクチュエータを示す図である。 バイアスされた電磁石及びバイアスされていない電磁石により磁気プレート上に及ぼされる異なる動作を示す図である。 本発明の異なる変更例を示す図である。 本発明の異なる変更例を示す図である。 本発明の異なる変更例を示す図である。

符号の説明

１００、１５０、３００、４００、５００ アクチュエータ
１０２、１０４ スプリング
１０６、１０８、１５６、１５８、３０１、４０１、５０１ 電磁石
１０７、１０９ コイル
１１０ バルブ
１１１ 弁座
１１２ ロッド
１１４、１６４、３０６、４０６、５０６ プレート
１１６ シリンダ
１５６_ａ、１５６_ｂ サブエレメント
１６６、１６８、３０２ 磁石
３０４、４０４、５０４ 支持体

Claims (6)

1. 内燃機関用の電気機械式バルブアクチュエータ（３００、４００、５００）であって、
   電磁石（３０１、４０１、５０１）と、移動することにより該電磁石の一部と接触する可動磁気プレート（３０６、４０６、５０６）とを有し、
   前記プレート（３０６、４０６、５０６）及び前記電磁石（３０１、４０１、５０１）間の接触面積を制限するために、少なくとも１つのストップ（Ｂ_３００、Ｂ_４００、Ｂ_５００）が前記電磁石（３０１、４０１、５０１）上又は前記プレート（３０６、４０６、５０６）上に配置されており、
   前記電磁石（３０１、４０１、５０１）は、磁石を含むＥ字形状の磁気回路を有しており、前記ストップ（Ｂ_３００、Ｂ_４００、Ｂ_５００）の少なくとも１つは、該Ｅ字形状の磁気回路の平行な３つの分岐のうちの１つの端に配置されており、前記ストップは、前記プレートが当該ストップに接した際にも前記電磁石の前記磁気回路の各端分岐にエアギャップが残るように構成されていることを特徴とする電気機械式バルブアクチュエータ。
2. １つの前記ストップ（Ｂ_３００）が、前記電磁石（３０１）及び前記プレート間の接触面の中心に配置されていることを特徴とする請求項１に記載のアクチュエータ。
3. 複数の前記ストップ（Ｂ_４００、Ｂ_５００）が、前記電磁石（４０１、５０１）上及び／又は前記プレート上に配置され、前記ストップは、前記プレート（４０６、５０６）の移動軸に対して対称に配列されていることを特徴とする請求項１又は２に記載のアクチュエータ。
4. 前記磁石は、前記プレートと対向して、前記Ｅ字形状の磁気回路の前記平行な３つの分岐のうちの１つの表面に配置されていることを特徴とする請求項１に記載のアクチュエータ。
5. 前記Ｅ字形状の磁気回路の表面上に２つの磁石が配置され、前記ストップは、該２つの磁石間に配置されることを特徴とする請求項１から４のいずれか１項に記載のアクチュエータ。
6. 請求項１から５のいずれか１項に記載された内燃機関用の電気機械式バルブアクチュエータ（３００、４００、５００）を備えた内燃機関であって、該アクチュエータは電磁石（３０１、４０１、５０１）と、該電磁石と接触する可動磁気プレート（３０６、４０６、５０６）とを有していることを特徴とする内燃機関。

Images