JP2006511953A - 永久磁石付電磁バルブアクチュエータ - Google Patents

永久磁石付電磁バルブアクチュエータ Download PDF

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Abstract

本発明は電磁バルブアクチュエータに関するもので、この電磁バルブアクチュエータは、弾性部材(12、13)と1個以上のコイル(20)との作用の下で移動可能なアクチュエータ部材(11,14)と、コイル(20)に電力が供給されない状態のときに弾性部材(12、13)に抗してアクチュエータ部材(11,14)を中心から最も離れた位置の少なくとも一方に保持するように配置される1個以上の永久磁石(22)とを具備する。上記コイル(20)はコア(16)を付帯しており、付帯するコアは永久磁石(22)と接触しているそれぞれ第一の小平面(21)と第二の小平面(23)間で永久磁石の厚さ(H)よりもはるかに小さいエアーギャップ(e)を実現する第二の小平面(23)とからなる二つの部分(17)を有している。本発明によれば、エアーギャップ(e)は、永久磁石(22)の磁化方向(25)に対して所定の角度を形成することができる。

Description

本発明は、永久磁石を利用した電磁バルブアクチュエータに関する発明である。
電磁バルブアクチュエータは、公知の技術で、例えば、特開平08−004546号公報(JP-A-08 004546)の先行技術資料においては、移動可能なアクチュエータ部材を有する電磁バルブアクチュエータが紹介されている。このアクチュエータ部材の移動は、弾性部材と1個以上のコイルおよび1個以上の永久磁石による作用の下で、コイルに電力が供給されていない状態のときに、アクチュエータ部材を弾性部材に抗して、少なくとも中心から最も離れた位置のいずれか一方に保持するような配置方法をとることにより、実現されている。コイルは、二つのコア部分を有するコアに関連づけられている。この二つのコア部分は、各々に第一の小平面(facets)を有しており、この第一の小平面は、永久磁石と接触する形となっている。上記コア部分の一方は突起部を有しており、この突起部は磁石の磁化方向とは平行して、上記コア部分の他方まで延びている。そのため、上記二つのコア部分の上に、第二の小平面(facets)をそれぞれ規定することができ、この第二の小平面は、永久磁石の厚さよりはるかに薄いエアーギャップによって空間的な間隙を形成している。
突起部がバイパスを形成するので、このバイパスにコイルからの磁束の大部分が導かれ、残りの磁束だけが永久磁石を通過していくこととなり、この結果として、永久磁石が消磁される危険性から守られることになる。
その調整のため、第二の小平面は、永久磁石の側面に隣接した状態で、第一の小平面とは、平行した方向に延びている。そして、エアーギャップは、永久磁石の磁化方向と平行して、延びることになる。
上記のようなコイルおよび永久磁石等の配置によって、アクチュエータの寸法が大きくなるという問題が発生し、永久磁石の磁化方向に対して垂直の方向が、特に問題となる。
本発明の目的は、永久磁石を備えると共に、小型化を実現するためのバイパス経路を備えた電磁バルブアクチュエータを提供することにある。
本発明は、上記特徴を有するタイプの電磁バルブアクチュエータを提示するために、コア部分の二箇所にあたる第二の小平面間に在るエアーギャップが、永久磁石の磁化方向に対して所定の角度を形成するようにしている。
こうして、寸法の増加は、第一の小平面へのエアーギャップの突起寸法を減らすことで抑えられる。
「本発明を実施するための最良の形態」の説明では、エアーギャップが、永久磁石の磁化方向に対して直角の角度になるようにしている。これが、どの寸法も増加させずにバイパスを形成することを可能にしている。
ここでは、添付図面の概観図を参照しながら、本発明の実施例の説明を行うので、本発明に関して、より理解が深まるであろう。
図1に関連して、本発明のアクチュエータ10は、非磁性体のハウジングを有しており、エンジンのシリンダヘッド4の上に搭載され、バルブ1を駆動するために使用される。
アクチュエータ10はプッシャー11を有し、このプッシャーは、バルブ1のステムと同一軸方向に滑動する。バルブ1のステムの端とプッシャー11の端は、互いに2個のバネ12および13によって駆動され、これら2個のバネ12および13の各々は、プッシャー11とバルブ1のステムに対して、相反する方向に作用する。バネ12と13は、プッシャー11が平衡状態になる位置を規定しており、この平衡状態では、バルブは半分開いた状態になる。
プッシャー11はアーマチャ14に固定されている。また一方で、アーマチャ14は強磁性体の材料から作られており、空洞15の内側を移動する。空洞15は、強磁性体のコア16の内側にあって、コア16自体は2個のコア部分17から構成されている。空洞15は、上面の活性化面18と底の活性化面19によって範囲が定まり、各々の活性化面は、両方のコア17の部分まで延びている。アーマチャ14が、一方の端または他の端の近い位置まで近づいたときに、すなわちバルブが開放または閉じた状態に対応することになるが、アーマチャ14は、エアーギャップがゼロか、または対応する活性化面に非常に接近することになる。
図示例では、アクチュエータは単一のコイルを有しており、コア部分17の一方は単一のコイル20まで延びている。
加えて、2個のコア部分17は、まず第一に、第一の小平面21を持っていて、その小平面は永久磁石22の表面と接触している。さらに、第二に、第二の小平面23を持っていて、その小平面ではエアーギャップがeで互いに面しており、エアーギャップeは永久磁石22の高さHよりはるかに小さい。
アクチュエータは、以下のように作動する。
アーマチャ14が、上面の活性化面18により近づくと仮定すると、底面の活性化面19に対して、最初は磁束がアーマチャを通過し、上面の活性化面を経由してループを形成する。アーマチャの移動期間中は、アーマチャ14が底面の活性化面19に近づくにつれ、磁束がアーマチャを通過し、底面の活性化面を経由して、ループを形成するようになる。そして、アーマチャは、上記の底面に引き寄せられる。
アーマチャ14を上面の活性化面に引き寄せるためには、コイル20に磁束30を発生させるための電力が供給され、永久磁石22の磁束32と同一方向に流れるようにすればよいが、それを図1に示している。
磁束30はコイル20によって発生させられ、アーマチャ14を通過して、上面の活性化面18を経由して、一方のコアから他のコアへ通過することにより、2番目の小平面23を完全に通過することになる。その理由は、非常に小さいエアーギャップeが2番目の小平面23の間にあり、第一の小平面21間にある距離Hに比較してはるかに小さいからである。
コイル20によって発生した磁束30は、この磁束30による作用を磁束32に追加することになる。また一方で、磁束32は永久磁石22によって発生し、その磁束は、アーマチャ14と上面の活性化面18の間にあるエアーギャップが、エアーギャップeより小さくなったときには、コア部分17を通りぬけ、第一の小平面21間を経由して、アーマチャ14にてループを形成する。ストロークの端では、アーマチャ14が、上面の活性化面18に近づいたとき、コイル20への電力を遮断または逆転させるのは、速度を制御して、アーマチャ14を上面の活性化面18に停止させるためである。
図2からわかるように、アーマチャ14が、一度、上面の活性化面18に隣接した場合、永久磁石22からの磁束32は、アーマチャ14を上面の活性化面18に隣接させたままで、バネ12の力に抗して保持するほど、強い力となる。
この観点から、活性化面の部分は、アーマチャと接触した状態では、永久磁石22の表面の領域より小さい領域を提供することになるので、結果的に、アーマチャ14上では、集中した磁束と永久磁石22によって吸引力が増大した傾向を示すことになる。
アーマチャ14を離すためには、図3に示すように、コイル20には、反対方向の磁束31を発生させるように電力を供給し、永久磁石22によって発生した磁束32を妨害するようにする。反対方向の磁束31は、コイル20によって励磁され、そして、図1で示したとは反対方向にループを形成して、少なくとも永久磁石22からの磁束32を相殺するようにし、アーマチャ14に影響する吸引力を、もはやバネ12の力に抵抗するのに充分なようにする。そうすれば、アーマチャ14は上面の活性化面18から離れることができる。
本発明のバルブアクチュエータにおいては、コイル20によって発生する磁束は、永久磁石22からの磁束32とは同一方向または反対方向に作用するので、2番目の小平面23を経由して通過し、コア16内に磁束の通路を形成することになる。そのため、コイル20によって発生する磁束が永久磁石22を通過することはない(損失を無視した場合)。
永久磁石22は、最悪でも、コイル20によって励磁された磁束の周縁部分にしか、晒されない。この周縁部分は、いずれにしてもコイル20に高電流で電力を供給した場合であっても、永久磁石22を消磁させるために必要な磁束よりはるかに小さな磁束しか発生しない。
本発明の重要な観点に従えば、エアーギャップeは、永久磁石からの磁束が第二の小平面23を経由してループを形成するのを阻止するためには、充分大きくすることが必要である。しかしながら、一方で、エアーギャップeは、第一の小平面21を経由して永久磁石を通過していくようなコイルからの磁束の損失を減らすためには、充分小さくする必要がある。
本発明の特殊な観点に従えば、第二の小平面23は、この場合、永久磁石との相対的な位置に配置される。この場合、エアーギャップeは、永久磁石22の磁化方向25と垂直になっている。実施例で示されているように、第二の小平面23はアクチュエータ10の内側の方向に延びている。第一の小平面と第二の小平面23とは、お互いに垂直になった状態で延びている。
上記のような配置が、アクチュエータに対して、第一の小平面21と第二の小平面23とのハウジングを可能にしており、さらに、小平面21と小平面23の領域に、比較的多くの磁束が通過できるようにしており、また一方で、アクチュエータ全体の寸法が大きくならないようにしている。これに関連して、第一の小平面21に対して第二の小平面23を垂直にすることが、必ずしも必要でないことが認識されるべきである。逆にいえば、上記の小平面間の角度の関係は、任意に構成することが可能であり、コアの形状に適合した任意の角度で、各々の望ましい領域を確保することができるようにすればよいこととなる。
実施例で示すように、磁石は、アクチュエータがシリンダヘッド4に係合している面と平行に延びており、上部の水平ブランチ26と下部の水平ブランチ27との間に配置されることがわかるであろう。上記二つの水平ブランチの各々は、二つのコア部分17の一方に包含されており、さらに、第一の小平面21の一方も有している。上記水平ブランチの各々は、一般には、L型構造によって垂直ブランチ28に接続され、垂直ブランチ28の底辺の端は、上面の活性化面18と底面の活性化面19とを形成するようになっている。
永久磁石22は、コアの幅と同じ程度の幅をもっているので、上記の水平ブランチに接続される垂直ブランチの厚さ分およびエアーギャップeに対応する間隙分だけ差し引かれるような配置になっている。このような配置によって、特に永久磁石22に接触している第一の小平面21の寸法を大きくすることが可能である。
本発明は、これまで説明した実施例に制限されることなく、それどころか、添付の特許請求の範囲の請求項によって定義される発明の範囲内で派生する変形例も範囲に含めることができる。
とりわけ、ここでは、直線的に移動する一つのアーマチャを有する単一コイルのアクチュエータに関連して本発明を説明しているが、また一方で、本発明は回転可能に配置された一つのアーマチャを有する単一のアクチュエータにも適用できる。さらには、本発明は、直線動作または回転動作のいずれにも対応する一つのアーマチャと関連づけられている2個のコイルにも適用される。この場合、少なくとも1個のコイルは、少なくとも1個の永久磁石と、当該永久磁石の外側を通過するコイルからの磁束に対する磁気経路を規定する1個のコアとに関連づけられる。
アーマチャがコアに引き付けられた状態にあるときに、磁束がアクチュエータ内を移動する状況を示すために、エンジンシリンダーの頭部に搭載した本発明のアクチュエータを断面で示している図である。 アーマチャが保持された状態にあるときに、磁束がアクチュエータ内を移動する状況を示す、図1と類似の断面図である。 アーマチャがコアから離れた状態にあるときに、磁束がアクチュエータ内を移動する状況を示す、図1と類似の断面図である。

Claims (2)

  1. 弾性部材(12、13)と1個以上のコイル(20)とによる作用の下で移動可能なアクチュエータ部材(11,14)と、前記コイル(20)に電力が供給されない状態のときに前記弾性部材(12、13)に抗して中心から最も離れた位置の少なくとも一方に、前記アクチュエータ部材(11,14)を保持するように配置される1個以上の永久磁石(22)とを具備している電磁バルブアクチュエータにおいて、
    前記コイル(20)はコア(16)を付帯しており、前記コア(16)は、前記永久磁石(22)と接触しているそれぞれの第一の小平面(21)と、第二の小平面(23)間で前記永久磁石の厚さ(H)よりもはるかに小さいエアーギャップ(e)を実現するそれぞれの第二の小平面(23)からなる二つの部分(17)とを有しており、
    前記エアーギャップ(e)は、前記永久磁石(22)の磁化方向(25)に対して所定の角度を有することを特徴とする電磁バルブアクチュエータ。
  2. 前記エアーギャップ(e)は、前記永久磁石(22)の磁化方向(25)に対して直角に形成することを特徴とする請求項1に記載の電磁バルブアクチュエータ。
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